JP3951690B2 - 符号化装置および方法、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化装置および方法、並びに記録媒体に関し、特に、より高効率で、オーディオ信号を符号化できるようにした符号化装置および方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆる「知覚オーディオ符号化器(復号器)」が開発され、従来のCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)において、一般に使用されているビットレートの約12分の1以下のビットレートで、高音質なオーディオ信号の伝送、および蓄積が可能となっている。
【0003】
このような符号化器は、オーディオ信号に含まれる、人間の聴覚系の制限により聞き取ることができない波形部分を利用して符号化しており、ステレオオーディオ信号に対しては、例えば、MSステレオ符号化(中間部/側部ステレオ符号化)を利用した符号化器、およびISステレオ符号化(インテンシティステレオ符号化)を利用した符号化器が知られている。
【0004】
図1は、MSステレオ符号化を利用した従来のオーディオ信号伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【0005】
ステレオオーディオ信号を構成する左信号Lと右信号Rは演算部1に入力され、加算器1−1において加算され、乗算器1−2に出力される。一方、それらの信号の差信号が減算器1−3において生成され、乗算器1−4に出力される。乗算器1−2および1−4において、加算器1−1および減算器1−3の出力に係数xが乗算されて和信号Mおよび差信号Sが生成され、符号化部2で符号化されて、記録メディアやネットワークなどよりなる伝送路3に出力される。
【0006】
復号部4は、入力された符号列を復号処理し、和信号M'および差信号S'を生成する。和信号M'および差信号S'は、加算器5−1で加算され、乗算器5−2で係数yが乗算されて、左信号L'として出力される。また、和信号M'および差信号S'は、減算器5−3で減算され、乗算器5−4で係数yが乗算されて、右信号R'として出力される。例えば、係数xは0.5とされ、係数yは1.0とされる。
【0007】
人間の聴覚に影響を与えるのは、差信号よりも和信号であり、このように、和信号Mと差信号Sを生成し、和信号Mに、より多くのデータ(ビット数)を割り当てることにより、それぞれを単独で符号化(デュアル符号化)するよりも、より高効率で符号化することができる。なお、MSステレオ符号化は、低い周波数帯域の信号に対して有効である。
【0008】
図2は、ISステレオ符号化を利用した従来のオーディオ信号伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【0009】
演算部11に入力された右信号L、左信号Rは、加算器11−1で加算され、それらの信号の相関関係によって求められるインテンシティ信号Iが生成される。また、左信号L、および右信号Rのそれぞれのパワーを示すパワー左信号Pl、パワー右信号Pr(エネルギーの内容を記述するスケーリング信号)が演算部11で生成される。インテンシティ信号I、パワー左信号Pl、およびパワー右信号Prは、符号化部12に入力され、符号化された後、伝送路13に出力される。
【0010】
復号部14は、入力されてきた信号を復号し、得られたインテンシティ信号I'、パワー左信号Pl'、およびパワー右信号Pr'を演算部15に出力する。演算部15においては、乗算器15−1がインテンシティ信号I'とパワー左信号P'lに基づいて、また、乗算器15−2がインテンシティ信号I'とパワー右信号P'rに基づいて、それぞれ左信号L'、および右信号R'を再生し、外部に出力する。
【0011】
ISステレオ符号化を利用して符号化することにより、人間の聴覚の時間差による位置検出能力は高域の信号ほど低いという特性を利用することができ、例えば、高い周波数帯域において、左右の信号をそれぞれ単独で符号化する場合に較べて、約半分のデータレートで符号化することができる。
【0012】
ところで、MSステレオ符号化およびISステレオ符号化は、全ての入力信号に対して、同等の効果が得られるわけではない。例えば、MSステレオ符号化は、差信号Sが和信号Mに比べてエネルギーが小さくなる場合にのみ有効な手段であり、そうでない場合には、和信号M'および差信号S'から、左信号L'、右信号R'を再生する際に、符号化または復号(量子化/逆量子化)によって発生する量子化雑音が相互干渉を引起し、聴感上、明らかに聞こえる雑音を生じることがある。
【0013】
また、IS符号化において、ステレオ信号の高周波成分を合成し、それを時間領域から周波数領域に変換して得られるスペクトルSPmと、本来のパワースペクトルPl,Prの包絡形状に高い相関がない場合、例えば、左信号Lがトランペットの信号であり、右信号Rがシンバルの信号であるような場合には、それぞれの音源(楽器)の位置関係を保存することができなくなり、聴感上、明らかに聞こえる雑音を生じることがある。
【0014】
そこで、図3、図4、および図5に示すように、左右の信号をそれぞれ独立に符号化するデュアル符号化と、MSまたはISステレオ符号化を組み合わせ、入力信号に応じて、適宜、符号化方式を選択する符号化装置が考えられている。
【0015】
図3は、時間領域において、入力信号を符号化する従来の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【0016】
フィルタバンク31−1は、入力された左信号L(t)を、所定の周波数帯域の信号Ln(t),Ln-1(t),…,L1(t)(nは分割帯域数)に分割し、それぞれの信号を、対応するデュアル符号化部32およびMS/IS符号化部33に出力する。なお、図3においては、信号Ln(t)を処理するデュアル符号化部32およびMS/IS符号化部33のみが示されているが、信号Ln-1(t),Ln-2(t),…,L1(t)に対応する各符号化部がLn(t)を処理する符号化部と同様に設けられている。
【0017】
また、フィルタバンク31−2も、フィルタバンク31−1と同様に、右信号R(t)を所定の周波数帯域の信号Rn(t),Rn-1(t),…,R1(t)に分割し、それぞれの信号をデュアル符号化部32およびMS/IS符号化部33に出力する。なお、以下において、フィルタバンク31−1とフィルタバンク31−2のそれぞれを、個々に区別する必要がない場合、まとめてフィルタバンク31と称する。他の装置についても同様とする。
【0018】
デュアル符号化部32は、入力された信号をデュアル符号化方式により符号化(左信号Ln(t)と右信号Rn(t)をそれぞれ独立に符号化)し、得られたデータをスイッチ35に出力する。また、デュアル符号化部32は、符号化したデータのデータ量に関する情報である必要ビット数情報Bn(t)1、および符号化する際の正弦波との歪み率に関する情報である歪み率情報En(t)1を生成し、符号化制御部34に供給する。
【0019】
MS/IS符号化部33は、入力された信号をMSステレオ符号化方式、またはISステレオ符号化方式により符号化し、得られたデータをスイッチ35に出力する。また、MS/IS符号化部33は、必要ビット数情報Bn(t)2、および歪み率情報En(t)2を生成し、符号化制御部34に供給する。
【0020】
符号化制御部34は、デュアル符号化部32、およびMS/IS符号化部33から供給された情報に基づいて、歪み率の小さい符号化方式、または、必要ビット数が少ない符号化方式により符号化された符号列を選択するように、スイッチ35の接点を切り替える。スイッチ35により選択された符号列は、マルチプレクサ36に入力される。
【0021】
マルチプレクサ36は、フィルタバンク31により分割された各帯域毎の符号列Cn,Cn-1,…,C1を合成し、合成符号列Cを、図示せぬ伝送路などの符号化装置21の外部の装置に出力する。
【0022】
図4は、周波数領域において、入力信号を符号化する従来の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【0023】
