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JP3971498B2 - 積層体 - Google Patents
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JP3971498B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、HDD用サスペンション等の製造に好適な積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
HDD(ハードディスクドライブ)サスペンションは、ステンレス等のばね性を有する金属箔をエッチング加工して製造されるが、そのサスペンションの先端部に薄膜ヘッドやMRヘッド等の磁気ヘッドを搭載したのち、金線でワイアボンディングして実装されている。近年、その小型化、高密度化、大容量化が活発に検討されており、それにつれて磁気ヘッドが直接搭載されるスライダの低浮上化が必須の課題となっている。この観点からすると、従来の金線は、その空気抵抗や剛性などの影響により低浮上化の障害となっていた。また、このような金線によるワイアボンディングでは、磁気ヘッドへの金線接続工程の自動化が困難であるという問題も有している。
【0003】
このような金線ワイアボンディングに伴う問題の解決方法として、特開平8−45,213号公報等には、ステンレス等のばね性金属の上にポリイミド等の絶縁層をパターニングしたのち回路形成を行いサスペンションを製造する、配線付のサスペンション製造方法が提案されている。特に、ポリイミドのパターニングのため、ばね性金属上に非感光性ポリイミド前駆体と感光性レジストを積層し、感光性レジストを現像した後にアルカリによりポリイミド前駆体をエッチングする方法が開示されている。しかしながら、それには、感光性レジストが酸現像型であることは記載されているものの、その具体的な構造等については一切触れられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、HDDサスペンション等の製造に好適な、金属箔上に高精度なポリイミドパターン形成可能な積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、金属箔上に形成されたポリアミック酸層と酸現像型感光性樹脂層を有する積層体であって、酸現像型感光性樹脂層が必須の構成成分として下記成分を含有することを特徴とする積層体である。
(1)アミン当量が100〜10,000のアミン含有酸溶解性樹脂
(2)1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体
(3)光重合開始剤
ここで、アミン含有酸溶解性樹脂は、後記式(1)で表される樹脂であり、1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体は、多官能アクリレート又は多官能メタクリレートである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる金属箔としては、任意のものが用いることができるが、積層体をHDDサスペンションへ適用する場合には、ある程度のばね性を有するものが好ましい。ばね性を有する金属としては、ステンレス、ベリリウム銅、C7025(オーリンソマーズ社製)等の高弾性金属などが挙げられ、より好ましくはステンレスである。特に、ステンレスとしては300℃以上の温度でテンションアニール処理を施したものが好ましい。
【0007】
また、本発明に用いられるポリアミック酸としては、任意の構造のものを用いることができる。通常、ポリアミック酸は、ジアミン化合物と酸無水物化合物とを極性溶媒中で0〜200℃、好ましくは0〜100℃の温度で反応させることにより合成できる。
【0008】
このジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノトルエン、ジアミノジフェニルメタン、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ビスアミノフェノキシベンゼン、アミノフェノキシビフェニル、ビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルフォンなどが挙げられる。
【0009】
また、酸無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物などが挙げられ、さらにトリメリット酸無水物も挙げることができる。
【0010】
合成反応に用いる極性溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライムなどが挙げられる。
