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JP3976323B2 - 連続鋳造合金棒、連続鋳造方法及び連続鋳造装置 - Google Patents
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連続鋳造合金棒、連続鋳造方法及び連続鋳造装置 Download PDF

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Description

本発明は、鍛造に最適な連続鋳造合金棒及び連続鋳造方法に関する。
特許文献1には、最終鍛造品の形状に近い断面形状の鋳造棒を製造し、長手方向と交差する方向に切断した鋳造棒の切断面をプレスして鍛造することが開示されている。
特許文献2には、連続鋳造技術として、鋳造速度、冷却水量を変えることにより、鋳型から引き出される連続鋳造合金棒の凝固界面位置を変えることが開示されている。
特許文献3には、連続鋳造において、鋳型の上に下向きに拡径するテーパ面を有する他の鋳型を設け、連続鋳造合金棒の後端を鋳造するときにはテーパ面を有する鋳型に溶湯を満たして、連続鋳造合金棒の後端にテーパ面を形成する技術が開示されている。
尚、従来周知の砂型を用いた鋳造法によれば、鋳造品に合わせて長手方向中間部に断面積の異なる部分を少なくとも一つ有する鋳造棒を製造することは可能である。
また、丸棒を押出した後、鋳造品に合わせて長手方向中間部に断面積の異なる部分を少なくとも一つ削り出しにより製造することもできる。
特開平6−73482号公報 特開2003−71546号公報 特開平2−307650号公報
しかし、特許文献1は、長手方向(鋳造棒の引き出し方向)と交差する方向に切断した断面を縦置きにしてプレス(鍛造)する前に偏析層を表面切削により除去する或いは偏析層を鍛造のバリとして除去することから歩留りが悪く、且つ偏析層を鍛造品の品質の向上に寄与させることができなかった。
特許文献2は、鋳造棒の品質改善のために凝固界面の位置を変えるだけであり、連続鋳造合金棒の長手方向中間部の断面積を変えるものではない。
また、特許文献3は、連続鋳造合金棒の後端のみの形状を変えるだけであり、長手方向(引き抜き方向)中間部の断面積を変えるものではない。
そして、砂型を用いた鋳造により長手方向中間部に断面積の異なる部分を有する鋳造棒を製造した場合には、凝固が多方向から発生するという性質上、偏析層が内部の粒状層の中に不必要に入り込み品質が安定しないので鍛造に不向きであることや、連続鋳造法のように5m以上の長尺物として製造できないので生産性が悪く、鍛造品のコスト低減を図ることができなかった。また、丸棒を削り出した場合には著しく歩留りが悪かった。
そこで、本発明は、長手方向に切断したものをそのまま横置きにして鍛造することにより鍛造コストの低減を図るとともに偏析層を鍛造品の表面に取り込むことで鍛造品の品質を向上することができる鍛造に最適な連続鋳造合金棒及び連続鋳造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、内周面が入口側から出口側に向けて拡径するテーパ面を有する鋳型から引き出した部分に冷却水を吹き付けて形成したものであり、長手方向中間部に大径部と細径部とを備え、大径部は、鋳型からの引き出し速度を小さくするとともに冷却水量を大きくして形成したものであり、細径部は、鋳型からの引き出し速度を大きくし且つ冷却水量を小さくして形成したものであり、表面に偏析層を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、アルミニウム合金又はマグネシウム合金であり且つ表面に生成した偏析層の厚さが5mm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、アルミニウム合金又はマグネシウム合金であり且つ表面の面粗度がRa35以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、内周面が入口側から出口側に向けて拡径するテーパ面を有する鋳型に溶湯を流し込み、鋳型の出口から