JP3976566B2 - 液晶表示素子セル並びにその製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、 液晶表示素子セルを構成する一対の対向基板のギャップ精度を向上させた液晶表示素子セル並びに液晶表示素子セルの生産性を向上させた液晶表示素子セル製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8及び図9に示すように、従来、TN(twisted nematic=ねじれネマティック)型の液晶表示素子セル100は、第1電極基板101と第2電極基板102が所定の間隙で貼り合わされ、両電極基板101、102には、互いに対向するように、ITO(indium tin oxide=酸化インジウム錫)を材料とする図示しない透明電極(以下、符号のないものは図示していないことを意味する)が蒸着形成されている。ドットマトリクス表示可能な液晶表示装置において、アクティブマトリクス方式の液晶表示素子セルの透明電極は、一般に、第1電極基板101では、表示画素に対応するドットマトリクス状の画素電極103として、第2電極基板102では、表示面全域が連続した共通電極104として構成される。
【0003】
また、第1電極基板101には、画素電極103を駆動するアクティブ素子105として、薄膜トランジスタ、あるいは、薄膜ダイオード、コンデンサ、画素電極103やアクティブ素子105に通電するゲート配線、ゲート電極、ドレン配線、ドレン電極、共通電極104と通電するトランスファー電極、表示画素部分以外の入射光を遮断するブラックマトリクス等が透明電極とともに蒸着形成されている。
【0004】
透明電極上には、ポリイミド樹脂や高分子有機フィルムからなる配向層106が形成されている。配向層106の表面は、レーヨンやコットン、ポリエステル等のベルベット織布ローラで一方向に摩擦するラビング処理を施す。このラビング処理された配向層106が対向するように、両電極基板101、102を貼り合わせる。このとき、配向層106同士の間隔が、例えば、3乃至6μmの間隙を形成するように両電極基板101、102を貼り合わせる。そして、貼り合わされた両電極基板101、102の間隙にネマティック型の液晶107を封入する。
【0005】
図10に示すように、液晶分子108は、配向層106との境界で、分子間の引力や斥力により、ラビング処理のベクトル方向に沿って整列することが知られている。例えば、第1電極基板101のラビング方向を45゜、第2電極基板102のラビング方向を−45゜というように、対向する配向層106のラビング方向を直交させると、ネマティック型液晶の性質で、液晶分子108は、第1電極基板101と第2電極基板102との間で、90゜ねじれた螺旋状の配列となる。尚、STN(super twisted nematic=超ねじれネマティック)型の液晶表示装置は、液晶107(図9参照)の成分を変えることにより、ねじれ角を180゜乃至270゜としたものである。
【0006】
両電極基板101、102の外側には、偏光板109が貼り付けられている。偏光板109は、偏光軸が配向層106のラビング方向と平行になるように取り付ける。すなわち、ラビング方向と同様に対向する偏光板109の偏光軸が、互いに直交するように構成する。例えば、上記例の場合には、図11に示すように、第1電極基板101の偏光軸を45゜、第2電極基板102の偏光軸を−45゜とする。図10においてバックライト110から照射された入射光は、第1電極基板101の偏光板109によって偏光される。偏光された入射光は、液晶107(図9参照)の螺旋状の分子配列により、偏光成分が旋回しながら第2電極基板102に達する。第2電極基板102に貼り付けられた偏光板109の偏光軸は、第1電極基板101の偏光板109の偏光軸と直交しているため、偏光成分が90゜旋回した入射光は、第2電極基板102に設けられた偏光板109を通過することができ、白色表示として認識される(図10(a))。
【0007】
一方、図10(c)に示すように、第1電極基板101の画素電極103(図9参照)と、第2電極基板102の共通電極104(図9参照)間に電圧を印加すると、電界方向に液晶分子108が整列し、立ち上がった状態となる。液晶分子108が垂直に立ち上がったとき、バックライト110からの入射光は、偏光成分が旋回せず、直進して第2電極基板102に達する。第2電極基板102の偏光板109の偏光軸と、入射光の偏光軸が直交しているため、入射光は、この偏光板109を通過することができず、黒色表示として認識される。
