JP3976981B2 - 露光装置、ガス置換方法、デバイス製造方法 - Google Patents
露光装置、ガス置換方法、デバイス製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体の置換方法に関し、特に光源として真空紫外光を用いる半導体露光装置において、真空紫外光の光路の雰囲気ガスを大気から不活性ガスに置換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の高集積化、微細化の傾向に伴い、ステッパー等の露光装置においては、高い解像力が要求されている。解像力は露光光の波長に比例するため、露光波長は次第に短波長化され、可視域のg線(波長436nm)から紫外域のi線(波長365nm)へと代わり、最近ではKrFエキシマレーザ光(波長248nm)が使用され、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、F2レーザ光(波長157nm)、更にはAr2レーザ光(波長126nm)の使用が検討されている。
【0003】
しかし、ArFエキシマレーザ光程度以下の波長域では、空気中の酸素による吸収が起き、透過率が低下してしまう。そこで、ArFエキシマレーザ光を使用する露光装置では、露光光の光路の大部分の気体を窒素で置換している。更に、190nm以下の波長域(真空紫外)では窒素でも若干の吸収があるため、その光を透過する別の気体(窒素以外の不活性ガス)で置き換えるか、又は真空にする必要がある。しかし、真空にするには、装置を大気圧に耐えられる頑丈な構造にする必要があり、装置製造コストが高くなる。そこで、露光光の光路を不活性で透過率の高い気体に置換する方式が用いられる。そのような気体の中で、安全性、熱伝導率の良さ、温度による屈折率変化の少なさなどを考慮すると、露光光の光路周辺や光学素子周辺の雰囲気をヘリウムに置換することが最も望ましいと考えられている。
【0004】
一般に、露光光の光路の大気を他の気体に置換するときは、光路を密閉容器中に内蔵し、その密閉容器の一端を気体の供給口、他端を排出口として、光路全体に気体が充満するように流路を形成する。そして、対流と分子拡散の作用により密閉容器内の気体を置換する。
【0005】
一例として、密閉容器内の大気を窒素に置換する際のシミュレーション結果を示す。
【0006】
図14にシミュレーションのモデルとなる密閉容器を示す。時間0の時点では、密閉容器内には大気が充満している。密閉容器には、図中の左上に供給口が設けられている。置換するガスは、この供給口から密閉容器に供給される。また、密閉容器には、図中の右下に排出口が設けられている。供給口から置換ガスが供給されると、排出口からは密閉容器内の気体が密閉容器外に排出されることになる。なお、シミュレーションにおいては、時間0から供給口に流速1m/sで置換ガスが供給される。
【0007】
図15は、重力の影響を受けないものとした場合における、容器中の大気濃度の時間変化を表す図である。図中のパターンが濃い場所ほど、大気濃度が高いことを意味している。図15(a)は、置換ガスとしてヘリウムを用いた場合であって、図15(b)は、置換ガスとして窒素を用いた場合を表している。
【0008】
図15では、重力の影響を受けないものとして計算しているため、ヘリウムであっても窒素であっても、時間のズレはあるものの、容器内でのガスの対流はほぼ同様である。
【0009】
さらに、図16に、容器内の左下角、中央左、中央右、右上、流出口における大気濃度の時間変化のグラフを示す。図16において、縦軸は濃度(対数目盛)、横軸は時間(実数目盛)を示している。図16(a)は、置換ガスとしてヘリウムを用いた場合であって、図16(b)は、置換ガスとして窒素を用いた場合を表している。
【0010】
図16では、重力の影響を受けないものとして計算しているため、ヘリウムであっても窒素であっても、濃度の時間変化は、ほぼ同様の傾向を示している。
【0011】
なお、このグラフによれば、次のようなことがうかがえる。まず、容器内に最初から存在していた大気が押し出される。この段階での排出口付近の濃度変化は少ない。次に、対流により希釈された大気が排出される。この段階では、もとの大気の濃度は指数関数的に急速に減少する。その後、濃度の減少速度は次第に鈍くなる。これは、気体が流れにくい淀みでのガス置換が、主に分子拡散によって進められているためであると考えられる。
【0012】
