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JP3947599B2 - 熱転写シート及び転写シート仮止め方法 - Google Patents
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JP3947599B2 - 熱転写シート及び転写シート仮止め方法 - Google Patents

熱転写シート及び転写シート仮止め方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱により被接着物に画像を転写する熱転写シート及び熱転写シート仮止め方法に関し、特に、インクジェット記録用として画像記録が可能な熱転写シート及び熱転写シート仮止め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、文字や図柄(以下、文字や図柄を総称して「画像」と云う)などの画像が形成された転写シートを用いて、該画像を所望するもの(被接着物)に転写することが行われている。
【0003】
この種の転写シートにおいては、該転写シートを加熱することによって、画像を被接着物へ転写・固定する所謂熱転写シートがある。この加熱による転写は、画像の固定が極めて強固かつ確実であることから、例えば、ハンカチや衣類のように、洗濯など比較的荒い使用形態のものに適しており、衣類などに多用されてきている。
【0004】
この熱転写シートについて、図6の断面図を参照して説明する。
図6に示すように、熱転写シート40は、画像の形成された画像形成層42および該画像形成層42の上に設けられた接着層43が基材41上に設けられた構成である。
【0005】
そして、画像形成層42を衣類等の被接着物30に転写するときは、図6に示すように、接着層43を被接着物30の上に重ね合わせ、その後、加熱手段である例えばアイロンを用いて、少なくとも転写領域に対応する基材41の表面全体を加熱する。この加熱操作は、普通、非接着物30に対してアイロンを適宜加圧しつつ擦り(例えば、矢印X0方向の擦り)つける。
【0006】
このような加熱操作によって、被接着物30と画像形成層42とは、熱によって温度が上昇して接着力を生じた接着層43により接着される。
その後、基材41を画像形成層42から剥離することにより、被接着物30上に所定の画像を形成したように、画像形成層42が転写される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前掲の図6に示した従来の熱転写シート40においては、上記加熱操作によって画像形成層42を被接着物30に強固に転写することができる。
しかし、加熱する前において、被接着物30上に熱転写シート40を載置した状態では、動き易いために、所望の位置からずれることがある。
【0008】
特に、被接着物30が比較的伸びちじみするような素材(例えば、生地や伸縮性の部材)にて構成されている場合には、アイロンやホットプレス等により擦る(矢印X0方向)ように加熱操作することから、熱が伝わって接着層43が接着力を発揮するまでは、加熱操作中の熱源(アイロンやホットプレス)の動きに引きずられるように熱転写シート自体も移動(矢印X1方向)してしまい、転写位置が所望の位置からずれてしまう問題があった。
【0009】
また、転写画像の位置を決定する場合、特に被接着物30が衣類であるときは、被接着物30に熱転写シートを当ててハンガー等に吊るした状態等の実際の状態に近い状態として見ることが最も良い。そこで、従来においては、洗濯バサミや粘着テープで止めたり、あるいは他の人に持ってもらうなどの方法をとっているのが現状であった。
しかしながら、洗濯バサミや粘着テープでは、アイロンやホットプレス等による加熱操作のとき邪魔になると云う問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み成されたものであって、その目的とするところは、アイロン等の熱源により擦るような加熱操作をしたときでも、熱転写シートが熱源の動きに引きずられるような現象を防止して、転写位置を正確にすることができ、かつ転写位置を決定する時の仮止め操作が容易にできる熱転写シート及び熱転写シート仮止め方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る熱転写シートは、基材上に、画像保持機能を有する画像形成層および被接着物との接着機能を有する接着層を有しており、加熱によって前記被接着物へ前記画像形成層を転写可能とする熱転写シートであって、
