JP3972353B2 - El表示素子の隔壁形成用感放射線性樹脂組成物、隔壁およびel表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL表示素子の隔壁形成用感放射線性樹脂組成物、隔壁およびEL表示素子に関する。さらに詳しくは、EL表示素子用隔壁を形成するための材料として好適な感放射線性樹脂組成物、それより形成された隔壁、およびEL表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、有機EL素子の陰極や有機EL媒体層をマイクロパターニングすることは、電荷注入層や発光層に用いられる有機EL媒体の耐熱性(一般に100℃以下)、耐溶剤性、耐湿性が低いために困難である。例えば、通常薄膜のパターニングに用いられるフォトリソグラフィ法を有機EL素子に用いると、フォトレジスト中の溶剤の有機EL素子への浸入や、フォトレジストベーク中の高温雰囲気や、フォトレジスト現像液またはエッチング液の有機EL素子への浸入や、ドライエッチング時のプラズマによるダメージ等の原因により有機EL素子特性が劣化する問題が生じる。
【0003】
また、蒸着マスクを用いてパターニングする方法もあるが、基板および蒸着間のマスクの密着不良による蒸着物の回り込みや、強制的に基板と蒸着マスクを密着させた場合のマスクとの接触により有機EL媒体層が傷ついてインジウム錫酸化物(以下、ITOという)などからなる陽極と陰極がショートすることや、陰極のストライプ状パターンなど開口部が大きくマスク部が細いパターンの場合にはマスク強度が不足しマスクが撓むこと等の問題により、微細なパターンが形成できない。
現在、有機EL材料を用いたディスプレイパネルとしては、特開平2−66873号公報、特開平5−275172号公報、特開平5−258859号公報および特開平5−258860号公報に開示されているものが知られている。このフルカラーディスプレイは、交差している行と列において配置された複数の発光画素からなる画像表示配列を有している発光装置である。
【0004】
この発光装置においては、各々の画素が共通の電気絶縁性の光透過性基板上に配置されている。各行内の画素は、基板上に伸長して配置された共通の光透過性第1電極を含有し且つ該電極によって接合されている。隣接行内の第1電極は、基板上で横方向に間隔をあけて配置されている。有機EL媒体は、第1電極および基板によって形成された支持面の上に配置されている。各列の画素は、有機EL媒体上に配置された共通に伸長した第2電極を含有し且つ該電極によって接続されている。隣接列内の第2電極は、有機EL媒体上で横方向に間隔をあけて配置されている。この発光装置においては有機EL媒体を挟んで交差している第1および第2電極のラインを用いた単純マトリクス型を採用している。
前述の問題を解決する方法が、上記公開公報に開示されている。たとえば、特開平2−66873号公報に開示された技術は、有機EL媒体を溶解しない溶剤を用いたフォトレジストを有機EL素子上にパターニングし、希硫酸を用いて陰極をエッチングする方法である。しかし、エッチングの際、希硫酸により有機EL媒体が損傷を受ける。
【0005】
また、特開平5−275172号公報、特開平5−258859号公報および特開平5−258860号公報に開示された技術は、ITOパターニング後の基板上に平行に配置した数〜数十μmの高さの断面が順テーパー状隔壁を作製し、その基板に隔壁に対して垂直方向、基板面に対して斜めの方向から有機EL媒体や陰極材料を蒸着することによりパターニングする方法である。即ち、第1電極ラインおよび有機EL媒体の薄膜を、蒸着する際に、隔膜間が蒸着により汚染されるのを防止するため、予め基板に設けられている境界の高い隔壁により所定気体流れを遮って、選択的に斜め真空蒸着して形成する製造方法が採用されている。しかし、この斜めの蒸着方法では、隔壁間の開口部に有機EL媒体の付着しない部分を生じ、表示素子の輝度が不十分となる欠点を有する。特開平8−315981号公報では、断面形状がオーバーハング形状(底辺が上辺よりも短い台形状の)隔壁を用いることで、上方からの真空蒸着を可能とし、斜め蒸着の上記欠点を解消した。しかしながら、形成した隔壁が透明であるために、有機ELの発光が隔壁を透過することで、発光コントラストの低下を防ぐことが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明の目的は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、隔壁としてコントラストの低下を防ぐ遮光性を有し、必要な耐熱性、遮光性、密着性を併せ持ち、かつ、逆テーパー形状を有する、EL表示素子用の隔壁を形成するための感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記感放射線性樹脂組成物によって形成された隔壁、並びにその隔壁を使用したEL表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物並びに(a3)前記単量体(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物を溶媒中で重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって得られた共重合体、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[C]感放射線重合開始剤、並びに
[D]着色剤
を含有することを特徴とするEL表示素子の隔壁形成用感放射線性樹脂組成物によって達成される。
【0008】
本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の感放射線性樹脂組成物の硬化物からなりそしてEL表示素子のために形成された隔壁であって、垂直断面形状が底辺の長さが上辺の長さよりも短くそして上辺と側辺のなす角度が15〜75°をなす台形状である上記隔壁によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第3に、本発明の隔壁を備えたEL表示素子によって達成される。
本発明におけるEL表示素子は有機EL表示素子および無機EL表示素子のいずれも包含する。これらのうち有機EL表示素子が好ましい。
【0009】
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物の各成分について詳述する。
共重合体[A]
共重合体[A]は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を溶媒中で、重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって製造することができる。
