JP3949072B2 - 加圧装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧型により被加工物を加圧して、被加工物に対して圧着などの加工を行う加圧装置、および集積回路チップなどの回路素子を基板上に実装する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に回路素子を実装する方法として、基板と回路素子の間に接着性のあるフィルムを配置し、回路素子を基板に向けて加圧、加熱し、圧着実装する方法が知られている。前記接着フィルムとして熱硬化性の異方性導電膜を用いることがあり、この場合、素子の接着と配線を同時に行うことができる。また、熱可塑性のものや、非導電膜や導電または非導電ペーストを用いることもある。これらの接着フィルムを利用した回路素子の実装工程を説明すれば、まず、基板上の、回路素子搭載位置に接着フィルムを載置し、その上に回路素子を置く。接着フィルムの表面は接着性を有しており、回路素子を置く際にわずかに押圧することによって、回路素子は仮固定または仮圧着される。回路素子には、外部と電気的な接続を行うためのバンプと呼ばれる電極が突設されている。素子を載置した際の、基板上の前記バンプに対向する位置には、配線が位置している。回路素子が基板上に載置された状態で、これを加圧すると、前記バンプと配線は、周囲より飛び出しているために、これらの間の接着フィルムがより加圧され、導通する状態となる。また、加熱によって接着フィルムが基板と回路素子を接着し、本圧着が行われる。
【0003】
さらに、複数個の回路素子を同時に実装する技術が下記特許文献1に記載されている。この文献に記載の装置は、柔軟な緩衝層を介して加圧することにより、この緩衝層にて複数の回路素子の高さの違いを吸収し、同時に加圧し、実装を行っている。緩衝層の例としては、ゴム状弾性に富んだシート類、または気体、液体を内包した袋類、風船状物が挙げられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−256311号公報(第3ページ左欄、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の装置においては、緩衝層として、ゴム状弾性を有するシートが提案されているが、シリコンゴムなどのシートでは、高さの高い回路素子の部分の圧力が高くなり、加圧の圧力の均等性が十分に確保できなかった。また、気体や液体を内包した袋類を用いる場合、袋の強度が不足し、十分な加圧の圧力を得ることができなかった。
【0006】
本発明は、前述の問題点を考慮してなされたものであり、複数の回路素子に対して均等に加圧し、これらの実装を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる加圧装置は、複数の加圧型で被加圧物を挟持し、少なくとも一つの前記加圧型と前記被加圧物の間に流動性があり柔軟な材料の流動性柔軟層を含む介在パッドを介在させて、加圧を行うものである。流動性があり柔軟な材料は、ゲル状材料とすることができる。
【0008】
流動性のある柔軟な層を介して圧力を加えることにより、凹凸のある被加工物に対し、低い部分に対しても圧力を加えることができる。例えば、基板上に回路素子を圧着する際の加圧装置として用いれば、各回路素子の高さが異なっていても、ほぼ均等に加圧を行うことができる。
【0009】
また、前記介在パッドは、前記流動性柔軟層を囲むように配置される枠体を有するものとでき、さらには、前記枠体の開口前面に張られ、前記被加圧物に接触する面を形成する膜状部材と、前記枠体と前記加圧型の隙間を覆うシール体と、を有するものとできる。
【0010】
これらの枠体、膜状部材およびシール体は、流動性柔軟層を収容、保持する。また、膜状部材によって、流動性柔軟層を構成する材料が加圧方向に対して横方向に流れ、これのために被加工物がずれてしてしまうことが防止される。
【0011】
さらに、前記介在パッドは、前記流動性柔軟層の、被加圧物に対向する側の反対側に配置された多孔質の柔軟層を含むものとすることができる。
【0012】
さらに、前記流動性柔軟層の材料はゲル状材料とすることができる。
【0013】