領域変換部51−1は、入力された左信号L(t)を周波数領域にスペクトル変換し、生成したスペクトル信号Ln(f)を、デュアル符号化部52およびMS/IS符号化部53に出力する。また、領域変換部51−2も、領域変換部51−1と同様に、右信号R(t)をスペクトル変換し、得られたスペクトル信号Rn(f)を、デュアル符号化部52およびMS/IS符号化部53に出力する。
【0024】
デュアル符号化部52は、入力された信号をデュアル符号化方式により符号化し、得られた符号列をスイッチ55に出力する。また、デュアル符号化部52は、符号化したデータのデータ量に関する情報である必要ビット数情報Bn(f)1、および符号化する際の正弦波との歪み率に関する情報である歪み率情報En(f)1を生成し、符号化制御部54に供給する。
【0025】
MS/IS符号化部53は、入力された信号をMSステレオ符号化方式、またはISステレオ符号化方式により符号化し、得られたデータをスイッチ55に出力する。また、MS/IS符号化部53は、必要ビット数情報Bn(f)2、および歪み率情報En(f)2を生成し、符号化制御部54に供給する。
【0026】
符号化制御部54は、デュアル符号化部52、およびMS/IS符号化部53から供給された情報に基づいて、歪み率がより小さい符号化方式、または必要ビット数がより少ない符号化方式により符号化された符号列を選択するように、スイッチ55を制御する。
【0027】
図5は、図3の符号化装置21、および図4の符号化装置31を組み合わせて構成した、従来の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【0028】
すなわち、この例においては、それぞれの入力信号L(t),R(t)が、フィルタバンク71−2,71−2により所定数の帯域に分割され、分割されたそれぞれの信号が領域変換部72−1,72−2によりスペクトル変換される。変換されたスペクトル信号は、デュアル符号化部73およびMS/IS符号化部74により符号化される。符号化制御部75とスイッチ76においては、デュアル符号化部73およびMS/IS符号化部74において符号化された符号列のうち、より効率のいい(歪み率がより小さい、またはデータ量がより少ない)符号化方式による符号列が選択され、マルチプレクサ77に出力される。そして、マルチプレクサ77により、入力された全帯域のデータが合成されたのち、符号化装置61の外部に出力される。
【0029】
次に、図6のフローチャートを参照して、図3の符号化装置21の符号化制御部34の処理について説明する。なお、説明は省略するが、図4の符号化制御部54、および図5の符号化制御部75の処理も同様の処理である。また、この例においては、符号化制御部34は、歪み率に基づいて符号化方式を選択するものとする。
【0030】
ステップS1において、符号化制御部34は、デュアル符号化部32から通知されてきた歪み率情報En(t)1、およびMS/IS符号化部33から通知されてきた歪み率情報En(t)2を比較する。そして、符号化制御部34は、ステップS2において、デュアル符号化部32から通知されてきた歪み率がMS/IS符号化部33から通知されてきた歪み率より小さいか否かを判定し、小さいと判定した場合、ステップS3で、スイッチ35を制御し、デュアル符号化部32により符号化されたデータをマルチプレクサ36に出力させる。
【0031】
一方、符号化制御部34は、ステップS2において、デュアル符号化部32から通知されてきた歪み率がMS/IS符号化部33から通知されてきた歪み率より大きいと判定した場合、ステップS4に進み、スイッチ35を制御し、MS/IS符号化部33により符号化されたデータをマルチプレクサ36に出力させる。
【0032】
同様の処理が、他の帯域においても行われる。これにより、より高効率な符号化方式により帯域毎に符号化された符号列Cが生成され、符号化装置21の外部に出力される。
【0033】
上述したように、それぞれの符号化方式の符号化効率を比較し、その結果に応じて、最適な方式を選択することにより、1つの符号化方式で符号化する場合に較べて、より高効率な符号化データを取得することができる。
【0034】
図7(A)乃至(D)は、図3乃至図5の符号化装置におけるMSステレオ符号化の動作時間確率PMS、またはISステレオ符号化の動作時間確率PISと、符号化(量子化)された信号の信号対雑音比SNR(signal power to noise power ratio)と、左右信号のセパレーションの関係の例を示す図である。
【0035】
図7(A)に示すように、横軸に示される確率PMSまたはPISと、縦軸に示されるSNRは比例しており、確率PMSまたはPISが100%(モノラル)に近づくにつれ、SNRは向上する。
【0036】
図7(B)は、確率PMSまたはPISの時間的変化を示す図であり、図7(C)は、SNRの時間的変化を示す図である。これらの図に示すように、それぞれの波形は、同位相の波形となり、入力信号に応じて確率PMSまたはPISを上げることにより、符号化効率は向上するため、SNRも向上し、音質が向上する。そのため、符号化効率の観点からは、確率PMSまたはPISが高いことが好ましい。
【0037】
しかしながら、確率PMSが高いということは、左右の信号に高い相関があるということを示しており、確率PISが高いということは、パワーレベルこそ違えども、符号化されるインテンシティ信号およびスペクトルは1チャネル分であることを示している。すなわち、確率PMSまたはPISが高いということは、ステレオ信号がモノラル化することを示しており、図7(D)に示すように、左右信号のセパレーションは、確率PMS/PISの増加に伴って悪化する。
【0038】
また、確率PMSまたはPISと、SNRは連動しているため、確率PMSまたはPISの値が高いと、入力信号の性質または時間変化によって、SNRが聴覚心理モデルにおける知覚限界雑音レベル(それ以上SNRが下がると、ノイズとして感知出来るレベル)以下にまで達してしまうおそれがある。従って、総合的には、確率PMSまたはPISの値が高いことは必ずしも好ましいことではない。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図3乃至図5に示すような符号化装置においては、MSステレオ符号化、またはISステレオ符号化により符号化した場合の効率と、デュアル符号化により符号化した場合の効率とで、どちらが優れているかという判断は、2つの符号化処理を実際に実行しないとわからないため、それぞれの符号化部の処理量が増大するという課題があった。
【0040】
また、MSステレオ符号化またはISステレオ符号化がON状態のとき、符号化効率を高く(量子化雑音を低く)することができるが、OFF状態のときは、そのような効果は得られない。したがって、MSステレオ符号化またはISステレオ符号化がON状態のときとOFF状態のときとでは、時間的な音質変動が大きく、聴者に、聴感上、大きな違和感を感じさせてしまうことがあるという課題もある。
【0041】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、聴者に違和感を感じさせることを抑制しつつ、より高効率で、オーディオ信号を符号化または復号できるようにしたものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】
本発明の符号化装置は、入力信号に基づいて符号化方式を選択する符号化方式選択手段と、符号化方式選択手段により選択された符号化方式に基づいて、入力信号を符号化する符号化手段と、符号化手段による符号化の歪み率を検出する歪み率検出手段と、歪み率検出手段により検出された歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、入力信号の左右成分をミキシングするミキシング手段とを備え、符号化方式選択手段は、ミキシング手段によりミキシングされた入力信号に基づいて、符号化方式を選択することを特徴とする。
【0043】
符号化手段により符号化された入力信号を復号するときの出力補正情報を生成する出力補正情報生成手段をさらに備えるようにすることができる。
【0044】
符号化方式選択手段は、符号化装置の構成により決定される閾値に基づいて、入力信号の符号化方式を選択するようにすることができる。
【0045】
符号化方式選択手段は、デュアル符号化方式、MSステレオ符号化方式、ISステレオ符号化方式のいずれかから符号化方式を選択するようにすることができる。