引き出した連続鋳造合金棒に冷却水を吹き付けて鋳型内の連続鋳造合金棒の凝固界面位置をテーパ面の入口側にする工程と、引き出し速度を大きくし且つ冷却水量を小さくして鋳型内の連続鋳造合金棒の凝固界面位置をテーパ面の出口側にする工程を連続的に繰り返して、長手方向中間部に大径部と細径部を形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、冷却水噴出口を連続鋳造合金棒の引き出し方向に2つ設け、凝固界面を入口側にするときには両方の噴出口から冷却水を吹き付け、凝固界面を出口側にするときは2つの噴出口のうちの入口側に近い方の噴出口のみで冷却水を吹き付けることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、長手方向に断面積の異なる部分を少なくとも1つ設けているので、鍛造品の形や大きさに応じて長手方向に切断したものをそのまま横置きにして鍛造することで、偏析層も鍛造品の表面に取り込み使用することができるので、偏積層を鍛造品表面に残留させることにより、再結晶の粗大化を抑制し、高強度及び高靭性の特性を有する鍛造用材料を供給できる。また、鍛造品の各部位に対する最適な材料配分を鋳造棒の断面変化へ反映させることができるため、バリ排出量が軽減され、歩留りがよく、少ない工数で鍛造品を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができるとともに、偏析層の厚みが5mm以下であるため、連続鋳造合金棒がアルミニウム合金の場合にはより良好な表面外観及び疲労強度が得られ、マグネシウム合金の場合には、より良好な表面外観、耐食性及び疲労強度が得られ、良好な品質の偏析層が鍛造品の表面を覆うので、自動車部品用などの精巧で且つ高品質(高強度、高靭性)が求められる鍛造品にも使用できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明と同様な効果を得ることができるとともに、面粗度Raが35以下であるため、連続鋳造合金棒がアルミニウム合金の場合には、より良好な表面外観及び酸耐久性が得られ、マグネシウム合金の場合には、より良好な表面外観、耐食性及び疲労強度が得られ、自動車部品用などの精巧で且つ高品質(高強度、高靭性)が求められる鍛造品にも使用できる。
請求項4に記載の発明によれば、鋳型内で連続鋳造合金棒の凝固界面位置をテーパ面の入口側と出口側との間で変更しているので、テーパ面での凝固界面の位置を変えることによって、連続鋳造合金棒の長手方向における部分の断面積を容易に変えることができ、請求項1に記載の連続鋳造合金棒を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明と同様な効果を得ることができるとともに、冷却水は引き出し方向に設けた2つの噴射口のそれぞれの噴射と停止を制御するだけで済むので操作が容易であり、長手方向に安定した品質の連続鋳造合金棒を得ることができる。
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。まず、図1乃至図7を参照して本発明の第1実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図であり、図2は図1において凝固界面の位置を変えたときの状態を示す断面図であり、図3は鋳型の図であり、(a)は上面図、(b)は縦断面図であり、図4は連続鋳造装置の縦断面図であり、図5は鋳造速度(引き出し速度)と冷却水量との制御を示すグラフであり、図6は図4の連続鋳造装置により得られた連続鋳造合金棒の側面図であり、図7は本実施の形態による連続鋳造合金棒の鍛造工程図である。
本発明にかかる連続鋳造装置1は、図4に示すように、溶湯Mを収納するタンディッシュ3と、鋳型5と、冷却水ジャケット7と、引き出し機9により昇降するボトムブロック11とを備えており、タンディッシュ3から鋳型5に溶湯Mを引き出して、引き出された溶湯Mを冷却水ジャケット7により冷却して凝固させた後、ボトムブロック11により連続鋳造合金棒Maを冷却水ピット13に導き出している。鋳型5は断熱型16の内周に配置されており、断熱鋳型となっている。
