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JP3972666B2 - 印刷インキ用バインダー - Google Patents
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JP3972666B2 - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はグラビアインキ等の印刷インキに用いるバインダーに関するものである。更に詳しくは、印刷適性、付着性に優れた包装用プラスチックフィルムのグラビア印刷等に好適に用いることができる印刷インキ用のバインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビアインキ等に用いられるバインダー樹脂は、従来より、主にウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニルポリマー等が使用されてきたが、環境保全の要求からダイオキシンの発生のない非塩素系樹脂への転換が進む一方、商品包装用インキでは安全性、低臭気の点からポリアミド樹脂よりもウレタン系樹脂への統合が進んできている。
【0003】
また、包装グラビアインキ等に使用される溶剤は、主にトルエン、メチルエチルケトン、アルコール等の混合溶剤である。特にトルエンは、インキの溶解性が高いため、グラビア版の残存インキに起因する印刷物の版詰まりに対して再溶解性が高く、有用な溶剤であり、さらに低価格でもあることから、従来より使用されている。
【0004】
しかしながら、労働安全衛生法の改正により、トルエンの濃度規制が強化され、そのための環境改善への対応からインキ中の溶剤組成の見直しを迫られている。この問題に対し、特開平11−279472号公報では、高分子ジオールと、有機ジイソシアネートと、脂肪族系ジアミンとから誘導されるポリウレタンポリ尿素樹脂からなる印刷インキ用バインダーにおいて、特定のポリエステルジオールを用いたトルエンを含まない溶剤系の印刷インキバインダーが開示されている。しかしながら、メチルエチルケトンを使用しているため、未だ臭気の問題があった。
【0005】
一方、トルエンおよびメチルエチルケトンを使用しないインキ、例えばアルコール系溶剤とエステル系溶剤との混合溶剤系を用いた印刷インキ用バインダーやこれを用いた印刷インキでは、環境改善や臭気の点では改良されるものの、貯蔵中に経時的に粘度が低下し印刷できなくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の点から本発明が解決しようとする課題は、トルエンとケトン系溶剤とを含有しない有機溶剤を用いた印刷インキ用バインダーであって、低臭気で印刷適性に優れ、かつ、貯蔵中に粘度低下しない印刷インキ用バインダーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、印刷インキ用バインダーとしてポリウレタンポリ尿素樹脂と共にヒドロキシカルボン酸を添加することにより、有機溶剤としてトルエンとメチルエチルケトン等のケトン系溶剤とを含有しない有機溶剤を用いても、印刷インキ用バインダーやこれを用いた印刷インキにおける粘度の低下(貯蔵安定性)を防止することができ、低臭気で印刷適性に優れること、さらにこの印刷インキ用バインダーを用いた印刷インキは、フィルムへの付着性やラミネート加工時のラミネート強度を損なわず、グラビアインキ等の印刷インキ用バインダーとして特に好適であること等を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)と、ヒドロキシカルボン酸(B)と、トルエンとケトン系溶剤とを含有しない酢酸エチルとイソプロピルアルコールの混合有機溶剤(C)とを配合してなることを特徴とする、印刷インキ用バインダーを提供するものである。
【0009】
【発明実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷インキ用バインダーは、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)と、ヒドロキシカルボン酸(B)と、トルエンとケトン系溶剤とを含有しない有機溶剤(C)とを配合してなるものであり、なかでも、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の固形分100重量部に対して、ヒドロキシカルボン酸(B)を0.01〜10重量部配合したもの好ましく、0.05〜3重量部配合したものが特に好ましい。また、ヒドロキシカルボン酸(B)としては、水酸基を1個または2個有し、かつ、カルボキシル基を2個または3個有するヒドロキシカルボン酸であることが好ましい。
【0010】
ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)としては、例えば、高分子ジオールとジイソシアネートとを反応させた後、ジアミン等の鎖伸長剤と鎖伸長反応せしめて得られる樹脂が挙げられる。
【0011】
高分子ジオールとしては、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸等の2塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、水添ビスフェノールA等のジオールとのエステル化反応により得られる縮合物、前記ジオールを開始剤として得られるカプロラクトン重合物、バレロラクトン重合物、メチルバレロラクトン重合物等のポリエステルジオール等;