前記接着層が水分の付与によって、前記被接着物に対して仮止め用粘着力が生じる接着剤を備えたことを特徴とし(請求項1)、或いは、基材上に、画像保持機能とともに被接着物との接着機能を有する画像形成層を有しており、加熱によって、前記被接着物へ前記画像形成層を転写可能とする熱転写シートであって、前記画像形成層が水分の付与によって、前記被接着物に対して仮止め用粘着力が生じる接着剤を備えたことを特徴とし(請求項4)、これにより、上記目的を達成することができる。
【0012】
また、本発明に係る上記熱転写シートにおいて、
・前記接着層は、加熱により接着力が生じる成分と、水分の付与により粘着力が生じる成分とが混合されていること(請求項2)、
・前記接着層は、加熱により接着力が生じる熱接着層と、該熱接着層の上に水分付与により粘着力が生じる仮止め層とを有していること(請求項3)、
・前記画像形成層は、加熱により接着力が生じる成分と、水分の付与により粘着力が生じる成分とが混合されていること(請求項5)、
・前記基材と前記画像形成層との間に易剥離手段が設けられたこと(請求項6)、
・前記画像形成層が、インクジェット記録方式により画像形成可能なインク受容層により構成されたこと(請求項7)、
・シート端部が前記仮止め用接着力を生じる接着剤を備えたこと(請求項8)、
を特徴とする。
【0013】
本発明に係る熱転写シート仮止め方法は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱転写シートを用いて、前記画像形成層を前記被接着物へ転写するときに、加熱前に、前記画像形成層に供給するインクにより画像を形成し、該インクの水分によって、前記被接着物に対して仮止め可能な粘着力を生じさせることとし(請求項)、これにより上記目的を達成することができる。
【0014】
また、本発明に係る上記熱転写シート仮止め方法において、
・前記画像形成層へのインク供給を、インクジェットプリンタによること(請求項10)、を特徴とする。
【0015】
(作用)
本発明に係る熱転写シートによれば、接着層や画像形成層の接着領域が水分の付与によって粘着力が生じるように構成されたことで、転写操作に際して、加熱する前に、接着領域に水分を付与してから、被接着物への転写位置に熱転写シートを載置することで、熱転写シートを、接着領域の仮止め用粘着力により所定の位置に仮止めすることができる。この仮止め力により、アイロン等の熱源により擦るような加熱操作に伴う引きずり力に対抗することができ、この仮止め状態から、加熱の熱により最終的に所望の位置に強固に固定することができる。
【0016】
なお、ここで云う“仮止め用粘着力”とは、被接着物への染料等の染み込みや転写画像の最終的な固定に関与する粘着力ではなく、被接着物に対して熱転写シートを仮に保持しておくことができれば良く、転写位置を決めるときの貼り替え操作の際に、被接着物に損傷を与えない程度の粘着力である。
【0017】
また、本発明に係る熱転写シートによれば、前記接着層或いは前記画像形成層が、加熱により接着力を生じるとともに、水分の付与により粘着力を生じるように構成されていることで、接着層を単層にて両機能を生じさせることができ、層構成が複雑化しない(請求項2、5)。
【0018】
本発明に係る熱転写シートによれば、前記接着層が、加熱により接着力が生じる熱接着層と、該熱接着層の上に水分の付与により粘着力が生じる仮止め層との二層構造を有することで、各層の機能をより確実に発揮することが容易になる(請求項3)。
【0019】
本発明に係る熱転写シートによれば、前記基材と前記画像形成層との間に易剥離手段が設けられたことにより、該基材と画像形成層との剥離がより容易になる(請求項)。
【0020】
本発明に係る熱転写シートによれば、前記画像形成層が、インクジェット記録方式により画像形成可能なインク受容層により構成されたことにより、水分付与前においては、粘着性を有しないことからインクジェットプリンター内を通過することができ、ユーザーの所望する様々な画像を簡易に形成でき、画像形成後には、水分の付与により位置ズレすることなく正確に転写することができる(請求項)。
【0021】
本発明に係る熱転写シートによれば、シート端部が前記仮止め用接着力を生じるように構成されたことにより、画像転写の位置合わせをするときに、このシート端部のみ接着させることで、位置合わせを容易にできる。また、仮止めをし直すときには、接着部分がシート端部であることから操作性がよい。さらに、シート端部が非画像領域(インクジェットプリンタによる形成画像の場合はシート端部が非画像領域となる余白部分が形成される)である場合には、仮止め操作の時に画像領域を手指にて触ること無くでき、画像への油分やゴミの付着等を避けることができる(請求項)。
【0022】
