JP3969978B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザープリンター、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法としては、光導電性絶縁層を一様に帯電させ(帯電工程)、次いでその層を露光せしめ、その露光された部分の電荷を消散させることにより電気的な潜像を形成し(露光工程)、更に該潜像にトナーと呼ばれる着色された電荷をもった微粉末を付着させることによって可視化させ(現像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させた(転写工程)後、加熱、加圧あるいはその他適当な定着法により永久定着させる(定着工程)工程からなる。
【0003】
これらのうち、定着工程には、熱ローラー定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよいことが特徴で、非接触方式に比べて、定着に必要な温度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現像という問題が生じやすい。この現象を防止するため、従来より、熱ローラーの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工したり、熱ローラーの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりしている。しかし、シリコーンオイル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるので、コスト高となったりトラブルの原因となることが考えられ好ましくない。
【0004】
従来より、この種のトナーにはスチレンアクリル共重合体に代表されるビニル系樹脂が用いられている。ビニル系樹脂の場合、耐オフセット性を向上させようとすると樹脂の軟化点や架橋密度を上げざるを得なくなり、低温定着性が犠牲となる。逆に低温定着性を重視すると耐オフセット性や耐ブロッキング性に支障をきたす。また、パラフィンワックス、低分子量ポリオレフィン等をオフセット防止剤として、トナー化時に添加する方法が知られているが、添加量が少ないと効果がなく、多すぎると現像剤の劣化が早い等の問題があった。
【0005】
また、トナー化時にワックスを添加し、均一に分散させるために強く混合すると樹脂のポリマー鎖が切断するおそれがあるため、樹脂の物性を保持したまま、ワックスを均一に分散させることは容易ではない。一方、トナー用の結着樹脂としては、ポリエステルが用いられている。ポリエステルは本質的に定着性がよく、非接触定着方式においても充分に定着されるが、オフセット現象が発生し易いためヒートローラー定着方式には使用が困難であった。また、多価カルボン酸を使用して耐オフセット性を改良したポリエステルが記載されているが、これらも依然として使用するに充分な耐オフセット性を有していないか、又は有しているものはポリエステルが本来有している低温定着性を犠牲にしているばかりでなく、樹脂やトナーの粉砕性が極めて悪いという問題があった。
【0006】
そこで、定着性に優れたポリエステルと、スチレンアクリル樹脂を混合して用いる、次のような試みがなされている。
・ポリエステルとスチレンアクリル樹脂を混合する方法(特開平2−161464号公報など);
・ポリエステルとスチレンアクリル樹脂を化学的に結合する方法;
・不飽和ポリエステルにビニル系モノマーを共重合せしめる方法(特開平2−5073号公報など);
・(メタ)アクリロイル基を有するポリエステルにビニル系モノマーを共重合せしめる方法;
・ポリエステル存在下で、反応性ポリエステルとビニルモノマーを共重合させる方法(特開平2−29664号公報);
【0007】
しかしながら、ポリエステルとスチレンアクリル樹脂は、本来相溶性が悪いため、単に機械的に混合を行う場合、混合比率によっては、トナー化を行う際に樹脂及びカーボンブラック等の内添剤の分散が悪くなり、帯電性が不均一となるため、画像評価において地汚れ等の弊害が生じる。また、二種類の樹脂の分子量が異なる場合には、双方の溶融粘度に差異を生じることがあり、この為、分散相の樹脂の分散粒径を細かくすることが困難となり、トナー化を行うとカーボンブラック等の内添剤の分散が非常に悪く、画像安定性に大きく欠けるという問題が生じる。更に、反応性ポリエステルにビニルモノマーを重合させる場合、ゲル化を防ぐため組成が制限されるという問題もあった。
【0008】
