JP3972659B2 - 車両用後側方警報装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中の自車の後側方から接近してくる他車が存在する場合に警報によりドライバーに注意を促す車両用後側方警報装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用後側方監視装置としては、例えば、特開2000−127849号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、消失する直前の他車の特徴点のオプティカルフローに基づいて、他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点以降の他車と自車との間の相対的位置関係を推定する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用後側方監視装置にあっては、他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点以降、その相対速が維持されると仮定する構成となっていたため、他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点以降、自車が加速,減速、または、他車が加速,減速、自車と他車の両者が加速,減速した場合、誤差が発生し、他車が自車側方を通過後でも警報が持続してしまい、ドライバーに大きな違和感を与えてしまう。または、他車が自車側方を通過する前に警報が停止してしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、適切な警報停止位置の決定により、他車が自車側方を通過後でも警報が持続してしまうことや、逆に、他車が自車側方を通過する前に警報が停止してしまうことを解消することができる車両用後側方警報装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、走行中の自車の後側方から接近してくる他車が存在する場合にドライバーに注意を促す警報手段を備えた車両用後側方警報装置において、自車に対し後方又は隣接車線から接近してくる他車を検出する後側方接近車両検出手段と、自車の加速度を算出する自車加速度算出手段と、自車と接近してくる他車との相対加速度を算出する相対加速度算出手段と、自車に対し後側方に位置する他車が消失した時点以降において、自車の加速度と、自車と他車との相対加速度と、自車と他車との相対速度と、現時点での自車と他車との距離と、によって次回処理時間後の自車と他車との距離を算出し、この次回処理時間後の距離が所定値より大きいときは警報を持続し、それ以外のときは警報を停止するように判定することで、前記他車の前記自車に対する警報停止位置を決定する警報持続判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の車両用後側方警報装置において、前記後側方接近車両検出手段は、自車の後側情景を撮像する撮像部と、撮像された画像から自車に対し後方又は隣接車線を走行中の他車の特徴点を検出する画像特徴点検出部と、撮像された画像信号に基づいて、時間的に連続する2コマの画像から消失点を検出する消失点検出部と、特徴点から特徴点に向かうベクトルを取ってオプティカルフローを検出するオプティカルフロー検出部と、検出されたオプティカルフローに基づいて、接近してくる他車を判定する接近車両判定部と、を有する手段であり、前記警報持続判定手段は、自車に対し後側方に位置する他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点以降において、前記警報停止位置を決定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、請求項1または請求項2に記載の車両用後側方警報装置において、
前記自車加速度算出手段は、前記他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点の自車の実加速度とアクセル開度から求まる理論加速度との比に、一定時間後の前記アクセル開度から求まる理論加速度を乗じることで自車の加速度を算出することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、請求項3に記載の車両用後側方警報装置において、
前記自車加速度算出手段は、アクセル開度から求まる理論加速度を、自車に搭載された変速装置の変速比や自車が走行する路面勾配により変化させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明では、請求項1ないし請求項4の何れかに記載の車両用後側方警報装置において、
