JP3973449B2 - 内装パネルシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、腰壁等の内装パネルシステムに関し、居住空間のインテリア造作物の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、壁面を家具等の接触から保護したり装飾したりする機能を有する腰壁は、例えば特開2001−241168号公報に開示されるように、腰壁パネルを接着剤やビス等の固定具を用いて壁面に直接取り付けるものが知られていた。しかし、これでは、いったん施工した腰壁を補修や交換あるいは模様替え等のために壁面から取り外すときに、上記パネルを1つ1つ壁面から剥がさなければならず、面倒で時間がかかる。
【0003】
そこで、特開2001−311238号公報に開示されるように、例えば上下左右のフレーム(額縁、縁部材)を矩形状に組み合わせて壁面に敷設し、該フレームで囲まれた空間に腰壁パネルを配設して、該パネルを上記フレームで保持するようにしたものが提案されている。すなわち、典型的には、フレームに断面コ字状の凹溝を形成し、該凹溝にパネルの端部をスライド可能に嵌合して、全てのパネルを嵌合した後に、全てのフレームを壁面に固定してパネルが壁面から脱落しないようにするのである。そうすれば、施工した後にパネルを取り外すときは、上下左右いずれかのフレームを1つだけを壁面から除去して、そこからパネルを上記保持用凹溝に沿って抜き出せばよい。
【0004】
また、その場合に、上記パネル保持用凹溝を利用して電気配線等をフレーム内に収納することも行われている。すなわち、凹溝と、該凹溝に嵌め込んだパネルとの間に、フレームの長手方向に延びる空間が形成されるようにし、該空間に電気配線等を通すのである。なお、特開2001−323583号公報には、腰壁パネル部と、該腰壁パネル部の上方に配置された出窓部とを有する出窓付壁面パネル体において、上記腰壁パネル部を中空のパネル部材で構成し、該パネル部材に配管や配線を内蔵することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パネルの取り外し時に、いずれかのフレームを除去してそこからパネルを抜き出す際には、どのフレームを除去したかに応じて、パネルを壁面に沿って上下左右いずれかの方向に保持用凹溝との嵌合が完全に外れるまで比較的長い距離並行移動させなければならない。これは、思いのほか煩雑な作業であると共に、当該パネルシステムの周囲に十分なスペースを必要とする。
【0006】
また、パネル保持用凹溝を配線収納用空間に利用する場合には、いったん収納した配線を補修や交換あるいは追加等するときに、パネルを全部取り外すかフレームを除去しなければ空間が外部に現れず、該空間に対する作業やメンテナンスが容易でない。
【0007】
そこで、本発明は、パネルを縁部材で間接的に壁面に取り付ける構造の内装パネルシステムにおいて、パネルの壁面からの取り外しをコンパクトな動きでより一層容易に行うことを課題とする。また、縁部材に内装した配線収納用空間のメンテナンスも容易化することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、壁面に固定された左右の縦方向縁部材及び上下の横方向縁部材と、これらの縁部材で構成される矩形の空間に配設されたパネルとを有する内装パネルシステムであって、上記縦方向縁部材は、壁面に固着された基部材と、前面側の部分と側面側の部分とで断面L字状とされ、前記基部材の前面側に着脱自在とされたカバー部材とを含み、基部材にカバー部材が装着された状態で、該カバー部材の前面側の部分における上記矩形空間に対する内側の側端部が、上記パネルの左右の側端部を前面側から保持するパネル保持部とされていると共に、該カバー部材の側面側の部分が、基部材の外側面に当接し、かつ、両部材の間に上下方向に延びる空間が形成されて、互いに対向する基部材の前面とカバー部材の背面とに、相互に嵌り合う一対の嵌合部材が設けられ、該嵌合部材が嵌合又は離脱することによってカバー部材が基部材に対して装着又は離脱されることを特徴とする。
【0009】
