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JP3972003B2 - 信号切替装置 - Google Patents
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JP3972003B2 - 信号切替装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に高周波回路の技術分野に関し、特に入力信号の伝送経路を切り替える信号切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルラ通信や衛星通信等における無線基地局、中継器その他の通信機器では、入力信号の伝送経路を適宜切り替えるための信号切替装置が使用されている。これは、信号切替装置の入力経路から高周波信号を受信し、複数の伝送経路の中から所望の経路を選択し、その経路から出力信号が出力されるように、信号を分岐させるものである。
【0003】
特開平9−275302号公報(特許文献1)にて開示されるマイクロ波スイッチは、分岐部分から分岐された複数のマイクロストリップ線路のそれぞれに酸化物超伝導線路を設け、分岐部分及び酸化物超伝導線路の間に直流素子回路を設け、酸化物超伝導線路のそれぞれの超伝導状態の設定と常伝導状態の設定とを切り替える。このような構成を採用することで、特許文献1記載発明は、選択されていない経路へのマイクロ波の洩れ込み量を少なくし、アイソレーション特性を向上させようとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−275302号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術によってアイソレーション特性を向上させる場合に、所望の伝送経路に流れる信号レベルの劣化又は損失が小さくなるとは限らない。場合によっては、入力信号の内、選択されていない伝送経路(の後段の回路)へ流れる信号成分がゼロであったとしても、伝送経路長その他の要因に依存して、選択した伝送経路に流れる信号成分が入力信号に比べて非常に劣化する場合がある。従って、信号の切替を良好に行うには、アイソレーション特性だけでなく、信号劣化を小さくすることにも配慮することを要するが、従来の手法ではこれらの要請は充分に達成されていない。
【0006】
また、この種の信号切替を行うための装置は、各伝送経路の出力すなわち装置の各出力に、機械的なスイッチ又は半導体スイッチのようなスイッチ素子が設けられている。これも、不要な信号が後段の回路に流れないように、アイソレーション特性を向上させるためのものである。しかしながら、機械的なスイッチは、その構成部材の摩耗等に起因して信頼性が低くなるという問題が生じ得る。半導体スイッチを利用した場合には、機械的なスイッチで懸念される問題を回避することは可能であるが、アイソレーション特性が機械的なスイッチのものより劣る点で不利である。また、半導体スイッチ自体の動作の信頼性にも配慮しなければならなくなる。更に、このようなスイッチ素子を使用すると、適切にスイッチングするための制御信号を作成し、これに応じてスイッチング動作をするよう装置を形成する必要があり、信号切替を行う装置が複雑化してしまうという問題も生じ得る。
【0007】
本願の一般的な課題は、アイソレーション特性を良好に維持しつつ、低損失で信号を伝搬させることを可能にする信号切替装置を提供することである。
【0008】
本願の具体的な課題は、アイソレーション特性を良好に維持しつつ、低損失で信号を伝搬させることが可能であって、機械的スイッチや半導体スイッチのようなスイッチ素子を出力に接続することを必要としない信号切替装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、入力経路に結合された複数の伝送経路の内の所望の伝送経路から出力信号を出力する信号切替装置が提供される。本装置は、前記複数の伝送経路に含まれる第1伝送経路に直列に接続され、超伝導材料より成る第1線路を有する第1可変インピーダンス回路と、前記複数の伝送経路に含まれる第2伝送経路に並列に接続され、超伝導材料より成る第2線路を有する第2可変インピーダンス回路であって、前記第2線路の断面積が前記第2伝送経路の断面積より小さいところの第2可変インピーダンス回路を有する。
【0010】
第2線路が超伝導状態にある場合に、前記第1及び第2伝送経路の分岐点から前記第2伝送経路への入力インピーダンスが、充分に大きな所定値より大きくなるように、前記第2伝送経路の長さが規定される。従ってこの場合には第2伝送経路に信号は流れない。第2線路の断面積は第2伝送経路の断面積より小さく形成されるので、常伝導状態における第2線路の入力インピーダンスは非常に大きくなる。従ってこの場合には第2線路に信号は流れず、第2伝送経路の後段に良好に信号を伝搬させることができる。これにより、アイソレーション特性を良好に維持しつつ、低損失で信号を伝搬させることが可能になる。
【0011】
本発明によれば、第2線路の線路長が、信号切替装置に入力される信号の波長の1/2の整数倍又は1/4の奇数倍程度に規定される。これにより、線路の入力インピーダンスをスミス図表における短絡点又は開放点にできるだけ近づけることが可能になる。
【0012】
本発明によれば、第2線路の線路長が、信号切替装置に入力される信号の波長の1/4倍程度に規定される。これにより、1/2波長とした場合よりも短く、かつ線路の入力インピーダンスZをスミス図表における短絡点又は開放点にできるだけ近づけることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図1,図2及び図3は、本願第1実施例による信号切替装置の平面図及び端面図を示す。図1は信号切替装置100の平面図を示す。図2は図1のAA線断面における端面図を示す。図3は図1のBB線断面における端面図を示す。信号切替装置100は、高周波数の入力信号を第1伝送経路又は第2伝送経路に分岐させる分岐部102と、分岐部102に接続され、第1伝送経路を形成する第1線路部104及びこの第1線路部104に接続された第2線路部106を有する。また、信号切替装置100は、分岐部102に接続され第2伝送経路を形成する第3線路部108を有する。各線路部は、コプレナ線路(coplanar wave guide)を形成し、中心部のストリップ導体112,114に対してギャップを隔てて両側に接地導体116,118,120,122,124が設けられている。
【0014】
第2線路部106は超伝導材料より成り、分岐部102、第1線路部104は常伝導材料より成る。第3線路部108にはストリップ導体112及び接地導体118の間に、第4線路130が設けられ、これは線路幅w4を有する超伝導材料より成る。言い換えれば、第4線路部130は、ストリップ導体112に並列に接続されている(ちなみに、第2線路部のストリップ導体114は、ストリップ導体112に直列に接続されている。)。第3線路部108は、第4線路130を除いて常伝導材料より成る。なお、図2,図3に示されるように、これら各線路部は誘電体材料126上に形成される。
【0015】
超伝導材料より成る第2線路部106及び第4線路130は、臨界温度(例えば、70K)より高い状態では常伝導性であるが、臨界温度以下に冷却されると超伝導状態となり、電気抵抗の極めて低い導体となる。第2線路部106及び第4線路に使用される超伝導材料は、その臨界温度、常伝導状態での抵抗率、線路長等に依存して適宜選択される。具体的には、所定の金属、金属酸化物及びセラミクスを使用することが可能であり、それらは、例えば、Nb−Ti、NbSn、VGa、YBCO(イットリウム−バリウム−銅−酸素)、RE−BCO(RE−バリウム−銅−酸素)、BSCCO(ビスマス−ストロンチウム−カルシウム−銅−酸素)、BPSCCO(ビスマス−鉛−ストロンチウム−カルシウム−銅−酸素)、HBCCO(水銀−バリウム−カルシウム−銅−酸素)又はTBCCO(チタン−バリウム−カルシウム−銅−酸素)のような材料により形成することが可能である。この場合において、REは、La(ランタン)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)又はLu(ルテチウム)を示す。
