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JP3973581B2 - フランジ外面突起付きh形鋼を用いた鋼コンクリート一体化地下壁 - Google Patents
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JP3973581B2 - フランジ外面突起付きh形鋼を用いた鋼コンクリート一体化地下壁 - Google Patents

フランジ外面突起付きh形鋼を用いた鋼コンクリート一体化地下壁 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に地下壁に適用して好適なフランジ外面突起付きH形鋼を用いた鋼コンクリート合成壁体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に都市部などにおいては、用地確保が困難となっていることから、地下壁の壁厚みを薄くすることが土地有効利用の点で重要である。
地下壁の壁厚みを鉄筋コンクリート壁体、いわゆるRC壁体よりも薄くすることができる壁体として、図4に示すSRC壁体が知られている。
【0003】
図4は、従来のSRC壁体の要部を示す横断面図であり、従来のSRC壁体は、フランジ外面突起付きH形鋼201がフランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて複数立設されてなる鉄骨構造部と、フープ鉄筋204とコンクリートもしくは固化処理土とが一体化されてなる。また、構造部材としては、コンクリートとの付着力を増大せしめるため、フランジ外面に突起202を有するフランジ外面突起付きH形鋼201が用いられる(特許文献1)。
【0004】
フープ鉄筋204としては、例えば異形鉄筋が用いられ、フープ鉄筋204は、構造部材とコンクリートとの一体性を維持するために壁体高さ方向に複数敷設されている。このフープ鉄筋204の主な役割は、SRC壁体に外力として地震等による曲げ力が作用した際、フランジ外面の突起202とコンクリートとの接触面でのずれせん断によるせん断破壊の抑制と、フランジ外面側のコンクリートが剥離してしまうことに起因する壁体耐力の低下を防止することである。
【0005】
また、SRC構造壁体では、フープ鉄筋204とフランジ外面との間に隙間を少なくとも25mm以上でかつ粗骨材の最大寸法の1.25倍以上設けた方がよいとされており、一方、この隙間を規定通り設けないと、フランジ外面とフープ鉄筋204との間へのコンクリートの充填性が損なわれ、所定の壁体の性能が得られなくなる恐れがあるとされている。図4で、A20は壁厚みを示し、B20はフランジ外側面から壁面までの間隔を示す。
【0006】
ここで、SRC壁体の代表的な構築方法について図5、図6を用いて説明しておく。図5、図6は、SRC壁体の問題点を説明するための概略平面図で、図5では、二つのフランジ外面突起付きH形鋼201毎にフープ鉄筋204が敷設され、壁体構築時の構造ユニットが構成されていることが示されている。
また、図5において、2点鎖線はトレミー管非挿入箇所を示す。
【0007】
壁体構築時の構造ユニットは、鉄骨鉄筋かごと称されるもので、普通、現地にて製作される。それに用いるフランジ外面突起付きH形鋼201の数は、使用する掘削機の掘削能力および作業クレーンの吊り能力に応じて決められる。
SRC壁体を構築するに際しては、構造ユニットを必要数だけ製作し、構造ユニットを掘削機により掘削された地盤に順次挿入することを繰り返すことで、壁体長さに相当する鉄骨鉄筋構造を地盤内に構成する。その後、鉄骨鉄筋構造体に型枠を取り付け、型枠内にコンクリートの打設を行うことによってSRC壁体の地下壁を構築する。コンクリートの打設は、図6に示すように一般に地上部にコンクリートミキサー車301を配置し、コンクリートミキサー車301から供給されるコンクリートをコンクリート振り分け装置302の一端側に流し込み、コンクリート振り分け装置302の長手方向数カ所に垂下されたトレミー管206から流下させて行われる。図6で符号303の矢印は、コンクリートの流下方向を示し、符号303A、303Bは、固化前コンクリートのレベルを示す。
【0008】
【特許文献1】
実開昭63-198725 号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SRC壁体の構築時に、構造ユニットを構成する二つのフランジ外面突起付きH形鋼201の間にはトレミー管206が挿入できているが、構造ユニット同士が隣接している箇所には、トレミー管206がフープ鉄筋204と干渉して挿入できなくなっている。このため、従来のSRC壁体では、施工上の問題があったのである。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消することにあり、鉄筋とトレミー管の干渉を防止でき、壁体構築時の施工性に優れると共にフランジ外面側のコンクリートが剥離してしまうことに起因する壁体耐力の急激な低下を防止することができる壁体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のとおりである。