また、軟化点の違う2種のポリエステルを混合してなる結着樹脂(特開平4−362956号公報)が開発されているが、高軟化点の非線状ポリエステルと低軟化点の線状ポリエステルとを溶融混練させる際には、互いの溶融粘度が大きく異なるため、トナー中に線状ポリエステルを均一に分散させることが困難である。この方法でも混合する樹脂の低軟化点側の割合を増やしてゆくと定着性は良好になるものの耐ブロッキング性に問題が生じ、一方低軟化点側のガラス転換点を高くすると耐ブロッキング性は解消されるもののその割合を増やしても定着性に限界が生じた。従って、最近の複写機の高速化、小型化、省エネルキー化に鑑みれば、更なる低温定着性、及び耐オフセット性の改善が望まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状から、本発明は保存安定性、低温定着性、耐オフセット性及び環境安定性のいずれにも優れた電子写真用トナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために電子写真用トナーについて種々検討の結果、軟化点が異なり、好ましくは相溶性が向上した少なくとも2種類のポリエステルからなる結着樹脂中に、特定の結晶性ポリエステルとワックスを含有させることで解決し得ることを見出し本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明の電子写真用トナーは
(1)少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、結着樹脂が下記(A)(B)(C)を主成分とし、
・(A)軟化点で120〜170℃、ガラス転移点で58〜75℃、かつクロロホルム不溶分率で5〜50質量%である樹脂;
・(B)軟化点が90〜120℃、ガラス転換点が58〜75℃である樹脂;
・(C)融点が80〜140℃である結晶性ポリエステル系樹脂;
かつ、該結着樹脂のクロロホルム不溶分率が30質量%未満であり、さらに、トナー中には針入度1.5以下で融点が80〜110℃であるワックス(W)を含有することを特徴とする。
なお、上記した(A)と(B)はポリエステルが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、軟化点の異なる2種以上の樹脂(A)(B)と、融点が80℃〜140℃である低融点物質の樹脂(C)とを混合してなる結着樹脂中に、針入度1.5以下で融点が80〜110℃であるワックス(W)を含有するものである。通常、高軟化点の結着樹脂とこれより低融点の結晶性ポリエステルとを溶融混練させる際には、互いの溶融粘度が大きく異なるため、結着樹脂中に結晶性ポリエステルを均一に分散させることが困難である。しかし、本発明のトナーには、軟化点等の異なる少なくとも2種類の樹脂(A)と(B)が含有されているため、低融点物質の結晶性ポリエステルである樹脂(C)を溶融混練する際に、低軟化点の樹脂(B)が高軟化点の樹脂(A)と樹脂(C)のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に樹指(C)が均一に分散される。
【0013】
本発明において、樹脂(A)及び樹脂(B)の物性及び配合比率は、それぞれの樹脂が有する特性を十分に発現させて、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性のいずれにも優れたトナーとするために、以下のように規定される。
先ず樹脂(A)の軟化点(以下、Tm(A)と記す)は、耐オフセット性及び耐久性の観点から120℃以上、最低定着温度の観点から170℃以下の範囲であり、好ましくは130〜165℃の範囲である。
【0014】
また樹脂(A)のガラス転移点(以下、Tg(A)と記す)は、耐ブロッキング性の観点から58℃以上、最低定着温度の観点から75℃以下の範囲であり、好ましくは58〜70℃の範囲である。
さらに樹脂(A)のクロロホルム不溶分率は、耐オフセット性及び耐久性の観点から5質量%以上で、最低定着温度の観点から50質量%以下の範囲であり、好ましくは10〜25質量%の範囲である。なお、本発明でのクロロホルム不溶分率とは、25℃においてクロロホルムに溶解しない樹脂成分の質量分率をいう。
【0015】
本発明においては、樹脂(A)と樹脂(C)との相溶性を高めるため、樹脂(B)の軟化点(以下、Tm(B)と記す)は90〜120℃、好ましくは90〜110℃であり、また、ガラス転移点(以下、Tg(B)と記す)は58〜75℃の範囲内、好ましくは58〜70℃である。
また樹脂(A)(B)(C)を混合した結着樹脂のクロロホルム不溶分率は30質量%未満であることが好ましい。クロロホルム不溶分率が30質量%以上では定着性を下げる点で好ましくない。
【0016】
ここで、樹脂(A)/樹脂(B)の配合質量比は、10/1〜10/5である。好ましくは10/1〜10/3である。さらに、樹脂(A)/樹脂[(B)+(C)]の配合質量比は、好ましくは10/3〜10/8、より好ましくは10/4〜10/7であり、樹脂(B)/樹脂(C)の質量比は、1/1〜4/1、好ましくは1/1〜3/1である。また、結着樹脂中における樹脂(C)の配合率は5〜20質量%が好ましい。さらにまた、樹脂(A)と樹脂(B)の軟化点の差は20℃以上が好ましい。
【0017】
以上に説明した上記の条件を満足する樹脂(A)、(B)の種類は特に限定されないが、樹脂(C)との相溶性をより高めるためには樹脂(A)、(B)は相互溶解性を有することが望ましい。かかる点でポリエステル系同士、さらに低温定着性、耐久性、及び着色剤の分散性の観点から、特に非晶性ポリエステル系同士が好ましい。なお非晶質とは結晶質のように明確な融点を有しないものである。また、樹脂(A)、(B)および(C)はそれぞれ単独の樹脂からなるものであっても、2種以上を混合してなるものであってもよい。