【0012】
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール;
【0013】
ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド;ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオール等を挙げることができる。これらの高分子ジオールは単独または2種類以上を併用して使用できるが、なかでも、印刷適性やラミネート強度に優れる印刷インキ用バインダーが得られることから、ポリエステルジオールやポリエーテルジオールが好ましい。
【0014】
これら高分子ジオールの分子量としては、特に限定されるものではないが、印刷適性を優れたものとし、また乾燥性や耐ブロッキング性を適性に保つことができる印刷インキ用バインダーが得られることから、数平均分子量1,000〜6,000の範囲であることが好ましい。
【0015】
ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の他の成分であるジイソシアネートとしては、例えば、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシ基をイソシアネート基に転化したダオマージイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
【0016】
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
【0017】
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
【0018】
これらジイソシアネートのウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カーボジイミド変性体等の各種のジイソシアネート変性体等が挙げられる。これらのジイソシアネートは単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0019】
鎖伸長剤として使用するジアミンとしては、各種のジアミン類を挙げることができる。例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の分子内に水酸基を有するジアミン類;ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のジアミン類等が挙げられる。
【0020】
本発明で用いるポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の製造に際しては、前記したような高分子ジオールとともに、必要に応じて、低分子量ジオールを併用することができる。低分子量ジオールとしては、例えば、前記のグリコール類、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0021】
本発明のポリウレタンポリ尿素樹脂(A)を製造する方法については、特に制限はなく、一般的なポリウレタンポリ尿素樹脂の製造方法で製造できる。例えば、ジイソシアネートと高分子ジオールとを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰となる当量比で反応させてイソシアネート基含有のプレポリマーをつくり、ついで、これを溶剤、好ましくはトルエンとケトン系溶剤と含有しない有機溶剤(C)に溶解させてプレポリマー溶液とした後、ジアミン等の鎖伸長剤および必要に応じて後述する反応停止剤を溶剤中に溶解させたものに、該イソシアネート基含有のプレポリマー溶液を添加して鎖伸長反応させるか、または該イソシアネート基含有のプレポリマー溶液に鎖伸長剤及び必要に応じて反応停止剤を添加して鎖伸長反応させればよい。
【0022】
ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の製造で用いる反応停止剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;ベンジルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族アミン類;ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
【0023】
前記ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の製造方法において使用される溶剤としては、この製造方法で得られるポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の溶液にヒドロキシカルボン酸(B)と、必要によりトルエンとケトン系溶剤とを含有しない有機溶剤(C)とを添加するだけで本発明の印刷インキ用バイダーが得られることから、後記するトルエンとケトン系溶剤とを含有しない有機溶剤(C)のいずれか1種以上であることが好ましく、なかでも、有機溶剤(C)と同一の溶剤を50重量%以上含有するものが特に好ましく、同一組成であることが最も好ましいい。
