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JP3974082B2 - 空中線装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブフェーズドアレイレーダ等の空中線装置に係り、特に
空中線装置に搭載されるアンテナ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
空中線装置、例えばアクティブフェーズドアレイレーダは、多数の空中線素子から構成されている。
【0003】
そして、空中線素子が送受信する信号を処理するために、それぞれの空中線素子に送受信モジュールが接続されている。
【0004】
送受信モジュールにはマイクロ波半導体素子等の素子が組み込まれ、送受信する信号を増幅し、あるいは位相の調整を行なっている。
【0005】
このような構成の空中線装置の場合、送受信モジュールに組み込まれたマイクロ波半導体素子は温度によって特性が変化する性質がある。
【0006】
このため、各送受信モジュールに対し一様な温度になるように冷却し、マイクロ波半導体素子が均一な特性で動作するようにしている。
【0007】
この種の空中線装置として、特開2001−53541号公報(特許文献1参照)に示すものがある。
【0008】
この特許文献1によれば、アクティブフェーズドアレイレーダが示されている。
【0009】
この従来の空中線装置について図3を参照して説明する。
【0010】
空中線装置1は、複数の空中線素子2を備え、上下方向2列に配置されている。
【0011】
また、空中線素子2には、それぞれ送受信モジュール3が接続されている。
【0012】
送受信モジュール3には、マイクロ波半導体素子等の素子(図示せず)が組み込まれ、空中線素子2で送受信される信号を、増幅したりあるいは位相の調整などを行なっている。
【0013】
送受信モジュール3は、長方形状の開口が両端に形成された枠体状プレート4の両側の外壁面に取り付けられている。
【0014】
この送受信モジュール3は、アクティブフェーズドアレイレーダが作動中において、自己発熱する。
【0015】
この自己発熱による異常温度上昇が原因して、送受信モジュール3自体の性能劣化や故障の原因となっていた。
【0016】
これを解決すために図示しない冷却装置を設けている。
【0017】
この冷却装置には、冷却パイプ5が備えられ、枠体状プレート4の壁面に、送受信モジュール3を冷却するための冷却用液体を流す複数の冷却パイプ5を平行に配置している。
【0018】
冷却パイプ5の上部および下部にはそれぞれ冷却用液体を冷却パイプ5に供給し、あるいは、冷却パイプ5を流れた冷却用液体を回収するために、ベッダ構造の供給回収機構が設けられている。
【0019】
ヘッダ構造の供給回収機構は、例えば冷却用液体を流す主パイプ6と、この主パイプ6から分岐した複数のヘッダ状中間パイプ7、中間パイプ7に接続される複数の冷却パイプ5と、各冷却パイプ5から出てきた冷却用液体を集める中間パイプ8、中間パイプ8に集められた冷却用液体を回収する主パイプ9などから構成されている。
【0020】
空中線装置1は、複数の空中線素子から構成されている。
【0021】
このため、空中線装置1は、複数の空中線素子2や複数の送受信モジュール3がそれぞれ取り付けられた上記した構造の枠体状プレート4を複数組み合わせて構成されている。
【0022】
この場合、複数の空中線素子2や送受信モジュール3が取り付けられた同じ構造の複数の枠体状プレート4が1つの筐体10に収納されて空中線装置が構成される。
【0023】
このような構成によれば、送受信モジュール3の冷却によって、例えば各半導体素子は、ほぼ一定の温度に保たれ、均一の特性で動作する。
【0024】
【特許文献1】
特開2001−53541号公報(第3頁右欄の第31行〜第4頁左欄第19行並びに図1および図2)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空中線装置に設けられる冷却装置は、送受信モジュール側の均一冷却を目的に設けられたものであって、アレイアンテナ装置が限られたスペースに設置される場合や、装置全体として高密度に実装される場合には、送受信モジュール側と一体化構成される各種制御機器や電源系機器等の機器への発熱対策(故障や誤動作対策)が十分ではなく、また、これが対策として冷却装置を大型化したりあるいは、別個に各種制御機器や電源系機器等の機器用の冷却装置を用意しなければならなかった。
【0026】
