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JP3973841B2 - インク受け層を非多孔性サブストレートに設ける方法 - Google Patents
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JP3973841B2 - インク受け層を非多孔性サブストレートに設ける方法 - Google Patents

インク受け層を非多孔性サブストレートに設ける方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、インクジェットプリンティングに関し、より詳細には、顔料をベースとしたインクジェットインクによる多孔性プリント媒体上へのプリント方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク受け層は、プリント工程中に噴射されたインクベヒクルを吸収する必要がある。インク受け層(ink receiving layer)が非吸収性サブストレート上に塗布されると、そのサブストレートは吸収能力を示さず、結果的に、インク受け層が唯一の吸収材料とならなければならない。コーティングの吸収能力を高めるために、紙をサブストレートとするインクジェット媒体のサブストレート機能と同様、コーティングの能力を高めるべく作用するところのプレコートが従来技術において記述されている。
【0003】
光沢、粘着性、表面エネルギー及び耐久性のような表面特性を制御するために、並びに吸収性プレコートと協同して機能させるために、上塗り(トップコート)が付けられる。加えて、そのトップコートは、コーティングにおいて認識されている不規則性又は不均一性の一因となるであろうところの欠陥があってはならない。
【0004】
米国特許第5,275,867号には、プレコート上でトップコートが積層化されている場合の2層コーティング及びコーティングプロセスが記述されている。米国特許第5,605,750号には、トップコートが多孔ホッパー(multi-slot hopper)又はスライドホッパにおける乾燥前に両方の液体をコーティングすることによってプレコートに付けられる場合の3-層コーティング及びコーティングプロセスが記述されている。米国特許第5,576,088号には、トップコートがプレコート上に注型塗布(cast coated)される場合の2層コーティング及びコーティングプロセスが記述されている。これらの例は全て、特殊装置を伴う方法とその方法に適合するよう処理されたコーティングとを記述している。加えて、生産効率も比較的低い。
【0005】
関連出願の米国特許出願番号09/491,642において、1または2以上のトップコートを多孔性ベースコートに付けて均一で且つ欠陥の無いコーティング層を作り出すことができる多層コーティングの作製を可能にするところのプロセスが開示され且つ範囲請求されている。特に、ベースコート中の空気をトップコーティングに先立ち除去するようにトップコーティング以前にある液体をベースコーティングに塗布するプロセスが提供される。このプロセスは、そこに記述された単純な装置とのインラインを行うことができるものである。この方法の付加的効果は、それによって単一処理におけるベースコートの乾燥後及びトップコートの塗布以前にそのコーティングに対し機能性を付加し又は化学処理を行うこともできるようになるということである。例えば、その湿潤液は、限定するものではないが、界面活性剤類、pH修正剤類、ポリマー類、架橋結合剤類、顔料類、及び/又は染料安定化剤を含んでいてもよい。
【0006】
在来の光沢媒体は、ポリマー被覆表面を有している。インクは、ゆっくりとしたポリマーの膨潤(polymer swelling)によってコーティングに浸透する。イメージのプリント後、そのプリント表面はベヒクルで飽和されたままであり、従って乾燥時間も長い。多孔性ベヒクルに対しては、インクベヒクルは毛管作用によって多孔性コーティング中に急速に吸収し、従って乾燥時間が短い。より高速のインクジェットプリンティングに対する要求が高まれば高まる程、媒体のより速い乾燥時間がますます重要となってくるのである。
【0007】
多孔性光沢プリント媒体の例としては、(1)高品質光沢紙、Epson's Stylusプリンタと併用されるEpson White Film S041072(不透明ポリエステル)および(2)Mile High Engineering Supply Company (Denver,CO)から入手可能な、Accuplot EGF Glossy White Filmがある。