前記警報持続判定手段は、自車に対し後側方に位置する他車の特徴点のオプティカルフローが消失するまでにおいて、前記自車と他車との相対速度と、相対加速度によって前記他車が自車に到達する時間を算出することで、警報開始位置を判定することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明では、請求項1に記載の車両用後側方警報装置において、前記後側方接近車両検出手段は、自車に設置され、自車に対し後方又は隣接車線を走行中の他車までの車間距離を測定する測距部と、前記測距部からの測距値に基づいて、接近してくる他車を判定する接近車両判定部と、を有する手段であり、前記警報持続判定手段は、自車に対し後側方に位置する他車の測距値が消失した時点以降において、前記警報停止位置を決定することを特徴とする。
【0012】
【発明の作用および効果】
請求項1に係る発明にあっては、警報持続判定手段において、自車に対し後側方に位置する他車が消失した時点以降において、自車の加速度と、自車と他車との相対加速度と、自車と他車との相対速度と、現時点での自車と他車との距離と、によって次回処理時間後の自車と他車との距離を算出し、この次回処理時間後の距離が所定値より大きいときは警報を持続し、それ以外のときは警報を停止するように判定することで、他車の自車に対する警報停止位置が決定されるため、自車の加速度と自車と他車との相対加速度が考慮され、他車が自車側方を通過する適切な位置が警報停止位置として決定されることになる。よって、他車が自車側方を通過後でも警報が持続してしまうことや、逆に、他車が自車側方を通過する前に警報が停止してしまうことが無くなるため、通過後も警報が持続してしまうことによるドライバーへの大きな違和感や、通過前に警報が停止するという問題を解消することができる。
【0013】
請求項2に係る発明にあっては、撮像部において、自車の後側情景が撮像され、画像特徴点検出部において、撮像された画像から自車に対し後方又は隣接車線を走行中の他車の特徴点が検出され、消失点検出部において、撮像された画像信号に基づいて、時間的に連続する2コマの画像から消失点が検出され、オプティカルフロー検出部において、特徴点から特徴点に向かうベクトルを取ってオプティカルフローが検出され、接近車両判定部において、検出されたオプティカルフローに基づいて、接近してくる他車が判定される。そして、警報持続判定手段において、自車に対し後側方に位置する他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点以降において、警報停止位置が決定されるため、自車に撮像部が設置された車両において、適切な警報停止位置を決定することができる。
【0014】
請求項3に係る発明にあっては、自車加速度算出手段において、他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点の自車の実加速度とアクセル開度から求まる理論加速度との比に、一定時間後のアクセル開度から求まる理論加速度を乗じることで自車の加速度が算出されるため、ドライバーのアクセル操作に適合した加速度を求めることができ、その結果、より最適な警報停止位置を決定することができる。
【0015】
請求項4に係る発明にあっては、自車加速度算出手段において、アクセル開度から求まる理論加速度が、自車に搭載された変速装置の変速比や自車が走行する路面勾配により変化させられるため、アクセル開度に変速比や路面勾配が考慮されて、自車の走行状態に応じた最適な理論加速度を求めることができる。
【0016】
請求項5に係る発明にあって、警報持続判定手段において、自車に対し後側方に位置する他車の特徴点のオプティカルフローが消失するまでにおいて、自車と他車との相対速度と、相対加速度によって他車が自車に到達する時間を算出することで、警報開始位置が判定されるため、他車が自車に接近する接近度合いを適切に判定でき、それに基づいて適切なタイミングにて警報を開始することができる。
【0017】
請求項6に係る発明にあっては、自車に設置された測距部において、自車に対し後方又は隣接車線を走行中の他車までの車間距離が測定され、接近車両判定部において、測距部からの測距値に基づいて、接近してくる他車が判定される。そして、警報持続判定手段において、自車に対し後側方に位置する他車の測距値が消失した時点以降において、警報停止位置が決定されるため、自車に測距部が設置された車両において、適切な警報停止位置を決定することができる。加えて、測距部は撮像部よりも遠くに位置する後側方の他車を検出できるため、より早い時期に他車が自車に接近する接近度合いを判定でき、それに基づいてより早く他車の存在をドライバーに対し警報により知らせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用後側方警報装置を実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4,5に係る発明に対応する第1実施例と、請求項1,6に係る発明に対応する第2実施例とに基づいて説明する。
