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JP3967710B2 - リクライニング装置 - Google Patents
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JP3967710B2 - リクライニング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、椅子などのリクライニング装置に関する。
従来、椅子などにおけるリクライニング装置では、人の背部を支持するシートバック部と人の腰部及び脚部を支持するシート部とが設けられ、一般にシート部に対してシートバック部が前後方向に回転するようになっている。シートバック部とシート部とは例えばヒンジ部材などにより連結されている。
なお、上記のヒンジ部材などによる連結構造は周知の構造であり本願発明と関連する先行技術文献はない。
しかしながら、通常のリクライニング装置ではシート部の前後方向及び上下方向の位置は固定されており、シートバック部の前後方向への回転だけが行われる。
一般に、リクライニング装置を有する椅子などに座り、安楽姿勢をとる場合はシートバック部を後方へ回転させ傾倒させると同時にシート部の前端部を上方に持ち上げ、人の膝部を心臓とほぼ同じ高さに保つことが血液の脚部への円滑な循環の点からは好ましいとされている。しかし、シート部の前後方向及び上下方向の位置が固定されている場合は、たとえシートバック部を後方へ傾倒させたとしても人の膝部を心臓とほぼ同じ高さに保つことが困難であった。
又、シートバック部とシート部とを連結するヒンジ部材の回転を容易にし、且つ任意のシートバック位置においてシートバック部を停止させるためにヒンジ部材に手動レバーや電動モータなどを備えたリクライニング装置が使われることがある。しかし、手動レバーや電動モータなどを備えたリクライニング装置は構造が複雑になり部品点数が増加するだけでなくリクライニング装置の組み立てや分解にネジ回しやスパナなどの工具が必要となる。又、手動レバーや電動モータが消耗したり破損したりするとリクライニング装置の故障になる。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、次の3つである。
第1の目的は、人の背部を支持する背部材を後方へ倒し安楽姿勢をとる場合に人の膝部を心臓の高さとほぼ同じ高さに保つことができるリクライニング装置を提供することである。
第2の目的は、電動スイッチや手動レバーなどによる操作の代わりに人の体重の付加と膝や脚の動作のみで任意のリクライニング位置を安定的に得ることができるリクライニング装置を提供することである。
第3の目的は、手動レバーや電動モータなどの消耗や破損する可能性のある部品を使わず、ネジ回しやスパナなどの工具を用いずに手だけで組立てや分解作業を行うことができる、簡単な構造で耐久性のあるリクライニング装置を提供することである。
上記課題を達成するために、請求項1記載の発明のリクライニング装置は、
シートの前後方向の移動に連動して背もたれが傾動するリクライニング装置であって、
脚部を含むベース部に前後方向に張設された基板と、
該基板の両側に立設され、前記基板に対して前後動可能なガイド部材と、
該ガイド部材に回転可能に結合された背部材と、
前記ガイド部材に取り付けられ前記背部材の回転中心となる背部材回転ローラと、
前記背部材の回転経路を規定する背部材回転ガイド溝と該背部材回転ガイド溝内に配設された背部材ガイドローラとからなり、該背部材の回転運動をガイドするために前記ベース部に設けられた回転ガイド機構と、
前記ガイド部材に取り付けられ、前記基板上を回転摺動する第1ローラと、
前記ガイド部材に取り付けられ、前記基板の下面を回転摺動し、前記第1ローラと共に前記ガイド部材の前後動を誘導するガイドローラと、
前記ガイド部材を前記基板下面に圧迫するための制動部材と、
前記ガイド部材に取り付けられ前記制動部材を支持する制動ローラと、
