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JP3973384B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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JP3973384B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池缶内に発電要素となる電極体が収容されて、該電極体が発生する電力を外部へ取り出すことが可能なリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯型電子機器、電気自動車等の電源として、大きなエネルギー密度を有するリチウム二次電池が使用されている。
リチウム二次電池は、例えば図3及び図4に示す如く、筒体(11)の両端部に蓋体(12)(12)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(1)の内部に、巻き取り電極体(4)を収容して構成されている。両蓋体(12)(12)には、正負一対の電極端子機構(70)(70)が取り付けられており、巻き取り電極体(4)と各電極端子機構(70)とが、複数の集電タブ(6)を介して互いに接続されて、巻き取り電極体(4)が発生する電力を一対の電極端子機構(70)(70)から外部に取り出すことが可能となっている。又、各蓋体(12)には圧力開閉式のガス排出弁(8)が取り付けられている。
【0003】
巻き取り電極体(4)は、図4に示す様に、正極(41)と、非水電解液が含浸されたセパレータ(42)と、負極(43)とを重ね合わせ、これらを渦巻状に巻回して構成されている。正極(41)及び負極(43)からは夫々複数本の集電タブ(6)が引き出され、極性が同じ複数本の集電タブ(6)の先端部(61)が1つの電極端子機構(70)に接続されている。尚、図4においては、便宜上、正極の電極端子機構(70)の構成を示しており、負極の電極端子機構(70)の構成も同様であるので図示を省略している。又、一部の集電タブ(6)の先端部(61)が電極端子機構(70)に接続されている状態のみを示し、他の集電タブ(6)については、先端部(61)が電極端子機構(70)に接続されている状態の図示を省略している。
【0004】
各電極端子機構(70)はそれぞれ、電池缶(1)の蓋体(12)を貫通して取り付けられたネジ部材からなる電極端子(71)を具え、該電極端子(71)の基端部には鍔部(72)が形成されている。蓋体(12)の貫通孔には、該貫通孔の内周壁(15)及び両開口縁(14)(14)を覆う樹脂製のシール部材(16)が装着され、蓋体(12)と電極端子(71)の間の電気的絶縁性とシール性が保たれている。電極端子(71)には、電池缶(1)の外側からワッシャ(74)が嵌められると共に、ナット(75)が螺合している。そして、該ナット(75)を締め付けて、電極端子(71)の鍔部(72)とワッシャ(74)によってシール部材(16)を狭圧することにより、シール性を高めている。
正極の電極端子(71)は、高電位において化学的な安定性に優れているアルミニウム或いはその合金を用いて作製されており、負極の電極端子は、負極電位において化学的な安定性に優れている銅或いはその合金を用いて作製されている。
又、正極の電極端子の化学的な安定性を向上させるために、該端子の表面をフッ素化合物を主成分とする皮膜で覆う方法が提案されている(特開平11−7962号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リチウム二次電池に外部回路を接続する方法の1つとして、図4に示す如く、外部回路から伸びる外部リード(9)の先端部(91)を電極端子(71)にレーザー溶接する方法がある。該接続方法においては、正極の電極端子の材質であるアルミニウム或いはその合金や、負極の電極端子の材質である銅或いはその合金が、金属材料の中でも比較的大きな熱伝導率を有しているために、電極端子(71)の表面と接触しているシール部材(16)に溶接部(92)の熱が伝わり易く、シール部材(16)が劣化する問題があった。これによって、蓋体(12)と電極端子(71)の間のシール性が低下するので、二次電池を長期間保存した後の放電容量が、保存前の放電容量に比べて小さくなっていた。