【0019】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両用後側方警報装置を示す全体システム図であり、図1において、401は撮像部、402は画像特徴点検出部、403は消失点検出部、404はオプティカルフロー検出部、405は接近車両判定部、406はアクセル開度検出手段、407はギア位置検出手段、408は車輪速検出手段、409は自車速度・加速度算出手段、410は相対位置・速度・加速度算出手段、411は警報持続判定手段、SW0は方向指示器、412は警報手段、413は操舵角検出手段である。なお、撮像部401、画像特徴点検出部402、消失点検出部403、オプティカルフロー検出部404、接近車両判定部405は、請求項1,2の後側方接近車両検出手段に相当する。
【0020】
前記撮像部401は、CCD撮像素子のような撮像デバイスを用いた撮像装置であって、図2に示すように、自車11の最後部に設置されて、そこから撮像可能な水平方向角度θの領域の後側情景を撮像する。
【0021】
前記画像特徴点検出部402は、撮像部401により撮像された画像から、他車12の画像とその他の道路や背景等との画像との輝度差を利用して、それらの間の境界を検出する。この境界検出手法としては、微分処理によるエッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去等の画像処理手法を用いればよい。そして、図2及び図3に示すように、他車12のエッジのうちから予め定められた所定に条件に適合する特徴点Eを抽出する。特徴点Eは、1つとは限らず、複数でも良い。
【0022】
前記消失点検出部403は、処理された画像信号に基づいて、時間的に連続する2コマの画像から消失点FOE(以降、FOEという。)を検出する。
【0023】
このFOEの検出方法としては、図3に示すように、撮像部の取付位置より算出される画像上の消失点位置を基準FOEとし、前記時間的に連続する2コマの画像から、複数の特徴点のマイナスベクトルが向かう収束点、または、プラスベクトルが遠ざかる基点となる収束点を算出し、前記基準FOEを算出したFOEに置き換える、または、前記基準FOEを既定の割合に応じて補正する等、連続的に行う。
【0024】
また、走路の白線等の道路区分線が存在する場合には、画像の中から、微分処理によるエッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去等の画像処理手法を用いて白線検出を行い、その検出結果の白線曲線の延長線を求め、その位置に従い、基準FOEを算出したFOEに置き換える、または、前記基準FOEを既定の割合に応じて補正する等、連続的に行っても良い。なお、前方撮像部を備えている場合には、前方情景画像を用いた白線検出を行っても良い。
【0025】
前記オプティカルフロー検出部404は、特徴点E0から特徴点E1に向かうベクトルを取ってオプティカルフローOP1を形成する。
【0026】
すなわち、FOE及び特徴点Eが抽出されると、それらに基づいて、前記の画像の次のコマとして前記の画像を撮像した時点から撮像周期△tだけ後に撮像される次のコマの画像の中から、前記の特徴点E0に対応する特徴点E1を検出する。このときの特徴点E1の探索は、特徴点E0とFOEとを通る直線上で探索すればよい。
【0027】
さらに、次のコマの画像が撮像されると、特徴点E1に対応する特徴点E2を検出し、特徴点E1から特徴点E2に向かうベクトルを取ってオプティカルフローOP2を形成する。さらに、次の時点でのコマの画像で、特徴点E2に対応する特徴点E3を検出する。このような処理を、次々に画像のコマが撮像される毎に繰り返してゆくことで、特徴点En−1に対応する特徴点EnのオプティカルフローOPnを連続的に得る。
【0028】
前記接近車両判定部405は、画像中の複数のオプティカルフローOPの大きさ、向きにより、接近物体からのオプティカルフローを選別し、さらに、同一接近物体からのものをグループ化し、接近物体が車両であることを判定する。
【0029】
前記自車速度・加速度算出手段409は、自車11の状態として、車輪速検出手段408からの車輪速W(0)より、自車速度V1(0)及び自車加速度A1(0)を、
V1(0)=a*W(0)(a:定数)
A1(0)=(V1(0)−V1(-1))/△t
の式により算出する。
【0030】
さらに、自車速度・加速度算出手段409では、他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失した時点の自車11の実加速度A1(0)とアクセル開度Axから求まる理論加速度α(0)との比に、一定時間後のアクセル開度Axから求まる理論加速度α(+1)を乗じることで、次回処理時間△t後の自車加速度A1(+1)を算出する。
【0031】
すなわち、アクセル開度検出手段406から得たアクセル開度Axから、今回反映値Ax(0)と、次回反映値Ax(+1)と、ギア位置検出手段407からのギア位置に応じて読み出されたアクセル開度−理論加速度特性(図4)により、理論加速度今回値α(0)と、理論加速度次回値α(+1)を求める。そして、今回の自車加速度A1(0)と理論加速度今回値α(0)とを比較し、理論加速度次回値α(+1)から、次回処理時間△t後の自車加速度A1(+1)を、
