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JP3952695B2 - 高分子化合物製容器の表面改質方法とその装置 - Google Patents
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JP3952695B2 - 高分子化合物製容器の表面改質方法とその装置 - Google Patents

高分子化合物製容器の表面改質方法とその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高分子化合物製容器の表面改質方法とその装置に関し、より詳しくは、例えばPET容器(ポリエチレンテフレタート容器)の内側の表面をDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などのようなガス透過が少ないものに改質する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量で耐衝撃性が有り、しかも再栓性を備えているため、飲料用容器としてPET容器が多数用いられている。
上述した特長がある反面、PET容器は酸素および二酸化炭素を透過するという欠点があるため、ビールや炭酸ガス含有飲料を充填する容器としては不適当であり、そのような飲料用の容器として使用できないという欠点があった。
そこで、従来、上述したPET容器の欠点を解消するために、PET容器の内面を硬質炭素膜でコーティングする装置および方法が提案されている(例えば、特許第2788412号)。
上記特許に開示された装置および方法によれば、PET容器の内面のみに硬質炭素膜をコーティングできるので、この硬質炭素膜によって酸素や二酸化炭素の透過を阻止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許に開示された装置および方法においては、硬質炭素膜の原料となる炭素系ガスをPET容器内に供給し、これにプラズマを発生させてから容器の内側の表面に付着させることで、硬質炭素膜を形成していたものである。換言すると、上記特許に開示された装置および方法は、あくまでも容器の内側の表面に硬質炭素膜をコーティングする技術であり、容器の内側の表面そのものを改質するものではなかった。
そのため、上記特許の装置および方法によって製造されたPET容器に飲料を充填した場合には、コーティングされた硬質炭素膜が剥離して飲料内に混入する虞があり、飲料用の容器としては信頼性にかけるという欠点があった。
そこで、本発明は、酸素および二酸化炭素の透過を阻止するかあるいは透過しにくくすることができるとともに、飲料等の充填後に容器の内方側の表面が剥離することがない容器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載した本発明は、炭素を含む高分子化合物製容器内に管状又は棒状の電極を挿入し、上記容器における内方側にプラズマを発生させてから上記電極に正の高電圧パルスを印加して、上記容器内のイオンを該容器の表面層に注入して、該容器の表面層を炭酸ガスおよび酸素が透過しない材質もしくは透過しにくい材質に改質させるようにしたものである。
また、請求項3に記載した本発明は、高分子化合物製容器を気密を保持して収納可能な収納室と、この収納室内に負圧を導入する負圧源と、収納室内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、上記収納室内に収納された上記容器内に挿入される管状又は棒状の電極と、この電極に正の高電圧パルスを印加して上記容器の表面層にイオンを注入させる高電圧電源とを備えて、上記収納室内に収納した容器の表面層を、炭酸ガスおよび酸素を透過しない材質もしくは透過しにくい材質に改質させる高分子化合物製容器の表面改質装置を提供するものである。
【0005】
このような構成によれば、高分子化合物製容器の表面層を、炭酸ガスおよび酸素を透過しない材質もしくは透過しにくい材質に改質させることが出来る。そのため、炭酸ガスや酸素が透過しないかもしくは透過しにくい高分子化合物製容器を提供することが出来るようになり、しかも、容器の表面層そのものを改質する事により、該改質された表面層が剥離する事がない。
