JP3962974B2 - 車体フレーム構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性の向上を図り得る車体フレーム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は自動車のフレーム構造を示したもので、車体フレーム100は、一対のサイドフレーム101と、サイドフレーム101相互間を連結した複数のクロスメンバ102で構成されている。サイドフレーム101は、図14に示すように、フロントフレーム103と、センターフレーム104と、リヤフレーム105を溶接によって連結している。フロントフレーム103は、図15のように、2枚のコ字状パネル106,107を箱形に接合して構成されており、上面から外側面にかけて補強用のビード108が設けられている。このフロントフレーム103は、長手方向の幅寸法がD点、E点、F点で、総て等しいMになるように形成されている。
また、センターフレーム104には、角パイプあるいは丸パイプが使用されている。
【0003】
このような車体フレーム100では、前面衝突時、フレームの折れ点が、フロントフレーム103とセンターフレーム104の接合部Gに生じ、フロントフレーム103が持ち上がり、この接合部Gに位置するダッシュパネルを変形させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ダッシュパネルの変形は、乗員残存空間の減少になるため、衝突性能に悪影響を及ぼすことになる。
また、自動車の車体フレームで、角パイプあるいは丸パイプが使用される部分では断面が均一となり、剛性分布を変えることは難しかった。
さらに、車体フレームの幅、特にフロントフレーム103の幅が一定のため、前面衝突時に前方から徐々に潰れて、衝撃を吸収するモードにすることが困難であった。
【0005】
本発明は上記課題を解決し、衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる車体フレーム構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、車体のサイドフレームを構成するフロントフレームのストラットブラケットに対して前方側を平面視で、前方から後方に向けて段階的に幅広になるように形成し、上記フロントフレームは、上記段階的な幅を連続させるべく車両の後方側となるに従い徐々に幅を広げる拡幅部分を有し、前方からの荷重に対して、該フロントフレームの変形が前方から後方に向けて進むように上記フロントフレームの上記拡幅部分に、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向で、かつ、車両の後方側に位置するビードの方が長い複数のビードを形成したことにある。
また、本発明は、上記フロントフレームに前端部から後方に向けて一定長さ所定幅に設定した第1の所定幅部分を設け、該第1の所定幅部分に連続して上記拡幅部分を設け、上記拡幅部分の車両後方側に続く第2の所定幅部分を設け、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向で上記拡幅部分のビードに続き第2の所定幅部分の前端部にビードを形成したことにある。
さらに、本発明は、車体のサイドフレームを構成するセンターフレームをパイプ材で形成し、このパイプ材の側面に断面コ字状の板状部材を被せて配置し、上記パイプ材の幅方向略中央部に溶接位置がくるように上記板状部材を溶接するとともに、上記板状部材に凹凸を設けて上記パイプ材からの突出高さを変更し断面剛性を変化させたことにある。
またさらに、車体のサイドフレームを構成するフロントフレームとセンターフレームの接続部分に、補強用ガセットを設け、該ガセットに、フロントフレームの溶接部分を避ける湾曲部を形成したことにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は車体フレーム1を示し、この車体フレーム1は、左右一対のサイドフレーム2と、これらサイドフレーム2相互間を所定の間隔で連結した複数のクロスメンバ3で構成されている。サイドフレーム2は、フロントフレーム4と、センターフレーム5と、リヤフレーム6とで構成されている。フロントフレーム4は、図2ないし図5に示すように、コ字形の2枚のパネル7,8を互いに向き合わせて箱形に接合したもので、平面視で、先端から後方に向けて次第に幅広になるように形成されている。すなわち、先端から所定長さL1までは幅M1(A点)に形成し、つぎに所定長さL2までは、外側に徐々に幅を広げて行き、幅M2(B点)に形成し、その後方は、長さL3に亘って車体内側に向けて幅を広げて幅M3(C点)になるように形成されている。A点、B点、C点の幅は、M1<M2<M3に形成されているので、先端側が潰れやすく、後端側が潰れにくくなっている。
【0008】