【0010】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜35重量%含有している。この構成単位が5重量%未満である共重合体は、アルカリ水溶液に溶解しにくくなり隔壁の形成が困難になる。一方50重量%を超える共重合体はアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなりすぎる傾向にあり、隔壁の膜減りが大きくなる。化合物(a1)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物、こはく酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]等の2価以上の多価カルボン酸のモノ[(メタ)アクリロイロキシアルキル]エステル類;およびω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0011】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られる隔壁の耐溶剤性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は共重合体の保存安定性が低下する傾向にある。
【0012】
化合物(a2)としては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−β−プロピルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−エチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチルなどがあげられる。これらのうち(メタ)アクリル酸グリシジル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジルが得られる隔壁材料の耐熱性、耐薬品性をとりわけ高める点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0013】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、共重合体[A]の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は共重合体[A]がアルカリ水溶液に溶解しにくくなる。
【0014】
化合物(a3)としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル メタクリレート(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルメタクリレートといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなどのメタクリル酸環状アルキルエステル;シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル アクリレート(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルアクリレートといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環状アルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル;およびスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、などが挙げられる。
【0015】
これらのうち、スチレン、t−ブチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエン、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0016】
共重合体[A]の製造に用いられる溶媒としては、具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0017】
共重合体[A]の製造に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0018】
本発明で用いられる共重合体[A]は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)が、通常、2×103〜1×105、好ましくは3×103〜3×104、さらに好ましくは5×103〜2×104であることが望ましい。Mwが2×103未満であると、得られる被膜は、現像性、残膜率などが低下したり、またパターン形状、耐熱性などに劣ることがあり、一方1×105を超えると、アルカリ溶解性が低下しすぎたりパターン形状に劣ることがある。
【0019】
重合性化合物[B]
本発明で用いられるエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物[B]としては、エポキシ基を持たず且つ単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートが、重合性が良好であり、得られる隔壁材料の強度が向上する点から好ましく用いられる。
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。その市販品としては、例えばアロニックスM−101、同M−111、同M−114(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、同TC−120S(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート158、同2311(以上、大阪有機化学工業(株)製)が挙げられる。
【0020】
上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。その市販品としては、例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0021】
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−402、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同M−1310、同M−1600、同M−1960、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0022】
さらに、本発明で用いられる重合性化合物[B]としては、上記(メタ)アクリレート化合物のほかにウレタンアクリレート、ウレタンアダクト体、ポリエステルアクリレートを好適に使用することができる。これら重合性化合物の市販品としてはアロニックスM−7100、同M−8030、同M−8060、同M−1310、同M−1600、同M−1960、同M−8100、同M−8530、同M−8560、同M−9050(以上、東亞合成(株)製)が挙げられる。これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンアダクト体、ポリエステルアクリレートは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0023】
感放射線重合開始剤[C]