したがって、ビールや炭酸ガスを含有する飲料用としても好適な高分子化合物製容器を提供することが出来る。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1から図3において、1はPET容器2の内方側の表面を改質させる改質装置である。
この改質装置1は、PET容器2を収納可能なカップ状の収納室3と、この収納室3の上端開口を閉鎖する蓋体4と、この蓋体4に設けた管状の電極5と、収納室3の内周部に配置したコイル6と、収納室3およびコイル6を囲繞して配置したソレノイドコイル7とを備えている。
改質装置1によって表面を改質されるPET容器2は、上端に開口部2Aを備えるとともに、上端の外周部に図示しないキャップが螺合されるねじ部2Bを備えている。PET容器2は無色透明であり、補強のために胴部の所要個所に複数の環状突起2Cを形成している。つまり、改質装置1によって表面を改質されるPET容器2は、従来公知の一般的なPET容器であり、上記開口部2Aを介して内部に飲料などの液体が充填されるようになっている。このように構成したPET容器2は、開口部2Aが上方となるように収納室3内に供給されるようになっている。
【0007】
上記収納室3は導電性の材料によって構成するとともに上端部側が広口となったカップ状に形成してあり、その上端部に近接する位置に吸引口3Aを形成している。
導管8の一端を上記吸引口3Aに接続してあり、導管8の他端は負圧源11に接続している。導管8の途中には常閉の電磁開閉弁13を設けてあり、この電磁開閉弁13の作動は制御装置14によって制御するようにしている。
制御装置14によって電磁開閉弁13が開放されると、導管8と吸引口3Aを介して収納室3内に負圧を導入出来るようになっている。なお、導電性材料からなる収納室3はグランドなど電圧が一定なものに電気的に接続されている。
つぎに、蓋体4は円板状に形成した導電性材料からなり、図示しない昇降機構によって収納室3の上方側において昇降できるようになっている。蓋体4の中央部には貫通孔4Aを穿設してあり、その貫通孔4Aに気密を保持して電極5側の支持部5Aを摺動自在に貫通させている。上記支持部5Aは円筒状の絶縁材料から構成してあり、電極5の所定位置に嵌着している。なお、蓋体4の下面の外周部には環状のシール部材29を埋設してあり、蓋体4を収納室3の上端開口部に載置して、収納室3を閉鎖した際に、収納室3の上端開口部と蓋体4との間の気密を保持するようにしている。
電極5は導電性のパイプからなり、直流の高圧電源15に電気的に接続されている。電極5の上端部は蓋体4の上面よりも上方に突出させてあり、この上端部に導管16の一端を接続している。この導管16の他端はガスの供給源12に接続している。本実施例では、このガスの供給源12にアルゴンガスを貯溜するようにしている。導管16の途中に常閉の電磁開閉弁21を設けてあり、この電磁開閉弁21の作動も制御装置14によって制御するようにしている。制御装置14によって電磁開閉弁21が開放されると、導管16を介して供給源12から収納室3内にアルゴンガスが供給されるようになっている。このように、本実施例においては、電極5はガスの導入管を兼ねている。
【0008】
後に詳述するが、昇降機構によって蓋体4を収納室3の上端から離隔した上昇端位置に位置させた状態において、図示しない搬送機構によって収納室3内にPET容器2が収納されるようになっている。その後に上記昇降機構によって蓋体4が下降端位置まで下降されるので、上記電極5が収納室3内の容器2内に挿入され、その後、蓋体4が収納室3の上端部に載置されて収納室3の上端開口部が密閉されるようになっている。そして、この密閉状態において、導管8を介して負圧が導入された後に、導管16と電極5を介してPET容器2の内部空間を含めた収納室3の内部空間全域にアルゴンガスが供給されるようになっている。
また、図2に示すように、蓋体4によって収納室3の上端開口を閉鎖した状態においては、電極5の支持部5AがPET容器2の上端口部2Aおよびねじ部2Bの内方側に位置するようになっている。そして、この状態から上記昇降機構によって、さらに電極5そのものを蓋体4に対して所定寸法だけ上昇させることが出来るようにしている(図3)。この図3の状態では、絶縁材からなる支持部5AがPET容器2の上端開口部2Aよりも上方側に位置するようになっている。
電極5に接続した直流の高圧電源15は、制御装置14によって作動を制御されるようになっており、制御装置14から高圧電源15に作動指令が伝達されると、高圧電源15は電極5に正の高電圧パルスで印加するように構成している。