A1(+1)=(A1(0)/α(0))*α(+1)
の式により算出する。この次回処理時間△tとは、自車状態を検出し、警報持続判定が完了するまでの時間を示している。また、アクセル開度−理論加速度特性としては、ギア位置検出手段407からのギア位置の数に応じた複数の特性が予め設定されている。
【0032】
なお、ここでは、比による補正を行っているが、予め定めた補正値表を記憶し、読み出して用いる方法としても良い。また、アクセル開度−理論加速度特性値は、ギア位置又は路面勾配に応じて数式化して演算しても良いし、予め定めた数値表を記憶し、読み出す方法を用いても良い。
【0033】
前記相対位置・速度・加速度算出手段410は、図2に示すように、他車12が撮像部401の撮像可能な範囲にあり、自車11に対し後側方に位置する他車12の特徴点ErのオプティカルフローOPrが消失するまでにおいては、接近してくる他車12のオプティカルフローOPrnと、自車11の後端中央との相対位置(X(n),Yr(n))から警報停止位置までの距離S(n)を算出し、オプティカルフローの大きさ|OPrn|より、相対速度△V(n)と、相対加速度△A(n)を、
S(n)=Yr(n)+L
△V(n)=△Yr(n)/△t(△t:処理周期)
△A(n)=(△V(n)−△V(n-1))/△t
の式により算出する。
【0034】
ここで、Lは、自車11の後端から警報停止位置までの距離であり、例えば、警報停止位置を、自車11の前端の横を通過したとき、とした場合には、自車11の全長とすれば良い。
また、警報停止位置を、ドライバー・アイポイントの横に他車12の前端が入った時とする場合は、ドライバー・アイポイントから自車11の後端までの距離とすれば良い。
さらに、自車11が車線変更しても先行位置に存在するようになった他車12との間に適当な車間距離を保てるように、安全余裕距離をを設定したい場合は、Lは、安全余裕距離+自車11の全長とすれば良い。
【0035】
そして、撮像部401の撮像可能な範囲から、他車12がフレームアウトしていった場合には、図5に示すように、フレームアウトして他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失した時点(0時点)から処理周期△t前の相対速度△V(-1)と、相対加速度△A(-1)、および、フレームアウトした他車12の処理周期△t前の相対位置(X(-1),Y(-1))から自車11の側方を完全に通過するまでの距離S(-1)を、
S(-1)=Y(-1)+L
△V(-1)=(Y(-2)−Y(-1))/△t
△A(-1)=(△V(-1) )−△V(-2))/△t
の式により、処理毎に連続的に算出する。
【0036】
さらに、相対位置・速度・加速度算出手段410では、他車加速度A2(-1)を、
A2(-1)=△A(-1)−A1(-1)
の式により算出する。
【0037】
そして、相対位置・速度・加速度算出手段410では、次回の処理時間△t後の距離S(+1)を、
S(0)=S(-1)−{△V(-1)*△t+1/2*(A2(-1)+A1(0))*△t2}
S(+1)=S(0)−{△V(0)*△t+1/2*(A2(0)+A1(+1))*△t2}
但し、△V(0)=△V(-1)+V1(0)−V1(-1)
の式により算出する。
【0038】
前記警報持続判定手段411は、他車12が撮像部401の撮像可能な範囲にあり、自車11に対し後側方に位置する他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失するまでにおいては、自車11と他車12との相対速度△V(n)と、相対加速度△A(n)と、自車11の後端中央との相対位置(X(n),Yr(n))から警報停止位置までの距離S(n)と、によって他車12が自車11に到達する時間(=追いつく時間t(n))を算出することで、警報開始位置を判定する。
【0039】
例えば、ドライバーの車線変更の意思を表す方向指示器SW0の点灯指示が入力されていて、他車12が自車11へ追いつく時間t(n)が、
t(n)={√(△V(n) 2+2*△A(n)*S(n))+△V(n)}/△A(n) ...(1)
の式により算出され、この追いつく時間t(n)が、ある一定(TC)以下となった場合に、他車12の接近度が大であると判定され、そのとき警報手段412を作動させることにより、ドライバーに対し車線変更の中止、または、車線変更の中断を促す。
【0040】
そして、撮像部401の撮像可能な範囲から他車12がフレームアウトし、自車11に対し後側方に位置する他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失した時点以降においては、自車11の加速度A1(n),A1(n-1)と、自車11と他車12との相対加速度△A(n-1)と、相対速度△V(n-1)と、現時点での距離S(n-1)と、によって、次回処理時間△t後の自車11と他車12との距離S(n)を算出し、S(n)>0では警報を持続し、S(n)≦0となったら警報を停止することで、他車12の自車11に対する警報停止位置を決定する。