このフロントフレーム4には、水平部分の幅M1の部分Aの後方から幅M2の部分Bにかけて上面から側面に亘って、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向の複数のビード9が形成されている。このビード9は、幅M1から幅M2への拡幅部分では、ビード9の長さa0をa1、a2、a3と徐々に長くしていき、幅M2になったB点からは、ビード9はa4,a5と短くして変形を調整する。幅M3の箇所C点には、ビード9は設けない。これによって、フロントフレーム4の変形は、幅M1から幅M2の部分A,Bで終わらせる。
【0009】
このフロントフレーム4は後方を下方向に傾斜させて形成されており、その後端でセンターフレーム5に連結されている。このフロントフレーム4とセンターフレーム5の連結部には、図6に示すように上面側の角部にかけてガセット10が接合されている。このガセット10は、下部側を開口した断面コ字状に形成されたもので、両側部10aをフロントフレーム4とセンターフレーム5の両側面4a,5aに接合している。上記ガセット10の両側部10a相互間の平面部10bには、図7に示すように、フロントフレーム4の2枚のパネル7,8の接合部を避けるように湾曲部10cが形成されている。
【0010】
上記センターフレーム5は、図8ないし図10に示すように、四角形、または円形に形成されたパイプ材11の略全長に亘ってパイプ材11の側面に、補強用の板部材12をアーク溶接により接合したものである。図示例では四角形のパイプ材11に断面コ字状の板部材12を接合したものである。板部材12に凹凸を設けることによって剛性分布を様々に変えることができる。パイプ材11の幅方向中央に板部材12の溶接位置w1をもってくることによってパイプ材11の溶接熱によるゆがみを減らすことができる。図11は丸パイプ11′に板部材12を溶接したもので、図12は、四角形のパイプ材11の側面に板部材12をスポット溶接wにより溶接したものである。
上記フロントフレーム4の先端部には、ボデイに組み付けるボデイマウンティングブラケット13が装着され、フロントフレーム4の前後方向中程から後端部にかけての下降部の前方部分には、ストラットブラケット14が装着されている。また、両フロントフレーム4の先端には、バンパメンバ15が接合されている。
【0011】
上記構成による車体フレーム構造によると、フロントフレーム4は、平面視で、先端から後方に向けて次第に幅広になるように形成されているので、前面衝突等の車体前方からの衝撃に対して、先端側が潰れやすく後部側に行くに従って剛性が増すことから、前端部で衝撃を吸収し後方部は、衝撃に耐えるように構成されている。特に、フロントフレーム4には、水平部分の幅M1の部分の後方から幅M2の部分にかけて上面から側面に亘って、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向の複数のビード9が形成されており、このビード9は、幅M1から幅M2への拡幅部分では、ビード9の長さa0をa1、a2、a3と徐々に長くしていき、幅M2になったらビード9はa4,a5と短くしてあるので、フロントフレーム4の前端から順に潰れていく理想モードを得ることができる。したがって、フロントフレーム4の変形は、幅M1の部分から幅M2の部分にかけて大きくすることができ、幅M3の箇所には及びにくいので、前端部の変形によって衝撃を吸収し、ダッシュパネル後方の乗員のいるキャビン部分の剛性を保つことができる。効率よくフレーム4を潰すことができるので、衝撃エネルギーを効率的に吸収することができる。また、ビード9の形状を調整することにより、潰れモードを細かく調整することができる。
【0012】
また、フロントフレーム4とセンターフレーム5の連結部には、上面側の角部にかけてガセット10が接合されているので、衝突時のフロントフレーム4の折れ点を前方に変えることができることから、フロントフレーム4後部の変形を抑えることができる。
【0013】
さらに、センターフレーム5は、四角形、または円形に形成されたパイプ材11の略全長に亘ってパイプ材11の側面に、補強用の板部材12をアーク溶接により接合したので、フレームを変えずにフレームの剛性を変化させることができる。補強用の板部材12の形状を変えることにより、断面剛性を変化させることができる。よって、強度が必要なところだけ、補強することができる。
【0014】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、例えば、上記実施の形態では、自動車のフレームに本発明の車体フレーム構造を適用したが、トラック、バスなどの大型車両の他、電車、船舶等のフレームにも適用することができる。また、各パネル相互間の接合には、アーク溶接、スポット溶接等、種々の溶接方法を適用できる等、本発明の要旨を変更しない範囲内で、適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による車体フレーム構造によれば次のような効果を奏することができる。