【0046】
符号化方式選択手段は、入力信号をミキシングして得られる信号の左右成分の相関が低いとき、デュアル符号化方式により符号化することを選択するようにすることができる。
【0047】
符号化方式選択手段は、入力信号をミキシングして得られる信号の左右成分の相関を、左右成分の差信号の総和に対する和信号の総和の比を用いて判定するようにすることができる。
【0048】
符号化方式選択手段は、入力信号をミキシングして得られる信号の左右成分の相関が高いとき、MSステレオ符号化方式、ISステレオ符号化方式のどちらを選択するかを、入力信号の左右成分の差信号の絶対値の最大値に基づいて決定するようにすることができる。
【0049】
ミキシング手段は、ミキシング割合を記憶し、直前に決定されたミキシング割合と、現在決定されているミキシング割合の補間関数に基づいてミキシング割合を変化させるようにすることができる。
【0050】
入力信号を記憶する入力信号記憶手段をさらに備え、ミキシング手段は、入力信号を符号化した際の歪み率に基づいて、同じ入力信号の左右成分を再度ミキシングするようにすることができる。
【0051】
本発明の符号化装置の符号化方法は、入力信号に基づいて符号化方式を選択する符号化方式選択ステップと、符号化方式選択ステップの処理により選択された符号化方式に基づいて、入力信号を符号化する符号化ステップと、符号化ステップの処理による符号化の歪み率を検出する歪み率検出ステップと、歪み率検出ステップの処理により検出された歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、入力信号の左右成分をミキシングするミキシングステップとを含み、符号化方式選択ステップの処理は、ミキシングステップの処理によりミキシングされた入力信号に基づいて、符号化方式を選択することを特徴とする。
【0052】
本発明の記録媒体のプログラムは、入力信号に基づいて符号化方式を選択する符号化方式選択ステップと、符号化方式選択ステップの処理により選択された符号化方式に基づいて、入力信号を符号化する符号化ステップと、符号化ステップの処理による符号化の歪み率を検出する歪み率検出ステップと、歪み率検出ステップの処理により検出された歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、入力信号の左右成分をミキシングするミキシングステップとを含み、符号化方式選択ステップの処理は、ミキシングステップの処理によりミキシングされた入力信号に基づいて、符号化方式を選択することを特徴とする。
【0056】
本発明の符号化装置および方法、並びに記録媒体のプログラムにおいては、入力信号に基づいて符号化方式が選択され、選択された符号化方式に基づいて、入力信号が符号化され、検出された歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、入力信号の左右成分がミキシングされる。また、ミキシングされた入力信号に基づいて、符号化方式が選択される。
【0058】
【発明の実施の形態】
図8は、本発明を適用した符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【0059】
フィルタバンク101−1は、入力されたオーディオ信号のうちの左信号L(t)をn個の周波数帯域の信号Ln(t),Ln-1(t),…,L1(t)に分割し、生成した信号Ln(t)を適応ミキシング部102に出力する。また、フィルタバンク101−2も、フィルタバンク101−1と同様に、入力されてきたオーディオ信号のうちの右信号R(t)をn個の周波数帯域の信号Rn(t),Rn-1(t),…,R1(t)に分割し、生成した信号Rn(t)を適応ミキシング部102に出力する。図示は省略するが、信号Ln-1(t),…,L1(t),Rn-1(t),…,R1(t)についても、同様に対応する処理部が設けられている。
【0060】
適応ミキシング部102は、歪み率検出部106から通知された歪み率情報En(f)に基づいて、信号Ln(t),Rn(t)に対して、ミキシング処理を施し、信号Ln(t)mix,Rn(t)mixを生成する(その詳細は、図9を参照して後述する)。生成された信号Ln(t)mix、およびRn(t)mixは、それぞれ領域変換部103−1,103−2に供給される。後述するように、歪み率検出部106は、符号化部105における符号化の結果に応じて歪み率情報En(f)を生成するので、動作の初期状態では、ミキシング比率は0とされる。すなわち、信号L0(t),R0(t)に対し、ミキシング処理は施されない。
【0061】
また、適応ミキシング部102は、左右の信号の出力を補正するパワー補正情報Pn,adj(t)を生成し、マルチプレクサ107に出力する。
【0062】
領域変換部103−1は、供給された信号Ln(t)mixに対して、例えば、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)などの領域変換を施し、生成したスペクトル信号Ln(f)を、符号化制御部104および符号化部105に出力する。同様に、領域変換部103−2は、供給されてきた信号Rn(t)mixを領域変換し、生成したスペクトル信号Rn(f)を、符号化制御部104および符号化部105に出力する。
【0063】
符号化制御部104は、領域変換部103から供給されたスペクトル信号Ln(f),Rn(f)に基づいて、符号化部105において実行される符号化処理の符号化方式を選択し、符号化部105を制御する。
【0064】
符号化部105は、符号化制御部104からの制御に基づいて、デュアル符号化、MSステレオ符号化、またはISステレオ符号化を選択し、領域変換部103から供給されたスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を符号化し、得られたデータ列Cnをマルチプレクサ107に出力する。以上の処理は、他の周波数帯域の信号Ln-1(t),…,L1(t),Rn-1(t),…,R1(t)においても同様に行われる。
【0065】
マルチプレクサ107は、符号化部105から供給されてきた所定の帯域の符号列Cnを、他の帯域の符号列Cn-1,…,C1と合成し、合成オーディオデータCを符号化装置91の外部に設けられる図示せぬ装置や、ネットワークなどに出力する。合成オーディオデータCには、適応ミキシング部102から通知されたパワー補正情報Pn,adj(t)や、いずれの符号化方式により符号化されたかなどの情報も含まれる。
【0066】
図9は、図8の適応ミキシング部102の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0067】
パワー算出部121は、フィルタバンク101−1,101−2により所定の帯域に分割された信号Ln(t),Rn(t)から、それぞれの信号のパワー値Pln,Prnを算出し、パワー補正部123に出力する。
【0068】
ミキシング係数設定部122は、歪み率検出部106から通知された歪み率情報En(f)に基づいて、内蔵する記憶部に記憶されている対応テーブルからミキシング係数を抽出し、乗算器124−1,124−2のミキシング係数aと、乗算器125−1,125−2のミキシング係数bを設定する。また、ミキシング係数設定部122は、抽出したミキシング係数a,bをパワー補正部123に通知する。
【0069】
乗算器124−1,124−2は、それぞれ、ミキシング係数設定部122により設定されたミキシング係数aを、入力された信号Ln(t),Rn(t)に乗算し、得られた信号を加算器126−1,126−2に出力する。乗算器125−1,125−2は、それぞれ、ミキシング係数設定部122により設定されたミキシング係数bを、入力された信号Rn(t),Ln(t)に乗算し、得られた信号を加算器126−1,126−2に出力する。
【0070】
加算器126−1は、乗算器124−1で係数aが乗算された左信号Ln(t)と、乗算器125−1で係数bが乗算された右信号Rn(t)を加算し、加算結果を信号Ln(t)mixとして、領域変換部103−1に出力する。また、加算器126−2は、乗算器124−2で係数aが乗算された右信号Rn(t)と、乗算器125−2で係数bが乗算された左信号Ln(t)を加算し、信号Rn(t)mixとして、領域変換部103−2に出力する。