【0011】
本発明の積層体に用いられるポリアミック酸層の厚みは、2〜100μm、好ましくは5〜50μmである。ポリアミック酸の厚みが2μmより小さくなると最終的に得られるポリイミド塗膜の強度が低下し、100μmより厚くなると塗膜形成が困難となる上にポリイミドのパターン精度が低下する。
【0012】
通常、本発明の積層体は、最終的に金属などの基材上にパターニングされたポリイミド層を形成させるものであるため、カールしないようにすることが肝要である。したがって、ポリアミック酸としては、硬化後に1.0×10-5〜2.5×10-5/℃の線膨張係数のポリイミドを与えることができるものが好ましい。より好ましくは、下記一般式(3)で表される構成単位を40重量%以上含むポリアミック酸である。
【化4】
Figure 0003971498
(式中、R1 〜R8 は同一でも異なっていてもよい水素、ハロゲン、アルキル基又はアルコシキ基を表わす)
また、このポリアミック酸層を2層以上の異なる構造からなるポリアミック酸層としてもよく、さらに接着性の向上などを目的としてカップリング剤や酸化防止剤などを添加することもできる。
【0013】
次に、本発明の積層体に用いられる感光性樹脂は、必須の構成成分として下記の成分を含有する酸現像型感光性樹脂である。
(1)アミン当量が100〜10,000のアミン含有酸溶解性樹脂
(2)1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体
(3)光重合開始剤
【0014】
ここでいうアミン含有酸溶解性樹脂とは、その構造中にアミンを含有する樹脂であり、その重量平均分子量が好ましくは100〜1,000,000、より好ましくは1,000〜500,000のものである。また、含有されるアミンとしては、1級、2級又は3級のいずれのアミンでも差し支えない。また、アミン含有酸溶解性樹脂中のアミン1モル当たりの分子量で定義されるアミン当量は、100〜10,000、好ましくは200〜2,000である。アミン当量が100より小さいと、感光性樹脂の酸による現像速度が大きくなりすぎ、その制御が困難である上に、現像工程での感光性樹脂の膨潤という問題が起こりやすくなる。また、アミン当量が10,000より大きいと、酸による現像を行うのが困難となる。
【0015】
本発明の積層体に用いられる好ましいアミン含有酸溶解性樹脂は、下記一般式(1)で表わされる樹脂である。
【化5】
Figure 0003971498
(式中、m及びnはそれぞれの構成成分のモル比率を表わし、m+n=100、m=1〜99である。R1 は任意の2価の有機残基であり、R2 及びR3 は水素又は任意の1価の有機残基を表わし、R4 〜R6 は同一でも異なっていてもよい水素、ハロゲン又は1価の有機残基を表わし、R7 〜R10は同一でも異なっていてもよい水素、ハロゲン又はアミンを含有しない1価の有機残基を表わす)
【0016】
そして、より好ましいアミン含有酸溶解性樹脂は、下記一般式(2)で表わされる樹脂である。
【化6】
Figure 0003971498
(式中、m及びnはそれぞれの構成成分のモル比率を表わし、m+n=100、m=1〜99である。R1 及びR2 は水素又はメチル基を表わし、R3 は任意の2価の有機残基を表わし、R4 及びR5 は水素又はアルキル基を表わし、R6 はアミンを含有しない任意の1価の有機残基を表わす)
【0017】
このようなアミン含有酸溶解性樹脂は、アミン含有構成単位とアミン非含有構成単位とからなる共重合樹脂である。アミン含有構成単位を構成する単量体としては、例えば2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート等のアミノ基含有メタクリレート(アクリレート)類から選ばれた単量体の1種又は2種以上が挙げられる。また、アミン非含有構成単位を構成する単量体としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート等のメタクリレート(アクリレート)類や、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート(アクリレート)類の他に、アクリロニトリル、スチレン、ヒドロキシスチレン、酢酸ビニルなどから選ばれた単量体の1種又は2種以上が挙げられる。
【0018】
また、感光性樹脂中の第2の必須成分は、1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体である。ここでいう単量体としては、任意の置換基又は隣接基を有するエチレン性不飽和結合を1分子中に2以上有する化合物である。このような単量体としては、例えば多官能アクリレート、多官能メタクリレート、多官能アリル化合物、多官能ビニルエーテルなどが挙げられ、反応速度の観点から好ましくは多官能アクリレート又は多官能メタクリレートである。なお、ここでいう多官能とは官能基数が2以上であることを意味する。
