JP3962066B2 - レーザ熱処理方法を用いた半導体製造方法およびレーザ熱処理装置 - Google Patents
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Description
ようにしたので、上記基板上珪素膜の作製において高品質な熱処理を提供する。
図1は本発明のレーザ熱処理方法を具現化する装置の構成図である。同図において91はNd:YAGレーザの第2高調波発振装置、92はNd:YAGレーザの第2高調波発振装置から出射されたレーザ光(波長は532nm)、93はバリアブルアッテネータ、94は線状ビームに変換するためのビーム成形光学系、95はターゲット、96は移動ステージである。レーザ光92は、バリアブルアッテネータ93で所定の強度に調整された後、線状ビーム成形光学系94に入射する。線状ビーム成形光学系94により線状のビームプロファイルに変換された後、ターゲット95に照射され、レーザ熱処理が行われる。基板は移動ステージ96上に設置されており、レーザ照射時での基板の移動が可能となっている。また、ターゲットの詳細は図2のようであり、ガラス基板103上に下地膜102として厚さ200nm酸化珪素膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)により形成した上に、基板上膜材料として、厚さ70nmの非晶質珪素膜101をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)により成膜した。
実施の形態2では、線状ビームの幅方向のエネルギー密度分布形状をトップフラット形状にした場合について述べる。線状ビームの幅方向照射エネルギー密度勾配を急峻にしていく場合、勾配の急峻さとともにピーク値も高くなっていく。ピーク値が高すぎると、珪素膜はアブレーションされ珪素膜は基板より剥離してしまい、薄膜トランジスタを作製することができない。従って、勾配の急峻化と同時にピーク値を抑えることが必要となる。以上の条件を満足するプロファイルとして、トップフラット形状が適当である。
実施の形態3では、線状ビームの長手方向のエネルギー分布形状について述べる。長手方向のエネルギー分布形状はトップフラット形状であるが、レーザ光のコヒーレンスに起因する干渉のために、完全に均一なプロファイルを得るのは難しく、実際は図8のように多少リプルが重畳したプロファイルとなる。Nd:YAGレーザの第2高調波によるレーザ熱処理で得られた多結晶珪素膜を用いて作製されたMOSトランジスタの特性は図7から明らかなように、600mJ/cm2以上では照射エネルギー密度に対して、一定の特性となる。従って、長手方向のエネルギー分布がフラットな部分の強度を1とした場合、標準偏差が0.3以下、好ましくは0.2程度以下であればよい。
実施の形態4では、実施の形態1で説明した熱処理された基板材料に作製する半導体デバイスについて述べる。実施の形態1で説明した、Nd:YAGレーザの第2高調波により熱処理して形成された多結晶珪素膜を能動層として図9のように、MOSトランジスタ素子を、ビームをスキャンした方向、すなわち結晶成長した方向がドレイン電流の流れる方向になるよう構成すれば、個々の結晶粒の境界面での結晶方位のズレがなくなるためキャリアは境界面で散乱されず、粒界が極めて狭いため結晶粒界における結晶欠陥密度も小さくなり、トランジスタの移動度が著しく向上する。従って、基板上に作製するトランジスタの内、高周波で動作させるトランジスタをこの方向に作製すれば、より高い周波数まで動作可能なデバイスが提供できる。また、ビームをスキャンした方向に垂直な方向、すなわち線状ビームの長手方向にドレイン電流が流れるようにMOSトランジスタ素子を構成しても、結晶粒の長さが若干短くなるため移動度は多少減少するが、ほぼ同様の効果が得られる。また、本発明による方法では、単に結晶粒が大きくなり移動度が増大するばかりでなく、レーザ照射エネルギー密度に対して最大の移動度が得られる条件がクリティカルでなく、少々レーザの強度が変動しても一定の特性のトランジスタが得られるという大きな利点がある。