鋳型5は、図1に示すように、内周面に下向きに拡径したテーパ面15を備えており、このテーパ面15は鋳型の上端と下端とに亘って形成されている。テーパ面15は後述する凝固界面Mcが接触して移動する面となっている。
鋳型5の下端には冷却水ジャケット7が設けられており、冷却水ジャケット7には、鋳型5から鉛直下方に引き出された連続鋳造合金棒Mに冷却水を吹き付ける噴出口17が設けられている。
噴出口17は吹き付ける水量を変えるように制御可能になっている。
引き出し機9は昇降速度を制御可能であり、引き出し機9の昇降速度を変えることにより連続鋳造合金棒Maの引き出し速度が制御されている。
本実施の形態では連続鋳造用合金としてアルミニウム合金を用いており、具体的なアルミニウム合金としては、2000系(JIS)、3000系、5000系、6000系、7000系からなる群から選択される何れか、又は組み合わせて用いることができる。また、これらのアルミニウム合金にCa、Be等の金属を添加するものであってもよい。
次に、連続鋳造装置1を用いた連続鋳造方法について説明する。
溶湯Mを鋳型5に流し込んで、鋳型5から鉛直下方に引き出し機9により連続鋳造合金棒Maを引き出しつつ連続鋳造合金棒Maに噴出口17から冷却水を吹き付けて冷却する。
溶湯Mは冷却により凝固するが、凝固界面Mcが鋳型5内に位置するように、噴出口17から吹き付ける水量及び引き出し速度を制御する。凝固界面Mcは鋳型5のテーパ面15内に接触して移動する。
図1に示すように、凝固界面Mcを鋳型5の上部に形成する場合には、断面積の小さい部分となり、図2に示すように凝固界面Mcを鋳型5の下部に形成する場合には、図1に示す場合よりも断面積の大きな部分となる。
即ち、図1に示す場合よりも引き出し速度を速くしたり、あるいは冷却水量を少なくした場合には、凝固界面Mcはテーパ面15を下方に移動し、図1に示す位置よりも下の位置に凝固界面が移動し、図2に示す場合よりも引き出し速度を遅くしたり、あるいは冷却水量を多くした場合には、凝固界面Mcはテーパ面15を上方に移動し、図2に示す位置よりも上の位置に凝固界面が移動する。
このように、引き出し速度(鋳造速度)と冷却水量をそれぞれ連続的に変化させることにより(図5参照)、長手方向中間部に断面積の異なる部分Me、Msを有する鍛造用連続鋳造合金棒(ビレット)Maを得た(図6参照)。断面積(径)の異なる部分Me、Msは、鍛造製品の形状や段階的に行なう各鍛造工程に応じて形成したものであり、断面積やその断面積部分の長手方向の幅や断面積の変化の程度は種々に設定できる。
尚、本実施形態におけるビレットMaは長さが約5.5mで、この中に断面積の異なる部分を少なくとも1つ有する部分(L=400〜500mm、φ=50〜80mm)を一単位として複数単位U(図6参照)を連続して形成したものを鋳造しており、この単位U毎に切断され鍛造工程に出荷される。偏析層の厚さは、引き出し速度及び冷却水量の微調整により変化させ、表面の面粗度Raを35以下にする場合には断熱鋳型を用いることが有効である。
次に、図7を参照して、鍛造用連続鋳造合金棒Maを用いた鍛造について説明する。この実施の形態では、鍛造用連続鋳造合金棒Maを長手方向の所定位置で切断したものを横置きにして、鍛造用連続鋳造合金棒Maの側面をプレスするものであり、曲げ、つぶし、荒打ち、仕上げ打ちの4段階の鍛造を行なって鍛造品(製品)とした。
また、本発明品の鍛造用連続鋳造合金棒Maについて偏析層の厚さ及び表面の面粗度Raが異なるように調整して上述した連続鋳造装置で鍛造用連続鋳造合金棒Maを複数製造し、各鍛造用連続鋳造合金棒における引張り強さ、耐力、伸び、鍛造品の表面外観(滑らかさ)、煮沸クロム酸耐久性(煮沸クロム酸腐食試験によるクラックの発生など外観変化の有無)、疲労強度(破損確率)について測定したのでその結果を表1に示す。
実施例1乃至実施例7、及び比較例1は、断熱鋳型連続鋳造方法により製造した鍛造用連続鋳造合金棒Maで、比較例2及び比較例3は、DC鋳造方法により製造した鍛造用連続鋳造合金棒である。
表1において、鍛造品とした場合の表面外観、煮沸クロム酸耐久性、及び疲労強度の何れも△以上のものは、建材等の一般的な要求品質を満たし、何れも○のものは、自動車部品等の厳しい要求品質を十分に満たすものであった。