【0008】
しかし、多孔性媒体上の顔料含有インクのドットサイズは、いつも低かったため、結果的にドット間で白色空間が生じ、そのイメージはムラがあり且つ不均一であることは明らかである。インクと媒体の連結研究がドットサイズを高めるべく行われてきた。ポリマー被覆写真用紙上での染料型インクのドットサイズの拡大は、ほとんどの場合、インクの表面張力を低くすることによって行うことができるが、そのような対処法では、多孔性媒体上の顔料型インクに対してほとんど効果が得られない。
【0009】
特に、被覆された多孔性プリント媒体上の顔料型インクのドットサイズを改善する試みにおいて、次の局面から検討がなされてきた。インク滴の重量、媒体コーティングの重量、媒体コーティングにおける顔料/バインダーの比、媒体コーティングにおける粒径、及びインク又は媒体中の界面活性剤。しかし、これらの実験は全て、ドットサイズに及ぼす効果がほとんど無いことを示した。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】
従って、多孔性光沢媒体上で、その上でのプリント品質を改善するための、顔料ベースインクの拡大ドットサイズを実現する必要性は存在するのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明の一実施形態では、少なくとも1つのインクジェットプリンティング用インク受け層を非多孔性サブストレートに設ける方法が提供される。当該方法は、(a)非多孔性サブストレートの表面に複数の孔を有する多孔性ベースコートを塗布するステップ、(b)前記多孔性ベースコートを乾燥させ、次いで前記多孔性ベースコートに第一再湿潤液を塗布し濡れた多孔性ベースコートを形成するステップ、(c)前記濡れた多孔性ベースコート上にトップコートを塗布するステップ、及び(d)前記トップコートを乾燥させ、次いで前記トップコートに第二再湿潤液を塗布し濡れたトップコートを形成するステップを包含し、前記第二再湿潤液が、(1) 0.1-5 重量%の濃度で存在する、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、セルロース誘導体、及びポリエチレンオキシドから成る群から選択される水溶性ポリマー、(2) 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドシリカ、及び(3) 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドアルミナから成る群から選択される少なくとも1つの化学種を含有する水性溶液から成ることを特徴とする。当該方法で得られたインクジェットプリンティング用インク受け層は、前記第二湿潤液が無い場合よりも顔料型インクをより大きいドットでプリントできる。
【0012】
本願発明の他の実施形態では、非浸透性サブストレートに付けられたインクジェットプリンティング用インク受け層の上にプリントされる顔料型インクのドットサイズを拡大する方法が提供される。当該方法は、(a)少なくとも1つの顔料と少なくとも1つの結合剤とを含有しさらに複数の孔を有する多孔性ベースコートを前記非多孔性サブストレートの表面に塗布するステップ、(b)前記多孔性ベースコートを乾燥させ、次いで前記多孔性ベースコートに前記第一再湿潤液を塗布して、液体被覆ベースコートを形成し前記孔を満たすようにしたステップ、(c)少なくとも1つの顔料と少なくとも1つの結合剤とを含有するトップコートを前記液体被覆ベースコート上に塗布するステップ、及び(d)前記トップコートを乾燥させ、次いで前記トップコートに前記第二再湿潤液を塗布して液体被覆トップコートを形成するステップ、を包含し、前記第二再湿潤液が、(1) 0.1-5 重量%の濃度で存在する、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、セルロース誘導体、及びポリエチレンオキシドから成る群から選択される水溶性ポリマー、(2) 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドシリカ、及び(3) 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドアルミナから成る群から選択される少なくとも1つの化学種を含有する水性溶液から成ることを特徴とする。
【0013】
