JP3973418B2 - 予混合圧縮自着火機関及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、点火手段や燃料噴射手段を備えずに、予混合気を圧縮して自着火させることにより燃焼する予混合圧縮自着火機関における異常燃焼の回避技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6〜10で、従来の予混合圧縮自着火機関と燃焼サイクルを示している。
図6は吸気行程で、吸気管4の図示しない上流に別個に供給される清浄空気と燃料ガスをリーンに攪拌混合するミキサがあって、ミキサで予混合されたリーンな予混合気Mxが燃焼室3に供給されている。
図7は圧縮行程で、予混合圧縮自着火機関の特徴である高圧縮比で予混合気Mxを圧縮する。
図8は燃焼・膨張行程で、ピストン上死点近傍で予混合気Mxの圧縮自着火が行われ、燃焼し膨張して出力を発生する。このときの着火タイミングは、圧縮自着火によるので火花点火方式や燃料噴射方式に比して、制御性が低いのが欠点である。
図9は、排気行程である。
【0003】
上記のように、予混合圧縮自着火機関の燃焼サイクルは、通常の4サイクルであっても、高圧縮比による燃焼のために、熱力学的に燃焼効率が良い。また、燃料リーンな予混合気Mxを燃焼させることができるので低温燃焼となり、排気ガスが低NOxとなる、等の長所がある。
この様に、予混合圧縮自着火機関は(上述した様な)多くのメリットを有しているため、近時、非常に着目されている内燃機関である。
【0004】
他方、予混合圧縮自着火機関では、圧縮自着火による燃焼のために着火タイミングを正確に制御することができず、何等かの外乱による着火タイミングの「ずれ」による異常燃焼(以降、異常燃焼をノックまたはノッキングと記述する。)の回避ができない。
また、ノッキング発生の起き易い高負荷運転ができず、従来の火花点火方式や燃料噴射方式の燃焼機関と同程度な高出力運転が難しい、等の欠点がある。
【0005】
ここで、予混合圧縮自着火機関において、騒音や機関の破損の原因となるノッキング発生は、吸気温度、吸気圧力、燃料濃度の3つを主要因としている。
図10は、吸気温度・吸気圧力を一定とした場合の予混合圧縮自着火機関の運転条件におけるノッキングの発生を、出力トルクと回転数との関係で表している。
【0006】
図10において、縦軸をトルク即ち燃料供給量とし、横軸を機関回転数として、ノッキング燃焼領域(K)と通常燃焼領域(N)とを区分するノック燃焼限界特性曲線(以降、ノック発生曲線と略記する。)Pを表している。ノック発生曲線Pからわかるように、高速回転数では低トルクでもノッキングが発生し易く、低速回転数では高トルクでもノッキングの発生は起きにくい、という傾向になっている。
【0007】
発明者等は種々研究開発の結果、上記図10のノッキング発生条件を前提として、エンジン側の運転条件をかえてノッキング燃焼領域(K)から通常燃焼領域(N)に回避する手段を発明した。
本発明は、そのノッキング回避の手段を備えた予混合圧縮自着火機関及びその制御方法を提供するものである。
【0008】
なお、特開平11−241626号公報において、エンジンのノッキング制御装置が開示されているが、対象とするエンジンは火花点火方式でかつ、ノッキング発生時に燃焼室内に燃料を直接噴射で供給してその燃料の気化潜熱とモル数増加による燃焼温度低下をはかっているもので、本発明の燃焼方式及びノッキング回避の方法とは別個の技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、従来の火花点火方式や燃料噴射方式の燃焼機関と同程度の高い負荷で運転を行うことを目指し、高負荷運転等に際してノッキング等の異常燃焼が発生しても、当該異常燃焼を回避することが可能な予混合圧縮自着火機関及びその制御方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、吸気管(4)に噴射された燃料が吸入空気と混合される燃料噴射弁(11