JP3960096B2 - 導電性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性が高く電磁波のシールド効果に優れ、剛性が高く、かつ表面性が良い成形品とすることのできる導電性樹脂組成物に関し、特に電気機器の筐体部品、中でもパソコンの筐体として好適に使用できる導電性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコンの筐体やカバーなどの電磁波シールド用材料として使用される樹脂組成物には、電磁波をシールドするために高い導電性が要求される。このような要求を満たすものとして、熱可塑性樹脂のマトリクス中に導電性のフィラーを分散した樹脂組成物が提案されている。
【0003】
熱可塑性樹脂に配合するフィラーとしては、導電性を有し、しかも強化剤として効果も有することから一般に炭素繊維が使用されている。熱可塑性樹脂に炭素繊維を配合した樹脂組成物からなる成形品は、剛性に優れ、導電性を有するものの、電磁波のシールドを目的として使用するためには、さらに高く安定した導電性を有する必要があり、そのためには炭素繊維を熱可塑性樹脂に多量に配合する必要がある。
【0004】
しかしながら、上記のように多量に炭素繊維を配合した樹脂組成物を成形品にすると、炭素繊維が配向して反りが大きくなり、そのうえコスト高になるという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するものとして、特開平3−181532号公報には、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(以下「ABS」と称す)、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂に、粒径が20μm以下の膨潤黒鉛を5〜30重量%の割合で配合した樹脂組成物が提案されている。この樹脂組成物からなる成形品は、反りは小さくなるものの、導電性の点で炭素繊維が配合された成形品に較べて劣るものとなる。
【0006】
一方、導電性は、炭素繊維長に大きく影響されるため、ペレット寸法=炭素繊維長である長繊維ペレットも使用されているが、すべてが長繊維であるため成形品表面が荒れるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記問題点を解決し、導電性が高く電磁波のシールド性に優れ、剛性が高く、かつ表面性が良い成形品とすることのできる導電性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、熱可塑性樹脂と炭素繊維を混練機で溶融混合するに際し、炭素繊維を2箇所以上に分けて供給して混合することにより、50μm以下の微細な炭素繊維の割合を多くすることができ、その結果導電性が高く安定し、かつ表面性が良い樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂と炭素繊維を含有する樹脂組成物100重量部に対し、炭素繊維の割合が10〜50重量部であって、該炭素繊維のうち、繊維長が50μm以下のものが3〜12重量部、50μm超のものが7〜38重量部であることを特徴とする導電性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明は、熱可塑性樹脂と炭素繊維を混練機で溶融混合するに際し、炭素繊維を2箇所以上に分けて供給して混合することを特徴とする前記導電性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と炭素繊維を含有する樹脂組成物100重量部に対し、炭素繊維の割合が10〜50重量部であって、該炭素繊維のうち、繊維長が50μm以下のものが3〜12重量部、50μm超のものが7〜38重量部である。
【0011】
樹脂組成物における炭素繊維の割合が10重量部よりも少なくなると、導電性が安定して発現せず、成形品とした際の剛性に劣り、配合割合が50重量部を超えると、炭素繊維が配向して成形品の反りが大きくなるため外観性に劣る。
【0012】
該炭素繊維のうち、繊維長が50μm以下のものが3重量部よりも少なくなると、成形品表面が荒れるため、外観性に劣る。また12重量部を超えると、十分な導電性が得られない。
一方、繊維長が50μm超のものが7重量部よりも少なくなると、十分な導電性が得られず、また38重量部を超えると、成形品表面が荒れるため、外観性に劣る。
【0013】