【0009】
つぎに、収納室3の内周部に設けたコイル6は、収納室3に対して電気的に絶縁させてあり、このコイル6は収納室3の外部に配置した整合器17を介して数MHz〜数100MHzの高周波電源18に接続している。高周波電源18の作動も制御装置14によって制御するようにしてあり、制御装置14から高周波電源18に作動指令が伝達されると、高周波電源18は上記コイル6に数MHz〜数100MHzの高周波電流を印加するようになっている。
さらに、収納室3を囲繞して配置したソレノイドコイル7は図示しない電源に接続されており、この電源に制御装置14から作動指令が伝達されると、ソレノイドコイル7が励磁され、直流磁界が発生する。
この実施例においては、コイル7、整合器17および高周波電源18によって、プラズマを発生させるプラズマ発生手段を構成している。
【0010】
-----(作動説明)
以上の構成において、上記改質装置1によって次のような工程を経てPET容器2の内方側の表面を改質させる。
すなわち、収納室3内にPET容器2が収納される前の状態においては、蓋体4は図示しない昇降機構によって、収納室3の上端部から離隔してその上方側の上昇端位置に保持されている。この状態において、図示しない搬送機構によってPET容器2が収納室3の上方位置まで搬送された後、該PET容器2を収納室3内に収納する(図1)。
次に、昇降機構によって蓋体4が下降端位置まで下降される。これにより、電極5が開口部2Aを介してPET容器2内に挿入されるとともに蓋体4によって収納室3の上端開口部が密閉される(図2)。
次に、制御装置14がソレノイドコイル7の電源を切換えてソレノイドコイル7に通電するので、ソレノイドコイル7が励磁される。これにより、PET容器2を収納した収納室3の内部空間全域に磁場が発生する。
次に、制御装置14が電磁開閉弁13を所定時間だけ開放させるので、導管8を介して収納室3内に負圧が導入されて、収納室3の内部空間が大気圧よりも低圧となる。
次に、この状態から制御装置14が導管16に設けた電磁開閉弁21を所定時間だけ開放させるので、導管16を介してアルゴンガスがPET容器2の内部空間に導入される。つまり、収納室3内におけるPET容器2の内外の空間にアルゴンガスが介在した状態となる。
【0011】
このあと、制御装置14は、高周波電源18に作動指令を伝達するので、該高周波電源から数MHz〜数100MHzの高周波電流がコイル6に印加される。これにより、収納室3内にプラズマを発生させる。
さらに、この状態において、制御装置14から高圧電源15に作動指令を伝達して、該高圧電源15から電極5に一連の複数の正の高電圧パルスが印加される。これにより、PET容器2の内方側におけるプラズマ中のイオンがPET容器2における内方側の表面の内部に注入される。
ここで、PET容器2は絶縁物であるため、イオン注入時にチャージアップが起こり、表面電位が上昇するが、パルス休止時にプラズマに曝されるため中和され、元の電位に戻る。そして、次のパルスで再度イオン注入が行なわれる。
次に、この状態において、昇降機構によって電極5を所定の高さだけ、蓋体4に対して上昇させる(図3)。そして、再度高電圧パルスを印加してイオン注入を行なう。したがって、電極5の支持部5AがPET容器2の上端部よりも上方側に支持される。そのため、それまで支持部5Aが位置していたねじ部2Bの内側の表面の内部にも確実にイオンが注入される。
本実施例では、このようにしてPET容器2における内方側の表面全域の内部にイオンを注入する。そのため、本来、炭素原子を備えたPET容器2における内方側の表面の材質そのものが全域にわたってDLC(ダイヤモンドライクカーボン)に改質される(図4参照)。つまり、本実施例は、本来のPET容器2の表面にDLCをコーティングするのではなく、PET容器2の表面の材質そのものをDLCに改質して、図4における右方側に示すように内方側の表面全域にDLCの層22を形成するようにしている。
なお、上記作業工程において、イオンの注入後に、図2の位置か図3の位置まで必ずしも電極5を上昇させなくとも良い。
このようにして、1つのPET容器2に対する表面の改質作業が終了すると、昇降機構によって蓋体4が上昇端位置まで上昇されるので、収納室3が開放されるとともに、電極5がPET容器2から抜き出される。なお、閉鎖状態から蓋体4を上昇させる前に、一端導管8を介して収納室3内を大気に開放した後に上記昇降機構によって蓋体4を上昇させる方が良い。