【0016】
簡単のため図示していないが、第2線路部106の出力には、第2線路部106が超伝導状態のときに整合するように調整された回路が接続される。第3線路部108の出力には、第4線路130が超伝導状態でないとき(常伝導状態のとき)に整合するように調整された回路が接続される。第1線路部104及び第2線路部106は、第2線路部106が超伝導状態のときに、第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第1伝送経路への入力インピーダンスZXO1が特性インピーダンスに整合するように、線路長、線路幅、誘電体126の誘電率及び厚さ、各接地導体との間のギャップ等が調整される。
【0017】
第2線路部106(ストリップ導体114)は、入力側の所定長L2の区間において、線路幅w1が、出力端での線路幅w2よりも非常に細く形成されている。このように細長く形成するのは、後述するように、第2線路部106が常伝導状態にあるときに、電気抵抗を大きくするためである。本実施例では、細い線路幅w1から太い線路幅w2へテーパ状に(連続的に)変化させているが、本発明は必ずしもこのような形状に限定されず、他の形状を採用することも可能である。例えばそれを段階的に変化させることが可能である。ただし、線路幅を変化させる場合に、線路の特性インピーダンスが変化しないようにする必要がある。コプレナ線路にてそれを行うには、線路幅とギャップの関係を適切に調整することを要する。具体的には、線路幅の広狭に合わせて、ギャップを広くしたり狭くしたりすることで、特性インピーダンスを一定に維持することが可能である。このため、図示されているように、線路幅の細い部分でのギャップは、線路幅の太い部分でのギャップより小さくなっている。
【0018】
線路の長さL1,L2,L3は、適切な長さに適宜変更可能であるが、例えば0.1ないし数ミリメートルの範疇の大きさを有する。線路幅についても様々な値をとり得るが、例えばw1を3μmとし、w2を10μmとすることが可能である。
【0019】
第4線路130は、非常に細い線路幅w4及び経路長L4を有するように形成される。本実施例では、第4線路130は、接地導体118に接続され、外部から分岐部102に入力される高周波信号の半波長(又は半波長の整数倍)程度の長さを有する。このため、ストリップ導体112と第4線路130との接続ノードOから、第4線路130への入力インピーダンスZO2は、超伝導状態にて実質的にゼロ(充分に小さな所定値より小さい値)になるが、常伝導状態では実質的に無限大であるような非常に高い値(充分に大きな所定値より大きい値)になる。
【0020】
動作を次に説明する。先ず、分岐部102に入力された高周波の入力信号を第2伝送経路に伝送する場合を説明する。この場合に、第2線路部106及び第4線路130は非超伝導状態に設定される。第4線路130は、非常に細長い形状を有するので、常伝導状態の場合には、そのインピーダンスが非常に大きくなる。このため、ストリップ導体112内を伝搬する信号は、第4線路130の側には実質的に流れない。第2伝送経路の第3線路部108及びその後段に接続される回路(図示せず)は整合のとれた状態にある。従って、分岐部102から第2伝送経路(第3線路部108)へ流れる信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能になる。
【0021】
一方、第1伝送経路では、第1線路部104及び常伝導体となった第2線路部106が不整合状態となる。第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第1伝送経路への入力インピーダンスZXO1が非常に大きい(理想的には無限大)ならば、分岐部102に入力された信号は、第1伝送経路には流れず、低損失で第2伝送経路を伝搬することができる。本実施例では、この入力インピーダンスZXO1が非常に大きな所定値を越えるように(実質的には無限大になるように)、経路長L1,L2等を調整している。なお、常伝導状態における第2線路部106のインピーダンスを、線路長、線路幅、常伝導状態における抵抗率、誘電率等により、充分に大きくすることが可能であるならば、第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第2線路部106までの距離(L1)を実質的にゼロにすることも可能である。
【0022】
次に、分岐部102に入力された入力信号を第1伝送経路に伝送する場合を説明する。この場合に、第2線路部106及び第4線路130は超伝導状態に設定される。上述したように、第1伝送経路における第1線路部104及び超伝導体となった第2線路部106は、整合状態にある。従って、分岐部102から第1伝送経路に伝搬する信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能である。一方、第4線路130が超伝導状態になると、ストリップ導体112から第4線路130への入力インピーダンスは実質的にゼロになる。従って、仮にストリップ導体112と第4線路130の接続ノードOへ信号が伝搬したとしても、その信号は第2伝送経路の後段の回路には伝搬せず、第4線路130を伝搬するであろう。しかしながら、本実施例では、第4線路130が超伝導状態である場合に、第1及び第2伝送経路の分岐点XからOを見た入力インピーダンスZXO2が非常に大きくなるように(実質的に無限大になるように)、第3線路部108の長さL3が調整される。このようにすると、第2伝送経路には信号が実質的に流れず、低損失で第1伝送経路に信号を流すことが可能になる。これにより、低損失且つ高アイソレーションの信号切替装置が得られる。
【0023】
以下、経路長L1,L3及び経路長L4の調整手法について、図4及び図5のスミス図表を用いて説明する。
【0024】
図4に示されるスミス図表の原点Oは、本実施例におけるコプレナ線路の特性インピーダンスに対応する。先ず、第2線路部106が超伝導状態にある場合には、上述したように、第1及び第2線路部104,106が整合しており、第1伝送経路の入力インピーダンスZXO1は、第1線路部104の特性インピーダンスに等しい。従って、スミス図表にて、この場合の第2線路部106への入力インピーダンスZO1は、原点又は原点近傍のQ点に位置付けられる。次に、第2線路部106が常伝導状態に切り替えられると、第2線路部106への入力インピーダンスは、特性インピーダンスとは異なるものになり、第1線路部104と第2線路部106(及びそれ以降の回路)とは不整合となる。従って、この場合の入力インピーダンスZO1は、原点から離れた地点Rに位置付けられる。
【0025】
一般に、スミス図表上の点Sに対応する線路上の地点から、距離dだけ線路上を進んだ地点Sは、スミス図表上ではSexp(−j2βd)により表現される点に位置付けられる。ここで、βは位相定数である。従って、線路の長さを変化させることは、スミス図表上では、ある円の円周上を移動することになる。線路の長さを、0から入力信号波長の1/2まで変化させると、その軌跡は1つの円を描き、線路長をそれ以上変化させてもインピーダンスを表す点は同一の円周上に位置付けられる。スミス図表では、原点を通る水平な直線Kの最右端の点Pは、インピーダンスの無限大となる状態に対応し、最左端の点Tはインピーダンスが0になる状態に対応する。したがって、入力インピーダンスZXO1を大きくするには、線路長L1を調整し、円Iと直線Kの交点R’に入力インピーダンスZXO1を表す点が位置付けられるようにし、これにより点Rに位置付けられる入力インピーダンスZXO1が点Pにできるだけ接近するようにすればよい。
【0026】
