JP3948832B2 - 汚水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は汚水処理装置に関し、さらに詳しくは、屎尿廃水や生活廃水などの汚水に含まれるリン酸を電気分解により溶出した金属イオンと反応させて除去するための汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の汚水処理装置としては、従来、次のようなものが知られている。
【0003】
すなわち、処理すべき汚水が収納される汚水収納槽を設け、その槽内に水不溶性リン酸塩形成金属からなる電極を一組以上配置しておき、これらの電極間に電圧を印加して電気化学的に不溶性リン酸塩形成金属イオンを汚水中に溶出させることで、リン酸を水不溶性リン酸塩にして沈殿除去するようにした装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような汚水処理装置においては、汚水処理の進行に伴って、有機性汚泥あるいは、金属酸化物やリン酸塩などを含んだ無機性汚泥が汚水収納槽の底に堆積していく。そして、堆積した汚泥が電極に接触すると、その接触箇所で電気的に導通が起こることで、所望の金属イオンの溶出が一部阻止されるおそれがある。
【0005】
このような電気的導通現象が発生するようになると、電極の表面に不動態皮膜とよばれる耐蝕性酸化皮膜が形成される結果、水不溶性リン酸塩形成金属イオンの溶出が減少したり停止したりすること(不動態化)がある。このような不動態化が起こると、汚水中のリン酸を水不溶性リン酸塩にして除去することが困難になったり不可能になったりする。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、汚水収納槽の底に堆積した各種汚泥に起因する電気的導通現象や不動態化を防止して、汚水中のリン酸を安定的にかつ確実に除去することのできる汚水処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、1つの底壁及び二組の対向側壁を有する汚水収納槽と、この汚水収納槽内に配され、その汚水中のリン酸を沈殿除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを電気分解により溶出する少なくとも一組の電極と、電極に電解用電流を供給するための電源と、汚水収納槽に堆積する汚泥を槽内で循環させるための循環水流を発生する水流発生手段とを備え、汚水収納槽における一組の対向側壁には、それぞれの下部に、汚泥を底壁の中央付近へ堆積させあるいは循環水流により上方へ導くための傾斜部が設けられ、水流発生手段が、槽外に配された圧縮空気供給用ブロアと、このブロアに接続されて圧縮空気を供給するための給気管と、この給気管に接続されて槽内の底部に配され、供給された圧縮空気を複数の吹出孔から斜め下方へ吹き出すための散気管とを備えてなる汚水処理装置が提供される。
【0008】
汚水収納槽には、電気分解処理に供される汚水が収納される。電極は、例えば長方形板状のものが2枚一組で所定組配され、電気分解により鉄イオンまたはアルミニウムイオンを汚水収納槽に溶出する。電源は各組の電極に電気分解のための電流を供給する。
【0009】
一組の電極は例えば、両方とも鉄(もしくはアルミニウム)電極であり、または一方が鉄(もしくはアルミニウム)電極であり他方が不溶性金属電極である。前者の場合は、所望により電極の極性反転を行うことで電極の不動態化を防止することができる。また、後者の場合は、鉄(もしくはアルミニウム)電極をアノードとし、不溶性金属電極をカソードとする。ここで、不溶性金属電極としては、例えば銀電極や白金電極などがある。また、一組の電極は例えば、把手部のある電気絶縁性スペーサなどに固定され、相互の間隔が一定に保たれているのが好ましい。
【0010】
電気分解により汚水収納槽に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンは、汚水中のリン酸(オルトリン酸)と反応して、水不溶性リン化合物(Fe(OH)x (PO4 )y またはAl(OH)x (PO4 )y )となって凝集し、汚水収納槽に沈殿して堆積する。
【0011】
水流発生手段は、汚水収納槽に堆積する汚泥を槽内で上下方向に循環させるための循環水流を発生する。すなわち、水流発生手段は、槽外に配された圧縮空気供給用ブロアと、このブロアに接続されて圧縮空気を供給するための給気管と、この給気管に接続されて槽内の底部に配され、供給された圧縮空気を複数の吹出孔から斜め下方へ吹き出すための散気管とを備えてなる。
【0012】
