JP3976663B2 - 1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用、自動車用等の接着剤、シーリング材、コーティング剤等に好適に用いられる1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、アミン系の潜在性硬化剤、イソシアネート基の活性触媒等を使用すると貯蔵安定性が低下する傾向にある。このような問題に対し、マロネート化合物等の活性メチレン化合物が、貯蔵安定性を改善することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、多くのマロネート化合物は揮発性有機化合物であり、これを含有する樹脂組成物を建築用途に使用するとシックハウス症候群等の問題を生ずるおそれがある。
また、特許文献2においては、マロネート化合物がジメチルアミノ基のような構造の比較的活性の高い触媒と併用すると、触媒活性が低下するために、マロネート化合物に代えてシクロペンタジエンを添加することにより貯蔵安定性を確保することが提案されている。
しかしながら、揮発性の高いマロネート化合物やシクロペンタジエンは、そのもの自体が問題になるだけでなく、これらを含んでいると長期保存中にタックフリータイムの遅延が見られる。
【0003】
また、特許文献3においては、ウレタンプレポリマーの粘度上昇を抑えて貯蔵安定性を改善するために、ジエチルマロネート等のマロネート化合物に代えて3級フォスフィン化合物を添加することにより貯蔵安定性を確保することが提案されている。
しかしながら、3級フォスフィン化合物の添加は、活性の高いアミン触媒を用いる場合にのみ十分な効果を奏し、それ以外の場合においては効果が不十分である。
【0004】
一方、1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を建築用、自動車用等の接着剤に用いる場合には、高い接着性を有すること、および、揮発性物質を含有しないことが、必須条件となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−269244号公報
【特許文献2】
特開平11−286674号公報
【特許文献3】
特開2000−169699号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、貯蔵安定性と硬化性のバランスに優れ、かつ、シックハウス症候群等の問題も生じさせることのない1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定構造のマロネート化合物が揮発性がなく、ウレタン樹脂組成物に添加した際に該組成物の貯蔵安定性の保持に有効であることを知見した。また、更に研究を進めていくことにより、特定構造のマロネート化合物が、ジエチルマロネート等の低分子量のマロネート化合物を添加する場合と比べて、貯蔵後の硬化性の抑制に有効に作用することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、1分子中に二つ以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100質量部と、下記式(1)
【0009】
【化2】
【0010】
[式中、R 1 は相互に独立して炭素数1〜18のヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、R 2 は炭素数1〜18のヘテロ原子を有していてもよい2価のポリオール残基、nは1〜20の整数を表す。nが2以上の整数である場合、n個のR 2 は同じであってもよく、異なっていてもよい。]で表される分子量200以上のマロネート化合物0.1〜30質量部とを含有する1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物を提供する。
【0011】
また、本発明は、上記1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物からなる木質用接着剤を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)について、具体的に説明する。
本発明の組成物は、1分子中に二つ以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100質量部と、上記式(1)で表される分子量200以上のマロネート化合物0.1〜30質量部とを含有する。
【0013】
初めに、本発明の組成物に用いられるウレタンプレポリマーについて説明する。
本発明の組成物に用いられるウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物に過剰のポリイソシアネート化合物(即ち、OH基に対して過剰のNCO基)を反応させて得られる反応生成物であって、一般に、0.5〜10質量%のイソシアネート基を分子末端に含有する。
【0014】
このようなウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等の芳香族含有ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、H6 XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)等の脂環式ポリイソシアネート;上記各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、またはこれらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が好適に例示される。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
【0015】
ウレタンプレポリマーに使用されるポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールを用いることができる。