本願実施例では、第2線路部106における所定長L2の区間は、出力端の線路幅w2よりも非常に細い線路幅w1を有するよう形成されている。このため、第2線路部106は、常伝導状態にて、線路幅が太く一定である場合に比べて非常に大きな抵抗を有することになる。第2線路部106は、超伝導状態では非常に小さな入力インピーダンスZO1を有するが、常伝導状態では非常に大きな入力インピーダンスZO1を有する。このため、両状態間での入力インピーダンスZO1は、線路幅が太く一定である場合(例えば、第2線路部の全区間を通じて線路幅がw2である場合)に比べて、非常に大きく変化することになる。超伝導及び常伝導の両状態間で、第2線路部106の入力インピーダンスZO1の変化量が大きいということは、スミス図表における原点から入力インピーダンスを表す点までの距離(円の半径)がゼロであるもの又は非常に小さいものと、非常に大きいもの(円I)とが現れることを意味する。この距離が大きければ、それだけ入力インピーダンスZO1又はZXO1を点Pに接近させることが可能になる。
【0027】
仮に、第2線路部106の入力端から出力端までの全区間を通じて、太い線路幅のw2で一定であったとすると、常伝導状態における線路の抵抗は大きくなるものの、細長い区間を形成していないので、さほど大きくならない。このため、超伝導状態と常伝導状態との間の入力インピーダンスZO1の変化量も小さくなり、スミス図表における常伝導状態における入力インピーダンスZO1は、半径の小さな円J上の点、例えば地点Sに位置付けられることになる。なお、この場合においても、なるべく入力インピーダンスZXO1を大きくするために、線路の長さを調整して、入力インピーダンスが円Jと直線Kとの交点S’に対応するようにすることが可能である。
【0028】
スミス図表における原点Oからの距離(円の半径)は、伝送経路における反射率に相当する。整合状態での入力インピーダンス(特性インピーダンス)は原点に対応していたが、これは、第1伝送経路における線路に対する反射率が0であり、反射されることなく信号の総てが伝搬することに対応する。逆に、反射率が1であったならば、入力信号は総て反射され第1線路部104には全く伝送されないことに対応する。反射率が小さくなると、その分だけ第1伝送経路内に流れ込む信号が増えることになる。すなわち、第2伝送経路に流れる信号が減少してしまう。したがって、第2線路部106の常伝導状態時に、第1伝送経路にできるだけ入力信号を伝送させないようにするには、反射率を大きくする(原点からの距離を大きくする)必要がある。本実施例によれば、第2線路部106に細長い区間を設けることで、入力インピーダンスZO1の変化量を大きくしている。このため、第1伝送経路の入力インピーダンスZXO1を大きくすることができる(点Pに近づける)ことに加えて、反射率をも大きくすることが可能になる。
【0029】
図5を参照しながら、第4線路130についての説明を行う。図5に示されるスミス図表の原点Oは、本実施例におけるコプレナ線路の特性インピーダンスに対応する。この点、図4と同様である。先ず、第4線路130が超伝導状態にある場合は、第4線路130の電気抵抗は実質的にゼロになる。第4線路130の長さL4は、入力信号波長の1/2に設定されている。したがって、この場合の、接続ノードOから第2線路130への入力インピーダンスZO2は、最左端の点T又はその近傍の点Aに位置付けられる。第4線路130を超伝導状態にして、第1伝送経路に信号を伝搬させる場合には、分岐点Xから第2伝送経路への入力インピーダンスZXO2が実質的に無限大になるように、第2伝送経路の経路長L3を調整する必要がある。具体的には、経路長L1を調整したのと同様に、点Aと点Pとの間の位相角を見出すことで、入力インピーダンスZXO2が実質的に無限大になるような経路長L3を見出することが可能である。
【0030】
第4線路130が常伝導状態に切り替えられると、第4線路130は非常に細長い形状を有するので、この場合の入力インピーダンスZO2は非常に大きくなる(実質的に無限大である。)。従って、スミス図表上の最右端P又はその近傍の点Bに位置付けられる。したがって、第1伝送経路に信号を流す場合に、第2伝送経路に信号が流れ込むことに起因する信号損失は、極めて効果的に抑制される。
【0031】
図6は、図1に示されるような信号切替装置の概略的な全体図を示す。図示されているように、信号切替装置600は、入力経路602と、複数の出力経路604とを有する切替部606を有する。更に、信号切替装置600は、切替部606に接続され、複数の出力経路604の内の所望の経路を選択するための選択部608を有する。切替部606は図1に示すものと同様の構成を有する。選択部608は、必要に応じて、切替部606内の伝送経路に関連する超伝導材料を、超伝導状態又は非超伝導状態にする。
【0032】
選択部608は、例えば、超伝導材料に印加する電流又は磁界を調整することによって、状態変化を行わせることが可能である。選択部608は、例えば、冷却されている超伝導材料の温度を上昇させるためのヒータを利用して、状態変化を行わせることが可能である。あるいは逆に、選択部608は、例えば、超伝導材料を冷却するための冷却部(クーラー等)の運転状態を変更することで、状態変化を行わせることも可能である。いずれにせよ、選択部608は、超伝導材料の状態を変化させ得る任意の手段を利用して、複数の経路604の中から所望の経路を選択することを可能にする。
【0033】
図7,図8,図9は、本願第1実施例による信号切替装置の平面図及び端面図を示す。図中、図1,図2,図3で説明したのと同様の要素には、「7」で始まることを除いて同一の参照番号が付されている。この信号切替装置700は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部702と、第1線路部704及びこの第1線路部704に接続された第2線路部706を有する。また、信号切替装置700は、分岐部702に接続され第2伝送経路を形成する第3線路部708を有する。各線路部はコプレナ線路を形成し、中心部のストリップ導体712,714に対してギャップを隔てて両側に接地導体716,718,720,722,724が設けられている。
【0034】
第2線路部706は、図1に関して説明したのと同様な超伝導材料より成り、分岐部702、第1線路部704は常伝導材料より成る。更に、第3線路部708には、ストリップ導体712及び接地導体718の間に、第4線路730が設けられ、これは線路幅w4を有する超伝導材料より成る。第3線路部708は、第4線路730を除いて常伝導材料より成る。なお、図8,図9に示されるように、これら各線路は誘電体材料726上に形成される。
【0035】
本実施例では、第2線路部706は、図8に示されるように、入力側の所定長L2の区間における線路幅が、出力端での線路幅w2と同じく太く形成されている。ただし、この区間における線路414の厚みt1が、出力端における厚みt2より薄く形成されている。第1線路部704及び第2線路部706は、第2線路部706が超伝導状態のときに、第1線路部704の特性インピーダンスと第2線路部706の入力インピーダンスが整合するように、線路の厚みt1、誘電体726の誘電率及び厚さ、各接地導体との間のギャップ等が調整される。本実施例では、第2線路部706に薄く長い区間を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、厚みを厚く一定に形成した場合に比較して大きくしている。すなわち、超伝導状態と常伝導状態の間における入力インピーダンスZO1の変化量を大きくする観点からは、図1に示すように所定の区間L2における線路の形状を細くして厚みを一定にしてもよいし、太いままで厚みを薄くすることも可能である。
【0036】
更には、図1に示すように細い線路幅w1で且つ図8に示すように薄く線路を形成することも可能である。このようにすると、常伝導状態における抵抗値を一層大きくすることが可能になる。いずれにせよ、所定長の区間における線路の断面積を出力端のものより小さくすることで、常伝導状態における抵抗値を大きくすることが可能である。線路幅の異なる回路を後段に接続する際は、線路幅の不連続点における信号の散乱を抑制する等の観点から両者を良好に接続するための接続コネクタを要するのが一般的である。しかし、本実施例のように線路幅を一定にすると、そのようなコネクタを必要としないので、コネクタの分だけ小型化及び低コスト化を図ることができる点で有利である。
【0037】
