JP3973080B2 - プレス機械の防護柵の落下防止方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス機械の作業部に設けられる防護柵を吊下げている吊下索が切れたときにそのまま防護柵が落下するのを防止するプレス機械の防護柵の落下防止方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プレス機械の防護柵は、作業域に作業者の立ち入りを拒んだり、加工時のスクラップの作業者側への飛散を防いだりするためにプレス機械の作業部に設置される。したがってプレス機械の稼動時には閉じた状態にしている。そして金型の出し入れ及びプレス内作業等の場合、防護柵が邪魔になるため、これを所定の高さまで上昇して不用意に落下しないように保持できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の防護柵はチェーン等の吊下索にて吊り下げられており、吊下索を巻き上げたり、巻き下げることより昇降するようになっている。このため、上記吊下索が切れた場合、防護柵がこれの自重で自然に落下し、重大な事故に繋がる恐れがあった。
【0004】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、仮に防護柵を吊り下げている吊下柵が切れても落下することがなくなり、安全性を向上することができるようにしたプレス機械の防護柵の落下防止方法及びこの方法を実施するための装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るプレス機械の防護柵の落下防止方法は、プレス機械の防護柵の落下防止方法において、プレス機械の防護柵の落下防止装置において、左右のフレームに沿って昇降動可能にした防護柵の中央に上下方向に長くした長穴を設けたブラケットを固着し、このブラケットの長穴に吊り棒を防護柵の幅方向に平行に、かつ長穴に沿って上下方向に移動可能に係合し、また防護柵の両側部に、側方へ突出する方向に付勢された係合部材を設け、左右のフレームに係合部材の先端が係合する被係合部材を上下方向に設け、一方の係合部材と上記吊り棒の一端と、また他方の係合部材と上記吊り棒の他端とを、それぞれ長さ調節可能にすると共に、上記吊り棒が長穴の下端まで下動した状態で係合部材の先端が被係合部材に係合し、上端まで上動した状態で係合部材の先端が被係合部材から抜けるようにした長さにした伝動索にて連結し、上記吊り棒に防護柵を吊り下げる吊下索を連結した構成になっている。
【0007】
上記した請求項1に係るプレス機械の防護柵の落下防止装置では、吊下索が切れた場合には、防護柵が確実にその位置でフレーム側に係合し、上記吊下索が切断されたときの防護柵落下の危険を回避できるので防護柵としての安全性を向上することができる。
【0008】
そして上記係合部材は伝動索を介して吊下索に連結されているので、上記のように吊下索だけでなく、伝動索が切断しても係合部材による係止作用がなされる。また、吊下索及び伝動索の端部結合部品等の破損に対しても、係合部材による係止作用がなされる。
【0009】
また、係合部材による係合機構自体が簡単であることにより、製造コストが安い上に、係合後の回復作業が容易である。
【0010】
防護柵の大きさが異なる機種間でも、吊下索及び伝動索の長さを変えるだけで、落下防止装置の部品を共通化することができる。
【0011】
また本発明の請求項2は、上記請求項1に係る構成のプレス機械の防護柵の落下防止装置において、係合部材を少なくとも防護柵の一側部に1個以上設け、係合部材の先端が係合する被係合部材を上下方向に所定の間隔があると共に、防護柵の昇降ストロークの全長にわたって複数並べて設けた構成になっており、この構成によれば、係合部材が一側部に1個だけの場合、構成を簡単にすることができる。また、係合部材の数を一側部に2個以上設けることにより、1個の係合部材が被係合部材に入り損ねても他の係合部材が被係合部材に係合することができて安全性が向上される。また、吊下索あるいは伝動索が防護柵の昇降ストローク上のどこで切れても防護柵の落下を防止できる。
【0012】
また、本発明の請求項3は、上記請求項1に係る構成のプレス機械の防護柵の落下防止装置において、係合部材を少なくとも防護柵の一側部に上下方向に離間して2個設けると共に、この係合部材の先端が係合する被係合部材を上下方向に所定の間隔があると共に、防護柵の昇降ストロークの全長にわたって複数並べて設け、両係合部材の基端部を連結部材と軸着し、連結部材の略中央部に伝動索を連結した構成になっており、2本設けられた係合部材は連結部材により並列に作動する。また、防護柵の昇降ストローク上のどこで吊下索あるいは伝動索が切れても必ずどこかの係合部材が被係合部材に係合することができるので安全性が向上される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は中・大型のプレス機械1を示すもので、2a,2bは左右(及び前後)のフレーム、3はクラウン、4は基台であり、基台4の上方にスライド(図示せず)が上下動可能に備えてあり、このスライドの上下動により、基台4上にセットした下型装置に対してスライドの下面にセットした上型装置(いずれも図示せず)にてプレス作業がなされるようになっている。
【0014】
上記基台4の前側(及び後側)に、基台4の作業域と作業者の立つ位置との間に防護柵5が所定のストロークにわたって昇降動可能に設けてある。この防護柵5は、クラウン3側に吊り下げ状に設けた巻き上げ機6にチェーンを用いた吊下索7を介して連結されていて、巻き上げ機6の作動にて吊下索7を介して昇降動されるようになっている。
【0015】