又、上記特開平11−7962号公報に記載の方法によっても、フッ素化合物を主成分とする皮膜の熱遮断性が不十分なために、上述の如きシール部材が劣化する問題を解決することは出来なかった。
【0006】
本発明の目的は、外部リードを電極端子に溶接するときの熱によってシール部材が劣化する問題を解決することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るリチウム二次電池は、電池缶(1)の内部に、正極(41)と負極(43)の間に電解液を含むセパレータ(42)を介在させてこれらを積層してなる電極体が収納され、該電極体が発生する電力を正負一対の電極端子部から外部へ取り出すことが可能であって、正負極の電極端子部は、電池缶(1)に開設されている貫通孔を貫通して取り付けられている電極端子を有し、該電極端子と該貫通孔の内周壁(15)との間には、絶縁材料からなるシール部材(16)が介在している。
前記電極端子の表面には、少なくとも前記シール部材(16)と対向する領域に、電極端子の材料よりも熱伝導率の小さい金属を材料として第1被覆層(22)が形成されると共に、該第1被覆層(22)の表面には、該第1被覆層(22)を形成する金属のフッ化物からなる第2被覆層(23)が形成されており、該第2被覆層(23)の表面が前記シール部材(16)の表面と接触している。
【0008】
上記本発明のリチウム二次電池においては、電極端子の表面とシール部材(16)の表面との間に、電極端子の材料よりも熱伝導率の小さい金属を材料とする第1被覆層(22)が介在しており、該第1被覆層(22)の表面に、第1被覆層(22)を形成する金属のフッ化物からなる第2被覆層(23)が形成されているので、従来の二次電池の如く、電極端子の表面とシール部材の表面とが互いに接触している構造や、電極端子の表面とシール部材の表面との間にフッ素化合物を主成分とする皮膜のみが介在している構造に比べて、電極端子の表面とシール部材(16)の表面との間の熱伝導率が小さい。このために、電極端子に外部回路から伸びる外部リードをレーザー溶接しても、溶接部の熱がシール部材に伝わり難く、従って、シール部材(16)は劣化し難い。
又、第1被覆層(22)の表面に形成されている第2被覆層(23)は、第1被覆層(22)を形成する金属のフッ化物によって形成されているので、電池缶(1)内の電解液に対して化学的に安定であり、第2被覆層(23)が腐食することはない。従って、電解液は第2被覆層(23)によって遮断され、第1被覆層(22)に至ることはない。これによって第1被覆層(22)の腐食が防止される。
【0009】
具体的構成において、正極の電極端子部を構成する電極端子が、アルミニウム若しくはアルミニウム合金によって形成されている。該具体的構成によれば、正極の電極端子は、アルミニウム或いはその合金によって形成されているので、高電位において化学的な安定性に優れている。
他の具体的構成において、負極の電極端子部を構成する電極端子が、銅若しくは銅合金によって形成されている。該具体的構成によれば、負極の電極端子は、銅若しくは銅合金によって形成されているので、負極電位において化学的な安定性に優れている。
【0010】
更に他の具体的構成において、前記第1被覆層(22)は、ニッケル、クロム、及びチタンの中から選択される1以上の材質を用いて形成されている。該具体的構成によれば、第1被覆層(22)の熱伝導率は、アルミニウムや銅よりも充分に小さい。
【0011】
【発明の効果】
本発明のリチウム二次電池によれば、外部リードを電極端子に溶接するときの熱によるシール部材の劣化が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るリチウム二次電池は、図1に示す如く、筒体(11)の両端部に蓋体(12)(12)を溶接固定してなる円筒状の電池缶(1)の内部に、巻き取り電極体(4)を収容して構成されている。
蓋体(12)(12)には、正負一対の電極端子機構(2)(3)が取り付けられており、巻き取り電極体(4)と両電極端子機構(2)(3)とがそれぞれ、複数の集電タブ(6)を介して互いに接続されて、巻き取り電極体(4)が発生する電力を一対の電極端子機構(2)(3)から外部に取り出すことが可能となっている。又、各蓋体(12)には圧力開閉式のガス排出弁(8)が取り付けられている。尚、図1においては、便宜上、一部の集電タブ(6)の先端部(61)が、電極端子機構(2)(3)に接続されている状態のみを示し、他の集電タブ(6)については、先端部(61)が電極端子機構(2)(3)に接続されている状態の図示を省略している。