本実施例の第4線路730は、図9に示されるように、非常に薄い厚さt4を有するように形成される。本実施例では、第4線路730は、接地導体718に接続され、分岐部702に入力される高周波信号の半波長(又は半波長の整数倍)程度の長さを有する。このため、ストリップ導体712と第4線路730との接続ノードOから、第4線路130への入力インピーダンスZO2は、超伝導状態にて実質的にゼロとなり、常伝導状態では実質的に無限大であるような非常に高い値になる。図1の第4線路130は、細い線幅w4と厚い厚さを有していたが、本実施例では線幅は太いが厚さが薄く形成されている。いずれにせよ、線路の断面積を小さくすることで、常伝導状態における電気抵抗を増大させるためである。従って、図1に示すように細い線幅w1で且つ図9に示すように薄く形成することも可能である。このようにすると、常伝導状態における抵抗値を一層大きくすることが可能になる。なお、各伝送経路における線路長は、上述したのと同様な手法で設定される。
【0038】
動作については、図1に関して説明したものと同様である。分岐部702に入力された高周波の入力信号を第2伝送経路に伝送する場合には、第2線路部706及び第4線路730は非超伝導状態に設定される。常伝導状態では、第4線路730のインピーダンスが非常に大きくなるので、ストリップ導体712内を伝搬する信号は、第4線路730の側には実質的に流れない。第2伝送経路の第3線路部708及びその後段に接続される回路(図示せず)は整合のとれた状態にある。従って、分岐部702から第3線路部708へ流れる信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能になる。
【0039】
一方、第1伝送経路では、第1線路部704及び常伝導体となった第2線路部706が不整合状態となる。第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第1伝送経路への入力インピーダンスZXO1が非常に大きいので、分岐部102に入力された信号は、第1伝送経路には流れず、低損失で第2伝送経路を伝搬することができる。
【0040】
次に、分岐部702に入力された入力信号を第1伝送経路に伝送する場合には、第2線路部706及び第4線路730は超伝導状態に設定される。上述したように、第1伝送経路における第1線路部704及び超伝導体となった第2線路部706は、整合状態にある。従って、分岐部702から第1伝送経路に伝搬する信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能である。一方、第4線路730が超伝導状態になると、ストリップ導体712から第4線路730への入力インピーダンスは実質的にゼロになる。しかしながら、第1及び第2伝送経路の分岐点XからOを見た入力インピーダンスZXO2が非常に大きくなるように(実質的に無限大になるように)、第3線路部708の長さL3が調整される。このため、第2伝送経路には信号が実質的に流れず、低損失で第1伝送経路に信号を流すことが可能になる。
【0041】
[第2実施例]
図10,図11,図12は、本願第2実施例による信号切替装置の平面図及び端面図を示す。図中、図1,図2,図3で説明したのと同様の要素には、「10」で始まることを除いて同一の参照番号が付されている。この信号切替装置1000は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部1002と、第1線路部1004及びこの第1線路部1004に接続された第2線路部1006を有する。また、信号切替装置1000は、分岐部1002に接続され第2伝送経路を形成する第3線路部1008を有する。各線路部はマイクロストリップ線路を形成し、図11,図12に示されるように、ストリップ導体1012,1014は、所定の誘電率を有する誘電体材料1026上に設けられ、この誘電体材料1026は接地導体1016上に設けられる。
【0042】
第2線路部1006は、図1に関して説明したのと同様な超伝導材料より成り、分岐部1002、第1線路部1004は常伝導材料より成る。更に、第3線路部1008には、一端がストリップ導体1012に接続され、線路幅w4及び長さL4を有し超伝導材料より成る第4線路1030が設けられる。第4線路1030の他端は、導電性のビアホール(via hole)部材1032を通じて接地導体1016に接続される。言い換えれば、第4線路1030は、ストリップ導体1012に並列に接続される。第3線路部1008は、第4線路1030を除いて常伝導材料より成る。第4線路1030は、図1に関して説明したのと同様な超伝導材料より成る。
【0043】
本実施例では、第2線路部1006は、入力側の所定長L2の区間における線路幅が、出力端での線路幅w2より細く形成されている。ただし、この区間における線路1014の厚みt1が、出力端における厚みt2より薄く形成されている。一般に、マクロストリップ線路における特性インピーダンスは、線路幅、誘電体の厚さ(ストリップ導体から接地導体までの距離)、誘電率等によって変化する。従って、第2線路部1006の伝送経路において、線路幅を変更しても特性インピーダンスを同一に維持するために、線路幅の細いL2の区間の厚みt1が、出力端におけるものより薄く形成されている。本実施例では、第2線路部1006に薄く長い区間を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、厚みを厚く一定に形成した場合に比較して大きくしている。
【0044】
なお、図13に示されるように、誘電体1026の厚みを変更すべき区間L2にて、異なる誘電率の誘電体1017を利用することも可能である。このようにすると、ストリップ導体114から接地導体1016まで距離を、全区間にわたって一定に(t2)に維持することが可能になる。
【0045】
本実施例の第4線路1030は、図10,図12に示されるように、線路幅w4は非常に細い反面、その厚みt4は厚く形成されている。第4線路1030は、接地導体1016に接続され、分岐部1002に入力される高周波信号の半波長(又は半波長の整数倍)程度の長さを有する。このため、ストリップ導体1012と第4線路1030との接続ノードOから、第4線路1030への入力インピーダンスZO2は、超伝導状態にて実質的にゼロとなり、常伝導状態では実質的に無限大であるような非常に高い値になる。なお、各伝送経路における線路長は、上述したのと同様な手法で設定される。
【0046】
動作については、図1に関して説明したものと同様である。分岐部1002に入力された高周波の入力信号を第2伝送経路に伝送する場合には、第2線路部1006及び第4線路1030は非超伝導状態に設定される。常伝導状態では、第4線路1030のインピーダンスが非常に大きくなるので、ストリップ導体1012内を伝搬する信号は、第4線路1030の側には実質的に流れない。第2伝送経路の第3線路部1008及びその後段に接続される回路(図示せず)は整合のとれた状態にある。従って、分岐部1002から第3線路部1008へ流れる信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能になる。
【0047】
一方、第1伝送経路では、第1線路部1004及び常伝導体となった第2線路部1006が不整合状態となる。第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第1伝送経路への入力インピーダンスZXO1が非常に大きいので、分岐部1002に入力された信号は、第1伝送経路には流れず、低損失で第2伝送経路を伝搬することができる。
【0048】
次に、分岐部1002に入力された入力信号を第1伝送経路に伝送する場合には、第2線路部1006及び第4線路1030は超伝導状態に設定される。上述したように、第1伝送経路における第1線路部1004及び超伝導体となった第2線路部1006は、整合状態にある。従って、分岐部1002から第1伝送経路に伝搬する信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能である。一方、第4線路1030が超伝導状態になると、ストリップ導体712から第4線路1030への入力インピーダンスは実質的にゼロになる。しかしながら、第1及び第2伝送経路の分岐点XからOを見た入力インピーダンスZXO2が非常に大きくなるように、第3線路部1008の長さL3が調整されている。これにより、第2伝送経路には信号が実質的に流れず、低損失で第1伝送経路に信号を流すことが可能になる。
