JP3961867B2 - パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔を備え、瓦等の積載物を運搬するために使用される合成樹脂製のパレットに関するものである。より詳しくは、フォークの先端部が突き当てられること等を想定し、外部に露出した端桁の外側部の強度を高めるように構成されたパレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のパレットとしては、特開平8−133285号公報に開示されている合成樹脂製パレットが知られている。このパレットは、フォーク差込口を二側面に有し、二方向からフォークを差し込むことができるように構成されている。さらに、前記フォーク差込口が形成された二側面と直交する方向の二側面には、フォーク差込方向に沿って配置された複数本の桁のうち両端に位置する端桁の側板部が形成されている。これら側板部の少なくとも一部分には、同側板部と交差する方向に側板部から内側に向かって複数の補強リブが設けられている。これら補強リブは、前記端桁の高さ全体に渡ってかつ前記端桁の幅の1/10以上に渡って設けられている。
【0003】
さらに、前記補強リブの先端は、その補強リブと直交する方向に延設された連結リブと接合されている。そして、この合成樹脂製パレットは、前記側板部を補強リブにて補強したことによって、その側板部の外側面にフォークの先端を突き当ててパレットの円滑な回転或いは移動操作を行うことができるようになり、操作性が向上されている。また、上記合成樹脂製パレットの変形例として、前記側板部に直角に接続される補強リブに加え、同側板部に対しほぼ斜め45°方向に接続される一対の補強リブとを同時に備えたものも開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の合成樹脂製パレットでは、補強リブが側板部から端桁の中央部までしか延設されていなかったことから、フォーク先端の突き当てによる衝撃を主として端桁の上下端部に設けられている上下のデッキボードの内側面で受け止めるように構成されていた。さらに、前記補強リブの先端と接合された連結リブは、補強リブと直交方向に延設されており、前記衝撃の伝わる方向に配向するようには構成されていなかった。このため、前記衝撃は、上側のデッキボードの下面及び下側のデッキボードの上面に局所的かつ閉鎖的に伝えられるに過ぎず、その他の補強構造にまで分散しながら伝わることは構造上ほとんど期待できなかった。このため、フォークの先端から側板部に対して強い衝撃が局所的に加えられた場合には、その衝撃点とその近傍に位置するデッキボードに局所的な変形や破損が生じるおそれが極めて高かった。
【0005】
さらに、前記従来の変形例としての合成樹脂製パレットでは、斜め方向に延設された補強リブは前記衝撃点に加わる衝撃方向とほとんど一致することがない。仮に一致した場合には、フォークの先端が側板部の表面上を滑ってしまう結果となりやすい。このため、前記衝撃の大半は、前記側板部に直交方向に延設された補強リブに伝えられる結果となり、上述のようにその他の補強構造に分散しながら伝えられて受け止められることはほとんど期待できない。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、軽量化を図りつつ、外部に露出した端桁の外側壁の強度を高め、フォークの突き当てによる破損を効果的に防止することができるように構成されたパレットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のパレットの発明は、合成樹脂製の上部デッキ部材と下部デッキ部材とを接合することにより略四角板状に形成され、両側縁に沿って延びる一対の端桁と、同側縁と平行に延びる中桁との間にフォーク挿入孔を形成させるように構成したパレットにおいて、前記フォーク挿入孔と対向する端桁の外側壁に平面Y字状に形成されたY字状リブを突設し、そのY字状リブの基端部を前記端桁の外側壁と直交方向に延設し、同Y字状リブの先端を前記Y字状リブの基端部と平行に延びるとともに前記端桁の外側壁又は内側壁に接合された補強リブと接合させたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載のパレットの発明は、略四角板状に形成された合成樹脂製の上部デッキ部材により構成され、両側縁に沿って延びる一対の端桁と、同側縁と平行に延びる中桁との間にフォーク挿入孔を形成させるように構成したパレットにおいて、前記フォーク挿入孔と対向する端桁の外側壁