【0071】
図10は、ミキシング係数設定部122の図示せぬ記憶部に記憶されている、歪み率情報En(f)とミキシング係数a,bの対応テーブルの例を示す図である。
【0072】
この例では、歪み率情報En(f)はパーセントで示されており、以下、この値をEと記載する。例えば、E=0%は、知覚雑音がゼロであることを意味する。また、E=100%は、すべてのスペクトル領域において、雑音が知覚できるレベルであることを意味する。
【0073】
この例においては、歪み率E=0%に対応して、ミキシング係数a=1.00,b=0.00が設定されている。この場合、左右の入力信号Ln(t),Rn(t)がミキシングされないため、完全に分離された状態(完全ステレオ)で符号化が行われる。また、歪み率E=100%に対応して、ミキシング係数a=0.50,b=0.50が設定されている。この場合、左右の入力信号Ln(t),Rn(t)が同比率でミキシングされ、完全に単一化された状態(完全モノラル)で符号化が行われる。
【0074】
パワー補正部123は、パワー算出部121から供給されてきた信号Ln(t),Rn(t)のパワー値Pln,Prn、およびミキシング係数設定部122から通知されたミキシング係数a,bに基づいて、後述する復号装置151(図19)においてパワー補正されるときに利用されるパワー補正情報Pn,adj(t)を生成し、マルチプレクサ107に出力する。すなわち、パワー補正部123は、図示せぬ記憶部に、パワー補正情報Pn,adj(t)、ミキシング係数a,b、およびパワー値Pln,Prnなどの関係を記述した対応テーブルを記憶している。
【0075】
図11は、パワー補正部123に記憶されている対応テーブルの例を示す図である。
【0076】
この例においては、パワー算出部121において算出されたパワー値Pln,Prn、歪み率情報En(f)、ミキシング係数a,b、復号装置151において、再生される信号Ln'(t)mix,Rn'(t)mixのパワー値Plnmix,Prnmixおよびパワー補正情報Pn,adj(t)が対応づけられている。この例では、パワー補正情報Pn,adj(t)は、復号装置151において設定されるパワーウエイティング係数c,dで表されている。
【0077】
例えば、図11の2段目に示すように、信号Ln(t)のパワー値がPln=1.0、信号Rn(t)のパワー値がPrn=1.0で、かつ、歪み率E=0%であるとき、図10に示した対応表から、ミキシング係数がa=1.00,b=0.00で設定される。復号装置151における信号L'n(t)mixのパワー値はPlnmix=1.0とされ、信号R'n(t)mixのパワー値はPrnmix=1.0とされる。パワー補正情報Pn,adj(t)は、再生信号を、入力信号に近づける係数を含んでいるため、信号L'n(t)mixのパワーを補正するための係数がc=1.00とされ、信号R'n(t)mixのパワーを補正するための係数がd=1.00とされる。
【0078】
図12は、乗算器124−1の詳細な構成例を示すブロック図である(図示は省略するが、乗算器124−2も同様に構成される)。
【0079】
この例においては、バッファ124A,124Bが設けられており、現在(時刻t=0)、設定されているミキシング係数a(t0)がバッファ124Aに、直前に設定されていた(時刻t=1のときに設定されていた)ミキシング係数a(t1)がバッファ124Bに、それぞれ記憶されるようになされている。
【0080】
ミキシング係数を変化させた場合、そのときに出力される信号に不連続点が生じることがある。そのため、図13の曲線(1)乃至(3)に示すように、直線的、または曲線的にミキシング係数を変化させることにより、不連続点が発生することを抑制することができる。なお、この例においては、バッファが2つ設けられることとしているが、3つ以上設けられるようにしてもよい。また、それぞれのミキシング係数を補間する補間関数は、1次でもよいし、2次または3次関数などとしてもよい。当然、乗算器125−1,125−2にも、同様に、バッファが設けられ、ミキシング係数bが記憶され、補間関数に基づいてミキシング係数が変化されるようにすることもできる。
【0081】
図14は、図8の符号化制御部104の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0082】
正規化部141−1は、領域変換部103−1から入力されたスペクトル信号Ln(f)を、分割周波数帯域毎、または同一の分割周波数帯域内のスペクトルを何本かでまとめた小領域の範囲毎に正規化し、正規化スペクトル信号ln(f)を生成し、加算器142−1、および減算器142−2に出力する。同様に、正規化部141−2は、領域変換部103−2から入力されてきたスペクトル信号Rn(f)を正規化し、正規化スペクトル信号rn(f)を生成し、加算器142−1、および減算器142−2に出力する。正規化スペクトル信号ln(f),rn(f)は、加算器142−1、減算器142−2において、それぞれスペクトル上で加算または減算され、生成された信号sn(f)(=|ln(f)+rn(f)|),dn(f)(=|ln(f)-rn(f)|)が、比較部143に供給される。
【0083】
比較部143は、入力された信号sn(f),dn(f)のそれぞれの分割周波数帯域毎の総和値S,Dを算出し、その比S/Dに基づいて、符号化部105において行われるスペクトル信号Ln(f),Rn(f)の符号化方式を選択する。なお、比較部143においては、デュアル符号化により符号化するか否かが判定され、MSステレオ符号化およびISステレオ符号化のどちらを用いてスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を符号化するかは、後述する比較部144において判定される。
【0084】
比較部144は、比較部143から通知された正規化スペクトル信号ln(f),rn(f)の差成分dn(f)(=ln(f)-rn(f))に基づいて、MSステレオ符号化、またはISステレオ符号化のうち、いずれの符号化方式によりスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を符号化するかを選択する。
【0085】
次に、図15のフローチャートを参照して、図8の符号化装置91の動作について説明する。
【0086】
ステップS11において、フィルタバンク101は、入力されたオーディオ信号を所定の周波数帯域毎に分割し、生成した信号を適応ミキシング部102に出力する。すなわち、フィルタバンク101−1は、左信号L(t)をn個の帯域に分割し、左信号Ln(t)を適応ミキシング部102に出力する。また、フィルタバンク101−2は、右信号R(t)をn個の帯域に分割し、左信号Rn(t)を適応ミキシング部102に出力する。
【0087】
ステップS12において、適応ミキシング部102は、歪み率検出部106から通知された歪み率情報En(f)に基づいて、入力された信号Ln(t),Rn(t)に対し、ミキシング処理を施す。ミキシング処理の詳細については、図16のフローチャートを参照して後述する。
【0088】
ミキシング処理により生成された信号Ln(t)mix、およびRn(t)mixは、領域変換部103に供給され、ステップS13で、それぞれMDCTなどにより、時間領域から周波数領域のスペクトル信号に変換され、変換後のスペクトル信号Ln(f),Rn(f)が、符号化制御部104および符号化部105に出力される。
【0089】
ステップS14において、符号化制御部104は、符号化部105に入力されたスペクトル信号Ln(f),Rn(f)の符号化方式を制御する処理を行う。符号化制御処理の詳細については、図17のフローチャートを参照して後述する。
【0090】
ステップS15において、符号化部105は、符号化制御部104からの指示に基づいて、デュアル符号化、MSステレオ符号化、またはISステレオ符号化を選択し、領域変換部103から供給されたスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を、選択された方式で符号化し、得られた符号列Cnをマルチプレクサ107に出力する。なお、いずれの符号化方式により符号化したかは、例えば、スペクトル信号を符号化する際に、参照される符号帳を識別する情報、量子化の精度に関する情報、または、正規化情報などの組み合わせなどにより、復号装置151において、一意的に決定されるようになされている。