【0019】
多官能アクリレートを具体的に例示すると、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ジメチロール−プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートや2官能以上のエポキシ化合物のアクリル酸との反応物などが挙げられる。また、多官能メタクリレートとしては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートや2官能以上のエポキシ化合物とメタアクリル酸との反応物などが挙げられる。このような1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体を用いることで、光照射により光重合開始剤より発生したラジカルや酸等の活性種により、エチレン性不飽和結合が反応し、それによって感光性樹脂が酸に対し不溶化する。
【0020】
さらに、感光性樹脂中の第3の必須成分は、光重合開始剤である。本発明に用いられる光重合開始剤は、ラジカル発生型と酸発生型があり、合わせて用いられる1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体の種類によって選択することができる。そして、1分子中に2以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体としてアクリレート又はメタクリレートを用いる場合には、ラジカル発生型の光重合開始剤を選択するのがよい。
【0021】
光重合開始剤を具体的に例示すると、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のイオウ化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、アゾビスイソブチルニトリルなどが挙げられる。
【0022】
これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、それ自体では光重合開始剤として作用しないが、上記の化合物と組み合わせて用いることにより、光重合開始剤の能力を増大させ得るような化合物を添加することもできる。そのような化合物としては、例えばベンゾフェノンと組み合わせて使用すると効果のあるトリエタノールアミン等の第3級アミンなどを挙げることができる。
【0023】
また、本発明に用いられる感光性樹脂の成分としては、上記必須成分以外に、流動性、タック性、発色性、保存安定性などの調節を目的として、フィラー、発色剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、顔料、染料などを添加してもよい。
【0024】
本発明の積層体の製造は、特に限定されるものでなく任意の方法が採用できるが、以下の方法が簡便であり、生産性の観点からも好ましい。まず、金属箔上にポリアミック酸溶液を塗布した後、乾燥してポリアミック酸層を形成する。その際、乾燥温度はイミド化反応等の副反応を防止するために、200℃以下であることが好ましい。次いで、ポリアミック酸層の上に上記感光性樹脂溶液を塗布し、乾燥して感光性樹脂層を形成する。その際の乾燥温度は、感光性樹脂の熱的な架橋反応等を防止するために、200℃以下であることが好ましい。
【0025】
本発明の積層体は、異物混入や機械的なダメージを防止するために感光性樹脂表面にさらに保護層を形成したり、保護用のフィルムを貼り付けることも可能であり、また好ましい。
【0026】
本発明の積層体を用いて、以下の工程により金属箔上でポリイミドのパターニングを行うことができる。
(1)フォトマスクを通して感光性樹脂の必要な部分に可視光又は紫外線を照射する工程
(2)感光性樹脂の現像工程
(3)ポリアミック酸のエッチング工程
(4)感光性樹脂の剥離工程
(5)ポリアミック酸のイミド化工程
【0027】
このような工程により高精度にパターニングされたポリイミド層を形成することができる。さらに、本発明の積層体を特開平8−45,213号公報などに開示されたような配線付サスペンションに適用する場合には、上記工程の後にスパッタリングやめっきなどによりポリイミド上に導体形成することで可能となる。
【0028】
本発明の積層体を用いることで、耐熱性や信頼性に優れた高精度なポリイミドのパターニングを金属箔上で行うことが可能であり、種々の用途への応用が可能である。特に、HDDサスペンションに適用した場合、耐熱性や信頼性に加え、低アウトガス性などにも優れており、極めて好適である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、実施例における線膨張係数及びアミン当量の測定は次のとおりである。