導電性樹脂組成物の主成分となる熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66やナイロン12などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ABS樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ブタジエン樹脂、ポリアセタール樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサルホン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが挙げられ、また、これらの樹脂2種以上の混合物も挙げられる。その中でもポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカABS樹脂(ポリカーボネートをブレンドしたABS樹脂)、ポリアリレート樹脂が好ましく、中でもポリアミド樹脂は炭素繊維との親和性が良好である点で特に好ましい。
【0014】
ポリアミド樹脂としては、ラクタム、アミノカルボン酸及び/又はジアミンとジカルボン酸などのモノマーを重合して得られるホモポリアミドおよびコポリアミドそしてこれらの混合物が挙げられる。すなわち、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)及びこれらの共重合物、混合物等が挙げられ、中でも、ナイロン6、ナイロン66、これらの共重合ポリアミドや混合ポリアミドが特に好ましい。
【0015】
なお、本発明においては上記結晶性のポリアミド樹脂に非晶性ポリアミドを配合すると、外観性に優れた樹脂組成物が得られる。非晶性ポリアミド樹脂としては、例えば、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、テレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン/ω−ラウロラクタムの重縮合体等が挙げられる。また、これらの重縮合体を構成するテレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分のベンゼン環が、アルキル基やハロゲン原子で置換されたものも含まれる。さらに、これらの非晶性ポリアミドは2種以上併用することもできる。好ましくは、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、又はテレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、又はイソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体とテレフタル酸/2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体との混合物が用いられる。
【0016】
ポリアミド樹脂の結晶性の緩和を考慮すると、この非晶性ポリアミド樹脂の融解熱量は、示差走査熱量計を用いて窒素雰囲気下で16℃/分の昇温速度により測定したとき、1cal/g以下であることが好ましい。
【0017】
結晶性ポリアミドと非晶性ポリアミドとの配合割合は特に限定されるものではないが、(結晶性ポリアミド)/(非晶性ポリアミド)=50/50〜98/2(重量比)であることが好ましい。非晶性ポリアミドが2重量%より少ないと、高濃度に炭素繊維を配合した際に、表面平滑性すなわち光沢度が失われる傾向にあり、非晶性ポリアミドが50重量%より多いと、高濃度に炭素繊維を配合した際に、非晶性ポリアミドは一般的に溶融粘度が高いため高温の金型で成形しなければ平滑な表面が得られず、又結晶性が低くなるため射出成形等での成形サイクルが延び生産性が悪くなる。
【0018】
本発明に用いるポリアミド樹脂の相対粘度は、特に限定されないが、溶媒として96重量%濃硫酸を用いて温度が25℃で濃度が1g/dlの条件で測定した相対粘度が、1.4〜4.0の範囲であることが好ましい。相対粘度が1.4より小さいと、低粘度の為、溶融混練後の引き取り性が困難となり組成物に所望の物性が得られにくくなる。また4.0より大きいと、高粘度のため成形加工時の流動性が悪く、十分な射出圧力がかからないため、成形品が作りにくくなる。
【0019】
本発明において、導電剤および強化剤としての役割を果たす炭素繊維は、高強度、高導電率を有するポリアクリロニトリル系(PAN系)やピッチ系の炭素繊維が挙げられる。PAN系炭素繊維としては、具体的には、東邦レーヨン社製のベスファイト・チョップドファイバーやベスファイト・ミルドファイバー、東レ社性のトレカ・チョップドファイバーやトレカ・ミルドファイバー、三菱レイヨン社製のパイロフィル、Fortafil Fiber社製のFortafil、日本ポリマー産業株式会社 CFPAシリーズなどが挙げられ、また、ピッチ系炭素繊維としては、具体的には、大阪ガス社製のドナカーボ・チョップドファイバーやドナカーボ・ミルドファイバー、クレハ化学社製のクレカ・チョップドファイバーやクレカ・ミルドファイバーなどが挙げられる。