また、このように別個の冷却装置を設ける場合には、設置スペースの制限もあり実用的ではなかった。
【0027】
更には、各種制御機器や電源系機器等の機器に対する冷却のみを目的として冷却装置が設けられたものであるが、周囲温度が寒冷地などでは送受信モジュールのみならず、他の各種制御機器や電源系機器等の機器に対する誤動作や凍結対策の必要な場合も想定される。
【0028】
従って、使用温度条件によっては、冷却装置のみならず加熱装置の装備も求められる。
【0029】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、限られたスペースに配置される冷却装置によって、送受信モジユールや各種制御機器や電源系機器等の機器を効率的に冷却または加熱して空中線装置全体としての性能維持・向上を図ることができる空中線装置を提供することを主な目的とする。
【0030】
また、本発明の他の目的は、空中線装置を構成する各種制御機器や電源系機器等の機器が、例えば冷却装置の不作動で異常温度上昇により故障や誤動作をした場合に、部品や装置の取替え等緊急に対応することができる空中線装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、空中線装置の枠組を構成する額縁状枠体と、この額縁状枠体の枠内に、この額縁状枠体と熱伝導的に取り付けられる送受信モジュール組立体と、前記送受信モジュール組立体および前記額縁状枠体と熱伝導的に額縁状枠体内に設けられる熱交換器と、前記額縁状枠体の外周縁部に熱伝導的に取り付けられる空中線装置付属機器とを具備したことを特徴とする空中線装置を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る空中線装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明における空中線装置20の概要図である。
【0034】
図2は、図1に示す空中線装置20の分解斜視図である。
【0035】
本発明の空中線装置は、例えばアクティブフェーズドアレイレーダ20に適用することができる。
【0036】
このアクティブフェーズドアレイレーダ20は、例えば方形状に構成され、空中線装置の枠組を構成する額縁状枠体21と、この額縁状枠体21内に収納される方形状に構成された送受信モジュール組立体22と、この送受信モジュール組立体22および額縁状枠体21と熱伝導的に額縁状枠体21内に設けられる熱交換器23と、額縁状枠体21の外周縁部に設けられる空中線装置付属機器24とから構成される。
【0037】
額縁状枠体21は、方形状の送受信モジュール組立体22が効率よく収納するに適する形状、例えば方形状に構成される。
【0038】
この額縁状枠体21は、例えば熱伝導性の良好な、例えばアルミニウムにより形成される。
【0039】
この額縁状枠体21の外周縁部25には、所定の奥行き幅を有する枠縁部25aと、この枠縁部25aの長手方向両側に延びて形成される鍔部25bと、この鍔部25b間に跨る複数の仕切り部25cとが設けられる。
【0040】
各仕切り部25cは、鍔部25bの長手方向へほぼ等ピッチに補強リブとして設けられると共に、これらのブリッジ間を空中線装置付属機器24の収納スペースとして構成している。
【0041】
また、枠縁部25aと鍔部25bによって区画される空間の開口を塞ぐように遮蔽蓋27をそれぞれ設けて複数の箱型空間部aを形成している。
【0042】
この複数の箱型空間部aは、額縁状枠体21の外周縁部25全周に形成される。
【0043】
額縁状枠体21の外周縁部25の全周に形成される複数の箱型空間部aは、図1および図2には、額縁状枠体21の外周縁部25の上縁側および両側において形成された複数の箱型空間部aのみを示している。
【0044】
他の下縁側については、図示は省略するが、上縁側と同様に複数の箱型空間部aが形成される。
【0045】
このような形成した箱型空間部aは、この箱型空間部a内部が仕切り部26による熱交換作用も加わり、熱交換器24による熱交換作用効率を向上させることができる。
【0046】
また、額縁状枠体21は、アクティブフェーズドアレイレーダ20が、航空機等の飛翔体に搭載される場合には、限られたスペース内に収納する必要があり、特に額縁状枠体21の縦幅および横幅寸法には制約が伴なう。
【0047】
この制約条件によっては、額縁状枠体21は、例えば8角形状のように多角形状に構成することができる。
【0048】
送受信モジュール組立体22は、図2に示すように、複数の送受信モジュール28が額縁状枠体21の枠内にあって、長手方向に並列的に配列している。