【0091】
歪み率検出部106は、符号化部105で実行される符号化処理の歪み率を検出し、歪み率情報En(f)を生成する。生成された歪み率情報En(f)は、ステップS16において、適応ミキシング部102に通知され、以降の処理に利用される。以上の処理は、全ての帯域において行われる。
【0092】
ステップS17において、マルチプレクサ107は、符号化部105から供給された符号列Cnを、他の帯域の符号化部からの符号列Cn-1,Cn-2,…,C1と合成し、取得した合成符号列Cを符号化装置91の外部に設けられる図示せぬ装置やネットワークなどに出力する。なお、合成符号列Cには、適応ミキシング部102から通知されたパワー補正情報Pn,adj(t)などの情報が含まれる。
【0093】
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS12において実行される適応ミキシング部102のミキシング処理について説明する。
【0094】
ステップS31において、ミキシング係数設定部122は、歪み率検出部106から歪み率情報En(f)が通知されたか否かを判定し、通知されたと判定したとき、ステップS32に進み、歪み率情報En(f)に基づいて、乗算器124,125のミキシング係数a,bを設定する。ミキシング係数設定部122は、例えば、歪み率E=10%であることが通知されたとき、図10に示すような対応テーブルから、ミキシング係数a=0.95,b=0.05を抽出し、乗算器124のミキシング係数aを「0.95」と設定し、また、乗算器125のミキシング係数bを「0.05」と設定する。ミキシング係数設定部122は、設定したミキシング係数をパワー補正部123に通知する。
【0095】
一方、ステップS31で、歪み率検出部106から歪み率情報En(f)が通知されていないと判定された場合、ステップS33において、ミキシング係数設定部122は、初期状態のミキシング係数を、乗算器124,125に、それぞれ設定する。すなわち、上述したように、初期状態では歪み率E=0%となっており、ミキシング係数a=1.00、b=0.00が設定される。
【0096】
ステップS34において、加算器126−1は、乗算器124−1で左信号Ln(t)にミキシング係数aが乗算されることにより得られた信号と、乗算器125−1で右信号Rn(t)にミキシング係数bが乗算されることにより得られた信号を加算し、ミキシング信号Ln(t)mixを生成し、領域変換部103−1に出力する。
【0097】
ステップS35において、加算器126−2は、乗算器124−2で右信号Rn(t)にミキシング係数aが乗算されることにより得られた信号と、乗算器125−2で左信号Ln(t)にミキシング係数bが乗算されることにより得られた信号を加算し、ミキシング信号Rn(t)mixを生成し、領域変換部103−2に出力する。
【0098】
すなわち、ステップS34,S35により、上述したミキシング係数(a=0.95,b=0.05)がそれぞれの乗算器124,125に設定されている場合、左右の信号Ln(t),Rn(t)の一方は、他方の5%がミキシングされた上で、領域変換部103に出力される。また、初期状態の場合、左右信号Ln(t),Rn(t)がミキシングされずに、完全ステレオの状態で領域変換部103に出力される。
【0099】
ステップS36において、パワー算出部121は、フィルタバンク101により所定の帯域に分割された信号Ln(t),Rn(t)のパワー値Pln,Prnを算出し、パワー補正部123に通知する。
【0100】
ステップS37において、パワー補正部123は、パワー算出部121から供給された信号Ln(t),Rn(t)のパワー値Pln,Prn、およびミキシング係数設定部122から通知されたミキシング係数a,bに基づいて、後述する復号装置151(図19参照)においてパワー補正されるときに利用されるパワー補正情報Pn,adj(t)を生成し、マルチプレクサ107に出力する。
【0101】
例えば、パワー算出部121から、信号Ln(t)のパワー値Pln=5.0,Rn(t)のパワー値Prn=1.0が通知され、ミキシング係数設定部122から、ミキシング係数a=0.75,b=0.25であることが通知された場合(歪み率E=50%の場合)、図11の上から4段目に示すように、パワー補正情報Pn,adj(t)(パワーウエイティング係数)として、c=1.25,d=0.50が抽出される。すなわち、復号装置151においては、信号Ln(t)のデータを復号したとき得られる信号L'n(t)mixが、パワー値Plnmix=4.0で再生され、信号Rn(t)のデータを復号したとき得られる信号R'n(t)mixが、パワー値Prnmix=2.0で再生されるため、再生信号に乗算したときに、入力信号と等しくなるパワーウエイティング係数c,dが抽出され、マルチプレクサ107に出力される。
【0102】
例えば、適応ミキシング部102は、歪み率が高い場合には、左右信号をモノラル的に変化させるように、ミキシング係数を設定し、MSステレオ符号化またはISステレオ符号化の動作確率を高める。これにより、SNRを高くすることができ、歪み率を低くすることができる。また、上述したように、フィードバックされてきた歪み率情報に基づいて、ミキシング係数を設定することにより、正規化されたスペクトルln(f),rn(f)の領域では高い相関がなかった領域において、高い相関をもつ領域が生成されることとなる。さらに、復号装置においては、パワー補正情報Pn,adj(t)に基づいてパワー補正が行われるため、左右の信号のセパレートが保存される。
【0103】
次に、図17のフローチャートを参照して、図15のステップS14において実行される符号化制御部104の符号化制御処理について説明する。
【0104】
ステップS51において、正規化部141は、入力された信号を分割周波数帯域毎、または同一の分割周波数帯域内のスペクトルを何本かでまとめた小領域の範囲毎に正規化する。生成された正規化スペクトル信号ln(f),rn(f)は、加算器142−1および減算器142−2に供給され、ステップS52において、正規化スペクトル信号の和信号sn(f)(=|ln(f)+rn(f)|)が加算器142−1により、差信号dn(f) (=|ln(f)-rn(f)|)が減算器142−2により、それぞれ生成される。生成された正規化スペクトル信号の和信号sn(f)および差信号dn(f)は、比較部143に供給される。
【0105】
ステップS53において、比較部143は、入力された信号sn(f)の全帯域の総和値Sを次式(1)により、信号dn(f)の正規化された範囲の総和値Dを次式(2)によりそれぞれ算出する。
【数1】
【数2】
これらの式において、f0は正規化された範囲の先頭スペクトル番号を、f1は終端スペクトルの番号を、それぞれ示している。
【0106】
正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)が似ている(相関が高い)ほど、総和値Sが大きく、総和値Dが小さくなる。逆に、正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)が異なる(相関が低い)場合には、総和値Sと総和値Dは同じような値となるため、総和値S,Dの比(総和値比S/D)を算出することにより、正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)の相関関係を取得することができる。例えば、総和値比S/Dは、その値が「1」より大きい場合には、正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)の相関が高いことを示している。
【0107】