【0020】
炭素繊維は、混練前の繊維長が0.1〜7mmのものが好ましく、1〜6mmのものが特に好ましい。また、繊維径は5〜15μmの範囲にあるものが好ましい。
【0021】
上記のように構成された導電性樹脂組成物には、臭素系難燃剤あるいは赤リン系難燃剤を、樹脂組成物100重量部に対し50重量部以下、好ましくは20〜40重量部の割合とすると、上記の特性に加えてさらに難燃性も向上できるため好ましい。配合割合が50重量部を超えると、成形品としての機械的強度が損なわれる傾向にある。
【0022】
本発明で用いる臭素系難燃剤は、臭素含有率が50〜90重量%であるものが好ましい。臭素含有率が50重量%未満では、難燃効果に乏しく多量の難燃剤を添加する必要があり、機械的強度が損なわれる。また、臭素含有率が90重量%を超えると、成形加工時に臭素が遊離しやすいので本発明の効果を充分発揮することができない。具体的には、例えば、臭素化ポリスチレン、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化スチレン/無水マレイン酸共重合体、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂などがあるが、中でもとくに臭素化ポリスチレンが好適に使用できる。
【0023】
ここで用いられる臭素化ポリスチレンとしては、ポリスチレンに臭素を付加させたもの、もしくは臭素が付加したスチレンモノマーを重合したもの、あるいはこれらの両者の混合物が挙げられ、特に、臭素を付加したスチレンモノマーを重合したグレートレイクス社製のPDBSや、ポリスチレンに臭素を付加させたフェロ社製のパイロチェック68PBが、色調、流動性及び耐熱性の点で好ましい。
【0024】
赤リン系難燃剤としては、赤リンの名称で販売されている様々な色の同素体種(赤、紫または黒リン)が使用できる。熱可塑性樹脂に配合する際の赤リンの形状は特に限定されるものではないが、樹脂組成物への分散性を考慮すると、一般的に微細に分割された形、例えば200μm以下の粒子径に分割された形、好ましくは1〜100μmの範囲の平均粒径を有する粒子の形の赤リンを使用するのが望ましい。
【0025】
赤リンは、赤リンのみで使用してもよいが、赤リン粒子の表面をポリマー皮膜や無機コート材で被覆した形状の耐熱性改善タイプが好ましい。赤リン粒子の表面を被覆するポリマーとしては、エポキシ樹脂や、マレイン酸、フマル酸またはアリル不飽和結合を有するポリマーや、50〜90℃の融点でかつ10000以下の分子量を有する不飽和ポリエステルや、ノボラックタイプの熱可塑性フェノール−ホルムアルデヒド重縮合生成物や、熱可塑性フェノール−イソブチルアルデヒド重縮合生成物が挙げられ、中でも熱可塑性フェノール−イソブチルアルデヒド重縮合生成物が好適に使用できる。これらのポリマーの配合量は特に限定されるものではないが、赤リンと被覆用ポリマーとの混合物の合計重量に対し高々90重量%であり、一般的には、2〜50重量%であることが好ましい。
【0026】
また、本発明の樹脂組成物には、難燃剤の効果を十分に引出す目的で上記の難燃剤に加えて難燃助剤を配合しても良い。臭素系難燃剤とともに使用する難燃助剤としては、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酸化スズ(IV)、酸化鉄(III)、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛などが挙げられ、赤リン系難燃剤とともに使用する難燃助剤としては、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。難燃助剤の難燃剤に対する配合割合は、重量比で臭素系難燃剤の場合、難燃剤:難燃助剤=5:1〜1:1、赤燐系場合、難燃剤:難燃助剤=1:2〜1:7であることが好ましい。
【0027】
また、本発明の導電性樹脂組成物には、さらに加えて必要に応じて離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、滑剤、顔料、可塑剤、架橋剤、耐衝撃性向上剤、無機物、染料などの各種添加剤や炭素系や金属系の導電助剤を添加してもよく、これらは樹脂組成物を溶融混練もしくは溶融成形する際に加えられる。
【0028】