また、本発明の他の態様である回路素子を基板上に実装する方法は、基板上に接着フィルムと、これに重ねて回路素子とを配置する工程と、前記回路素子を、流動性があり柔軟な材料を含む流動性柔軟層を介して、前記基板に向けて加圧型により加圧し、圧着する工程と、を有する。流動性があり柔軟な材料は、ゲル状材料とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。以下に説明する実施形態において、被加工物は、電子回路等の基板とこの基板上に実装される回路素子であり、これらが加圧されることによって、圧着と、所定の電気的接続が達成される。
【0015】
図1は、本実施形態の集積回路チップなどの回路素子の実装方法を説明するための概念図である。図1(a)に示すように、基板10の表面には、所定のパターンで、配線12が形成されている。基板10上に、接着用および配線用としての熱硬化性の接着シート14と回路素子16を所定位置に配置する。回路素子16の基板10に対向する面(図において下面)には、電気的な接点となるバンプ18と呼ばれる突起が設けられている。配線12とバンプ18は、接着シート14を挟んで対向する位置にある。言い換えれば、回路素子16の実装位置に基づき配線12を設ける位置が決定されている。
【0016】
次に、図1(b)に示すように、回路素子16および基板10の上方に位置する流動性のある柔軟層(以下、流動性柔軟層という)22を、この流動性柔軟層の更に上方に位置する加圧型をストロークさせることにより回路素子16の表面に接触させる。そして、加圧型をさらにストロークさせ、流動性柔軟層22を図中矢印で示すように、回路素子16や接着シート14の側方へと回り込ませる。
【0017】
図1(c)に示すように、加圧対象となる回路素子16および接着シート14を一体に、その周囲、図においては上方および側方より加圧する、いわゆる等方加圧を行う。前述のように配線12およびバンプ18は、各々が配置された面より突起しており、加圧されることによって、これらの配線12、バンプ18で挟まれた接着シート14の部分がより圧縮され、この圧縮された部分が導電性を有するようになり、配線12とバンプ18の間が導通状態となる。また、加圧型には、ヒータが備えられ、これからの熱により接着シート14が硬化し、回路素子16が圧着される。
【0018】
図2は、集積回路チップの圧着を行う加圧装置の概略構成を示す図である。本装置は、基板10、接着シート14、回路素子16などの被加工物が載置される下型30と、この下型30に対向し、加圧対象となる前記基板10などを下型30と共に挟む位置に上型32と、対向した上型32と下型30の間の空間の側方を囲うサイド型34を有している。サイド型34のさらに外側を囲うようにシール型36が配置されている。シール型36は、上型32、下型30、サイド型34で囲まれた空間を減圧するために、この空間を封止する。
【0019】
サイド型34の図中下端は、介在パッド38を支持する枠体40となっている。介在パッド38は、前記枠体40に直接支持される2枚の膜状の部材42,44と、2枚の膜状部材の間に収容される2種類の柔軟な材料が層をなす柔軟体46を有している。柔軟体46は、枠体40に取り囲まれていることにより、型により圧力が加えられた際に、その圧力を被加工物に効率よく、確実に伝えることができる。下型30側の膜状の部材42(以下、膜状部材42と記す)は、枠体40の開口全面に張られ、加工時において被加工物に押圧される。膜状部材42は、例えばシリコンゴムなどのゴム材料により構成することができる。また、ポリイミド繊維などの織物を心材としたシリコンゴムなどのゴム膜とすることもできる。膜状部材42は、前述のように柔軟体を保持する機能の他に、後述する柔軟体を構成する材料の流動、特に横方向の流動によって生じる被加工物の横ずれを防止する機能がある。例えば、基板10に回路素子16を圧着する際に、柔軟体46内の横方向の流れによって回路素子16がずれて、配線12とバンプ18(図1参照)がずれる場合がある。膜状部材42が回路素子16などの横方向の動きを規制することによって圧着位置がずれることが防止される。前述のように、繊維を心材とした場合、膜状部材42の面内方向の変形が心材によって抑制されるので、圧着位置のずれに関して、より有効となる。膜状部材42は、このほかに、ゴム膜と金属薄膜とを積層したものとすることができる。上型32側の膜状の部材44は、中心部分が開口しており、収容されている柔軟体46が、上型32とサイド型34の隙間に侵入し、漏れることを防止するシール部材となっている(以下、膜状の部材44をシール部材44と記す)。
【0020】
膜状部材42およびシール部材44の周縁部は、3層に構成された枠体40の層間に挟まれるようにして支持される。枠体の各層には、層間で相対する面に、互いに嵌り合う凹凸が形成されている。この凹凸によって膜状部材42およびシール部材44を噛み込み、これらを強固に保持固定している。