【0041】
すなわち、相対位置・速度・加速度算出手段410では、次回の処理時間△t後の距離S(n)が、
S(n)=S(n-1)−{△V(n-1)*△t+1/2*(A2(n-1)+A1(n))*△t2} ...(2)
但し、A2(n-1)=△A(n-1)−A1(n-1)
の式により算出される。
【0042】
次に、作用を説明する。
【0043】
[警報持続判定処理]
図6は自車11の後側方に他車12が接近してきた場合、自車速度・加速度算出手段409、相対位置・速度・加速度算出手段410、警報持続判定手段411にて実行される警報持続判定処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。この処理は、例えば、10msecの制御周期毎に繰り返し実行される。
【0044】
ステップS1では、相対位置・速度・加速度算出手段410において、相対速度△Vと、相対加速度△Aと、自車通過までの距離Sとを算出する。
【0045】
ステップS2では、自車速度・加速度算出手段409において、自車速度V1と、自車加速度A1を算出し、相対位置・速度・加速度算出手段410において、他車加速度A2を算出する。
【0046】
ステップS3では、上記(1)式にて算出された他車12が自車11へ追いつく時間t(n)が設定時間TCを超えているか否かを判断し、t(n)>TCの時には、ステップS4へ移行し警報を停止する。その後、最初にt(n)≦TCとなった時には、ステップS5へ移行して警報を開始し、その後の処理周期でt(n)≦TCの時には、ステップS5へ移行して警報を持続する。
【0047】
ステップS6では、他車12が撮像部401の撮像範囲からフレームアウトしたか否かを判断し、フレームアウトしていなければステップS1へ戻り、フレームアウトしていればステップS7へ移行する。
【0048】
ステップS7では、フレームアウトした時点の相対速度△Vと相対加速度△Aと他車加速度A2と自車通過までの距離Sとを初期値として記憶する。
【0049】
ステップS8では、自車速度・加速度算出手段409において、自車速度V1(n-1)と、自車加速度A1(n-1)を算出する。
【0050】
ステップS9では、自車速度・加速度算出手段409において、自車加速度A1(n-1)と理論加速度α(n-1),α(n)により次回処理時間△t後の自車加速度A1(n)を予測により算出する。
【0051】
ステップS10では、自車11の加速度A1(n),A1(n-1)と、自車11と他車12との相対加速度△A(n-1)と、相対速度△V(n-1)と、現時点での距離S(n-1)と、によって、上記(2)式を用いて次回処理時間△t後の自車11と他車12との距離S(n)を算出する。
【0052】
ステップS11では、次回の自車11と他車12との距離S(n)が、S(n)>0か否かを判断し、S(n)>0であればステップS12へ移行して警報を持続し、S(n)≦0となったらステップS13へ移行して警報を停止する。
【0053】
[後側方から他車が接近してきた場合の警報作用]
後側方から接近してきた他車12が撮像部401の撮像可能な範囲にあり、自車11に対し後側方に位置する他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失するまでにおいては、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む流れとなり、ステップSにおいて、他車12が自車11へ追いつく時間t(n)が設定時間TC以下であると判断されると、ステップS5へ移行して警報が開始される。
【0054】
そして、撮像部401の撮像可能な範囲から他車12がフレームアウトするまでは、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5へ進む流れが繰り返され、警報が持続される。
【0055】
さらに、他車12が接近し続け、図7に示すように、撮像部401の撮像可能な範囲から他車12がフレームアウトしていった場合には、オプティカルフローOPが消失してしまうため、警報持続判定手段411は、時々刻々のオプティカルフローOPによる警報持続判定ができなくなるが、まだ、他車12は自車11の側方を通過中であり、警報を継続する必要がある。
【0056】
通常、追い越し車両(他車12)は、一定車速のみならず、加速しながら追い越す場合も多く考えられる。また、自車11も周囲走行状況により、加速や減速することが容易に予想される。よって、警報持続の判定では、これを考慮する必要がある。
【0057】
そこで、図7に示すように、撮像部401の撮像可能範囲から他車12がフレームアウトしていった場合には、図6のフローチャートにおいて、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS11へと進む流れとなり、ステップS11において、次回の自車11と他車12との距離S(n)が、S(n)>0である限りはステップS12へ移行して警報が持続される。