)が設けられ、その燃料噴射弁(11)で攪拌混合された燃料が到達する燃焼室(3)を備え、そして異常燃焼を検知するノッキングセンサ(13)と、エンジン回転数を検出する回転センサ(15)とが設けられ、無段変速機(19)が設けられた出力伝達系統(16)に負荷(21)が接続されている予混合圧縮自着火機関において、前記ノッキングセンサ(13)と回転センサ(15)と負荷(21)とからの信号を受けて前記燃料噴射弁(11)と無段変速機(19)とを制御する制御装置(30)が設けられ、その制御装置(30)は前記ノッキングセンサ(13)がノッキングの発生を検知すると、無段変速機(19)を制御して負荷の回転数は変らないがエンジンの回転数を下げ、次いでノッキングが回避されたか否かを判定し、ノッキングが抑制されていなければさらにエンジンの回転数を下げ、ノッキングが抑制されていれば負荷の必要とするエンジンの出力が不足であるか否かを判定し、不足であれば燃料噴射弁(11)を制御して燃料供給を増加させる機能を有している。
【0011】
ここで前記負荷(21)は、無段変速機(19)の変速比を変化しても、一定の回転数に収斂する様な負荷であることが好ましく、例えば、発電機、GHP(ガスヒートポンプ)の冷媒圧縮用のコンプレッサ等が好ましい。
【0012】
また、本発明によれば、吸気管(4)に吸入空気を加圧する過給機(6)とその吸入空気の流量を調整するスロットル弁(7)と燃料を噴射する燃料噴射弁(11)とが設けられ、燃料噴射弁(11)で攪拌混合された燃料が到達する燃焼室(3)を備え、そして異常燃料を検知するノッキングセンサ(13)と、エンジン回転数を検出する回転センサ(15)とが設けられ、無段変速機(19)が設けられた出力伝達系統(16)に負荷(22)が接続されており、その負荷(22)に回転センサ(18a)が設けられている予混合圧縮自着火機関において、前記ノッキングセンサ(13)とエンジンの回転センサ(15)と負荷の回転センサ(18a)からの信号を受けて前記過給機(6)とスロットル弁(7)と燃料噴射弁(11)と無段変速機(19)とを制御する制御装置(32)を備え、その制御装置(32)は負荷(22)の要求回転数の変化があるか否かを判定し、要求回転数の変化があれば吸入空気量を制御してエンジンの回転数を変化させ、そのエンジンの運転状態でノッキングセンサ(13)がノッキングの発生を検知すれば、エンジンの回転数を下げるか無段変速機(19)を制御して負荷(22)の回転数を保証し、ノッキングが抑制されなければさらにエンジンの回転数を下げ、ノッキングが抑制されていれば、負荷が必要となるエンジンの出力が不足しているか否かを判定し、エンジンの出力が不足であればエンジンへの供給燃料を増加してトルクを増加させ、ノッキングセンサがノッキングの発生を検出せず又はエンジンの出力が不足していないときは負荷の要求回転数に応じているか否かを判定し、応じていないときは吸入空気量を制御し、応じていれば作業を終了する機能を有している。
【0013】
さらに本発明によれば、異常燃焼を検知するノッキングセンサ(13)と、エンジンの出力を負荷側に伝達する出力伝達系統(16)に介装された無段変速機(19)と、エンジンの回転数と供給燃料量とを制御する制御装置(32)とを有する予混合圧縮自着火機関の制御方法において、ノッキングセンサ(13)により異常燃焼の発生を検出し、異常燃焼が発生した場合に前記無段変速機(19)によりエンジン側の回転数を下げ、回転数を低下させると共に燃料供給量を増加して発生トルクを増大させて出力変動を減少させ、そして負荷側の要求回転数の変化を検出し、負荷側の要求回転数が変化した際に、その変化した負荷側の要求回転数に対応してエンジン回転数を変化させるように吸入空気量を制御するようになっている。
【0014】
本発明の実施に際して、異常燃焼が生じたか否かを検出するためのノッキングセンサ(13)は、振動加速度を検出する加速度センサ、圧電素子を使用する筒内圧センサ、その他ノック検出に通常用いられている電磁式のセンサ等の何れであってもよい。
【0016】