該第1ローラに結合され、前記背部材の回転に連動して前後方向に移動する座部材と、
該座部材の前方移動に伴い、前記座部材の第1ローラ取付部とは反対側の端部を前記基板から上方へ離反させるため、前記基板の前端部に設けられた傾斜台と、
前記座部材に取り付けられ、前記傾斜台上を回転摺動する第2ローラと
から構成され、
前記第1ローラが、前記ガイドローラと、前記制動ローラと、前記背部材回転ローラとを三点とする三角形の略中心に配置され、それにより前記座部材に下向きの荷重が加えられるとき、前記座部材から前記第2ローラに伝えられる荷重が前記第1ローラ廻りに生ずるモーメントにより、前記制動ローラに前記基板を圧迫する向きの力が発生し、
更に、前記背部材に後向きの荷重が加えられるとき、前記背部材ガイドローラ廻りに生じるモーメントにより前記背部材回転ローラに上向きの力が発生し、それにより前記制動ローラに前記基板を圧迫する向きの力が発生する
ことを特徴としている。
このような構成によると、リクライニング装置の背部材に後向きの荷重が加えられる場合、リクライニング装置の背部材がベース部に設けられた回転ガイド機構にガイドされて後方へ回転し、該背部材に結合されたガイド部材が基板に沿って前方へ移動する。ガイド部材が前方へ移動すると、該ガイド部材に取り付けられ前記基板上を回転摺動する第1ローラに回転可能に結合された座部材が前方へ移動する。座部材が前方へ移動すると、該座部材に取り付けられ前記基板の前端部に設けられた傾斜台を第2ローラが前方へ回転摺動し、前記座部材の前記第1ローラ取付部とは反対側の端部即ち前記座部材の前端部が前記基板から上方へ離反するので、人の膝部が心臓の高さとほぼ同じ高さに揃えられる。それにより安楽姿勢をとる場合に人の脚部への血液の円滑な循環を自然に保つことができる。
又、ガイド部材に取り付けられ、基板の下面を回転摺動し、第1ローラと共にガイド部材の前後動を誘導するガイドローラを備えているので、ガイド部材の前後動が、第1ローラとガイドローラとによって誘導される。従って、ガイド部材の前後動が安定して滑らかに行われる。
又、前記ガイド部材を前記基板下面に圧迫するための制動部材と、前記ガイド部材に取り付けられ前記制動部材を支持する制動ローラとを備えているから、制動部材を基板下面に圧迫することによりガイド部材を基板に圧迫して制動し、ガイド部材の前後動をロックすることができる。
そして、前記第1ローラが、前記ガイドローラと、前記制動ローラと、前記背部材回転ローラとを三点とする三角形の略中心に配置されているので、前記座部材に下向きの荷重が加えられるとき、前記座部材から前記第2ローラに伝えられる荷重が前記第1ローラ廻りに生ずるモーメントにより、前記制動ローラに前記基板を圧迫する向きの力が発生し、それにより前記ガイド部材に上向きの力が生じ前記ガイド部材に取り付けられている前記制動部材が前記基板に圧迫される。このように前記制動部材が前記基板に圧迫されることにより前記ガイド部材がロックされる。
又、その状態において、更に、前記背部材に後向きの荷重が加えられると、前記背部材ガイドローラ廻りに生ずるモーメントにより、前記背部材回転ローラに上向きの力が発生する。それにより前記制動ローラに前記基板を圧迫する向きの力が発生し、前記ガイド部材に上向きの力が生じ前記ガイド部材に取り付けられている前記制動部材が前記基板に圧迫される。従って、前記制動部材の前記基板への圧迫力が更に高められ前記ガイド部材のロック力が更に高められることになる。
この場合、前記背部材の任意のリクライニング位置において、前記座部材に下向きの荷重を加え、更に前記背部材に後向きの荷重を加えるだけで前記ガイド部材がロックされるので、リクライニング装置を無段階に任意の位置で安定し停止させることができる。しかもこの操作は、座部材への脚や膝などによる下向きの荷重の付加及び背部材への後向きの荷重の付加だけで行われるので、リクライニング装置に電動スイッチや手動レバーなどを設ける必要がなく電動スイッチや手動レバーなどによる操作を必要としない。