(1)膨張係数の測定には、サーモメカニカルアナライザー(セイコー電子株式会社製、TMA−100)を用い、250℃まで昇温しさらにその温度で20分保持した後、10℃/分の速度で冷却して240℃から100℃までの平均線膨張率を求めた。
(2)アミン含有酸溶解性樹脂のアミン当量の測定については、まずアミン含有酸溶解性樹脂溶液をアミン含有酸溶解性樹脂量が1gになるように量りとり、エチルセルソルブと水の重量比で1:1の混合溶液中に溶解して、100mlになるように正確に希釈した。次にその樹脂溶液25mlを自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COMTITE−500)を用いて、0.02モル/lの乳酸水溶液で滴定し、pHが7となった時点を終点として、それまでに要した乳酸水溶液量Vmlから次式を用いて算出した。
アミン当量(g/モル)=1(g)×25(ml)/100(ml)/0.02(モル/l)/1000/ V(ml)
(3)加工精度については、直径が10μm刻みで異なる円形のパターンを有するフォトマスクを用い、良好な形状を有するポリイミドの最小穴直径を目視により判断した。また、別の方法として、幅100μmのラインと幅100μmのギャップが交互にパターン化されたフォトマスクを用いて加工し、そのポリイミド層断面を観察してエッチファクターを算出して求めた。エッチファクター(f)は下記の算出式を用いた。
f=2d/(t1 −t2
(式中、t1 はポリイミドパターン断面の台形の下底の長さ、t2 は断面の台形の上底の長さ、及びdはポリイミド層の厚さを表す)
【0030】
また、実施例等に用いられる略号は以下のとおりである。
MMA :メチルメタクリレート
HOMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
DMMA :2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
MDEGMA:メトキシジエチレングリコールメタクリレート
AIBN :アゾビスイソブチロニトリル
EGME :エチレングリコールモノエチルエーテル
DPHA :ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
PTA :ペンタエリスリトールテトラアクリレート
TMPTA :トリメチロールプロパントリアクリレート
TX :2,4−ジエチルチオキサントン
AM :p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル
DMPE :2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
MABA :4,4’−ジアミノ−2’−メトキシベンズアニリド
DAPE :4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PDA :p−フェニレンジアミン
PMDA :ピロメリット酸二無水物
BTDA :3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DMAc :N,N−ジメチルアセトアミド
【0031】
合成例1
MMA400重量部、HOMA100重量部、DMMA500重量部、AIBN15重量部、EGME1000重量部を冷却器、温度計、攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながらマントルヒーターを用いて内温を70℃まで上昇させた。そして70〜73℃に内温を維持したまま90分間攪拌を続けて重合反応を行い、アミン含有酸溶解性樹脂溶液を得た。得られたアミン含有酸溶解性樹脂のアミン当量は315g/モルであった。
【0032】
次に得られたアミン含有酸溶解性樹脂溶液100重量部、DPHA30重量部、重合開始剤としてTX及びAMをそれぞれ1重量部、着色顔料としてフタロシアニンブルー2.5重量部を3本ロールミルを用いて十分に混練分散して、酸現像型の感光性樹脂組成物Aを得た。
【0033】
合成例2
MDEGMA800重量部、DMMA200重量部、AIBN15重量部、EGME1000重量部を冷却器、温度計、攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながらマントルヒーターを用いて内温を70℃まで上昇させた。そして70〜73℃に内温を維持したまま90分間攪拌を続けて重合反応を行い、アミン含有酸溶解性樹脂溶液を得た。得られたアミン含有酸溶解性樹脂のアミン当量は785g/モルであった。
【0034】