このように、従来は、ヘリウムの容器内の挙動は、窒素とほぼ同様であると考えられていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したシミュレーション結果は、特に重力の影響を考慮しないものであった。しかし、ヘリウムは、分子量が小さく、空気(大気)よりも比重が軽い。そのため、ヘリウムの容器内の挙動を正確に把握するためには、重力の影響を考慮する必要があった。
【0014】
また、気体が流れにくい淀みでのガス置換を分子拡散によって進めるのみでは、容器内に最初に存在していた気体の濃度を下げるのに非常に時間がかかってしまう。
【0015】
特に、真空紫外光の波長域では、酸素に対する連続した吸収帯が存在するため、光路の酸素濃度が高いと光の吸収が極めて大きくなり、露光装置として使用するには酸素濃度を1ppm程度以下にする必要がある。しかし、従来のような方法で空気をヘリウムに置換しようとすると、上述で説明したような通り、所望の酸素濃度にガスを置換するまで時間がかかる。さらに、大量のヘリウムを消費しなければならないことになり、ヘリウムは地殻や大気中での存在度が極めて低く高価であるため、経済的に不都合である。
【0016】
本発明は、上記従来例の問題点に鑑み、半導体露光装置の露光光の光路周辺を密閉するような容器内の大気を速やかに低下させることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の露光装置は、チャンバーと、該チャンバー内に第1の気体を供給する第1の供給装置と、該チャンバー内に該第1の気体とは別の第2の気体を供給する第2の供給装置と、該第1の供給装置と該第2の供給装置とを切り替えて該チャンバーにいずれかの気体を供給する切り替え機構と、を有し、前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第2の気体の流路が異なり、前記チャンバー内への前記第1の気体の供給口と、前記チャンバー内における前記第2の気体の供給口が異なることを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
まず、重力の影響を考慮にいれたシミュレーションを行った。
【0038】
図17は、重力の影響を考慮した場合における、容器中の大気濃度の時間変化を表す図である。図17(a)は、置換ガスとしてヘリウムを用いた場合であって、図17(b)は、置換ガスとして窒素を用いた場合を表している。
【0039】
窒素による置換の状態を表す図17(b)は、前述の重力の影響を受けない場合とほぼ同様に、容器内に窒素ガスが広がって排気口に向かう傾向を示した。これは、窒素は、大気のほとんどの成分であるため、空気とほぼ比重が同じだからであると考えられる。
【0040】
一方、ヘリウムによる置換の状態を表す図17(a)は、前述の重力の影響を受けない場合と比較して、全く異なる傾向を示している。前述の重力の影響を受けない場合のヘリウムの挙動は、容器内にヘリウムガスが広がって、容器の左側から大気を押し出すように容器内を流れていた。しかし、重力を考慮した場合のヘリウムの挙動は、容器の上方を流れるのみであって、容器の下方には流れにくい状態であることが分かる。
【0041】
図18に、重力の影響を考慮した場合における、容器中の大気濃度の時間変化のグラフを示す。図18において、縦軸は濃度(対数目盛)、横軸は時間(実数目盛)を示している。図18(a)は、置換ガスとしてヘリウムを用いた場合であって、図18(b)は、置換ガスとして窒素を用いた場合を表している。
【0042】
図18(b)によれば、置換ガスが窒素の場合は、前述の場合とほぼ同様の傾向を示している。しかし、図18(a)によれば、置換ガスがヘリウムの場合、大気濃度が減少しにくいことが分かる。すなわち、容器内がヘリウム雰囲気に置換されにくい状態であることが分かる。
【0043】
さらに、図19に、供給口を下方に設け、排出口を上方に設けたときに、供給口からヘリウムを供給した場合の容器内のヘリウムの対流の状況を示す。
【0044】
同図から、容器下方に設けられた供給口から供給されたヘリウムが、容器上方に向かって流れ、上方の壁に沿って流れた後、そのまま排出口に向かうことが分かる。
【0045】
図20に、この場合の容器内の各所の濃度変化のグラフ示す。このような供給口や排出口の配置では、特に図中容器右下周辺の置換が、進行しにくいことが分かる。
【0046】
そこで、上記のヘリウムガスの挙動を考慮した本発明の実施形態を以下に詳述する。
【0047】
<露光装置の実施例>
図1は、本発明の露光装置の実施形態を示す全体構成図である。