このような水流発生手段により発生した循環水流によって、汚泥の一部は、堆積することなく汚水中に懸濁するようになり、汚水収納槽の側壁などに設けられた汚水流出管を通って槽外へ流出しやすくなる。
【0013】
したがって、汚水収納槽の底に堆積した各種汚泥に起因する電気的導通現象や不動態化を防止して、汚水中のリン酸を安定的にかつ確実に除去することが可能になる。
【0014】
汚水収納槽における一組の対向側壁には、それぞれの下部に傾斜部が設けられる。これらの傾斜部は、汚泥を底壁の中央付近へ堆積させあるいは循環水流により上方へ導くためのものである。すなわち、一方の傾斜部は、汚水中の汚泥を底壁の中央付近へ滑り落ちるようにガイドして堆積させる機能を有し、他方の傾斜部は、底壁の中央付近に堆積した汚泥を循環水流によって再び上方へガイドする機能を有する。
【0015】
それぞれの傾斜部の傾斜角度−傾斜部と水平面とで作られる角度−は、汚水収納槽の大きさ、電極の配設組数や配設状態、給気管や散気管の配設本数や配設状態、循環水流の強さや方向などによって適宜決定される。1例としては40〜60度程度である。
【0016】
本発明に係る汚水処理装置は、より好ましくは、底壁に、汚水収納槽に堆積する汚泥を一組の対向側壁のうちの一方の傾斜部から他方の傾斜部へ導くための傾斜部が設けられる。
【0017】
この傾斜部は、一組の対向側壁のうちの一方の傾斜部における底壁寄り箇所(汚泥が側壁の傾斜部を滑り落ちるようにガイドされて堆積するようになる箇所)から他方の傾斜部における底壁寄り箇所(汚泥が循環水流によって再び上方へガイドされるようになる箇所)へ向かって下り傾斜になるように構成される。
【0018】
このように構成されることにより、側壁の一方の傾斜部を滑り落ちるようにガイドされた汚泥は、さらに底壁の傾斜部を滑り落ちるようにガイドされて、側壁の他方の傾斜部の底壁寄り箇所に堆積するようになる。したがって、その後における循環水流による上方への汚泥ガイドがいっそう容易になる。
【0019】
本発明に係る汚水処理装置は、より好ましくは、電極が、汚水収納槽における汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に配され、散気管が、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行な向きに循環水流を発生するように配される。汚水流入部は、例えば1つの側壁の上方または上部に配される汚水流入管から汚水が汚水収納槽に流入する部分である。汚水流出部は、例えば他の1つの側壁の上部に設けられる汚水流出管へ汚水収納槽からの汚水が流出する部分である。
【0020】
電極及び散気管がこのように構成されていると、汚水収納槽へ流入した汚水が、電極に対しほぼ平行な向きにスムーズに流れる循環水流に乗って、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に循環するために、散気管から吹き出された空気が循環水流に乗って電極表面を効率よく洗浄する。また、懸濁状態になった汚泥は汚水流出部の近くに来たときに汚水流出部を経て槽外へ流出しやすくなる。
【0021】
ここで、より好ましくは、散気管の吹出孔が、電極の直下にかつ電極一組当たり2つ一組になって設けられ、さらにこれら2つ一組の吹出孔が、斜め下方内側へ向かって開口している。これらの吹出孔の開口位置は例えば、鉛直線に対して数度の角度だけ内側へずらして設けられている。
【0022】
散気管の吹出孔が電極の直下にかつ電極一組当たり2つ一組になって設けられていることで、吹出孔から吹き出された空気によって、汚水中にある電極の表面の必要部分を効率よく洗浄することが可能になる。
【0023】
また、2つ一組の吹出孔が斜め下方内側へ向かって開口していることで、沈降する汚泥により吹出孔が塞がれるおそれを防止するとともに、2つの吹出孔から下方へ吹き出された空気はまず、汚水中を互いに近づくように上昇する。このため、空気の吹き出しにより発生した水流は、まず互いに近づくように上昇し、次いで互いに離れるように一組の対向側壁の方向へ向かい、その後、各側壁に沿って下降し再び互いに近づく、というように循環する。このとき電極は、前記のように、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に配されているので、循環水流は、汚水中にある電極の下部→内側中間部→内側上部→内側中間部→下部の経路をたどることになり、電極表面の大部分にほぼ均等に当たる。したがって、循環水流によって電極表面の必要部分をほぼまんべんなく洗浄することが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1つの実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0025】