【0008】
このように、無電圧状態で白色表示となるものをノーマリホワイトモードといい、表示デバイスとして用いられる液晶表示装置ではこのモードが多用される。尚、無電圧で黒色表示となるものをノーマリブラックモードといい、このモードを利用した液晶表示装置も利用されている。図10(b)に示すように、白色表示(無電圧)乃至黒色表示となる電圧の範囲内で、印加する電圧を変化させると、電圧に応じて液晶分子108の、傾斜角度が変化する。このとき、液晶分子108の傾斜角度に応じて、入射光の透過率が変化し、白色表示と黒色表示との、中間の階調表現が可能となる。尚、カラー表示とする際は、少なくともどちらかの電極基板101または102にRGB(red、green、blue=赤、緑、青=光の3原色)の着色を施せばよい。一般には、第2電極基板102に着色する場合が多い。
【0009】
上述のように、液晶表示装置は、液晶108の光学特性に依存しているため、液晶層(セルギャップ114)の厚みを均一にすることは、表示特性を向上する上で重要である。セルギャップ114が均一でないと表示ムラの原因となる。セルギャップ114の狭まりに対してはスペーサ111(図9参照)で規制することができるが、拡がりに対しては下記の従来例のように、液晶表示素子セル100の両面を押圧し、余剰液晶を排出した上で注入孔113を封止する「加圧封止(または加圧封孔)」方法が提案されている。
【0010】
まず、図12と図13を参照しながら特開平8−220546号公報に記載の封孔方法(以下、「第1従来例」という)について説明する。
【0011】
図12は、液晶注入過程における液晶表示素子セル100の厚さ(以下、「セル厚」と呼ぶ)の変化の様子を示す、液晶表示素子セル100の断面図である。111は液晶表示素子セル100内に分散された両電極基板101、102間のギャップ調整用のスペーサである。
【0012】
図12(a)は、図示しない減圧容器内で減圧(脱気)を完了したとき、図12(b)は、液晶表示素子セル100の注入孔113を液晶ボート200に入っている液晶107に接触(ディップ)させたとき、図12(c)は、減圧容器内をゆっくり大気圧に戻し始めた(リーク開始)直後、図12(d)は、液晶107が液晶表示素子セル100全体の半分程度まで入り込んだとき、図12(e)は、液晶107がちょうど液晶表示素子セル100全体に入り込んだとき、図12(f)は図12(e)からさらに数分経過したとき、図12(g)は、図12(f)からさらに数時間経過したときの状態を各々表している。
【0013】
図12(a)、図12(b)の時点では、液晶表示素子セル100は凸状態になっているが、図12(c)のように注入孔113を液晶107でふさぎ、減圧容器内のリークを開始すると、液晶表示素子セル100の内外の圧力差により両電極基板101、102の歪みは矯正され、液晶表示素子セル100全体のセル厚が均一となる。
【0014】
図12(d)、図12(e)、図12(f)までに液晶107が液晶表示素子セル100全体に入り込むが、図12(g)の時点でも液晶107の入り込みが継続され、さらに両電極基板101、102の復元力により、液晶107が液晶表示素子セル100に吸入され図12(a)、図12(b)の時点で生じていた凸状態が復元されてしまう。
【0015】
このようにギャップが不均一になった液晶表示素子セル100の注入孔113を封止剤で封孔する際に、液晶表示素子セル100の各外側の面にクッション材201を図13(a)のように積層して、外部から(金属板202)圧力を加え、ギャップ精度を向上することが特徴である。
【0016】
また、液晶表示素子セル100の各外面に均一な圧力を加えるために、前記クッション材201として弾性を有する固体材料203の内部に、図13(b)のように液体・気体の少なくとも一方を密封した(密封された液体層204)構造のクッション材を用いる。
【0017】
また、特開平10−3083号公報に記載の液晶セル用のプレス装置及び液晶セルの製造方法(以下、「第2従来例」という)についても、LCDセルをプレスするプレス装置において、タクトタイムを短縮するため、ガラス定盤の上部に配置されるLCDセルを上方から圧迫する弾性マットを使用し、この弾性マットを介して両電極基板の歪みを矯正しながらシール剤の硬化を行っている。