に平面Y字状に形成されたY字状リブを突設し、そのY字状リブの基端部を前記端桁の外側壁と直交方向に延設し、同Y字状リブの先端を前記Y字状リブの基端部と平行に延びるとともに前記端桁の外側壁又は内側壁に接合された補強リブと接合させたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載のパレットの発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記Y字状リブ全体をパレットの上下端部間を繋ぐように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載のパレットの発明は、請求項3に記載の発明において、前記補強リブを前記端桁の外側壁に接合させるとともに、同補強リブをパレットの上下端部間を繋ぐように形成し、前記補強リブ、端桁の外側壁及びY字状リブによって端桁の外側部に補強用区画柱を立設させたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載のパレットの発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記Y字状リブの先端部を薄肉に形成したことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、実施形態のパレット11は、合成樹脂により略四角板状(直方体状、平面正方形状)に形成されているうえ、片面使用2方差しの構成となっている。即ち、このパレット11には、フォークリフト及びハンドリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔12が合計2個(1対)設けられている。このパレット11は、上部デッキ部材13と下部デッキ部材14とを別々に射出成形した後、上部デッキ部材13の下端面と下部デッキ部材14の上端面とを溶着させることにより一体化される。このパレット11の上端面は水平面に沿って延びる上面デッキ15となっており、その上面デッキ15上に図示しない載置物を載置した状態で、その一側部に開口された左右一対のフォーク挿入孔12内にフォークリフト又はハンドリフトのフォークを挿入して運搬するように構成されている。
【0013】
図1から図5に示すように、パレット11の両側部には、長四角柱状(略長四角筒状)に形成された左右一対の端桁21がパレット11の両側縁に沿って立設されている。両端桁21間の中央位置、即ちパレット11の中央部には、長四角柱状(略長四角筒状)に形成された中桁22が、端桁21及びフォーク挿入孔12と平行に延びるように立設されている。これら左右一対の端桁21及び中桁22は、パレット11においてフォーク挿入孔12を開口させつつ、上面デッキ15を所定高さに支持している。
【0014】
端桁21と中桁22との間には、両桁21,22の上端部間を連結するように水平面に沿って延びる長四角板状の上部桟23が架設されており、フォーク挿入孔12の上方に位置する上面デッキ15を構成している。パレット11の前後両端部及び中央部には、両桁21,22の下端部間を連結するように水平面に沿って延びる長四角板状の端部下部桟24a及び中央部下部桟24bが架設されている。これら端桁21、中桁22、上部桟23及び端部下部桟24aにより、パレット11の前後両端部にはフォーク挿入孔12の開口部を構成する左右一対のフォーク挿入口12aが形成されている。また、このパレット11の下面には、隣接する桁21,22間を縦横に繋ぐ下部桟24a,24bにより、底面格子状(田字状)に形成された下面デッキのデッキ面が形成されている。
【0015】
図1、図4及び図5に示すように、端桁21は、上部デッキ部材13の両側部に垂下された長四角柱状(略長四角筒状)の上部桁部材31と、下部デッキ部材14の両側部に立設された長四角柱状(略長四角筒状)の下部桁部材32とから構成されている。これら上下の桁部材31,32は、いずれも同大同形状に形成されているうえ、両桁部材31,32間の境界面としての溶着面を中心に上下に対称となるように構成されている。
【0016】
図1(a)に示すように、上部桁部材31の周縁には、長四角筒状に形成された上部筒体33が上面デッキ15の下面から上部桁部材31の下端部まで上下方向に延びるように垂下されている。上部桁部材31の短手方向の中央には、フォーク挿入孔12と平行となるように前後方向(上部桁部材31の長手方向)に延びる第2補強リブとしての長手リブ34が設けられている。この長手リブ34は、上部筒体33の前後両端部間を繋ぐように延設されているうえ、上面デッキ15の下面から上下方向に延びるように垂下されている。さらに、この長手リブ34の前後両端部は上部桁部材31の上下両端部間を繋ぐように形成されており、中央部は上部桁部材31の上部又は上端部までの高さとなるように形成されている。