【0013】
正極の電極端子機構(2)は、電池缶(1)の蓋体(12)を貫通して取り付けられたネジ部材からなる正極の電極端子(20)(以下、正極端子という)を具え、該正極端子(20)の基端部には鍔部(21)が形成されている。蓋体(12)の貫通孔には、該貫通孔の内周壁(15)及び両開口縁(14)(14)を覆うポリプロピレン製のシール部材(16)が装着され、蓋体(12)と正極端子(20)の間の電気的絶縁性とシール性が保たれている。
正極端子(20)の表面の内、シール部材(16)の表面と対向する領域には、ニッケルを材料として第1被覆層(22)が形成されており、該第1被覆層(22)の表面には、第1被覆層(22)の表面をフッ化処理することによって第2被覆層(23)が形成されている。該第2被覆層(23)の表面は、シール部材(16)の表面と接触している。
該正極端子(20)には、電池缶(1)の外側からワッシャ(24)が嵌められると共に、ナット(25)が螺合しており、該ナット(25)を締め付けて、正極端子(20)の鍔部(21)とワッシャ(24)によってシール部材(16)を狭圧することにより、シール性を高めている。
負極の電極端子機構(3)は、正極の電極端子機構(2)と同様に負極の電極端子(30)(以下、負極端子という)を具え、正極の電極端子機構(2)と同様の構成であり、説明を省略する。
【0014】
次に、上記リチウム二次電池の製造方法について説明する。
第1被覆層と第2被覆層の形成及び電極端子機構の組み立て
先ず、正極の電極端子機構(2)の構成部材であるアルミニウム製の正極端子(20)の表面の内、二次電池の完成時にシール部材(16)と接触する領域にニッケルをめっきして、第1被覆層(22)を形成する。更に、フッ酸を用いて第1被覆層(22)の表面をフッ素化処理して、第2被覆層(22)を形成する。
次に、シール部材(16)を介して蓋体(12)の貫通孔に正極端子(20)の先端を挿入して、正極端子(20)の先端側からワッシャ(24)を嵌めた後、ナット(25)を螺合せしめて、正極の電極端子機構(2)を組み立てる。
負極の電極端子機構(3)の構成部材である銅製の負極端子(30)にも、正極端子(20)と同様にして第1被覆層(32)と第2被覆層(33)を形成し、負極の電極端子機構(3)を、正極の電極端子機構(2)と同様にして組み立てる。ここで、正極端子(20)及び負極端子(30)の表面に形成される第1被覆層(22)(32)の厚さは100μmであり、該第1被覆層(22)の表面に形成される第2被覆層(23)(33)の厚さは2〜3μmである。
【0015】
正極の作製
先ず、コバルト酸リチウム(LiCoO)粉末と、炭素粉末からなる導電剤と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)からなる結着剤とを、重量比で90:5:5の割合に混合して正極合剤を作製する。次に、この正極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状としてアルミニウム箔に塗布し、圧延を施し、幅240mmに切断して帯状の正極(41)を作製する。
負極の作製
先ず、天然の黒鉛粉末と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)からなる結着剤を、重量比で90:10の割合に混合して負極合剤を作製する。次に、この負極合剤にN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状としたものを銅箔に塗布し、圧延を施し、幅250mmに切断して帯状の負極(43)を作製する。
【0016】
電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で1:1の割合に混合して混合溶媒を作製する。この混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの割合で溶解して電解液を調製する。
巻き取り電極体の作製
前記正極の作製工程において作製した正極(41)と、前記負極の作製工程において作製した負極(43)の間にポリエチレン製の微多孔性薄膜からなるセパレータ(42)を挟んで重ね合わせ、これらを渦巻き状に巻き取って巻き取り電極体(4)を作製する。尚、正極(41)及び負極(43)からは夫々複数本の集電タブ(6)が引き出されている。