【0018】
次に、図14を参照しながら特許第3114702号にかかる加圧治具(以下、「第3従来例」という)について説明する。
【0019】
この加圧治具を使用した方法では、シールパッキン6をはめ込んだ複数のシールプレート206と複数の液晶表示素子セル100を交互に積層する。シールプレート206には高圧ガス供給部205が設けられており、シールプレート206と液晶表示素子セル100、シールパッキン6で形成される加圧空間207に開口している。そして、高圧ガス供給部205を通して高圧ガスを加圧空間207に送り込み、高圧ガスの気圧で、液晶表示素子セル100の表裏両面を同時に複数枚押圧し、液晶表示素子セル100のセルギャップを矯正する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述の第1従来例では、図13に示すように、液晶表示素子セル100の表示面にクッション材201が直接接触するため、液晶表示素子セル100の表示面やクッション材201に微細な異物等が付着していると、その部分に応力が集中し、液晶表示素子セル100を損傷する原因となる。この点については、第2従来例についても弾性マットが液晶表示素子セルの表示に面直接接触するため、同様の問題がある。一方、気体の圧力で加圧する第3従来例は、異物の影響がなく、より好ましい加圧方法である。
【0021】
しかしながら、第3従来例では、図14に示すように、排気経路が少なく排気量が不十分なため、シールプレート206と液晶表示素子セル100を積層する際、シールプレート206にはめ込まれたシールパッキン6が弾性変形し、シールパッキン6に囲われた加圧空間207内の容積が減少することで、加圧空間207内の気圧が上昇する。高圧ガスによる加圧処理は厳密に制御する必要があるが、積層動作の際、不必要に急激に加圧されてしまい、液晶表示素子セル100のセルギャップ114間にあるスペーサ粒子11が移動してしまう等、表示ムラの原因となる。これにより、良品率が低下し、製造コストが高くなるという問題がある。
【0022】
また、第3従来例では、積層動作時の気圧上昇に起因する不必要な加圧が起きないようにするため、積層動作を排気流量に合わせて緩慢に行わなければならず、生産性が低下し、製造コストが高くなるという問題がある。
【0023】
さらに、第3従来例では、加圧処理完了後、シールプレート206と液晶表示素子セル100とを分離する際、加圧空間の容積の増加により、加圧空間内の気圧が急激に下がり、シールパッキン6が吸盤状となって液晶表示素子セル100の表裏両面を引っ張り合うため、適正値に矯正したセルギャップ114が引き延ばされる原因となり、これにより、良品率が低下し、製造コストが高くなる。
【0024】
また、第3従来例では、加圧処理完了後、シールプレート206と液晶表示素子セル100とを分離する際、加圧空間の容積の増加により、加圧空間内の気圧が下がり、シールパッキン6が吸盤状となって液晶表示素子セル100の表示面を引っ張るため、シールパッキン6から液晶表示素子セル100を容易に剥離できず、これにより、生産装置の稼働率が低下し、製造コストが高くなる。
【0025】
そこで本発明は、上記従来の液晶表示素子製造装置における問題点に鑑みてなされたものであって、液晶表示素子セルと加圧プレートを積層する際の不必要な液晶表示素子セルの加圧等を防止して良品率を向上させ、生産装置の稼働率を高め、製造コストを低減することのできる液晶表示素子セルの製造装置及び製造方法並びに一対の対向基板のギャップ精度を向上させた液晶表示素子セルを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、2枚の基板を所定の間隔で対向させ、該2枚の基板の表示面を気体を介して加圧することにより該2枚の基板間に形成された空間内の余剰液晶を排出する液晶表示素子セルの製造装置において、前記液晶表示素子セルの表示面を気体を介して加圧する手段を、前記液晶表示素子セルの表示領域の外周に接触するシールパッキンと、該シールパッキンを保持するシール溝と、前記シールパッキンで囲繞される密閉空間に加圧気体を導入する導入孔とを備えた複数の加圧プレートとで構成し、さらに前記密閉空間内の気体を排気し、前記密閉空間内へ気体を吸引する吸排気手段を備えるとともに、前記吸排気手段は前記密閉空間を大気に連通させる共通の気体流路を備えることを特徴とする。