【0049】
この送受信モジュール28は、多数の半導体素子(図示せず)を備えており、空中線装置20の作動時には電気エネルギが熱エネルギに変換されて発熱するようになっている。
【0050】
熱交換器23は、図1に示すように、図示しない熱交換装置、例えば冷却サイクルに接続され、冷媒を循環させることにより、空中線装置付属機器23の異常温度上昇を防止するために必要程度に冷却するためのものである。
【0051】
この熱交換器23は、熱交換装置から供給される冷媒を導入する冷媒導入口33,この冷媒導入口33から導入した冷媒を送受信モジュール組立体22と熱交換可能に配設される図示しない冷媒流通路、例えば冷媒配管および前記冷媒を導入する冷媒導出口34とを備えている。
【0052】
空中線装置付属機器24は、空中線装置20の、例えばアレーアンテナ(図示せず)の向きを制御するアンテナ制御機器等のレーダ制御機器30および電源側であるレーダ電源部31等の各機器が含まれる。
【0053】
レーダ制御機器30は、図1および図2に示すように、額縁状枠体21の外周縁部25に形成される箱型空間部a内に収納される。
【0054】
レーダ制御機器30が収納される箱型空間部aは、アクティブフェーズドアレイレーダ20の冷媒導入口33側に設けられ、レーダ制御機器30が箱型空間部aの外周縁部25に熱伝導的に取り付けられる。
【0055】
また、レーダ電源部31は、図2に示すように、額縁状枠体21の外周縁部25に形成される箱型空間部a内に収納される。
【0056】
レーダ電源部31が収納される箱型空間部aは、アクティブフェーズドアレイレーダ20の冷媒導出口34側に設けられ、レーダ電源部31が額縁状枠体21の外周縁部25に熱伝導的に取り付けられる。
【0057】
また、レーダ電源部31は、図2に示すように、額縁状枠体21の外周縁部25に位置する冷媒導出口34側に設けられる箱型空間部a内に収納し、熱伝導的に取り付けられる。
【0058】
なお、符号35は、アクティブフェーズドアレイレーダ20の裏側開口を遮蔽するレーダ装置裏板である。
【0059】
次に、アクティブフェーズドアレイレーダ20における熱交換器23の作用について説明する。
【0060】
アクティブフェーズドアレイレーダ20を始動させると、空中線装置付属機器24や送受信モジュール組立体22が作動してレーダ機能が始動する。
【0061】
このレーダ機能の始動に伴い、空中線装置付属機器24や送受信モジュール組立体22から熱エネルギを放出する。
【0062】
アクティブフェーズドアレイレーダ20の作動と同時に熱交換装置が作動して、額縁状枠体21の冷媒導入口33側から熱交換器23へ冷媒が導入される。
【0063】
この熱交換器23へ導入された冷媒は、送受信モジユール組立体22内の図示しない冷媒流通路を流れながら冷媒導出口34側から導出される。
【0064】
前記冷媒が冷媒流通路を流れる間に、複数の送受信モジュール28側の放熱を吸収する一方、空中線装置付属機器24からの放熱を吸収する。
【0065】
この冷媒の熱交換作用により、送受信モジュール28および空中線装置付属機器23が冷却される。
【0066】
この冷却度合いについては、想定される送受信モジュール28および空中線装置付属機器24からの発熱量に応じて熱交換装置の能力が予め定められる。
【0067】
額縁状枠体21の外周縁部25に取り付けられる空中線装置付属機器24の内、レーダ制御機器30は、冷媒導入口33側に取り付けられる。
【0068】
このレーダ制御機器30は、冷媒導入口33側から導入した直後の冷媒による良好な吸熱作用のもとにレーダ制御機器30に対して冷却作用がなされる。
【0069】
レーダ制御機器30の動作特性は、例えば周囲温度が85℃以上の高温状態では、誤動作や故障の状況が顕著に表れる特性があり、この状況をできるだけ防ぐ必要があることから、レーダ制御機器30を冷却作用の良好な部位に配置すべく設けている。
【0070】
また、額縁状枠体21の外周縁部25の冷媒導出口34側には、レーダ電源部31が取り付けられている。
【0071】
このレーダ電源部31は、動作特性として、例えば周囲温度が85℃前後の高温状態では、誤動作や故障の状況が表れないため、前記冷媒が送受信モジュール28やレーダ制御機器30側から吸熱した後の気化状冷媒によりやや吸熱作用が低下した状態のもとに冷却されるようになっている。
【0072】