具体的には、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン等の2価アルコール;グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;エチレンジアミン、芳香族ジアミン等のジアミン類;ソルビトール等の糖類等の1種または2種以上に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を付加して得られるポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。
【0016】
ポリエステルポリオールは、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリカーボネートジオールに大別される。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、またはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、またはその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。
【0017】
その他のポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール等の主鎖が炭素−炭素結合よりなるポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールも好適に例示される。
【0018】
上述のポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とから末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得る際のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合割合は、通常、ポリオール化合物1当量(OH当量)あたり、ポリイソシアネート化合物1.2〜10当量(NCO当量)、好ましくは、1.5〜5当量である。また、このようなウレタンプレポリマーは、通常のウレタンプレポリマーと同様に、例えば、所定の量比で上記の二つの化合物を混合し、30〜120℃、好ましくは、50〜100℃で加熱かくはんすることによって合成される。
【0019】
つぎに、本発明の組成物に用いられるマロネート化合物について説明する。
本発明の組成物に用いられるマロネート化合物は、下記式(1)
【0020】
【化3】
【0021】
[式中、R 1 は相互に独立して炭素数1〜18のヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基、R 2 は炭素数1〜18のヘテロ原子を有していてもよい2価のポリオール残基、nは1〜20の整数を表す。nが2以上の整数である場合、n個のR 2 は同じであってもよく、異なっていてもよい。]で表される分子量200以上のマロネート化合物(以下「マロネート化合物(1)」ともいう。)である。本発明の組成物は、揮発性が低い分子量200以上のマロネート化合物を用いるので、建築用途に使用してもシックハウス症候群等の問題を生ずることがない。
【0022】
上記式(1)において、R 1 の炭素数1〜18のヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、フェニル基、プロペニル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ブロモプロペニル基、ステアリル基、ベンジル基が挙げられるが、製造上、メチル基、エチル基、プロピル基が特に好ましく挙げられる。
R 2 の炭素数1〜18のヘテロ原子を有していてもよい2価のポリオール残基は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ジエチレングリコールの残基である−(CH2)2 −O−(CH2)2 −、トリエチレングリコール残基、ジプロピレングリコール残基等が好ましく挙げられる。nは、1〜10の整数であることが好ましく、貯蔵安定性への効果の点から、1、2、3、4または5であることがより好ましい。
これらのマロネート化合物(1)の中でも、R 2 がテトラメチレン基である、ポリ(テトラメチレンマロネート)が特に好ましく挙げられる。
【0023】
このようなマロネート化合物を添加した本発明の組成物は、長期にわたって安定に貯蔵することができ、貯蔵後の硬化速度も優れている。また、上記マロネート化合物は、揮発性が低く、シックハウス症候群等の問題もない。また、マロネート化合物(1)は、特に揮発性が低い点で優れている。
【0024】
上記マロネート化合物の配合量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.2〜10質量部である。マロネート化合物が0.1質量部未満であると十分な貯蔵安定性が確保できない場合があり、また、30質量部を超えると硬化不良となる場合があるからである。
【0025】
本発明の組成物に用いられるマロネート化合物(1)は、常法により合成することができ、製造方法を特に限定されない。
例えば、マロネート化合物(1)は、1,4−ブタンジオール等のポリオール、ジエチルマロネート等のマロネート化合物およびテトライソプロポキシチタン等のエステル交換触媒を用い、80〜130℃で脱アルコール反応により得られる。
【0026】
本発明の組成物は、上述のウレタンプレポリマーおよびマロネート化合物の必須成分のほか、本発明の目的を損なわない範囲で、硬化触媒、可塑剤、充填剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、顔料、溶剤等の添加剤を含有することができる。
【0027】