次に得られたアミン含有酸溶解性樹脂溶液100重量部、DPHAとTMPTAをそれぞれ20重量部、重合開始剤としてDMPE1重量部、着色顔料としてフタロシアニンブルー2.5重量部、さらにアクリル樹脂フィラー(綜研化学株式会社製、MP−300)15重量部を3本ロールミルを用いて十分に混練分散して、酸現像型の感光性樹脂組成物Bを得た。
【0035】
合成例3
MDEGMA600重量部、DMMA400重量部、AIBN15重量部、EGME1000重量部を冷却器、温度計、攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながらマントルヒーターを用いて内温を70℃まで上昇させた。そして70〜73℃に内温を維持したまま90分間攪拌を続けて重合反応を行い、アミン含有酸溶解性樹脂溶液を得た。得られたアミン含有酸溶解性樹脂のアミン当量は392g/モルであった。
【0036】
次に得られたアミン含有酸溶解性樹脂溶液100重量部、PTA20重量部、重合開始剤としてTX及びAMをそれぞれ1重量部、着色顔料としてフタロシアニンブルー2.5重量部、さらにアクリル樹脂フィラー(綜研化学株式会社製、MP−300)10重量部を3本ロールミルを用いて十分に混練分散して、酸現像型の感光性樹脂組成物Cを得た。
【0037】
合成例4
MDEGMA990重量部、DMMA10重量部、AIBN15重量部、EGME1000重量部を冷却器、温度計、攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながらマントルヒーターを用いて内温を70℃まで上昇させた。そして70〜73℃に内温を維持したまま90分間攪拌を続けて重合反応を行い、アミン含有酸溶解性樹脂溶液を得た。得られたアミン含有酸溶解性樹脂のアミン当量は15,000g/モルであった。
【0038】
次に得られたアミン含有酸溶解性樹脂溶液100重量部、DPHA30重量部、重合開始剤としてTX及びAMをそれぞれ1重量部、着色顔料としてフタロシアニンブルー2.5重量部を3本ロールミルを用いて十分に混練分散して、酸現像型の感光性樹脂組成物Dを得た。
【0039】
合成例5
MABA154.4g(0.6モル)及びDAPE80.1g(0.4モル)を5リットルのセパラブルフラスコ中で、攪拌しながら2,560gのDMAcに溶解させた。次にその溶液を氷浴で冷却し窒素気流中218.1g(1モル)のPMDAを加えた。その後溶液を室温に戻し、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミック酸溶液Eを得た。得られたポリアミック酸溶液を市販の電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製 3EC−III)の光沢面に硬化後25μmの厚みになるように塗布し、130℃10分間の熱処理を行い、さらに160℃、200℃、250℃、300℃、350℃で各2分の段階的な熱処理を行った後に、銅箔を塩化第2鉄水溶液を用いてエッチング除去して得られたポリイミドフィルムの線膨張係数は1.6×10-5/℃であった。
【0040】
合成例6
DAPE200.2g(1モル)を5リットルのセパラブルフラスコ中で攪拌しながら2,650gのDMAcに溶解させた。次にその溶液を氷浴で冷却し、窒素気流中161.1g(0.5モル)のBTDA及び109.1g(0.5モル)のPMDAを加えた。その後室温に戻し、3時間攪拌を続けて重合反応行い、粘稠なポリアミック酸溶液Fを得た。得られたポリアミック酸溶液を市販の電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−III)の光沢面に硬化後25μmの厚みになるように塗布し、130℃10分間の熱処理を行い、さらに160℃、200℃、250℃、300℃、350℃で各2分の段階的な熱処理を行った後に、銅箔を塩化第2鉄水溶液を用いてエッチング除去して得られたポリイミドフィルムの線膨張係数は3.9×10-5/℃であった。
【0041】
合成例7
PDA75.7g(0.7モル)及びDAPE60.1g(0.3モル)を5リットルのセパラブルフラスコ中で攪拌しながら2,010gのDMAcに溶解させた。次にその溶液を氷浴で冷却し、窒素気流中218.1g(1モル)のPMDAを加えた。その後溶液を室温に戻し、3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミック酸溶液Gを得た。得られたポリアミック酸溶液を市販の電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−III)の光沢面に硬化後25μmの厚みになるように塗布し、130℃10分間の熱処理を行い、さらに160℃、200℃、250℃、300℃、350℃で各2分の段階的な熱処理を行った後に、銅箔を塩化第2鉄水溶液を用いてエッチング除去して得られたポリイミドフィルムの線膨張係数は2.3×10-5/℃であった。