図2は防護柵5を裏側(作業域側)から見た図であり、防護柵5の両側部のそれぞれの上下部にガイド片8が固着されていて、この各ガイド片8がフレーム2a,2bの内側面に設けたレール溝9a,9bに上下方向に摺動可能に係合されている。また、この防護柵5の両側部の下部に、防護柵5をフレーム2a,2bに下降方向に係脱可能に係合する係合装置10a,10bがフレーム2a,2bの内面に対向させて設けてある。
【0016】
係合装置10a,10bは、図4にて拡大して示すように、防護柵5に固着した案内ブロック11と、この案内ブロック11を水平方向に貫通し、かつ弾性体、例えばばね12によりフレーム2a,2b側へ付勢されて嵌合された係合部材である2本のストッパピン13,13と、この2本のストッパピン13,13の基端部と軸着した連結部材14とからなっている。なお、軸着部の嵌め合いは適宜ゆるく、例えば下側のストッパピンのみが突出動した場合でも連結部材14が傾くことが許容されるようになっている。
【0017】
上記ストッパピン13は、これの先端が防護柵5の側面より所定寸法突出する位置から防護柵5の側面の内側へ没入する位置にわたってストロークするようになっている。またこのストッパピン13の先端は、太さの略1/2の上側が斜面状に切り欠かれている。
【0018】
フレーム2の内側面で、かつ上記係合装置10a,10bのストッパピン13が対向する位置には係合部材であるストッパピン13の先端部が係合する被係合部材としての係合凹部15が上下方向に防護柵5の昇降ストロークの全長にわたって複数個設けてある。この各係合凹部15は長溝状になっている。
【0019】
係合凹部15は、図5(a),(b)に示すように、板材16に設け、これをフレーム2a,2bの内側面にボルト等にて固着するか、あるいは図6(a),(b)に示すように、係合凹部15をU字状に設けた多数の板片17を上下方向に所定の数だけボルト等にて固着するようにしてもよい。図4では板片17の例を示している。なおこの各板片17に設ける係合凹部15はU字状に限ることなく長溝状にしてもよい。この実施の形態によれば、板片17の増減により係合凹部15の数を上下方向に任意に変えることができる。また、板材16または板片17は前記レール溝9a,9bと重ならないように配置してある。
【0020】
防護柵5の裏側の上部中央にブラケット18が固着してあり、このブラケット18に設けられた上下方向に長くした長穴18aに吊り棒19が防護柵5の幅方向平行に、かつ上下方向に移動可能に係合されている。そしてこの吊り棒19の両端部のそれぞれに同一長さのチェーンを用いた伝動索20a,20bの一端が連結されており、図2に示すように、左側の伝動索20aはガイドスプロケット21a,22aを介して左側の係合装置10aの連結部材14の中間部に、また、右側の伝動索20bはガイドスプロケット21b,22bを介して右側の係合装置10bの連結部材14の中間部に、それぞれ連結されている。なお各伝動索20a,20bの途中にはターンバックル23a,23bが介装してあり、これにより長さが調節できるようになっている。
【0021】
伝動索20a,20bの長さは、吊り棒19がブラケット18に対して上限まで移動した状態で、伝動索20a,20bを介して引かれるストッパピン13,13がばね(弾性体)12に抗して、これの先端が係合凹部15から抜けるようにした長さになっている。なお、吊り棒19の上下方向のストロークはストッパピン13のストロークより十分長くなっている。
【0022】
吊り棒19は吊り部材24を介して吊下索7に連結されている。吊り部材24は、吊り棒19が水平状態を維持した状態で上下動するように、吊り棒19の両側部で連結されている。
【0023】
上記した係合装置10a,10bにおけるストッパピン13,13を突出方向に付勢する1個ずつのばね(弾性体)12の付勢力は、防護柵5の重量の1/4より小さくなっている。しかしながらストッパピン13を突出動作させるには十分な付勢力を有している。
【0024】
上記構成において、防護柵5は巻き上げ機6にて、吊下索7、吊り部材24、吊り棒19、ブラケット18を介して吊り下げ保持される。このとき、防護柵5の全重量が、係合装置10a,10bのストッパピン13を突出させるためのばね(弾性体)12の付勢力より大きいことにより、ストッパピン13に連結した伝動索20a,20bの基端を連結した吊り棒19はブラケット18の長穴18aの上端まで移動し、防護柵5はこの吊り棒19がブラケット18に係合することにより吊り下げられる。
【0025】
この状態で、係合装置10a,10bのストッパピン13,13はばね(弾性体)12に抗して伝動索20a,20bにて引っぱられて没入され、これの先端がフレーム2a,2bの内側に設けられた係合凹部15から離隔された状態となり、ストッパピン13の先端は係合凹部15とは干渉せず、防護柵5は巻き上げ機6の作動により昇降動される。そして作業域での作業者の立ち入り作業時には巻き上げ機6を操作して防護柵5を上昇限まで上昇させた状態で保持し、プレス作業時には巻き上げ機6を下降操作して防護柵5をこれの下降限まで下降させる。
【0026】
上記防護柵5の上昇時において、吊下索7または伝動索20a,20bが切断すると防護柵5は自然落下する。このとき、吊り下げ力による張力がなくなるため、係合装置10a,10bのストッパピン13と吊り棒19を連結する伝動索20a,20bの張力もなくなり、各ストッパピン13はばね(弾性体)12により突出動作され、防護柵5の側方へ突出し、これの先端がフレーム2a,2bの内側面に設けた係合凹部15に係合して防護柵5の落下が停止される。
【0027】