【0058】
そして、図7の破線位置に示すように、他車12が自車11の側方を完全に通過する位置まで達すると、ステップS11において、次回の自車11と他車12との距離S(n)が、S(n)≦0となり、ステップS11からステップS13へ移行して警報を停止する。
【0059】
図8は他車12がフレームアウト後、相対加速度△Aが一定で通過すると仮定した場合の特性図であり、縦軸がフレームアウトからの警報持続時間で、横軸がフレームアウト時点の相対速度△Vである。
【0060】
例えば、相対速度が10km/hで、相対加速度+1m/s2で通過していった場合と、相対車速△Vが維持された(相対加速度0m/s2)場合とを比較すると、フレームアウトから自車11の横を通過するまでの時間は、相対速度△Vを維持するのに対し相対加速度+1m/s2で通過する場合の方が約1秒間短くなることが判る。
【0061】
この場合、自車11の横を他車12が通過したにもかかわらず、約1秒間長く警報されることになり、ドライバーに多大な違和感を与えることになる。
【0062】
これに対し、第1実施例を適用した場合には、フレームアウトからは自車11と他車12の相対加速度△Aを考慮して警報停止位置を決定するようにしているため、自車11の横を他車12が通過した時点で警報が停止するというように、ドライバーに違和感を与えない最適な警報をすることができる。
【0063】
次に、効果を説明する。
【0064】
(1) 自車11に対し後側方に位置する他車12が消失した時点以降においては、自車11の加速度A1(n),A1(n-1)と、自車11と他車12との相対加速度△A(n-1)によって警報持続を判定することで、他車12の自車11に対する警報停止位置を決定するようにしたため、適切な警報停止位置の決定により、他車12が自車11の側方を通過後でも警報が持続してしまうことや、逆に、他車12が自車11の側方を通過する前に警報が停止してしまうことを解消することができる。
【0065】
この結果、他車12が通過後も警報が持続してしまうことによるドライバーへの大きな違和感や、他車12が通過前に警報が停止したことで、他車12の接近が無くなったとドライバーに錯覚を与えるという問題を解消することができる。
【0066】
(2) 後側方接近車両検出手段を、撮像部401、画像特徴点検出部402、消失点検出部403、オプティカルフロー検出部404、接近車両判定部405により構成し、撮像部401の撮像可能な範囲から他車12がフレームアウトし、自車11に対し後側方に位置する他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失した時点以降においては、自車11の加速度A1(n),A1(n-1)と、自車11と他車12との相対加速度△A(n-1)と、相対速度△V(n-1)と、現時点での距離S(n-1)と、によって、次回処理時間△t後の自車11と他車12との距離S(n)を算出し、S(n)>0では警報を持続し、S(n)≦0となったら警報を停止することで、他車12の自車11に対する警報停止位置を決定するようにしたため、自車11の後部位置に撮像部401が設置された車両において、適切な警報停止位置を決定することができる。
【0067】
(3) 自車速度・加速度算出手段409において、他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失した時点の自車11の実加速度A1(0)とアクセル開度Axから求まる理論加速度α(0)との比に、一定時間後のアクセル開度Axから求まる理論加速度α(+1)を乗じることで、次回処理時間△t後の自車加速度A1(+1)を算出するようにしたため、ドライバーのアクセル操作に適合した自車加速度A1(+1)を求めることができ、その結果、より最適な警報停止位置を決定することができる。
【0068】
(4) 自車速度・加速度算出手段409において、アクセル開度Axから求まる理論加速度α(0)が、自車に搭載された変速装置のギア比により変化させられるため、アクセル開度Axにギア比が考慮されて、自車の走行状態に応じた最適な理論加速度α(0)を求めることができる。
【0069】
(5) 警報持続判定手段411において、他車12が撮像部401の撮像可能な範囲にあり、自車11に対し後側方に位置する他車12の特徴点EのオプティカルフローOPが消失するまでは、自車11と他車12との相対速度△V(n)と、相対加速度△A(n)と、自車11の後端中央との相対位置(X(n),Yr(n))から警報停止位置までの距離S(n)と、によって他車12が自車11に追いつく時間t(n)を算出することで、警報開始位置を判定するようにしたため、他車12が自車11に接近する接近度合いを適切に判定でき、それに基づいて適切なタイミングにて警報を開始することができる。
【0070】
(第2実施例)
第2実施例は、第1実施例の撮像部401の代わりに、撮像部401より広い検出領域を持つ測距部901を用いた例である。