本発明に係る熱転写シート仮止め方法によれば、前記画像形成層を前記被接着物へ転写するときに、加熱前に、前記画像形成層に供給するインクにより画像を形成し、該インクの水分によって、前記被接着物に対して仮止め可能な粘着力を生じさせるので、熱転写シートを、接着領域の仮止め用粘着力により所定の位置に仮止めすることができ、転写位置を決めるときの操作性が向上し、さらに、例えば、アイロン等の熱源により擦るような加熱操作に伴う引きずり力に対抗することができ、この仮止め状態から、加熱の熱により最終的に所望の位置に強固に固定することができる(請求項)。
【0023】
本発明に係る熱転写シート仮止め方法によれば、前記画像形成層へのインク供給を、インクジェットプリンタによることで、画像形成によって、自動的に仮止め用粘着力を発生させることができる(請求項10)。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る熱転写シート及び熱転写シート仮止め方法の一実施の形態について、添付図に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す熱転写シートを被接着物に重ね合わせた状態における断面図であり、図2は第1の実施の形態を示す熱転写シートの断面図である。
なお、第1の実施の形態の説明にあたっては、先ず、図2を参照して熱転写シートを説明し、引き続いて図1を参照して転写操作を説明する。
【0026】
図2に示すように、転写シート10は、画像形成層2と該画像形成層2の上(図面においては下側)に設けられた接着層3とが基材1上に易剥離手段4を介して設けられた構成である。
【0027】
そして、画像形成層2を衣類等の被接着物30に転写するときは、図1に示すように、接着層3を被接着物30の上に重ね合わせる前に、接着層3の表面に水を適量塗布する。この水の塗布により、接着層3の表面に粘着力を有する粘着部5が形成される(接着層3全体が粘着部5として機能してもよい)。この後、接着層3を被接着物30の上に重ね合わせる。
その後、加熱手段である例えばアイロンにより、転写領域に対応する基材1の表面全体を加熱するように該アイロンを適当な圧力により加圧しつつ擦り(矢印X0方向)つける。
【0028】
このように、接着層3が水の塗布によって粘着力が生じるように構成されたことで、加熱する前に、接着層に水分を付与してから、図1に示すように被接着物30への転写位置に熱転写シート10を載置することで、熱転写シート10は、接着層3の粘着力により所定の位置に仮止めされる。
【0029】
この仮止め用粘着力が作用することにより、アイロン等の熱源により擦る(矢印X0方向)ような加熱操作に伴う引きずり力が大きくても、この引きずり力に対抗することができ、転写位置の位置ずれを回避した状態で、被接着物30と画像形成層2とは、熱によって温度が上昇して接着力を生じた接着層3により最終的に接着される。
【0030】
その後、基材1を画像形成層2から離すように力を加えることにより、易剥離手段4により容易に剥離することができ、被接着物30上に画像形成層2が転写される。
【0031】
基材1としては、特に限定するものではなく、合成樹脂、紙、合成紙等、従来知られているものを用いることができる。
【0032】
基材1と画像形成層2との剥離性を高める易剥離手段4は、剥離性樹脂層として形成することができ、例えばアクリル樹脂、メラミン樹脂、ビニル樹脂、塩化オレフィン樹脂等を単独もしくは混合しても良い。また、易剥離手段4としては、基材1の表面に、剥離性をより高めるためにシリコンコーティングを施す構成であってもよい。
更に、基材1との剥離を容易にするものとして、例えば、植物ロウであるカルナバロウ,木ロウ,オウリキュリーロウ,エスバルロウ、動物ロウである蜜ロウ,昆虫ロウ,セラックロウ,鯨ロウ、石油ロウであるパラフィンワックス,マイクロクリスタルワックス,ポリエチレンワックス,エステルワックス,酸ワックス、鉱物ロウであるモンタンロウ,オゾケライト,セレシン等のワックス類を挙げることができる。
【0033】
本発明に係る熱転写シート10において、画像形成層2は、画像が形成された既製品として構成されていてもよいが、インクジェットプリンター等の画像形成装置により平易に画像を形成することのできるインク受容層にて形成されていることが望ましい。
【0034】
画像形成層2がインク受容層にて構成されている場合、例えばインクジェットプリンタにより画像を形成(画像形成層2にインクを供給)することにより、このインクの水分によって、被接着物30に対して仮止め可能な粘着力を生じさせることができる。すなわち、画像形成層2へのインク供給を、インクジェットプリンタによることで、画像形成によって自動的に仮止め用粘着力を発生させることができる。
さらにシート端部が非画像領域であるため、仮止め操作の時に粘着力が生じている画像領域を手指にて触ることなくできる。さらに、インクジェット印刷によって生じた粘着力が、インク中の水分の蒸発によって低下した時には、非画像領域に水分を付与させることによって、印刷領域に水分を付与することなく仮止め操作を行なう事ができる。
