JP3972624B2 - システム天井へのファンフィルターユニットの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリッド型のシステム天井を構成するフレームに、気密部材を介して積層状に設けられたファンユニットとフィルターとを取付ける構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大規模な事務所や工場の天井として、アルミニウムあるいはスチールからなる複数本のフレームをグリッド(格子)状に組みたて、これを上階の躯体や吊鋼材に固定された支柱に長尺の吊りボルトを介して吊設したシステム天井が知られている。このシステム天井によれば、予め上記フレームに照明器具、電源線あるい制御線等の設備機器を取付けて、これらを一体的に施工することができるとともに、天井板を取り替えることなく上記設備機器の増設等を行うことができるという利点がある。
【0003】
このような構成からなるシステム天井を、クリーンルームに使用した場合には、上記システム天井に、当該クリーンルーム内を清浄に保持するためのファンフィルターユニットを取付ける必要がある。
図4は、上記クリーンルームにおけるシステム天井へのファンフィルターユニットの一般的な取付構造を示すもので、上記吊りボルト1によって吊設されたシステム天井のフレーム2の上面間に、両者間の気密性を保持するパッキン3を介して順次フィルター4とファンユニット5とを積層状に載置したファンフィルターユニット6を取付けたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記システム天井へのファンフィルターユニットの取付構造は、フレーム2の上方(以下、天井内と称する。)から上記ファンフィルターユニット6を取付け、また取外しすることを前提に計画されている。したがって、定期的に、または何等かの不具合が生じてフィルター4を交換する必要が生じた場合には、上記天井内に作業員が上がり、先ずファンユニット5を取り外した後に、フィルター4を取外して新たなフィルターに交換し、次いでこのフィルター上に、再びファンユニット5を載置する必要がある。
【0005】
このため、ファンユニット5の電源線や制御線等の取外しおよび復旧が必要となり、作業に多大の手間を要するともに、特に天井内に、上記ファンユニット6に近接してダクト等が配置されているような場合には、作業性にも劣るという問題点があった。加えて、計画段階において、天井内に作業員が上記作業を行うに充分な高さを確保しなければならないという制約があった。
【0006】
これに対して、近時のクリーンルームにおいては、床下に様々な生産用配管や電気的配線を収納するようになっており、しかも生産設備の高さ増加といった関係から、室内の所要高さが従来よりも高くなり、この結果天井内の高さが低くなる傾向がある。このため、天井内にファンフィルターユニット6のメンテナンスやフィルター4の交換作業に必要な高さを確保できなくなる場合も生じている。特に、このような状況は、既存の事務所などを改修してクリーンルームとする場合などに多く発生している。
【0007】
そこで、上記フィルター4を室内側から交換可能とする従来のファンフィルターユニットの取付構造として、例えば図5に示すように、ファンユニット5の下部外周から吊り下げボルト7を垂設し、この吊り下げボルト7によってフィルター4を吊持する構造が提案されている。
上記取付構造においては、室内側から吊り下げボルト7を取外すことにより、室内側からフィルター4の交換を行うことができる。
【0008】
しかしながら、上記従来のファンフィルターユニットの取付構造にあっては、常時吊り下げボルト7がフィルター4の荷重を支承しているために、ボルトのねじ切れ等による操作不良が生じたり、あるいは一部の吊り下げボルト7の締付け不足等によって、ファンユニット5とフィルター4との間の面圧が不均一になり、この結果パッキン3からの漏洩が生じてフィルター4を通過しない塵埃等を含む空気が室内の流入したりするおそれがある。
【0009】
また、フィルター4として、フレーム2によって画成されるグリッドの内枠寸法に対して、さらに吊り下げボルト7の操作用スペースを見込んだ大きさのものを使用する必要があり、この結果当該フィルター4の有効面積が小さくなってしまうという問題点があった。
加えて、吊り下げボルト7やその取付金物7aの周辺に埃等が溜まり易く、清浄度が損なわれるおそれもあり、かつ室内側からの外観が意匠的にも劣るという問題点もあった。
【0010】
このような問題点を解消する従来の他のファンフィルターユニットの取付構造として、図6に示すように、システム天井を、吊りボルト1により吊持された上部フレーム8aと、この上部フレーム8aに連結ボルト9を介して連結された下部フレーム8bとによって構成し、下部フレーム8bの上面に、図4に示したものと同様にファンフィルターユニット6を載置したものが知られている。