【0018】
本発明の樹脂(A)、(B)として好ましく使用されるポリエステルは、例えば、特開平7−175260号に例示の構成モノマー化合物を用い、同記載の方法を参考に製造できる。通常、構成モノマーとして2価以上のアルコール単量体成分と2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸単量体成分を原料モノマーとして縮重合によって得られる。特に非晶性ポリエステルは、上記のモノマーに少なくとも3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体等を用いて縮重合することによって得られる。好ましい2価のアルコール単量体成分は、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2又は3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜10)、エチレングリコール、プロピレングリコール、l,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等である。また、好ましい3価以上のアルコール単量体成分は、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0019】
また酸成分としての、2価のカルボン酸単量体成分としては、各種ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸、これらの酸の無水物及びアルキル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられ、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸及び炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸である。また好ましい3価以上のカルボン酸成分は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等である。
ポリエステルの製造方法は、特に限定されることなく、上記の各単量体等を組み合わせてエステル化反応、又はエステル交換反応により製造することができる。原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
【0020】
これらのうち、ポリエステル成分は、前記した如く2価以上のアルコール単量体成分と2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸単量体或分を原料モノマーとして縮重合によって得ることができる。また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
【0021】
次に、本発明に使用される結晶性ポリエステルである樹脂(C)は、電子写真用トナーの低温定着性と対ブロッキング性(保存性)を改善するために結着樹脂中に均一に分散配合するものであり、特に融点は、示差走査熱量分析形(以下、DSCと略す)による吸熱ピーク温度で表され、保存性と低温定着性の観点から通常80〜140℃であり、好ましくは80〜120℃である。樹脂(C)の融解は保存性の観点から狭い温度範囲で起こることが好ましく、融解ピークの半値幅は通常20℃以下、好ましくは15℃以下である。なお樹脂(C)は前記した樹脂(B)をつなぎ役として樹脂(A)に均一に分散させるためには、樹脂(C)の融点は樹脂(B)の軟化点に近いことが好ましい。また、低温定着性の観点からは、樹脂(C)の150℃における溶融粘度は通常5〜1,000センチポイズ、好ましくは5〜800センチポイズ、更に好ましくは10〜500センチポイズである。
【0022】
本発明に使用される樹脂(C)は環境安定性の観点から水酸基価は通常0.5〜5mgKOH/gである。好ましくは0.5〜4mgKOH/gである。通常のポリエステルでは水酸基価を低くするため酸成分を多く反応させることが考えられるが酸価が高くなり過ぎトナーにしたときの帯電性が悪くなる。また、酸成分としてカルボン酸の低級アルキルエステルを使用することも考えられるが、酸成分が昇華しやすかったり、反応が十分進みにくく、水酸基価を5mgKOH/g以下にすることは困難である。さらに酸成分とアルコール成分との反応率を上げるだけでは粘度が高くなりすぎ、低温定着性の効果が小さくなる。樹脂(C)は残存する水酸基をモノカルボン酸無水物でエステル化することで水酸基価を0.5〜5mgKOH/gにすることができる。また、トナーの帯電性の観点から酸価は通常3〜20mgKOH/g、好ましくは3〜15mgKOH/gである。
【0023】
樹脂(C)の重量平均分子量は、1,000〜20,000である。