そして、比較部143は、ステップS54において、ステップS53で算出した総和値比S/Dが、分割された周波数帯域、または正規化された小領域毎に予め設定されている許容誤差レベル(閾値)Thrより小さいか否かを判定する。比較部143は、総和値比S/Dが許容誤差レベルThrより小さいと判定したとき、ステップS55に進み、符号化部105に入力されているスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を、デュアル符号化により符号化することを選択し、符号化部105に通知する。すなわち、許容誤差レベルは、総和値比S/Dが所定のレベル以上であれば(正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)に所定レベル以上の相関があれば)、強制的にMSまたはISステレオ符号化により符号化すべく設定される。なお、本実施例では、上記総和値SおよびDの比を用いて正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)の相関を判定しているが、相関の判定方法は当然これに限られるものではなく、ln(f)とrn(f)の絶対値を比較して相関係数を得るなど、他のパラメータを用いて判定してもよい。
【0108】
一方、ステップS54において、比較部143は、総和値比S/Dが許容誤差レベルThrより大きいと判定したとき、その旨を比較部144に通知する。そして、比較部144は、ステップS56において、対象としている帯域のスペクトルに対するdn(f)の最大値が、復号装置151で実現可能な量子化精度レベルThqより大きいか否かを判定する。すなわち、比較部144は、差信号dn(f)を符号化する必要がある場合にはMSステレオ符号化を選択し、符号化する必要がない場合にはISステレオ符号化を選択する。
【0109】
比較部144は、ステップS56において、dn(f)の最大値が量子化精度レベルThqより大きいと判定した場合、ステップS57に進み、符号化部105に入力されるスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を、MSステレオ符号化により符号化することを選択し、符号化部105に通知する。また、比較部144は、ステップS56で、dn(f)の最大値が量子化精度レベルThqより小さいと判定した場合、ステップS58に進み、符号化部105に入力されるスペクトル信号Ln(f),Rn(f)を、ISステレオ符号化により符号化することを選択し、符号化部105に通知する。
【0110】
これにより、たとえ、正規化スペクトル信号ln(f)と正規化スペクトル信号rn(f)は高い相関があり、MSまたはISステレオ符号化よりも、デュアル符号化の方が、より高いSNRを実現できる可能性があっても、総和値比S/Dが、聴感上、ノイズとして聞き取ることができない閾値より高い場合には、MSまたはISステレオ符号化により入力信号が符号化される。
【0111】
また、差信号dn(f)が符号化されない場合であっても、左右信号の正規化に関する情報は符号化されているため、ISステレオ符号化も、MSステレオ符号化と等価と考えることができる。これにより、MSステレオ符号化を行う処理部と、ISステレオ符号化を行う処理部を別々に設けることがなくなり、符号化装置91を、より小さく構成することができる。
【0112】
なお、許容誤差レベルThrは、領域変換のブロック長や、ビットアロケーションなどの符号化システムの構成に応じて設定される。また、量子化精度レベルThqは、符号化装置91で実現可能な最高量子化精度レベルを設定してもよいし、周波数帯域毎に量子化精度レベルThq(f)を設定するようにしてもよい。すなわち、量子化精度レベルThqも、許容誤差レベルThrと同様に、システムに応じて設定される。
【0113】
図18は、符号化装置91におけるセパレーションと信号対雑音比SNRとの関係(図18(A))、符号化(量子化)された信号の信号対雑音比SNRの時間的変化(図18(B))、MSステレオ符号化の動作時間確率PMS、またはISステレオ符号化の動作時間確率PISの時間的変化(図18(C))、および、左右信号のセパレーションの時間的変化(図18(D))を示す図である。
【0114】
図18(B)および図18(C)に示すように、信号対雑音比SNRとMSステレオ符号化の動作時間確率PMS、またはISステレオ符号化の動作時間確率PISは連動しているため、上述したようにミキシング係数を適宜変動させることにより、PMS,PISを制御して、SNRを向上させることができる。これによって、音質を向上させることができる。
【0115】
また、図18(A)に示すように、SNRが向上するにつれ、左右信号のセパレーションは悪化する(モノラル化する)ため、図18(A)に示すSNRの変動に合わせて、セパレーションは、図18(D)に示すように悪化するが、上述したように、パワー補正情報Pn,adj(t)を生成し、復号する際にパワー調整を行うようにしたので、左右信号のセパレーションも改善することができる。なお、図18(B),(C),(D)において、線L1,L3,L5は、図8の符号化装置91の特性を示し、線L2,L4,L6は、従来の符号化装置の特性を示している。
【0116】
上述した例においては、符号化の歪み率を検出し、その値に応じてミキシング係数を設定し、次のタイミングの入力信号をミキシングするとしたが、歪み率が所定の閾値以下となるまで、所定の帯域の入力信号が、繰り返しミキシングされるような構成にしてもよい。この場合、フィルタバンク101―1により生成された信号Ln(t)およびフィルタバンク101−2により生成された信号Rn(t)は図示しないメモリ等に蓄積され、適応ミキシング部102にフィードバックされた歪み率情報En(f)により再度ミキシング、領域変換および符号化が施される。
【0117】
図19は、本発明を適用した復号装置の構成例を示すブロック図である。
【0118】
デマルチプレクサ161は、図示せぬ伝送路を介して供給された符号列Cを所定の帯域毎の符号列Cn,Cn-1,…,C1に分解し、それぞれの符号列Ciを対応する復号部(説明の便宜上、復号部162だけが示されている)に出力する。符号列Cnは、復号部162に供給される。
【0119】
復号部162は、入力された符号列Cnを、符号化方式に対応する復号方式により復号し、得られたスペクトル信号L'n(f)を領域変換部163−1に、スペクトル信号R'n(f)を領域変換部163−2に、それぞれ出力する。また、復号部162は、符号列Cnから取得したパワー補正情報Pn,adj(t)をパワーウエイティング部164に供給する。
【0120】
領域変換部163は、入力されたスペクトル信号L'n(f),R'n(f)に対して逆MDCTなどを利用して時間領域の信号に変換し、得られた信号L'n(t)mix,R'n(t)mixをパワーウエイティング部164に出力する。
【0121】
パワーウエイティング部164は、通知されてきたパワー補正情報Pn,adj(t)に含まれるパワーウエイティング係数に基づいて、領域変換部163から供給されてきた信号L'n(t)mix,R'n(t)mixのパワー補正を実行し、生成した信号L'n(t)をフィルタバンク165−1に、信号R'n(t)をフィルタバンク165−2に、それぞれ出力する。
【0122】
フィルタバンク165は、パワーウエイティング部164から供給されてきた信号L'n(t),R'n(t)を、他の帯域の信号L'n-1(t),…,L'1(t),R'n-1(t),…,R'1(t)と合成し、生成した全帯域のオーディオ信号L'(t),R'(t)を復号装置151の外部に出力する。
【0123】
図20は、パワーウエイティング部164の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0124】
パワーウエイティング係数設定部171は、供給されたパワー補正情報Pn,adj(t)に含まれるパワーウエイティング係数cを乗算器172−1に、パワーウエイティング係数dを乗算器172−2に、それぞれ設定する。
【0125】
乗算器172−1は、入力された信号L'n(t)mixに対してパワーウエイティング係数cを乗算し、乗算器172−2は、入力されてきた信号R'n(t)mixに対してパワーウエイティング係数dを乗算し、得られた信号L'n(t),R'n(t)がフィルタバンク165−1,165−2に出力される。
【0126】
図21は、乗算器172−1の詳細な構成例を示すブロック図である(図示は省略するが、乗算器172−2も同様に構成される)。
【0127】
この例においては、バッファ172A,172Bが設けられており、現在(時刻t=0)、設定されているパワーウエイティング係数c(t0)がバッファ124Aに、直前に設定されていた(時刻t=1のときに設定されていた)パワーウエイティング係数c(t1)がバッファ172Bに、それぞれ記憶されるようになされている。