このあと、処理済のPET容器2は図示しない取り出し機構によって取り出される一方、新たなPET容器2が収納室3内に収納されて、その後、上述した工程を経て新たなPET容器2の内方側の表面がDLCの層22に改質されるようになっている。
【0012】
以上のように、本実施例は、PET容器2の内方側の表面全域をDLCの層22に改質させているので、無色透明あるいはわずかに着色するだけでありながら、炭酸ガスおよび酸素の透過を阻止することが出来るもしくは透過しにくいPET容器2を提供することが出来る。したがって、ミネラルウォータ等の一般的な飲料だけでなく、ビールなどの炭酸ガスを含有した飲料用の容器としても好適なPET容器2を提供することができる。
しかも、本実施例は、従来のようにDLC膜を容器2の内方側の表面に付着させてコーティングするのではなく、PET容器2における内方側の表面の材質自体をDLCに改質しているので、DLCの層22が剥離することがない。したがって、PET容器2内に飲料等の液体を充填した後において、その液体内に剥離したDLCが混入する虞がなく、飲料などの容器として安全な容器を提供することができる。
さらに、本実施例は、従来のようにDLC膜を表面にコーティングする技術と比較して、PET容器2の内方側の表面にDLCの層22を形成するのに要する時間は、従来のコーティングする場合の数分の1であり、したがって、処理速度が速い改質装置1および改質方法を提供できる。
また、本実施例によって内方側の表面を改質したPET容器2は、全てリサイクルすることが出来る。なお、上記実施例においてはガスの供給源12にアルゴンガスを貯溜して、収納室3内に供給していたが、アルゴンガスの代わりに炭化水素ガスや窒素ガスを用いてもよい。
【0013】
---(第2実施例)
つぎに、図面は省略するが、改質装置1の第2実施例として次のような構成であっても良い。つまり、上記図1から図3に示した第1実施例において、ガスの供給源12、導管16および電磁開閉弁21を省略して、その他は第1実施例と同様の構成であっても良い。ただし、この第2実施例においては、電極5としてパイプではなく棒状のものを用いる。この第2実施例では、コイル6、整合器17および高周波電源18によってプラズマを発生させるプラズマ発生手段を構成している。このような第2実施例の改質装置1においては、次のような工程で処理を行なう。
すなわち、昇降機構によって蓋体4および電極5を上昇端位置に保持した状態において、図示しない搬送機構によってPET容器2が収納室3の上方位置まで搬送した後、該PET容器2を収納室3内に収納する。
次に、昇降機構によって蓋体4が下降端位置まで下降されるので、電極5がPET容器2内に挿入されるとともに蓋体4によって収納室3の上端開口部が密閉される。
これと同時に、制御装置14がソレノイドコイル7の電源を切換えてソレノイドコイル7に通電するので、ソレノイドコイル7が励磁されて収納室3内に磁場が発生する。
このあと、制御装置14が電磁開閉弁13を所定時間だけ開放させるので、収納室3内に負圧が導入される。
このあと、制御装置14は、高周波電源18に作動指令を伝達するので、該高周波電源から数MHz〜数100MHzの高周波電流がコイル6に印加される。これにより、収納室3内にプラズマを発生させる。
さらに、この状態において、制御装置14から高圧電源15に作動指令を伝達するので、該高圧電源15から正の高電圧パルスが電極5に印加される。これにより、PET容器2の内方側におけるプラズマ中のイオンがPET容器2における内方側の表面の内部に注入される。
したがって、PET容器2における内方側の表面全域がDLCの層22に改質される。
このような第2実施例においても、上述した第1実施例と同様の作用効果を得ることが出来る。
【0014】
--------(第3実施例)
次に、図5ないし図6は本発明の第3実施例を示したものであり、端的に言えば、この第3実施例は上記第1実施例におけるソレノイドコイル7の代わりに複数の永久磁石25を用いるとともに、コイル6、整合器17および高周波電源18の代わりにマグネトロン26を用いたものである。