実施の形態5では、線状ビームの形状について説明する。線状の照射領域については、本実験では50μm×10mmの領域を照射するもので行ったが、上述のように、レーザ照射によって発生する珪素膜内の横方向温度分布が、線状ビームの幅方向にのみ形成され、結晶成長が一次元方向に生じるのがメインとなるのは、照射領域の幅に対する長さの比が10倍程度以上である。すなわち、照射位置でのレーザ光の幅が50〜100μmであれば、長さは1mm以上であればよい。
実施の形態6では、照射強度について説明する。まず、Nd:YAGレーザの第2高調波によるレーザ熱処理の照射強度の上限値に関して説明する。照射エネルギー密度を高くしていった場合、1500mJ/cm2を越えると珪素膜はアブレーションされ、基板より完全に剥離されてしまった。従って、レーザ光の照射エネルギー密度は1500mJ/cm2以下で行わなければならないことが明らかになった。照射強度の下限値については、100mJ/cm2で非晶質から多結晶への変化が色の変化により視認できることから、100mJ/cm2、好ましくは200mJ/cm2である。
実施の形態7では、同一箇所へのレーザ照射回数について説明する。本発明に関して行った照射実験では、100回以上の照射回数では激しい表面荒れやアブレーションによる部分的な膜の剥離が見られ、薄膜トランジスタの作製が不可能であった。このような表面荒れやアブレーションが起こる原因は、珪素膜側とレーザ光側の双方にある。珪素膜側の原因は、膜厚の不均一性、膜密度の不均一性に起因するレーザ照射時の熱分布ムラである。レーザ側の原因としては、スペックル等の干渉に起因してビームプロファイルにリプルが重畳して発生することにある。この様子を図8に示す。図8は線状ビームプロファイルの長手方向の詳細な分布を示すもので、干渉によりリプルが生じてこの方向の分布が少し不均一になっている。このような原因を根本的に除去するのは非常に困難である。実際、表面荒れは1回目の照射で軽く発生し、それが2回目の照射時の不均一性になるという悪循環を繰り返し、照射回数が多くなると相乗効果的に表面荒れが激しくなる。照射回数100回以下に限定することにより、表面荒れが薄膜トランジスタの作製に支障をきたさないことを確認している。
実施の形態8では、非晶質または多結晶珪素膜の膜厚について説明する。ガラス基板を移動させながらレーザ熱処理を行う場合、同一箇所へ対して複数回レーザが照射されるため、熱処理が複数回繰り返されることになる。先ず、最初の幾回かのレーザ照射により粒径の大きい多結晶珪素膜が形成される。その結果、良好な結晶部よりも、結晶粒界等の結晶欠陥部の方が一般的に吸収係数が高くなる。つまり結晶欠陥部がより多くのレーザ光を吸収するため、結晶欠陥部が優先的に熱処理され、効率的な欠陥補償を可能とする。よって、光がどのくらいの深さまで到達するかが非常に重要となる。物質に対する光の浸透長は、光強度が1/eになる深さで定義されるが、多結晶に対するNd:YAGレーザの第2高調波の浸透長は100〜200nm程度である。従って、非晶質または多結晶珪素膜の膜厚が200nm未満、好ましくは100nm未満であれば、結晶欠陥が効率よく低減された多結晶珪素膜が形成される。
実施の形態9では照射レーザ光のパルス幅の影響について説明する。基本的に非晶質の珪素膜を熱処理するためにはその表面をアブレーションしない一定以下のピークパワー以内で、かつ溶融に必要な熱エネルギーを供給するパルス幅を与える必要がある。逆に、一定の溶融条件が満たされれば、必要以上にパルス時間幅を伸ばすと不必要にレーザ出力を増大するだけで、生産装置としての効率、生産性を落とすことになる。今回の実験では60nsのパルス幅で行っているが、再結晶時の冷却過程をゆっくりと行い結晶の品質を改善する効果を含め、60nsの数倍の200ns未満、好ましくは60nsの2倍程度である100ns未満で行えばアブレーションしない、しかも効率の良い熱処理が行える。