顔料インクでプリントされた被覆多孔性媒体上でのドットサイズを拡大するための努力は以前には知られていない。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施するために発明者によって現に実行された最良形態を開示する、本願発明の特定実施例について詳細に説明する。
【0015】
関連出願の米国特許出願番号09/491,642に開示され且つ範囲請求されているベースコート及びトップコートは、各々、1または2以上の顔料と1または2以上のバインダー(binder)を含み、それらは、ベースコートとトップコートをそれに溶かしてサブストレートに塗布するところの溶媒に可溶性であるか又は分散性である高分子化合物である。顔料の例としては、シリカ及びアルミニウム及びその種々の水和物、チタニア、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)、ガラスビーズ、及び有機顔料(例えば、橋かけSBRラテックス類、微小化ポリエチレン又はポリプロピレンワックス、アクリルビーズ及びメタクリルビーズのようなプラスチック又は高分子顔料)がある。その顔料は、ベースコートとトップコートの両方で同じか又は異なっていてもよい。
【0016】
バインダーは、とりわけ、顔料(群)を決まった場所に保持するのに役立つ高分子マトリックスである。そのバインダーは、水溶性でも又は水分散性でもよい。水溶性バインダーの例には、ポリビニルアルコールとその誘導体、ポリビニルピロリドン/ポリ酢酸ビニルコポリマー、セルロース誘導体類、ポリアミド類、及びポリエチレンオキシドが含まれる。水分散性バインダーの例には、スチレンーブタジェンラテックス類、ポリアクリル類、ポリウレタン類、等が含まれる。そのバインダーは、ベースコートとトップコートの両方で同じか又は異なっていてもよい。
【0017】
ベースコートとトップコートは、サブストレートに溶液の状態で別々に塗布しそして乾燥させる。
【0018】
サブストレートは、フィルムベースの材料、例えば、マイラー(Mylar)、又は樹脂被覆紙(例えば、写真ベース紙)のような、非浸透性(非空気浸透性)材料から成る。
【0019】
上に引用した出願においては、ベースコートの孔は、トップコート溶液が塗布される前に、これも本願明細書で再湿潤溶液と呼ばれる、液体で飽和されるか又はほぼ飽和される。好ましくは、ベースコートにある孔は、トップコート溶液が塗布される前に液体で飽和させる。また好ましくは、トップコートにおける溶媒と相容性である溶媒は、コーティング層間で最良の接着性を与えるものと思われる。
【0020】
当該再湿潤液は、1つ以上の溶媒を含んでいてよい。当該再湿潤液は、加熱するか又は化学的に修飾してプレコートにおける浸透率を高めるようにしてもよい。
【0021】
加熱する場合、その液体は、その沸点(又は2つ以上の溶媒が使用される場合はその最小の沸点)を越えない任意の温度に加熱する。
【0022】
用語「化学的改質(chemical modified)」は、1または2以上の界面活性剤類、接着促進剤類、pH調節剤類、ポリマー類、架橋剤類、顔料類、及び/又は染料安定剤類をその液体に付加することを意味する。従って、化学的に改質された再湿潤液は、それがプリント媒体としてのその用途に関連する時、ベースコート、トップコート、そのコーティングプロセスの特性、又はコーティングの性能を改変する働きがある。有用な界面活性剤、pH調節剤、及び/又は架橋剤のどれかを本願発明の実施に用いてよい。例えば、ベースコートにおけるバインダーがポリビニルアルコールである場合、その液体に付加される適切な架橋剤は、ホウ酸塩又はグリオキシルである。このプロセスは、コーティングの液体又はプロセスと融和しない化学物質に対して特に有用である。
【0023】
ベースコートの表面上の余剰液体をトップコーティングに先立ち除去することも望ましいことである。これは、ニップ(nip)、ドクター(掻き落とし)刃(doctoring blade)またはその類を使って達成することができる。
【0024】
図1は、本願発明のプロセスにも有用であるところの、上述の特許出願に関連して開示された装置10を示す。従来の塗布装置(coater)であるところの、当該装置10は、再湿潤溶液14を容れる容器12を具備する。ウェブ16は非吸収性サブストレートとその上の多孔性ベースコートとから成り、そして溶液14は、塗布器ローラ18によって多孔性ベースコートの表面上に導かれる。ホールドダウンローラ20は、ウェブ16を塗布器ローラ18の最上面に接触させて動かすものである。塗布器ローラ18は、溶液14をウェブ16に塗布する。その溶液14は、ドクター24、又は他の適当な手段を備えた計量ローラ22によって塗布器ローラ18上へ計量して供給される。