すなわち、この第3実施例における収納室3は、円筒状とした本体部の下端外周部にフランジ部3Cを形成してあり、このフランジ部3Cの下面に一枚の石英板を重合させている。この石英板によって収納室3の底面3Bを構成している。そして、この状態の石英板(底面3B)およびフランジ部3Cの外周部に、導波管28側に形成したフランジ状の連結部27Aを嵌装してあり、それによって、収納室3と導波管27とを連結している。なお、フランジ部3Cと底面3Bとしての石英板の間には、環状のシール部材28を設けてあり、それによって、両部材間の気密を保持している。
そして、上記導波管27の他端にマグネトロン26を気密を保持して連結している。このマグネトロン26の作動も制御装置14によって制御するようにしてあり、制御装置14によってマグネトロン26が作動されると、上記収納室3内に向けて2.45GHzのマイクロ波を供給するようになっている。
つぎに、この実施例では、収納室3の外周部には、円周方向における等ピッチで棒状の永久磁石25を配置している。ここで隣り合う永久磁石25は、収納室3の外周面と接触する位置の磁極が異なるように配置されている。したがって、この第3実施例においては、上記複数の永久磁石25によって、それらに近接した収納室3の内周部の近くに常時磁場が形成されている。
さらに、この実施例においては、蓋体4の下面の外周部に環状のシール部材29を取り付けている。蓋体4によって収納室3の上端開口を閉鎖した際に、上記シール部材29によって、蓋体4と収納室3の上端開口部との間の気密を保持するようにしている。この第3実施例においては、導波管27、マグネトロン26によって、プラズマを発生させるプラズマ発生手段を構成している。
その他の構成は、上述した第1実施例のものと同じであり、それらについて詳細な説明は省略する。
【0015】
------(第3実施例の作動説明)
以上のように構成した第3実施例の改質装置1によって、次のようにしてPET容器2の表面を改質させる。
すなわち、図示しない昇降機構によって、蓋体4および電極5が上昇端位置に保持されている状態において、図示しない搬送機構によって搬送されてきたPET容器2が収納室3内に収納される。
次に、昇降機構によって蓋体4が下降端の位置まで下降される。これにより、電極5が開口部2Aを介してPET容器2内に挿入されるとともに蓋体4によって収納室3の上端開口部が密閉される(図5)。
複数の永久磁石25によって収納室3の内周部には磁場が形成されているので、収納室3内に収納されたPET容器2にも、永久磁石25による磁力が作用する。
次に、制御装置14が電磁開閉弁13を所定時間だけ開放させるので、導管8を介して収納室3内に負圧が導入されて、収納室3の内部空間が大気圧よりも低圧となる。
次に、この状態から制御装置14が導管16に設けた電磁開閉弁21を所定時間だけ開放させるので、導管16を介してアルゴンガスがPET容器2の内部空間に導入される。つまり、収納室3内におけるPET容器2の内外の空間にアルゴンガスが介在した状態となる。なお、このときの収納室3内の圧力は大気圧以下となっている。
このあと、制御装置14はマグネトロン26を作動させるので、該マグネトロン26から収納室3の底面3Bにむけて2.45GHzのマイクロ波が供給される。これにより、収納室3内にマイクロ波が供給されて、収納室3内のアルゴンガスにプラズマを発生させる。
さらに、この状態において、制御装置14から直流の高圧電源15に作動指令を伝達するので、該高圧電源15から正の高電圧パルスが電極5に印加される。これにより、PET容器2の内方側におけるプラズマ中のイオンがPET容器2における内方側の表面の内部に注入される。
なお、このあと、必要に応じて昇降機構によって電極5を所定の高さだけ、蓋体4に対して上昇させ、そのあとに、再度高圧電源15に作動指令を伝達し、再度PET容器2の内側の表面にイオンを注入しても良い。
以上のように構成した第3実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることが出来る。
【0016】
-------(第4実施例)
次に、図7は本発明の第4実施例を示したものであり、端的に言えば、この第4実施例は上記第1実施例におけるコイル6、整合器17および高周波電源18の代わりに導波管27およびマグネトロン26を用いたものである。