【0128】
すなわち、パワーウエイティング係数c(t)を変化させた場合、そのときに出力される信号に不連続点が生じることがある。そのため、図22の線(1)乃至(3)に示すように、直線的または曲線的にパワーウエイティング係数c(t)を変化させることにより、不連続点が発生することを抑制することができる。なお、この例においては、バッファが2つ設けられることとしているが、3つ以上設けられるようにしてもよい。また、それぞれのパワーウエイティング係数を補間する補間関数は、1次でもよいし、2次または3次関数などにより補間するようにしてもよい。
【0129】
次に、図23のフローチャートを参照して、図19の復号装置151の復号処理について説明する。
【0130】
ステップS71において、デマルチプレクサ161は、入力された符号列Cを所定の帯域数nの符号列Cn,Cn-1,…,C1に分割し、対応する復号部に出力する。
【0131】
復号部162は、ステップS72で、正規化情報、量子化精度情報、符号帳番号などの組合せから復号方式を選択し、入力されてきた符号列Cnを復号し、得られたスペクトル信号L'n(f)を領域変換部163−1に、スペクトル信号R'n(f)を領域変換部163−2に、それぞれ出力する。また、復号部162は、符号列Cnから取得したパワー補正情報Pn,adj(t)をパワーウエイティング部164に出力する。
【0132】
ステップS73において、領域変換部163−1,163−2は、入力されたスペクトル信号L'n(f),R'n(f)に対して逆MDCTなどを利用して時間領域の信号に変換し、得られた信号L'n(t)mix,R'n(t)mixをパワーウエイティング部164に出力する。信号Ln'(t)mix,Rn'(t)mixは、符号化装置91においてミキシングが施された可能性のある信号であり、ミキシング係数の設定によって、本来ステレオ信号であったものが、ほとんどモノラル信号となっている場合もある。そのため、ステップS74において、パワーウエイティング部164は、通知されてきたパワー補正情報Pn,adj(t)に基づいて、パワーウエイティング処理を実行して擬似的なステレオ信号を再生する。パワーウエイティング処理の詳細は、図24のフローチャートを参照して後述する。
【0133】
パワーウエイティング処理により得られた信号L'n(t),R'n(t)は、それぞれフィルタバンク165−1,165−2に出力される。以上の処理は、各帯域毎に行われる。
【0134】
そして、フィルタバンク165は、ステップS75で、パワーウエイティング部164から供給された信号L'n(t),R'n(t)を、他の帯域の信号L'n-1(t),…,L'1(t),R'n-1(t),…,R'1(t)と合成し、合成した全帯域のオーディオ信号L'(t),R'(t)を、復号装置151の外部に出力する。
【0135】
次に、図24のフローチャートを参照して、図23のステップS74において実行されるパワーウエイティング処理について説明する。
【0136】
ステップS91において、パワーウエイティング係数設定部171は、復号部162から通知されたパワー補正情報Pn,adj(t)に含まれるパワーウエイティング係数に基づいて、乗算器172−1,172−2のパワーウエイティング係数c,dを設定する。
【0137】
ステップS92において、乗算器172−1,172−2は、それぞれ、パワーウエイティング係数c,dを、入力された信号L'n(t)mix,R'n(t)mixに乗算し、生成した信号L'n(t),R'n(t)をフィルタバンク165−1,165−2にそれぞれ出力する。
【0138】
例えば、上述したように、パワー補正部123において、パワー補正情報Pn,adj(t)(パワーウエイティング係数)がc=1.25,d=0.05とされ、パワーウエイティング係数設定部171により、それぞれのパワーウエイティング係数c,dが設定されている場合、乗算器172−1は、入力信号L'n(t)mixのパワーを1.25倍し、生成した信号L'n(t)をフィルタバンク165−1に出力する。また、乗算器172−2は、入力信号R'n(t)mixのパワーを0.05倍し、生成した信号R'n(t)をフィルタバンク165−2に出力する。
【0139】
これにより、符号化する際に、左右の信号のセパレーションが悪化した場合であっても擬似的なステレオ信号を再生することができる。
【0140】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、符号化装置91は、図25に示されるようなパーソナルコンピュータ181により構成される。
【0141】
図25において、CPU(Central Processing Unit)191は、ROM(Read Only Memory)192に記憶されているプログラム、または、記憶部198からRAM(Random Access Memory)193にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM193にはまた、CPU191が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0142】
CPU191、ROM192、およびRAM193は、バス194を介して相互に接続されている。このバス194にはまた、入出力インタフェース195も接続されている。
【0143】
入出力インタフェース195には、キーボード、マウスなどよりなる入力部196、CRT,LCDなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部197、ハードディスクなどより構成される記憶部198、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部199が接続されている。通信部199は、ネットワークを介しての通信処理を行う。
【0144】
入出力インタフェース195にはまた、必要に応じてドライブ200が接続され、磁気ディスク201、光ディスク202、光磁気ディスク203、あるいは半導体メモリ204などが、適宜、装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部198にインストールされる。
【0145】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ181などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0146】
この記録媒体は、図25に示すように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク201(フロッピディスクを含む)、光ディスク202(CD-ROM,DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク203(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリ204などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM192や、記憶部198に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0147】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0148】
【発明の効果】
本発明の符号化装置および方法、並びに記録媒体のプログラムによれば、入力信号に基づいて符号化方式を選択し、選択した符号化方式に基づいて、入力信号を符号化し、検出した歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、入力信号の左右成分をミキシングする。そして、ミキシングした入力信号に基づいて、符号化方式を選択するようにしたので、より高効率で、オーディオ信号を符号化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MSステレオ符号化による従来のオーディオ信号伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】 ISステレオ符号化による従来のオーディオ信号伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】従来の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】従来の他の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】従来のさらに他の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】従来の符号化装置の処理を説明するフローチャートである。