このとき、係合凹部15が上下方向に複数個あることにより、防護柵5の落下中にいずれか1つの係合凹部15にストッパピン13が係合し、短い落下ストロークで防護柵5が停止される。また、上記係合凹部15が上下方向に長穴にしたこと、及びストッパピン13の先端の上側を斜面状に切り欠いたことにより、係合凹部15へのストッパピン13の係合はスムーズに短時間に行われる。
【0028】
なお、ストッパピン13の先端を小さくすることにより、係合凹部15の形状を丸穴状にしてもよく、さらにラック歯車状にギザギザにした形状であってもよい。また、ストッパピン13の数も、2本に限らず1本でもよく、さらに係合凹部との係合がより確実にするために2本以上設けてもよい。吊下索7及び伝動索20a,20bはそれぞれチェーンを用いた例を示したが、これはワイヤに置き換えてもよいもちろんである。
【0029】
さらに、係合装置10a,10bの係合部材は軸方向に摺動するストッパピン13の形状に限るものでなく、ベルクランク形状にし、これが回動することにより、これの先端が被係合部材に係脱するようにしてもよい。
【0030】
また上記した実施の形態では係合装置10a,10bを防護柵5の両側に設けた例を示したが、これは左右のどちらか一方に設けてもよい。この場合、吊下索7と吊り棒19及び1本の伝動索の位置は左右方向のバランスをとって配置する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用しようとするプレス機械を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明を適用した防護柵を示す裏側図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面矢視図である。
【図4】係合装置を示す拡大断面図である。
【図5】(a)は係合凹部を示す正面図、(b)はその断面図である。
【図6】(a)は係合凹部の他例を示す正面図、(b)はその断面図である。
【符号の説明】
1…プレス機械、2a,2b…フレーム、3…クラウン、4…基台、5…防護柵、6…巻き上げ機、7…吊下索、8…ガイド片、9a,9b…レール溝、10a,10b…係合装置、11…案内ブロック、12…ばね(弾性体)、13…ストッパピン、14…連結部材、15…係合凹部、16…板材、17…板片、18…ブラケット、18a…長穴、19…吊り棒、20a、20b…伝動索、21a,21b,22a,22b…ガイドスプロケット、23a,23b…ターンバックル、24…吊り部材。
Claims (3)
- プレス機械の防護柵の落下防止装置において、
左右のフレームに沿って昇降動可能にした防護柵(5)の中央に上下方向に長くした長穴(18a)を設けたブラケット(18)を固着し、
このブラケット(18)の長穴(18a)に吊り棒(19)を防護柵(5)の幅方向に平行に、かつ長穴(18a)に沿って上下方向に移動可能に係合し、
また防護柵(5)の両側部に、側方へ突出する方向に付勢された係合部材を設け、
左右のフレームに係合部材の先端が係合する被係合部材を上下方向に設け、
一方の係合部材と上記吊り棒(19)の一端と、また他方の係合部材と上記吊り棒(19)の他端とを、それぞれ長さ調節可能にすると共に、上記吊り棒(19)が長穴(18a)の下端まで下動した状態で係合部材の先端が被係合部材に係合し、上端まで上動した状態で係合部材の先端が被係合部材から抜けるようにした長さにした伝動索(23a,23b)にて連結し、
上記吊り棒(19)に防護柵(5)を吊り下げる吊下索を連結した
ことを特徴とする防護柵の落下防止装置。 - 係合部材を少なくとも防護柵(5)の一側部に1個以上設け、係合部材の先端が係合する被係合部材を上下方向に所定の間隔があると共に、
防護柵の昇降ストロークの全長にわたって複数並べて設けたことを特徴と請求項2記載のプレス機械の防護柵の落下防止装置。 - 係合部材を少なくとも防護柵(5)の一側部に上下方向に離間して2個設けると共に、この係合部材の先端が係合する被係合部材を上下方向に所定の間隔があると共に、防護柵(5)の昇降ストロークの全長にわたって複数並べて設け、両係合部材の基端部を連結部材(14)と軸着し、連結部材(14)の略中央部に伝動索を連結したことを特徴とする請求項2記載のプレス機械の防護柵の落下防止装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002006457A JP3973080B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | プレス機械の防護柵の落下防止方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002006457A JP3973080B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | プレス機械の防護柵の落下防止方法及びその装置 |
Publications (2)
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|---|---|
| JP2003205398A JP2003205398A (ja) | 2003-07-22 |
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| JP2002006457A Expired - Fee Related JP3973080B2 (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | プレス機械の防護柵の落下防止方法及びその装置 |
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