【0042】
実施例1
アプリケータを用いて合成例5で得られたポリアミック酸溶液Eを、厚さ25μmのステンレス箔(新日本製鐵株式会社製 SUS304 H−TA材)上に硬化後10μmの厚みになるように塗布し、110℃で4分乾燥してポリアミック酸層を形成した後、その上に合成例1で得られた感光性樹脂組成物Aを乾燥後10μmの厚みになるように塗布し、110℃で4分の乾燥を行い、さらにその上に厚み16μmの保護PETフィルムを貼り付けて、ステンレス箔/ポリアミック酸/感光性樹脂/保護フィルムからなる積層体を得た。
【0043】
次に、保護PETフィルムと接触するようにフォトマスクを重ね合わせ、露光装置(ハイテック株式会社製、3000NEL)を用いて100mJ/cm2 の露光を行った後、保護PETフィルムを引き剥がし、簡易縦型シャワー装置を用いて25℃の0.3%乳酸水溶液で80秒間の現像処理ならびに30秒間の水洗を行った。次いで、120℃で3分間の乾燥を行った後、15℃の10%水酸化カリウム水溶液で15秒と45℃の温水で20秒の処理を行って、ポリアミック酸をエッチングした。
【0044】
次に、30℃の30%乳酸水溶液で露光された部分の感光性樹脂を剥離除去し、さらに30秒の水洗を行った後、熱風式オーブン中で130℃10分間の熱処理を行い、さらに160℃、200℃、250℃、300℃、350℃で各2分の段階的な熱処理を行ってポリアミック酸のイミド化を完結させ、ステンレス箔上にパターニングされたポリイミド膜を得た。
【0045】
得られたポリイミドパターンには欠け等の欠陥は認められず、加工された最小の穴直径及びエッチファクターは、それぞれ40μm、1.5と優れたものであった。また、300℃のはんだ浴に1分間浸漬したところ、膨れや剥がれの発生は認められなかった。
【0046】
実施例2
バーコーターを用いて合成例6で得られたポリアミック酸溶液Fを、厚さ20μmのステンレス箔(新日本製鐵株式会社製 SUS304 H−TA材)上に硬化後2μmの厚みになるように塗布し110℃で2分乾燥した後、その上にアプリケータを用いて合成例5で得られたポリアミック酸溶液Eを硬化後8μmの厚みになるように塗布し110℃で4分乾燥して2層構造のポリアミック酸層を形成した。次いで、合成例2で得られた感光性樹脂組成物Bを乾燥後10μmの厚みになるように塗布し110℃で4分の乾燥を行い、さらに厚み16μmの保護PETフィルムを貼り付けて、ステンレス箔/ポリアミック酸F/ポリアミック酸E/感光性樹脂/保護フィルムからなる積層体を得た。
【0047】
以下、実施例1と同様にポリイミドのパターニングを行ったところ、欠けなどの欠陥は特に認められず、加工精度も最小穴径50μm、エッチファクター1.4と優れたものであった。また、300℃のはんだ試験においても膨れや剥がれは認められなかった。
【0048】
実施例3
アプリケータを用いて合成例7で得られたポリアミック酸溶液Gを、厚み20μmのステンレス箔(新日本製鐵株式会社製 SUS304 H−TA材)上に硬化後7μmの厚みになるように塗布し、110℃で4分乾燥してポリアミック酸層を形成した後、合成例3で得られた感光性樹脂組成物Cを乾燥後10μmの厚みになるように塗布し、110℃で4分の乾燥を行い、さらに厚み9μmの保護PETフィルムを貼り付けて、ステンレス箔/ポリアミック酸/感光性樹脂/保護フィルムからなる積層体を得た。
【0049】
以下、15℃の10%水酸化カリウムの処理時間を15秒から12秒に変更した以外は実施例1と同様にポリイミドのパターニングを行った。得られたポリイミドパターンには欠けなどの欠陥は特に認められず、加工精度も最小穴径40μm、エッチファクター1.6と優れたものであった。また、300℃のはんだ試験においても膨れや剥がれは認められなかった。
【0050】
実施例4
バーコータを用いて合成例6で得られたポリアミック酸溶液Fを、厚み18μmの銅合金箔(オーリンソマーズ社製 C7025 TM−03)の粗面上に、硬化後5μmの厚みになるように塗布し110℃で2分の乾燥を行った後、その上にアプリケータを用いて合成例5で得られたポリアミック酸溶液Eを、硬化後20μmの厚みになるように塗布し130℃で4分の乾燥を行って2層構造のポリアミック酸層を形成した。次いで、合成例1で得られた感光性樹脂組成物Aを乾燥後20μmの厚みになるように塗布し110℃で4分の乾燥を行い、さらに厚み16μmの保護PETフィルムを貼り付けて、銅合金箔/ポリアミック酸F/ポリアミック酸E/感光性樹脂/保護フィルムからなる積層体を得た。
【0051】