上記ファンフィルターユニットの取付構造によれば、パッキン3に常時均一な面圧を作用させることができるために、上述した汚れた空気の漏洩等のおそれが無く、しかも連結ボルト9を取り外すことにより、室内側からフィルター4の交換を行うことが可能になる。
【0011】
ところが、上記取付構造においては、フィルター4を交換する際に、下部フレーム8bおよびファンフィルターユニット6を一体的に取り外すことになるために、下部フレーム8bに取付けてある照明20や配管21、さらには付随する電線22や制御線等も取り外す必要がある。しかも、連結ボルト9を取り外す際に、これら種々の設備を取付けた重量の大きな下部フレーム8bを一時的に支える器具が必要になり、総じて作業が大掛かりになるという問題点があった。
また、クリーンルーム内の生産装置の配置によっては、上記器具を設置することができないという問題点もあった。
【0012】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、フィルターをグリッドの内枠寸法とほぼ等しい面積に形成することができ、しかも確実に気密性を保持することができるとともに、簡易な作業によって容易に当該フィルターを室内側から交換することが可能になるシステム天井におけるファンフィルターユニットと取付構造を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、グリッド型のシステム天井を構成するフレームに、気密部材を介して積層状に設けられたファンユニットとフィルターとを取付ける構造であって、上記フィルターは、上記フレームによって画成されるグリッド内を通過可能に形成され、かつ上記ファンユニットは、少なくとも一方の幅寸法が上記フレーム間隔より大きく形成され、上記フィルターの上部に、上記ファンユニットを設けるとともに、対向する上記フレームの側面に、上記フィルターを支承する取付部材を着脱自在に取付け、上記幅寸法が上記フレーム間隔より大きく形成された上記ファンユニットの下方に位置する上記フレームに、スライド部材をファンユニットに向けて出没自在に、かつフレームの下面側から操作可能に設けてなり、スライド部材の突出時に、当該スライド部材によってファンユニットの荷重を支承するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の取付部材が、上記グリッドの内枠に沿って配設された枠材であることを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記フレームが、筒状に形成されているとともに、スライド部材は、上記フレームの上面に回動自在に螺合されたスライドボルトであり、かつ当該スライドボルトの下方に位置する上記フレームの下面に、上記スライドボルトの回動操作が可能な大きさの開口部を形成するとともに、上記開口部に着脱自在なキャップを設けたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明においては、フレームの下面側すなわち室内側からスライド部材を操作してこれをファンユニット側に突出させ、当該スライド部材によってファンユニットの荷重を支承した後に、フィルターを支承する取付部材をフレーム側面から取り外すことにより、上記フィルターを、グリッド内を通して室内へと取り外すことができる。また、新たなフィルターを、同様にグリッド内を通じてファンユニットの下方に位置させ、その取付部材をフレーム側面に取付けた後に、スライド部材を後退させてファンユニットをフィルター上に載置することにより、上記フィルターの交換作業が完了する。
【0016】
ここで、上記取付部材としては、ファンフィルターユニットの荷重を安定的に支持することができるものであれば、各フレームに配置した複数のアングル材等の各種形状のものを使用することが可能であるが、特に請求項2に記載の発明のように、上記グリッドの内枠に沿って配設された枠材を使用すれば、取外しが容易であるとともに、意匠性にも優れる。
【0017】