係る構成を具備する本発明によれば、異常燃焼を検知した際に、回転数を制御する(回転数が減少する様に制御する)、そして回転数が下がると、ノッキングに対するマージン(余裕)が増加する。
図3を参照して説明すると、運転ポイントが点(P1)の位置となれば、異常燃焼(ノッキング)限界特性曲線(P)よりも上方の領域となり、異常燃焼(ノッキング)を発生する。
異常燃焼(ノッキング)が生じた際に、回転数を減少すれば、符号(P2)で示す位置に運転ポイントが移動する。運転ポイント(P2)は異常燃焼限界特性曲線(P)よりも下方の領域となるため、異常燃焼状態が解消する。
しかしながら、回転数を下げて運転ポイント(P2)の位置に留まっていると、出力変動が大きくなり過ぎて(出力低減が大きくて)、不都合である。
【0017】
ここで、運転ポイントの点(P2)と異常燃焼限界特性曲線Pとの縦軸の距離がトルクマージンに相当する。図3より明らかな様に、運転ポイントが点(P2)に移動すれば、それ以前の運転ポイントP1の場合に比較して、トルクマージンが増加し、発生可能なトルクが増大する。
そして、運転ポイントP3まで、トルクを増大してやる。トルクを(P2)の点から増加させることにより、出力変動幅を減少させる。
より詳細には、 「回転数」×「トルク」=「出力」 であるため、トルクが増加すれば出力も増大し、出力変動が少なくなるのである。
【0018】
本発明において、予混合圧縮自着火機関の回転数を減少するに際しては、負荷側の回転数を変動しない様に、機関出力から負荷側への出力伝達系に変速手段を介装し、変速比を変えなければならない。
ここで、負荷側の回転数は、変速手段の変速比を代えても、殆ど変化せず、一定の回転数に収斂するのであれば(その様な「負荷」としては、例えば、発電機、ガスヒートポンプの冷媒圧縮用のコンプレッサ等が想定される)、上述の制御が好適に行われる。
【0021】
本発明によれば、負荷(21)側の回転数が、一定の回転数に収斂せずに、変化してしまう場合においても適用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に、本発明の第1実施形態を示している。
図1に示す第1実施形態のブロック構成図において、予混合圧縮自着火機関(以降、エンジンと略記する。)2の吸気管4に燃料供給手段である燃料噴射弁11が設けられ、信号ライン30aによって制御装置30に連通されている。燃料噴射弁11は、噴射された燃料が吸入空気Airと攪拌混合して燃焼室3に到達するまでに充分な予混合気になり得る様に設けられている。
【0023】
エンジン2の燃焼室3上部のシリンダヘッド2aにエンジンの異常燃焼(以降、ノッキングと略記する。)を検知する検出手段のノッキングセンサ13が設けられ、信号ライン13aによって制御装置30に連通されている。ノッキングセンサ13は、振動加速度を検出する加速度センサ、圧電素子を使用する筒内圧センサ、電磁式のセンサ等の何れであってもよい。
なお、加速度センサはシリンダブロックにも装着可能であり、筒内圧センサはシリンダヘッドのみに装着しても良い。
【0024】
また、エンジン2にエンジン回転数を検出する回転センサ15が設けられ、信号ライン15aによって制御装置30に連通されている。
【0025】
また、エンジン2に、出力伝達系統16を介して負荷の発電機21が連通されている。その出力伝達系統16は、エンジン2に直結する第1軸17と、変速手段の無段変速機19と、第2軸18とで構成されていて、無段変速機19は第1軸17の回転数を無段変速によって、第2軸の回転数を発電機21が必要とするトルクでかつ一定の回転数に収斂させるよう構成されている。
なお、負荷としては発電機21と同様に、変速機の変速比を変えても一定の回転数に収斂するGHP(ガスヒートポンプ)の冷媒圧縮用のコンプレッサ等が好適な負荷対象である。
【0026】
変速機19は信号ライン30bによって制御装置30に連通され、発電機21は信号ライン21aによって制御装置30に連通されている。