【0049】
図14,図15,図16は、本願第2実施例による信号切替装置の変形例の平面図及び端面図を示す。図中、図1,図2,図3で説明したのと同様の要素には、「14」で始まることを除いて同一の参照番号が付されている。この信号切替装置1400は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部1402と、第1線路部1404及びこの第1線路部1404に接続された第2線路部1406を有する。また、信号切替装置1400は、分岐部1402に接続され第2伝送経路を形成する第3線路部1408を有する。各線路部はマイクロストリップ線路を形成し、図15,図16に示されるように、ストリップ導体1412,1414は、所定の誘電率を有する誘電体材料1426上に設けられ、この誘電体材料1426は接地導体1416上に設けられる。
【0050】
第2線路部1406は、図1に関して説明したのと同様な超伝導材料より成り、分岐部1402、第1線路部1404は常伝導材料より成る。更に、第3線路部1408には、一端がストリップ導体1412に接続され、線路幅w4及び長さL4を有し超伝導材料より成る第4線路1430が設けられる。第4線路1430の他端は、導電性のビアホール部材1432を通じて接地導体1416に接続される。第3線路部1408は、第4線路1430を除いて常伝導材料より成る。第4線路1430は、図1に関して説明したのと同様な超伝導材料より成る。
【0051】
本実施例では、第2線路部1406は、入力側の所定長L2の区間における線路幅w1と出力端での線路幅とが同一に形成されている。ただし、この区間における線路1414の厚みt1が、出力端における厚みt2より薄く形成されている。第2線路部1406に薄く長い区間を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、厚みを厚く一定に形成した場合に比較して大きくしている。
【0052】
本実施例の第4線路1430は、図14,図16に示されるように、線路幅w4は比較的広いが厚みt4は厚く形成されている。第4線路1430は、接地導体1416に接続され、分岐部1002に入力される高周波信号の半波長(又は半波長の整数倍)程度の長さを有する。このため、ストリップ導体1012と第4線路1430との接続ノードOから、第4線路1430への入力インピーダンスZO2は、超伝導状態にて実質的にゼロとなり、常伝導状態では実質的に無限大であるような非常に高い値になる。
【0053】
上述したように、超伝導状態と常伝導状態の間における入力インピーダンスZO1の変化量を大きくする観点からは、図10に示すように所定の区間L2及び区間L4における線路の形状を細くして厚みを一定にしてもよいし、図14に示すように太いままで厚みを薄くすることも可能である。更には、図10に示すように細い線路幅w1,w4で且つ図15,図16に示すように薄く線路を形成することも可能である。このようにすると、常伝導状態における抵抗値を一層大きくすることが可能になる。いずれにせよ、線路の断面積を小さくすることで、常伝導状態における抵抗値を大きくすることが可能である。なお、各伝送経路における線路長は、上述したのと同様な手法で設定される。
【0054】
動作については、図1に関して説明したものと同様である。分岐部1402に入力された高周波の入力信号を第2伝送経路に伝送する場合には、第2線路部1406及び第4線路1430は非超伝導状態に設定される。常伝導状態では、第4線路1430のインピーダンスが非常に大きくなるので、ストリップ導体1412内を伝搬する信号は、第4線路1430の側には実質的に流れない。第2伝送経路の第3線路部1408及びその後段に接続される回路(図示せず)は整合のとれた状態にある。従って、分岐部1402から第3線路部1408へ流れる信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能になる。
【0055】
一方、第1伝送経路では、第1線路部1404及び常伝導体となった第2線路部1406が不整合状態となる。第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第1伝送経路への入力インピーダンスZXO1が非常に大きいので、分岐部1402に入力された信号は、第1伝送経路には流れず、低損失で第2伝送経路を伝搬することができる。
【0056】
次に、分岐部1402に入力された入力信号を第1伝送経路に伝送する場合には、第2線路部1406及び第4線路1430は超伝導状態に設定される。上述したように、第1伝送経路における第1線路部1404及び超伝導体となった第2線路部1406は、整合状態にある。従って、分岐部1402から第1伝送経路に伝搬する信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能である。一方、第4線路1430が超伝導状態になると、ストリップ導体1412から第4線路1430への入力インピーダンスは実質的にゼロになる。しかしながら、第1及び第2伝送経路の分岐点XからOを見た入力インピーダンスZXO2が非常に大きくなるように、第3線路部1408の長さL3が調整されている。これにより、第2伝送経路には信号が実質的に流れず、低損失で第1伝送経路に信号を流すことが可能になる。
【0057】
[第3実施例]
図17は、本願第3実施例による信号切替装置の概略図を示す。この信号切替装置1700は、第1及び第2実施例とは異なり、同軸線路を形成する。信号切替装置1700は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部1702と、第1線路部1704及びこの第1線路部1704に接続された第2線路部1706を有する。信号切替装置1700は、第2伝送経路を形成する分岐部1702に結合された第3線路部1708を有する。第2線路部1706の中心導体1714は超伝導材料より成り、分岐部1702及び第1線路部1704の中心導体1712は常伝導材料より成る。第3線路部1708では、中心導体1712及び外周の接地導体の間に、第4線路1730が設けられ、これは線路直径w4及び線路長L4を有する超伝導材料より成る。言い換えれば、第4線路部1730は、中心導体1712に並列に接続されている。第3線路部1708は、常超伝導材料より成る中心導体1712と、その周囲に設けられた誘電体材料と、その外周に設けられた接地導体と、上記の第4線路1730より成る。
【0058】
本実施例では、第2線路部における中心導体1714は、入力側の所定長L2の区間における直径w1が、出力端での線路幅w2より小さく形成されている。ただし、この区間におけるケーブルの直径も、出力端における直径より小さく形成されている。同軸線路における特性インピーダンスは、導体直径、誘電体の厚さ(接地導体までの距離)、誘電体の誘電率等によって変化する。導体直径が異なっても特性インピーダンスを一定に維持するために、導体直径の細い区間における誘電体の厚みが、出力端における誘電体の厚みより薄く形成されている。
【0059】
第1線路部1704及び第2線路部1706は、第2線路部1706が超伝導状態のときに、第1線路部1704の特性インピーダンスと第2線路部1706の入力インピーダンスが整合するように、線路の直径、誘電体の誘電率及び直径等が調整される。本実施例では、第2線路部1706に細く長い区間L2を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、直径を太く一定に形成した場合に比較して大きくしている。上記のコプレナ線路及びマイクロストリップ線路の場合と同様に、超伝導状態と常伝導状態の間における入力インピーダンスZO2,ZO1の変化量を大きくする観点からは、所定の区間L2,L4における線路の断面積を小さく形成することが望ましい。なお、各伝送経路における線路長は、上述したのと同様な手法で設定される。
【0060】