硬化触媒としては、例えば、有機金属化合物、アミン系触媒、潜在性硬化剤が挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、チタンアセチルアセトネート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカブチド、ジルコニウムアセチルアセトネート等が挙げられる。特に、接着性改善のため、特開2002−265868号公報に記載されている種々のチタン化合物、即ち、Ti(OR)4(式中、Rは有機基を表す。四つのRは、それぞれ独立に、アセチルアセトン残基、アセト酢酸エステル残基、グリコール残基、アルコール残基およびカルボン酸残基からなる群から選ばれる基であるのが好ましい。)で表される有機チタン化合物;および/またはその縮合物が好適に使用される。そのような有機チタン化合物としては、例えば、チタンテトラアセチルアセトネートが好適に挙げられる。これらの有機金属化合物は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
【0028】
アミン系触媒としては、例えば、トリエチルアミン等のモノアミン類;N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン等のジアミン類;テトラメチルグアニジン等のトリアミン類;トリエチレンジアミン等の環状アミン類;ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のエーテルアミン類等が挙げられる。これらのアミン系触媒は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
硬化触媒の配合量は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基1当量に対し、有機金属化合物の場合は0.001〜0.1当量であるのが好ましく、また、アミン系触媒の場合は0.001〜0.1当量であるのが好ましい。
潜在性硬化剤としては、例えば、エナミン化合物、ケチミン化合物、アルジミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。
【0029】
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルフォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(クロロエチル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。また、このほかに、分子量が500〜10,000のブチルアクリレート等のアクリルオリゴマーが挙げられる。これらの可塑剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。
可塑剤の配合量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、5〜100質量部であるのが好ましく、10〜50質量部であるのがより好ましい。ただし、特に、本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物をフローリング床用等の建築用内装材の接着剤等に用いる場合には、揮発性有機物質(VOC)や、環境ホルモン(内分泌攪乱化学物質)およびその原料となるようなフタル酸エステル系の可塑剤を使用しないのが好ましい。
【0030】
充填剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、特開平9−263708号公報に記載されている高級アルコール付加ポリイソシアネート等を処理剤とする表面処理炭酸カルシウム(沈降、重質)、無処理重質炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、消石灰、カオリン、ゼオライト、ケイソウ土、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバルーン、シラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン、アクリロニトリル−メタアクリル酸エステル共重合体バルーン等が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用される。充填剤の配合量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、10〜200質量部であるのが好ましく、20〜150質量部であるのがより好ましい。
【0031】
シランカップリング剤としては、例えば、クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、0.3〜10質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。
【0032】
酸化防止剤は、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系炭化水素溶媒が挙げられる。
これらの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、上記各種成分を好ましくは減圧下または不活性雰囲気下で均一に分散するまで十分に混練する方法が挙げられる。
【0034】
本発明の組成物は、貯蔵安定性と硬化性のバランスに優れるため、建築用、自動車用等の接着剤、シーリング材、コーティング剤等に好適に用いられる。特に、シックハウス症候群等の問題を生じさせない点で、建築用の接着剤、シーリング材、コーティング剤に好適に用いられる。具体的には、合板、MDF(Medium Density Fiberboard)等の木材二次製品、床材料、家具、建具等の木質用の接着剤に用いられる。更に、壁装材料等の接着剤としても用いられる。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜2ならびに比較例1および2)
