JP3942273B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両端に二色又は二種のペン先又は筆先を備えた筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、アルコール等の揮発性有機溶剤を主溶剤とした筆記具(以下、「油性サインペン」という。)では、軸本体に内蔵されたインキが揮発しないようにキャップや尾栓によりシールされ密閉されているが、溶剤の性質により僅かずつ溶剤が蒸発し、その蒸気が軸本体を透過して揮発してしまうという課題を有していた。
そのため、例えば実公昭58-15197号公報に記載の両頭式の油性サインペンでは、長期保存中において、一重の軸筒内にあるインキ吸蔵体と二重の軸筒内にあるインキ吸蔵体とでは軸筒を透過する揮発性有機溶剤の量に差が生まれ、当該公報の図面においてペン芯(2)側とペン芯(6)側とでは、その筆記寿命に著しい差を生じることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、溶剤の揮発量を抑制し、前部筆記具と後部筆記具との筆記寿命のバランスのとれた筆記具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、筆記具の内筒軸に穿孔を設けることにより、上記従来の課題を解決することを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0005】
即ち、本発明の両頭筆記具は、溶剤が透過する樹脂で成形された外筒軸先端よりペン芯を嵌挿し、このペン芯後端に前記樹脂を透過する溶剤からなるインキを充填したインキ吸蔵体を結合し、上記外筒軸内のインキ吸蔵体後方に所要の空間部を有するように構成した前部筆記具と、内筒軸ヘッド側先端よりペン芯を嵌挿し、このペン芯後端に上記インキ吸蔵体内のインキと同じ種類の溶剤からなるインキを充填したインキ吸蔵体を結合し、このインキ吸蔵体を密閉するように上記内筒軸ヘッドを内筒軸に結合し、この内筒軸後端で上記インキ吸蔵体後端の尾栓を行うように構成した後部筆記具とを備え、上述した前部筆記具の外筒軸内のインキ吸蔵体後方に、後部筆記具の内筒軸を嵌挿し、内筒軸で前部筆記具のインキ吸蔵体の尾栓を行えるように構成した筆記具において、内筒軸底面から離れた内筒軸側面に内筒軸内と外筒軸内とが連通する穿孔を設けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る前部筆記具Aと後部筆記具Bの縦断面図である。図2は、図1に示した後部筆記具Bの尾端を前部筆記具Aの尾端よりその内側に嵌挿して、1本の筆記具とした状態の縦断面図である。図3は、外筒軸内の内筒軸の縦断面図及び横断面図である。
【0007】
本発明の両頭筆記具Cは、図1に示す前部筆記具Aと後部筆記具Bとを備えており、後部筆記具Bの尾端を前部筆記具Aの尾端よりその内側に嵌挿して、図2に示す1本の筆記具として構成したものである。
前部筆記具Aは、溶剤が透過する樹脂で成形された外筒軸1の先端にペン芯2をホルダー2aを介して強制嵌挿し、外筒軸1内のペン芯2後端に外筒軸1後端よりその内側に収容した前記樹脂を透過する溶剤を含有するインキを充填したインキ吸蔵体3を結合し、ペン芯2を密閉するようにキャップ4を設けた構成である。
【0008】
他方、後部筆記具Bは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等で成形された内筒軸ヘッド5側の先端にペン芯6をホルダー6aを介して嵌挿し、内筒軸ヘッド5内のペン芯6後端に上記インキ吸蔵体3内のインキと同じ種類の溶剤を含有するインキを充填したインキ吸蔵体7を結合し、内筒軸ヘッド5より後方に突出したこのインキ吸蔵体7を密閉するように内筒軸ヘッド5の筒部5aに内筒軸8と外筒軸嵌合部12より内筒軸7後端側に内筒軸内と図3に示す外筒軸内とが連通するような穿孔11を少なくとも1個設けた内筒軸8を被嵌しており、この内筒軸8後端内面がインキ吸蔵体7の固定及び尾栓的役目を果たし、またペン芯6を密閉するようにキャップ9が設けられた構成である。
【0009】
更に、前部筆記具Aの外軸筒1内のインキ吸蔵体3後方に所要の長さの空間部10があり、この空間部10に後部筆記具Bの内筒軸8が嵌挿され、後部筆記具Bの内筒軸8の後端が前部筆記具Aのインキ吸蔵体3の尾栓的役目を果たす構成である。
【0010】
実施形態における穿孔は、内筒軸8の側面部後端寄りに位置して少なくとも1個以上形成されている。
但し、本発明に係る穿孔は、内筒軸に内筒軸内と外筒軸内とが連通するように設けられたものであり、好ましくは該内筒軸の底面から離れた内筒軸側面に設けられたものである。また、該穿孔は、上記筆記具の大きさにより何個でも設けることが可能であるが、少なくとも1個以上の穿孔を設けていれば本発明の効果が得られる。