制御装置30は、ノッキングセンサ13の検知信号を受信してエンジン回転数と燃料供給量および変速機19の変速比を変えることでノッキングを回避し、かつ発電機21へのエンジンの出力変動を抑制するように制御する機能を有して構成されている。
【0027】
上記構成による第1の実施形態の作用を、図2の制御フローチャート及びノッキングを制御するための要領を示す図3によって説明する。
ステップS1では、エンジン2が運転状態で、ノッキングの発生を検知するルーチンにあることを示している。
【0028】
ステップS2は、ノッキングの発生を検知確認するステップである(ノッキングの発生を検知する工程)。ノッキング発生を検知しない”N”の状態ではループして待機する。ノッキングが発生し検知確認が”Y”ではステップS3に進む。このときのノッキング発生点は、図3におけるノック領域の運転ポイントP1
(n1、T1)である。
【0029】
ステップS3では、ノッキングを回避するため、(変速機19の)第2軸18の回転数を一定としたまま、第1軸19の回転数を減速するように、変速機19を制御する。即ち、エンジン回転数を下げて図3における運転ポイントP2(n2、T2)に減速させ(エンジンの回転数を下げる工程)、通常燃焼領域(N)に移動させる。そして、第2軸18の回転数を一定とし、発電機21の所要駆動回転数を保証する。
【0030】
ステップS4では、移動した運転ポイントP2(n2、T2)がノッキングを回避しているか否かを判定する。ノッキング回避未了の”N”であれば、ステップS3にもどって再度運転ポイントP2を低速側に移動させる。ノッキング回避状態の”Y”であれば、ステップS5に進む。
【0031】
ステップS5では、減速側に移動した最後の運転ポイントP2(n2、T2)が、発電機21が要求する動力に見合うエンジン出力を充足しているか否かを判定する。エンジン出力が充足の”N”であれば、運転可能なのでステップS1に戻って正常運転をする。エンジン出力が、不足の”Y”であれば、ステップS6に進む。
【0032】
ステップS6では、エンジン2への供給燃料を増加して、トルクを増加させる{発生トルクを増大して出力(トルク×回転数)変動を減少する工程}。このときの燃料供給の増加による発生トルクの増大分は、回転数が低下したことによるトルクマージン(例えば、図3におけるP2とノック発生曲線Pとのトルクの差分)内にとどめる。
そして、トルク増加がノッキングのない正常燃焼領域(N)内にとどまり、かつ発電機21の要求する動力に調整して(このときの運転ポイントはP3(n3、P3)であり通常n3=n2である。)ステップS1にもどる。
【0033】
上記のようにして、ノッキング発生検知からエンジン回転数を減速し、燃料供給量を増加して、発電機21の要求動力にエンジン出力を保証させるまでの過渡時間を除けばノッキングを回避した正常運転を継続できる。
【0034】
図4及び図5は、本発明の第2実施形態を示している。第1実施形態と同形態で同機能の装置は、原則として同じ符号で説明する。
図4に示す第2実施形態のブロック構成図において、エンジン2の吸気管4に吸入空気Airを加圧送風する過給機6とその吸入空気Airの流量を調整するスロットル弁7とで構成する吸入空気量調整手段6Aが設けられ、吸入空気量調整手段6Aと燃焼室3の間に燃料供給手段である燃料噴射弁11が設けられている。
なお、吸入空気量調整手段6Aには、過給機6の作動を制御するウエストゲート弁或いはバイパス弁を加えても良い。
【0035】
燃料噴射弁11は、噴射された燃料が吸入空気Airと攪拌混合して燃焼室3に到達するまでに充分な予混合気になり得る様に設けられている。
過給機6は信号ライン32cによって、スロットル弁7は信号ライン6aによって、燃料噴射弁11は信号ライン32aによって、それぞれ制御装置32に連通されている。
【0036】
エンジン2の燃焼室3上部のシリンヘッド2aにエンジンのノッキングを検知する検出手段のノッキングセンサ13が設けられ、信号ライン13aによって制御装置32に連通されている。ノッキングセンサ13は、振動加速度を検出する加速度センサ、圧電素子を使用する筒内圧センサ、電磁式のセンサ等の何れであってもよい。