【0017】
電池の組立
先ず、筒体(11)の内部に巻き取り電極体(4)を収容して、巻き取り電極体(4)の正極(41)から伸びている集電タブ(6)の先端部(61)を、蓋体(2)に取り付けられている正極端子(20)の鍔部(21)に接続する。同様にして、巻き取り電極体(4)の負極(43)から伸びている集電タブ(6)の先端部(61)を、蓋体(12)に取り付けられている負極端子(30)の鍔部(31)に接続する。その後、筒体(11)の両開口部に蓋体(12)(12)を溶接固定して、一方の蓋体(12)のガス排出弁取付孔にガス排出弁(8)を取り付け、他方の蓋体(12)のガス排出弁取付孔から電池缶(1)内に電解液を注入する。最後に、該取付孔にガス排出弁(8)を取り付けて、円筒型のリチウム二次電池を組み立てる。
尚、上記第1被覆層を形成するためのめっきの方法としては、公知の方法を採用すればよい。又、上記第2被覆層の形成方法、即ち第1被覆層の表面をフッ素化処理する方法としては、第1被覆層の表面をフッ酸によって処理する方法の他に、第1被覆層の表面を高温下でフッ素ガスと反応させる方法等を採用することも出来る。又、第1被覆層の厚さは、数十μmから数百μmであることが好ましく、第2被覆層の厚さは、数μmであることが好ましい。
【0018】
図2は、上記リチウム二次電池と外部回路とを電気的に接続した状態を示しており、正極端子(20)に外部リード(9)の先端部(91)を溶接固定している。尚、図示省略する負極端子にも、正極端子(20)と同様に、外部リードを溶接固定している。
本発明に係る上記リチウム二次電池においては、第1被覆層(22)の材料であるニッケルの熱伝導率が正極端子(20)の材料であるアルミニウムよりも小さく、更に、第1被覆層(22)の表面には、第1被覆層(22)の表面をフッ素化処理することによって第2被覆層(23)が形成されているので、従来の二次電池のように正極端子の表面とシール部材の表面とが互いに接触している構造や、正極端子の表面に形成されたフッ素化合物層の表面とシール部材の表面とが互いに接触している構造に比べて、正極端子(20)の表面とシール部材(16)の表面との間の熱伝導率が小さくなっている。又、図示省略する負極端子の表面とシール部材の表面との間にも、第1被覆層及び第2被覆層が介在しているので、負極端子の表面とシール部材の表面との間の熱伝導率も小さくなっている。
【0019】
これによって、正極端子(20)に外部リード(9)をレーザー溶接したときの溶接部(92)の熱は、正極端子(20)の表面からシール部材(16)の表面へ伝わり難くなっており、シール部材(16)の劣化が抑制されて、正極端子(20)と蓋体(12)の間のシール性の低下が改善される。負極端子に外部リードをレーザー溶接した場合においても、正極端子(20)に外部リード(9)をレーザー溶接した場合と同様の理由によってシール部材の劣化が抑制されて、負極端子と蓋体の間のシール性の低下が改善される。この結果、本発明に係る上記リチウム二次電池を長期間保存した後の放電容量の低下は、従来の二次電池に比べて小さくなる。
【0020】
更に、第2被覆層は、第1被覆層の表面をフッ素化処理することによって形成されているので、電池缶(1)内の電解液に対して化学的に安定であり、第2被覆層が腐食することはない。従って、電解液は第2被覆層によって遮断され、第1被覆層に至ることはない。これによって第1被覆層の腐食が防止される。
【0021】
以下、本発明に係るリチウム二次電池の効果を確認するために行なった実験1〜実験3の内容及びその結果について説明する。
実験1
以下に述べる発明電池1、比較電池1〜比較電池3を作製し、各電池の保存前と保存後の放電容量を測定した。保存前の放電容量は、各電池を10Aの一定電流で4.2Vまで充電した後、2.7Vまで放電した後に測定した。保存後の放電容量は、保存前の放電容量を測定した後の各電池を、10Aの一定電流で4.2Vまで充電した後、60℃の恒温槽中に10日間保存した後、恒温槽から取り出し、10Aの一定電流で2.7Vまで放電した後に測定した。充放電装置の一対の外部リードは、レーザー溶接によって各電池の両極端子に接続した。各電池の自己放電率を、下記数1によって算出した。
【0022】
【数1】
自己放電率=(保存前の放電容量−保存後の放電容量)/保存前の放電容量
【0023】