【0027】
そして請求項1記載の発明によれば、液晶表示素子セルと複数の加圧プレートとを積層する際、液晶表示素子セルと、複数の加圧プレートと、シールパッキンとで形成される密閉空間内の気体を吸排気手段を介して速やかに排気することができるため、密閉空間内の気圧が不必要に上昇して液晶表示素子セルの表示面が不必要に押圧されることを防止することができる。これにより、所望する加圧力で液晶表示素子セルの表示面を押圧することができ、液晶表示素子セルの表示品質が向上するとともに、生産における良品歩留まり率が向上し、生産コストを低減することができる。また、加圧プレートと液晶表示素子セルを積層する際、密閉空間の体積減少にともなう気圧上昇を、吸排気手段から速やかに排気することで防止できるため、従来、約5分かけて行っていた押板の押し込み動作を約10秒で行うことができ、積層動作に要する時間、ひいては、液晶表示素子セルの生産時間を短縮することができる。
【0028】
また、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルが、液晶表示素子セルの両面を加圧プレートで挟持するように積層されている状態から、加圧終了後に加圧プレートと液晶表示素子セルを分離させる際、吸排気手段によって密閉空間内に気体を吸引することにより、密閉空間内の気圧が不必要に低下して液晶表示素子セルの表示面が不必要に吸引されることを防止することができる。これによって、矯正されたセルギャップが吸引力によって乱れることを防止でき、液晶表示素子セルの表示品質が向上するとともに、生産における良品歩留まり率が向上し、生産コストを低減することができる。また、積層された加圧プレートと液晶表示素子セルを引き離す際、密閉空間の体積の増加による気圧低下を、吸排気手段によって速やかに吸気することで防止することができるため、従来、約5分かけて行っていた押板の引き上げ動作を約10秒で行うことができ、液晶表示素子セルの生産性が向上し、生産コストを低減することができる。さらにシールパッキンが吸盤状に液晶表示素子セルに固着することを防止できるため、加圧プレートから液晶表示素子セルを取り出す際の取り出しミスがなくなり、生産装置の稼働率が向上して生産性が向上する。
【0030】
さらに、前記密閉空間を大気に連通させる共通の気体流路を介して排気及び吸気を行うことができ、簡易な構成を有する液晶表示素子セル製造装置を提供することができる。
【0031】
請求項2記載の発明は、2枚の基板を所定の間隔で対向させ、該2枚の基板の表示面を気体を介して加圧することにより該2枚の基板間に形成された空間内の余剰液晶を排出する液晶表示素子セルの製造方法において、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルを、該液晶表示素子セルの両面を該複数の加圧プレートで挟持するように積層し、加圧前に前記加圧プレートと、前記液晶表示素子セルと、前記加圧プレート及び前記液晶表示素子セルの間に介装されるシールパッキンとによって形成される密閉空間内の気体を、該密閉空間から排気することを特徴とする。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルを積層する際、密閉空間内の気圧が不必要に上昇して液晶表示素子セルの表示面が不必要に押圧されることを防止することができ、良好な押圧条件の下でセルギャップを矯正することができるため、液晶表示素子セルの表示品質が向上するとともに、生産における良品歩留まり率が向上し、生産コストを低減することができる。また、加圧プレートと液晶表示素子セルを積層する際の密閉空間の体積減少にともなう気圧上昇を、吸排気手段から速やかに排気することで防止することができるため、積層動作に要する時間、ひいては、液晶表示素子セルの生産時間を短縮することができる。
【0033】
請求項3記載の発明は、2枚の基板を所定の間隔で対向させ、該2枚の基板の表示面を気体を介して加圧することにより該2枚の基板間に形成された空間内の余剰液晶を排出する液晶表示素子セルの製造方法において、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルが、該液晶表示素子セルの両面を該複数の加圧プレートで挟持するように積層されている状態から、加圧終了後前記複数の加圧プレートと前記液晶表示素子セルを分離する際、前記加圧プレートと、前記液晶表示素子セルと、前記加圧プレート及び前記液晶表示素子セルの間に介装されるシールパッキンとによって形成される密閉空間内へ気体を吸引することを特徴とする。