本発明における感放射線重合開始剤[C]とは、露光により分解または結合の開裂を生じ、ラジカル、アニオン、カチオン等の、前記重合性化合物[B]の重合を開始することができる活性種を発生する化合物を意味する。
このような重合開始剤としては、例えば、イミダゾール環を有する化合物、ベンゾイル構造を有する化合物、これら以外の他の光ラジカル発生剤、トリハロメチル基を有する化合物等を挙げることができる。
【0024】
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールおよび2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
【0025】
これらのビイミダゾール系化合物のうち、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が好ましく、特に、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
【0026】
これらのビイミダゾール系化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ないエネルギー量の露光により硬化反応を十分進行させるとともに、コントラストが高く、未露光部で硬化反応が生じることがないため、露光後の塗膜は、現像液に対して不溶性の硬化部分と、現像液に対して高い溶解性を有する未硬化部分とに明確に区分され、これにより、アンダーカットのない画素パターンが所定の配列に従って配置された高精細な画素アレイを形成することができる。
【0027】
また、前記ベンゾイル構造を有する化合物および他の光ラジカル発生剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、4−アジドベンズアルデヒド、4−アジドアセトフェノン、4−アジドベンザルアセトフェノン、アジドピレン、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ジベンゾイル、ベンゾインイソブチルエーテル、N−フェニルチオアクリドン、トリフェニルピリリウムパークロレート等を挙げることができる。
【0028】
さらに、前記トリハロメチル基を有する化合物の具体例としては、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
【0029】
これらのベンゾイル構造を有する化合物、他の光ラジカル発生剤およびトリハロメチル基を有する化合物のうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等が、形成された隔壁パターンが現像時に基板から脱離し難く、パターン強度および感度も高い点で好ましい。
【0030】
これらの感放射線ラジカル重合開始剤の市販品としては、たとえばIRGACURE−184、同369、同500、同651、同907、同1700、同819同124、同1000、同2959、同149、同1800、同1850、Darocur−1173、同1116、同2959、同1664、同4043(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KAYACURE−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA(以上、日本化薬(株)製)、VICURE−10、同55(以上、STAUFFER Co.LTD 製)、TRIGONALP1(AKZO Co.LTD 製)、SANDORAY 1000(SANDOZ Co.LTD 製)、DEAP(APJOHN Co.LTD 製)、QUANTACURE−PDO、同 ITX、同 EPD(以上、WARD BLEKINSOP Co.LTD 製)等が挙げられる。
【0031】
前記光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明においては、必要に応じて、前記感放射線重合開始剤と共に、増感剤、硬化促進剤および高分子化合物からなる光架橋剤あるいは光増感剤(以下、「高分子光架橋・増感剤」という。)の群から選ばれる1種以上をさらに併用することもできる。
前記増感剤の具体例としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン、ジエチルチオキサントン等を挙げることができる。
【0032】
また、前記硬化促進剤の具体例としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等の連鎖移動剤を挙げることができる。
【0033】
さらに、前記高分子光架橋・増感剤は、光架橋剤および/または光増感剤として機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その具体例としては、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、4−アクリロイルフェニルシンナモイルエステルの単独重合体あるいは共重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
前記増感剤、硬化促進剤および高分子光架橋・増感剤のうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノンおよび2−メルカプトベンゾチアゾールが、形成されたパターンが現像時に基板から脱落し難く、パターン強度および感度も高い点で好ましい。
【0034】
本発明においては、感放射線重合開始剤として、ビイミダゾール系化合物の群から選ばれる1種以上と、ベンゾフェノン系のベンゾイル構造を有する化合物、ベンゾフェノン系の他の光ラジカル発生剤、ベンゾフェノン系の増感剤およびチアゾール系の硬化促進剤の群から選ばれる1種以上とを組み合わせて使用すること;またはベンゾイル構造を有する化合物よりなる群から選ばれる1種を単独で使用するかベンゾフェノン系の増感剤とを組合せて使用することが特に好ましい。
【0035】
前記特に好ましい組み合わせの具体例としては、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾール、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン/4−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン/4−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4−ジエチルアミノベンゾフェノン/ジエチルチオキサントン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン/4−ジエチルアミノベンゾフェノン/ジエチルチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン/4−ジエチルアミノベンゾフェノン/ジエチルチオキサントン
等を挙げることができる。
【0036】