図1〜図3に示すように、本発明の1つの実施の形態に係る汚水処理装置D1 は、1つの汚水収納槽1と、二組の電極2・3と、各組の電極2・3に電流を供給するための直流電源(図示略)と、1つの電極保持体4とを備えてなる。
【0026】
汚水収納槽1は、1つの底壁5と、二組の対向側壁6・7・8・9とを有し、平面形状がほぼ方形の箱からなり、屎尿廃水や生活廃水などの処理すべき汚水が収納される。汚水収納槽1の1つの側壁8の上方には、電解処理すべき汚水を汚水収納槽1における汚水流入部へ流入させるための汚水流入管10が配され、他の1つの側壁6の上部には、電解処理後の汚水を汚水収納槽1における汚水流出部から流出させるための汚水流出管11が設けられている。
【0027】
各組の電極2・3はいずれも長方形板状の鉄板であり、汚水中のリン酸を除去する鉄イオンを電気分解により溶出させる。一組の電極2・3は、これらの上端に取り付けられた塩化ビニル樹脂製の電気絶縁性スペーサ12により、それらの間隔が一定に保たれている。
【0028】
この汚水処理装置D1 は水流発生手段を備えている。水流発生手段は、汚水収納槽1に堆積する汚泥を槽内で上下方向に循環させるための循環水流(図1において黒い矢印で示す)を発生する。
【0029】
すなわち、水流発生手段は、図1〜図5に示すように、槽外に配された圧縮空気供給用ブロア13(図7に示す)と、ブロア13に接続されて圧縮空気を供給するための給気管14と、給気管14に接続されて槽内の底部に方形枠状に配され、供給された圧縮空気を複数の吹出孔15aから斜め下方へ吹き出すための散気管15とを備えてなる。
【0030】
図1に示すように、汚水収納槽1における一組の対向側壁6・7には、それぞれの下部に傾斜部6a・7aが設けられている。一方の傾斜部7aは、汚水中の汚泥を底壁5の中央付近へ滑り落ちるようにガイドして堆積させる機能を有している。他方の傾斜部6aは、底壁5の中央付近に堆積した汚泥を循環水流によって再び上方へガイドする機能を有する。これらの傾斜部6a・7aの傾斜角度α・β−傾斜部6a・7aと水平面とで作られる角度−は、いずれも45度にされている。
【0031】
底壁5にも傾斜部5aが設けられている。すなわち、傾斜部5aは、底壁5の全体にわたるものであり、一方の側壁7の傾斜部7aにおける底壁5寄り箇所(汚泥が側壁7の傾斜部7aを滑り落ちるようにガイドされて堆積するようになる箇所)から他方の側壁6の傾斜部6aにおける底壁5寄り箇所(汚泥が循環水流によって再び上方へガイドされるようになる箇所)へ向かって下り傾斜になるように構成されている。この傾斜部5aの傾斜角度γ−傾斜部5aと水平面とで作られる角度−は、約5度にされている。
【0032】
図2に示すように、二組の電極2・3は、汚水収納槽における汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に配されている。
【0033】
また、散気管15は、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行な向きに循環水流を発生するように配されている。すなわち、散気管15の吹出孔15aは、電極2・3の直下にかつ電極2・3一組当たり2つ一組になって設けられており、さらにこれら2つ一組の吹出孔15aは、斜め下方内側へ向かって開口している。これらの吹出孔15aの開口位置は例えば、鉛直線に対して角度δ(約5度)だけ内側へずらして設けられている。
【0034】
図6及び図7に示すように、この汚水処理装置D1 は小型合併処理浄化槽101に組み込まれている。
【0035】
浄化槽101の内部は、屎尿廃水と生活廃水との混合した汚水が流入する流入管102の側から、汚水処理ずみの水を外部へ放流する放流管103の側にかけて、汚水浄化処理の工程順に応じて複数の槽が区画形成された槽構造にされている。104は流入管102側の最前部に区画形成された第1嫌気濾床槽である。この第1嫌気濾床槽104では、屎尿廃水や生活廃水の中に混入していて浄化処理できない夾雑物を沈澱分離させて除去する。
【0036】
第1嫌気濾床槽104には嫌気性微生物の濾床である第1嫌気濾床105が設けられており、第1嫌気濾床105に微生物を棲息させることで嫌気処理を行うようにされている。第1嫌気濾床105は、流入水や逆洗廃水が一時的に流入した際の水流によって沈澱物が巻き上げられて浮遊物質となって次の槽へ流出するのを抑えて、次の槽の負荷を下げることができる。
【0037】
106は第1嫌気濾床槽104に隣接して区画形成された次の第2嫌気濾床槽である。第2嫌気濾床槽106では、第2嫌気濾床107に嫌気性微生物を棲息させることで嫌気処理を行うようにされている。
【0038】