すなわち、この第4実施例においては、導波管27の一端を導電性材料からなる蓋体4の上面中央部に接続している。電極5の上端部はこの導波管27を気密を保持して貫通させて、上方側に突出させてあり、導管16の端部を接続している。導波管27の他端に上記第3実施例と同様のマグネトロン26を気密を保持して連結している。マグネトロン26の作動も制御装置14によって制御するようにしてあり、制御装置14によってマグネトロン26が作動されると、上記収納室3の底面3Bに向けてマイクロ波を供給するようになっている。
この第4実施例では、蓋体4に導波管27の端部を接続しているので、図示しない昇降機構は、蓋体4、電極5および導波管27を昇降させるようになっている。
また、この実施例においては、蓋体4の下面の外周部に環状のシール部材29を取り付けている。蓋体4によって収納室3の上端開口を閉鎖した際に、上記シール部材29によって、蓋体4と収納室3の上端開口部との間の気密を保持するようにしている。この第4実施例においては、導波管27、マグネトロン26によってプラズマを発生させるプラズマ発生手段を構成している。
その他の構成は、上述した第1実施例のものと同じであり、それらについて詳細な説明は省略する。
【0017】
------(第4実施例の作動説明)
以上のように構成した第4実施例の改質装置1によって、次のようにしてPET容器2の表面を改質させる。
すなわち、図示しない昇降機構によって、蓋体4、電極5および導波管27が上昇端位置に保持されている状態において、図示しない搬送機構によって搬送されてきたPET容器2が収納室3内に収納される。
次に、昇降機構によって蓋体4等が下降端の位置まで下降される。これにより、電極5が開口部2Aを介してPET容器2内に挿入されるとともに蓋体4によって収納室3の上端開口部が密閉される(図7)。
それと同時に、制御装置14はソレノイドコイル7の電源を切換えて、ソレノイドコイル7に通電するので、ソレノイドコイル7が励磁される。これにより、収納室3内に磁場が形成される。
次に、制御装置14が電磁開閉弁13を所定時間だけ開放させるので、導管8を介して収納室3内に負圧が導入されて、収納室3の内部空間が大気圧よりも低圧となる。
次に、この状態から制御装置14が導管16に設けた電磁開閉弁21を所定時間だけ開放させるので、導管16を介してアルゴンガスがPET容器2の内部空間に導入される。つまり、収納室3内におけるPET容器2の内外の空間にアルゴンガスが介在した状態となる。なお、このときの収納室3内の圧力は大気圧以下となっている。
このあと、制御装置14はマグネトロン26を作動させるので、該マグネトロン26から蓋体4にむけてマイクロ波が供給される。これにより、収納室3内のアルゴンガスにプラズマを発生させる。
さらに、この状態において、制御装置14から直流の高圧電源15に作動指令を伝達するので、該高圧電源15から正の高電圧パルスが電極5に印加される。これにより、PET容器2の内方側におけるプラズマ中のイオンがPET容器2における内方側の表面の内部に注入される。
なお、このあと、必要に応じて、昇降機構によって電極5を所定の高さだけ、蓋体4に対して上昇させ、そのあとに、再度高圧電源15に作動指令を伝達し、再度PET容器2の内側の表面の内部にイオンを注入しても良い。
以上のように構成した第4実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることが出来る。
【0018】
-------(第5実施例)
次に、図8ないし図9は、本発明の第5実施例を示したものである。この第5実施例は、上記第1実施例におけるコイル6、整合器17および高周波電源18を省略したものである。その他の構成は、第1実施例のものと同じであり、詳細な説明は省略する。この第5実施例においては、プラズマを発生させるプラズマ発生手段を、高圧電源15によって兼用している。この第5実施例においては、次のようにしてPET容器2の表面を改質させる。
すなわち、図示しない昇降機構によって、蓋体4、電極5が上昇端位置に保持されている状態において、図示しない搬送機構によって搬送されてきたPET容器2が収納室3内に収納される。
次に、昇降機構によって蓋体4が下降端の位置まで下降される。これにより、電極5が開口部2Aを介してPET容器2内に挿入されるとともに蓋体4によって収納室3の上端開口部が密閉される(図8)。
それと同時に、制御装置14はソレノイドコイル7の電源を切換えて、ソレノイドコイル7に通電するので、ソレノイドコイル7が励磁される。これにより、収納室3内に磁場が形成される。