本発明において、ベンゾイル構造を有する化合物、他の光ラジカル発生剤、トリハロメチル基を有する化合物の合計使用割合は、感放射線重合開始剤全体の80重量%以下であることが好ましく、また増感剤および硬化促進剤の合計使用割合は、感放射線重合開始剤全体の80重量%以下であることが好ましく、さらに高分子光架橋・増感剤の使用割合は、ビイミダゾール系化合物(1)およびビイミダゾール系化合物(2)の合計100重量部に対して、通常、200重量部以下、好ましくは180重量部以下である。
【0037】
本発明における感放射線重合開始剤[C]の使用量は、[B]重合性化合物100重量部に対して、通常、0.01〜500重量部、好ましくは1〜300重量部、特に好ましくは10〜200重量部である。この場合、感放射線重合開始剤の使用量が0.01重量部未満では、露光による硬化が不十分となり、パターンに欠落、欠損やアンダーカットを生じるおそれがあり、一方500重量部を超えると、形成されたパターンが現像時に基板から脱落しやすく、またパターンが形成される部分以外の領域で地汚れ、膜残り等を生じやすくなる。
【0038】
[D]着色剤
本発明における着色剤は、黒色顔料を含む着色剤からなるものである。前記黒色顔料は、隔壁の用途に応じて適宜選定することができ、無機顔料でも有機顔料でもよく、また1種類の顔料でも2種類以上の顔料を混合したものでもよいが、本発明における黒色顔料としては、発色性が高く、かつ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、特にカーボンブラックおよび/または2種以上の有機顔料の組み合せが好ましい。
【0039】
本発明に使用されるカーボンブラックとしては、例えば、SAF、SAF−HS、ISAF、ISAF−LS、ISAF−HS、HAF、HAF−LS、HAF−HS、NAF、FEF、FEF−HS、SRF、SRF−LM、SRF−LS、GPF、ECF、N−339、N−351等のファーネスブラック;FT、MT等のサーマルブラック;アセチレンブラック等を挙げることができる。
これらのカーボンブラックは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明に使用されるカーボンブラック以外の黒色の無機顔料としては、例えば、チタンブラック、Cu−Fe−Mn系酸化物、合成鉄黒等の金属酸化物等を挙げることができる。
これらの無機顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0040】
さらに、本発明に使用される有機顔料しては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168;
C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ71;
C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254;
C.I.ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23、ピグメントバイオレット29;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
【0041】
これらの有機顔料は、遮光隔壁材料としての所望の色相が得られるように適宜選定して使用することができる。本発明において、特に好ましい有機顔料は、C.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントブルー15:4および/またはC.I.ピグメントブルー15:6との混合物である。また、本発明における着色剤には、必要に応じて体質顔料を添加してもよい。このような体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ白、グロス白、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの体質顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0042】
体質顔料の使用量は、黒色顔料100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部である。
本発明において、前記黒色顔料および体質顔料は、場合により、それらの表面をポリマーで改質して使用することができる。
本発明における着色剤は、場合により、分散剤と共に使用することができる。
このような分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を挙げることができる。
【0043】
前記界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類のほか、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子(株)製)、EFKA−46、同47(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー(BYK)社製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の使用量は、着色剤100重量部に対して、通常、0.5〜50重量部以下、好ましくは1〜30重量部である。
【0044】
感放射線性樹脂組成物の調製
本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体[A]、重合性化合物[B]、感放射線重合開始剤[C]および着色剤[D]の各成分を均一に混合することによって調製される。本発明の感放射線性樹脂組成物は、有利には、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば共重合体[A]、重合性化合物[B]、重合開始剤[C]、着色剤[D]および必要に応じ、その他の配合剤を、所定の割合で混合することにより、溶液状態の感放射線性樹脂組成物を調製することができる。
【0045】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、共重合体[A]100重量部に対して、重合性化合物[B]を、好ましくは40〜200重量部、より好ましくは60〜150重量部の割合で含有する。また重合開始剤[C]は、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部の割合で含有される。着色剤[D]は感放射線性樹脂組成物中の全固形分に対して、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量部の割合で含有される。
【0046】
重合性化合物[B]が40重量部未満の場合は得られる隔壁の膜べりを生じやすく、200重量部を超える場合は隔壁の下地基板との密着性が低下しやすくなる。また重合開始剤[C]の量が1重量部未満の場合は得られる隔壁の膜べりを生じやすく、50重量部を超える場合は液晶中への溶出物が増加し電圧保持率が低下しやすい。着色剤[D]の量が感放射線性樹脂組成物中の全固形分に対して、3重量%未満の場合は十分な遮光性が得られず、30重量%をこえると隔壁の密着性が低下したり良好な隔壁形状が得られない場合がある。