また、耐ブロッキング性が良好である点で、樹脂(C)としては結晶性芳香族系ポリエステルが好ましい。特に、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール或いはこれらの誘導体からなる熱可塑性の結晶性芳香族ポリエステルであることが望ましく、また特に前記の樹脂(C)が、芳香族ジカルボン酸とビスフェノールAのアルキレン(炭素数2又は3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜10)からなる骨格を持つ熱可塑性の結晶性芳香族ポリエステルであることが更に望ましい。なお、芳香族、あるいはポリオキシエチレン鎖等の分子間の相互作用により一定の規則性を持って配列しうる骨格を有する結晶性ポリエステルは、結晶性がより高くなるので好ましい。
【0024】
本発明の目的を達成するためには、前記の樹脂(C)に含まれるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は全アルコーリレ成分の50mol%以上であることが特に好ましく、アルコール成分の全量がビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物であるものが、特に望ましい。本発明で用いられる樹脂(C)を得るに用いる芳香族ジカルボン酸としては、例えば無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、及びその誘導体等が挙げられる。
【0025】
また、同様に、芳香族ジオールとしては、エチレンオキサイド付加物として、例えばポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン、及びその誘導体、またその他の芳香族ジオールとしては、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びその誘導体が挙げられる。
【0026】
本発明における樹脂(C)を構成するその他の成分として、必要に応じて以下の化合物も使用することができる。ジカルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。三価以上のカルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物等が挙げられる。
【0027】
また、ジオール成分としては、例えば水添ビスフェノーソレA、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3一プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としてはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチルー1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリメチロールベンゼン等が挙げられる。
【0028】
上記の三価以上のカルボン酸、およびアルコールは本発明における主旨を逸脱しない範囲で使用することができる。二価カルボン酸と二価のアルコールのみを用いる様にして得た結晶性(線状)ポリエステル系の樹脂の方が、各特性の最適化をはかり易く好ましい。本発明におけるポリエステルは、触媒の存在下、上記の原料成分を用いて脱水縮合反応或いはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、通常20〜300℃で30分〜24時間である。
【0029】
上記反応を行う際の触媒としては、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート等を適宜使用する事が出来る。なお、前記で説明した、樹脂(A)〜(C)のそれぞれの物性、すなわち軟化点、融点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率の調整は、各樹脂を製造する際の原料モノマー、重合開始剤又は触媒等の種類、その量及び反応条件の選択等により容易に行うことができる。
【0030】
本発明に用いられる結着樹脂は、樹脂(A)及び(B)又は樹脂(A)〜(C)の粉末状のものや、ペレット状のものが単に混合されたものであってもよく、それらの樹脂が溶融混練により均一に混合分散された後、粉砕等によって粉末状やペレット状にされたものであってもよい。また、トナー中の樹脂(C)の分散粒径は、定着性、保存安定性のバランスを最適化するために0.05〜0.2μmとすることが必要である。分散性が不良であると帯電量分布が広がり着色度も低下するので好ましくない。
【0031】
更に本発明の電子写真トナーには、トナーの流動性を高めて、溶融粘度を下げる目的で針入度1.5以下且つ融点が80〜110℃であるワックス(W)を樹脂(C)/ワックス(W)の質量比で4/1〜1/1含むものである。針入度1.5以上で且つ融点が80〜110℃の範囲外では、トナーの溶融粘度を下げる効果が低くなり好ましくない。なお融点は、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピーク温度で表される。ワックス(W)としては上記の条件を満たすものであれば構わないが、特にフィッシャートロピィッシュワックス(以下、FTワックスと記す)であることが好ましく、更には精製FTワックスが好ましい。精製度は融解ピークの半値幅で通常15℃以下、好ましくは10℃以下である。