【0025】
代替実施例では、その余剰再湿潤溶液をウェブから掻き落としてもよい。
【0026】
別の代替実施例では、再湿潤溶液は、可動ウェブ16上へ直接ポンプで計量供給してもよく、これによって掻き落としをする必要がなくなる。
【0027】
溶液14の吸上げは、ウェブ16の速度に依存する。ウェブ16をできるだけ速く移動させてコーティング効率を最大にするのが望ましい。
【0028】
再湿潤液の持続時間は、再湿潤液の塗布とコーティングの塗布との間の時間間隔として定義される。従って、持続時間は、再湿潤溶液がベースコート中へ浸透するのに利用される時間の長さを決定する。持続時間は、ウェブの速度と再湿潤装置とコーティング装置間のウェブの距離とによって変更することができる。ベースコートの適当な飽和を得るのに要する時間の長さは、再湿潤装置の設計、ベースコートの特性、トップコートの特性、及び再湿潤液の特性によって決定される。このプロセスの有効化を計るためには、コーティングプロセスを設計する際にこれらのパラメータ全てを配慮する必要がある。
【0029】
当該発明によって多くの利点が実現される。第一に、それによって非多孔性サブストレート上に形成された多孔性ベースコート上にトップコート溶液を塗布することが可能となる。第二に、それによって、そうでなければ互いに不相容性であったであろうベースコート又はトップコートの何れかに使われる材料の取込み(混合)が可能となる。第三に、それによって、不相容性液体を多層系に被覆することが可能となる。
【0030】
本願発明に従い、再湿潤溶液をトップコートに塗布する。図1に描かれている装置は、本発明の実施に適切に用いられるものである。採用の第二再湿潤溶液(第一再湿潤溶液はベースコート層に適用中)であるところの、この再湿潤溶液は、被覆媒体上で顔料型インクを用いてさらに良好なドット利得が得られるようにトップコーティングを改善する。
【0031】
特に、水溶性ポリマー含有の液又はコロイドシリカ又はコロイドアルミナのような希釈無機顔料分散剤を含有している液を、コーティングの全ての孔を満たすのに十分な容積を送り出せるようにアプリケータを用いて多孔性被覆媒体(例えば、写真ベース紙)上に塗布する。計量供給装置、例えば、スクイージ、タオル、エアナイフを使用してトップコーティングの表面上の余分の液体を除去する。ついで、ぬれたコーティングを熱風で乾燥する。このプロセスで供給されるコーティングの厚さは、0.001と0.5μmの間であり、好ましくは、0.1μm厚を上回らないものと推定される。もしコーティングが厚すぎると、そのコーティングは、多分、インク媒質の浸透速度を大幅に減少させ、像質が劣ったものとなる。
【0032】
本願発明に適切に使用される水溶性ポリマーの例には、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルコポリマー(例えば、Air ProductsからのAirvol 523)、ポリビニルピロリドン(例えば、BASFからのLuviskol K30及びK90)及びポリアミド類、セルロース誘導体類、及びポリエチレンオキシドのようなその他の水溶性ポリマーがある。水溶性ポリマーの濃度は、第二再湿潤溶液の約0.1-5 wt%の範囲である。
【0033】
この応用に適するコロイドシリカ(シリカゾル)の例には、Nalco 1140(粒径 D = 15 nm)、Nalco 1034(D = 20 nm)、Nalco 1060(D = 60 nm)、Nalco 2326(D = 5 nm)(以上全てNalco Chemical Companyより市販);Nyalcol 2034DI(D = 20 nm)、Nyalcol 2040NH4(D = 20 nm)、及びNyalcol 215(D = 4 nm)(以上全てAkzo Nobel/Eka Chemicalsより市販);及びSnowtex 40(D = 10-20 nm)、Snowtex N(D = 10-20 nm)、Snowtex O(D = 11-14 nm)、Snowtex OL(D = 40-50 nm)、Snowtex OXS(D = 4-6 nm)、Snowtex YL(D = 50-80 nm)、及びSnowtex ZL(D = 70-100 nm)(以上全てNissan Chemical Industries,Ltd.より市販)が含まれる。