このように、アクティブフェーズドアレイレーダ20においては、限られたスペースに配置される熱交換装置によって、送受信モジユールや各種制御機器や電源系機器等の機器を効率的に冷却して空中線装置全体としての性能維持・向上を図ることができる。
【0073】
また、アクティブフェーズドアレイレーダ20によれば、熱交換装置の不作動等で異常温度上昇し空中線装置付属機器24が故障や誤動作が発生した場合には、速やかに部品や装置の取替え等で対応することができる。
【0074】
すなわち、アクティブフェーズドアレイレーダ20を装着する、例えば航空機側の収納スペースにおいて、この収納スペース壁面と額縁状枠体21の正面外周端との間には、取り付け,取り外しが可能なように、作業者による作業用の隙間が設けられる。
【0075】
空中線装置付属機器24の故障や誤動作が発生した場合には、この隙間を利用して部品(装置)交換作業を比較的容易に行なうことができる。
【0076】
すなわち、この部品(装置)交換作業が、額縁状枠体21の外周縁部25側に取り付けられる空中線装置付属機器24の内、交換の必要な部品(装置)のみを前記隙間の部分を利用して取り付け,取り外しができるように、額縁状枠体21が設計されている。
【0077】
例えば、額縁状枠体21の外周縁部25側において、アクティブフェーズドアレイレーダ20の前方側の鍔部25bを除去するように構成することもできる。
【0078】
この構成を採用することにより、空中線装置付属機器24がアクティブフェーズドアレイレーダ20の前方側より取り付け,取り外し作業をより容易にすることができる。
【0079】
なお、本発明の空中線装置、例えばアクティブフェーズドアレイレーダ20によれば、送受信モジユール組立体22や空中線装置付属機器24に対して、当該送受信モジユール組立体22や空中線装置付属機器24からの放熱に対して、これを吸収する(すなわち冷却する)熱交換装置を設けたが、寒冷地等使用条件によっては、送受信モジユール組立体22のみならず、空中線装置付属機器24に対しても凍結等の異常な状況を回避するために、加熱しなければならない状況
になる。
【0080】
この場合を想定して、熱交換装置として例えばヒートポンプ可能な冷却サイクルを採用することもできる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、限られたスペースに配置される熱交換装置によって、送受信モジユールや空中線装置付属機器を効率的に冷却または加熱して空中線装置全体としての性能維持・向上を図ることができる空中線装置を提供することができる。
【0082】
また、本発明によれば、空中線装置を構成する各種制御機器や電源系機器等の機器が、例えば冷却装置の不作動で異常温度上昇により故障や誤動作をした場合に、部品や装置の取替え等緊急に対応することができる空中線装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空中線装置の実施形態の概要図。
【図2】図1に示す空中線装置の分解斜視図。
【図3】従来の空中線装置の概要図。
【符号の説明】
20 アクティブフェーズドアレイレーダ
21 額縁状枠体
22 送受信モジュール組立体
23 熱交換器
24 空中線装置付属機器
25 外周縁部
25a 枠縁部
25b 鍔部
25c 仕切り部
27 遮蔽蓋
28 送受信モジユール
30 レーダ制御機器
31 レーダ電源部
33 冷媒導入口
34 冷媒導出口
35 レーダ装置裏板
a 箱型空間部

Claims (4)

  1. 空中線装置の枠組を構成する額縁状枠体と、
    この額縁状枠体の枠内に、この額縁状枠体と熱伝導的に取り付けられる送受信モジュール組立体と、
    前記送受信モジュール組立体および前記額縁状枠体と熱伝導的に額縁状枠体内に設けられる熱交換器と、
    前記額縁状枠体の外周縁部に熱伝導的に取り付けられる空中線装置付属機器とを具備したことを特徴とする空中線装置。
  2. 額縁状枠体には、その外周縁部に空中線装置付属機器を収納するスペースを形成する仕切り部を設けたことを特徴とする請求項1記載の空中線装置。
  3. 前記熱交換器には、一方側から他方側へ冷媒を循環させるように冷媒導入口および冷媒導出口を備えたことを特徴とする請求項1記載の空中線装置。
  4. 前記額縁状枠体の外周縁部に熱伝導的に取り付けられる空中線装置付属機器は、前記熱交換器の冷媒導入口に近い側に配置される空中線制御機器と、冷媒導出口に近い側に配置される空中線電源部であることを特徴とする請求項3記載の空中線装置。
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