次に、制御装置14が電磁開閉弁13を所定時間だけ開放させるので、導管8を介して収納室3内に負圧が導入されて、収納室3の内部空間が大気圧よりも低圧となる。
次に、この状態から制御装置14が導管16に設けた電磁開閉弁21を所定時間だけ開放させるので、導管16を介してアルゴンガスがPET容器2の内部空間に導入される。つまり、収納室3内におけるPET容器2の内外の空間にアルゴンガスが介在した状態となる。なお、このときの収納室3内の圧力は大気圧未満になっている。
このあと、制御装置14から直流の高圧電源15に作動指令を伝達するので、該高圧電源15から正の高電圧パルスが電極5で印加される。これにより、PET容器2の内方側にプラズマを発生させると同時に、発生したプラズマ中のイオンをPET容器2における内方側の表面の内部に注入させる。これにより、PET容器2における内方側の表面の内部がDLCに改質される。
なお、このあと、必要に応じて、昇降機構によって電極5を所定の高さだけ、蓋体4に対して上昇させ、そのあとに、再度高圧電源15に作動指令を伝達し、再度PET容器2の内側にプラズマを発生させるとともにPET容器2の内方側の表面にイオンを注入しても良い。
以上のように構成した第5実施例においても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることが出来る。
【0019】
-----(第6実施例)
次に図10ないし図11は、本発明の第6実施例を示したものであり、この第6実施例は上記図7に示した第4実施例におけるソレノイドコイル7を省略し、その代わりに複数の永久磁石25を設けたものである。
すなわち、この第6実施例では、電極5における支持部5Aよりも下方側の内周面に、円周方向における等ピッチで棒状の永久磁石25を配置している。図11に示すように、隣り合う永久磁石25は、電極5の内周面と接触する位置の磁極が異なるように配置されている。したがって、この第6実施例においては、上記複数の永久磁石25によって、電極5そのものに常時磁場が形成されている。この他の構成は、上記図7に示した第4実施例と同じであり詳細な説明は省略する。
----(第6実施例の作動説明)
以上のように構成した第6実施例の改質装置1によって、次のようにしてPET容器2の表面を改質させる。
すなわち、図示しない昇降機構によって、蓋体4、電極5および導波管27が上昇端位置に保持されている状態において、図示しない搬送機構によって搬送されてきたPET容器2が収納室3内に収納される。
次に、昇降機構によって蓋体4等が下降端の位置まで下降される。これにより、電極5が開口部2Aを介してPET容器2内に挿入されるとともに蓋体4によって収納室3の上端開口部が密閉される(図10)。
収納室3に挿入された電極5には、複数の永久磁石25によって磁場が形成される。
このあと、制御装置14が電磁開閉弁13を所定時間だけ開放させるので、導管8を介して収納室3内に負圧が導入されて、収納室3の内部空間が大気圧よりも低圧となる。
次に、この状態から制御装置14が導管16に設けた電磁開閉弁21を所定時間だけ開放させるので、導管16を介してアルゴンガスがPET容器2の内部空間に導入される。つまり、収納室3内におけるPET容器2の内外の空間にアルゴンガスが介在した状態となる。なお、このときの収納室3内の圧力は大気圧以下となっている。
このあと、制御装置14はマグネトロン26を作動させるので、該マグネトロン26から蓋体4にむけてマイクロ波が供給される。これにより、収納室3内のアルゴンガスにプラズマを発生させる。
さらに、この状態において、制御装置14から直流の高圧電源15に作動指令を伝達するので、該高圧電源15から正の高電圧パルスが電極5に印加される。これにより、PET容器2の内方側におけるプラズマ中のイオンがPET容器2における内方側の表面の内部に注入される。
なお、このあと、昇降機構によって電極5を支持部5Aの上下方向寸法に相当する高さだけ、蓋体4に対して上昇させ、そのあとに、再度高圧電源15に作動指令を伝達し、再度PET容器2における内側の表面の内部にイオンを注入しても良い。