【0034】
真珠様のシリカゾルの例には、Nissan Chemical Industries,Ltd.から入手可能な、Snowtex ST-PSM(D = 18-22 nm幅、100-200 nm長)がある。
【0035】
細形シリカゾルの例には、両方ともNissan Chemical Industries,Ltd.から入手可能な、Snowtex OUP(D = 10 nm幅、50-100 nm長)及びSnowtex UP(D = 5-20 nm幅、40-300 nm長)がある。
【0036】
アルミナ被覆シリカゾルの例には、Nissan Chemical Industries,Ltd.から入手可能な、Snowtex C(D = 10-20 nm)がある。
【0037】
カチオンシリカの例には、両方ともAkzo Nobel/Eka Chemicalsから入手可能な、Nyalcol IJ222(D = 70 nm)及びNyalcol IJ666(D = 5 nm)がある。
【0038】
Nalco 2326についての実験では、プリントされたインクのドットサイズは、SiO2の0及び0.2 wt%(重量%)の間で直線的に拡大しそして0.2 wt%以上では変わらないまま維持されることが示された、図2参照。シリカの濃度範囲は、0.05-5wt%の間であり、好ましくは、0.1-1wt%の間である。試験された全ての薬品の中でも、1 wt% シリカ再湿潤溶液(水に溶かした1 wt%シリカ;例えば、Nalco 2326)は、本願発明の再湿潤溶液を使用しないで得られた不足(デフォルト)ドットサイズより著しく大きいドットサイズ(85-90 μm)を示した。
【0039】
コロイドアルミナの例には、両方ともAkzo Nobel/Eka Chemicalsから入手可能な、Nyalcol AL 20及びNyalcol AL20DWがある。コロイドアルミナの濃度は、第二再湿潤溶液の約0.1-5 wt%の範囲である。
【0040】
水混和性有機溶媒(例えば、イソプロパノール及び1-ブタノール、再湿潤溶液全体の0.1-50 wt%の範囲の濃度)、ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール-ポリ酢酸ビニル、再湿潤溶液全体の0.01-0.5 wt%の範囲の濃度)、又は界面活性剤のような、表面張力低減剤を第二再湿潤溶液に添加して、より良好な湿潤及びコーティングの均一性を達成するようにしてもよい。本願発明の実施に適切に用いられる界面活性剤の例には、Air Productsから市販のアセチレンのエトキシル化ジオール類であるところの、Surfynols及びAir Productsから市販の非イオン性アルコキシル化アルキノール類であるところの、Dynolsが含まれる。その界面活性剤の濃度は、第二再湿潤溶液の約0.01-5 wt%の範囲である。
【0041】
さらに、架橋結合剤を第二再湿潤溶液に添加して、トップコートとベースコートを強化してもよい。本願発明の実施に適切に用いられる架橋結合剤の例には、無機ホウ酸塩類(例えば、ホウ酸ナトリウム)、グリオキサール、およびE.I.Du Pont de Nemours Co.から入手可能な、有機チタン酸塩/ジルコニウム酸塩であるところの、Tyzorが含まれる。その架橋結合剤の濃度は、第二再湿潤溶液の約0.1-10 wt%の範囲である。
【0042】
実験例
全ての媒体は、テストプロットを用いて、ヒューレット・パッカード・カンパニー製のHewlett-Packard CP-2500プリンタでプリントした。そのドットサイズは、画像解析装置又は顕微鏡によって測定した。コントローの媒体は、関連出願の米国特許出願番号09/491,642に記載のもの、即ち、ベースコート、第一再湿潤溶液、及びトップコートが被覆された多孔性プリント媒体であった。
【0043】
実験例1
ベースコート及びそれに続くトップコートを光沢プリント媒体上に被覆した。ベースコートとトップコートは、下の表Iに挙げられた組成を有していた。トップコートのコーティングに先立ち、熱湯を含む、第一再湿潤溶液をベースコート上に被覆し、そして余剰分をトップコートの塗布前に除去した。
【0044】
【表1】
Figure 0003973841
【0045】
トップコートの塗布に続いて、本願発明に従い第二再湿潤溶液をトップコートに塗布した。試験した組成を下の表2及び表3に挙げる。
【0046】
【表2】
Figure 0003973841
【0047】
【表3】
Figure 0003973841