また、穿孔の形状も特に限定されないが、例えば円柱状、円柱状、四角柱等が挙げられる。
【0011】
溶剤が透過する樹脂で成形された外筒軸に使用される材質としては、特に限定されないが、例えばポリプロピレン等が挙げられる。
【0012】
本発明で用いられるインキ吸蔵体3及びインキ吸蔵体7に充填されているインキは、特に限定されないが、同じ種類の溶剤からなるインキであれば良く、同色でも或いは異なる色のインキでも良い。
【0013】
同じ種類の溶剤としては、インキ吸蔵体3及びインキ吸蔵体7に充填されているインキに主溶剤として用いられるもので、外筒軸を成形する樹脂を透過する溶剤であれば特に限定されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール等のアルコール類、例えばエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル等のアルキレングリコールエーテル類等からなる群より選ばれた溶剤であれば良い。
【0014】
また、本発明で用いられるインキは、色材として顔料及び/又は染料を用いればよい。
【0015】
顔料としては特に限定されないが、例えば酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、例えばフタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の有機顔料等が挙げられる。これら顔料は、そのまま用いても良いし、或いは、樹脂や界面活性剤等で表面改質した加工顔料を使用しても良い。
【0016】
染料としては特に限定されないが、例えば塩基性染料、酸性染料、直接染料等はもちろん、可溶化やマイクロカプセル化等をしたものでも良い。該染料の具体例としは、例えばオリエント化学(株)製の「バリファストブラック#1802」、「バリファストブラック#1805」、「バリファストブラック#3820」、「バリファストバイオレット#1701」、「バリファストイエローAUM」、「バリファストイエロー#3104」等、保土ケ谷化学(株)製の「スピロンバイオレットC−RH」、「スピロンブラックCMHspecial」、「スピロンイエローC−GNH」、「スピロンオレンジGRH」、「スピロンレッドBEH」等、オーラミン、ローダミン等が挙げられる。
【0017】
これらのインキへの添加量は、特に制限はなく、インキの溶解度や分散力に応じた量、または所望の色相や濃度に適した量であれば良い。しかしながら、この量は印影濃度及びインキ吐出量に深く関係し、添加量が多すぎると印影濃度は高くなるが、吐出量が少なくなって筆記具の寿命が短くなる。逆に、添加量が少ないと捺印寿命が長くなるが、印影の発色が良くない。該インキへの添加量としては、インキ総量に対して通常3〜20重量%の範囲から適宜選択される。
【0018】
インキを調製する際には、ビヒクルが通常用いられる。該ビヒクルとしては、1種の分散樹脂と、1種もしくは2種以上の上記同じ種類の溶剤によって構成されるものが挙げられる。
【0019】
分散樹脂としては、例えばポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂等が挙げられる。
【0020】
本発明で用いられるインキには、必要に応じて本発明の両頭筆記具の性質を損なわない範囲で上記以外の成分を添加しても良い。添加可能な成分としては、例えば樹脂、界面活性剤、防腐剤、分散助剤等が挙げられる。
【0021】
インキ吸蔵体に使用される材質としては、特に限定されないが、例えばスポンジゴム、プラスチック、セラミック、金属焼結体等を用いることが可能であり、その具体例としては、例えばアクリルゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブチレンゴム、塩化ビニルゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)、PVF(ポリビニルホルマール)等が挙げられる。
【0022】
内筒軸8及び内筒軸ヘッド5を成形する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0023】
尚、外筒軸と内筒軸に用いられる樹脂は、外筒軸と内筒軸によるシール性を考え、一般に使用される樹脂の中から硬度の違いや樹脂の柔らかさにより樹脂同士を密着させる事ができる様な樹脂を適宜選択することが好ましく、より好ましくは、その中でも樹脂と溶剤との組み合わせが良いものを適宜選択すれば良い。
【0024】
本発明に係る、ペン芯2及びペン芯6の材質は、本発明の両頭筆記具の用途により適宜選択すれば良く、例えば繊維束芯、プラスチック等が挙げられる。
また、繊維束芯を用いる場合には、中綿繊維が用いられ、その種類は特に限定はなく、その外皮はフィルム巻き、チュービング等どちらでも使用可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の両頭筆記具は以下のような効果を奏するものである。