1. 構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体と、コンクリートもしくは固化処理土とが一体化されてなる鋼コンクリート一体化地下壁であって、各構造ユニットは、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された二以上のフランジ外面突起付きH形鋼と、構造ユニットの壁体長手方向一端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの一方の側面を超える位置から壁体長手方向他端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの他方の側面を超える位置にまで横に延在し、かつ各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ外面から所定間隔だけ隔てられて敷設されてなる横鉄筋と、該横鉄筋に繋げて壁体内側に屈曲され、壁体厚み方向に挿入される挿入鉄筋とを有し、前記挿入鉄筋はフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ側面と向かい合う位置を超えてウェブ面高さ方向端部位置にまで挿入され、かつフランジ側面から所定間隔だけ隔てられて敷設されてなり、前記フランジ外面突起付きH形鋼のウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所には鉄筋が敷設されていないことを特徴とする鋼コンクリート一体化地下壁。
2. 前記挿入鉄筋の端部に壁体厚み方向に対する抜け止め部材を設けたことを特徴とする上記1.に記載の鋼コンクリート一体化地下壁。
3. 構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体と、コンクリートもしくは固化処理土とが一体化されてなる鋼コンクリート一体化地下壁であって、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された二以上のフランジ外面突起付きH形鋼と、構造ユニットの壁体長手方向一端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの一方の側面を超える位置から壁体長手方向他端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの他方の側面を超える位置にまで横に延在し、かつ各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ外面に接触する位置に敷設されてなる横鉄筋を有し、該横鉄筋は、各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ外面に固着されてなり、前記フランジ外面突起付きH形鋼のフランジ幅が300mm以上、突起高さ h1 が2〜50mm、突起間隔が10× h1 〜50× h1 mmであり、さらに前記フランジ外面突起付きH形鋼のウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所には鉄筋が敷設されていないことを特徴とする鋼コンクリート一体化地下壁。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の形態に係る鋼コンクリート一体化地下壁について図1〜3を用い、詳細に説明する。
図1〜3には、それぞれ第1、第2および第3実施の形態に係る鋼コンクリート一体化地下壁(以下、単に壁体ともいう)の構造を示す。図1(a)、図2(a)および図3(a)は、それぞれ壁体構造を示す概略横断面図であり、また、図1(b)は図1(a)のX−X部分断面図、図2(b)は図2(a)のY−Y部分断面図、図3(b)は図3(a)のZ−Z部分断面図である。
【0013】
図1(a)、図2(a)および図3(a)で上下方向が壁体厚み方向、横方向が壁体長手方向であり、壁面と対向するいずれか一方が地盤内空間であり、他方が地盤である。図中のH1、H2、H3は、フランジ外面突起付きH形鋼1、21、31のウエブ高さを示し、Wf1、Wf2、Wf3は、フランジ外面突起付きH形鋼1、21、31のフランジ幅を示す。
【0014】
ここで、第1、第2および第3実施の形態に係る壁体に構造部材として用いたフランジ外面突起付きH形鋼1、21、31のフランジ外面の突起2、22、32をそれぞれ、図1(c)、図2(c)および図3(b)に示した。符号h1、h2、h3は、突起2、22、32の突起高さをそれぞれ示し、符号P1、P2、P3は、突起2、22、32の突起間隔をそれぞれ示す。突起32も突起2、22と同様にフランジ幅方向に沿って形成されている。
【0015】
第1実施の形態に係る壁体は、図1(a)、図1(c)に示すように、構造部材としてフランジ外面に突起2を有するフランジ外面突起付きH形鋼1を用いている。第1実施の形態に係る壁体は、図1(a)に示されるように、構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体を有し、鉄骨鉄筋構造体とコンクリート3もしくは固化処理土とが一体化されてなる。
【0016】
各構造ユニットは、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された2つのフランジ外面突起付きH形鋼1と、横鉄筋4、挿入鉄筋5および折り返し鉄筋14を有する。この構造ユニットは、鉄骨鉄筋かごと称され、壁体構築時、構造ユニット毎に掘削機により掘削された掘削孔に順に立設される。
【0017】