【0021】
前述のように柔軟体46は、異なる材料の2層を含む。下方、すなわち被加工物側の層には、柔軟性があり流動性の高い材料が用いられる。以下、この層を流動性柔軟層48という。また、この流動性柔軟層48は、図1の概念図に示した流動性柔軟層22に対応する。流動性によって、凹凸のある被加工物の凹部分にも、この材料が十分流れ込んで、ここを満たし、加圧時に全体に均等な圧力を加えることができる。また、反発弾性は低い、すなわち反発弾性率が低いことが好ましい。反発弾性が高いと、変形が大きい部分に大きな反発力が発生し、圧力分布を不均一としてしまう。このような特性を満たす材料としては、ゲル状の材料がある。例えば、(株)ジェルテック製、高ダンピング熱伝導ゲルシート「αGEL(商標)」や、リケンテクノス(株)製、熱可塑性エラストマー、鬼怒川ゴム工業(株)超軟質エラストマー「フレンジェル(商品名)」などを用いることができる。柔軟体46のもう一つの層は、多孔質の柔軟材料(により構成される。以下、この層を多孔質柔軟層50という。多孔質柔軟材料は、例えば、シリコンスポンジ、フッ素スポンジなどを用いることができる。このような層を設けることによって、柔軟体46の被加工物への当接初期に、まず多孔質柔軟層50が変形することによって、流動性柔軟層48の流動が確保される。また、圧着が終了し、圧力が解放された時点で、多孔質柔軟材料の復元力が、流動性柔軟層48の復元にも寄与する。
【0022】
上型32や介在パッド38を含む上部構造と、下型30およびこれに載置された被加工物との間には、カバーフィルム52が配置されている。カバーフィルム52は、繰り出しロール54と巻き取りロール56との間に渡されており、使用のごとに、または所定回数の使用ごとに、新たな部分が、繰り出しロール54から被加工物の上方へ、また使用済みの部分が巻き取りロール56へと巻き取られる。
【0023】
シール型36の、サイド型34と摺動する面には、第1のシールリング58が配置されている。また、下型30に対向する面には、第2のシールリング60が配置されている。これら第1および第2のシールリング58,60により、シール型34が下型30に当接した際に、サイド型34、介在パッド38、下型30およびシール型36が囲む空間が密閉される。この密閉された空間から排気管62,64を介して排気ポンプ66により排気がなされ、空間内が減圧される。また、下型30側に延び、ここより排気を行う排気管64は、カバーシート52により被加工物を覆ったときに、これらの間の空気を吸引し、カバーシート52を被加工物に密着させる。これにより、被加工物の動きが抑制される。前述の膜状部材42の作用、すなわち被加工物の横方向の動きを抑制する作用が十分に達成されるのであれば、カバーシート52は用いず、直接介在パッド38を被加工物に当接させるようにすることもできる。
【0024】
次に、基板10と回路素子16を被加工物の例とし、これらを圧着する際の本実施形態の加圧装置の動作を説明する。まず、図2に示すように下型30上に基板10と回路素子16を、これらの間に接着シート14を挟んで載置する。
【0025】
次に、図3に示すように、繰り出しロール54と巻き取りロール56を降下させ、カバーフィルム52にて、基板10、回路素子16と共に下型30の上面を覆う。これと平行して、またはこれの後に、シール型36を含む上部構造を降下させ、シール型36をカバーフィルム52で覆われた下型30の上面に当接させる。このとき、介在パッドは、回路素子16等に未接触である。シール型36、サイド型34に配置された第1および第2のシールリング58,60により基板10および回路素子が配置される空間が密閉され、そして排気ポンプ66により、その空間が減圧される。排気管64を介してカバーシート52と下型30との間の空気を吸引することにより、カバーシート52が下型30および基板10、回路素子16に密着する。カバーシート52の上側の空間も減圧され、この減圧と共に上型32が降下される。シール型36は、すでに下型30に当接しているので、これ以外の、サイド型34、上型32を含む上部構造が降下する。このとき、サイド型34とシール型36は相対的に移動するが、第1のシールリング58により密閉性は確保される。
【0026】