従来の筆記具は、ポリエチレン又はポリプロピレンで成形された内筒軸は前部筆記具及び後部筆記具の夫々インキ吸蔵体の尾栓の役割を果たすので、インキ吸蔵体に充填されているインキの揮発を防止することはできるが、内筒軸と外筒軸嵌合部より内筒軸後端側に内筒軸内と外筒軸内とが連通するような穿孔がなく、更にアルコール系のインキを用いているので、通常マーカー類に使用される溶剤と比較して外気温度の上昇に伴う蒸気圧の増加量が大きく、内筒軸の嵌挿されていない前部筆記具用のインキ吸蔵体は透過による外筒軸全表面よりの揮発減量が多くなり、筆記具の寿命が後部筆記具より極端に短くなるという課題を有していた。これに対し、本発明によれば、内筒軸と外筒軸嵌合部より内筒軸後端側に内筒軸内と外筒軸内とが連通するような穿孔を設け、内筒軸内と外筒軸内を連通させることにより、前部筆記具内のインキ吸蔵体からの揮発減量が緩和され、前部筆記具と後部筆記具の筆記寿命バランスの均衡をとることができる。
また、上記穿孔を内筒軸底面から離れた内筒軸側面に設ければ、よりインキの混色等の弊害を抑制することができる。
更に、外筒軸をポリプロピレンで成形し、かつ、内筒軸を例えばポリエチレン、ポリプロピレン等で成形すれば、シール性が良く、コストもかからず、しかも成形が容易となる。
更にまた、インキに用いる溶剤、即ち、樹脂を透過する溶剤を選択することにより、上記効果をより奏するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る前部筆記具と後部筆記具の縦断面図である。
【図2】前部筆記具と後部筆記具とを一体化した状態の筆記具の縦断面図である。
【図3】内筒軸の縦断面図及び横断面図である。
【符号の説明】
A 前部筆記具
B 後部筆記具
C 両頭筆記具
1 外筒軸
2 ペン芯
3 インキ吸蔵体
4 キャップ
5 内筒軸ヘッド
6 ペン芯
7 インキ吸蔵体
8 内軸筒
9 キャップ
10 空間部
11 穿孔
12 外筒軸嵌合部
Claims (3)
- 溶剤が透過する樹脂で成形された外筒軸先端よりペン芯を嵌挿し、このペン芯後端に前記樹脂を透過する溶剤からなるインキを充填したインキ吸蔵体を結合し、上記外筒軸内のインキ吸蔵体後方に所要の空間部を有するように構成した前部筆記具と、内筒軸ヘッド側先端よりペン芯を嵌挿し、このペン芯後端に上記インキ吸蔵体内のインキと同じ種類の溶剤からなるインキを充填したインキ吸蔵体を結合し、このインキ吸蔵体を密閉するように上記内筒軸ヘッドを内筒軸に結合し、この内筒軸後端で上記インキ吸蔵体後端の尾栓を行うように構成した後部筆記具とを備え、上述した前部筆記具の外筒軸内のインキ吸蔵体後方に、後部筆記具の内筒軸を嵌挿し、内筒軸で前部筆記具のインキ吸蔵体の尾栓を行えるように構成した筆記具において、内筒軸底面から離れた内筒軸側面に内筒軸内と外筒軸内とが連通する穿孔を設けたことを特徴とする両頭筆記具。
- 外筒軸がポリプロピレンで成形され、かつ、内筒軸がポリエチレンもしくはポリプロピレンで成形されていることを特徴とする請求項1に記載の両頭筆記具。
- 樹脂を透過する溶剤が、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、エチレングリコールメチルエーテル及びプロピレングリコールメチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の両頭筆記具。
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| JP13548998A JP3942273B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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| JPH11321185A JPH11321185A (ja) | 1999-11-24 |
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| JP13548998A Expired - Fee Related JP3942273B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 筆記具 |
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1998
- 1998-05-18 JP JP13548998A patent/JP3942273B2/ja not_active Expired - Fee Related
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