【0035】
接着層3に用いる接着剤は、例えばナイロンホットメルトパウダーを用いることができるが、要は、加熱によって接着性を付与できるものであれば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂として、ポリウレタン,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ユリア樹脂などを挙げることができる。
熱可塑性樹脂として、石油系樹脂類では、エチレン系共重合体,ポリアミド系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリアクリル系樹脂,酢酸ビニル樹脂,アイオノマー樹脂,ポリオレフィン系樹脂,塩化ビニル系樹脂,セルロース系樹脂,ロジン系樹脂など、エラストマー類では、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,イソプレンゴム,クロロプレンゴム,ジエン系コポリマーなど、ロジン誘導体では、エステルガム,ロジンマレイン酸樹脂,ロジンフェノール樹脂,水添ロジンなど、芳香族系炭化水素樹脂では、フェノール樹脂,テルペン樹脂,シクロペンタジエン樹脂などを挙げることができる。
【0036】
水分の付与によって粘着力が生じる接着剤としては、特にその種類を問わないが、接着剤の好ましい例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、大豆タンパク等の蛋白質系、でんぷん、デキストリン等の含水炭素系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ビスロース等のセルロース系、アラビアゴム、トラガントゴム、アルギン酸ソーダ等の水溶性接着剤が用いられ、これらは単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、接着性向上・塗工性・安定性等の目的でポリビニルエチルエーテル、グリセリン、カセイカリや多価アルコール等を適宜配合してもよい。
【0037】
加熱によって接着力を生じる成分と、水分の付与によって接着力を生じる成分との混合比率は、その成分によって種々変わるものであり、例えば9:1〜1:9とする事ができる。
【0038】
また、インク受容層に添加する材料としては、例えば、シリカ,炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,タルク,クレー,カオリン,ケイソウ土,硫酸バリウム,酸化チタン,酸化亜鉛,サチンホワイト,ケイ酸アルミニウム,リトポン等を挙げることができる。
【0039】
又、易剥離手段4、画像形成層2、接着層3を設ける方法としては、例えば、バーコーター、スピンコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーターなどの公知装置を使用して塗布し乾燥する方法を採用することができる。
【0040】
これら易剥離手段4、画像形成層2、接着層3の厚さについては、厳密にいえば記録インク組成・単位面積当りのインク打込み量等や他層との釣り合いが取れるように設定するのが好ましいが、易剥離手段4は1〜15μm程度、接着層3は1〜20μm程度、画像形成層2(インク吸収層)は5〜40μm程度が好ましい。
【0041】
前記画像形成層2がインク受容層にて構成される場合は、該インク受容層に対応する記録インクのインク組成物としては、着色剤、有機溶媒等で構成されるものを用いることができる。
なお、上記着色剤の好ましい例としては、顔料や直接染料、酸性染料、食料染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建築染料、可溶性建築染料、反応分散染料、油性染料が挙げられ、いずれも使用できるが、中でも水溶性染料は記録液の性能上好ましく使用される。
【0042】
顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ベリレン顔料、ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0043】
これら染料の添加料は、染料の種類、溶媒成分の種類、インクに対し要求されている特性等に依存して決定されるが、一般にはインク全重量に対し0.2〜15wt%、好ましくは0.5〜10wt%の範囲が好ましい。