電動スイッチや手動レバーなどを使わないため、構造が簡単になりネジ回しやスパナなどの工具を用いずに手だけで組立てや分解作業を行うことができる。
又、請求項2記載の発明は、請求項1記載のリクライニング装置において、前記座部材の後端部と前記背部材の前面下端部との間に手指などの挿入を防止するための第1遮蔽板が設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、第1遮蔽板が設けられているために前記座部材の後端部と前記背部材の前面下端部との間に手指などを挿入することがないので、前記座部材の後端部と前記背部材の前面下端部との間に手指などを挿入し詰めるおそれがなく不慮の傷害を未然に防止することができる。
又、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のリクライニング装置において、前記背部材の後面下端部と前記基板の後端部との間に手指などの挿入を防止するための第2遮蔽板が設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、第2遮蔽板が設けられているために前記背部材の後面下端部と前記基板の後端部との間に手指などを挿入することがないので、前記背部材の後面下端部と前記基板の後端部との間に手指などを挿入し詰めるおそれがなく不慮の傷害を未然に防止することができる。
以下に、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、リクライニング装置の分解斜視図である。図2は、リクライニング装置の作動前の状態を示す側面図である。図3は、リクライニング装置の作動中の状態を示す側面図である。
図1、図2を参照してリクライニング装置の構成を説明する。なお、この発明に係るリクライニング装置は左右対称形であるので、以下の説明においては特に断らない限りリクライニング装置の左側(図1のLH方向側)についてのみ説明し、リクライニング装置の右側(図1のRH方向側)については説明を省略する。
図1に示すリクライニング装置2は、基板3、ガイド部材20、座部材30、傾斜台38、背部材50、肘掛け部材10、第1遮蔽板39及び第2遮蔽板69などから構成されている。
基板3は、図1に示す下部に脚部が形成された肘掛け部材10を構成するベース部12に前後方向(図1のF又はR方向)に張設された板状の部材である。基板3の前側(図1のF方向側)は前側フレーム4によって支持されている。前側フレーム4は左右方向(図1のLH又はRH方向)に設けられた板状の部材で、その左右両端から前側フレーム4に取り付けられた前側通しボルト6aが左右方向に延出している。前側通しボルト6aの左右両端部にはネジ部(図示せず)が設けられている。基板3の後側(図1のR方向側)は後側フレーム5によって支持されている。後側フレーム5は左右方向(図1のLH又はRH方向)に設けられた板状の部材で、その左右両端から後側フレーム5に取り付けられた後側通しボルト6bが左右方向に延出している。後側通しボルト6bの左右両端部にはネジ部(図示せず)が設けられている。
基板3の左右両側(図1のLH及びRH方向側)には、ガイド部材20がそれぞれ対向して立設されている。ガイド部材20は、基板3に対して前後動可能に設けられている。ガイド部材20は、多辺形の板部材である。左右のガイド部材20は、左右方向(図1のLH又はRH方向)に設けられた第1ローラ21、ガイドローラ23、制動ローラ27及び背部材回転ローラ55で互いに連結されている。
第1ローラ21、ガイドローラ23、制動ローラ27及び背部材回転ローラ55は、それらの両端部においてそれぞれ軸受によって回転可能にガイド部材20に取り付けられている。第1ローラ21、ガイドローラ23、制動ローラ27及び背部材回転ローラ55は真っ直ぐな丸棒であり、例えば、直径10〜12mmの鋼材から作られる。