【0024】
得られるポリウレタンポリ尿素樹脂の分子量は、特に限定されないが、乾燥性、耐ブロッキンング性、被膜強度、耐油性を適性に保ち、また顔料分散の低下を防止するため、重量平均分子量で、5,000〜200,000のものが好ましく、10,000〜150,000の範囲であることがより好ましい。
【0025】
次に、本発明の印刷インキ用バインダーに配合するヒドロキシカルボン酸(B)としては、水酸基とカルボキシル基を併せ持つ化合物であり、例えば、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、3−ヒドロキシ−3−ペンタンカルボン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、10−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸、12−ヒドロキシ−trans−9−オクタデセン酸、3,3,3,−トリクロロ−2−ヒドロキシプロピオン酸、2−(ラクトイルオキシ)プロピオン酸等のモノヒドロキシモノカルボン酸類;
【0026】
2,3−ジヒドロキシプロピオン酸、3−ホスホ−D−グリセリン酸、2,3−ジホスホ−D−グリセリン酸、8,9−ジヒドロキシオクタデカン酸等のジヒドロキシモノカルボン酸類;ヒドロキシマロン酸、α−ヒドロキシコハク酸(リンゴ酸)、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン二酸、3−ヒドロキシペンタン二酸、α,α′−ジヒドロキシコハク酸、dl−酒石酸、d−酒石酸水素カリウム、d−酒石酸モノエチル、テトラヒドロキシコハク酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、1,2−ジヒドロキシ−1,1,2−エタントリカルボン酸等のヒドロキシポリカルボン酸類が挙げられる。
【0027】
これらのうち、ヒドロキシカルボン酸(B)としては、そのもの臭気が少なく、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)と配合後の溶解性が良好で、貯蔵安定性(粘度変化)に優れる印刷インキが得られることから、ヒドロキシマロン酸、α−ヒドロキシコハク酸(リンゴ酸)、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン二酸、3−ヒドロキシペンタン二酸、α,α′−ジヒドロキシコハク酸、dl−酒石酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸(クエン酸)、1,2−ジヒドロキシ−1,1,2−エタントリカルボン酸等の水酸基を1個または2個有し、かつ、カルボキシル基を2個または3個有するヒドロキシカルボン酸が好ましい。これらは単独または2種以上の混合物で用いることができる。
【0028】
また、該ヒドロキシカルボン酸(B)の配合量は、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の固形分100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲が好ましく、なかでも0.05〜3重量部の範囲が特に好ましい。
【0029】
ヒドロキシカルボン酸(B)の配合方法には特に限定はなく、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)を製造した後、そのまま配合するか、あるいは、あらかじめポリウレタンポリ尿素樹脂(A)製造時に使用する有機溶剤にて適当な濃度に溶解・希釈したものを配合してもよいが、ヒドロキシカルボン酸の均一混合が容易なことから、後者の方法が好ましい。
【0030】
本発明で用いるトルエンとケトン系溶剤とを含有しない有機溶剤(C)としては、トルエンとケトン系溶剤とを含有しないものであれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の非芳香族系溶剤が挙げられ、単独または2種以上の混合物で用いることができる。これら有機溶剤(C)のなかでも、アルコール系溶剤とエステル系溶剤とを主成分として50重量%以上含有する混合溶剤が好ましく、これらが合計で100重量%であってもよい。特に脂肪族アルコール系溶剤と酢酸エステル系溶剤とを主成分として50重量%以上含有する混合溶剤が好ましく、これらが合計で100重量%であってもよい。
【0031】
本発明の印刷インキ用バインダーを用いた印刷インキは、例えば、本発明の印刷インキ用バインダーに、各種顔料と、必要により有機溶剤(C)とを加えて、練肉、分散して得ることができる。さらに、熱ラミネート時に変色しない範囲で、必要に応じてポリイソシアネート化合物、ブロッキング防止剤、可塑剤等の添加物、インキ流動性、分散性を改良するための界面活性剤等を添加することができる。
【0032】
また、前記印刷インキには、ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)と相溶性を有する樹脂を併用することができ、例えば、硝化綿;塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン;クロルスルホン化ポリプロピレン等のクロルスルホン化ポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、またはその塩素化もしくはクロルスルホン化物;マレイン酸樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0033】