有機溶媒の好ましい例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の高沸点低揮発性の多価アルコール類が用いられ、その他Nメチル2-ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、モノエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機用剤等の水溶性有機溶剤を印字のにじみが生じない範囲で添加することができる。
更に必要なら、増粘剤、消泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜配合することもできる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態を示す熱転写シートの断面図である。
図3に示す熱転写シート20は、第1の実施の態様と同様に、画像形成層2とこの画像形成層2の上(図面においては下側)に設けられた接着層3とが基材1上に易剥離手段4を介して設けられた構成である。
しかし、本実施の形態においては、接着層3は、加熱により接着力が生じる熱接着層6と、該熱接着層6の上に水分付与により粘着力が生じる仮止め層7とからなることを特徴としている。
【0045】
したがって、画像形成層2を衣類等の被接着物30に転写するときは、第1の実施の形態の場合と同様(図1参照)に、接着層3の仮止め層7に適量の水を塗布する。この水の塗布により、仮止め層7は、その表面若しくは全体が粘着力を有する層として機能し始める。この後、仮止め層7を被接着物30の上に重ね合わせる。
この後の操作については、第1の実施の形態と同様にすることができる。
【0046】
本実施の形態の熱転写シート20によれば、接着層3が、加熱により接着力が生じる熱接着層6と、該熱接着層6の上に水分の付与により粘着力が生じる仮止め層7とからなる二層構造となっていることから、両層の機能(加熱により最終的に接着する機能と、水付与に伴う粘着力による仮止め機能)をより確実に発揮することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態を示す熱転写シートの断面図である。
図4に示す熱転写シート10aは、第1の実施の態様とは異なり、画像形成層2aが基材1上に易剥離手段4を介して設けられた構成である。
そして、本実施の形態においては、画像形成層2aは、画像保持層としての機能を有し、さらに、加熱により接着力が生じる材料と、水分付与により粘着力が生じる材料とを有している。
【0048】
したがって、画像形成層2aを衣類等の被接着物30に転写するときは、第1の実施の形態の場合と同様(図1参照)に、接着面側に適量の水を塗布する。この水の塗布により、画像形成層10aは、その表面が粘着力を有する層として機能し始める。この後、被接着物30の上に重ね合わせる。
この後の操作については、第1の実施の形態と同様にすることができる。
【0049】
本実施の形態の熱転写シート10aによれば、画像形成層2aは、画像保持機能(インク受容性)に加えて、加熱により接着力が生じる機能と、水分の付与により粘着力が生じる仮止め機能との三つの機能を有しているので、前記両実施の形態のように、層構造にしなくてもよく、層間の分離を考慮しなくてもよく、また、層の形成工程も簡略化される。
【0050】
なお、インク受容性と密着性(加熱により発生する接着機能)を兼ねるものとしては、酢酸ビニル樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂,ポリエチレン,アクリル系樹脂,ポリスチレンおよびその重合体,ポリイソプレン樹脂,ポリプロピレン,ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体エラストマー,ポリアミド樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリウレタン系樹脂などを挙げることができる。
さらに、水分の付与によって粘着力が発生する材料としては、前掲の第1の実施の形態に示した材料を適宜用いることができる。
【0051】
(第4の実施の形態)
図5は、本発明の第4の実施の形態を示す熱転写シートの平面図である。
図5に示す熱転写シート15は、図中において下側のシート端部に仮止め用接着力を生じる仮止め部9aが設けられている。本実施の形態においては、図示しないが、仮止め部9aの構造は、前掲の第1の実施の形態、第2の実施の形態或いは第3の実施の形態と同様にすることができる。
【0052】
この熱転写シート15は、例えばインクジェットプリンタにより画像を形成するときには、図5に示す矢印Y方向に搬送されるように、該プリンタにセットする。そして、画像形成領域8に所定の画像が形成される。
この結果、非画像領域9に仮止め部9aが位置することになる。(熱転写シート15は予め画像が形成されたものであっても良い。)
【0053】