表1からわかるように、偏析層が著しく厚い場合(比較例1)や面粗度が著しく大きい場合(比較例3)は、そのまま鍛造すると鍛造品の表面外観、煮沸クロム酸耐久性、疲労強度が悪くなる。
Figure 0003976323
表面の面粗度Raは、表面粗さ測定器(東京精密社製:サーフコム550AD(商品名))により測定した。
偏析層の厚さの測定方法は、鋳造方向に対して垂直に切断した切断面を鏡面に研磨した後、エッチング液に浸漬して組織の濃淡が鮮明になるように処理を行い、この後、金属顕微鏡で切断面の組織写真を撮影し、偏析層の厚さをスケールで測定した。
尚、偏析層とは表層から結晶粒径が一定に落ち着くまでの範囲を示すものである。
煮沸クロム酸耐久性は、煮沸クロム酸腐食試験を行い、CrO:36g/l(リットル)−K2CrO7:30g/l(リットル)−NaCl:3g/l(リットル)を煮沸した中に5時間浸漬し、クラックの発生など外観変化を確認して測定した。
疲労強度は、平面曲げ試験片を作成して平面曲げ疲労試験を行い、破損確率を求めることで測定した。
以下に、本発明の他の本実施の形態を説明するが、以下の説明において、上述した実施の形態と同一部分には同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略し、上述した第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図8に第2実施の形態を示す。この第2実施の形態では、鋳型5のテーパ面15が縦断面が直線状になっている直線状テーパ面15aと、直線状テーパ面の下に連続する縦断面が湾曲状の湾曲状テーパ面15bとからなり、湾曲状テーパ面15bは内周側に向けて凸状になっている。
この第2実施の形態によれば、凝固界面Mcの位置を湾曲状テーパ面15b内で変更することにより(図8中に2点鎖線で示す)、直線状のテーパ面15aに比較して同じ断面積の径変化を得る場合に、上下方向の移動量が少なく済み、安定した品質の鍛造用連続鋳造合金棒を得ることができる。
また、直線状テーパ面15aは、溶湯が引き出される助走部分として機能するものであり、直線状テーパ面15aでは、例えば引き出し速度が変化した場合に溶湯が漏れ難く引き出し速度の制御がし易い。
図9に第3実施の形態を示す。この第3実施の形態では、冷却水ジャケット7には上下(連続鋳造合金棒Maの引き出し方向)に冷却水噴出口17a、17bを設けており、凝固界面Mcを上(入口側)にするときには上下の噴出口17a、17bで冷却水を吹き付け、凝固界面Mcを下(出口側)にするときは、上の噴出口17aの吹き付けを止めて、下の噴出口17bのみで冷却水を吹き付けるものである。この第3実施の形態によれば、連続鋳造合金棒Maに吹き付ける冷却水量の調節を上下の冷却水噴出口17a、17bのON/OFF制御で行なうことができるので、操作が容易であり且つ簡単な構成で凝固界面の位置を制御できる。
本件発明では、鋳造速度、冷却水量の制御により凝固界面位置を鋳型テーパ面にて上下方向に移動させることで長手方向中間部に連続的に断面積が異なる部分を少なくとも一つ以上有する鍛造用連続鋳造合金棒を製造する方法である。大径部形成時は適切な冷却条件で凝固させることができるものの、細径部形成時には鋳造速度を低速化するため、徐冷方向に作用するとともに凝固界面位置と冷却ポイント(冷却水がビレットに衝突する位置)の距離が離れるため、冷却能力が不足してしまう。この問題により大径部と細径部における内部品質差が生じ、特に細径部では偏析層の拡大、内部結晶粒の粗大化等を招く。この品質問題を解決するポイントが大径部と細径部形成時の鋳造速度差あるいは凝固界面の上下移動量を狭め、冷却能力の均一化を図ったものである。
第2実施例と第3実施例を併用することにより、大径部の断面積と細径部の断面積にこれまで以上に差を付けることができ、上記の品質問題が軽減でき、更に内部品質を向上することができる。