【図7】従来の符号化装置の動作と生成する信号の関係を示す図である
【図8】本発明を適用した符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の適応ミキシング部の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9のミキシング係数設定部に記憶される情報の例を示す図である。
【図11】図9のパワー補正部に記憶される情報の例を示す図である。
【図12】図9の乗算器の構成例を示す図である。
【図13】ミキシング係数の補間関数の例を示す図である。
【図14】図8の符号化制御部の構成例を示すブロック図である。
【図15】図8の符号化装置の処理を説明するフローチャートである。
【図16】図15のステップS12において実行される処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図17】図15のステップS14において実行される処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図18】図8の符号化装置の動作と生成する信号の関係を示す図である
【図19】本発明を適用した復号装置の構成例を示すブロック図である。
【図20】図19のパワーウエイティング部の構成例を示すブロック図である。
【図21】図20の乗算器の構成例を示すブロック図である。
【図22】パワーウエイティング係数の補間関数の例を示す図である。
【図23】図19の復号装置の処理を説明するフローチャートである。
【図24】図23のステップS74において実行される処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図25】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
91 符号化装置, 101−1および101−2 フィルタバンク, 102 適応ミキシング部, 103−1および103−2 領域変換部, 104符号化制御部, 105 符号化部, 106 歪み率検出部, 107 マルチプレクサ, 121 パワー算出部, 122 ミキシング係数設定部, 123 パワー補正部, 124−1および124−2 乗算器, 124Aおよび124B バッファ, 125−1および125−2 乗算器, 126−1および126−2 加算器, 141−1および141−2 正規化部, 142−1 加算器, 142−2 減算器, 143 比較部, 144 比較部, 151 復号装置, 161 デマルチプレクサ, 162 復号部, 163−1および163−2 領域変換部, 164 パワーウエイティング部, 165−1および165−2 フィルタバンク, 171 パワーウエイティング係数設定部, 172−1および172−2 乗算器, 172Aおよび172B バッファ
Claims (11)
- 入力信号に基づいて符号化方式を選択する符号化方式選択手段と、
前記符号化方式選択手段により選択された前記符号化方式に基づいて、前記入力信号を符号化する符号化手段と、
前記符号化手段による符号化の歪み率を検出する歪み率検出手段と、
前記歪み率検出手段により検出された前記歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、前記入力信号の左右成分をミキシングするミキシング手段と
を備え、
前記符号化方式選択手段は、前記ミキシング手段によりミキシングされた前記入力信号に基づいて、前記符号化方式を選択する
ことを特徴とする符号化装置。 - 前記符号化手段により符号化された前記入力信号を復号するときの出力補正情報を生成する出力補正情報生成手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。 - 前記符号化方式選択手段は、前記符号化装置の構成により決定される閾値に基づいて、前記入力信号の前記符号化方式を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。 - 前記符号化方式選択手段は、デュアル符号化方式、MSステレオ符号化方式、ISステレオ符号化方式のいずれかから前記符号化方式を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。 - 前記符号化方式選択手段は、前記入力信号をミキシングして得られる信号の左右成分の相関が低いとき、前記デュアル符号化方式により符号化することを選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の符号化装置。 - 前記符号化方式選択手段は、前記入力信号をミキシングして得られる信号の左右成分の相関を、前記左右成分の差信号の総和に対する和信号の総和の比を用いて判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の符号化装置。 - 前記符号化方式選択手段は、前記入力信号をミキシングして得られる信号の左右成分の相関が高いとき、MSステレオ符号化方式、ISステレオ符号化方式のどちらを選択するかを、前記入力信号の左右成分の差信号の絶対値の最大値に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の符号化装置。 - 前記ミキシング手段は、前記ミキシング割合を記憶し、
直前に決定された前記ミキシング割合と、現在決定されている前記ミキシング割合の補間関数に基づいて前記ミキシング割合を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。 - 前記入力信号を記憶する入力信号記憶手段をさらに備え、
前記ミキシング手段は、当該入力信号を符号化した際の歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、前記入力信号記憶手段に記憶されている当該入力信号の左右成分を少なくとも1回ミキシングする
ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。 - 入力信号に基づいて符号化方式を選択する符号化方式選択ステップと、
前記符号化方式選択ステップの処理により選択された前記符号化方式に基づいて、前記入力信号を符号化する符号化ステップと、
前記符号化ステップの処理による符号化の歪み率を検出する歪み率検出ステップと、
前記歪み率検出ステップの処理により検出された前記歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、前記入力信号の左右成分をミキシングするミキシングステップと
を含み、
前記符号化方式選択ステップの処理は、前記ミキシングステップの処理によりミキシングされた前記入力信号に基づいて、前記符号化方式を選択する
ことを特徴とする符号化方法。 - 入力信号に基づいて符号化方式を選択する符号化方式選択ステップと、
前記符号化方式選択ステップの処理により選択された前記符号化方式に基づいて、前記入力信号を符号化する符号化ステップと、
前記符号化ステップの処理による符号化の歪み率を検出する歪み率検出ステップと、
前記歪み率検出ステップの処理により検出された前記歪み率に対応して決定されるミキシング割合に基づいて、前記入力信号の左右成分をミキシングするミキシングステップと
を含み、
前記符号化方式選択ステップの処理は、前記ミキシングステップの処理によりミキシングされた前記入力信号に基づいて、前記符号化方式を選択する
ことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
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