【0048】
図中、露光装置の光源であるレーザー装置1は、露光装置とは別に床または階下に設置されている。レーザー装置1は、波長160nm以下の波長域の真空紫外光を生成するエキシマレーザー装置である。本実施例では、157nm付近の発振波長を有するF2エキシマレーザーを用いるが、他に126nm付近の発振波長を有するAr2レーザー等の紫外線領域の波長を発する光源を用いても良い。
【0049】
レーザー装置1から射出したレーザービームは、ミラー2、3を介して装置本体に導入される。チャンバー4は、ミラー2、3を含む光路周辺を外気との通気から遮断するため、密閉構造となっている。チャンバー4からの光射出部には、ガラス5が配置されている。このガラス5は、チャンバー4の内側から照射されるレーザー装置1からのレーザービームを透過させ、レーザービームを後述する筐体6に導入する。また、ガラス5は、チャンバー4を、密閉状態を確保して保持されている。
【0050】
ガラス5は、フッ素化合物からなるガラス材で、具体的には螢石(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化バリウム(BaF2)、SrF2、フッ素ドープ石英のいずれを使用してもよい。これらのガラス材は、157nm以下の波長の光に対して高い透過率を示すものである。
【0051】
なお、チャンバー4内の詳細については後述する。
【0052】
ガラス5を透過した光は、筐体6に入射し、筐体6内のミラー7を介してレチクル8を照明する。
【0053】
この筐体6内の詳細についても後述する。
【0054】
レチクル8は、レチクルステージ9に載置したレチクル保持器10に載置される。レチクルステージ9は、不図示のレチクルステージ駆動系により、光軸と直交面内方向であって走査方向であるY方向に駆動される。バーミラー11は、レチクルステージ9に固定され、干渉計12によりバーミラー位置を計測し、レチクルステージの位置を計測する。本図においては、干渉計12が、1つのみ記載され、走査方向である図中座標Y方向に駆動される状態を示しているが、図中座標X方向にも干渉計とバーミラーを配置し、レチクルステージのXY二軸の位置の計測を行っても良い。
【0055】
レチクル8に描かれたパターン(不図示)は、投影光学系13により所定の倍率で縮小されて、感光材を塗布したウエハ14に露光転写される。この投影光学系13内の詳細についても後述する。
【0056】
ウエハ14は、ウエハステージ15に載置したウエハーチャック16に載置されている。ウエハステージ15は、不図示のウエハステージ駆動系により、光軸と直交面内方向であるXY方向に駆動される。バーミラー17は、ウエハステージに固定され、干渉計18によりバーミラー位置を計測し、ウエハステージの位置を計測する。本図においては、干渉計18が、1つのみ記載され、走査方向である図中座標Y方向に駆動される状態を示している。しかし、ウエハステージは、走査露光後、ウエハをX方向にステップ移動させる必要があるので、図中座標X方向にも干渉計とバーミラーを配置し、ウエハステージのXY二軸の位置の計測を行う。
【0057】
次に、装置構造体について述べる。
【0058】
主定盤20は、複数配置された脚19に載置される。、主定盤20上には、ステージ定盤21及び鏡筒定盤22が載置される。
【0059】
ステージ定盤21には、XY平面に平行な基準面が設けられている。前述のウエハステージ15は、この基準面沿ってXY方向に移動する。本実施例では、ウエハステージ15は、ステージ定盤21に対して、気体軸受を用いたガイドによって非接触に支持されている。なお、ウエハステージを支持するガイドは、気体軸受に限られず、ボールやローラを用いた転動型ガイド、あるいは摺動型ガイドを用いてもよい。
【0060】
鏡筒定盤22は、前述の投影光学系13、干渉計18のほかに、空調ダクト23および外筒24を載置している。干渉計18は、投影光学系13を支持する鏡筒定盤22に支持されるため、投影光学系13を基準としてウエハステージ15の位置を計測することができる。空調ダクト23は、後述の循環系からの気体を内部のULPAフィルター23'(Uitra Low Penetration Air-filter)を介して、投影光学系13の光軸と直交方向に吹きつけるものである。空調ダクト23は、干渉計18の干渉計光路18'およびウエハ14、さらに鏡筒定盤22に略囲われた空間を所定温度で安定させる。これにより、干渉計光路18'のゆらぎの低減と空間内の温度変化による物体変形の低減を達成する。また、空調ダクト23は、投影光学系13の終端からウエハ14までの露光光路における光吸収物質(例えば酸素)の濃度の低減をはかっている。