本発明では、縁部材、特に縦方向に延びる左右の縁部材を、壁面に固定した基部材と、該基部材に対して着脱自在なカバー部材とで分割可能な構造とした。その場合に、カバー部材を基部材に対して着脱させることで、パネルを保持し、又はその保持を解除するようにした。すなわち、カバー部材を基部材に装着した通常使用時は、該カバー部材のパネル保持部によってパネルの左右の側端部が前面側から保持されてパネルの壁面からの脱落が防止される一方、カバー部材を基部材から離脱した非使用時は、上記パネル保持部によるパネルの保持が解除されてパネルの壁面からの取り外しが可能となる。
【0010】
しかも、パネル保持部によるパネルの保持が前面側で解除されるようにしたから、パネルを当該パネルシステムの前面側に取り外すことができて、例えばパネルを壁面に沿って長距離平行移動させるようなことをしなくて済み、パネルをコンパクトな動きで取り外すことが可能となる。また、当該パネルシステムの上下左右の周囲にパネルを抜き出すためのスペースを空けておく必要もなくなるから、例えば当該パネルシステムを壁面全面にいっぱいに施工することもできる。
【0011】
この発明では、カバー部材の基部材に対する着脱動作が、縁部材に内装した配線収納用空間の開閉動作を兼ねるようにした。すなわち、カバー部材を基部材に装着した通常使用時は、両部材によって縁部材の内部に配線収納用空間が形成される一方、カバー部材を基部材から離脱した非使用時は、上記空間が外部に現れて、容易に配線を補修、交換、追加等することが可能となる。その結果、該空間に対する作業やメンテナンスが容易に行える。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、嵌合部材は、相対向する一対の嵌合面を有し、カバー部材の装着時に、基部材に設けられた嵌合部材の嵌合面とカバー部材に設けられた嵌合部材の嵌合面とが嵌り合うことにより、上下方向に延びる閉断面の空間を形成し、カバー部材の離脱時に該空間を基部材の前面側に開放する構造とされていることを特徴とする。
【0013】
次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、嵌合部材の嵌合面は「く」字状とされ、基部材に設けられた嵌合部材はオスの嵌合部材であり、カバー部材に設けられた嵌合部材はメスの嵌合部材であることを特徴とする。
【0014】
これらの発明は、カバー部材を基部材に対して着脱する動作が、縁部材に内装した配線収納用空間を開閉する動作を兼ねるようにする一具体例を示すものであり、それによれば、カバー部材を基部材に対して着脱自在とするための嵌合部材を利用して上記配線収納用空間が形成される。すなわち、カバー部材を基部材に装着した通常使用時は、上記嵌合部材の嵌り合いによって上下方向に延びる空間が形成される一方、カバー部材を基部材から離脱した非使用時は、上記嵌合部材の嵌り合いが外れて上記空間が前面側に開放される。その結果、嵌合部材を基部材とカバー部材とに配設したスペースが活用でき、縁部材の肥大化が回避される。これに対し、例えば、嵌合部材を配設するためのスペースと、配線収納用空間を形成するためのスペースとを個々別々に縁部材の内部に確保すると、縁部材のスリム化が阻害されてしまい、当該パネルシステムの意匠性・装飾性が損なわれる懸念がある。
【0015】
また、上記配線収納用空間は、嵌合部材によって、少なくとも断面において閉じられた空間とされるから、通常使用時には配線の保護が図られる。さらに、上記配線収納用空間は、前面側に開放されるから、当該パネルシステムの非使用時には該空間に対する作業やメンテナンスがより一層容易な姿勢で行える。
【0016】
次に、請求項4に記載の発明は、上記請求項1から3のいずれかに記載の発明において、基部材の矩形空間に対する内側の側面は、パネルの左右の端面を当接させる位置合わせ面とされ、その当接状態で、カバー部材のパネル保持部がパネルの左右の側端部を前面側から保持するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、基部材を有効利用して、パネルの縁部材に対する位置決め、ひいては壁面に対する位置決めが可能となる。しかも、基部材は壁面に固定しているから、カバー部材を取り外している間もパネルの位置ずれが起きることがない。
【0018】