【0034】
請求項3記載の発明によれば、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルを積層状態を解除する際、密閉空間内の気圧が不必要に低下して液晶表示素子セルの表示面が不必要に吸引されることを防止することができるため、矯正されたセルギャップの乱れを防止でき、液晶表示素子セルの表示品質が向上し、良品歩留まり率が向上し、生産コストを低減することができる。また、積層された加圧プレートと液晶表示素子セルを引き離す際の密閉空間の体積増加による気圧低下を防止することができるため、押板の引き上げ動作に要する時間が大幅に短縮され、液晶表示素子セルの生産性が向上し、生産コストを低減することができる。さらに、上記密閉空間の体積増加による気圧低下を防止することによりシールパッキンが吸盤状に液晶表示素子セルに固着することを防止でき、加圧プレートから液晶表示素子セルを取り出す際の取り出しミスがなくなり、生産装置の稼働率が向上し、生産性が向上する。
【0036】
そして本発明によれば、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルを積層する際、密閉空間内の気圧が不必要に上昇して液晶表示素子セルの表示面を不必要に押圧されることを防止することができて良好な押圧条件の下でセルギャップが矯正されるため、表示品質の良好な液晶表示素子セルを得ることができる。
【0038】
加えて本発明においては、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルを積層状態を解除する際、密閉空間内の気圧が不必要に低下して液晶表示素子セルの表示面が不必要に吸引されることを防止することができるため、セルギャップの拡がっていない表示品質の良好な液晶表示素子セルを得ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる液晶表示素子セルの製造装置及び製造方法の実施の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0040】
図1乃至図5に示すように、本発明にかかる液晶表示素子セルの製造装置に使用する加圧治具1は、天板2、底板3、側板4、押板7、シャフト9、加圧プレート5、ロック機構10、マニホールド18、吸排気手段19、加圧手段23等から構成される。
【0041】
厚さ40mmのジュラルミン(アルミ合金)製の天板2と底板3を厚さ15mmのステンレス製側板4と直径12mmのステンレス製シャフト9とで連結する。厚さ12mmのアルミ製加圧プレート5と厚さ20mmのアルミ製押板7には軸受け8が取り付けられ、前記シャフト9に嵌合しており、昇降自在に滑動する。
【0042】
前記加圧プレート5には幅4mm×深さ2.5mmの溝が加工されており、弾性を有するフッ素ゴム製の環状シールパッキン6が装着されている。前記溝加工は、液晶表示素子セル100の表示領域112の外周にシールパッキン6が接触する位置に加工されている。シールパッキン6は、特開平4−147217号公報に記載されているようなOリングを用いることが一般的であるが、本実施例では、本発明者が特開2000−029050号公報や特願2001−147898号で提案した、密閉性や剥離性を改善したリップ形状のものを使用することが好適である。
【0043】
加圧プレート5には、直径3mmの導入孔15が加工されており、加圧プレート5の端面からシールパッキン6の内周へ導通している。導入孔15は、直径6mmの柔軟な樹脂製のチューブ16を介してマニホールド18に通じており、さらに加圧手段23に接続されている。
【0044】
加圧手段23は、図2に示すように、加圧コントローラ24、電空変換器25、加圧気体供給源26等から構成される。加圧コントローラ24には、予め、時間経過に対する加圧気体の圧力設定をプログラミングしてあり、加圧コントローラ24からの電気信号に従って、加圧気体供給源26から供給される加圧気体の気圧を、電空変換器25で調節し、密閉空間17に送り込む。本実施例では、加圧コントローラ24として、プログラマブル・ロジック・コントローラを用いたが、パーソナルコンピュータやその他の手段を用いてもよい。また、加圧気体は、本実施例では窒素を用いたが、圧縮空気等を用いてもよい。但し、液晶表示素子セル100の表示面や大気を汚染したり、腐食、変質することのないよう、清浄で不活性なガスを用いることが望ましい。