次に、図11を参照して第4実施の形態を説明する。この第4実施の形態では、鍛造用連続鋳造合金棒Maをマグネシウム合金としたものであり、溶湯はマグネシウム合金である。また、溶湯をマグネシウム合金としていることから溶湯表面に防燃ガス噴出口31から防燃ガスを吹き付けて外気からシールしている。連続鋳造装置1のその他の構成は上述した第1実施の形態と略同一である。
また、マグネシウム合金にはAZ61(JIS)を用いた。
連続鋳造における引き出し速度と冷却水量とは、図11に示すように連続的に変化させるが、マグネシウム合金はアルミニウム合金に比較して熱容量が小さく、溶湯が速く冷却し、凝固してしまうため、上述したアルミニウム合金の実施の形態(図5)に比較して、連続鋳造合金棒Maの大径部Meでは冷却水量は約2割減少させている。また、細径部Msでは冷却水量の急激な増加を押さえる必要があるので、冷却水量の変動(可変水量域)及び引き出し速度の変動(可変速度域)もアルミニウム合金に比較して小さくしている。
この第4実施の形態においても第1実施の形態と同様に、得られた鍛造用連続鋳造合金棒Maについて、引張り強さ、耐力、伸び、鍛造品の表面外観(滑らかさ)、煮沸クロム酸耐久性(煮沸クロム酸腐食試験によるクラックの発生など外観変化の有無)、疲労強度(破損確率)について測定したのでその結果を表2に示す。
実施例8乃至実施例14、断熱鋳型連続鋳造方法により製造した鍛造用連続鋳造合金棒Maで、比較例4及び比較例5は、DC鋳造方法により製造した鍛造用連続鋳造合金棒である。
表2における、〇、△、×の各符号は表1と同じ意味で用いている。また、表2における耐食性は、塩水噴霧24hr後の腐食減量(mg/cm2)を評価したものであり、その他の各測定は第1実施の形態と同様な方法で行なった。表2からわかるように、偏析層が著しく厚い場合及び面粗度が著しく大きい場合(比較例4及び5)、そのまま鍛造すると鍛造品の表面外観、煮沸クロム酸耐久性、疲労強度が悪くなる。
Figure 0003976323
図13を参照して第5実施の形態を説明する。この第5実施の形態では、水平連続鋳造法により連続鋳造合金棒Maを水平方向に引き出す構成としている。連続鋳造合金棒Maは第4実施の形態と同様にマグネシウム合金であり、マグネシウム合金の溶湯M表面に向けて防燃ガスを噴射している。また、鋳型5の内周面は入口側から出口側に向けて拡径し且つ内周側を突状にした湾曲状テーパ面15aになっており、湾曲状テーパ面15aを凝固界面Mcが接触して移動する面としてある。この第5実施の形態においても、上述した第4実施の形態と同様な作用効果を得ることができると共に、凝固界面Mcの位置を湾曲状テーパ面15b内で変更することにより、同じ断面積の径変化を得る場合に、凝固界面Mcの移動量が少なく済み、安定した品質の鍛造用連続鋳造合金棒を得ることができる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、連続鋳造装置1を用いて、連続鋳造中に鋳型5における凝固界面Mcの位置を変更せずに、一定位置に保って連続鋳造することにより、長手方向における断面積が同じ円筒形状の鍛造用連続鋳造合金棒Ma(丸棒)を鋳造することもできる。この場合、丸棒の径は凝固界面Mcの位置を変えることにより容易に設定することができる。
図10に示すように、鋳型5はその内周面を横断面略矩形のものであってもよい。このように鋳型5の内周を横断面矩形にすることにより、図10の(d)に示すように、横断面略矩形の鍛造用連続鋳造合金棒を得ることができる。また、鋳型5はその内周面を横断面が楕円径として、断面楕円径の鍛造用連続鋳造合金棒を鋳造するものであってもよい。
鍛造用連続鋳造合金棒Maは亜鉛合金であってもよい。
第1実施の形態において、テーパ面15全体を第5実施の形態のように内周側を突状にした湾曲状テーパ面15bとしてもよい。更に、湾曲状テーパ面15bは、鋳型5の内周側が凹状となる湾曲であってもよい。
第2実施の形態において、湾曲状テーパ面15bを、鋳型5の内周側が凹状となる湾曲としてもよい。
第5実施の形態において、湾曲状テーパ面15bは、鋳型5の内周側が凹状となる湾曲であってもよいし、第1実施の形態のように鋳型のテーパ面15は縦断面が直線状になるようにしてもよいし、第2実施の形態のように直線状テーパ面15aとこれに連続する湾曲状テーパ面15bとから構成してもよい。