第1ローラ21は、ガイド部材20のほぼ中央部に配設され、基板3の上面を前後方向に回転摺動する。ガイドローラ23は、基板3の下面に沿って前後方向に回転摺動する。従って、ガイド部材20が前後方向に移動するとき、第1ローラ21とガイドローラ23が基板3を上下で挟むようにして回転摺動するのでガイド部材20の前後動が安定して滑らかに行われる。第1ローラ21は、又、後述のように座部材30を回転可能に支持している。
制動ローラ27は、基板3の下面に沿って左右方向に差し渡された制動部材25を支持している。制動部材25はロック手段に相当し、四辺形断面を有する角柱である。制動部材25は、制動部材25の上面と基板3の下面との間に図2に示す微小隙間δが生じるように制動ローラ25に取り付けられている。
背部材回転ローラ55は、背部材50をガイド部材20に回転可能に結合している。
第1ローラ21、ガイドローラ23、制動ローラ27及び背部材回転ローラ55の側面から見た相互の位置関係は、図2に示すように第1ローラ21が、ガイドローラ23と、ガイド部材20に取り付けられ制動部材25を支持する制動ローラ27と、ガイド部材20に取り付けられ背部材50の回転中心である背部材回転ローラ55とを三点として形成される三角形の略中心に配置されている。
座部材30は、人の腰部及び脚部を支持する部材である。座部材30は、人の腰部及び脚部を支える座板31、座板31の前端に左右方向に設けられた縦部材である前板33、座板31の左右両端に前後方向に設けられた縦部材である側板32から構成されている。座板31、前板33、側板32は接着剤による接合やネジ止めによる結合あるいはその両方を用いて結合することができる。あるいは座板31、前板33、側板32を一体的に成形してもよい。座部材30の後側は前述の第1ローラ21によって、第1ローラ21廻りにガイド部材20に結合されている。
座部材30の側板32の前後方向のほぼ中央部には、第2ローラ34が左右の側板32の間に差し渡されている。第2ローラ34の両端部は側板32側に設けられた第2ローラ軸受34aによって回転可能に軸支されている。第2ローラ34は真っ直ぐな丸棒であり例えば直径10〜12mmの鋼材から作られる。
第2ローラ34は、基板3の前端部に設けられた傾斜台38の上面に沿って回転摺動する。傾斜台38は、図2に示すように、基板3から前方(図2のF方向)且つ上方(図2のU方向)に向かって伸びる平坦面を備え、第2ローラ34のガイド面を形成する。
背部材50は、人の背部を支持する部材である。背部材50は、背部材側板51と背板59とから構成される。背部材側板51と背板59は接着剤による接合やネジ止めによる結合あるいはその両方を用いて結合することができる。あるいは背部材側板51と背板59を一体的に成形してもよい。背部材側板51の上下方向のほぼ中央部には背部材ガイドローラ58が左右の背部材側板51の間に差し渡されている。背部材ガイドローラ58の両端部は背部材側板51側に設けられた背部材ガイドローラ軸受58aによって回転可能に軸支されている。背部材ガイドローラ58は、真っ直ぐな丸棒であり、例えば、直径10〜12mmの鋼材から作られる。背部材ガイドローラ58は、肘掛け部材10のベース部12の一部に設けられた背部材回転ガイド溝18に沿って動かされる。背部材ガイドローラ58と背部材回転ガイド溝18は背部材50の回転運動をガイドする回転ガイド機構に相当する。従って、図2に示すように、背部材50の後方(図2のR方向)への回転は背部材回転ローラ55を中心として行われ、その回転軌跡は後述の肘掛け部材10のベース部12に設けられた背部材回転ガイド溝18によって規定される。
肘掛け部材10は、人の肘部及び腕部を支持する部材である。肘掛け部材10は、図1に示すように肘掛け部11とベース部12とから構成される。ベース部12には、前述のように背部材50の回転運動をガイドするための回転ガイド機構を構成する背部材回転ガイド溝18が設けられている。肘掛け部材10を基板3に結合するには、ベース部12の前側に設けられた貫通穴13に前側フレーム4から左右両側に延出した前側通しボルト6aを貫通させた後ワッシャ14を介して握りナット14bを外側から締め付ける。握りナット14bの内側には図1のA−A断面に示す埋め込みナット14cが設けられている。従って、通しボルト6aの左右両端部に設けられたネジ部が埋め込みナット14cと螺合する。同様にベース部12の後側に設けられた貫通穴13に後側フレーム5から左右両側に延出した後側通しボルト6bを貫通させた後ワッシャ14を介して握りナット14bを外側から締め付ける。