【0017】
上部桁部材31の長手方向の中央部には、所定間隔をおいてフォーク挿入孔12と直交方向(上部桁部材31の短手方向)に延びる補強リブとしての前後一対の短手リブ35及び仕切板36が設けられている。これら短手リブ35及び仕切板36は、上部筒体33の左右両側部間を繋ぐように延設されているうえ、上面デッキ15の下面から上下方向に延びるように垂下されている。端桁21の中央(長手リブ34)よりもパレット11の内側方側に位置する短手リブ35の中央部は上部桁部材31の上部又は上端部までの高さとなるように形成され、その他は上部桁部材31の上下両端部間を繋ぐように形成されている。仕切板36は、全体が上部桁部材31の上下両端部間を繋ぐように形成されており、その桁部材31内を仕切っている。また、これら短手リブ35と仕切板36との間には、前記長手リブ34の一方の側面からパレット11の外側方又は内側方に向かって延設された外部短手リブ37及び内部短手リブ38が設けられている。
【0018】
図1(a)及び図6に示すように、短手リブ35と仕切板36との間には、パレット11の両側部を構成する上部筒体33の外側壁33a内側面からパレット11の内側方へと突設されたY字状リブ41が設けられている。このY字状リブ41は、前記上部筒体33の外側壁33a内側面から延びる長四角板状の基部板41aと、その基部板41aの先端縁から斜め方向に分岐しながら延びる一対の分岐板41bとから底面Y字状に形成されている。
【0019】
このY字状リブ41の基端部に位置する基部板41aは、前記上部筒体33の外側壁33a内側面から同側壁33aと直交方向に延びるように突設されており、同基部板41aの先端は同側壁33aと長手リブ34との中間位置に配設されている。さらに、この基部板41aは、上部桁部材31の上下両端部間を繋ぐように、上面デッキ15の下面から上下方向に延びるように垂下されている。
【0020】
また、Y字状リブ41の先端部に位置する一対の分岐板41bは、前記基部板41aの先端縁と、長手リブ34付近に位置する短手リブ35又は仕切板36の一側面との間を斜め方向に繋ぐように延設されている。さらに、この分岐板41bは、上面デッキ15の下面から上下方向に延びるように垂下されているうえ、上部桁部材31の上下両端部間を繋ぐように上下方向に延びる長四角板状に形成されている。
【0021】
一方、このパレット11の両側部に位置する上部桁部材31の外側部には、前記Y字状リブ41と、そのY字状リブ41と接する前記上部筒体33の外側壁33a、短手リブ35及び仕切板36(外端部)により、底面略B字状に形成された隣接する一対の補強用区画柱42が形成されている。この補強用区画柱42は、上部桁部材31の外側部において、上下方向に延びる柱状構造をなすように立設されており、上下方向及び横方向にかかる荷重に対して高い補強効果を有している。さらに、前記隣接しながら配設された一対の補強用区画柱42は、基部板41aを共有しつつ平断面略B字状に形成されており、上下方向及び横方向にかかる荷重に対してさらに高い補強効果を有している。
【0022】
これら一対の補強用区画柱42の中央部に位置するY字状リブ41は、パレット11の外側部を構成する上部筒体33の外側壁33aに対するフォーク(先端部)の突き当て時の補強を行うために設けられている。そして、各Y字状リブ41を構成する一対の分岐板41bは、底面から見たとき、基部板41aの延設方向に延びる延長線に対し左右対称となるように同じ角度で傾斜するように配設されており、前記フォークの突き当て時における衝撃の分散が均等に行われるようになっている。
【0023】
また、隣接する短手リブ35と仕切板36との間の距離は、前記フォークの突き当て時における衝撃を漏れなく受け止めるために、好ましくはフォークの横幅(100〜150mm程度)以下、より好ましくは100mm以下であるとよい。同様の理由で、隣接するY字状リブ41の基部板41a間の距離は、好ましくはフォークの横幅(100〜150mm程度)以下、より好ましくは100mm以下であるとよい。さらに、各Y字状リブ41において、一対の分岐板41bの先端間の最短距離は100mm以下であるのが好ましい。
【0024】