次に、請求項5に記載の発明は、上記請求項1から4のいずれかに記載の発明において、パネルは横方向に長い複数のパネル部材で構成され、これらのパネル部材のうち上下に隣接するパネル部材間には該パネル部材同士を連結する連結部材が介設されて、該連結部材の前面に横方向に延びる凹溝が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、複数のパネル部材を連結する連結部材の凹溝を活用して、当該パネルシステムに棚や壁掛け等の種々のアタッチメントを横方向に移動自在・着脱自在に組み付けることができる。以下、発明の実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施の形態に係る内装パネルシステム1を室内の壁面に施工した状態を示す正面図である。このパネルシステム1は、床面から天井近くまで高さがあり、比較的広範囲に壁面を覆っている。このパネルシステム1は、意匠性・装飾性に優れ、壁面の保護機能と装飾機能とを具備し、部屋の雰囲気づくりやイメージづくりに貢献する。
【0021】
このパネルシステム1は、主たる構成要素として、横方向に延びる上下一対の額縁11,12と、縦方向に延びる左右一対の額縁13,14と、これらの額縁11〜14が組み合わされて構成される長方形状の空間に配設された複数(図例では8つ)のパネル部材15…15と、隣接するパネル部材15,15間に介設された連結部材16…16とを有する。
【0022】
図2は、図1のア−ア線に沿う拡大縦端面図である。ただし、繰り返しを避けるため、上横額縁11周辺と連結部材16周辺と下横額縁12周辺とを選択して示してある。同図に示すように、上下の横額縁11,12は、横に細長い略直方体形状の長尺物で、上額縁11は下面に、下額縁12は上面に、それぞれ長手方向に延びるほぞ11a,12aが立設されている。各縁部材11,12は、接着剤や釘あるいはビス等、現場の状況に応じた適宜固定具で壁面に固定されている。特に、この実施の形態では、ビス31…31,32…32を用いている(以下同様)。
【0023】
パネル部材15は、横に長い偏平形状の長尺物で、上下に並設され、上下の面に、それぞれ長手方向に延びるほぞ溝15a,15aが形成されている。その場合に、最上段のパネル部材15の上面のほぞ溝15aが上額縁11のほぞ11aと、また最下段のパネル部材15の下面のほぞ溝15aが下額縁12のほぞ12aと嵌合している。
【0024】
連結部材16は、横に長い前面側が開放した断面コ字状の凹溝Yを有する長尺物で、該凹溝Yを挟む上下の面に、それぞれ長手方向に延びる突起片16a,16aが立設されている。その場合に、各連結部材16の突起片16a,16aと、各パネル部材15のほぞ溝15a,15aとが嵌合し、上下に隣接するパネル部材15,15同士が各連結部材16で連結されている。各連結部材16はビス36…36で壁面に固定されている。パネル部材15…15と壁面との間は空間Xが残されている。上下の横額縁11,12、パネル部材15…15、及び連結部材16…16は、相互に同じ長さに作製されている。
【0025】
図3は、図2と対応させて示した、右縦額縁14周辺の一部切り欠き拡大正面図、図4は、左縦額縁13周辺の拡大平面図、及び、図5は、図1のイ−イ線に沿う右縦額縁14周辺の拡大平断面図である。同図に示すように、左右の縦額縁13,14は、それぞれ基部材13A,14Aとカバー部材13B,14Bとを含む分割式構造である。
【0026】
基部材13A,14Aは、縦に細長い略直方体形状の長尺物で、それぞれパネル部材15…15側に対して、内側面iと外側面jと前面hとを有し、ビス33a…33a,34a…34aで壁面に固定されている。カバー部材13B,14Bは、縦に細長い断面L字状の長尺物で、基部材13A,14Aに対して前面側で着脱自在である。特に、この実施の形態では、相互に嵌り合うオス・メス一対の嵌合部材23A,23B:24A,24Bの嵌合又は離脱によって、カバー部材13B,14Bは基部材13A,14Aに対して装着又は離脱される。
【0027】
嵌合部材23A,23B:24A,24Bは、縦に細長い前面側又は背面側が開放した断面略コ字状の長尺物で、オスの嵌合部材23A,24Aは、基部材13A,14Aの前面h,hにビス33a…33a,34a…34aで共締めされ、メスの嵌合部材23B,24Bは、カバー部材13B,14Bの背面k,kにビス33b…33b、34b…34bで固定されている。各嵌合部材23A,23B:24A,24Bは、取付面と、該取付面に立設された相対向する一対の「く」字状の嵌合面とを有し、対向間隔の短いオスの嵌合面が、対向間隔の長いメスの嵌合面の内側に嵌り込む。基部材13A,14A、カバー部材13B,14B、及び嵌合部材23A,23B:24A,24Bは、相互に略同じ長さに作製されている。