このような構成によると、リクライニング装置2の組み立てを握りナット14bの締め付けだけで行うことができるので、構造が簡単であり、ネジ回しやスパナなどの工具を用いずに手だけで容易に短時間で組み立てることができる。リクライニング装置2を分解する場合も握りナット14bを緩めるだけでよくネジ回しやスパナなどの工具を用いずに手だけで容易に短時間で分解することができる。
又、リクライニング装置2の主要構成部品は、基板3、ガイド部材20、座部材30、傾斜台38、背部材50、肘掛け部材10、第1遮蔽板39、第2遮蔽板69及びこれらの部材を連結するローラ、軸受及びネジなどである。ローラ、軸受及びネジなどは一旦取り付けてしまうと殆ど消耗や破損するおそれがなく交換する必要が殆どない。従って、リクライニング装置2は消耗や破損するおそれのある部品を用いていないため耐久性に優れている。
第1遮蔽板39は、座部材30の後端部と背部材50の前面下端部との間に着脱自在に嵌入されており座部材30の後端部と背部材50の前面下端部との間の間隙が常に第1遮蔽板39によって塞がれている。従って座部材30の後端部と背部材50の前面下端部との間に手指などを挿入し詰めるおそれがなく不慮の傷害を未然に防止することができる。
第2遮蔽板69は、背部材50の後面下端部と基板3の後端部との間に嵌入されており背部材50の後面下端部と基板3の後端部との間の間隙が第2遮蔽板69によって塞がれている。第2遮蔽板69は、ピン69bによって回転可能に軸支されており、ピン69bの両端部は第2遮蔽板69より左右方向(図1のLHあるいはRH方向)に延出し肘掛け部材10のベース部12の内側に設けられた穴(図示せず)に嵌入されている。第2遮蔽板69の前面(図2のF方向側)には第2遮蔽板69の上端(図2のU方向側)を常に背部材50の後端面に接するように保つためのバランサー69aが設けられている。従って背部材50が回転しても第2遮蔽板69の上端が常に背部材50の後端面に接するため、背部材50の後端面とバランサー69との間あるいは背部材50の後端面と基板3の後端部との間に手指などを挿入し詰めるおそれがなく不慮の傷害を未然に防止することができる。なお、第2遮蔽板69とバランサー69aは予め別々に成形し接着剤などにより接合することができるが一体的に成形してもよい。
次に、図2と図3を参照してリクライニング装置の作動状況を説明する。図2は、リクライニング装置が作動する前の状態を示しており、図3は、リクライニング装置が作動中の状態を示している。
図2において、座部材30は基板3の最後端(図2のR方向側)位置にあり、背部材50は直立状態にある。この状態からリクライニング装置を作動させるには、座部材30に人が座って背部材50の背板59に背中で後向きの荷重gbを加え、背部材50を背部材回転ローラ55廻りに後方(図2のR方向)へ回転させる。
そうすると、図3に示すように、背部材50の後方への回転に連動してガイド部材20が前方(図3のF方向)に移動する。なお、背部材50の回転軌跡は前述のように肘掛け部材10の足部材12に設けられた背部材回転ガイド溝18とその溝内を移動する背部材回転ローラ55とによって規定される。
ガイド部材20が前方へ移動すると、ガイド部材20に取り付けられた第1ローラ21に結合されている座部材30が前方へ移動する。座部材30が前方へ移動すると、座部材30に取り付けられた第2ロ−ラ34が傾斜台38に沿って前方へ回転摺動する。それにより、座部材30の前端部である前板33は基板3から上方(図3のU方向)へ離反する方向に移動する。このようにして背部材50が後方に回転すると同時に座部材30の前端部が持ち上げられるので、リクライニング装置を使用している人の膝部が心臓の高さとほぼ同じ高さに揃えられる。そのような安楽姿勢をとると、人の脚部への血液の円滑な循環を自然に保つことができる。