本発明の電子写真トナーに適用するFTワックスは天然ガスを原料にフィッシャートロピィッシュ法により製造されるものであって、一酸化炭素の触媒水素化により合成されたワックス状炭化水素である。
【0032】
そして構造的にはメチル分岐の少ない直鎖状のパラフィン系ワックスである。このような天然ガス系FTワックスとしては、シェル・MDS社製の商品名:FT−100、FT−0030、FT−0050、FT−0070、FT−0165、FT−1155、FT−60S、日本精鑞(株)製;MDP7010等が上市されている。天然ガス系FTワックスは、示差走査熱量分析形(以下、DSCと略す)による吸熱ピークが80〜110℃であるものが好ましい。吸熱ピーク80℃より低いものは、トナーの保存安定性に問題が生じやすく、また流動性が悪くなりやすい。一方、110℃より高いとトナーの溶融粘度を下げる効果が少ないためトナーの低温定着性が得られにくくなる。天然ガス系FTワックスは結着樹脂との相溶性があまり良くないため大量に使用するとワックスの分散が悪化し、粉砕時にワックス単体の脱離等により耐高温オフセット性、流動性が悪くなりやすいので好ましくない。
【0033】
従って、結着樹脂100重量部に対してFTワックスは2〜10重量部であることが好ましい。また、本発明でいうDSCによる吸熱ピークは、吸収熱量のピーク温度のことであり、セイコー電子工業社SSC−5200を用い20〜150℃の間を10℃/分の割合で昇温させ、次に150℃から20℃に急冷させる過程を2回繰り返し2回目の吸収熱量を測定したものである。樹脂(C)とFTワックスを組み合わせ含有するこしにより、低温定着性と保存性を両立・最適化することができるその量は樹脂(C)/ワックス(W)の質量比で4/1〜1/1であることが望ましい。
【0034】
本発明の電子写真用トナーに使用することのできる着色剤としては、黒や有彩色として周知の各種の着色剤があげられる。黒の着色剤としては製法により分類されるが、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが挙げられる。有彩色着色剤としては、有機顔料が挙げられる。青系の有機顔料としては、例えばフタロシアニン系のC.1.Pigment Blue 15-3、インダンスロン系のC.1.Pigment Blue 60等が、赤系の有機顔料としては、例えばキナクリドン系のC.1.Pigment Red 122、アゾ系のC.1.Pigment Red 22、C.1.Pigment Red 48:1、C.1.Pigment Red 48:3、C.1.Pigment Red 57:1等が、黄系の有機顔料としては、例えばアゾ系のC.1.Pigment Yellow 12、C.1.Pigment Ye11ow 13、C.1.Pigment Yellow 14、C.1.Pigment Yellow 17、イソインドリノン系のC.1.Pigment Ye11ow 110、ベンズイミダゾロン系のC.1.Pigment Yellow 151、C.1.Pigment Yellow 154、C.1.Pigment Yellow 180、等がある。着色剤の含有量は、トナー100質量部中1〜20質量部の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは2〜10質量部である。
【0035】
トナーの帯電制御は、結着樹脂、着色剤自体で行ってもよいが、必要に応じて帯電制御剤を併用してもよい。帯電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリメチルエタン系染料、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料等が必要に応じて用いられる。これらの中にはオリエント化学社製「ボントロンS−32」、保土ヶ谷化学社製「Aizen Spilon Black TRH」等がある。
【0036】
カラートナーにおいては無色の帯電制御剤を使用するのが望ましく、サリチル酸またはサリチル酸とアルキルアルコールのエステルの金属錯化合物である、この様なものとしては、オリエント化学社製「ボントロンE−84」、日本カーリット製「LR−147」等が挙げられる。更に必要に応じて種々のワックス類をトナー中に分散し用いることができる。例えばモンタン酸エステルワックスの如き天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス等が使用出来る。好適なワックス類としては、例えばビスコール660P、ビスコーソレ550Pビスコール330P、TP−32〔三洋化成工業(株)製〕、ミツイハイワックスNP505、同P200、同P300、同P400等がある。