【0028】
左右の基部材13A,14Aのパネル部材15…15側の内側面i,i(左の基部材13Aであれば右側面、右の基部材14Aであれば左側面)に、各パネル部材15…15の左右の両端面がそれぞれ当接し、位置合わせされている。そして、その状態で、嵌合部材23A,23B:24A,24B同士が嵌り合い、カバー部材13B,14Bが基部材13A,14Aの前面側に装着されている。このとき、基部材13A,14Aはカバー部材13B,14Bで隠蔽され、外部から見えなくなる。
【0029】
この状態で、カバー部材13B,14Bのパネル部材15…15側の内側の側端部F,Fが、基部材13A,14Aよりもパネル部材15…15側(内側)に突出し、パネル部材15…15の左右の側端部を前面側から保持している。このパネル保持部F,Fは、嵌合部材23A,23B:24A,24Bが離脱し、カバー部材13B,14Bが基部材13A,14Aから離脱したときは、そのパネル部材15…15の保持を解除する。
【0030】
また、カバー部材13B,14Bが基部材13A,14Aに装着されたとき、両部材13A,13B:14A,14B間に上下方向に延びる細長い空間S,Sが形成される。特に、この実施の形態では、相互に嵌り合った嵌合部材23A,23B:24A,24Bで囲まれた(より詳しくは、取付面と嵌合面とで囲まれた)上下方向に延びる閉断面の(水平方向の断面において閉じている)空間S,Sが形成される。この空間S,Sは、嵌合部材23A,23B:24A,24Bが離脱し、カバー部材13B,14Bが基部材13A,14Aから離脱したときは、基部材13A,14Aの前面側に開放される。
【0031】
このパネルシステム1は、およそ次のようにして施工される。まず、図1に示すように、下額縁12を所定の施工位置において床の上に水平に置き、その下面を床に密着させ、背面を壁面に密着させた状態で、壁面に固定する。次に、左右いずれかの縦額縁の基部材13A又は14Aを壁面に固定する。ここでは、右額縁14の基部材14Aを先に壁面に固定するものとして説明する。その場合、図3に示すように、右基部材14Aの内側面(左側面)iを下額縁12の右端面に密着させる。
【0032】
次に、下額縁12の上にパネル部材15…15と連結部材16…16とを交互に積み上げていく。その場合、図2に示すように、各部材12,15,16の対接面に形成したほぞ12a、ほぞ溝15a、突起片16aを順に嵌め合わせていく。また、図3に示すように、パネル部材15…15及び連結部材16…16の右端部を右基部材14Aの左側面iに当接させつつ、下から順に積み上げていく。ここで、連結部材16…16は壁面に固定し、パネル部材15…15は壁面に固定しない。
【0033】
全てのパネル部材15…15のセットが完了すれば、次に、残りの縦額縁の基部材(ここでは左額縁13の基部材13A)を壁面に固定する。その場合、右基部材14Aと同様、左基部材13Aの内側面(右側面)iを下額縁12の左端面に密着させる。また、左基部材13Aの同側面iをパネル部材15…15及び連結部材16…16の左端部に当接させる。
【0034】
次に、上額縁11を壁面に固定する。その場合、図2に示すように、上額縁11の下面のほぞ11aと、最上段のパネル部材15のほぞ溝15aとを嵌め合わせる。また、上額縁11の左右の両端面は左右の基部材13A,14Aの内側面i,iに密着する。
【0035】
そして、最後に、左右の縦額縁13,14のカバー部材13B,14Bを、嵌合部材23A,23B:24A,24B同士の嵌合により、各基部材13A,14Aに装着する。このとき、各基部材13A,14Aがカバー部材13B,14Bで隠蔽される。また、パネル部材15…15の左右両端部がカバー部材13B,14Bのパネル保持部F,Fで前面側から壁面側に保持される。また、左右の縦額縁13,14の内部に上下に長い空所S,Sが形成される。
【0036】
ここで、図4に示すように、カバー部材13B,14B側のメスの嵌合部材23B,24Bは、当初からビス33b…33b,34b…34bでカバー部材13B,14Bの背面k,kに固定されている。これに対し、基部材13A,14A側のオスの嵌合部材23A,24Aは、該基部材13A,14Aがビス33a…33a,34a…34aで壁面に固定されるときに、基部材13A,14Aの前面h,hに共締めされる。よって、基部材13A,14Aを壁面に固定するまでは、該基部材13A,14Aと嵌合部材23A,24Aとがバラバラにならないように、例えば両面テープ等を使って嵌合部材23A,24Aを基部材13A,14Aに仮止めしておくとよい。