第1表に記載の組成で各ウレタン樹脂組成物を製造し、下記の試験に供した。
(1)揮発成分の有無
ウレタン樹脂組成物50gを厚さ2mmのシート状に塗布し、23℃、65%RHで2週間硬化させたシートの一部(1cm2 )を100mL容のバイアルびんに入れ、100℃で1時間加熱した。バイアルびん中のガスをGC−MSで測定し、マロネート化合物を測定した。
結果を第1表に示す。
【0036】
(2)タックフリータイム(貯蔵安定性)
23℃、65%RHの雰囲気下において、ウレタン樹脂組成物の表面を指で押さえてもウレタン樹脂組成物が指に付かなくなるまでにかかった時間を測定した(初期のタックフリータイム)。
また、組成物を60℃で3日間放置した後に、上記と同様にしてタックフリータイムを測定した。
結果を第1表に示す。
【0037】
(3)引張強さTb および伸びEb
ウレタン樹脂組成物を、20℃、65%RHの雰囲気下で7日間硬化させて得たH型の試験片を用いて、JIS K6251−1993に準じて引張試験を行い、引張強さ(Tb )および伸び(Eb )を測定した。
結果を第1表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
第1表から明らかなように、本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(実施例1〜2)は、揮発成分がなく、シックハウス症候群を生じさせるおそれがない。また、本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(実施例1および2)の特定のマロネート化合物の代わりに低分子量のマロネート化合物を含有する従来の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(比較例1および2)と比較しても、貯蔵安定性は同等以上であり、硬化性も同等である。
【0040】
(実施例3および比較例3)
第2表に記載の組成で各ウレタン樹脂組成物を製造し、下記の試験に供した。
(1)揮発成分の有無
実施例1〜2ならびに比較例1および2の場合と同様の方法により行った。
結果を第2表に示す。
(2)タックフリータイム(貯蔵安定性)
実施例1〜2ならびに比較例1および2の場合と同様の方法により行った。
結果を第2表に示す。
(3)せん断接着強さ
ウレタン樹脂組成物を、フローリング材と合板との間に塗布し、20℃、65%RHの雰囲気下で7日間硬化させて得た試験片を用いて、JIS K6851−1994に準じて引張試験を行い、せん断接着強さを測定した。
結果を第2表に示す。なお、第2表には、実施例2および比較例2のせん断接着強さも併せて示す。
【0041】
【表2】
【0042】
第2表から明らかなように、本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(実施例2および3)は、揮発成分がなく、シックハウス症候群を生じさせるおそれがない。また、本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(実施例2および3)の特定のマロネート化合物の代わりに低分子量のマロネート化合物を含有する従来の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物(比較例2および3)と比較しても、貯蔵安定性は同等以上であり、接着強さも同等である。
【0043】
なお、第1表および第2表における各種成分は以下のとおりである。
・ウレタンプレポリマー1:
ポリプロピレングリコール(エクセノール2020、旭硝子社製)600g、ポリプロピレントリオール(エクセノール5030、旭硝子社製)1500g、ジフェニルメタンジイソシアネート(コスモネートPH、三井化学社製)750gを常法に従い、50℃で1時間、80℃で24時間反応させ、NCO含量6.6%のウレタンプレポリマー1を得た。
【0044】
・ウレタンプレポリマー2:
ポリプロピレングリコール(エクセノール2020)400g、ポリプロピレントリオール(エクセノール5030)600g、ジフェニルメタンジイソシアネート(コスモネートPH)161g、およびアクリルオリゴマー(UP100、東亞合成社製)116gを70℃で1時間、80℃で24時間反応させ、NCO含量1.7%のウレタンプレポリマー2を得た。
【0045】
・ポリ(テトラメチレンマロネート):
ジエチルマロネートと1,4−ブタンジオールとを、それぞれ2:1(モル比)で用いて、前記方法で縮合して、数平均分子量約400の化合物(ポリ(テトラメチレンマロネート))を得た。
・可塑剤:UP−1000、東亞合成社製
・炭酸カルシウム1:シーレッツ200、丸尾カルシウム社製
・炭酸カルシウム2:スーパーS、丸尾カルシウム社製
・カーボンブラック:アサヒサーマルFT級、旭カーボン社製
・ビニルトリメトキシシラン:A−171、日本ユニカー社製
・チタンテトラアセチルアセトネート:オルガチックスTC−401、松本製薬工業社製
・アミン触媒:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル[(CH3)2 NCH2 CH2 OCH2 CH2 N(CH3)2 ]
【0046】
【発明の効果】
本発明の1液湿気硬化型ウレタン樹脂組成物は、特定のマロネート化合物がウレタンプレポリマーの安定化に有効に寄与するので貯蔵安定性に優れるうえ、マロネート化合物の揮発性が低いので、シックハウス症候群の問題がない。
また、本発明に用いられるマロネート化合物は安定化剤としての効果だけでなく、ジエチルマロネート等の低分子量のマロネート化合物を添加した場合に比べて、貯蔵後のタックフリータイムの増加が少なく(貯蔵安定性に優れ)、長期にわたって優れた硬化性を保持できるという効果も奏する。
したがって、本発明の組成物は、建築用、自動車用等の接着剤、シーリング材、コーティング剤等に極めて好適に用いられる。
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