この状態で座部材30の前後動と背部材50の回転を停止させるには、ガイド部材20をロックさせればよい。ガイド部材20をロックさせるには人が座っている座部材30に体重を加えるとよい。即ち、踏ん張っていた足先を床面から外し上脚部で座部材30の座板31に下向き(図3のD方向)の荷重Gdを加える。そうすると、図3に示すように、下向きの荷重Gdが第2ローラ34を介して第1ローラ21廻りに生ずるモーメントにより、制動ローラ27に上向きの力が発生する。それによりガイド部材20に上向きの力が生じガイド部材20に取り付けられている制動部材25の上面と基板3の下面との間の微小隙間δが消失し、制動部材25の上面が基板3の下面に圧迫される。
又、ガイド部材20のロックは、このように座部材30に下向きの荷重Gdが加えられているときに、背部材50に後向きの荷重Gbを加えることによって制動部材25のロック力を更に高めることができる。それには、人が背中で背部材50の背板59を後方に押し背部材50に後向きの荷重Gbを加えるとよい。背部材50に後向きの荷重Gbを加えると、背部材50の回転経路を規定する背部材回転ガイド溝18内に配設された背部材ガイドローラ58廻りに生ずるモーメントにより、背部材回転ローラ58に上向きの力が生じ、制動ローラ27に上向きの力が発生する。それにより、同様にガイド部材20に上向きの力が生じガイド部材20に取り付けられている制動部材25が基板3に圧迫される。従って、制動部材25のロック力が更に高められる。このようにして制動部材25が基板3に圧迫されることによりガイド部材20のロック力が更に高められる。
なお、この場合、背部材50の任意のリクライニング位置において、座部材30に下向きの荷重を加え、且つ、背部材50に後向きの荷重を加えるだけでガイド部材20がロックされるのでリクライニング装置2を無段階に任意の位置で安定し停止させることができる。しかもこの操作は、座部材30への脚や膝などによる下向きの荷重の付加と背部材50への後向きの荷重の付加だけで行われるので、リクライニング装置2に電動モータや手動レバーなどを設ける必要がなく、電動モータや手動レバーなどによる操作を必要としない。
次に、任意のリクライニング位置でロックされたリクライニング装置2を更にリクライニングさせるためには、足先を床面に付けて踏んばり上脚部が座部材30に下向きに加えていた荷重を軽減させると同時に背中で背部材50の背板59を押して背部材50に後向きの荷重Gbを加えるとよい。背部材50を更に回転させた位置でリクライニング装置2をロックするには前述の場合と同様にして座部材30の前後動と背部材50の回転を停止させ、ガイド部材20を次のようにしてロックさせる。即ち、図3において、脚や膝などにより座部材30に下向き(図3のD方向)の荷重Gdを加える。下向きの荷重Gdが第2ローラ34を介して第1ローラ21廻りに生ずるモーメントにより、制動ローラ27に上向きの力が発生する。それによりガイド部材20に上向きの力が生じガイド部材20に取り付けられている制動部材25の上面と基板3の下面との間の微小隙間δが消失し、制動部材25の上面が基板3の下面に圧迫される。
又、このようにリクライニング位置にあったリクライニング装置2を元の作動前の状態に戻すには足先を床面に付けて踏んばり上脚部が座部材30に下向きに加えていた荷重を軽減させると同時に背部材50から背中を起こすとよい。それにより背部材50から体重の力が外れガイド部材20には座部材30の体重の力のみが残るので、ガイド部材20が後方に移動しそれに連動して背部材50が前方に回転し普段の姿勢の立った状態になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、請求項1に記載の回転ガイド機構は背部材回転ガイド溝18と背部材回転ガイドローラ58が相当する。又、請求項3及び請求項4に記載のロック手段は、制動部材25が相当する。