【0061】
また、前述のレチクルステージ9は、外筒24に設けられた基準面に沿って走査方向であるY方向(および場合によってはX方向にも)移動する。本実施例では、レチクルステージ15は、外筒24に対して、気体軸受を用いたガイドによって非接触に支持されている。なお、レチクルステージを支持するガイドは、気体軸受に限られず、ボールやローラを用いた転動型ガイド、あるいは摺動型ガイドを用いてもよい。
【0062】
外筒24は、投影光学系13の鏡筒定盤22上面より上部を囲い、露光光束が通過するよう上部に開口部24'を備えている。さらに、外筒24は、前述のレチクルステージ9のほか、干渉計12および空調ダクト25および筐体6(図中筐体6と外筒接合部は破断線にて省略)を載置している。干渉計12は、投影光学系13と一体的に設けられた外筒24に支持されるため、投影光学系13を基準としてレチクルステージ9の位置を計測することができる。空調ダクト25は、後述の循環系からの気体を内部のULPAフィルター25'を介して投影光学系13の光軸と直交方向に吹きつけるものである。空調ダクト25は、干渉計12の干渉計光路12'およびレチクル8、さらにレチクル周辺空間を所定温度で安定させる。これにより、干渉計光路12'のゆらぎの低減とレチクル周辺空間内の温度変化による物体変形の低減を達成する。また、空調ダクト25は、レチクル8前後の光路における光吸収物質(例えば酸素)の濃度の低減をはかっている。
【0063】
チャンバー26は、本実施例においては、装置本体を内部に収納し、外気との通気を遮断する密閉構造となっている。可動部材27は、ステンレス製ベローズなどからなり、脚19付近とチャンバー26を連結し、チャンバー26の密閉性を確保し、脚19や主定盤20との相対変位を吸収できる構造となっている。
【0064】
また、可動部材28は、ステンレス製ベローズなどからなり、チャンバー4とチャンバー26を連結し、チャンバー4とチャンバー26の密閉性を確保し、支持台30に載置したチャンバー4とチャンバー26の相対変位を吸収できる構造となっている。
【0065】
さらに、可動部材29は、ステンレス製ベローズなどからなり、チャンバー4と筐体6を連結し、チャンバー4と筐体6の密閉性を確保し、チャンバー4と筐体6の相対変位を吸収できる構造となっている。
【0066】
なお、可動部材27、28、29は、本実施例においてはステンレス製ベローズを用いるが、密閉性を確保し、相対変位を吸収できる構造であればこれに限るものではなく、ニッケル合金やチタン製の金属ベローズでもよいし、樹脂製ベローズであってもよい。さらにはベローズ以外に、磁性流体シールを用いてもよい。
【0067】
ロードロック室31は、レチクル8を搬入または搬出する際に用いるロードロック室であって、不図示の駆動系による開閉自在のゲートバルブ32、33を備えている。支持台34は、レチクル8の支持台である。レチクル搬送ロボット35は、レチクル保持器10へのレチクルの供給および回収を行う。
【0068】
ロードロック室36は、ウエハ14を搬入または搬出する際に用いるロードロック室であり、不図示の駆動系による開閉自在のゲートバルブ37、38を備えている。支持台39は、ウエハ14の支持台である。ウエハ搬送ロボット40は、ウエハチャック16へのウエハの供給および回収を行う。
【0069】
次に、チャンバー4、26及びロードロック室31、36内の環境制御、温度制御方法について説明する。
【0070】
ガス供給源51は、窒素ガス供給源51aとヘリウムガス供給源51bと切り替え弁51cとを有する。この2種類のガスについては、F2レーザーの光に対して良好な透過率を示すものである。窒素ガス供給源51aとヘリウムガス供給源51bは、それぞれ実質的に酸素を含まないガスを供給する。なお、ここで、「実質的に酸素を含まない」とは、装置の性能に大きく影響を与える程度の酸素を含まないという意味であり、少なくともチャンバー4等に求められる酸素濃度より低い酸素濃度を意味する。
【0071】
ガス供給源51は、切り替え弁51cにより、窒素ガス供給源とヘリウムガス供給源とを切り替え、いずれかのガスを供給する。
【0072】
ガス供給源51からのガスは、配管52を介して、チャンバー4の光源側の一端に設けられたガス供給口53に導かれ、チャンバー4内を経由した後、チャンバー4の露光装置側の他端に設けられたガス排出口54から排出され、配管55を介して、排気機構56に排気される。