各構造ユニットには横鉄筋4と挿入鉄筋5とからなる補強鉄筋が敷設され、横鉄筋4は、図1(a)の平面図で見て構造ユニットの壁体長手方向一端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの一方の側面を超える位置から壁体長手方向他端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの他方の側面を超える位置にまで横に延在している。この横鉄筋4は、各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼1のフランジ外面から所定間隔だけ隔てられていると共に、図1(b)に示すように壁体高さ方向複数箇所に敷設されている。
【0018】
一方、挿入鉄筋5は、横鉄筋4に繋げて壁体内側に90°屈曲されて壁体厚み方向に挿入されている。この挿入鉄筋5は、図1(a)に示すようにフランジ外面突起付きH形鋼1のフランジ側面と向かい合う位置を超えて、かつフランジ側面から所定間隔だけ隔てられて壁体高さ方向複数箇所に敷設されてなる。なお、折り返し鉄筋14は、挿入鉄筋5の先を折り返して敷設された壁体厚み方向に対する抜け止め部材である。符号4Aは、鉄筋端を示す。
【0019】
このように、第1実施の形態に係る壁体は、横鉄筋4と挿入鉄筋5とからなる補強鉄筋により構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼1のフランジをコの字状に囲み、フランジ外面に形成した突起2とコンクリートとの接触面の補強を行っているので、フランジ外面の突起とコンクリートの接触面でのずれせん断破壊が発生し難くなる。それ故、フランジ外面の突起とコンクリートの接触面の付着力低下による壁体の耐力低下を抑制することができる。
【0020】
また、第1実施の形態に係る壁体に設けた、壁体厚み方向に対する抜け止め部材である折り返し鉄筋14は、壁体構築後、地震等の外力によりフランジ外面の突起とコンクリートの接触面でずれせん断破壊が生じた場合にフランジ外面側のコンクリートが横鉄筋4と共に壁体から剥離してしまうことを挿入鉄筋5を介して防止できる。故に、フランジ外面の突起とコンクリートの接触面でずれせん断破壊が生じた場合でもフランジ外面側のコンクリートが剥離してしまうことに起因する壁体耐力の急激な低下を抑制することができるため、挿入鉄筋5の端部に抜け止め部材として壁体厚み方向に対する折り返し鉄筋14を設けるのが好ましい。
【0021】
そのうえ、第1実施の形態に係る壁体では、挿入鉄筋5がウェブ面高さ方向端部位置にまで挿入されかつ折り返し鉄筋14もウェブ面高さ方向端部位置に敷設されているために、壁体構築時、ウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所で鉄筋とトレミー管の干渉を防止でき、図1(a)中の2点鎖線で示す箇所にトレミー管を容易に挿入できる。
【0022】
次いで、図2を用い、第2実施の形態に係る壁体について説明する。
第2実施の形態に係る壁体は、図2(a)に示すように構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体と、コンクリート23もしくは固化処理土とが一体化されてなる。各構造ユニットは、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された2つのフランジ外面突起付きH形鋼21と、横鉄筋24、挿入鉄筋25を有する。
【0023】
第2実施の形態に係る壁体の構造と上述した第1実施の形態に係る壁体の構造上の相違は、第2実施の形態に係る壁体の構造ユニットとして、第1実施の形態に係る壁体の構造ユニットに設けた折り返し鉄筋14に代わり、図2(b)に示すように挿入鉄筋25の端部に異形鉄筋26を設け、壁体厚み方向に対する抜け止め部材としたことにある。
【0024】
抜け止め部材としての異形鉄筋26は、その長手方向が挿入鉄筋25の挿入方向と直交するように挿入鉄筋25の端部に配置し、例えば溶接により固着することにより抜け止め部材とすることができる。抜け止め部材としては、挿入鉄筋25の端部に螺合させたフランジナットとすることもできる。
この第2実施の形態に係る壁体においても第1実施の形態に係る壁体と同様に、挿入鉄筋25の端部に壁体厚み方向に対する抜け止め部材が設けられているため、地震等の外力によりフランジ外面の突起とコンクリートの接触面でずれせん断破壊が生じた場合に、フランジ外面側のコンクリートが横鉄筋24と共に壁体から剥離してしまうことを挿入鉄筋25を介して防止できる。その結果、壁体耐力の急激な低下を抑制することができる。それ故、挿入鉄筋25の端部に抜け止め部材を設けるのが好ましい。
【0025】
勿論、第2実施の形態に係る壁体の構造ユニットにおいても、各構造ユニットに敷設した横鉄筋24と挿入鉄筋25により構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼21のフランジをコの字状に囲み、フランジ外面に形成した突起22とコンクリートとの接触面の補強を行っているので、フランジ外面の突起とコンクリートの接触面でのずれせん断破壊が発生し難くなる。それ故、フランジ外面の突起とコンクリートの接触面の付着力低下による壁体の耐力低下を抑制することができる。
【0026】