【0071】
まず、構成を説明すると、図9に示すように、第1実施例の撮像部401の代わりに測距部901(レーザーレーダ等)を設け、第1実施例の画像特徴点検出部402、消失点検出部403、オプティカルフロー検出部404を省略している。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図9に同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
次に、作用を説明する。
【0073】
測距部402を自車11の最後端部の左右2箇所に設置した場合、図10のハッチングで示す領域が他車12の検出範囲となり、第1実施例の場合と同様に、その検出範囲を他車12が通過し、測距値が消失した時点で、上記図6の警報判定フローのステップS7〜ステップS13に従い、警報持続判定手段411は、S(n)>0では警報を持続し、S(n)≦0となったら警報を停止することで、他車12の自車11に対する警報停止位置を決定する。
【0074】
次に、効果を説明する。
【0075】
この第2実施例の車両用後側方警報装置では、第1実施例の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0076】
(6) 自車11の後部位置に設置された測距部901において、自車11に対し後方又は隣接車線を走行中の他車12までの車間距離が測定され、接近車両判定部405において、測距部901からの測距値に基づいて、接近してくる他車12が判定されると、警報持続判定手段411において、自車11に対し後側方に位置する他車12の測距値が消失した時点以降において、自車11の加速度A1(n),A1(n-1)と、自車11と他車12との相対加速度△A(n-1)によって警報持続を判定することで、他車12の自車11に対する警報停止位置を決定するようにしたため、自車11の後部位置に測距部901が設置された車両において、適切な警報停止位置を決定することができる。
【0077】
加えて、測距部901は撮像部401よりも遠くに位置する後側方の他車12を検出できるため、より早い時期に他車12が自車11に接近する接近度合いを判定でき、それに基づいてより早く他車12の存在をドライバーに対し警報により知らせることができる。
【0078】
(他の実施例)
以上、本発明の車両用後側方警報装置を第1実施例及び第2実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0079】
例えば、第1実施例では、方向指示器SW0の点灯指示が入力されている場合について示したが、これに限らず、操舵角検出手段413からの操舵角度の変化量により、車線変更を判断し、警報しても良い。
【0080】
また、走路に白線等の道路区分線が存在する場合には、画像の中から微分処理によるエッジ強調や、空間フィルタリングを用いたノイズ除去等の画像処理手法を用いて、白線検出を行い、その検出結果の白線曲線と、自車11との相対位置の接近度により、車線変更を判断し、警報しても良い。前方撮像部を備えている場合には、前方情景画像を用いた白線検出を行っても良い。
【0081】
また、第1実施例では、他車12の接近度合いの判定について、自車11へ追いつく時間tを用いたが、自車11の車線変更での他車12への横方向(X軸方向)の接近度合いも考慮して警報したり、簡略に自車11と他車12との車間距離にて警報するようにしても良い。
【0082】
ところで、接近してくる他車12は、一般に隣接車線を直進しながら自車11に追いついてくる場合がほとんどであり、つまり、その移動方向はY軸に平行であって、車両12が左車線へ変更する場合、または、車線内を蛇行している場合等でも、X軸方向の動きの速さはY軸方向の速度の大きさよりもかなり小さく、他車12のオプティカルフローOPのX軸方向成分については無視できる範囲である。従って、第1実施例においては、他車12のオプティカルフローOPのX軸方向成分については考慮していないが、勿論、前記のようにX軸方向成分についても考慮するようにしても良い。
【0083】
第1実施例では、撮像部401は自車11の後端のほぼ中央部の1箇所に設置する場合について述べたが、撮像部401の数はこれに限られるものではなく、例えば、自車11の後端の左右2箇所に1個ずつ計2個設置した場合には、その個々に本発明の技術を適用可能である。
【0084】
第2実施例では、測距部901は自車11の後端の両端2箇所に設置する場合について述べたが、早期手段901の数はこれに限られるものではなく、例えば、測距部901を自車11の後端のほぼ中央1箇所に設置した場合でも、本発明の技術は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用後側方警報装置を示す全体ブロック図である。
【図2】第1実施例の車両用後側方警報装置での他車が撮像範囲内にある他車検出方法を示す説明図である。
【図3】第1実施例の車両用後側方警報装置におけるオプティカルフローと消失点の一例を示す説明図である。