【0045】
マニホールド18には、吸排気手段19が設けられている。図2に示すように、吸排気手段19は、排気弁20、ばね21等から構成されており、外部からの作用で排気弁20を開放、閉塞することができる。排気弁20は、ばね21の作用で押し上げられており、排気口22を塞ぐため、排気口22からの加圧気体の漏洩はない。排気弁20の突端を押し込むと、排気弁20のくびれ部を通じて排気口22から排気することができる。
【0046】
加圧プレート5の間に液晶表示素子セル100を挿入し、積層すると、液晶表示素子セル100とシールパッキン6が接触して密閉空間17が形成される。この密閉空間17に加圧気体を送り込むと、加圧気体の気圧で液晶表示素子セル100の表示面を押圧することができる。シールパッキン6の密閉性を増すために押板7を外部からの作用で押し込み、ロック機構10で加圧プレート5や押板7が、シールパッキン6の弾力や密閉空間17へ加圧気体を送り込む際の密閉空間17の膨張で押し戻されることを防ぎ、加圧プレート5と液晶表示素子セル100の積層状態を維持する。
【0047】
ロック機構10は、1辺が30mmのアルミ製支柱12、直動案内11、引張ばね13等から構成される。押板7には、往復自在に滑動できる直動案内11が取り付けられ、さらに、直動案内11には支柱12が取り付けられている。支柱12は、引張ばね13の作用で互いに離隔する向きに引っ張られる。天板2には、支柱12を引き出すための開口部14が設けられる。支柱12を外部からの作用で互いに引き寄せ合わせると、天板2の開口部14から支柱12を引き出すことができ、押板7を加圧プレート5から引き離し、加圧プレート5の積層状態を解除することができる。また、押板7を押し込んだ状態で支柱12を互いに引き離すと、支柱12は天板2と押板7に挟まれ、加圧プレート5の積層状態を維持することができる。
【0048】
以上、各要素を構成する材料、物性、寸法、動力手段等は、実施例として掲げたもので、これらに限定されるものではなく、他の材料、寸法、手段等を用いてもよい。
【0049】
次に、上記構成を有する液晶表示素子セルの製造装置の動作について説明する。
【0050】
まず、図1に示すように、初期状態として、図示しないロック機構作動手段によって支柱12を引き寄せあい、天板2の開口部14から前記支柱12を引き出す。このとき、押板7も引き上げられている。
【0051】
また、吸排気手段19の排気弁20は、図示しない排気弁作動手段によって押し込まれ、排気口22が開放状態になっている。
【0052】
次に、図2に示すように、手作業、または、移載手段(図示せず)等によって、加圧プレート5の間に液晶表示素子セル100を挿入する。液晶表示素子セル100は、表示領域112(図8参照)の外周にシールパッキン6が接触する位置に搭載する。
【0053】
次に、図3に示すように、図示しないロック機構作動手段によって支柱12を引き下ろし、押板7を押し込む。このとき、シールパッキン6が、図6に示すように高さ2mmから1mmへ押しつぶされる。これによって、密閉空間17の体積が半減するため、密閉されたまま、あるいは排気流量が不十分だと密閉空間17内の気圧が上昇し、不必要に液晶表示素子セル100の表示面を押圧してしまう。従来は、排気流量が不十分なため、密閉空間17内の気圧が上昇しないよう、押板7を押し込む動作を約5分かけて行っていた。本実施例では、吸排気手段19の排気弁20を通して排気口22から速やかに排気できるため、押板7の押し込み動作を約10秒で行っても密閉空間17内の気圧が上昇することがない。
【0054】
次に、図4に示すように、図示しないロック機構作動手段によって支柱12を互いに引き離すと、支柱12は天板2と押板7に挟まれる。加圧プレート5はシールパッキン6の弾性により押板7を押し戻そうとするが、支柱12によって規制されるため、外部から押板7を押さえ続けることなく、加圧プレート5と液晶表示素子セル100の積層状態を維持することができる。支柱12は引張ばね13の作用で互いに離隔する方向へ引っ張られているため、不用意に開口部14から支柱12が飛び出すことはない。そして、図示しない排気弁作動手段によって排気弁20を閉じる。