実施の形態10では、レーザ光のエネルギーに関して説明する。実施の形態1での実験で、照射位置での1パルス当たりのエネルギー強度が800mJ/ cm2で最適の特性が得られたが、この時の全照射エネルギーは4mJ/pulseである。レーザ光は発振装置から出射された後、途中の光学系で10〜20%ロスする。すなわち、発振装置で出射されるレーザ光のエネルギーは5mJ/pulse以上あればよいことになる。レーザ光のパルス当たりのエネルギーは高いほど広い照射面積に照射でき、本発明の場合は線状ビームの長さを長くできて、生産性を高くできる。なお、上述の線状ビームの下限値、すなわち照射レーザ光の幅50μmで長さ1mmの領域を照射するためには、最低0.5mJ/pulseのレーザ発振装置が必要となる。さらに、生産性から言えば、25mm(1インチ)の長さで処理できれば、例えば対角1.3インチ程度のTFTの領域を1ビームの走査で処理できるため、非常に有利となる。この時、15mJ/pulseのレーザ発振装置が必要となる。以上のように、この発明の線状ビームの効果を発揮するのは0.5mJ/pulse以上のレーザ発振装置によってであり、生産性からは、15mJ/pulse以上のレーザ発振装置が好ましいことになる。
実施の形態11では用いるレーザについて説明する。実施の形態1ではNd:YAGの第2高調波によるレーザ照射について説明した。Nd:YAGの第2高調波は効率が良く、高出力のものが得られるため、熱処理の生産性が良いものが得られるというメリットがある。本発明の主旨によれば、照射するレーザに関しては、基本的には非晶質珪素に対するレーザ光の吸収率で決まることで、同じオーダーの吸収率を有する350nmから800nmのパルスレーザ光であれば、大きな結晶粒径の膜が作製できるという効果が得られる。したがって、Nd:YAGレーザの第2高調波のみならず、他のNdイオンドープの固体レーザの高調波、すなわちNd:YAGレーザの第3高調波、Nd:ガラスレーザの第2または第3高調波、Nd:YLFレーザの第2または3高調波や、Yb:YAGやYb:ガラスといったYbイオンドープの固体レーザの第2または第3高調波や、Ti:Sapphireレーザの基本波または第2高調波を用いて熱処理を行っても良い。これら固体レーザは高効率で安定な発振が可能であるため、信頼性の高いレーザ熱処理方法や装置を提供できる。
Claims (4)
- Nd:YAG、Nd:ガラス、Nd:YLF、Yb:YAG、Yb:ガラスの何れか1つを励起媒質とする、出射エネルギー5mJ/pulse以上であるQスイッチ発振固体レーザの第2高調波をパルスレーザ光源として発生するパルスレーザビームを、線状ビームにすると共に、この線状ビームの幅方向にエネルギー密度勾配部を有し、その勾配部のエネルギー密度勾配の最大値が3mJ/cm2/μm以上の部分を有するほぼガウス分布状またはほぼトップフラット状のエネルギー密度分布形状に成形して、基板上に形成された基板上非晶質珪素膜材料に照射し、当該膜材料の上記珪素膜の深さ方向全体に線状に溶融させるとともに、上記線状ビームの幅方向に温度勾配を形成して当該幅方向に上記膜材料を結晶成長させ、上記各パルスレーザビームの照射位置の変化がビーム幅より短くなるように、当該パルスレーザビームを上記幅方向に移動して同一箇所に複数回照射するレーザ熱処理方法により熱処理した基板を用いて半導体を製造するレーザ熱処理方法を用いた半導体製造方法。
- 上記レーザ熱処理方法における線状ビームの照射領域は、幅に対する長さの比が10倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱処理方法を用いた半導体製造方法。
- Nd:YAG、Nd:ガラス、Nd:YLF、Yb:YAG、Yb:ガラスの何れか1つを励起媒質とする、出射エネルギー5mJ/pulse以上であるQスイッチ発振固体レーザの第2高調波をパルスレーザ光源として発生するパルスレーザビームを、線状ビームにすると共に、この線状ビームの幅方向にエネルギー密度勾配部を有し、その勾配部のエネルギー密度勾配の最大値が3mJ/cm2/μm以上の部分を有するほぼガウス分布状またはほぼトップフラット状のエネルギー密度分布形状に成形して、基板上に形成された基板上非晶質珪素膜材料に照射し、当該膜材料の上記珪素膜の深さ方向全体に線状に溶融させるとともに、上記線状ビームの幅方向に温度勾配を形成して当該幅方向に上記膜材料を結晶成長させ、上記各パルスレーザビームの照射位置の変化がビーム幅より短くなるように、当該パルスレーザビームを上記幅方向に移動して同一箇所に複数回照射するレーザ熱処理装置。
- 上記線状ビームの照射領域は、幅に対する長さの比が10倍以上であることを特徴とする請求項3に記載のレーザ熱処理装置。
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