【図4】第1実施例の車両用後側方警報装置で用いられるアクセル開度−理論加速度特性の一例を示す図である。
【図5】第1実施例の車両用後側方警報装置での他車が撮像範囲内からフレームアウトする場合の他車検出方法を示す説明図である。
【図6】第1実施例装置において自車11の後側方に他車12が接近してきた場合、自車速度・加速度算出手段409、相対位置・速度・加速度算出手段410、警報持続判定手段411にて実行される警報持続判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第1実施例の車両用後側方警報装置での他車がフレームアウトして警報停止位置に達する場合の他車検出方法を示す説明図である。
【図8】様々な相対加速度による警報持続時間特性図である。
【図9】第2実施例の車両用後側方警報装置を示す全体ブロック図である。
【図10】第2実施例の車両用後側方警報装置での他車がフレームアウトして警報停止位置に達する場合の他車検出方法を示す説明図である。
【符号の説明】
401 撮像部
402 画像特徴点検出部
403 消失点検出部
404 オプティカルフロー検出部
405 接近車両判定部
406 アクセル開度検出手段
407 ギア位置検出手段
408 車輪速検出手段
409 自車速度・加速度算出手段
410 相対位置・速度・加速度算出手段
411 警報持続判定手段
SW0 方向指示器
412 警報手段
413 操舵角検出手段
901 測距部
Claims (6)
- 走行中の自車の後側方から接近してくる他車が存在する場合にドライバーに注意を促す警報手段を備えた車両用後側方警報装置において、
自車に対し後方又は隣接車線から接近してくる他車を検出する後側方接近車両検出手段と、
自車の加速度を算出する自車加速度算出手段と、
自車と接近してくる他車との相対加速度を算出する相対加速度算出手段と、
自車に対し後側方に位置する他車が消失した時点以降において、自車の加速度と、自車と他車との相対加速度と、自車と他車との相対速度と、現時点での自車と他車との距離と、によって次回処理時間後の自車と他車との距離を算出し、この次回処理時間後の距離が所定値より大きいときは警報を持続し、それ以外のときは警報を停止するように判定することで、前記他車の前記自車に対する警報停止位置を決定する警報持続判定手段と、
を備えたことを特徴とする車両用後側方警報装置。 - 請求項1に記載の車両用後側方警報装置において、
前記後側方接近車両検出手段は、自車の後側情景を撮像する撮像部と、撮像された画像から自車に対し後方又は隣接車線を走行中の他車の特徴点を検出する画像特徴点検出部と、撮像された画像信号に基づいて、時間的に連続する2コマの画像から消失点を検出する消失点検出部と、特徴点から特徴点に向かうベクトルを取ってオプティカルフローを検出するオプティカルフロー検出部と、検出されたオプティカルフローに基づいて、接近してくる他車を判定する接近車両判定部と、を有する手段であり、
前記警報持続判定手段は、自車に対し後側方に位置する他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点以降において、前記警報停止位置を決定することを特徴とする車両用後側方警報装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用後側方警報装置において、
前記自車加速度算出手段は、前記他車の特徴点のオプティカルフローが消失した時点の自車の実加速度とアクセル開度から求まる理論加速度との比に、一定時間後の前記アクセル開度から求まる理論加速度を乗じることで自車の加速度を算出することを特徴とする車両用後側方警報装置。 - 請求項3に記載の車両用後側方警報装置において、
前記自車加速度算出手段は、アクセル開度から求まる理論加速度を、自車に搭載された変速装置の変速比や自車が走行する路面勾配により変化させることを特徴とする車両用後側方警報装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の車両用後側方警報装置において、
前記警報持続判定手段は、自車に対し後側方に位置する他車の特徴点のオプティカルフローが消失するまでにおいて、前記自車と他車との相対速度と、相対加速度によって前記他車が自車に到達する時間を算出することで、警報開始位置を判定することを特徴とする車両用後側方警報装置。 - 請求項1に記載の車両用後側方警報装置において、
前記後側方接近車両検出手段は、自車に設置され、自車に対し後方又は隣接車線を走行中の他車までの車間距離を測定する測距部と、前記測距部からの測距値に基づいて、接近してくる他車を判定する接近車両判定部と、を有する手段であり、
前記警報持続判定手段は、自車に対し後側方に位置する他車の測距値が消失した時点以降において、前記警報停止位置を決定することを特徴とする車両用後側方警報装置。
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