本発明の導電性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と炭素繊維と、必要に応じて配合した難燃剤および各種の添加剤とともに混練機を用いて溶融混練し、ペレット化することにより製造されるが、その際、炭素繊維を2箇所以上に分けて供給して混合することにより製造することができる。例えば、熱可塑性樹脂と、炭素繊維3〜12重量部を混練機の先頭から供給し、炭素繊維7〜38重量部を混練機の途中から供給して混合することにより製造される。
【0029】
炭素繊維を1箇所から供給した場合には、配合量が少ないと、導電性が十分ではなく、配合量を多くすると、炭素繊維が配向して反りが大きくなり、表面性が悪くなる。これに対し、本発明のように、炭素繊維を2箇所以上に分けて供給することにより、最初に供給した炭素繊維は混練の際、樹脂のせん断溶融ゾーンで強く混錬される為切断されて50μm以下の微細な繊維となり、後から供給した炭素繊維は、上記混錬ゾーンを通過しない為、50μm超の長さを維持したものとなる。その結果、導電性が高く、かつ表面性が良い樹脂組成物が得られる。
このようにして得られた樹脂組成物により成形品を得るためには、射出成形機を用いて、前記樹脂組成物を射出成形するか、プレス成形機を用いてプレス成形すれば良い。
【0030】
上記のように構成された導電性樹脂組成物からなる成形品は、導電性が高く電磁波シールド効果に優れ、剛性が高く、物性のばらつきの少ない表面性が良い成形品とすることができるため、燃料系部品や電気・電子部品や電気機器の筐体、例えば、パソコンの筐体やカバー、メカニカル軸受けや、メカニカルパッキングシール剤やフューエチューブ、フューエコネクタやクリーンルームの機器やプリンター、コピー機部品として好適に使用できる。
【0031】
【実施例】
次に実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は、以下の方法により実施した。
【0032】
[炭素繊維の繊維長分布の測定]
炭素繊維を含有した熱可塑性樹脂のペレットを濃度96%以上の硫酸に溶解させ、この溶液より炭素繊維をとり顕微鏡にて拡大写真を撮影し、その写真の中の炭素繊維の繊維長を測定し、繊維長の分布より50μm以下、50μm超の重量分率を算出した。
【0033】
[導電性]
住友重機工業(株)ネスタールSG75を用いて射出成形で成形したASTM1号片に図2で示す150mm間隔で市販の半田ごてを使用して金属端子を加熱圧入し端子を埋め込んで、この端子間の抵抗をHIOKI製MODEL3010のテスターで測定した。
【0034】
[引張り強度]
ASTM D638に従い、住友重機工業(株)ネスタールSG75を用いて射出成形で成形したASTM1号片を用いて測定した。
【0035】
[表面性]
JIS B0601に従い、住友重機工業(株)ネスタールSG75を用いて射出成形で成形したASTM1号片を用いて株式会社 東京精密 Handy Surf E-30Aを使用し中心線平行粗さ(Ra)を測定した。
【0036】
実施例1
ポリアミドA(宇部興産製UBEナイロン1011FB)70wt%および炭素繊維(日本ポリマー産業株式会社 CFPA−LC3)10wt%を図1のスクリュー構成をもつ押出機(東芝機械(株)Tem35B)の▲1▼から投入し樹脂が溶融状態(樹脂温度280℃)になっているところに、図1の▲2▼から炭素繊維(日本ポリマー産業株式会社 CFPA−LC3)20wt%を追加投入し、混練・ペレット化し、炭素繊維の分布長測定をした。また、得られたペレットを用いてASTM1号片を住友重機工業(株)ネスタールSG75にて樹脂温度280℃金型温度80℃で射出成形し、導電性、引張り強度、表面性を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0037】
比較例1
ポリアミドA(宇部興産製UBEナイロン1011FB)70wt%を図1のスクリュー構成をもつ押出機(東芝機械(株)Tem35B)の▲1▼から投入し樹脂が溶融状態(樹脂温度280℃)になっているところに、図1の▲2▼から炭素繊維(日本ポリマー産業株式会社 CFPA−LC3)が30wt%になるように投入し、混練・ペレット化し、炭素繊維の分布長測定をした。また、得られたペレットを用いてASTM1号片を住友重機工業(株)ネスタールSG75にて樹脂温度280℃金型温度80℃で射出成形し、導電性、引張り強度、表面性を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0038】
比較例2