108は第2嫌気濾床槽106に隣接して区画形成された次の好気濾床槽である。第1嫌気濾床槽104と第2嫌気濾床槽106とは垂直な隔壁109で仕切られている。隔壁109の上部には、隔壁109を貫通する移流口110が開口形成されている。そして、移流口110に移流管111が嵌められている。第2嫌気濾床槽106と次の好気濾床槽108とは垂直な隔壁112で仕切られている。隔壁112の上部には、隔壁112を貫通する移流口113が開口形成されている。そして、移流口113に移流管114が嵌められている。
【0039】
第1嫌気濾床槽104から移流管111を通って第2嫌気濾床槽106へ移流してきた汚水は、第2嫌気濾床107を下降流で通過した後、移流管114を通って次の好気濾床槽108へ送り込まれる。
【0040】
第2嫌気濾床槽106に設けられた第2嫌気濾床107により、ある程度のSSが捕捉される。捕捉されたSSは、徐々に嫌気分解されて溶解性のものになっていったり、第2嫌気濾床槽106の底に汚泥として貯留されたりする。また、第2嫌気濾床107では有機性の窒素がアンモニア性の窒素に嫌気分解される。
【0041】
好気濾床槽108には、好気性微生物の濾床である好気濾床115が設けられており、好気濾床115に好気性微生物を棲息させることで好気処理を行うようにされている。好気濾床槽108の底部付近には、曝気装置の曝気管116が横設状態に配されている。曝気装置は、曝気管116から空気を吹き出すことで、好気濾床槽108の好気濾床115に棲息する好気性微生物に酸素を供給する。
【0042】
125は前記曝気装置に切換可能に接続され好気濾床115の下方に設けられた逆洗管であり、この逆洗管125から空気を吹き出すことで、好気濾床115に付着した生物膜を剥離させる。117は好気濾床槽108に隣接して区画形成された次の沈殿槽である。沈殿槽117では、好気濾床槽108で好気処理され、濾過されて移流してきた処理水を静置貯蔵する。
【0043】
118は沈殿槽117の上部に区画形成された消毒槽である。消毒槽118は、沈殿槽117で処理された後の上澄み水を消毒処理して、放流管103から外部へ排出するようにされている。
【0044】
好気濾床槽108と次の沈殿槽117との間は、下部を残して垂直な隔壁119で仕切られている。第2嫌気濾床槽106から移流管114を通って好気濾床槽108へ移流してきた汚水は、好気濾床115を下降流で通過した後、次の沈殿槽117へ送り込まれる。
【0045】
好気濾床槽108の上部から第1嫌気濾床槽104の上部にかけて、処理水中の上澄み水を返送するための返送管122が配されている。そして、好気濾床槽108からリフト管123により汲み上げられた上澄み水は、分水計量装置124、返送管122を経て汚水処理装置D1 に送られてリン除去処理に供された後に、第1嫌気濾床槽104へ戻される。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、1つの底壁及び二組の対向側壁を有する汚水収納槽と、この汚水収納槽内に配され、その汚水中のリン酸を沈殿除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを電気分解により溶出する少なくとも一組の電極と、電極に電解用電流を供給するための電源と、汚水収納槽に堆積する汚泥を槽内で循環させるための循環水流を発生する水流発生手段とを備え、汚水収納槽における一組の対向側壁には、それぞれの下部に、汚泥を底壁の中央付近へ堆積させあるいは循環水流により上方へ導くための傾斜部が設けられ、水流発生手段が、槽外に配された圧縮空気供給用ブロアと、このブロアに接続されて圧縮空気を供給するための給気管と、この給気管に接続されて槽内の底部に配され、供給された圧縮空気を複数の吹出孔から斜め下方へ吹き出すための散気管とを備えてなる。このような構成によれば、水流発生手段により発生した循環水流によって、汚水中の汚泥の一部は堆積することなく汚水中に懸濁するようになり、また、一方の側壁における傾斜部は汚泥を底壁の中央付近へ滑り落ちるようにガイドして堆積させる機能を有し、他方の側壁における傾斜部は底壁の中央付近に堆積した汚泥を循環水流によって再び上方へガイドする機能を有する。したがって、汚水中の汚泥が汚水収納槽の側壁などに設けられた汚水流出管を通って槽外へ流出しやすくなり、堆積汚泥に起因する電気的導通現象や不動態化を防止して、汚水中のリン酸を安定的にかつ確実に除去することが可能になる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、底壁に、汚水収納槽に堆積する汚泥を一組の対向側壁のうちの一方の傾斜部から他方の傾斜部へ導くための傾斜部が設けられている。