動作については、図1に関して説明したものと同様である。分岐部1702に入力された高周波の入力信号を第2伝送経路に伝送する場合には、第2線路部1706及び第4線路1730は非超伝導状態に設定される。第4線路1730は、非常に細長い形状を有するので、常伝導状態の場合には、第4線路1730の側には実質的に信号は流れない。第2伝送経路の第3線路部1708及びその後段に接続される回路(図示せず)は整合のとれた状態にある。従って、分岐部1702から第3線路部1708へ流れる信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能になる。一方、第1伝送経路では、第1線路部1704及び常伝導体となった第2線路部1706が不整合状態となる。第1及び第2伝送経路の分岐点Xから第1伝送経路への入力インピーダンスZXO1が非常に大きくなるよう経路長L1が設定されているので、分岐部1702に入力された信号は、第1伝送経路には流れず、低損失で第2伝送経路を伝搬することができる。
【0061】
次に、分岐部1702に入力された入力信号を第1伝送経路に伝送する場合には、第2線路部1706及び第4線路1730は超伝導状態に設定される。上述したように、第1伝送経路における第1線路部1704及び超伝導体となった第2線路部1706は、整合状態にある。従って、分岐部1702から第1伝送経路に伝搬する信号は、良好に後段の回路に伝搬することが可能である。一方、第4線路1730が超伝導状態になると、中心導体1712から第4線路1730への入力インピーダンスは実質的にゼロになる。しかしながら、第1及び第2伝送経路の分岐点XからOを見た入力インピーダンスZXO2が非常に大きくなるように、第3線路部1708の長さL3が調整されている。これにより、第2伝送経路には信号が実質的に流れず、低損失で第1伝送経路に信号を流すことが可能になる。
【0062】
[第4実施例]
図18は、本願第4実施例による信号切替装置の平面図を示す。第1乃至第3実施例とは異なり、本実施例では3系統の伝送経路が用意されている。信号切替装置1800は、高周波数の入力信号を第1,第2又は第3伝送経路に分岐させる分岐部1802と、分岐部1802に接続され、第1伝送経路を形成する第1線路部1804と、この第1線路部1804に接続された直列線路部1806とを有する。信号切替装置1800は、分岐部1802に接続され第2伝送経路を形成する線路部1808を有する。信号切替装置1800は、分岐部1802に接続され、第3伝送経路を形成する第3線路部1805、及びこの第3線路部1805に接続された直列線路部1807を有する。各線路部は、コプレナ線路を形成し、中心部のストリップ導体1812,1814,1815に対してギャップを隔てて両側に接地導体が設けられている。
【0063】
第1伝送経路の直列線路部1806、及び第3伝送経路の直列線路部は超伝導材料より成り、分岐部1802、第1伝送経路の一部分1804、第2線路部104及び第3伝送経路の一部部分1805は常伝導材料より成る。第2伝送経路1808には、ストリップ導体1812及び接地導体の間に、超伝導材料より成る並列線路1830が設けられる。また、第3伝送経路には、ストリップ導体1812及び接地導体の間に、超伝導材料より成る並列線路1831が設けられる。並列線路1830,1831は、第1乃至第3実施例で説明した第4線路と同様である。なお、各伝送経路における線路長は、上述したのと同様な手法で設定される。
【0064】
超伝導材料については、図1に関して説明したものと同様の材料を利用することが可能である。ただし、本実施例では、説明の便宜上、第1伝送経路の直列線路部1806と第3伝送経路の並列線路1831とが同一の第1臨界温度TC1を有し、第2伝送経路の並列線路部1830と第3伝送経路の直列線路1807とが同一の第2臨界温度TC12を有し、第2臨界温度が第1臨界温度より高いものとする(TC2>TC1)。
【0065】
図1,図10等に関して説明したのと同様に、直列線路部1806,1807(ストリップ導体1814,1817)は、入力側の所定長の区間において、線路幅w1が、出力端での線路幅w2よりも非常に細く形成されている。並列線路1830,1831は、細い線路幅w4及び経路長L4を有するように形成される。本実施例では、第2伝送経路及び第3伝送経路の並列線路1830,1831は、接地導体に接続され、外部から分岐部102に入力される高周波信号の半波長(又は半波長の整数倍)程度の長さを有する。
【0066】
動作を次に説明する。先ず、第1伝送経路に信号を伝搬させる場合には、各超伝導材料は、第1臨界温度TC1より低い温度に設定される。従って、総ての超伝導材料は、超伝導状態となる。この場合に、第1伝送経路は後段の回路(図示せず)と整合のとれた状態にあるので、信号が良好に伝搬する。第2伝送経路に対しては、第2並列線路1830の入力インピーダンスZO2は実質的にゼロになるが、分岐点Xから第2伝送経路への入力インピーダンスZXO2が実質的に無限大になるように、第2伝送経路の経路長L2が調整されている。従って、第2伝送経路に信号は伝搬しない。同様に、第3伝送経路に対しては、並列線路1831及びの直列線路1807の入力インピーダンスZO3は実質的にゼロになるが、分岐点Xから第3伝送経路への入力インピーダンスZXO3が実質的に無限大になるように、第3伝送経路の経路長L3が調整されている。従って、第3伝送経路にも信号は伝搬しない。従って、第1伝送経路に信号が低損失で伝搬する。
【0067】
次に、第3伝送経路に信号を伝搬させる場合には、各超伝導材料は、第1臨界温度TC1より高いが第2臨界温度TC2より低い温度に設定される。この場合は、第1伝送経路の直列線路1806と、第3伝送経路の並列線路1831とが常伝導状態となり、第2伝送経路の並列線路1830と第3伝送経路の直列線路1807とが超伝導状態となる。この場合に、第3伝送経路の並列線路1831は常伝導状態なのでインピーダンスが大きく、実質的にこの並列線路1831に信号は伝搬しない。第3伝送経路の直列線路1807は超伝導状態であり、後段の回路と整合しているので、信号が良好に伝搬する。第1伝送経路は、常伝導状態にあるので後段の回路と不整合になり、入力インピーダンスも大きいので、この経路に信号は伝搬しない。第2伝送経路に対しては、第2並列線路1830の入力インピーダンスZO2は実質的にゼロになるが、分岐点Xから第2伝送経路への入力インピーダンスZXO2が実質的に無限大になるように、第2伝送経路の経路長L2が調整されているので、第2伝送経路に信号は伝搬しない。従って、第3伝送経路に信号が低損失で伝搬する。
【0068】
第2伝送経路に信号を伝搬させる場合には、各超伝導材料は、第2臨界温度TC2より高い温度に設定される。従って、総ての超伝導材料は、常超伝導状態となる。この場合に、第2伝送経路の並列線路1830の入力インピーダンスは実質的に無限大になり、並列線路1830へ信号は流れない。第2伝送経路は後段の回路(図示せず)と整合のとれた状態にあるので、信号が良好に伝搬する。第1伝送経路に対しては、直列線路部1806が後段の回路と不整合になり、高インピーダンスになるので、第1伝送経路に信号は伝搬しない。同様に、第3伝送経路に対しても、直列線路部1807が後段の回路と不整合になり、高インピーダンスになるので、第3伝送経路に信号は伝搬しない。従って、第2伝送経路に信号が低損失で伝搬する。
【0069】
このように、臨界温度の異なる超伝導材料より成る直列線路及び並列線路を適切に組み合わせることで、2以上の信号伝送経路を適宜切り替えることが可能になる。本実施例では、臨界温度の異なる2種類の超伝導材料を使用することを想定しているが、更に多くの種類の臨界温度を利用して、多数の伝送経路に対する信号の切替を行うことも可能である。本実施例では、超伝導材料より成る線路の総てが同一の温度になるように説明されているが、各線路の状態を個別に制御することも可能である。
【0070】
以上の各実施例では、第4線路又は並列線路は、入力信号波長の半波長程度の長さを有するよう形成されていた。しかしながら、本発明はそのような形態に限定されない。例えば、1/4波長にすることも可能である。
【0071】