次に、保護PETフィルムと接触するようにフォトマスクを重ね合わせ、露光装置(ハイテック株式会社製、3000NEL)を用いて100mJ/cm2 の露光を行った後、保護PETフィルムを引き剥がし、簡易縦型シャワー装置を用いて25℃の0.3%乳酸水溶液で80秒間の現像処理と30秒間の水洗を行った。次いで、120℃で3分間の乾燥を行った後、45℃の10%水酸化カリウム水溶液で25秒と45℃の温水で30秒の処理を行って、ポリアミック酸をエッチングした。
【0052】
次に、30℃の30%乳酸水溶液で露光された部分の感光性樹脂を剥離除去し、さらに30秒の水洗を行った後、熱風式オーブン中で130℃10分間の熱処理を行い、さらに160℃、200℃、250℃、300℃、350℃で各2分の段階的な熱処理を行ってポリアミック酸のイミド化を完結させ、銅合金箔上にパターニングされたポリイミド膜を得た。
【0053】
得られたポリイミドパターンには欠けなどの欠陥は認められず、加工された最小の穴直径及びエッチファクターは、それぞれ70μm、1.1と優れたものであった。また、300℃のはんだ浴に1分間浸漬したところ、膨れや剥がれの発生は認められなかった。
【0054】
比較例1
バーコーターを用いて合成例6で得られたポリアミック酸溶液Fを、厚さ20μmのステンレス箔(新日本製鐵株式会社製 SUS304 H−TA材)上に硬化後2μmの厚みになるように塗布し110℃で2分乾燥した後、その上にアプリケータを用いて合成例5で得られたポリアミック酸溶液Eを硬化後8μmの厚みになるように塗布し110℃で4分乾燥して2層構造のポリアミック酸層を形成した。次いで、合成例4で得られた感光性樹脂組成物Dを乾燥後10μmの厚みになるように塗布し110℃で4分の乾燥を行い、さらに厚み16μmの保護PETフィルムを貼り付けて、ステンレス箔/ポリアミック酸F/ポリアミック酸E/感光性樹脂/保護フィルムからなる積層体を得た。
【0055】
次に、得られた積層体を用いて実施例1と同様に行ったところ、感光性樹脂に用いているアミン含有酸溶解性樹脂のアミン当量が15,000と大きかったため、酸による現像を行うことができず、その結果ポリイミドのパターニングには至らなかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の積層体を用いることにより、水系の薬液による簡易なプロセスで、耐熱性等の特性に優れた高精度のポリイミドパターンを金属箔上に形成することが可能であり、配線付のHDDサスペンションなどの用途に極めて好適である。

Claims (5)

  1. 金属箔上に形成されたポリアミック酸層と酸現像型感光性樹脂層を有する積層体であって、酸現像型感光性樹脂層が必須の構成成分として下記成分を含有することを特徴とする積層体。
    (1)アミン当量が100〜10,000の下記一般式(1)で表されるアミン含有酸溶解性樹脂
    Figure 0003971498
    (式中、m及びnはそれぞれの構成成分のモル比率を表わし、m+n=100、m=1〜99である。R 1 は任意の2価の有機残基であり、R 2 及びR 3 は水素又は任意の1価の有機残基を表わし、R 4 〜R 6 は同一でも異なっていてもよい水素、ハロゲン又は1価の有機残基を表わし、R 7 〜R 10 は同一でも異なっていてもよい水素、ハロゲン又はアミンを含有しない1価の有機残基を表わす)
    (2)多官能アクリレート又は多官能メタクリレート
    (3)光重合開始剤
  2. 金属箔がステンレス箔である請求項1に記載の積層体。
  3. アミン含有酸溶解性樹脂が下記一般式(2)で表される樹脂である請求項1記載の積層体。
    Figure 0003971498
    (式中、m及びnはそれぞれの構成成分のモル比率を表わし、m+n=100、m=1〜99である。R1 及びR2 は水素又はメチル基を表わし、R3 は任意の2価の有機残基を表わし、R4 及びR5 は水素又はアルキル基を表わし、R6 はアミンを含有しない任意の1価の有機残基を表わす)
  4. ポリアミック酸が下記一般式(3)で表される構成単位を40重量%以上含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
    Figure 0003971498
    (式中、R 1 〜R 8 は同一でも異なっていてもよい水素、ハロゲン、アルキル基又はアルコシキ基を表わす)
  5. ポリアミック酸層が硬化後に1.0×10-5〜2.5×10-5/℃の熱膨張係数のポリイミドを与えるものである請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
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