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JP3945239B2 - コークスケーキの収縮量の測定方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コークスケーキの収縮量を効率よく、かつ正確に測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の室炉式コークス炉を用いた乾留において、該炉の炭化室内の石炭層は、炉壁レンガを加熱面として加熱されるため、炉壁面に近い部分の石炭から乾留されてコークスケーキを形成する。そして、乾留終了後では、コークスケーキ自体が炉の幅方向(水平方向)に収縮するため、炉壁とコークスケーキの間、およびコークスケーキ中心部に隙間が生じる。この隙間の存在により、生成したコークスを押出し機によりコークス炉から容易に押し出すことができるのである。
【0003】
ここで、コークスケーキの収縮量が不十分な場合には、上記の隙間が小さくなるため、コークスの押出し不良を生じることになり、生産性が低下することに加え、押出し機のプッシャーロッドからコークスケーキを介して炉壁に大きな横圧がかかり、場合によってはコークス炉の炉壁を損傷するという重大なトラブルに発展する。
【0004】
従って、コークスケーキの収縮量を正確に把握することが、コークス炉の操業安定化および炉体長寿命化を実現する上で必須であると考えられている。
従来、コークスケーキの炉幅方向での収縮量は、例えば2〜500kg 規模の小型の試験コークス炉を用いて測定されている。すなわち、この試験コークス炉を用いたコークスケーキ収縮量の測定方法として、コークス温度および炉壁温度が1000℃以上の熱間状態においては、炉壁に開口した窓孔からロッドを挿入してコークス面に直接押し当て、そのロッドの変位を読み取ることが行われている。
【0005】
しかしながら、上記の測定方法では、開口した窓孔の部分的な情報しか得ることができず、データの信頼性に欠けるきらいがあった。
【0006】
一方、コークス温度および炉壁温度が室温の冷間状態においては、図1に示すように、試験コークス炉1内に装入した石炭2を乾留して、コークスケーキ3を生成させ、該乾留後のコークス炉1の壁面と生成したコークスケーキ3の表面との間に形成された空隙にガラスビーズ4を装入して、その装入量からコークスケーキの収縮量tを算出する方法が用いられている。
【0007】
しかしながら、この測定方法では、ガラスビーズがコークスケーキ表面の亀裂に入り込む結果測定誤差を生じたりすること、また測定精度を確保するのに小径のガラスビーズを使用するため、取り扱いが困難になって測定効率が低いこと、などの問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明の目的は、従来技術が抱えている上述した問題点を解消し、コークスケーキの平均収縮量を、正確かつ効率良く測定する方法について提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的を実現するための方途を鋭意究明したところ、特に小規模の試験コークス炉の炉壁内面からコークスケーキ表面までの水平距離を透過放射線像により正確に求められることを知見し、この発明を完成するに到った。
【0010】
すなわち、この発明は、コークス炉におけるコークスケーキの収縮量を測定するに当り、コークス炉の透過放射線像を撮影し、該透過放射線像における、コークス炉に装入した石炭に熱を付与する加熱面とコークスケーキ表面との間に生じた空隙の面積から、該空隙の水平方向の平均距離を算出することによって、コークスケーキの収縮量を求めることを特徴とするコークス収縮量の測定方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図2に、この発明に係る透過放射線像を用いたコークスケーキの収縮量測定方法の概念図を示す。すなわち、この発明では、コークスケーキの収縮量を炉の加熱面から生成したコークスケーキ表面までの水平距離にて求めるようにしたものである。以下、コークスケーキの収縮量の求め方について詳述する。
【0012】
まず、石炭の乾留を行うコークス炉としては、測定の容易な小規模の試験コークス炉を用いることが好ましい。この試験コークス炉は、図2に示すように、一般のコークス炉の炉壁に相当する加熱面1aおよび1bが2面あり、コークス炉の炉幅に相当する方向、すなわち加熱面1aおよび1bと直交する方向に加熱される。すると、乾留後には、炉壁に相当する加熱面1aおよび1bとコークスケーキ3との間にそれぞれ空隙5が生じる。
【0013】
次に、コークス炉の炉幅方向に相当する方向、すなわち石炭の乾留が進行する方向、具体的には図2の試験コークス炉における加熱面1aおよび1bと直交する方向(以下、炉幅方向という)を含む断面における、コークスケーキの透過放射線像を撮影する。
【0014】
すなわち、図2に示すように、加熱面1aおよび1bの外側に対向して配置した、X線管6および検出器7は、その対向した状態を保持したまま、図中点線で示す円軌道上を同期して移動可能に設けてある。従って、X線管6および検出器7の移動により、2次元の断層像が得られるのである。なお、X線管6および検出器7の移動により切り取られる面の方向は、上記の炉幅方向と一致させておく必要がある。
【0015】
なお、図2において符号8はX線管6および検出器7の制御と測定されたX線の強度から各部位の透過率を算出して2次元の透過放射線像へ変換する操作盤および同9は透過放射線像の2値化処理を行う画像解析装置である。
【0016】
かくして得られる透過放射線像は、例えば図3(a)に示すように、各部位での放射線の透過度に対応した濃淡で表わされた2次元画像である。従って、適切な閾値を用いて2値化処理を行うことによって、例えば図3(b)に示すように、コークスケーキ3または加熱面1a,1bと空隙5との区別を容易に行うことができる。