一方、このY字状リブ41において、分岐板41bの厚みは、パレット11を構成する一般部(基部板41aを含む)の平均的な厚みよりも薄肉となるように構成されており、パレット11の軽量化が効果的に図られるようになっている。例えば、基部板41aの厚みは4mm、分岐板41bの厚みは3.6mmに形成されている。なお、この分岐板41bの厚みとしては、基部板41a等のパレット11の一般部の厚みよりも、好ましくは5〜20%程度、より好ましくは10〜15%程度薄肉となるように構成されているとよい。この分岐板41bの厚みが前記一般部の厚みの80%未満の場合には、分岐板41bの物性的な強度が低下し、それら分岐板41bによって大きな衝撃を効果的に受け止めることが困難になるおそれがある。逆に95%を越える場合には、パレット11を十分に軽量化することができなくなるおそれがある。
【0025】
下部桁部材32は、長四角柱状(略長四角筒状)に形成されているうえ、下部デッキ部材14の両側部に立設されている。この下部桁部材32は、前記上部桁部材31に対し上下が逆になるように構成されている以外は、上部桁部材31と全く同様である。従って、以下の記載において、下部桁部材32に設けられた上部筒体33に相当する構成の部材名称を下部筒体43とし、それ以外は外側壁33a及び内側壁33bをも含めて同一の部材名称を用いるものとする。
【0026】
図1、図4及び図5に示すように、中桁22は、上部デッキ部材13の中央部に垂下された長四角柱状(略長四角筒状)の第2上部桁部材51と、下部デッキ部材14の中央部に立設された長四角柱状(略長四角筒状)の第2下部桁部材52とから構成されている。これら桁部材51,52は、前記桁部材31,32におけるY字状リブ41が設けられていない以外はほぼ同様の構成を有している。
【0027】
次に、上記パレット11の作用について説明する。
このパレット11は、上部デッキ部材13と下部デッキ部材14とを別々に射出成形した後、上部デッキ部材13の下端面と下部デッキ部材14の上端面とを溶着させることによって製造される。なおこのとき、上部デッキ部材13に設けられたY字状リブ41の下端面と、下部デッキ部材14に設けられたY字状リブ41の上端面とは互いに溶着され、上下のデッキ部材13,14間の溶着面積を増加させるの寄与している。このパレット11は、その前端部又は後端部に開口された左右一対のフォーク挿入口12aからフォーク挿入孔12内へとフォークリフト又はハンドリフトの2本のフォークを挿入した後、それらフォークを所定高さに持ち上げて運搬される。
【0028】
さて、このパレット11の一側部に意図的又は非意図的にフォークの先端部が突き当てられた場合には、まず、上下の筒体33,43の外側壁33a外側面に局所的な衝撃が加えられ、同側壁33aをパレット11の内方側へと僅かに押圧・変形させる。なお、前記変形は、前記衝撃の伝播経路を説明しやすくするために便宜的に用いたものであり、ほとんど目視できないほど微小な変形であって、一過的な変形を遂げた後に元の形状に戻る可逆的なものである。そして、この衝撃による僅かな可逆的変形は、衝撃点付近に位置する短手リブ35、仕切板36、外部短手リブ37又はY字状リブ41の基部板41aへと伝えられる。
【0029】
前記衝撃による僅かな可逆的変形の大半が短手リブ35に伝えられた場合、その基端部から中央部へと向かって順次短手リブ35に微細な可逆的変形が伝播されつつ、一部は上面デッキ15及び下面デッキに伝えられて減衰される。さらに、前記微細な可逆的変形は、短手リブ35に接合された一方の分岐板41bをパレット11の内側方へと僅かに引張りつつより一層減衰される。加えて、前記分岐板41bに伝えられた超微細な可逆的変形は、Y字状リブ41の基部板41a及び筒体33,43の外側壁33aに伝えられてさらに減衰される。そのうえ、前記分岐板41bとの接合部を通過した超微細な可逆的変形は、最終的に衝撃や変形を受け止めやすい巨大な構造物(長手リブ34等よりも広範な面積)である筒体33,43の内側壁33bに受け止められた後、端桁21全体に分散されつつ消失する。また、前記衝撃による可逆的変形の大半が仕切板36に伝えられた場合もほぼ同様である。
【0030】
一方、前記衝撃による可逆的変形の大半がY字状リブ41の基部板41aに伝えられた場合、その基端部から先端部へと向かって順次基部板41aに微細な可逆的変形が伝播されつつ、一部は上面デッキ15及び下面デッキに伝えられて減衰される。さらに、前記微細な可逆的変形は、基部板41aの先端から分岐し、左右の分岐板41bへと伝わりながらより一層減衰される。加えて、前記両分岐板41bに伝えられた超微細な可逆的変形は、各分岐板41bの先端と接合されている短手リブ35及び仕切板36の中央部をパレット11の内側方へと僅かに引張りつつさらに減衰される。そのうえ、前記短手リブ35及び仕切板36に伝えられた超微細な可逆的変形は、筒体33,43の外側壁33a及び内側壁33bへと伝えられた後、端桁21全体に分散されつつ消失する。