図19は、そのような実施例の部分概略図を示す。これは、第1乃至第3実施例の第3線路部、又は第4実施例の並列線路に相当する部分を示す。なお、図19は、コプレナ線路を例にとって説明しているが、マイクロストリップ線路で構成することも、同軸線路で構成することも可能である。図示されているように、ストリップ導体1912は、接地導体1918,1920と所定の間隔を隔てて設けられている。ストリップ導体1912には、一端がストリップ導体1912に接続され、線路幅w4及び1/4波長(より厳密には、1/4波長の奇数倍)の線路長を有し、他端が開放されている並列線路1930が設けられる。線路長をこのような長さに設定することで、超伝導状態における並列線路への入力インピーダンスZO2を実質的にゼロにすることが可能である。この点は、並列線路を接地導体に接続し、線路長を1/2波長にした上記の実施例と同様である。
【0072】
一端を開放して線路長を1/4波長にするのは、次のように説明できる。上述したように、線路長が1/2波長で、接地導体に短絡されていた場合の入力インピーダンスZO2は、スミス図表における点T(図5)に位置付けられる。接地導体に短絡せずに、開放端としたならば、入力インピーダンスZO2は無限大になり、点Pに位置付けられる。ここで、線路長を1/4波長だけ変化させると、入力インピーダンスZO2は円周上をπラジアンだけ移行する(1/2波長変化させると、2πラジアンだけ変化して、元に戻る)。従って、線路の一端を開放して線路長を1/4波長にすると、その線路への入力インピーダンスZO2は点Tに位置付けられる。本実施例によれば、並列線路1930の線路長を、1/4波長に短縮することができるので、1/2波長の場合よりも、装置の小型化を図ることが可能になる。
【0073】
図20も、図19と同様に、並列線路の他端を開放させ、線路長を1/4波長にする場合の形態を示す。図示されているように、ストリップ導体2012は、接地導体2018,2019,2020と所定の間隔を隔てて設けられている。ストリップ導体2012には、一端がストリップ導体2012に接続され、線路幅w4及び1/4波長の線路長を有し、他端が開放されている並列線路2030が設けられる。線路長をこのような長さに設定することで、超伝導状態における並列線路への入力インピーダンスZO2を実質的にゼロにすることが可能である。本実施例では、接地導体2018,2019が、並列線路2030を包囲するのではなく、分離されている。ただし、接地導体2018の電位を等しくするために、それらはブリッジ2032を介して電気的に接続されている。本実施例も、並列線路2030の線路長を、1/4波長に短縮することができるので、1/2波長の場合よりも、装置の小型化を図ることが可能になる。
【0074】
以上の各実施例では、常伝導材料及び超伝導材料の導体が、誘電体材料上に形成されていたが、このことは本発明に必須ではない。例えば、誘電体材料より成る基板の全面に超伝導体材料が形成され、その上に常伝導体材料が適切にパターニングされているような材料を使用して、信号切替装置を形成することも可能である。このようにすると、線路の温度を臨界温度以下にすることで選択される線路に対しては、それが選択された場合に、信号の伝搬損失が極めて低くなるという利点が得られる。
【0075】
また、上記の各実施例では、並列線路130,730,1030,1430,1730,1830の線路長は、入力信号波長の1/2倍又は1/4倍以上の長さを有していた。しかしながら、本発明における並列線路はそのような長さに限定されず、ある条件の下に様々な長さを採用することも可能である。その条件は、(1)常伝導状態における並列線路の入力インピーダンスZO2が実質的に無限大になること、(2)超伝導状態における並列線路の入力インピーダンスZO2が実質的にゼロになること、及び(3)並列線路の長さがなるべく短いこと、である。このため、例えば、並列線路の長さを入力信号波長の1/4倍より短い長さにすることも可能である。ただし、入力インピーダンスZO2をスミス図表における短絡点T又は開放点Pにできるだけ近づける観点からは、並列線路長を1/2波長の整数倍又は1/4波長の奇数倍とすることが望ましい。
【0076】
以上本願実施例によれば、第2伝送経路から出力信号を出力する場合に、第1伝送経路の超伝導材料より成る線路を非超伝導状態にする。その線路の所定長の区間は、小さな断面積を有するので、線路の抵抗値は非常に大きくなり、第1伝送経路の入力インピーダンスが非常に大きくなる。このため、アイソレーション特性を良好に維持することに加えて、第1伝送経路に起因する信号損失を効果的に抑制しつつ第2伝送経路から出力信号を取り出すことが可能になる。
【0077】
所定長の区間の断面積の形状は、線路幅、線路の厚み、線路の直径等に依存して適宜調整することが可能である。また、信号切替装置の線路形態をどのようにするか、例えばコプレナ線路、マイクロストリップ線路、同軸線路等の何れを採用するかについては、信号切替装置に接続される回路やコネクタ等に依存して適切な線路形態を採用することが可能である。なお、出力端より断面積を小さくするための線路幅、線路の厚み又は線路の直径は、超伝導及び非超伝導状態間の入力インピーダンスを大きく変化させる観点からは、できるだけ小さいことが望ましいが、信号伝搬に関する最低限の電力耐性を有する程度に大きいことを要する。
【0078】
本願実施例によれば、超伝導材料より成る第4線路又は並列線路を伝送経路に設けることで、後段の経路に信号を伝搬させるか否かを適宜変更することが可能になる。すなわち、従来のように、信号伝送経路の出力端に、機械的スイッチや半導体スイッチのようなスイッチ素子を省略することが可能になる。このため、信号切替装置の出力端に直列にスイッチ素子を設けていたことに起因する従来の問題点を解消することが可能になる。
【0079】
【発明の効果】
以上のように本発明による信号切替装置によれば、アイソレーション特性を良好に維持しつつ、低損失で信号を伝搬させることが可能になる。また、本装置によれば、更に、機械的スイッチや半導体スイッチのようなスイッチ素子を省略することが可能になる。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願第1実施例による信号切替装置の平面図を示す。
【図2】図2は、図1の信号切替装置の断面図を示す。
【図3】図3は、図1の信号切替装置の断面図を示す。
【図4】図4は、入力インピーダンスと線路長の関係を説明するためのスミス図表を示す。
【図5】図5は、入力インピーダンスと線路長の関係を説明するためのスミス図表を示す。
【図6】図6は、信号切替装置の概略的な全体図を示す。
【図7】図7は、本願第1実施例の変形例による信号切替装置の平面図を示す。
【図8】図8は、図7の信号切替装置の断面図を示す。
【図9】図9は、図7の信号切替装置の断面図を示す。
【図10】図10は、本願第2実施例による信号切替装置の平面図を示す。
【図11】図11は、図10の信号切替装置の断面図を示す。
【図12】図12は、図10の信号切替装置の断面図を示す。
【図13】図12は、図10の信号切替装置の変形例に関する断面図を示す。
【図14】図14は、本願第2実施例の変形例による信号切替装置の平面図を示す。
【図15】図15は、図14の信号切替装置の断面図を示す。
【図16】図16は、図14の信号切替装置の断面図を示す。
【図17】図17は、本願第3実施例による信号切替装置の平面図を示す。
【図18】図18は、本願第4実施例による信号切替装置の平面図を示す。
【図19】図19は、並列線路の他の形態を示す信号切替装置の部分平面図を示す。
【図20】図20は、並列線路の他の形態を示す信号切替装置の部分平面図を示す。
【符号の説明】
100 信号切替装置
102 分岐部
104 第1線路部
106 第2線路部
108 第3線路部
112,114 ストリップ導体
116,118,120,122,124 接地導体
126 誘電体
130 第4線路
600 信号切替装置
602 入力経路
604 出力経路
606 切替部
608 選択部
700 信号切替装置
702 分岐部
704 第1線路部
706 第2線路部
708 第3線路部
712,714 ストリップ導体
716,718,720,722,724 接地導体
726 誘電体
730 第4線路
1000 信号切替装置
1002 分岐部
1004 第1線路部
1006 第2線路部
1008 第3線路部
1012,1014 ストリップ導体
1016接地導体