また、上記システム天井を構成するフレームとしては、レール状や平板をU字状あるいはコ字状に成形したもの等、各種形態のものが適用可能であるが、請求項3に記載の発明のように筒状のフレームを使用し、当該フレームの上面に上記スライド部材を設ければ、スライド部材が室内から目視されないために外観状好ましい。このような場合には、フレームの下面を取外し可能とすることにより、上記スライド部材を操作することができるが、さらにスライド部材の下方に位置するフレームの下面に、上記スライド部材の回動操作が可能な大きさの開口部を形成し、この開口部に着脱自在なキャップを設ければ、フレームの下面全体を取り外す必要が無く、かつ上記スライド部材の操作が一層容易になる。ちなみに、スライド部材についても、簡易型のジャッキアップ治具等の様々な部材を採用することが可能であるが、汎用のボルトを用いたスライドボルトが構造も簡易なことから好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明に係るシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造の一実施形態を示すもので、図4〜図6に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図1および図2に示すように、本取付構造においては、角筒状をなすフレーム2の側面に、全周にわたる長方形の枠材(取付部材)10が、所定箇所の設けられたボルト11によって着脱自在に設けられている。そして、この枠材10の上面に、パッキン(気密部材)3を介してファンフィルターユニット6が載置されている。
【0019】
ここで、上記ファンフィルターユニット6のフィルター4は、フレーム2によって画成されるグリッド12内を通過可能な面積に形成されており、このフィルター4上に、パッキン3を介してファンユニット5が載置されている。また、このファンユニット5は、基台部分5aの外法が上記グリッド12の幅寸法よりも大きくなるように形成されている。そして、上記グリッド12の長辺側に位置するフレーム2の天板であって、かつ基台部分5aの下方位置には、それぞれスライドボルト13が所定間隔をおいて2本ずつ螺合されている。
【0020】
これらスライドボルト13は、ボルト頭部をフレーム2内に位置させて設けられており、当該ボルト頭部を回転させることにより、先端部分が上記基台部分5aに向けて出没自在に設けられている。そして、当該スライドボルト13は、フレーム2の上面から突出させた際に、基台部分5aに当接してファンユニット5の荷重を支承することができる長さ寸法に形成されている。
他方、このスライドボルト13の下方に位置するフレーム2の下面2aには、スライドボルト13の回動操作が可能な大きさの開口部14が穿設されており、この開口部14には、例えばプラスチック製のキャップ15が着脱自在に設けられている。
【0021】
上記構成からなるシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造においては、図3に示すように、先ず開口部14を塞いでいるキャップ15を取外し、次いで開口部14を介して室内側からスライドボルト13を回動してファンユニット5の基台部分5a側に突出させ、これらスライドボルト13によってファンユニット5の荷重を支承した後に、フレーム2の側面のボルト11を外してフィルター4と枠材10をフレーム2から取り外すことにより、グリッド12内を通してフィルター4を室内へと取り外すことができる。
【0022】
また、新たなフィルター4を枠材10に載置して、同様にグリッド12内を通じてファンユニット5の下方に位置させ、上記枠材10をボルト11によってフレーム2の側面に取付けた後に、スライドボルト13を回動して後退させ、ファンユニット5をフィルター4上に載置することにより、上記フィルター4の交換作業が完了する。
【0023】
このように、上記取付構造によれば、図6に示した従来の取付構造のように、フレームおよび当該フレームに取付けた照明器具や配管等を取り外す必要が無く、しかも図4に示したもののように、ファンユニット5やその電源線等を取り外す必要も無い。さらに、重量が軽いフィルター4のみを交換することができ、よって特別な取外し器具を用いる必要もないために、簡易な作業によって容易にフィルター4を室内側から交換することができる。この結果、天井内にフィルター交換のための作業空間を確保する必要が無いために、階高を下げることも可能になる。加えて、システム天井として一般的なものを用いることができるために、既存建物の改修によって当該システム天井にファンフィルターユニット6を新設するような場合にも、容易に適用することが可能になる。
【0024】
また、ファンユニット5とフィルター4との間およびフィルター4と枠材11との間のパッキン3による気密性が、これらファンユニット5およびフィルター4の重量によって確保されるために、当該パッキン3に均一な面圧が作用することにより、高い気密性を保持することができる。このため、図5に示した従来の取付構造のように、パッキン3からの漏洩に起因して、フィルター4を通過しない汚れた空気が室内に流入することにより汚染事故等を発生するおそれがない。
【0025】