【0037】
次に、このパネルシステム1の特徴を説明する。まず、左右の縦額縁13,14を、壁面に固定した基部材13A,14Aと、該基部材13A,14Aに対して着脱自在なカバー部材13B,14Bとで分割可能な構造とし、カバー部材13B,14Bを基部材13A,14Aに対して着脱させることで、パネル部材15…15を保持でき、又はその保持を解除できるようにした。よって、カバー部材13B,14Bを基部材13A,14Aに装着した通常使用時は、パネル保持部F,Fによってパネル部材15…15の壁面からの脱落が防止でき、カバー部材13B,14Bを基部材13A,14Aから離脱した非使用時は、パネル保持部F,Fの保持が解除されてパネル部材15…15の壁面からの取り外しが可能となる。
【0038】
しかも、パネル保持部F,Fによるパネル部材15…15の保持を前面側で解除するようにしたから、パネル部材15…15を当該パネルシステム1の前面側にコンパクトな動きで取り外すことが可能となり、例えばパネル部材15…15を壁面に沿って上方や左右方向に長距離平行移動させて抜き出すようなことをしなくて済む。また、当該パネルシステム1の上下左右の周囲にパネル部材15…15を抜き出すためのスペースを空ける必要もなくなるから、例えば当該パネルシステム1を壁面全面にいっぱいに施工することも可能となる。
【0039】
もっとも、この実施の形態の場合、パネル部材15…15は、上下額縁11,12及び連結部材16…16と、ほぞ溝15a…15a等で嵌合しているから、左右のカバー部材13B,14Bを取り外してすぐに前面側に取り出すよりも、例えば上額縁11を除去して最上段のほぞ11aとほぞ溝15aとの嵌合を解除してから上から順に前面側に取り出すほうが、作業としてはより容易である。このように、左右のカバー部材13B,14Bを取り外しただけでは、パネル部材15…15が容易に崩れないようにしたのは、複数のパネル部材15…15を用いたからであって、これにより、例えば1人の作業者でも、複数のパネル部材15…15を、落下・脱落させることなく、支障なく扱えることになる。それゆえ、例えば単一のパネル部材だけを額縁11〜14で保持するようにしたとき等は、左右のカバー部材13B,14Bを取り外すだけで、該パネル部材の係合や保持が全て外れて、直ちに該パネル部材を前面側に取り出すことができるようにしてもよい。
【0040】
加えて、カバー部材13B,14Bは、嵌合部材23A,23B:24A,24Bを介して、ワンタッチで基部材13A,14Aに対して着脱できるから、その取り付け・取り外し作業が至極簡単で、作業時間が著しく短縮化する。
【0041】
さらに、カバー部材13B,14Bの着脱動作、換言すれば、嵌合部材23A,23B:24A,24Bの嵌合動作及び離脱動作が、縦額縁13,14に内装した空間S,Sの開閉動作を兼ねるようにしたから、通常使用時は、該空間S,Sがカバー部材13B,14Bで隠蔽されて、このパネルシステム1全体の美観が損なわれず、非使用時は、該空間S,Sが外部に露出して、該空間S,Sに対して所定の作業を行うことが可能となる。この実施の形態では、一例として、上記空間S,Sを電気配線C(図3〜図5参照)の収納用のスペースとして利用する。よって、このパネルシステム1を壁面に施工した後でも、カバー部材13B,14Bを基部材13A,14Aから取り外すだけで、簡単に上記空間S及び配線Cが外部に露出して、該配線Cの点検・交換・追加作業等が行える。
【0042】
しかも、その場合に、本来はカバー部材13B,14Bを基部材13A,14Aに対して着脱自在とするための嵌合部材23A,23B:24A,24Bを有効利用して、上記空間S,Sを形成するようにしたから、嵌合部材23A,23B:24A,24Bを配設したスペース(より具体的には、図4、図5に示すように、基部材13A,14Aの前面hと、カバー部材13B,14Bの背面kを含むL字状の内周面と、パネル部材15…15や横額縁11,12等の左右の両端面で囲まれた空間)が有効に活用でき、縦額縁13,14のスリム化が図られる。これに対し、嵌合部材23A,23B:24A,24Bの配設スペースと、配線C用スペースとを、両方別々に縦額縁13,14の内部に確保していたのでは、縦額縁13,14が肥大化し、このパネルシステム1の意匠性や装飾性を妨げる可能性が生じる。