【0037】
エンジン2にエンジン回転数を検出する回転センサ15が設けられ、信号ライン15aによって制御装置32に連通されている。
また、エンジン2に、出力伝達系統16を介して負荷22が連通されている。
【0038】
その出力伝達系統16は、エンジン2に直結する第1軸17と、変速手段の無段変速機19と、第2軸18とで構成されていて、無段変速機19は第1軸17の回転数を無段変速によって、第2軸の回転数を負荷22が必要とするトルクと回転数で伝達させるよう構成されている。
【0039】
負荷22に回転数を検出する回転センサ18aが設けられ、信号ライン18bによって制御装置32に連通されている。
図4に明示されていないが、回転センサ18aの信号にもとづいて制御装置32内で負荷22の要求回転数の変化を検出するようになっている。
例えば車両としての用途を考えた場合、負荷22の要求回転数の変化検出手段は、負荷22の回転数変動を制御装置32内で行う演算による検出、または負荷22によって駆動される車両速度の変化検出、または車両の走行加速度から検出、のいずれでもよい。そして、その変化率が所定値を越える場合は、エンジン出力側で対応を要することに予め設定されている。
ここで、負荷の要求回転数の検出手段は対象負荷により異なるので、対象負荷から、設定するべき回転数に関する信号が出力されるように構成することが好ましい。
【0040】
変速機19は信号ライン32bによって制御装置32に連通され、モータ22は信号ライン22aによって制御装置32に連通されている。
【0041】
制御装置32は、負荷22の変動する要求に応じた回転数を与え、かつその回転数におけるノッキングセンサ13の検知信号を受信してエンジン回転数と燃料供給量および変速機19の変速比を変えることでノッキングを回避し、かつ、負荷22へのエンジン2の出力伝達をして出力変動を抑制するように制御する機能を有して構成されている。
【0042】
上記構成による第2の実施形態の作用を、図5の制御フローチャート及びノッキングを制御するための要領を示す図3によって説明する。
【0043】
ステップS11では、負荷22で必要な動力が安定していて、その動力を供給するエンジン2の出力が定常運転の状態を示している。この段階では図3における正常運転領域(N)内に運転ポイント例えばP1がある。
【0044】
ステップS12では、負荷22の要求回転数の変更があるか否かを確認する(要求回転数の変化を検出する工程)。変更の要求がない”N”ではステップS14に進む。回転数の増速または減速の要求が”Y”であれば、ステップS13に進む。
【0045】
ステップS13では、吸入空気量の制御をする。吸入空気量を調整する手段6Aによって行う(吸入空気量を制御する工程)。ついでステップS14に進む。ステップS14では、エンジン2が運転状態で、ノッキングの発生を検知する状態にあることを示している。
【0046】
ステップS15は、ノッキングの発生を検知確認するステップである(ノッキングの発生を検知する工程)。ノッキング発生を検知しない”N”の状態ではステップS20に進み、ノッキングが発生し検知が”Y”ではノッキング発生点が図3におけるノック領域の運転ポイントP1(n1、T1)であり、ステップS16に進む。
【0047】
ステップS20では、負荷22の要求回転数に応じて伝達しているか否かを確認する。要求充足の”Y”であれば、ステップS21に進んで終了する。そして、ステップS11に戻って待機する。要求回転数に未達の”N”であれば、ステップS13にもどって再度、エンジン2の回転数を変更する。
【0048】
ステップS16では、ノッキングを回避するため、(変速機19の)第1軸17の回転数を減速し、第2軸18の回転数が一定となるように、変速機19を制御する。エンジン回転数を下げて図3における運転ポイントP2(n2、T2)に減速させ(エンジンの回転数を下げる工程)、通常燃焼領域(N)に移動させる。そして、負荷22の所要駆動回転数を保証する。
【0049】