また、第2実施の形態に係る壁体では、挿入鉄筋25がウェブ面高さ方向端部位置にまで挿入され、第1実施の形態における折り返し鉄筋がなく、壁体構築時、ウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所で鉄筋とトレミー管の干渉をさらに容易に防止でき、図2(a)中の2点鎖線で示す箇所にトレミー管をさらに容易に挿入できる。
【0027】
最後に、第3実施の形態に係る壁体について図3を用いて説明する。
第3実施の形態に係る壁体は、図3(a)に示すように構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体と、コンクリート33もしくは固化処理土とが一体化されてなる。各構造ユニットは、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された2つのフランジ外面突起付きH形鋼31と、横鉄筋34を有する。
【0028】
第3形態に係る壁体の構造と上述した第1、第2実施の形態に係る壁体の構造上の相違は、第1、第2実施の形態に係る壁体の構造ユニットに設けた挿入鉄筋5、25を設けず、横鉄筋34を各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼31のフランジ外面に固着したことにある。その際、横鉄筋34は、構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼31のフランジ外面に接触する位置に例えば図3(b)に示すように壁体高さ方向複数箇所に敷設し、溶接により固着することができる。
【0029】
従って、フランジ外面の突起とコンクリートの接触面でずれせん断破壊が生じた場合にフランジ外面に固着された横鉄筋34によりフランジ外面側のコンクリートが壁体から剥離してしまうことを防止でき、壁体の急激な耐力低下を抑制することができる。
また、第3実施の形態に係る壁体では、横鉄筋34が構造ユニットの壁体長手方向一端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼31のフランジの一方の側面を超える位置から壁体長手方向他端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼31のフランジの他方の側面を超える位置にまで横に延在し、かつフランジ外面に接触する位置に配置され、各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼31のウェブ面と向かい合う箇所には鉄筋が敷設されてない。
【0030】
それ故、壁体構築時、ウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所で鉄筋とトレミー管の干渉を防止でき、図3(a)中の2点鎖線で示す箇所にトレミー管を容易に挿入できる。
以上説明した第1〜3実施の形態に係る壁体では、構造ユニットは2つのフランジ外面突起付きH形鋼と鉄筋を有しているが、フランジ外面突起付きH形鋼の数は、使用する掘削機の掘削能力および作業クレーンの吊り能力に応じて決めることができる。
【0031】
ところで、第1〜3実施の形態に係る壁体では、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された二以上のフランジ外面突起付きH形鋼と鉄筋等とコンクリートとを一体化してなる鋼コンクリート一体化地下壁としているので、コンクリートが壁体長手方向に立設されたフランジ外面突起付きH形鋼により拘束され、この拘束効果により壁体の耐力と剛性を高めることができる。但し、鉄骨構造部におけるフランジ外面突起付きH形鋼の壁体長手方向間隔は、過度に空けると、耐力および剛性が極端に低下し、地下壁においてはコンクリートのパンチング(脆性破壊の一種)が生じる恐れがあるので、適切に設定される。
【0032】
また、第1、2実施の形態に係る壁体では、フランジ外面突起付きH形鋼のフランジと各鉄筋との間には、コンクリート充填性確保のために所定の間隔を設ける。その場合、フランジ外面突起付きH形鋼1と各鉄筋との間の隙間は、少なくとも25mm以上でかつ粗骨材の最大寸法の1.25倍以上設けるのが望ましい。
【0033】
また第1〜3実施の形態に係る壁体では、構造部材としてフランジ外面に突起を有するフランジ外面突起付きH形鋼が用いられているため、フランジ外面に形成した突起の作用により構造部材とコンクリートとの付着力を高めることができ、高耐力でかつ高剛性の壁体とすることができる。そのフランジ外面に形成する突起は、圧延あるいは突起部材を溶接等により固着することで適宜形成することができる。例えば、地下壁によく用いられるフランジ幅が300mm以上のフランジ突起外面付きH形鋼では、突起高さh1を2〜50mm突起幅を1×h1〜5×h1mm突起間隔を10×h1〜50×h1mmおよび突起長さはフランジ幅以内とし、コンクリートの圧縮耐力σc (N/mm2 )およびコンクリートのせん断耐力τc (N/mm2 )を考慮してフランジ外面突起付きH形鋼のコンクリートに対する付着耐力が最大となるように決定するのが望ましい。
【0034】