発明電池1は、上記本発明に係るリチウム二次電池の製造方法と同様にして作製した。該電池の直径は60mm、高さは330mmであった。
比較電池1は、発明電池1と同様にして作製したが、正極端子の表面には第1被覆層を形成せず、又第2被覆層も形成しなかった。
比較電池2は、発明電池1と同様にして作製したが、正極端子の表面には第1被覆層を形成せず、正極端子の表面の内、シール部材と接触する部分をフッ酸で処理してフッ化物層を形成した。
比較電池3は、発明電池1と同様にして作製したが、正極端子の表面には第1被覆層を形成して、第2被覆層は形成しなかった。
各電池の自己放電率を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
表1に示す結果から明らかな様に、発明電池1は、比較電池1〜比較電池3に比べて自己放電率が小さく、正極端子と蓋体の間のシール性は改善されている。
この理由は、正極端子の表面に第1被覆層を形成し、更に第1被覆層の表面に第2被覆層を形成したことによって、外部リードを正極端子に溶接したときの熱によるシール部材の劣化が抑制されたためである。
【0026】
実験2
以下に述べる発明電池2〜発明電池4を作製し、実験1と同様にして、各電池の自己放電率を算出した。
発明電池2は、発明電池1と同様にして作製したが、正極端子の表面には、ニッケルに代えてクロムをめっきして第1被覆層を形成した。
発明電池3は、発明電池1と同様にして作製したが、正極端子の表面には、ニッケルに代えてチタンをめっきして第1被覆層を形成した。
発明電池4は、発明電池1と同様にして作製したが、正極端子の表面には、ニッケルに代えて亜鉛をめっきして第1被覆層を形成した。
各電池の自己放電率を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
表2に示す結果から明らかな様に、ニッケル、クロム、チタンの何れかを材料として形成された第1被覆層は、シール部材の劣化を抑制する効果が大きい。
【0029】
実験3
以下に述べる発明電池5〜発明電池7、比較電池4〜比較電池6を作製し、実験1と同様にして、各電池の自己放電率を算出した。
発明電池5は、発明電池1と同様にして作製したが、負極端子の表面には、ニッケルに代えてクロムをめっきして第1被覆層を形成した。
発明電池6は、発明電池1と同様にして作製したが、負極端子の表面には、ニッケルに代えてチタンをめっきして第1被覆層を形成した。
発明電池7は、発明電池1と同様にして作製したが、負極端子の表面には、ニッケルに代えて亜鉛をめっきして第1被覆層を形成した。
比較電池4は、発明電池1と同様にして作製したが、負極端子の表面には第1被覆層を形成せず、又第2被覆層も形成しなかった。
比較電池5は、発明電池1と同様にして作製したが、負極端子の表面には第1被覆層を形成せず、負極端子の表面の内、シール部材と接触する部分をフッ酸で処理してフッ化物層を形成した。
比較電池6は、発明電池1と同様にして作製したが、負極端子の表面には第1被覆層を形成して、第2被覆層は形成しなかった。
各電池の自己放電率を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
表3に示す結果から明らかな様に、発明電池1及び発明電池5〜発明電池7は、比較電池4〜比較電池6に比べて自己放電率が小さく、負極端子と蓋体の間のシール性は改善されている。この理由は、負極端子の表面に第1被覆層を形成し、該第1被覆層の表面に第2被覆層を形成したことによって、シール部材の劣化が抑制されたためである。
又、発明電池1、発明電池5、発明電池6は、発明電池7に比べて自己放電率が小さい。この理由は、第1被覆層がニッケル、クロム、チタンの何れかを材料として形成されているので、シール部材の劣化を抑制する効果が大きいからである。
【0032】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、正極端子の材質として、アルミニウムに代えてアルミニウム合金を使用することも可能であり、この場合においても上述の効果と同様の効果を得ることが出来る。
又、第1被覆層を形成する金属としては、亜鉛、ニッケル、クロム、チタンの他に、スズ、鉄を用いることも可能であり、これらの合金を用いて形成することも可能である。この場合においても上述の効果と同様の効果を得ることが出来る。