さらに、フィルター4を、ほぼグリッド12の内枠寸法と等しい幅寸法に形成することができるために、当該フィルター4の有効面積に極端な減少を招くこともない。しかも、当該フィルター4をグリッドの内枠に沿って配設された枠材10によってフレーム2に取付けるとともに、スライドボルト13の下方に位置するフレーム2の下面に操作用の開口部14を形成し、この開口部14にキャップ15を着脱自在に設けているので、上記フィルター4の取外し作業が一層容易であるとともに埃等が溜まるおそれがなく、かつ意匠性にも優れる。
【0026】
また、予めファンユニット5の全荷重を支持した位置において、スライドボルト13にその目印を付けておけば、確実に上記ファンユニット5の設置状態を目視によって管理することが可能になる。さらには、当該ファンユニット5として、ファン部分およびモーター部分が下面側から取外し可能な形式のものを用いれば、上記フィルター4の交換のみならず、ファンユニット5のメンテナンスも、室内側から行うことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3のいずれかに記載の発明によれば、フィルターを交換するに際して、フレームやこれに取付けた照明器具等あるいはファンユニットやその電源線等を取り外す必要が無く、重量が軽いフィルターのみを交換することができるために、別途特別な取外し器具を要することなく簡易な作業によって容易に当該フィルターを室内側から交換することができる。この結果、天井内にフィルター交換のための作業空間を確保する必要が無く、階高を下げることも可能になる。また、ファンユニットおよびフィルターの重量によって、気密部材に均一な面圧を作用させることができるために、高い気密性を保持することができる。
【0028】
さらに、フィルターを、ほぼグリッドの内枠寸法と等しい幅寸法に形成することができるために、当該フィルターの有効面積に極端な減少を招くこともなく、しかも、請求項2に記載の発明によれば、当該フィルターをグリッドの内枠に沿って配設された枠材によってフレームに取付けるとともに、請求項3に記載の発明においては、スライドボルトの下方に位置するフレームの下面に操作用の開口部を形成し、この開口部にキャップを着脱自在に設けているので、上記フィルターの取外し作業が一層容易であるとともに埃等が溜まるおそれがなく、かつ意匠性にも優れるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の底面図である。
【図3】図1のフィルターを取り外した状態を示す縦断面図である。
【図4】従来のシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造を示す縦断面図である。
【図5】従来の他の取付構造を示す縦断面図である。
【図6】従来の他の取付構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 フレーム
3 気密部材
4 フィルター
5 ファンユニット
6 ファンフィルターユニット
10 枠材(取付部材)
11 ボルト
12 グリッド
13 スライドボルト(スライド部材)
Claims (3)
- グリッド型のシステム天井を構成するフレームに、気密部材を介して積層状に設けられたファンユニットとフィルターとを取付ける構造であって、
上記フィルターは、上記フレームによって画成されるグリッド内を通過可能に形成され、かつ上記ファンユニットは、少なくとも一方の幅寸法が上記フレーム間隔より大きく形成され、上記フィルターの上部に、上記ファンユニットを設けるとともに、
対向する上記フレームの側面に、上記フィルターを支承する取付部材を着脱自在に取付け、
上記幅寸法が上記フレーム間隔より大きく形成された上記ファンユニットの下方に位置する上記フレームに、スライド部材を上記ファンユニットに向けて出没自在に、かつ上記フレームの下面側から操作可能に設けてなり、上記スライド部材の突出時に、当該スライド部材によって上記ファンユニットの荷重を支承するようにしたことを特徴とするシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造。 - 上記取付部材は、上記グリッドの内枠に沿って配設された枠材であることを特徴とする請求項1に記載のシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造。
- 上記フレームは、筒状に形成されているとともに、スライド部材は、上記フレームの上面に回動自在に螺合されたスライドボルトであり、かつ当該スライドボルトの下方に位置する上記フレームの下面に、上記スライドボルトの回動操作が可能な大きさの開口部を形成するとともに、上記開口部に着脱自在なキャップを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム天井へのファンフィルターユニットの取付構造。
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