請求項1において、車体のサイドフレームを構成するフロントフレームのストラットブラケットに対して前方側を平面視で、前方から後方に向けて段階的に幅広になるように形成し、上記フロントフレームは、上記段階的な幅を連続させるべく車両の後方側となるに従い徐々に幅を広げる拡幅部分を有し、前方からの荷重に対して、該フロントフレームの変形が前方から後方に向けて進むように上記フロントフレームの上記拡幅部分に、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向で、かつ、車両の後方側に位置するビードの方が長い複数のビードを形成したので、前面衝突等の車体前方からの衝撃に対して、先端側が潰れやすく後部側に行くに従って剛性が増すことから、前端部で衝撃を吸収し後方部は、衝撃に耐えることができる。
請求項2において、上記フロントフレームに前端部から後方に向けて一定長さ所定幅に設定した第1の所定幅部分を設け、該第1の所定幅部分に連続して上記拡幅部分を設け、上記拡幅部分の車両後方側に続く第2の所定幅部分を設け、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向で上記拡幅部分のビードに続き第2の所定幅部分の前端部にビードを形成したので、前面衝突等の車体前方からの衝撃に対して、先端側が潰れやすく後部側に行くに従って剛性が増すことから、前端部で衝撃を吸収し後方部は、衝撃に耐えることができる。
請求項3において、車体のサイドフレームを構成するセンターフレームをパイプ材で形成し、このパイプ材の側面に断面コ字状の板状部材を被せて配置し、上記パイプ材の幅方向略中央部に溶接位置がくるように上記板状部材を溶接するとともに、上記板状部材に凹凸を設けて上記パイプ材からの突出高さを変更し断面剛性を変化させたので、溶接時のフレームのゆがみを減らし、フレームを変えずにフレームの剛性を変化させることができる。補強用の板部材の形状を変えることにより、断面剛性を変化させることができる。
請求項4において、車体のサイドフレームを構成するフロントフレームとセンターフレームの接続部分に、補強用ガセットを設け、該ガセットに、フロントフレームの溶接部分を避ける湾曲部を形成したので、衝突時のフロントフレームの折れ点をガセットの前方に変えることができることから、フロントフレーム後部の変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による車体フレーム構造を示す斜視図である。
【図2】図1のフロントフレームを示す斜視図である。
【図3】図2のフロントフレームの幅寸法を示す平面図である。
【図4】図2の側面図である。
【図5】図2のX−X線断面図である。
【図6】図1のフロントフレームとセンターフレームの接続部分を示す斜視図である。
【図7】図6のY−Y線断面図である。
【図8】図1のセンターフレームを示す斜視図である。
【図9】図8のZ1−Z1線断面図である。
【図10】図8のZ2−Z2線断面図である。
【図11】本発明の変形例を示す斜視図である。
【図12】本発明の変形例を示す斜視図である。
【図13】従来の自動車の車体フレーム構造を示す概念図である。
【図14】図13のセンターフレームを示す斜視図である。
【図15】従来のフロントフレームを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車体フレーム
2 サイドフレーム
3 クロスメンバ
4 フロントフレーム
5 センターフレーム
6 リヤフレーム
7 パネル
8 パネル
9 ビード
10 ガセット
11 パイプ材
12 板部材
Claims (4)
- 車体のサイドフレームを構成するフロントフレームのストラットブラケットに対して前方側を平面視で、前方から後方に向けて段階的に幅広になるように形成し、上記フロントフレームは、上記段階的な幅を連続させるべく車両の後方側となるに従い徐々に幅を広げる拡幅部分を有し、前方からの荷重に対して、該フロントフレームの変形が前方から後方に向けて進むように上記フロントフレームの上記拡幅部分に、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向で、かつ、車両の後方側に位置するビードの方が長い複数のビードを形成したことを特徴とする車体フレーム構造。
- 上記フロントフレームに前端部から後方に向けて一定長さ所定幅に設定した第1の所定幅部分を設け、該第1の所定幅部分に連続して上記拡幅部分を設け、上記拡幅部分の車両後方側に続く第2の所定幅部分を設け、車体の前後方向に所定間隔で、車体の前後方向と交差する方向で上記拡幅部分のビードに続き第2の所定幅部分の前端部にビードを形成したことを特徴とする請求項1に記載の車体フレーム構造。
- 車体のサイドフレームを構成するセンターフレームをパイプ材で形成し、このパイプ材の側面に断面コ字状の板状部材を被せて配置し、上記パイプ材の幅方向略中央部に溶接位置がくるように上記板状部材を溶接するとともに、上記板状部材に凹凸を設けて上記パイプ材からの突出高さを変更し断面剛性を変化させたことを特徴とする車体フレーム構造。
- 車体のサイドフレームを構成するフロントフレームとセンターフレームの接続部分に、補強用ガセットを設け、該ガセットに、フロントフレームの溶接部分を避ける湾曲部を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車体フレーム構造。
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