【0037】
本発明のトナーを得るための製造方法は、公知慣用の任意の手段に依って得る事ができるが、例えば樹脂と着色剤と必要に応じて各種添加剤を樹脂(C)の融点以下で混練し得ることが出来る。着色剤は樹脂中に均一に分散するようにあらかじめフラッシング処理、あるいは樹脂と高濃度で溶融混練したマスターバッチを用いても良い。具体的には例えば、上記の樹脂と着色剤とを必須成分として、2本ロール、3本ロール、加圧ニーダー、又は2軸押出機等の混練手段により混合する。この際、樹脂中に着色剤が均一に分散すればよく、その溶融混練の条件は特に限定されるものではないが、通常80〜180℃で1〜15分である。
【0038】
次いで、それを冷却後、ジェットミル等の粉砕機で微粉砕し、風力分級機等により分級するという方法が挙げられる。トナー粒子としては、平均粒子径5〜10μmのものが好ましい。必要に応じ、シリカ等の外添剤を外添することにより、より粉体流動性等を向上させることができ実用上好適である。外添剤としては、例えば二酸化珪素のうちで疎水性等を有するものが挙げられ、例えば二酸化珪素を各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で市販されているものがある。
AEROSIL R972,R974,R202,R805,R812,RX200,RY200、R809,RX50〔日本アエロジル(株)〕、WACKER HDK H2000、H2050 EP〔ワッカーケミカルズイーストアジア(株)〕、NipsilSS-10、SS-15、SS-20,SS-50,SS-60,SS-100、SS-50B,SS-50F,SS-10F、SS-40、SS-70,SS-72F〔日本シリカ工業(株)〕
【0039】
外添剤としては、比較的大きい平均粒子径を有するものと、比較的小さい平均粒子径を有するものがあり、これらは単独で用いても併用してもよい。シリカの外添量としては、トナーに必要な帯電量の付与、感光体ドラムへの影響、トナーの環境特性等を考慮して、トナー粒子100質量部に対し0.1〜5.0質量部が実用上好適である。前記外添剤をトナー粒子に外添させる方法としては、例えば通常の粉体用混合機であるヘンシェルミキサーなどや、ハイブリダイザー等のいわゆる表面改質機を用いて行うことができる。尚、この外添は、トナー粒子の表面にシリカが付着させるようにしても良いし、シリカの一部がトナー粒子に埋め込まれるようにしても良い。
【0040】
発明の電子写真用トナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用される。本発明の電子写真用トナーは、混練粉砕法、スプレイドライ法、重合法等の公知の方法により製造することができる。一般的な方法としては、例えば、結着樹脂、ワックス等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級する方法が挙げられる。さらに、トナーの表面には、必要に応じて流動性向上剤等を添加してもよい。このようにして得られるトナーの体積平均粒子径(Dp)は、好ましくは5〜15μmである。
【0041】
本発明のトナーは、キャリアと混合して静電写真現像剤とする。キャリアとしては従来公知のキャリアを使用することができる。具体的には鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物の粒子に、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等を単層もしくは多層被覆してなるキャリアを好ましく用いることができる。かかるキャリアの平均粒子径は20〜200μmの範囲が好ましく、特に30〜150μmの範囲が好ましい。
【0042】
【実施例】
以下に具体的な実施例により本発明を説明する。特に、断わらない限り「部」は、質量部を示す。なお、実施例において使用した物性値の測定方法を示す。
(a)軟化点(Tm)
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500)を用い、
試料(サンプル)の半分が流出する温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:20kg/cm2、ノズル:1mmφ×1mm)。
(b)ガラス転移点(Tg)
示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
【0043】
(c)分子量測定
装置:昭和電工(株)製SYSTEM−11、カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHXL2本、測定温度:40℃、
試料溶液:0.25質量%のテトラヒドロフラン溶液、注入量:100ml、
検出器:屈折率検出器、なお分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
(d)融点測定
JIS-K7122-1987に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とした。