【0047】
本発明の感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、共重合体[A]、重合性化合物[B]、重合開始剤[C]および着色剤[D]の各成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。具体的には、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0048】
これらの溶剤の中で、溶解性、各成分との反応性および塗膜の形成のしやすさから、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エステル類およびジエチレングリコール類が好ましく用いられる。
【0049】
さらに前記溶媒とともに高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外に他の成分を含有していてもよい。
【0050】
ここで、他の成分としては、塗布性を向上するための界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができ、その具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルホスホン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。
【0051】
また、これらの市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC 170C、FC−171、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成(株)製)、フタージェントFT−100、同FT−110、同FT−140A、同FT−150、同FT−250、同FT−251、同FTX−251、同FTX−218、同FT−300、同FT−310、同FT−400S(以上、(株)ネオス製)等を挙げることができる。また、シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げることができる。
【0052】
その他にも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
【0053】
これらの界面活性剤は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で用いられる。界面活性剤の量が5重量部を超える場合は、塗布時の膜あれが生じやすくなる。
【0054】
また基体との接着性を向上させるために接着助剤を使用することもできる。このような接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用され、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられ、具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。このような接着助剤は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が20重量部を超える場合は、現像残りが生じやすくなる。
【0055】
着色剤、溶剤、分散剤をあらかじめ混合し顔料分散液として組成物溶液の調製に使用することもできる。
また上記のように調製された組成物溶液は、孔径2μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
【0056】
隔壁の形成方法
次に、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて、本発明の隔壁を形成する方法について詳述する。基板表面に本発明の感放射線性樹脂組成物溶液を塗布し、加熱により溶媒を除去することによって、塗膜が形成される。基板表面への感放射線性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を採用することができる。次いでこの塗膜は、加熱(プレベーク)される。加熱することによって、溶剤が揮発し、流動性のない塗膜が得られる。加熱条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常60〜120℃、10〜600秒間程度の幅広い範囲で使用できる。次に加熱された塗膜に所定パターンのマスクを介して放射線を照射した後、現像液により現像し、不要な部分を除去する。
【0057】
現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどの環状アミン類のアルカリ類からなるアルカリ水溶液を用いることができる。
【0058】
また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒、界面活性剤などを適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、通常30〜180秒間である。また現像方法は液盛り法、ディッピング法などのいずれでもよい。現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、基板上の水分を除去し、隔壁パターンが形成される。続いて、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理をすることによって、本発明の隔壁を得ることができる。
本発明による隔壁は遮光性を有し、好ましくは膜厚1μmにおけるOD値が0.1以上を有している。OD値が0.1より小さい場合にはELの発光が隔壁を透過し易く発光コントラストの低下を防止することが困難となる。
【0059】
また、本発明による隔壁は、放射線照射方向における断面形状が好ましくは上辺が底辺よりも長い台形状(逆テーパー形状)をなし、さらに好ましくは上辺と側辺とのなす角度が15〜75°である。断面形状が逆テーパー形状であることにより、斜め方向ではなく上方からの有機EL媒体の蒸着を可能とする。すなわち、上方から有機EL媒体を蒸着することにより、有機EL媒体が隔壁間の開口部に均一に付着し十分な表示素子の輝度を確保できる。また陰極材料を上方から蒸着した際には陰極材料が逆テーパー形状の下方にまで廻り込むことを防ぐことができるので、陰極間の絶縁を確保することができる。
有機EL表示素子の製造
本発明の有機EL表示素子は、前記の如くして形成された隔壁を備えている。
【0060】
本発明の有機EL表示素子は例えば下記の如くして製造される。