【0031】
特に、前記衝撃が補強用区画柱42に加えられた場合には、前記短手リブ35、仕切板36又は基部板41aを中心とする補強構造に加え、その補強用区画柱42全体と、同区画柱42の上下に位置する上面デッキ15及び下面デッキとの共同的な補強効果が発揮される。さらに、前記上面デッキ15及び下面デッキによる補強効果は、補強用区画柱42の上下端部のみに止まることなく、Y字状リブ41の基端部側から先端部側、さらにはその延長線上へと広い面積に渡って拡散されつつ受け止められる要素をも含んでいる。特に、前記衝撃点が基部板41aの基端部とほぼ一致する場合には、Y字状リブ41の基端部側から両先端部側へと平面略V字状に延びる一対の延長線に沿いながら拡散され、衝撃を受け止めるためのデッキ面積がより一層拡大され得る。なお、上記補強効果を高めるためのY字状リブ41の構造としては、図6に示すように、一対の分岐板41b同士のなす角度αが、好ましくは90°以下、より好ましくは60〜90°、さらに好ましくは70〜80°であるとよい。
【0032】
次に、上記実施形態によって発揮される効果について説明する。
・ 実施形態のパレット11は、合成樹脂製の上部デッキ部材13と下部デッキ部材14とを溶着させることにより略四角板状に形成されているうえ、両側縁に沿って延びる一対の端桁21と、同側縁と平行に延びる中桁22との間にフォーク挿入孔12が形成されるようになっている。さらに、このパレット11は、フォーク挿入孔12と対向する端桁21の外側壁33aに平面Y字状に形成されたY字状リブ41が突設されている。加えて、前記Y字状リブ41の基部板41aは前記端桁21の外側壁33aと直交方向に延設されており、同Y字状リブ41の分岐板41bの先端は一対の補強リブ(短手リブ35及び仕切板36)に対し所定角度で傾斜しながら接合されている。さらに、前記各補強リブは、Y字状リブ41の基部板41aと平行に延びるとともに、長四角筒状に形成された端桁21の外側壁33a又は内側壁33b(端桁21のいずれか一方の長側壁)と接合されている。
【0033】
このため、このパレット11は、端桁21の外側部にY字状リブ41が設けられていることから、外部に露出した端桁21の外側壁33aの強度を容易に高めることができ、フォークの突き当てによるパレット11側部の不可逆的な変形や破損を容易に防止することができる。さらに、前記Y字状リブ41は、極めて簡単かつ軽微な構成であることから、重量増加にほとんど寄与することなく、パレット11の軽量化を容易に図ることができる。
【0034】
特に、Y字状リブ41の基部板41aは、フォーク突き当て時の衝撃の伝播方向と一致するように延設されていることから、前記従来の合成樹脂製パレットの変形例における斜め45°方向に接続される補強リブと比較して、前記衝撃を極めて効果的に受け止めることができ、補強効果は著しく高い。
【0035】
さらに、前記基部板41aに伝播された衝撃は、一対の分岐板41bにより相反する2方向に分岐しながら効率的に端桁21全体に伝えられるようになっている。即ち、このパレット11では、基部板41aから伝播される衝撃力のベクトルが一対の分岐板41bにより、パレット11の内側方と、前後両端部側へと分岐されるようになっており、各分岐板41bが受け止めるべき衝撃力は基部板41aの半分程度まで低減される。このため、パレットの内側方のみに伝播される前記従来の合成樹脂製パレットの補強リブの場合とは異なり、パレット11の内側方及び前後両端部側へと拡散しながら分散されて受け止められることから、フォーク突き当てによるパレット11側部の不可逆的な変形や破損をさらに容易に抑えることができる。
【0036】
加えて、前記各分岐板41bに伝播された衝撃(ベクトル)は、短手リブ35及び仕切板36を介して筒体33,43に直接伝えられるようになっていることから、端桁21の可逆的な変形や破損を引き起こしにくい。特に、前記筒体33,43は、前記従来の合成樹脂製パレットの連結リブと比較して、より広い面積を有する一体的な構造物であることから、衝撃を受け止める能力は顕著に高い。
【0037】