ステップS17では、移動した運転ポイントP2(n2、T2)がノッキングを回避しているか否かを判定する。ノッキング回避未了の”N”であれば、ステップS16にもどって再度運転ポイントP2を低速側に移動させる。ノッキング回避状態の”Y”であれば、ステップS18に進む。
【0050】
ステップS18では、減速側に移動した最後の運転ポイントP2(n2、T2)が、負荷22が要求する動力に見合うエンジン出力を充足しているか否かを判定する。エンジン出力が充足の”N”であれば、ステップS20で負荷22の要求回転数で伝達しているか否かを確認する。要求充足の”Y”であれば、ステップS21に進んで終了する。そして、ステップS11に戻って待機する。要求回転数に未達の”N”であれば、ステップS13にもどって再度、エンジン2の回転数を変更する。エンジン出力が不足の”Y”であればステップS19に進む。
【0051】
ステップS19では、エンジン2への供給燃料を増加して、トルクを増加させる(発生トルクを増大して出力(トルク×回転数)変動を減少する工程)。このときの燃料供給の増加による発生トルクの増大分は、回転数が低下したことによるトルクマージン(例えば、図3におけるP2とノック発生曲線Pとのトルクの差分)内にとどめる。
そして、トルク増加がノッキングのない通常燃焼領域(N)内にとどまり、かつ負荷22の要求する動力に調整して(このときの運転ポイントはP3(n3、P3)であり通常n3=n2である。)ステップS11にもどる。
【0052】
上記のようにして、負荷22の要求回転数に応じてエンジン2の出力回転数を調整し、調整後のエンジン回転数でのノッキングの回避をし、さらに要求動力に要するエンジン出力の保証をする。そして、ノッキング発生検知からエンジン回転数を減速し、燃料供給量を増加して、発電機21の要求動力にエンジン出力を保証させるまでの僅かな過渡時間を除けばノッキングを回避した正常運転を継続できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の作用効果を、以下に列記する。
(1) ノッキング検出手段によってノッキングが発生した段階で変速機を制御して、エンジン側を減速し、負荷側は一定回転数とする。その結果、運転ポイントをノック発生領域から正常燃焼領域に移行させ、負荷側の回転数を保証し、減速によるエンジン出力不足を燃料供給量増量によってトルク増加させて補うのでノッキングを回避すると共に、出力の保証ができる。したがって、負荷側が一定の運転状態を継続する場合には、エンジンの回転数変化とトルク変化のための僅かな時間を除けばほとんど負荷側に影響を与えない。
(2) ノッキングが発生したら、エンジン回転数を下げ、トルク増加して出力を保証できるので、従来のようなノッキング発生に対する余裕を過剰にとる必要がなくなり、通常運転における出力増加が可能である。
(3) 第2実施形態では前記の回転数及びトルクの制御が、負荷側の要求出力が随時変化する場合にも対応できるので、回転変動の大きな車両用モータなどにも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック構成図。
【図2】第1実施形態の制御フローチャート。
【図3】異常着火を抑制するための制御の要領を示す回転数―トルク特性線図。
【図4】本発明の第2実施形態を示すブロック構成図。
【図5】第2実施形態の制御フローチャート。
【図6】従来の予混合圧縮自着火機関の燃焼サイクルの吸気行程図。
【図7】従来の予混合圧縮自着火機関の燃焼サイクルの圧縮行程図。
【図8】従来の予混合圧縮自着火機関の燃焼サイクルの燃焼・膨張行程図。
【図9】従来の予混合圧縮自着火機関の燃焼サイクルの排気行程図。
【図10】異常着火の発生範囲を示す特性線図。
【符号の説明】
2・・・予混合圧縮自着火機関
4・・・吸気管
5・・・排気管
6A・・吸入空気量調整手段
6・・・送風機
7・・・スロットル弁
11・・燃料供給手段(燃料噴射弁)
13・・異常燃焼検出手段(ノッキングセンサ)
15・・回転数検出手段(回転センサ)