したがって、側壁の一方の傾斜部を滑り落ちるようにガイドされた汚泥は、さらに底壁の傾斜部を滑り落ちるようにガイドされて、側壁の他方の傾斜部の底壁寄り箇所に堆積するようになる。したがって、その後における循環水流による上方への汚泥ガイドがいっそう容易になり、請求項1記載の発明に係る前記効果をいっそう確実に奏することができる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、電極が、汚水収納槽における汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に配され、散気管が、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行な向きに循環水流を発生するように配されている。したがって、汚水収納槽へ流入した汚水が、電極に対しほぼ平行な向きにスムーズに流れる循環水流に乗って、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に循環するため、散気管から吹き出された空気が循環水流に乗って電極表面を効率よく洗浄することができる。また、懸濁状態になった汚泥は汚水流出部の近くに来たときに汚水流出部を経て槽外へ流出しやすくなる。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、散気管の吹出孔が、電極の直下にかつ電極一組当たり2つ一組になって設けられ、さらにこれら2つ一組の吹出孔が、斜め下方内側へ向かって開口している。したがって、沈降する汚泥により吹出孔が塞がれるおそれを防止することができるとともに、電極の直下にかつ電極一組当たり2つ一組になって設けられている吹出孔から吹き出された空気によって、汚水中にある電極の表面の必要部分を効率よく洗浄することが可能になり、さらに、電極表面の大部分にほぼ均等に当たる循環水流によって電極表面の必要部分をほぼまんべんなく洗浄することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施の形態に係る汚水処理装置の正面断面図である。
【図2】図1の汚水処理装置を上面から見た構成説明図である。
【図3】図1の汚水処理装置の側面断面図である。
【図4】図1の汚水処理装置を構成する散気管の一部を示す拡大平面図である。
【図5】図4の散気管の正面断面図である。
【図6】図1の汚水処理装置が組み込まれた合併処理浄化槽の内部を正面から見た構成説明図である。
【図7】図6の合併処理浄化槽の内部を上面から見た構成説明図である。
【符号の説明】
D1 汚水処理装置
1 汚水収納槽
2 電極
3 電極
5 底壁
5a 傾斜部
6 側壁
6a 傾斜部
7 側壁
7a 傾斜部
8 側壁
9 側壁
10 汚水流入管
11 汚水流出管
13 ブロア(水流発生手段)
14 給気管(水流発生手段)
15 散気管(水流発生手段)
15a 吹出孔(水流発生手段)
101 小型合併処理浄化槽
Claims (4)
- 1つの底壁及び二組の対向側壁を有する汚水収納槽と、この汚水収納槽内に配され、その汚水中のリン酸を沈殿除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを電気分解により溶出する少なくとも一組の電極と、電極に電解用電流を供給するための電源と、汚水収納槽に堆積する汚泥を槽内で循環させるための循環水流を発生する水流発生手段とを備え、
汚水収納槽における一組の対向側壁には、それぞれの下部に、汚泥を底壁の中央付近へ堆積させあるいは循環水流により上方へ導くための傾斜部が設けられ、
水流発生手段が、槽外に配された圧縮空気供給用ブロアと、このブロアに接続されて圧縮空気を供給するための給気管と、この給気管に接続されて槽内の底部に配され、供給された圧縮空気を複数の吹出孔から斜め下方へ吹き出すための散気管とを備えてなる汚水処理装置。 - 底壁に、汚水収納槽に堆積する汚泥を一組の対向側壁のうちの一方の傾斜部から他方の傾斜部へ導くための傾斜部が設けられている請求項1記載の汚水処理装置。
- 電極が、汚水収納槽における汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行に配され、散気管が、汚水流入部と汚水流出部とを結ぶ線に対しほぼ平行な向きに循環水流を発生するように配されている請求項1または2記載の汚水処理装置。
- 散気管の吹出孔が、電極の直下にかつ電極一組当たり2つ一組になって設けられ、さらにこれら2つ一組の吹出孔が、斜め下方内側へ向かって開口している請求項3記載の汚水処理装置。
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