・ 短手リブ35及び仕切板36が、フォーク挿入孔12と接する端桁21の内側壁33bに接合されていることから、端桁21の外側壁33aからY字状リブ41を通って伝播される衝撃を、衝撃点と対向する前記内側壁33b(全体)に伝えることができる。このため、前記内側壁33bは、局所的な衝撃が加えられていないことから、衝撃点近傍に位置する外側壁33aと比較して、衝撃を受け止める力が著しく強い。さらに、同内側壁33bは、Y字状リブ41を通って分散された弱い衝撃を広い面積で受け止めることができることから、フォーク突き当てによる端桁21の可逆的変形及び破損を極めて顕著に抑えることができる。
【0038】
さらに、このパレット11は、短手リブ35及び仕切板36が端桁21の外側壁33aにも同時に接合されていることから、前記端桁21の内側壁33bによる補強効果に加えて、外側壁33aによる補強効果も同時に発揮される。これら両側壁33a,33bによる補強効果は、端桁21の短手方向全体からなる巨大構造物によるものであることから、衝撃を受け止める効果としては相乗的に高められ得る。
【0039】
・ Y字状リブ41全体をパレット11(端桁21)の上下端部間を上下に連続して繋ぐように構成することによって、上下のデッキ部材13,14全体で一体的に衝撃が受け止められることから、外部に露出した端桁21の外側壁33aの強度を著しく顕著に高めることができる。即ち、Y字状リブ41の上下に位置する上面デッキ15及び下面デッキに同時に衝撃が加えられることから、どちらか一方のみに加えられる場合と比較して著しく高い補強効果が発揮され得る。
【0040】
・ このパレット11では、短手リブ35又は仕切板36と、端桁21の外側壁33aと、Y字状リブ41(半分)とによって端桁21の外側部に補強用区画柱42が立設されている。このため、この略四角筒状に形成された補強用区画柱42によって、外部に露出した端桁21の外側壁33aの強度を顕著に高めることができる。さらに、短手リブ35、仕切板36、端桁21の外側壁33a及びY字状リブ41(全体)によって端桁21の外側部に隣接する一対の補強用区画柱42を立設させることにより、外部に露出した端桁21の外側壁33aの強度をさらに著しく顕著に高めることができる。
【0041】
・ Y字状リブ41の分岐板41bを薄肉に形成したことによって、必要十分な物性的強度を保持しつつ、パレット11の軽量化を容易かつ効果的に図ることができる。
【0042】
・ 仕切板36全体をパレット11の上下端部間を上下に連続して繋ぐように構成することによって、Y字状リブ41を通って伝播される衝撃を極めて効果的に受け止めることが可能となる。
【0043】
・ Y字状リブ41(分岐板41b)の対向する一対の先端間の距離を100mm以下にすることにより、各分岐板41bの長さを適正にすることが容易となることから、それら分岐板41bの可逆的な変形及び破損を引き起こしにくくすることができる。また、各Y字状リブ41において、分岐板41bの両先端間を繋ぐ直線と、基部板41aの基端との間の最短距離についてもほぼ同様の理由で100mm以下であるのが好ましい。
【0044】
・ このパレット11のY字状リブ41では、一対の分岐板41b同士のなす角度αが好ましくは90°以下となるように構成されている。この角度αが90°を越える場合には、各分岐板41bからパレット11の前後端部方向に伝わる衝撃力のベクトルが、パレット11の内側方に伝わる衝撃力のベクトルよりも大きくなることから、短手リブ35又は仕切板36がパレット11の前後端部方向に可逆的な変形を引き起こしやすくなる。一方、この角度αが60°未満の場合には、上記平面略V字状に拡散されることによる衝撃の減衰効果が十分に発揮されなくなる。
【0045】
・ このパレット11は、端桁21内にフォーク挿入孔12と平行に延びる第2補強リブとしての長手リブ34を設け、その第2補強リブと補強リブ(短手リブ35又は仕切板36)との交点近傍にY字状リブ41の分岐板41b先端部が接合されている。このため、各分岐板41bに伝播された衝撃力のベクトルは、パレット11の内側方と、前端部又は後端部側へと分岐され、その前後方向に分岐された衝撃力のベクトルが長手リブ34によって受け止められることから、パレット11の強度を容易に高めることが可能である。
【0046】
なお、本実施形態は次のように変更して具体化することも可能である。
・ パレット11を両面使用2方差し、片面使用4方差し、両面使用4方差し、スキッドタイプ(単面型)の2方差し又はスキッドタイプの4方差しの構成としてもよい。このように構成した場合でも、上記実施形態と全く同様の効果を発揮する。
【0047】