【0055】
次に、加圧手段23によって密閉空間17内に加圧気体を送り込む。本実施例では、加圧気体は、0乃至100kPaの窒素を用いた。加圧気体は、清浄で不活性なガスを用いることが望ましい。加圧気体の気圧制御は、加圧コントローラ24のプログラムに従って製御される。吸排気手段19の排気弁20は閉じているため、密閉空間17に送り込んだ加圧気体が排気口22から漏洩することなく、加圧コントローラ24が設定した圧力に保たれる。
【0056】
密閉空間17に加圧気体を送り込むと、気圧で液晶表示素子セル100の両面が極めて均一な圧力分布で押圧される。押圧されることにより、液晶表示素子セル100に過剰に注入された液晶107が押し出され、液晶注入孔113(図8参照)からしみ出る。
【0057】
また、加圧気体を密閉空間17に送り込むことで、密閉空間17が膨張し、加圧プレート5同士が離隔しようとするが、支柱12により、加圧プレート5の動きが規制されるため、積層状態は維持され、密閉空間17内の加圧気体が外部へ漏洩することはない。
【0058】
余剰な液晶107の排出が終わったら、図示しない封止手段によって液晶注入孔113に封止剤を塗布し、硬化させる。一般に、封止剤には紫外線硬化樹脂を用い、紫外線を照射することで短時間に硬化させる。第1従来例に示すように、余剰液晶を排出した上で液晶注入孔113を封止すると、セルギャップ114が矯正された状態を維持できる。
【0059】
次に、加圧手段23によって、密閉空間17内の気圧を大気圧に戻し、吸排気手段19の排気弁20を開放する。
【0060】
次に、図2に示すように、図示しないロック機構作動手段によって支柱12を引き寄せあい、天板2の開口部14から支柱12を引き上げる。支柱12が引き上げられると、押板7も同様に引き上げられる。
【0061】
押板7が引き上げられると、押しつぶされていたシールパッキン6の弾力で加圧プレート5同士が離隔する。このとき密閉空間17の体積が増加するため、密閉されたまま、あるいは吸気流量が不十分だと密閉空間17内の気圧が低下し、不必要に液晶表示素子セル100の表示面が引っ張られてしてしまう。従来は、排気流量が不十分なため、密閉空間17内の気圧が低下しないよう、押板7を引き上げる動作を約5分かけて行っていた。本実施例では、吸排気手段19の排気弁20を通して排気口22から速やかに吸気できるため、押板7の引き上げ動作を約10秒で行っても密閉空間17内の気圧が低下することがない。
【0062】
また、密閉空間17内の気圧低下がないため、シールパッキン6が吸盤状になって液晶表示素子セル100に固着することがないため、速やかに液晶表示素子セル100をシールパッキン6から剥離することができる。
【0063】
次に、図1に示すように、手作業、または、移載手段(図示せず)等によって、加圧プレート5の間から液晶表示素子セル100を抜き取る。
【0064】
図7は、本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の他の実施例を示す。本実施例では、加圧プレート5の各々に吸排気手段19を搭載している。吸排気手段19としては、電磁弁や空気圧で動作するエアーオペレート弁等を用いるか、類似する他の手段を用いることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、良品率を向上させ、生産装置の稼働率を高め、製造コストを低減することのできる液晶表示素子セルの製造装置及び製造方法を提供することができる。また、一対の対向基板のギャップ精度を向上させた液晶表示素子セルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の一実施例を模式的に示す図であって、初期状態として、支柱を引き寄せあい、天板の開口部から支柱を引き出した状態を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の一実施例を模式的に示す図であって、加圧プレートの間に液晶表示素子セルを挿入した状態を示す断面図である。