【0017】
ここで、コークスケーキは、通常、炉幅方向での収縮率は30%未満であり、また高さ方向での収縮率は20%未満であるため、2値化処理を行う領域は、加熱面から炉幅方向の30%、高さ方向は底部から石炭装入高さの80%とすればよい。なお、乾留時の加熱は通常2つの加熱面(炉壁)から行われるため、その場合、各加熱面毎に、該加熱面から炉幅の15%かつ石炭装入高さの80%の領域について、それぞれ解析すればよい。このように解析領域を設定することによって、コークスケーキ内に発生した亀裂と空隙とを区別することができる。なぜなら、亀裂はコークスケーキ中にある空隙であり、コークスケーキの外側すなわち炉壁との間に生成した空隙と区別することができるからである。
【0018】
次いで、これらの解析領域における空隙の面積を求め、この面積を解析領域の高さで割ることによって容易にコークスケーキと加熱面(炉壁)との間にできた空隙の水平方向距離の平均値tを求めることができる。この平均値が、コークスケーキの収縮量である。
【0019】
さらに、上述の方法では一断面でコークスケーキと加熱面(炉壁)との間にできた空隙を求める手法を示したが、図2に示したX線管6および検出器7を移動して、先に観測した断面と平行する複数の断面について上記の操作を繰り返すことによって、コークスケーキの厚み方向にも平均化を進めれば、測定精度をより向上することが可能である。
【0020】
なお、透過放射線像撮影装置の測定部内に加熱炉を設置することで熱間でのコークスケーキと加熱面(炉壁)との間の空隙も測定することができる。また、実際に加熱面または炉壁がなくても、加熱面の位置が分かれば、仮想的に加熱面を設定することによって、上記の方法を適用できる。
【0021】
【実施例】
図4に示す、加熱面1a,1bと底板10および天板11がれんが製の、コークスケーキの平均収縮量測定用の小型模擬レトルトを用いて、40kg規模の乾留炉において、表1に示す乾留条件の下で乾留を行った。 この乾留後に、小型模擬レトルトを透過放射線像の撮影装置の所定位置にセットし、透過放射線像を撮影した。透過放射線像は、図3(a)に示したように、各部位での放射線の透過度に対応した濃淡で表わされた2次元画像であり、付属のコンピュータに取り込まれる。なお、透過放射線像は、コークスケーキの炉奥行き方向100mm の中心部分、すなわち端面から50mmの断面で撮影を行った。
【0022】
【表1】
Figure 0003945239
【0023】
ここで用いた、100mm 幅の小型模擬レトルトでは、通常コークスケーキの収縮量は30mm以下であることから、加熱面(炉壁)から15mmおよび高さ方向は炉底から160mm の範囲である、各加熱面毎の解析領域、合計で2つの領域に対して解析を行った。かように解析領域を加熱面(炉壁)から15mmと限定することによって、亀裂の影響を少なくしている。
【0024】
この2つの解析領域にてコークスケーキと空隙とを2値化処理により区別し、空隙と見做した部分の面積を解析領域の高さ160mm で除したのち、それぞれ足し合わせたものを、空隙の水平方向の平均成分、つまりコークスケーキの収縮量として求めた。その結果を、表2に示す。
【0025】
また、比較として、工場で使用している配合炭を乾留したのち、得られたコークスケーキの収縮量を、図1に示した従来の手法に従って、コークスケーキの収縮量の測定を行った。その結果を表2に併記する。なお、比較例1では、ガラスビーズを用いて亀裂に粘土を埋込んでビーズが亀裂内に入らないようにして測定を行った。一方、比較例2では、ガラスビーズを用いて亀裂に何も施さないで測定を行った。
【0026】
【表2】
Figure 0003945239
【0027】
表2に示すように、比較例1ではガラスビーズが亀裂に入らないため、コークスケーキの収縮量は1回目の測定で8.7mm および2回目の測定で8.8mm と、ほぼ再現性の良い測定を行うことができた。しかしながら、1回目の測定に2時間1分も要してしまった。これに対して、亀裂に何も施さないで測定した比較例2では測定時間は短くなったが、亀裂にビーズが侵入して収縮量が大きくなると同時に再現性も悪くなった。これらの比較例に対して、この発明に従う測定では、測定時間も31.5分以下と大幅に短縮され、さらに再現性も非常に良く、コークスケーキの平均収縮量の測定には大変効果的であることがわかる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コークスケーキの収縮量を効率よく迅速に、かつ正確に測定することができるため、石炭配合条件や乾留条件がコークス平均収縮量に対して与える影響を把握するのに極めて有効な手段が与えられる。その結果、コークス炉の操業の安定化および炉体の長寿命化の実現が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガラスビーズによるコークス収縮量の測定方法を示す図である。
【図2】 この発明に従ってコークス収縮量を測定する方法の概要を示す図である。
【図3】 撮影した透過放射線像と2値化処理を行った後の透過放射線像とを示す図である。
【図4】 クリアランス測定用に用いた小型模擬レトルトを示す図である。
【符号の簡単な説明】
1 試験コークス炉
1a,1b 加熱面
2 石炭
3 コークスケーキ
4 ビーズ
5 空隙
6 X線管
7 検出器

Claims (1)

  1. コークス炉におけるコークスケーキの収縮量を測定するに当り、コークス炉の透過放射線像を撮影し、該透過放射線像における、コークス炉に装入した石炭に熱を付与する加熱面とコークスケーキ表面との間に生じた空隙の面積から、該空隙の水平方向の平均距離を算出することによって、コークスケーキの収縮量を求めることを特徴とするコークス収縮量の測定方法。
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