【0048】
第二再湿潤溶液の乾燥後、ヒューレット・パッカード・カンパニー製のHP DesignJet(商標)2500CPプリンタでHewlett-Packard 紫外線(UV)顔料ベースのインクを使って被覆媒体をプリントした。
【0049】
プリントされたインクのドットサイズの測定値は、ポリマー及びコロイド分散剤を含んでいる再湿潤液について、それぞれ、(表2の組成に関しては)図3aと図3bに及び(表3の組成に関しては)図4a、図4bに示した。全てのサンプルは、コントロールと同様の画像品質(IQ)(にじみ、全範囲及び領域充填の均一性)を示した。
【0050】
ポリマー含有の液体による媒体の再湿潤は、ドットサイズを僅かに拡大した。しかし、コロイドシリカ含有の液による媒体の再湿潤は、ドットサイズに関してより顕著な効果を示した。試験された全てのシリカの中でも、Nalco 2326(1 wt%シリカ)は、図3a、図3bに示すように、最大の改善を立証した。このドットサイズの拡大は、また、プリント領域におけるやや高めの光学濃度に帰着する。この場合、媒体の光沢もまた20度で10-12%から25%まで増えたが、イメージの光沢は不変のままであった。
【0051】
表4は、顔料洗浄コート(pigment wash coat)のドットサイズの測定値と沢の測定値を要約したものである。
【0052】
【表4】
Figure 0003973841
【0053】
平均ドットサイズは、種々の色の平均ドットサイズを表す。全ての材料は、デフォルト媒体("None")より大きめのドット直径をもっていると見える。材料の幾つかは、媒体の光沢を高めるのに(>11)用いてもよい。
【0054】
実験例2
コーティングの欠陥(例えば、魚眼)は、希釈顔料分散剤の表面張力が高いために再湿潤処理中に起こることがある。イソプロパノール(IPA)、1-ブタノール(BuOH)、ポリビニルアルコール-ポリ酢酸ビニル(例えば、Airvol 523)、(Air Productsからの)Surfynol、及び(Air Productsからの)Dynolのような、表面張力低減剤を洗浄コートに組み入れて、より良好な湿潤及びコーティングの均一性を達成することができる。諸例と結果を表5に要約する。
【0055】
【表5】
Figure 0003973841
【0056】
表面張力低減剤を付加することにより、ドットサイズと媒体の光沢に影響を与えないで、再湿潤溶液の比較的な滑らかなコーティングが生成される。
【0057】
実験例3
トップコート又はベースコートを橋かけ結合することが知られている架橋結合剤を洗浄コートに付加してコーティングの接着性又は耐久性を改善するようにしてもよい。そのような架橋結合剤の例には、グリオキサールと(デュポン社から市販の)Tyzorがある。その結果を表6に要約する。
【0058】
【表6】
Figure 0003973841
【0059】
表面張力低減剤の付加は、本願発明の第二再湿潤溶液でもたらされたドットサイズ及び媒体光沢の利点に影響を与えないで、トップコートとベースコートを強化する働きがあった。
【0060】
本願発明のプロセスは、多孔性光沢印刷媒体上への熱式インクジェット印刷において用途を見出すものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施に有用な塗布装置の概略図。
【図2】ドットサイズに及ぼすシリカ濃度の作用を示す図。
【図3a】本発明によるコロイドシリカを含有する再湿潤液の種々の組成の関数としてシアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(K)についてのドットサイズを示す図。
【図3b】図3aの結果、平均ドットサイズを示した図。
【図4a】本発明によるポリマーを含有する再湿潤液の種々の組成の関数としてシアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(K)についてのドットサイズを示す図。
【図4b】図4aの結果、平均ドットサイズを示した図。

Claims (8)

  1. 少なくとも1つのインクジェットプリンティング用インク受け層を非多孔性サブストレートに設ける方法であって、
    (a)非多孔性サブストレートの表面に複数の孔を有する多孔性ベースコートを塗布するステップ、(b)前記多孔性ベースコートを乾燥させ、次いで前記多孔性ベースコートに第一再湿潤液を塗布し濡れた多孔性ベースコートを形成するステップ、(c)前記濡れた多孔性ベースコート上にトップコートを塗布するステップ、(d)前記トップコートを乾燥させ、次いで前記トップコートに第二再湿潤液を塗布し濡れたトップコートを形成するステップ、