なお、前記印刷インキの樹脂固形分濃度は、印刷時の作業性、印刷効果等を考慮し適宜決定されるもので、特に制約されるものではないが、3〜50重量%に調整するのがよい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」はすべて重量部である。
【0035】
参考例1〔ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の調製〕
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、数平均分子量2,000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート)グリコール533.5部およびイソホロンジイソシアネート116.7部を仕込み、窒素気流下に90℃で5時間反応させ、遊離イソシアネート価(イソシアネート基含有率)3.25重量%のプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル350部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン41.1部、ジ−n−ブチルアミン5.3部、酢酸エチル827部およびイソプロピルアルコール(IPA)506部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。得られたポリウレタンポリ尿素樹脂溶液(以下、樹脂溶液Aという)は、樹脂固形分濃度30.3重量%、粘度(B型回転粘度計による粘度。以下同様。)980mPa・s(25℃)であり、樹脂固形分の重量平均分子量(以下、Mwという)は45,000であった。
【0036】
参考例2(同上)
参考例1と同様の装置を使用し、1,4−ブタンジオールと3−メチル−1,5−ペンタンジオールの混合物(モル比=1/1)とアジピン酸とを反応させて得た数平均分子量2,000のポリエステルジオール558.6部およびイソホロンジイソシアネート116.4部を仕込み、窒素気流下に90℃で5時間反応させ、遊離イソシアネート価2.13重量%のプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル325部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン46.2部、酢酸エチル724部およびIPA592部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。得られたポリウレタンポリ尿素樹脂溶液(以下、樹脂溶液Bという)は、樹脂固形分濃度29.4重量%、粘度1070mPa・S(25℃)であり、樹脂固形分のMwは49,000であった。
【0037】
参考例3(同上)
参考例1と同様の装置を使用し、エチレングリコールとネオペンチルグリコールの混合物(モル比=1/1)とアジピン酸とを反応させて得た数平均分子量1,800のポリエステルジオール605.9部およびイソホロンジイソシアネート94/1部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、遊離イソシアネート価1.02重量%のプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル300部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン18.1部、酢酸エチル873部およびIPA503部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で7時間攪拌反応させて、ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液を得た。得られたポリウレタンポリ尿素樹脂溶液(以下、樹脂溶液Cという)は、樹脂固形分濃度30.5重量%、粘度850mPa・S(25℃)であり、樹脂固形分のMwは58,000であった。
【0038】
実施例1〜7および比較例1〜3
実施例1〜7では、参考例1〜3で得られたポリウレタンポリ尿素樹脂溶液(A)〜(C)に第1表(1)〜(2)に示すヒドロキシカルボン酸を添加して印刷インキ用バインダーとし、下記のインキ配合処方に従って印刷インキを調製した。
【0039】
また、比較例1〜3では、前記ポリウレタンポリ尿素樹脂溶液(A)〜(C)を、ヒドロキシカルボン酸の添加なしで、そのまま印刷インキ用バインダーとして用い、下記のインキ配合処方に従って印刷インキを調製した。
【0040】
〔インキ配合処方〕
印刷インキ用バインダー35部、酸化チタン30部、酢酸エチル20部およびIPA15部の混合物を練肉した後、その粘度を、酢酸エチルとIPAの混合物(酢酸エチル/IPAの重量比=60/40)を添加し、粘度をザーンカップ#3にて16秒に調整して、白色印刷インキを得た。
【0041】
【表1】
Figure 0003972666
【0042】
【表2】
Figure 0003972666
【0043】