【0044】
(e)クロロホルム不溶分率(質量%)
100cc容量のふた付きガラス瓶に樹脂粉体5g、ラジオライト「#700」5g(昭和化学工業(株)製)及びクロロホルム100mlを入れ、ボールミルにて25℃で5時間撹拌した後、ラジオライト5gを均一に敷き詰めた濾紙(東洋濾紙(株)製、No.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形物をクロロホルム100mlで2回洗浄し、乾燥させた後、以下の式に従い不溶分率を算出する。
不溶分率=(濾紙上の固形物の重量−ラジオライト10g)/5g×l00
【0045】
製造例1
<結晶性ポリエステル(C−1)>
・テレフタル酸 2.5モル部
・イソフタル酸 2.5モル部
・ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 4.8モル部
上記原料を、四つ口フラスコに入れ、撹拌器、コンデンサー、温度計をセットして、窒素ガスを吹き込み、触媒であるジブチル錫オキサイドを全酸成分に対して0.07質量部添加し、220℃にて脱水縮合により生成した水を除去しながら15時間反応させた。得られた線状の結晶性ポリエステル(C−1)の分子量は、Mw:11000、Mn:4100、融点121℃、酸価4.2、水酸基価1.2であった。
【0046】
製造例2
<結晶性ポリエステル(C−2)>
・テレフタル酸 2.5モル部
・イソフタル酸 2.5モル部
・ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 2.6モル部
・ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 2.2モル部
他は製造例1と同様の方法により結晶性ポリエステル(C−2)を得た。その分子量は、Mw:12000、Mn:4300、融点116℃、酸価4.7、水酸基価1.9であった。
【0047】
製造例3
<結晶性ポリエステル(C−3)>
・セバシン酸 707部
・1,6ヘキサンジオール 496部
・ジブチル錫オキサイド 1.5部
を均一溶解後、脱水しながら120℃にて8時間反応させ、徐々に温度を上げ200℃とし、さらに減圧下で反応させた。更に温度を130℃とし、無水酢酸80部を加え、3時間反応させた後、生成した酢酸と過剰の無水酢酸を留去し結晶性ポリエステル(C−3)を得た。(C−3)の融点は65℃、水酸基価は2、酸価は10であった。
【0048】
製造例4
<結晶性ポリエステル(C−4)>
・シクロヘキサンジメタノール 1008部
・ビスフユノーソレAエチレンオキサイド2.2モル付加物 975部
・テレフタル酸 1461部(8.8モル相当)
・ジブチル錫オキサイド 2.0部
を均一溶解後、脱水しながら120℃にて8時間反応させ、徐々に温度を上げ200℃とし、さらに減圧下で反応させ結晶性ポリエステル(C−4)を得た。(C−4)の融点は92℃、水酸基価は35、酸価は16であった。
【0049】
製造例5
<結晶性ポリエステルテル(C−5)>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物895部とした以外は、製造例4と同様の方法により結晶性ポリエステル(C−5)を得た。(C−5)の融点は85℃、水酸基価は3.4、酸価は18であった。
【0050】
製造例6
<ポリエステルテル樹脂(A)、(B)の製造例>
表1に示す縮重合系樹脂の原料を、窒素雰囲気下、220℃で反応させ、ASTM E28−67による軟化点が所定の温度に達したときに反応を終了し、冷却後、粉砕し、A−1、2、B−1、3、4を得た。得られた樹脂の軟化点、ガラス転換点及びクロロホルム不溶分率を表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
なお、表1中の縮重合系樹脂の原料の略号は下記を意味する。
BPA・PO:ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
BPA・EO:ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
i−DSA:イソドデセニル無水コハク酸
TPA:テレフタル酸
TMA:無水1,2,4-ベンゼントリカルボン酸
AA:アクリル酸(両反応性モノマー)
FA:フマル酸(両反応性モノマー)
HMDA:ヘキサメチレンジアミン
DBO:ジブチル錫オキシド(エステル化触媒)
【0053】
【表2】
【0054】
製造例7
<結着樹脂TB−1〜TB−14の製造例>
上記で得られた(A−1,2)と(B−1,3,4)及び(C−1,2,3,4,5)をそれぞれ樹脂(A)、樹脂(B)、樹脂(C)として、下記の表3に示す配合率で各種組み合わせて混合した結着樹脂TB−1〜TB−14を準備した。
【0055】
【表3】
【0056】
製造例8
<トナーTN−1〜TN−18の製造例>