以上のように構成した第6実施例においても、上述した各実施例と同様の作用効果を得ることが出来る。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、高分子化合物製容器の表面層を、炭酸ガスおよび酸素を透過しない材質もしくは透過しにくい材質に改質させることが出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を断面図。
【図2】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図3】図2に示した要部の異なる状態を示す端面図。
【図4】図1に示した装置によって表面の改質前と改質後の状態を示すPET容器2の要部の断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図6】図5のVI−VIに沿う要部の断面図。
【図7】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図8】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図9】第5実施例の図8とは異なる状態を示す断面図。
【図10】本発明の第6実施例を示す断面図。
【図11】図10のX−Xに沿う要部の断面図。
【符号の説明】
1…改質装置 2…PET容器
3…収納室 4…蓋体
5…電極 6…コイル
7…ソレノイド 11…負圧源
12…ガスの供給源 15…高圧電源
18…高周波電源 22…DLCの層

Claims (10)

  1. 炭素を含む高分子化合物製容器内に管状又は棒状の電極を挿入し、上記容器における内方側にプラズマを発生させてから上記電極に正の高電圧パルスを印加して、上記容器内のイオンを該容器の表面層に注入して、該容器の表面層を炭酸ガスおよび酸素が透過しない材質もしくは透過しにくい材質に改質させることを特徴とする高分子化合物製容器の表面改質方法。
  2. 上記高分子化合物製容器は、PET(ポリエチレンテレフタレート)製容器あるいは、合成樹脂製の容器であることを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物製容器の表面改質方法。
  3. 高分子化合物製容器を気密を保持して収納可能な収納室と、この収納室内に負圧を導入する負圧源と、収納室内にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、上記収納室内に収納された上記容器内に挿入される管状又は棒状の電極と、この電極に正の高電圧パルスを印加して上記容器の表面層にイオンを注入させる高電圧電源とを備えて、上記収納室内に収納した容器の表面層を、炭酸ガスおよび酸素を透過しない材質もしくは透過しにくい材質に改質させることを特徴とする高分子化合物製容器の表面改質装置。
  4. 上記収納室内に磁場を発生させる磁場発生手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の高分子化合物製容器の表面改質装置。
  5. 上記収納室内にガスを供給するガス供給源を備えることを特徴とする請求項4に記載の高分子化合物製容器の表面改質装置。
  6. 上記プラズマ発生手段は、収納室の内周部に設けたコイルと、このコイルに整合器を介して高周波電流を印加する高周波電源とを備えることを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の高分子化合物製容器の表面改質装置。
  7. 上記プラズマ発生手段は、導波管を介して収納室内にマイクロ波を供給するマグネトロンを備えることを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の高分子化合物製容器の表面改質装置。
  8. 上記高圧電源が上記プラズマ発生手段を兼ねることを特徴とする請求項4あるいは請求項5に記載の高分子化合物製容器の表面改質装置。
  9. 上記磁場発生手段は、収納室を囲繞して設けたソレノイドコイルあるいは、収納室を囲繞して配置した複数の永久磁石からなることを特徴とする請求項4から請求項8のそれぞれに記載した高分子化合物製容器の表面改質装置。
  10. 上記高分子化合物製容器は、PET(ポリエチレンテレフタレート)容器あるいは、合成樹脂製の容器からなることを特徴とする請求項3から請求項9のそれぞれに記載した高分子化合物製容器の表面改質装置。
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