第5実施の形態において、第4実施の形態のように、冷却水ジャケット7には、水平方向(連続鋳造合金棒Maの引き出し方向に)に冷却水噴出口17a、17bを設けて、凝固界面Mcを入口側にするときには両方の噴出口17a、17bで冷却水を吹き付け、凝固界面Mcを出口側にするときは、入口側の噴出口17aの吹き付けを止めて、出口側の噴出口17bのみで冷却水を吹き付けるようにしてもよい。
第5実施の形態において、溶湯にアルミニウム合金を用いて連続鋳造してアルミニウム合金製の鍛造用連続鋳造合金棒Maを製造するものであってもよいが、鍛造用連続鋳造合金がアルミニム合金の場合には、防燃ガスの吹き付けは不用である。
本発明の第1実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図である。 図1に示す状態から凝固界面の位置を変えたときの連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図である。 鋳型の図であり、(a)は上面図、(b)は縦断面図である。 連続鋳造装置の縦断面図である。 鋳造速度(引き出し速度)と冷却水量との制御を示すグラフである。 鍛造用連続鋳造合金棒の側面図である。 本実施の形態による鍛造用連続鋳造合金棒の鍛造工程図である 本発明の第2実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図である。 本発明の第3実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図である。 本発明の連続鋳造装置により製造される連続鋳造合金棒の他の例を示す斜視図である。 本発明の第4実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図である。 第4実施の形態における鋳造速度(引き出し速度)と冷却水量との制御を示すグラフである。 本発明の第5実施の形態にかかる連続鋳造装置の鋳型及びその周辺部分を示す断面図である。
符号の説明
1 連続鋳造装置
5 鋳型
7 冷却水ジャケット
9 引き出し機
15 テーパ面
15a 直線状テーパ面
15b 湾曲状テーパ面
17、17a、17b 噴出口
Ma 連続鋳造合金棒
Mc 凝固界面
Me、Ms 長手方向中間部の断面積の異なる部分

Claims (5)

  1. 内周面が入口側から出口側に向けて拡径するテーパ面を有する鋳型から引き出した部分に冷却水を吹き付けて形成したものであり、長手方向中間部に大径部と細径部とを備え、大径部は、鋳型からの引き出し速度を小さくするとともに冷却水量を大きくして形成したものであり、細径部は、鋳型からの引き出し速度を大きくし且つ冷却水量を小さくして形成したものであり、表面に偏析層を有することを特徴とする連続鋳造合金棒。
  2. アルミニウム合金又はマグネシウム合金であり且つ偏析層の厚さが5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造合金棒。
  3. アルミニウム合金又はマグネシウム合金であり且つ表面の面粗度がRa35以下であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造合金棒。
  4. 内周面が入口側から出口側に向けて拡径するテーパ面を有する鋳型に溶湯を流し込み、鋳型の出口から引き出した連続鋳造合金棒に冷却水を吹き付けて鋳型内の連続鋳造合金棒の凝固界面位置をテーパ面の入口側にする工程と、引き出し速度を大きくし且つ冷却水量を小さくして鋳型内の連続鋳造合金棒の凝固界面位置をテーパ面の出口側にする工程を連続的に繰り返して、長手方向中間部に大径部と細径部とを形成することを特徴とする連続鋳造方法。
  5. 冷却水噴出口を連続鋳造合金棒の引き出し方向に2つ設け、凝固界面を入口側にするときには両方の噴出口から冷却水を吹き付け、凝固界面を出口側にするときは2つの噴出口のうちの入口側に近い方の噴出口のみで冷却水を吹き付けることを特徴とする請求項4に記載の連続鋳造方法。
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