1026 誘電体
1030 第4線路
1032 ビアホール部材
1400 信号切替装置
1402 分岐部
1404 第1線路部
1406 第2線路部
1408 第3線路部
1412,1414 ストリップ導体
1416接地導体
1426 誘電体
1430 第4線路
1432 ビアホール部材
1700 信号切替装置
1702 分岐部
1704 第1線路部
1706 第2線路部
1708 第3線路部
1712,1714 中心導体
1730 第4線路
1800 信号切替装置
1802 分岐部
1804 第1線路部
1806 直列線路部
1808 第2線路部
1805 第3線路部
1807 直列線路部
1812,1814,1815 ストリップ導体
1830,1831 並列線路部
1912 ストリップ導体
1918,1920 接地導体
1930 並列線路部
2012 ストリップ導体
2018,2020 接地導体
2030 並列線路部
2032 ブリッジ

Claims (14)

  1. 入力経路に結合された複数の伝送経路の内の所望の伝送経路から出力信号を出力する信号切替装置であって、
    前記複数の伝送経路に含まれる第1伝送経路に直列に接続され、超伝導材料より成る第1線路を有する第1可変インピーダンス回路と、
    前記複数の伝送経路に含まれる第2伝送経路に並列に接続され、超伝導材料より成る第2線路を有する第2可変インピーダンス回路であって、前記第2線路の断面積が前記第2伝送経路の断面積より小さいところの第2可変インピーダンス回路
    を有し、前記入力経路及び前記複数の伝送経路の各々は、中心導体と該中心導体に対してギャップを隔てて設けられた接地導体とを基板の同一表面上に有するコプレナ線路で形成され、
    前記第 1 線路は入力側の直線状部分と出力側の非直線状部分とを有し、前記直線状部分の一方端は前記第 1 線路の入力端を形成し、他方端は前記非直線状部分の一方端に接続され、前記非直線状部分の他方端は前記第 1 線路の出力端を形成し、前記非直線状部分の一方端から他方端にかけて線路幅が広くなるように前記非直線状部分が形成され、
    前記第2線路が超伝導状態にある場合に、前記第1及び第2伝送経路の分岐点から前記第2伝送経路への入力インピーダンスが、所定値より大きくなるように、前記第2伝送経路の長さが規定されることを特徴とする信号切替回路。
  2. 前記第2線路が超伝導状態にある場合に、前記第2伝送経路から前記第2可変インピーダンス回路への入力インピーダンスが、所定値より小さくなるように、前記第2線路の長さが規定されることを特徴とする請求項1記載の信号切替回路。
  3. 前記第2線路の一端が前記第2伝送経路に接続され、前記第2線路の他端が接地導体に接続されることを特徴とする請求項2記載の信号切替回路。
  4. 前記第2線路が、前記入力経路に入力される信号の半波長の整数倍に等しい長さを有することを特徴とする請求項3記載の信号切替回路。
  5. 一端が第2伝送経路に接続される前記第2線路が、前記入力経路に入力される信号の1/4波長の奇数倍に等しい長さを有し、前記第2線路の他端が開放されることを特徴とする請求項2記載の信号切替回路。
  6. 更に、前記複数の伝送経路の中から所望の伝送経路を選択するための選択手段を有し、前記選択手段が、前記第1線路及び前記第2線路の温度を制御することで、伝送経路の選択が行われることを特徴とする請求項1記載の信号切替回路。
  7. 前記第1線路の直線状部分が非直線状部分より細い線路幅を有し、前記直線状部分でのギャップは前記非直線状部分でのギャップより小さく形成されることを特徴とする請求項1記載の信号切替回路。
  8. 入力経路に結合された複数の伝送経路の内の所望の伝送経路から出力信号を出力する信号切替装置であって、
    前記複数の伝送経路に含まれる第1伝送経路に直列に接続され、超伝導材料より成る第1線路を有する第1可変インピーダンス回路と、
    前記複数の伝送経路に含まれる第2伝送経路に並列に接続され、超伝導材料より成る第2線路を有する第2可変インピーダンス回路であって、前記第2線路の断面積が前記第2伝送経路の断面積より小さいところの第2可変インピーダンス回路と、
    前記複数の伝送経路に含まれる第3伝送経路に直列に接続され、超伝導材料より成る第3線路を有する第3可変インピーダンス回路と、
    前記複数の伝送経路に含まれる第3伝送経路に並列に接続され、超伝導材料より成る第4線路を有する第4可変インピーダンス回路であって、前記第4線路の断面積が前記第3伝送経路の断面積より小さいところの第4可変インピーダンス回路
    を有し、前記入力経路及び前記複数の伝送経路の各々は、中心導体と該中心導体に対してギャップを隔てて設けられた接地導体とを基板の同一表面上に有するコプレナ線路で形成され、
    前記第1線路の超伝導状態になる臨界温度が、前記第2線路の超伝導状態になる臨界温度とは異なり、
    前記第3線路の超伝導状態になる臨界温度が、前記第4線路の超伝導状態になる臨界温度とは異なり、
    前記第 1 線路は入力側の直線状部分と出力側の非直線状部分とを有し、前記直線状部分の一方端は前記第1線路の入力端を形成し、他方端は前記非直線状部分の一方端に接続され、前記非直線状部分の他方端は前記第1線路の出力端を形成し、前記非直線状部分の一方端から他方端にかけて線路幅が広くなるように前記非直線状部分が形成され、
    前記第3線路は入力側の直線状部分と出力側の非直線状部分とを有し、前記直線状部分の一方端は前記第3線路の入力端を形成し、他方端は前記非直線状部分の一方端に接続され、前記非直線状部分の他方端は前記第3線路の出力端を形成し、前記非直線状部分の一方端から他方端にかけて線路幅が広くなるように前記非直線状部分が形成され、
    前記第2線路が超伝導状態にある場合に、前記第1,第2及び第3伝送経路の分岐点から前記第2伝送経路への入力インピーダンスが、所定値より大きくなるように、前記第2伝送経路の長さが規定され、
    前記第4線路が超伝導状態にある場合に、前記第1,第2及び第3伝送経路の分岐点から前記第3伝送経路への入力インピーダンスが、所定値より大きくなるように、前記第3伝送経路の長さが規定されることを特徴とする信号切替回路。
  9. 前記第2線路が超伝導状態にある場合に、前記第2伝送経路から前記第2可変インピーダンス回路への入力インピーダンスが、所定値より小さくなるように、前記第2線路の長さが規定され、
    前記第4線路が超伝導状態にある場合に、前記第3伝送経路から前記第4可変インピーダンス回路への入力インピーダンスが、所定値より小さくなるように、前記第4線路の長さが規定されることを特徴とする請求項8記載の信号切替回路。
  10. 前記2線路の一端が前記第2伝送経路に接続され、前記第2線路の他端が接地導体に接続され、
    前記第4線路の一端が第3伝送経路に接続され、前記第4線路の他端が接地導体に接続されることを特徴とする請求項9記載の信号切替回路。
  11. 前記第2線路が、前記入力経路に入力される信号の半波長の整数倍に等しい長さを有し、
    前記第4線路が、前記入力経路に入力される信号の半波長の整数倍に等しい長さを有することを特徴とする請求項10記載の信号切替回路。
  12. 一端が第2伝送経路に接続される前記第2線路が、前記入力経路に入力される信号の1/4波長の奇数倍に等しい長さを有し、前記第2線路の他端が開放され、
    一端が第3伝送経路に接続される前記第4線路が、前記入力経路に入力される信号の1/4波長の奇数倍に等しい長さを有し、前記第4線路の他端が開放されることを特徴とする請求項9記載の信号切替回路。
  13. 更に、前記複数の伝送経路の中から所望の伝送経路を選択するための選択手段を有し、前記選択手段が、前記第1、第2、第3及び第4線路の温度を制御することで、伝送経路の選択が行われることを特徴とする請求項8記載の信号切替回路。
  14. 前記第1線路及び第3線路の直線状部分が非直線状部分より細い線路幅を有し、直線状部分でのギャップは非直線状部分でのギャップより小さく形成されることを特徴とする請求項8記載の信号切替回路。
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