このように構成された熱転写シート15は、画像転写の位置合わせをするときに、仮止め部9aに水を塗布する。このようにすることにより、シート端部のみを非接着物に仮止め接着させることができ、転写画像の位置合わせを容易にできる。また、アイロン等により加熱するときにおいて、仮止め部側から反対方向(図中における矢印Y方向)に擦るようにすることにより、シート皺等が発生することなく操作性がよい。
更にまた、仮止めをし直すときには、接着部分がシート端部の仮止め部9aであることから、画像形成領域8を触ることなく再接着の操作をすることができ、本実施の形態の構成の熱転写シート15は、転写作業における操作性が良い。
【0054】
本実施の形態においては、図5に示すように、仮止め部9aは、熱転写シート15の短辺に沿った全域に形成しなくてもよく、シート角部分に設けるような構成でもよい。
【0055】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明に係る熱転写シートについて具体的に説明する。
なお、以下の実施例および比較例を説明するにあたって、前掲の図2を参照している。即ち、各実施例,比較例で作製されたサンプルは、図2に示すように、熱転写シート10は、画像形成層2と該画像形成層2の上(図面においては下側)に設けられた接着層3とが基材1上に易剥離手段4を介して設けられた構成である。
【0056】
(実施例1)
本実施例1では、基材1として上質紙(110kg/m2)の表面にシリコンコーティングを施し、さらにその上に易剥離手段4としてアクリル樹脂コートされた基材シートを作成した。
さらに、易剥離手段4の上に画像形成層2としてエチレン・酢酸ビニル共重合体をトルエンで溶解させた溶液をバーコータで塗布し、乾燥させて30μm形成した。
接着層3として、アラビアゴムと粒径100μmのナイロンホットメルトパウダー1:9の比で混合し5g/m2になるようにして熱転写シート10の実施例サンプルを作成した。
【0057】
(比較例1)
比較例1として、実施例1で作成した基材シートの接着層3にナイロンホットメルトパウダーを5g/m2塗布する以外は同じ方法で熱転写シート10の比較例サンプルを作成した。
【0058】
これらの熱転写シート10の実施例及び比較例のサンプルに、セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンターMJ−910Cを使用してプリント図柄の印刷を行った。
次に、この熱転写シートの印刷物を、実施例サンプルでは水を塗布した状態で、比較例サンプルではそのままで、綿100%の生地片の上に印刷面を生地片に密着するように設置し、その上にアイロンを置き180℃で90秒間ヒートプレスを行い転写生地片を熱接着した後、基材1を剥離除去し、プリント図柄入り転写物を、各サンプル10個ずつ形成した。
【0059】
実施例サンプルの熱転写シート10では、転写操作を開始する当初の位置決め箇所の位置から殆どズレることなくに固定することができたが、比較例サンプルにおいては、全てのサンプルにおいて、加熱中に熱転写シートのずれが発生してしまった。
【0060】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明に係る熱転写シートは、水分の付与によって仮止め用粘着力が生じるように構成されたので、転写操作を行う時に、所定の領域に水分を付与してから、転写位置に熱転写シートを接触させることで、熱転写シートを、水付与による粘着力により所定の位置に仮止めでき、アイロンやホットプレス等の熱源により不測の外力による位置ズレを効果的に防止することができ、加熱の熱により最終的な固定を正確な位置決め下にて実施することができる。
【0061】
また、本発明に係る熱転写シートは、接着層を有し、該接着層が加熱により接着力を生じるとともに、水分の付与により粘着力を生じるように構成されている場合には、接着層を単層として極めて平易な層構成にて、仮止め機能並びに最終適な強固な固定機能の両機能を生じさせることができる。
【0062】
本発明に係る熱転写シートは、前記接着層が、加熱により接着力が生じる熱接着層と、水分の付与により粘着力が生じる仮止め層とからなる二層構造とした場合には、層成分の調整が容易であり、両層の異なった機能をより確実に発揮することができる。
【0063】
本発明に係る熱転写シートは、基材と画像形成層との間に易剥離手段が設けられた場合においては、該基材と画像形成層との剥離がより容易である。
【0064】
さらに又、本発明に係る熱転写シートは、前記画像形成層が、インクジェット記録方式により画像形成可能なインク受容層により構成された場合には、水分付与前においては、粘着性を有しないことからインクジェットプリンター内を通過することができ、熱転写シートのユーザーが所望する様々な画像を簡易に形成することができ、画像形成後には水分の付与により位置ズレすることなく正確に転写することができ、使い勝手に優れた熱転写シートを提供することができる。