    を包含し、前記第二再湿潤液が、(1 0.1-5重量%の濃度で存在する、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、セルロース誘導体、及びポリエチレンオキシドから成る群から選択される水溶性ポリマー、(2 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドシリカ、及び(3 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドアルミナから成る群から選択される少なくとも1つの化学種を含有する水性溶液から成り、前記少なくとも1つのインクジェットプリンティング用インク受け層が、前記第二湿潤液が無い場合よりも顔料型インクをより大きいドットでプリントできる、方法。
  2. 前記ベースコートと前記トップコートが、各々独立して、少なくとも1つの顔料と、少なくとも1つの結合剤と、少なくとも1つの溶媒とを含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一再湿潤液が、前記トップコートの少なくとも1つの溶媒と相容性である溶媒を含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記第二再湿潤液が、さらに、表面張力低減剤と架橋結合剤とから成る群から選択される少なくとも1つの化学種を含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記表面張力低減剤が、水混和性有機溶媒、ポリマー及び界面活性剤から成る群から選択され、且つ前記架橋結合剤が、ホウ酸塩、グリオキサール、及び有機チタン酸塩/ジルコニウム酸塩から成る群から選択される請求項4に記載の方法。
  6. 前記水混和性有機溶媒が、イソプロパノール、及び1-ブタノールから成る群から選択され、且つ前記ポリマーが、ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルのコポリマーを含み、且つ前記界面活性剤が、アセチレンのエトキシ化ジオール及び非イオン性アルコキシ化アルキノール類から成る群から選択される請求項5に記載の方法。
  7. 前記表面張力低減剤が、前記水混和性有機溶媒については0.1-50重量%の範囲の、又は前記ポリマーについては0.01-0.5重量%の範囲の、又は前記界面活性剤については0.01-5重量%の範囲の濃度まで前記第二再湿潤液に添加されるか、又は前記架橋結合剤が1-10重量%の範囲の濃度まで前記第二再湿潤液に添加される請求項5に記載の方法。
  8. 非浸透性サブストレートに付けられたインクジェットプリンティング用インク受け層の上にプリントされる顔料型インクのドットサイズを拡大する方法であって、
    (a)少なくとも1つの顔料と少なくとも1つの結合剤とを含有しさらに複数の孔を有する多孔性ベースコートを前記非多孔性サブストレートの表面に塗布するステップ、
    (b)前記多孔性ベースコートを乾燥させ、次いで前記多孔性ベースコートに前記第一再湿潤液を塗布して、液体被覆ベースコートを形成し前記孔を満たすようにしたステップ、
    (c)少なくとも1つの顔料と少なくとも1つの結合剤とを含有するトップコートを前記液体被覆ベースコート上に塗布するステップ、
    (d)前記トップコートを乾燥させ、次いで前記トップコートに前記第二再湿潤液を塗布して液体被覆トップコートを形成するステップ、
    を包含し、前記第二再湿潤液が、(1 0.1-5重量%の濃度で存在する、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、セルロース誘導体、及びポリエチレンオキシドから成る群から選択される水溶性ポリマー、(2 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドシリカ、及び(3 0.1-5 重量%の濃度で存在するコロイドアルミナから成る群から選択される少なくとも1つの化学種を含有する水性溶液から成り、前記インクジェットプリンティング用インク受け層が、第二湿潤液が無い場合よりも顔料型インクをより大きいドットでプリントできるようになる、方法。
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