ガラス基板上にITO等の透明電極をスパッタリングで形成し、その上にポジ型フォトレジストを塗布し、プリベークする。マスクを介してレジストに露光し次いで現像してパターン化し、塩化第2鉄等の塩酸系エッチャントでITO膜をエッチングし、レジスト膜を剥離して透明電極をパターン化例えばストライプ状にパターン化する。このパターン化された透明電極を持つ基盤上に、次いで、本発明の感放射線樹脂組成物を塗布し、前記の如くして、逆テーパー状の隔壁を設ける。その後、正孔輸送層、有機EL媒体層、カソード層を蒸着法により順次形成する。正孔輸送層としては例えばCuPc、H2Pcの如きフタロシアニン系材料、あるいは芳香族アミンが用いられる。また、有機EL媒体としては、例えばAlq3、BeBq3の如き基材母体にキナクリドンやクマリンをドープした材料が用いられる。さらに、カソード材料としては、例えばMg−Al、Al−Li、Al−Li2O、Al−LiFなどが用いられる。
次に、中空構造のSUS缶と上記基板をエポキシ樹脂等の封止材で封止したのち、モジュールに組立て、有機EL表示素子とする。
【0061】
【実施例】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸16重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート19重量部、メタクリル酸−β−メチルグリシジル45重量部、α−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.3%であり、重合体の重量平均分子量は、12,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)HLC−8020(東ソー(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
【0063】
合成例2
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸16重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート34重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部、α−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み窒素置換した後、さらに1,3−ブタジエンを5重量部仕込みゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.1%であり、重合体の重量平均分子量は、10,000であった。
【0064】
合成例3
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸16重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート34重量部、メタクリル酸−β−メチルグリシジル40重量部、α−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み窒素置換した後、さらに1,3−ブタジエンを5重量部仕込みゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.1%であり、重合体の重量平均分子量は、9,000であった。
【0065】
合成例4
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸16重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート24重量部、メタクリル酸−β−メチルグリシジル40重量部、シクロヘキシルマレイミド10重量部、α−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み窒素置換した後、さらに1,3−ブタジエンを5重量部仕込みゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−4]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.2%であり、重合体の重量平均分子量は、13,000であった。
【0066】
合成例5
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン10重量部、4−ビニル安息香酸25重量部、4−ビニルベンジルグリシジルエーテル40重量部、フェニルマレイミド25重量部、α−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−5]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.2%であり、重合体の重量平均分子量は、19,000であった。
【0067】
実施例1
感放射線性樹脂組成物の調製
合成例1で得られた重合体溶液(共重合体[A−1] 100重量部(固形分)に相当)と、成分[B]としてのKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)100重量部と、成分[C]としての 2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール5重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5重量部および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン10重量部と、成分[D]としてのカーボンブラックを7重量部添加し、さらに、ウレタン系分散剤(商品名Disperbyk−182)を2重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5重量部添加した。固形分濃度が36重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、孔径2μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
【0068】
(I)隔壁の形成
ガラス基板上にスピンナーを用いて、上記組成物溶液(S−1)を塗布した後、90℃で3分間ホットプレート上でプレベークして膜厚各5μmの塗膜を形成した。
上記で得られた塗膜に10μm角の残しパターンのマスクを介して、365nmでの強度が10mW/cm2である紫外線を30秒間照射した。この際の紫外線照射は酸素雰囲気下(空気中)で行った。次いでテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.1重量%水溶液で25℃で90秒間現像した後、純水で1分間流水洗浄した。上記で形成された隔壁をオーブン中で220℃で60分間加熱し硬化させ、膜厚4.5μmの隔壁を得た。
【0069】
( II )隔壁形状の評価
上記(I)で得られた隔壁において断面形状の上部テーパー角(断面台形形状において、上辺と側辺のなす角度)が20度〜80度の場合を良好、それ以上角度の大きい順テーパー形状、あるいは上記角度が90°を越える矩形の場合を不良とした。結果を表1に示す。
( III )耐熱性の評価
上記(I)で形成した隔壁をオーブン中、250℃で60分加熱した。膜厚の寸法変化率を表1に示した。加熱前後の寸法変化率がで5%以内のとき、耐熱寸法安定性が良好であるといえる。
( IV )遮光性の評価