【図3】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の一実施例を模式的に示す図であって、ロック機構作動手段によって支柱を引き下ろし、押板を押し込んだ状態を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の一実施例を模式的に示す図であって、ロック機構作動手段によって支柱を互いに引き離し、加圧プレートと液晶表示素子セルの積層状態を維持した状態を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の一実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の一実施例におけるシールパッキンの形状変化を示す断面図である。
【図7】本発明にかかる液晶表示素子セルの加圧治具の他の実施例を模式的に示す断面図である。
【図8】液晶表示素子セルを示す斜視図である。
【図9】液晶表示素子セルを模式的に示す断面図である。
【図10】液晶表示素子セルの液晶分子の状態変化を模式的に示す断面図である。
【図11】液晶表示素子セルの液晶分子の状態変化を模式的に示す斜視図である。
【図12】液晶表示素子セルのセルギャップの状態変化を模式的に示す断面図である。
【図13】第1の従来例の加圧方法を模式的に示す断面図である。
【図14】第3の従来例の加圧治具を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 加圧治具
2 天板
3 底板
4 側板
5 加圧プレート
6 シールパッキン
7 押板
8 軸受け
9 シャフト
10 ロック機構
11 直動案内
12 支柱
13 引張ばね
14 開口部
15 導入孔
16 チューブ
17 密閉空間
18 マニホールド
19 吸排気手段
20 排気弁
21 ばね
22 排気口
23 加圧手段
24 加圧コントローラ
25 電空変換器
26 加圧気体供給源
100 液晶表示素子セル
101 第1電極基板
102 第2電極基板
103 画素電極
104 共通電極
105 アクティブ素子
106 配向層
107 液晶
108 液晶分子
109 偏光板
110 バックライト
111 スペーサ
112 表示領域
113 注入孔
114 セルギャップ
200 液晶ボート
201 クッション材
202 金属板
203 弾性を有する固体材料
204 液体層
205 高圧ガス供給部
206 シールプレート
207 加圧空間
Claims (3)
- 2枚の基板を所定の間隔で対向させ、該2枚の基板の表示面を気体を介して加圧することにより該2枚の基板間に形成された空間内の余剰液晶を排出する液晶表示素子セルの製造装置において、前記液晶表示素子セルの表示面を気体を介して加圧する手段を、前記液晶表示素子セルの表示領域の外周に接触するシールパッキンと、該シールパッキンを保持するシール溝と、前記シールパッキンで囲繞される密閉空間に加圧気体を導入する導入孔とを備えた複数の加圧プレートとで構成し、さらに前記密閉空間内の気体を排気し、前記密閉空間内へ気体を吸引する吸排気手段を備えるとともに、前記吸排気手段は前記密閉空間を大気に連通させる共通の気体流路を備えることを特徴とする液晶表示素子セルの製造装置。
- 2枚の基板を所定の間隔で対向させ、該2枚の基板の表示面を気体を介して加圧することにより該2枚の基板間に形成された空間内の余剰液晶を排出する液晶表示素子セルの製造方法において、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルを、該液晶表示素子セルの両面を該複数の加圧プレートで挟持するように積層し、加圧前に前記加圧プレートと、前記液晶表示素子セルと、前記加圧プレート及び前記液晶表示素子セルの間に介装されるシールパッキンとによって形成される密閉空間内の気体を、該密閉空間から排気することを特徴とする液晶表示素子のセル製造方法。
- 2枚の基板を所定の間隔で対向させ、該2枚の基板の表示面を気体を介して加圧することにより該2枚の基板間に形成された空間内の余剰液晶を排出する液晶表示素子セルの製造方法において、複数の加圧プレートと液晶表示素子セルが、該液晶表示素子セルの両面を該複数の加圧プレートで挟持するように積層されている状態から、加圧終了後前記複数の加圧プレートと前記液晶表示素子セルを分離する際、前記加圧プレートと、前記液晶表示素子セルと、前記加圧プレート及び前記液晶表示素子セルの間に介装されるシールパッキンとによって形成される密閉空間内へ気体を吸引することを特徴とする液晶表示素子セルの製造方法。
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