また、第1〜3実施の形態に係る壁体に使用するフランジ外面突起付きH形鋼の寸法や強度は、施工性を勘案し、壁に作用する力に耐えられるように決められる。例えば、隣接するフランジ外面突起付きH形鋼1間に直径が200〜250mmのトレミー管と呼ばれるパイプを挿入してコンクリートを打設する場合には、フランジ突起付きH形鋼のフランジ幅Wが300mm以上のものを使用するのが望ましい。フランジ幅が300mm以上のフランジ突起付きH形鋼を使用した場合、隣接するフランジ外面突起付きH形鋼のウェブ面の間隔を300mm以上とすることができ、またフランジ高さも300mm以上となるのが普通でトレミー管をフランジおよびウェブのどちらにも干渉することなく挿入することができるからである。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、鉄筋とトレミー管の干渉を防止でき、壁体構築時の施工性に優れると共にフランジ外面側のコンクリートが剥離してしまうことに起因する壁体耐力の急激な低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態に係る壁体構造を示す(a)は概略横断面図、(b)はそのX−X部分断面図である。
【図2】第2実施の形態に係る壁体構造を示す(a)は概略横断面図、(b)はそのY−Y部分断面図である。
【図3】第3実施の形態に係る壁体構造を示す(a)は概略横断面図、(b)はそのZ−Z部分断面図である。
【図4】従来のSRC壁体の要部を示す横断面図である。
【図5】SRC壁体の問題点を説明するための概略平面図である。
【図6】SRC構造壁体の問題点を説明するための縦断面を含む概略正面図である。
【符号の説明】
1、21、31 突起付きH形鋼
2、22、32 突起
3、23、33 コンクリート(固化処理土)
4、24、34 横鉄筋
5、25 挿入鉄筋
14 折り返し鉄筋(係止部材)
26 異形鉄筋(係止部材)
4A、24A、34A 鉄筋端
H1、H2、H3 ウエブ高さ
Wf1、Wf2、Wf3 フランジ幅
h1、h2、h3 突起高さ
P1、P2、P3 突起間隔
201 突起付きH形鋼
202 突起
203 コンクリート(固化処理土)
204 フープ鉄筋
205 型枠
206 トレミー管
301 コンクリートミキサー車
302 コンクリート振り分け装置
303 コンクリートの流下方向
303A、303B 固化前コンクリートのレベル

Claims (3)

  1. 構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体と、コンクリートもしくは固化処理土とが一体化されてなる鋼コンクリート一体化地下壁であって、
    各構造ユニットは、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された二以上のフランジ外面突起付きH形鋼と、
    構造ユニットの壁体長手方向一端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの一方の側面を超える位置から壁体長手方向他端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの他方の側面を超える位置にまで横に延在し、かつ各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ外面から所定間隔だけ隔てられて敷設されてなる横鉄筋と、
    該横鉄筋に繋げて壁体内側に屈曲されて壁体厚み方向に挿入される挿入鉄筋とを有し、前記挿入鉄筋はフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ側面と向かい合う位置を超えてウェブ面高さ方向端部位置にまで挿入され、かつフランジ側面から所定間隔だけ隔てられて敷設されてなり、前記フランジ外面突起付きH形鋼のウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所には鉄筋が敷設されていないことを特徴とする鋼コンクリート一体化地下壁。
  2. 前記挿入鉄筋の端部に壁体厚み方向に対する抜け止め部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の鋼コンクリート一体化地下壁。
  3. 構造ユニットが壁体長手方向に繰り返されてなる鉄骨鉄筋構造体と、コンクリートもしくは固化処理土とが一体化されてなる鋼コンクリート一体化地下壁であって、フランジ外面を壁面と向かい合わせ、壁体長手方向に間隔を空けて立設された二以上のフランジ外面突起付きH形鋼と、
    構造ユニットの壁体長手方向一端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの一方の側面を超える位置から壁体長手方向他端に位置するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジの他方の側面を超える位置にまで横に延在し、かつ各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ外面に接触する位置に敷設されてなる横鉄筋を有し、
    該横鉄筋は、各構造ユニットを構成するフランジ外面突起付きH形鋼のフランジ外面に固着されてなり、前記フランジ外面突起付きH形鋼のフランジ幅が300mm以上、突起高さ h1 が2〜50mm、突起間隔が10× h1 〜50× h1 mmであり、さらに前記フランジ外面突起付きH形鋼のウェブ面高さ方向中央部と向かい合う箇所には鉄筋が敷設されていないことを特徴とする鋼コンクリート一体化地下壁。
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