露光時にマスクを使用しなかった他は上記(I)と同様のプロセスで形成した膜厚4.5μmの薄膜について、光学濃度計(マクベスTR927(サカタインクス社製))を用いてOD値を測定した。結果を表1に示す。
【0070】
(V)密着性の評価
上記(I)で得られた隔壁の密着性をテープ剥離試験により評価した。結果を表1に示した。評価結果は隔壁100個中、残った隔壁の数で表した。
実施例2
実施例1において、成分[D]としてのカーボンブラック7重量部の代わりにC.I.ピグメントレッド177を16重量部、C.I.ピグメントブルー15:4を7重量部使用し、ウレタン系分散剤(商品名Disperbyk−182)を6重量部使用した他は、実施例1と同様にして組成物溶液(S−2)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0071】
実施例3
実施例1において、成分[C]としての2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール5重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5重量部および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン10重量部の代わりに2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン20重量部、2,4−ジエチルチオキサントン10重量部を使用した他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−3)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0072】
実施例4
実施例1において、成分[C]としての2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール5重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5重量部および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン10重量部の代わりに2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン10重量部を使用した他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−4)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0073】
実施例5
実施例1において、成分[C]としての2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール5重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン5重量部および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン10重量部の代わりに2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン20重量部、4−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン10重量部を使用した他は、実施例1と同様にして組成物溶液(S−5)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0074】
実施例6
実施例1において、共重合体[A−1]の重合体溶液の代わりに、合成例2で得られた共重合体[A−2]の重合体溶液を用いた他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−6)を調製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、共重合体[A−1]の重合体溶液の代わりに、合成例3で得られた共重合体[A−3]の重合体溶液を用いた他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−7)を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0075】
実施例8
実施例1において、共重合体[A−1]の重合体溶液の代わりに、合成例4で得られた共重合体[A−4]の重合体溶液を用いた他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−8)を調製し、評価した。結果を表1に示す。
【0076】
実施例9
実施例1において、共重合体[A−1]の重合体溶液の代わりに、合成例5で得られた共重合体[A−5]の重合体溶液を用いた他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−9)を調製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例10
実施例1において、成分[D]としてのC.I.ピグメントレッド177を37重量部、C.I.ピグメントブルー15:4を16重量部使用し、ウレタン系分散剤(商品名Disperbyk−182)を12重量部使用した他は、実施例2と同様にして組成物溶液(S−10)を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、逆テーパー形状、耐熱性、遮光性などの諸性能に優れた隔壁を容易に形成することができる感放射線性樹脂組成物が提供される。
また、上記の感放射線性樹脂組成物より、信頼性の高い隔壁が得られる。
Claims (5)
- [A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物並びに(a3)前記(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物を溶媒中で重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって得られた共重合体、
[B]エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、
[C]感放射線重合開始剤、並びに
[D]着色剤
を含有することを特徴とするEL表示素子の隔壁形成用感放射線性樹脂組成物。 - [ D ] 着色剤が黒色顔料を含むものである、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の感放射線性樹脂組成物の硬化物からなりそしてEL素子のために形成された隔壁であって、垂直断面形状が底辺の長さが上辺の長さよりも短くそして上辺と側辺のなす角度が15〜75°をなす台形状である上記隔壁。
- 請求項1または2に記載の感放射線性樹脂組成物の硬化物からなりそして膜厚1μmにおけるOD値が0.1以上である隔壁。
- 請求項3または4に記載の隔壁を備えたEL表示素子。
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