なお、両面使用2方差しのパレット11は、上記実施形態の上部デッキ部材13を2つ用意し、それら上部デッキ部材13の溶着面同士を溶着することにより容易に製造される。また、スキッドタイプ2方差しのパレット11は、上記実施形態の上部デッキ部材13のみによって構成され、必要に応じて端桁21及び中桁22の高さを延長させるとよい。
【0048】
一方、片面使用4方差し、両面使用4方差し及びスキッドタイプ4方差しのパレット11は、前記2方差しのパレット11とほぼ同様に製造される。これら4方差しのパレット11は、上記実施形態の端桁21及び中桁22の代わりに、パレット11の各コーナ部に端桁としての隅部桁と、パレット11の各側部中央に端桁としての中間桁と、パレット11の中央に中桁としての中央桁とが立設され、いずれも四角筒状に形成されている。さらに、前記端桁(隅部桁又は中間桁)において、パレット11の外周縁に沿って設けられた外側壁33aの内側面には、上記実施形態と同様の構成を有するY字状リブ41が突設されている。加えて、前記Y字状リブ41の分岐板41bの先端は、基部板41aと平行に延びるとともに端桁の外側壁33a又は内側壁33bに接合された一対の補強リブ(短手リブ35や仕切板36と同様の構成)と接合されている。
【0049】
・ 隣接するY字状リブ41同士を密着させること。即ち、一方のY字状リブ41の一方の分岐板41b先端と、他方のY字状リブ41の一方の分岐板41bの先端とを同一の補強リブの対向する側面にそれぞれ接合させ、隣接する一対の補強用区画柱42の側面(短手リブ35又は仕切板36)同士を密着させること。
【0050】
・ 長手リブ34を省略すること。
・ 基部板41aを分岐板41bと同じ厚みに形成しても構わない。
・ 端桁21の中央(長手リブ34)よりもパレット11の外側方側に位置する補強リブ(短手リブ35又は仕切板36)を、端桁21の上部(上端部)及び下部(下端部)のみに設けること。
【0051】
・ 各分岐板41bは、平面又は底面から見たときに斜め方向に延びる直線に沿って延設されている必要はなく、例えば中央部がパレット11の内側方又は外側方に僅かに膨出するように形成されていても構わない。
【0052】
・ 例えば図7に示すように、上部桁部材31内に設けられたY字状リブ41又は分岐板41bの下面を、先端側ほど上面デッキ15側に向かって高くなるように形成すること。さらに、下部桁部材32内に設けられたY字状リブ41又は分岐板41bの上面を、先端側ほど下面デッキ側に向かって低くなるように形成すること。なお、前記上面及び下面は、正面から見たときに斜め方向に延びる直線に沿って延設されている必要はなく、上方又は下方に膨出するように弧状に形成されていても構わない。このように構成した場合、Y字状リブ41による補強効果を十分に発揮させつつ、パレット11の軽量化をより一層容易に図ることが可能となる。
【0053】
・ 分岐板41bを端桁21の上部(上端部)及び下部(下端部)のみに設けること。さらに、基部板41aを端桁21の上部及び下部のみに設けても構わない。
【0054】
・ 補強リブ(短手リブ35又は仕切板36)を、端桁21の中央(長手リブ34)よりもパレット11の内側方側のみに設けること。また、補強リブ(短手リブ35又は仕切板36)を、端桁21の中央(長手リブ34)よりもパレット11の外側方側のみに設けても構わない。
【0055】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記補強リブを前記フォーク挿入孔と接する端桁の内側壁に接合させたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のパレット。
【0056】
・ 前記補強リブ全体をパレットの上下端部間を繋ぐように構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のパレット。
・ 前記Y字状リブの先端間の距離を100mm以下にしたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のパレット。
【0057】
・ 前記Y字状リブの基端部を端桁の上下端部間を繋ぐように形成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のパレット。
・ 前記端桁内にフォーク挿入孔と平行に延びる第2補強リブを設け、その第2補強リブと前記補強リブとの交点近傍に前記Y字状リブの先端部を接合させたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のパレット。
【0058】