次いで、得られた白色印刷インキを用い。版深35μmのグラビア版を備えたグラビア校正機により、表面コロナ処理延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、表面コロナ処理延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、および、表面コロナ処理延伸ナイロンフィルム(NYフィルム)のそれぞれの表面コロナ処理面に乾燥後の膜厚が3μmになるようにグラビア印刷し、50℃で乾燥して、それぞれ3種の印刷フィルムを得た。
【0044】
第1表(1)〜(2)に示す印刷インキ用バインダーと、このバインダーを使用して調製白色印刷インキと、この白色印刷インキをグラビア印刷したフィルムを用いて、下記の性能試験を行った。その結果を第2表(1)〜(2)および第3表(1)〜(2)に示す。
【0045】
・性能試験
(1)印刷インキ用バインダーの貯蔵安定性:得られた印刷インキ用バインダーの製造直後のB型回転粘度計による粘度(初期粘度、単位:mPa・s)と、この印刷インキ用バインダーを40℃で1ヶ月密栓保管した後のB型回転粘度計による粘度(1ヶ月後の粘度、単位=mPa・s)とを測定し、これらから粘度変化率を算出して、下記の評価基準で評価した。
粘度変化率(%)=(1ヶ月後の粘度/初期粘度)×100
Figure 0003972666
【0046】
(2)白色印刷インキの貯蔵安定性:粘度がザーンカップ#3にて16〜17秒となるように酢酸エチルとIPAの混合物(酢酸エチル/IPAの重量比=60/40)を添加して粘度調整された白色印刷インキを得た後、ザーンカップ#3にて粘度調整後の粘度(初期粘度、単位=秒)と、40℃で1ケ月密栓保管した後の粘度(1ヶ月後の粘度、単位=秒)を測定し、これらから粘度変化率を算出して、下記の評価基準で評価した。
粘度変化率(%)=(1ヶ月後の粘度/初期粘度)×100
Figure 0003972666
【0047】
(3)再溶解性:OPPフィルムに白色印刷インキをグラビア印刷した5cm×10cmのフィルム片を、溶剤〔酢酸エチル/IP=7/3(重量比)〕に25℃で5秒間浸漬させた後、インキ膜の溶解状況を下記の評価基準で評価した。
Figure 0003972666
【0048】
(4)接着性:PETフィルム、OPPフィルム、NYフィルムに白色印刷インキをグラビア印刷したフィルム片の印刷面にセロハンテープ(12mm巾)を貼り、セロハンテープの一端を印刷面に対して垂直方向に急速に剥がしたときの印刷面状態を下記の評価基準で評価した。
Figure 0003972666
【0049】
(5)ラミネート強度:OPPフィルムに、白色印刷インキをグラビア印刷したフィルムの印刷面に2液型ウレタン樹脂系接着剤を3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、表面コロナ処理ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)を重ね合わせ、40℃で3日間養生してラミネートフィルムとした後、このフィルムから巾15mmの試験片を採取し、テンシロンで180゜剥離強度を測定した(剥離速度300mm/分)。
【0050】
【表3】
Figure 0003972666
【0051】
【表4】
Figure 0003972666
【0052】
【表5】
Figure 0003972666
【0053】
【表6】
Figure 0003972666
【0054】
【発明の効果】
本発明の印刷インキ用バインダーは、トルエンおよびケトン系溶剤を含まない溶剤において、貯蔵安定時にも粘度低下せず、かつ、印刷適性に優れたインキを与える。

Claims (7)

  1. ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)と、ヒドロキシカルボン酸(B)と、トルエンとケトン系溶剤とを含有しない酢酸エチルとイソプロピルアルコールの混合有機溶剤(C)とを配合してなることを特徴とする、印刷インキ用バインダー。
  2. ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の固形分100重量部に対して、ヒドロキシカルボン酸(B)が0.01〜10重量部配合されている、請求項記載の印刷インキ用バインダー。
  3. ポリウレタンポリ尿素樹脂(A)の固形分100重量部に対して、ヒドロキシカルボン酸(B)が0.05〜3重量部配合されている、請求項記載の印刷インキ用バインダー。
  4. ヒドロキシカルボン酸(B)が、水酸基を1個または2個有し、かつ、カルボキシル基を2個または3個有するヒドロキシカルボン酸である、請求項記載の印刷インキ用バインダー。
  5. ポリウレタンポリ尿素樹脂が、高分子ジオールとジイソシアネ−トとを反応させてイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーとした後、ジアミンと鎖伸長反応せしめて得られる樹脂である、請求項1〜のいずれか1項記載の印刷インキ用バインダー。
  6. 高分子ジオールが、ポリエステルジオールまたはポリエーテルジオールである、請求項記載の印刷インキ用バインダー。
  7. グラビアインキ用バインダーである、請求項1〜のいずれか1項記載の印刷インキ用バインダー。
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