更に、電極端子の表面がシール部材の表面と対向する領域に第1被覆層を形成するだけでなく、直接若しくは間接的に、シール部材に熱を供給する領域に第1被覆層を形成しても良い。例えば、図2に示す如く、シール部材(16)と接触しているワッシャ(24)の表面や、ワッシャ(24)と接触しているナット(25)の表面に第1被覆層を形成しても良い。この場合には、シール部材(16)に供給される熱量が極めて少なくなるので、シール部材(16)の劣化が一層改善されることとなる。尚、第1被覆層の表面の内、電解液と接触する虞のない領域には、第2被覆層の形成を省略してもよい。
【0033】
更に又、本発明に係る二次電池における正極材料としては、従来から使用されている種々の材料を用いることが出来る。例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)等のリチウム金属酸化物、酸化クロム、酸化チタン、酸化コバルト、五酸化バナジウム等の金属酸化物、硫化チタン、硫化モリブデン等の遷移金属のカルコゲン化合物等である。これらをアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤と混合して、正極合剤として用いることが出来る。
【0034】
更に又、本発明に係る二次電池における負極材料としては、リチウム原子の挿入及び離脱が可能な、金属リチウム、リチウム合金、炭素材料、金属酸化物等を用いることが出来る。
更に又、本発明に係る二次電池における電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒等、種々の電解液を用いることができる。又、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等、種々の電解質を用いることが出来る。
更に又、本発明に係る二次電池におけるセパレータとしては、イオン導電性に優れたポリエチレン製やポリプロピレン製の微多孔性膜など、従来からリチウム二次電池用として使用されている種々のセパレータを用いることが出来る。
更に又、本発明に係る二次電池の形状は、円筒状に限定されることなく、角筒形状等、種々の形状とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム二次電池の断面図である。
【図2】該二次電池の要部を表わす拡大断面図である。
【図3】従来のリチウム二次電池の外観斜視図である。
【図4】該二次電池の部分断面図である。
【符号の説明】
(1) 電池缶
(16) シール部材
(2) 電極端子機構
(20) 正極端子
(22) 第1被覆層
(23) 第2被覆層
(4) 巻き取り電極体
(6) 集電タブ
(9) 外部リード
(92) 溶接部

Claims (4)

  1. 電池缶(1)の内部に、正極(41)と負極(43)の間に電解液を含むセパレータ(42)を介在させてこれらを積層してなる電極体が収納され、該電極体が発生する電力を正負一対の電極端子部から外部へ取り出すことが可能であって、正負極の電極端子部は、電池缶(1)に開設されている貫通孔を貫通して取り付けられている電極端子を有し、該電極端子と該貫通孔の内周壁(15)との間には、絶縁材料からなるシール部材(16)が介在しているリチウム二次電池において、前記電極端子の表面には、少なくとも前記シール部材(16)と対向する領域に、電極端子の材料よりも熱伝導率の小さい金属を材料として第1被覆層(22)が形成されると共に、該第1被覆層(22)の表面には、該第1被覆層(22)を形成する金属のフッ化物からなる第2被覆層(23)が形成されており、該第2被覆層(23)の表面が前記シール部材(16)の表面と接触していることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 正極の電極端子部を構成する電極端子が、アルミニウム若しくはアルミニウム合金によって形成されている請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 負極の電極端子部を構成する電極端子が、銅若しくは銅合金によって形成されている請求項1に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記第1被覆層(22)は、ニッケル、クロム、及びチタンの中から選択される1以上の材質を用いて形成されている請求項1に記載のリチウム二次電池。
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