サイド型34の下端、すなわち枠体40の下端が下型30に当接し、更に上型32がストロークした状態が図4に示されている。サイド型34が下型30に当接した後、上型32が更に降下すると、多孔質柔軟層50が変形し、また流動性柔軟層48も基板10および回路素子16の凹凸に倣うように変形する。このとき、カバーシート52および膜状部材42も同様に変形する。シール部材44は、図示するようにサイド型34と上型32の隙間で屈曲しつつ、この部分から柔軟体46を構成する材料が漏れる、またははみ出すことを防止している。この加圧した状態を所定時間維持する。また、下型30に備えられたヒータ(不図示)により、加圧と同時に加熱を行い、圧着を行う。所定時間経過後、上型32、サイド型34、シール型36およびカバーシート52などを上昇させ、回路素子16が圧着された基板10を取り出す。
【0027】
図5は、上型32の前面にゴムの層を設け、基板と回路素子を加圧したときの面圧分布を示す図である。また、図6は柔軟体46を流動性柔軟層のみから構成した場合、図7は柔軟体46を前述の実施形態のように流動性柔軟層と多孔質柔軟層の2層から構成した場合の圧力分布を示す図である。濃度がより濃い部分が圧力が高い部分である。
【0028】
図5に示すように、ゴムの層では、圧力分布が不均一である。図6の流動性柔軟層のみを設けた場合には、ゴムより圧力分布が均一となっていることが分かり、図7の場合においては、更に圧力分布の均一化が達成されていることが分かる。このように、流動性柔軟層のみより柔軟体を構成しても、ある程度の圧力分布の均一化が図れ、装置に要求される条件によっては、この構成を採用することが可能である。
【0029】
以上の装置によれば、厚さの異なる複数の回路素子を圧着する際、厚さの違いを柔軟体が変形して吸収するので、これらを同時に加圧圧着することができる。また、一つずつ圧着する場合には、隣接する未圧着の回路素子に熱が伝わり圧着前に接着シートの硬化が起こるために、素子の間隔を大きく取る必要があったが、本装置によれば同時に圧着することが可能なために、回路素子の間隔を小さくし、実装密度を高めることができる。
【0030】
以上の説明においては、接着シートを用いて回路素子と基板上の配線の電気的な接続、および回路素子の基板への接着を行ったが、ハンダ接続にも有効である。また、平面や凹凸のあるものに、違法性導電膜に代えて導電機能を有さない接着用のフィルムを接着することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基板と回路素子の圧着作業の各工程を概念的に示す図である。
【図2】 本実施形態の加圧装置の概略構成図である。
【図3】 本実施形態の加圧装置において、基板と回路素子を圧着する作業の中間工程を示す図である。
【図4】 本実施形態の加圧装置において、基板と回路素子を圧着するための加圧工程を示す図である。
【図5】 ゴム板を介して加圧を行ったときの面圧分布を示す図である。
【図6】 流動性柔軟層のみを介して加圧を行ったときの面圧分布を示す図である。
【図7】 流動性柔軟層と多孔質柔軟層の2層からなる柔軟体を介して加圧を行ったときの面圧分布を示す図である。
【符号の説明】
10 基板、12 配線、14 接着シート、16 回路素子、18 バンプ、22 流動性柔軟層、30 下型、32 上型、34 サイド型、36 シール型、38 介在パッド、40 枠体、42 膜状部材、44 シール部材、46 柔軟体、48 流動性柔軟層、50 多孔質柔軟層。
Claims (4)
- 複数の加圧型で被加圧物を挟持し、加圧を行う加圧装置であって、
少なくとも一つの前記加圧型と前記被加圧物の間に介在し、流動性があり柔軟なゲル状材料の流動性柔軟層を含む介在パッドと、
前記流動性柔軟層の周囲を囲むように配置され、前記介在パッドを支持する枠体と、
を有し、
前記介在パッドは、さらに、
前記枠体の開口全面に張られ、前記被加圧物に接触する面を形成する膜状部材と、
前記枠体と前記加圧型の隙間を覆うシール体と、
を含み、
この介在パッドを介して加圧を行う、加圧装置。 - 請求項1に記載の加圧装置であって、前記膜状部材は、織物を心材としたゴム膜である、加圧装置。
- 請求項1に記載の加圧装置であって、前記膜状部材は、ゴム膜と金属薄膜の積層体である、加圧装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の加圧装置であって、前記介在パッドは、前記流動性柔軟層の、被加圧物に対向する側の反対側に配置された多孔質の柔軟層を含む、加圧装置。
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