リクライニング装置の分解斜視図である。 リクライニング装置の作動前の状態を示す側面図である。 リクライニング装置の作動中の状態を示す側面図である。
符号の説明
2・・・リクライニング装置 3・・・基板
4・・・前側フレーム 5・・・後側フレーム
6a・・・前側通しボルト 6b・・・後側通しボルト
10・・・肘掛け部材 11・・・肘掛け部
12・・・ベース部 13・・・貫通穴
14a・・・ワッシャ 14b・・・握りナット
14c・・・埋め込みナット 18・・・背部材回転ガイド溝
20・・・ガイド部材 21・・・第1ローラ
23・・・ガイドローラ 25・・・制動部材
27・・・制動ローラ 30・・・座部材
31・・・座板 32・・・側板
33・・・前板 34・・・第2ローラ
34a・・・第2ローラ軸受 38・・・傾斜台
39・・・第1遮蔽板 50・・・背部材
51・・・背部材側板 55・・・背部材回転ローラ
55a・・・背部材回転ローラ軸受 58・・・背部材ガイドローラ
58a・・・背部材ガイドローラ軸受 59・・・背板
69・・・第2遮蔽板 69a・・・バランサー
69b・・・ピン

Claims (3)

  1. シートの前後方向の移動に連動して背もたれが傾動するリクライニング装置であって、
    脚部を含むベース部に前後方向に張設された基板と、
    該基板の両側に立設され、前記基板に対して前後動可能なガイド部材と、
    該ガイド部材に回転可能に結合された背部材と、
    前記ガイド部材に取り付けられ前記背部材の回転中心となる背部材回転ローラと、
    前記背部材の回転経路を規定する背部材回転ガイド溝と該背部材回転ガイド溝内に配設された背部材ガイドローラとからなり、該背部材の回転運動をガイドするために前記ベース部に設けられた回転ガイド機構と、
    前記ガイド部材に取り付けられ、前記基板上を回転摺動する第1ローラと、
    前記ガイド部材に取り付けられ、前記基板の下面を回転摺動し、前記第1ローラと共に前記ガイド部材の前後動を誘導するガイドローラと、
    前記ガイド部材を前記基板下面に圧迫するための制動部材と、
    前記ガイド部材に取り付けられ前記制動部材を支持する制動ローラと、
    該第1ローラに結合され、前記背部材の回転に連動して前後方向に移動する座部材と、
    該座部材の前方移動に伴い、前記座部材の第1ローラ取付部とは反対側の端部を前記基板から上方へ離反させるため、前記基板の前端部に設けられた傾斜台と、
    前記座部材に取り付けられ、前記傾斜台上を回転摺動する第2ローラと
    から構成され、
    前記第1ローラが、前記ガイドローラと、前記制動ローラと、前記背部材回転ローラとを三点とする三角形の略中心に配置され、それにより前記座部材に下向きの荷重が加えられるとき、前記座部材から前記第2ローラに伝えられる荷重が前記第1ローラ廻りに生ずるモーメントにより、前記制動ローラに前記基板を圧迫する向きの力が発生し、
    更に、前記背部材に後向きの荷重が加えられるとき、前記背部材ガイドローラ廻りに生じるモーメントにより前記背部材回転ローラに上向きの力が発生し、それにより前記制動ローラに前記基板を圧迫する向きの力が発生する
    ことを特徴とするリクライニング装置。
  2. 前記座部材の後端部と前記背部材の前面下端部との間に手指などの挿入を防止するための第1遮蔽板が設けられていることを特徴とする、請求項1記載のリクライニング装置。
  3. 前記背部材の後面下端部と前記基板の後端部との間に手指などの挿入を防止するための第2遮蔽板が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載のリクライニング装置。
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