【0043】
また、上記配線収納用空間S,Sは、嵌合部材23A,23B:24A,24Bによって閉じられた空間とされるから、通常使用時においては、配線Cの保護が図られる。さらに、上記配線収納用空間S,Sは、前面側に開放されるから、このパネルシステム1の非使用時における該空間S,Sのメンテナンス作業等が楽な姿勢でより一層容易に行える。
【0044】
縦額縁13,14内の上記空間S,Sを配線用スペースとして利用するから、縦額縁13,14は、パネル納めと電気配線収納とを両方兼ね備えた造作材となる。その結果、配線Cがこのパネルシステム1の外に露出しないし、また、配線収納ケース等の別部品をこのパネルシステム1や壁面に配設する必要がない。よって、配線Cが絡まったり、部屋の美観や雰囲気を損なうようなことがない。
【0045】
そして、パネル部材15…15を基部材13A,14Aに当接させつつ額縁11〜14内にセットしていくから、該基部材13A,14Aを有効利用して、パネル15…15の額縁11〜14ないし壁面に対する位置決めができる。つまり、基部材13A,14Aをパネル15…15の位置出しガイドとして兼用できる。しかも、その場合に、基部材13A,14Aを壁面に固定してあるから、施工時にカバー部材13B,14Bを装着する前でも、あるいは施工後にカバー部材13B,14Bを離脱している間も、パネル15…15の位置がずれる心配がない。
【0046】
なお、図6に示すように、連結部材16の長さ方向に(水平に)延びる凹溝Yをレール部としてアタッチメントAの取り付けに利用することができる。実線の図例は、アタッチメントAとして、比較的大荷重にも耐え得る脚付小テーブルを、このパネルシステム1に取り付けた場合を示す。小テーブルの一辺を上記レール部16aに摺動自在に挟み込んである。挟み込む部分は、小テーブルそのものの一部分であってもよいし、図例のように、挟み込みのために設けた専用部分であってもよい。これにより、アタッチメントAは、連結部材16に沿って水平方向の任意の位置に移動可能である。アタッチメントAの他の例としては、(脚無の)カウンタ、棚、壁掛け、フック、小物入れ、状差し(鎖線の図例)等、このパネルシステム1と調和し得るインテリア小物が好ましい。
【0047】
なお、額縁11〜14は、例えばビーチムク材等を基材とし、少なくともこのパネルシステム1の使用時に外観となって現われる表面部分には、例えばウレタン塗装等で仕上げ処理を施す。ただし、その意味では、縦額縁13,14の基部材13A,14Aは、表面が無塗装・無処理でも構わない。
【0048】
一方、嵌合部材23A,23B:24A,24Bは柔軟性に富む樹脂材(例えばポリエチレン、硬質塩ビ等)で成形するとよい。カバー部材13B,14Bの着脱操作感、及び装着時の安定性がよくなるからである。また、連結部材16は剛性に富む樹脂材(例えばポリウレタン、ABS等)や金属等で成形するのが好ましい。パネル部材15の支持の安定性に優れ、パネル部材15がしっかりと額縁11〜14内にセットされるからである。
【0049】
なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で以上の実施の形態を種々変更することが可能である。例えば、以上の実施の形態では、複数のパネル部材15…15及び連結部材16…16を用いたが、これに代えて、連結部材16を用いずに、前述したように単一のパネル部材15だけを額縁11〜14で保持するようにしてもよい。また、以上の実施の形態では、カバー部材13B,14Bを離脱して、パネル保持部F,Fによるパネル15…15の押えを解除しても、パネル15…15は上下額縁11,12や連結部材16…16と嵌合したままであるが、これに代えて、例えば作業者が複数人いるような場合等は、カバー部材13B,14Bを離脱して、パネル保持部F,Fによるパネル部材15…15の保持を解除すれば、パネル部材15…15の係合や嵌合が全て外れて、該パネル部材15…15を直ちに前方に取り出すことができるようにしてもよい。
【0050】