表3記載のTB−1〜TB−14の結着樹脂の各々88部にカーボンブラック(三菱化学(株)製MAl00)6部、及び荷電調整剤(保土ヶ谷化学工業(株)製スピロンブラックTRH)2部、ポリプロピレンワックス(ホットオフセット用)4部、フィッシャートロピィシュワックス(日本精鑞(株)製;FT100:融点100℃、針入度1)を表4に示す割合で均一混合した後、内温150℃の二軸押出機で混練、冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級し、平均粒径9μmのトナーTN−1〜TN−18を得た。但しTN−18については、フィッシャートロピィシュワックス(FT100)の代わりにカルナバワックス(融点85℃、針入度8以上)を使用した。
【0057】
実施例1〜9、比較例1〜8トナーTN−1〜TN−18の各々4部にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製F−150)96部を均一混合し、市販複写機(シャープ(株)AR5030F)を用いて紙上にトナー像を転写し、転写された紙上のトナーを市販複写機(シャープ(株)製SF8400A)の定着部を改造して、A4紙35枚/分のスピードで複写して、市販複写機による下記に示す物性評価試験(実施例1〜9、比較例1〜8)を行った。
【0058】
(1)低温定着性(MFR)
定着ローラーの温度を100〜240℃の間でコントロールし、定着機を通して定着された画像の上を学振式堅牢度試験機(砂消しゴムに1kgの荷重を載せ)により、3往復こすり、こする前後でマクベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以下の定義による定着率が70%を越える際の定着ローラー温度をもって、定着性の評価を行った。
定着率(%)=[(こすった後の像濃度)/(こする前の像濃度)]×100○:160℃未満
△:160℃以上175℃未満
×:175℃以上
【0059】
(2)ホットオフセット発生温度(HOF)
上記最低定着温度の測定に準じて、トナー像を転写して上述の定着ローラーにより定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該定着ローラーに送って、これにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記定着ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナー汚れの生じた最低の設定温度をもって、ホットオフセット発生温度とした。
○:210℃以上
△:190℃以上210℃未満
×:190℃未満
【0060】
(3)耐ブロッキング性(CAK)
100mlのガラス瓶に10gのトナーを入れ、温度50℃の恒温槽に2日間放置し、以下の基準で評価した。
○:全くブロッキングが見られない。
△:ソフトケーキング状態
×:ハードケーキングしている。
【0061】
トナーTN−1〜TN−18中の樹脂(C)の分散粒子径(μm)の測定結果とともにその各テスト結果を下記の表4にまとめて示す。
【表4】
【0062】
【表4】
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、結着樹脂が下記(A)(B)(C)を主成分とし、(A)軟化点で120〜170℃、ガラス転移点で58〜75℃、かつクロロホルム不溶分率で5〜50質量%である樹脂;
(B)軟化点が90〜120℃、ガラス転換点が58〜75℃である樹脂;
(C)融点が80〜140℃であると共に水酸基価が0.5〜5mgKOH/gであり、且つ重量平均分子量が1000〜20000の範囲にある結晶性ポリエステル系樹脂;
かつ、該結着樹脂のクロロホルム不溶分率が30質量%未満であり、さらに、トナー中には針入度1.5以下で融点が80〜110℃であるワックス(W)を含有し、また、樹脂(A)/樹脂(B)の質量比が10/1〜10/5であることを特徴とする電子写真用トナー。 - (A)/[樹脂(B)+樹脂(C)]の質量比が10/3〜10/8であり、かつ樹脂(B)/樹脂(C)の質量比が1/1〜4/1である請求項1記載の電子写真用トナー。
- (C)/ワックス(W)の質量比が4/1〜1/1である請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
- トナー中の(C)の分散粒径が0.05〜0.2μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
- (A)と(B)のそれぞれがポリエステルである請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
- ワックス(W)のDSC測定における融点分布の半値幅が、15℃以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用トナー。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真用トナーを使った静電写真現像剤。
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