15a・・回転数変化検出手段
16・・出力伝達系統
17・・第1軸
18・・第2軸
19・・変速手段(変速機)
21・・負荷(発電機)
22・・負荷
30、32・・制御手段(制御装置)
Claims (3)
- 吸気管(4)に噴射された燃料が吸入空気と混合される燃料噴射弁(11)が設けられ、その燃料噴射弁(11)で攪拌混合された燃料が到達する燃焼室(3)を備え、そして異常燃焼を検知するノッキングセンサ(13)と、エンジン回転数を検出する回転センサ(15)とが設けられ、無段変速機(19)が設けられた出力伝達系統(16)に負荷(21)が接続されている予混合圧縮自着火機関において、前記ノッキングセンサ(13)と回転センサ(15)と負荷(21)とからの信号を受けて前記燃料噴射弁(11)と無段変速機(19)とを制御する制御装置(30)が設けられ、その制御装置(30)は前記ノッキングセンサ(13)がノッキングの発生を検知すると、無段変速機(19)を制御して負荷の回転数は変らないがエンジンの回転数を下げ、次いでノッキングが回避されたか否かを判定し、ノッキングが抑制されていなければさらにエンジンの回転数を下げ、ノッキングが抑制されていれば負荷の必要とするエンジンの出力が不足であるか否かを判定し、不足であれば燃料噴射弁(11)を制御して燃料供給を増加させる機能を有することを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
- 吸気管(4)に吸入空気を加圧する過給機(6)とその吸入空気の流量を調整するスロットル弁(7)と燃料を噴射する燃料噴射弁(11)とが設けられ、燃料噴射弁(11)で攪拌混合された燃料が到達する燃焼室(3)を備え、そして異常燃料を検知するノッキングセンサ(13)と、エンジン回転数を検出する回転センサ(15)とが設けられ、無段変速機(19)が設けられた出力伝達系統(16)に負荷(22)が接続されており、その負荷(22)に回転センサ(18a)が設けられている予混合圧縮自着火機関において、前記ノッキングセンサ(13)とエンジンの回転センサ(15)と負荷の回転センサ(18a)からの信号を受けて前記過給機(6)とスロットル弁(7)と燃料噴射弁(11)と無段変速機(19)とを制御する制御装置(32)を備え、その制御装置(32)は負荷(22)の要求回転数の変化があるか否かを判定し、要求回転数の変化があれば吸入空気量を制御してエンジンの回転数を変化させ、そのエンジンの運転状態でノッキングセンサ(13)がノッキングの発生を検知すれば、エンジンの回転数を下げるか無段変速機(19)を制御して負荷(22)の回転数を保証し、ノッキングが抑制されなければさらにエンジンの回転数を下げ、ノッキングが抑制されていれば、負荷が必要となるエンジンの出力が不足しているか否かを判定し、エンジンの出力が不足であればエンジンへの供給燃料を増加してトルクを増加させ、ノッキングセンサがノッキングの発生を検出せず又はエンジンの出力が不足していないときは負荷の要求回転数に応じているか否かを判定し、応じていないときは吸入空気量を制御し、応じていれば作業を終了する機能を有することを特徴とする予混合圧縮自着火機関。
- 異常燃焼を検知するノッキングセンサ(13)と、エンジンの出力を負荷側に伝達する出力伝達系統(16)に介装された無段変速機(19)と、エンジンの回転数と供給燃料量とを制御する制御装置(32)とを有する予混合圧縮自着火機関の制御方法において、ノッキングセンサ(13)により異常燃焼の発生を検出し、異常燃焼が発生した場合に前記無段変速機(19)によりエンジン側の回転数を下げ、回転数を低下させると共に燃料供給量を増加して発生トルクを増大させて出力変動を減少させ、そして負荷側の要求回転数の変化を検出し、負荷側の要求回転数が変化した際に、その変化した負荷側の要求回転数に対応してエンジン回転数を変化させるように吸入空気量を制御することを特徴とする予混合圧縮自着火機関の制御方法。
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