【0073】
次に、図2を用いて、本発明の特徴である置換方法について説明する。
【0074】
図2は、チャンバー4の供給口から窒素およびヘリウムを段階的に供給した際の、排出口から排出される気体の酸素濃度および窒素濃度の時間変化を表す図である。
【0075】
図2において、縦軸は濃度(対数目盛)、横軸は時間(実数目盛)、Aは酸素濃度、Bは窒素濃度、Tn2は窒素供給時間、Th2はヘリウム供給時間である。
【0076】
図2の時間軸に沿って説明すると、まず、ガス供給装置51の切り替え弁51cにより、窒素ガス供給源51aからの窒素ガスを供給する。すると、図18(b)で説明したのとほぼ同様な経過をたどり、酸素濃度Aが減少する。時間Tn2が経過すると酸素濃度Aはppmオーダーに達する。ここで切り替え弁により、窒素の供給を止め、続いて切り替え弁cにより、ヘリウムガス供給源からのヘリウムガスを供給する。すると、酸素濃度Aは、減少しつづけると共に、窒素濃度が減少する。
【0077】
時間Th2が経過すると窒素濃度は数%に減少する。酸素濃度が1ppm程度以下、窒素濃度が数%以下になれば光学的には問題ないので、この時点でヘリウム置換を完了とする。なお、ここで「置換」とは、チャンバー4内のガスを完全に入れ替えることを意味するものではなく、チャンバー4内に元々あったガスの濃度が所望の濃度になるまで他のガスを供給することを意味する。
【0078】
図2で説明したように、濃度をppmのオーダーまで減少させるための時間Tn2は、かなりの長さであるが、数%まで減少させるための時間Th2は、Tn2に比べて極めて短くてすむ。また、窒素の価格は、ヘリウムの数百分の1であるので、安価にヘリウムへの置換が可能である。
【0079】
また、最初の窒素の時間あたりの供給量を増やせば、時間Tn2を短縮することができ、チャンバー4内の酸素濃度を減少させるための時間を削減することができる。また、窒素に置換した後のヘリウムの供給量までをも増やす必要はないので、チャンバー4内のヘリウムの置換を安価にできる。
【0080】
また、窒素の供給される状況と、ヘリウムの供給される状況が、異なっていれば、従来の置換方法と比較して、淀み中の酸素を減少させる時間を削減することができる。特に、窒素とヘリウムとでは比重が異なるので、チャンバー4内での淀みのでき方が異なることになる。そのため、窒素に置換した後にヘリウムを供給することで、チャンバー4内の酸素の減少速度を促進することができる。
【0081】
また、窒素は空気とほぼ同じ程度の比重であり、ヘリウムは空気よりも比重が軽い。よって、最初からヘリウムを用いてチャンバー4内を置換するよりも、窒素を用いて置換した方が、チャンバー4内の酸素濃度を速やかに減少させることができる。
【0082】
なお、真空紫外域の光を考えると、酸素濃度はppmレベルまで要求され、一方窒素は%レベルで許容される。よって、最初にチャンバー4内を窒素で置換し、その後にヘリウムを供給することで、速やかに光学系にとって望ましい雰囲気に調整することができる。
【0083】
さらに、窒素に置換する前後の少なくとも一方に、チャンバー4内を真空引きし、その後にヘリウムを供給するようにしても良い。
【0084】
次に、チャンバー4内のガス流路を図3を用いて説明する。図1と同じ要素については同じ番号を付け、説明は省略する。
【0085】
レーザー装置1から射出されたレーザービームは、ミラー2によって反射され、ビーム成形光学系201により所定のビーム形状に整形たれる。その後、レーザービームは、集光レンズ204及び207によって、所定の倍率でオプティカルインテグレータ210を照射する。オプティカルインテグレータ210は、微小レンズを二次元的に配列したものであって、集光レンズ213を介して、レチクル8(図1)との共役面219を重畳照明する。ハーフミラー216は、照度センサー220に光を導くため、集光レンズと上述の共役面との間に設けられ、一部の光を反射する。照度センサー220は、上述の共役面219とほぼ等価な面に配置されており、露光時のウエハ14(図1)の実露光量をこの照度センサー217で検出することができる。照度センサー217の検出値に基づいて、不図示の制御系を介して、レーザー装置1の発振状態を制御しながら露光動作を行う。
【0086】
なお、ビーム整形光学系201は、通気孔203を備えた支持台202に支持されている。
【0087】