・ 合成樹脂製の上部デッキ部材と下部デッキ部材とを接合することにより略四角板状に形成され、端桁と中桁とを備え、隣接する桁間にフォーク挿入孔を形成させるように構成したパレットにおいて、前記フォーク挿入孔と対向する端桁の外側壁に平面Y字状に形成されたY字状リブを突設し、そのY字状リブの基端部を前記端桁の外側壁と直交方向に延設し、同Y字状リブの先端を前記Y字状リブの基端部と平行に延びるとともに前記端桁の外側壁又は内側壁に接合された補強リブと接合させたことを特徴とするパレット。このように構成した場合、軽量化を図りつつ、外部に露出した端桁の外側壁の強度を高め、フォークの突き当てによる破損を効果的に防止することができる。
【0059】
・ 略四角板状に形成された合成樹脂製の上部デッキ部材により構成され、端桁と中桁とを備え、隣接する桁間にフォーク挿入孔を形成させるように構成したパレットにおいて、前記フォーク挿入孔と対向する端桁の外側壁に平面Y字状に形成されたY字状リブを突設し、そのY字状リブの基端部を前記端桁の外側壁と直交方向に延設し、同Y字状リブの先端を前記Y字状リブの基端部と平行に延びるとともに前記端桁の外側壁又は内側壁に接合された補強リブと接合させたことを特徴とするパレット。このように構成した場合、軽量化を図りつつ、外部に露出した端桁の外側壁の強度を高め、フォークの突き当てによる破損を効果的に防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項5に記載の発明のパレットによれば、軽量化を図りつつ、外部に露出した端桁の外側壁の強度を高め、フォークの突き当てによる破損を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の上部デッキ部材の一部を示す底面図、(b)は同じく下部デッキ部材の一部を示す平面図。
【図2】 実施形態のパレットを示す斜視図。
【図3】 実施形態の下部デッキ部材の一部を示す底面図。
【図4】 図1の4−4線から見たパレットを示す正断面図。
【図5】 (a)は図1の5a−5a線から見たパレットを示す側断面図、(b)は同じく5b−5b線から見たパレットを示す側断面図。
【図6】 図1(a)のパレットの一部を拡大した部分拡大底面図。
【図7】 実施形態以外のパレットの一部を示す正断面図。
【符号の説明】
11…パレット、12…フォーク挿入孔、13…上部デッキ部材、14…下部デッキ部材、21…端桁、22…中桁、33a…端桁の外側壁、33b…端桁の内側壁、35…補強リブとしての短手リブ、36…補強リブとしての仕切板、41…Y字状リブ、41a…Y字状リブの基端部としての基部板、41b…Y字状リブの先端部としての分岐板、42…補強用区画柱。
Claims (5)
- 合成樹脂製の上部デッキ部材と下部デッキ部材とを接合することにより略四角板状に形成され、両側縁に沿って延びる一対の端桁と、同側縁と平行に延びる中桁との間にフォーク挿入孔を形成させるように構成したパレットにおいて、
前記フォーク挿入孔と対向する端桁の外側壁に平面Y字状に形成されたY字状リブを突設し、
そのY字状リブの基端部を前記端桁の外側壁と直交方向に延設し、
同Y字状リブの先端を前記Y字状リブの基端部と平行に延びるとともに前記端桁の外側壁又は内側壁に接合された補強リブと接合させたことを特徴とするパレット。 - 略四角板状に形成された合成樹脂製の上部デッキ部材により構成され、両側縁に沿って延びる一対の端桁と、同側縁と平行に延びる中桁との間にフォーク挿入孔を形成させるように構成したパレットにおいて、
前記フォーク挿入孔と対向する端桁の外側壁に平面Y字状に形成されたY字状リブを突設し、
そのY字状リブの基端部を前記端桁の外側壁と直交方向に延設し、
同Y字状リブの先端を前記Y字状リブの基端部と平行に延びるとともに前記端桁の外側壁又は内側壁に接合された補強リブと接合させたことを特徴とするパレット。 - 前記Y字状リブ全体をパレットの上下端部間を繋ぐように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパレット。
- 前記補強リブを前記端桁の外側壁に接合させるとともに、同補強リブをパレットの上下端部間を繋ぐように形成し、
前記補強リブ、端桁の外側壁及びY字状リブによって端桁の外側部に補強用区画柱を立設させたことを特徴とする請求項3に記載のパレット。 - 前記Y字状リブの先端部を薄肉に形成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のパレット。
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