【0065】
本発明に係る熱転写シート仮止め方法は、画像形成層を被接着物へ転写するときに、加熱前に、前記画像形成層に供給するインクにより画像を形成し、このインクの水分によって、前記被接着物に対して仮止め可能な粘着力を生じさせるので、熱転写シートを、仮止め用粘着力により所定の位置に仮止めすることができ、転写位置を決めるときの操作性を良くすることができる。
【0066】
また、本発明に係る熱転写シート仮止め方法において、画像形成層へのインク供給を、インクジェットプリンタにより行う場合には、該プリンタから取り出された後に、自動的に仮止め用粘着力を発生させることができ、画像転写操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態(第1の実施の形態)である熱転写シ−トの転写操作中段における断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態(第1の実施の形態)である熱転写シ−トの断面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態(第2の実施の態様)である熱転写シ−トの断面図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態(第3の実施の態様)である熱転写シ−トの断面図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態(第4の実施の態様)である熱転写シ−トの平面図である。
【図6】 従来の熱転写シ−トの転写操作中段における断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 画像記録層
2a 画像記録層(接着機能を有した画像記録層)
3 接着層
4 易剥離層
5 粘着部
6 熱接着層
7 仮止め層
8 画像形成領域
9 非画像領域
9a 仮止め部
10、10a、20、15 熱転写シ−ト
30 被接着物

Claims (10)

  1. 基材上に、画像保持機能を有する画像形成層および被接着物との接着機能を有する接着層を有しており、加熱によって前記被接着物へ前記画像形成層を転写可能とする熱転写シートであって、
    前記接着層が水分の付与によって、前記被接着物に対して仮止め用粘着力が生じる接着剤を備えたことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記接着層は、加熱により接着力が生じる成分と、水分の付与により粘着力が生じる成分とが混合されていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記接着層は、加熱により接着力が生じる熱接着層と、該熱接着層の上に水分付与により粘着力が生じる仮止め層とを有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  4. 基材上に、画像保持機能とともに被接着物との接着機能を有する画像形成層を有しており、加熱によって、前記被接着物へ前記画像形成層を転写可能とする熱転写シートであって、
    前記画像形成層が水分の付与によって、前記被接着物に対して仮止め用粘着力が生じる接着剤を備えたことを特徴とする熱転写シート。
  5. 前記画像形成層は、加熱により接着力が生じる成分と、水分の付与により粘着力が生じる成分とが混合されていることを特徴とする請求項4に記載の熱転写シート。
  6. 前記基材と前記画像形成層との間に易剥離手段が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  7. 前記画像形成層が、インクジェット記録方式により画像形成可能なインク受容層により構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  8. シート端部が前記仮止め用接着力を生じる接着剤を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱転写シートを用いて、前記画像形成層を前記被接着物へ転写するときに、加熱前に、前記画像形成層に供給するインクにより画像を形成し、該インクの水分によって、前記被接着物に対して仮止め可能な粘着力を生じさせることを特徴とする熱転写シート仮止め方法。
  10. 前記画像形成層へのインク供給を、インクジェットプリンタによることを特徴とする請求項9に記載の熱転写シート仮止め方法。
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