ポリアミドA(宇部興産製UBEナイロン1011FB)80wt%を図1のスクリュー構成をもつ押出機(東芝機械(株)Tem35B)の▲1▼から投入し樹脂が溶融状態(樹脂温度280℃)になっているところに、図1の▲2▼から炭素繊維(日本ポリマー産業株式会社 CFPA−LC3)が20wt%になるように投入し、混練・ペレット化し、炭素繊維の分布長測定をした。また、得られたペレットを用いてASTM1号片を住友重機工業(株)ネスタールSG75にて樹脂温度280℃金型温度80℃で射出成形し、導電性、引張り強度、表面性を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0039】
実施例2
ポリアミドB(宇部興産製UBEナイロン1015B)75wt%およびAES樹脂(宇部サイコン(株) WX270)10wt%及び炭素繊維(Fortafil Fiber Inc. Fortafil243)5wt%を図1のスクリュー構成をもつ押出機(東芝機械(株)Tem35B)の▲1▼から投入し樹脂が溶融状態(樹脂温度280℃)になっているところに図1の▲2▼から炭素繊維(Fortafil Fiber Inc. Fortafil243)10wt%を追加投入し、混練・ペレット化し、炭素繊維の分布長測定をした。また、得られたペレットを用いてASTM1号片を住友重機工業(株)ネスタールSG75にて樹脂温度280℃金型温度80℃で射出成形し、導電性、引張り強度、表面性を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0040】
比較例3
ポリアミドB(宇部興産製UBEナイロン1015B)80wt%およびAES樹脂(宇部サイコン(株) WX270)10wt%を図1のスクリュー構成をもつ押出機(東芝機械(株)Tem35B)の▲1▼から投入し樹脂が溶融状態(樹脂温度280℃)になっているところに、図1の▲2▼から炭素繊維(Fortafil Fiber Inc. Fortafil243)が10wt%になるように投入し、混練・ペレット化し、炭素繊維の分布長測定をした。また、得られたペレットを用いてASTM1号片を住友重機工業(株)ネスタールSG75にて樹脂温度280℃金型温度80℃で射出成形し、導電性、引張り強度、表面性を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
比較例4
ポリアミドB(宇部興産製UBEナイロン1015B)80wt%およびAES樹脂(宇部サイコン(株) WX270)10wt%および炭素繊維(Fortafil Fiber Inc. Fortafil243)10wt%を図1のスクリュー構成をもつ押出機(東芝機械(株)Tem35B)の▲1▼から投入し樹脂温度が280℃になるように溶融・混練させ、ペレット化し、炭素繊維の分布長測定をした。また、得られたペレットを用いてASTM1号片を住友重機工業(株)ネスタールSG75にて樹脂温度280℃金型温度80℃で射出成形し、導電性、引張り強度、表面性を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、熱可塑性樹脂に繊維長分布が広範囲である炭素繊維を所定の割合で配合することで、電磁波のシールド用に使用できる程の導電性が得られるとともに、剛性が高く、表面性が良い樹脂組成物が得られる。
従って、導電性や剛性を必要とする電磁波シールドとして好適に使用でき、電気機器、特にパソコンの筐体やカバーとして好適に使用できる導電性樹脂組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、混練機による熱可塑性樹脂と炭素繊維の混練操作の概要を示す図である。
【図2】 図2は、導電性の測定方法を示す概略図である。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂と炭素繊維を含有する樹脂組成物100重量部に対し、炭素繊維の割合が10〜50重量部であって、該炭素繊維のうち、繊維長が50μm以下のものが3〜12重量部、50μm超のものが7〜38重量部であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂と炭素繊維を混練機で溶融混合するに際し、炭素繊維を2箇所以上に分けて供給して混合することを特徴とする請求項1又は2記載の導電性樹脂組成物の製造方法。
- 熱可塑性樹脂と炭素繊維を混練機で溶融混合するに際し、熱可塑性樹脂と、炭素繊維3〜12重量部を混練機の先頭から供給し、炭素繊維7〜38重量部を混練機の途中から供給して混合することを特徴とする請求項1又は2記載の導電性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1又は2記載の導電性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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