また、以上の実施の形態では、左右の縦額縁13,14のみを分割式としたが、これに代えて、あるいはこれと共に、上下の横額縁11,12を分割式とすることもできる。そして、前述したように、額縁11〜14等の壁面への固定手段はビスに限らないことはいうまでもなく、また、パネルシステム1は、壁面の比較的下部のみを覆う、壁保護機能重視の腰壁であっても構わない。さらに、額縁13,14内に形成される空間S,Sは、嵌り合った嵌合部材23A,23B:24A,24Bで上下を除く四方を取り囲まれるようにしたが、カバー部材13B,14Bを装着した状態で、空間S,Sが額縁13,14内で開かれていても構わない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、腰壁等の内装パネルシステムにおいて、パネルを壁面に直付けしないから、パネルの壁面からの取り外しが容易となると同時に、縁部材を分割可能構造として、カバー部材のほうを基部材に着脱するだけでパネルの保持及びその解除を前面側で行うから、パネルを当該パネルシステムの前面側に取り外すことができて、該パネルの取り外しがより一層容易となる。本発明は、腰壁を始めとする、壁保護用、壁装飾用の内装パネルシステム一般への幅広い利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る内装パネルシステムの正面図である。
【図2】 図1のア−ア線に沿う上記パネルシステムの拡大縦端面図であって、上横額縁周辺、連結部材周辺、及び下横額縁周辺を示すものである。
【図3】 上記パネルシステムの右縦額縁周辺の一部切り欠きの拡大正面図であって、図2と対応して、上横額縁周辺、連結部材周辺、及び下横額縁周辺を示すものである。
【図4】 上記パネルシステムの左縦額縁周辺の拡大平面図である。
【図5】 図1のイ−イ線に沿う同パネルシステムの右縦額縁周辺の拡大平断面図である。
【図6】 連結部材を利用してアタッチメントを装着した上記パネルシステムの部分拡大縦端面図である。
【符号の説明】
1 内装パネルシステム
11〜14 額縁(縁部材)
13A,14A 基部材
13B,14B カバー部材
15 パネル部材
16 連結部材
23A,23B,24A,24B 嵌合部材
F パネル保持部
S 空間(電気配線収納用空間)
Y 凹溝
Claims (5)
- 壁面に固定された左右の縦方向縁部材及び上下の横方向縁部材と、これらの縁部材で構成される矩形の空間に配設されたパネルとを有する内装パネルシステムであって、上記縦方向縁部材は、壁面に固着された基部材と、前面側の部分と側面側の部分とで断面L字状とされ、前記基部材の前面側に着脱自在とされたカバー部材とを含み、基部材にカバー部材が装着された状態で、該カバー部材の前面側の部分における上記矩形空間に対する内側の側端部が、上記パネルの左右の側端部を前面側から保持するパネル保持部とされていると共に、該カバー部材の側面側の部分が、基部材の外側面に当接し、かつ、両部材の間に上下方向に延びる空間が形成されて、互いに対向する基部材の前面とカバー部材の背面とに、相互に嵌り合う一対の嵌合部材が設けられ、該嵌合部材が嵌合又は離脱することによってカバー部材が基部材に対して装着又は離脱されることを特徴とする内装パネルシステム。
- 嵌合部材は、相対向する一対の嵌合面を有し、カバー部材の装着時に、基部材に設けられた嵌合部材の嵌合面とカバー部材に設けられた嵌合部材の嵌合面とが嵌り合うことにより、上下方向に延びる閉断面の空間を形成し、カバー部材の離脱時に該空間を基部材の前面側に開放する構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の内装パネルシステム。
- 嵌合部材の嵌合面は「く」字状とされ、基部材に設けられた嵌合部材はオスの嵌合部材であり、カバー部材に設けられた嵌合部材はメスの嵌合部材であることを特徴とする請求項2に記載の内装パネルシステム。
- 基部材の矩形空間に対する内側の側面は、パネルの左右の端面を当接させる位置合わせ面とされ、その当接状態で、カバー部材のパネル保持部がパネルの左右の側端部を前面側から保持するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内装パネルシステム。
- パネルは横方向に長い複数のパネル部材で構成され、これらのパネル部材のうち上下に隣接するパネル部材間には該パネル部材同士を連結する連結部材が介設されて、該連結部材の前面に横方向に延びる凹溝が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内装パネルシステム。
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