集光レンズ204は、通気孔206を備えた支持台205に支持されている。集光レンズ207は、通気孔208を備えた支持台209に支持されている。オプティカルインテグレータ210は、通気孔212を備えた支持台211に支持されている。集光レンズ213は、通気孔215を備えた支持台214に支持されている。ハーフミラー216は通気孔218を備えた支持台217に支持されている。
【0088】
ガス供給口53からの気体は、チャンバー4内を光路に沿って流れ、通気孔203、206、208、212、215、218を順次経由してガス排出口54から排出される。
【0089】
チャンバー4内のガス流路の概念を図3中に矢印で示す。
【0090】
チャンバー4内の光学素子間の空間を順次経由する流路を備えることで、各光学素子間の空間の雰囲気を効率よくガス置換することができる。
【0091】
なお、本実施例においては、ガラス5は、平行平面板を用いているが、これに限られるものではなく、レンズやプリズムなど他の透過素子であってもよい。さらに本実施例においては、オプティカルインテグレータとしてハエノ目を用いた場合について説明しているが、他にロッドインテグレータを用いたり、ハエノ目を直列に複数個使用したり、あるいはハエノ目とロッドインテグレータを組合わせて使用した光学系であってもよい。
【0092】
なお、図3に示した光学系は、後述の筐体6内の光学系と合わせて、レチクルを照明する照明光学系を形成している。
【0093】
上記の説明によれば、窒素とヘリウムの供給口・排出口・通気孔は同じものを使用することになるが、これに限るものではない。例えば、窒素の供給口はチャンバー4の光源側の一端に設け、ヘリウムの供給口はチャンバー4の露光装置側の一端に設けるようにしても良い。また、窒素とヘリウムの比重を鑑み、チャンバー4内の流路を形成する上で重要な通気孔の位置が、窒素供給時とヘリウム供給時とで異なるようにしても良い。これには、開閉自在な通気孔を設け、供給するガスによって、通気孔の開閉を制御すると良い。
【0094】
なお、上記の置換方法は、チャンバー4の場合に限られるものではない。密閉状態の容器内のガスを置換するものであれば、広く適用することができ、後述するチャンバー26、ロードロック室31、36、外筒24、投影光学系13および筐体6内にガスを供給する際に用いても良い。また、空調ダクト23,25等へのガスの供給の際にも、上記の置換方法に基づくガスの供給を行っても良い。
【0095】
また、上記の置換方法は、ヘリウムと窒素の組み合わせに限られるものではなく、異なる比重のガスを順次供給するものであれば同様な効果を得ることができる。この場合の異なるガスとしては、例えば、最初に供給するガスを空気よりも軽いガスとし、後に供給するガスを空気よりも重いガスとしても、最初に密閉容器内に存在した気体を速やかに置換することができる。なお、供給するガスとしては、不活性ガスであることが望ましく、特に、真空紫外線域の露光光の光路周辺を囲む容器であった場合は、ヘリウムと窒素の組み合わせが望ましいことは前述のとおりである。
【0096】
さらに図1に戻り、本実施形態の露光装置の説明を続ける。
【0097】
図1において、ガス供給源57は、窒素ガス供給源57aとヘリウムガス供給源57bを有する。この2種のガスについては、F2レーザーの光に対して良好な透過率を示すものである。
【0098】
ガス供給源57は、不図示の切り替え弁により、窒素ガス供給源とヘリウムガス供給源とを切り替え、いずれかのガスを供給する。
【0099】
ガス供給源57からのガスは、配管58を介して、筐体6またはベローズ29に設けられたガス供給口59に導かれ、筐体6内を経由した後、筐体6の一端に設けられたガス排出口60からチャンバー6内に排出される。
【0100】
筐体6内のガス流路を図4を用いて説明する。図1及び図3と同じ要素については同じ番号を付け、説明は省略する。
【0101】
マスキングブレード301は、レチクル8の照明範囲を規定する矩形状の開口を有する。また、矩形状の開口寸法は、レチクルパターン及びレチクル8の位置に応じて不図示の駆動手段により駆動されることで、変更可能である。マスキングブレード301の上記矩形開口を形成する遮光板301'は、図3で述べたレチクル8との共役面219近傍に配置されている。集光レンズ302、305は、マスキンブブレード301で形成される矩形開口部の像を所定の倍率でレチクル8に投影する。従って、上述のごとく、図4の光学系は、図3に示した光学系と共に、レチクル8を照明する照明光学系の一部を形成している。
【0102】
ここで、筐体6内へのガスの供給は、前述したチャンバー4のガス供給方法とほぼ同様に行う。すなわち、まず、窒素ガス供給源57aにより、筐体6内に窒素ガスを供給し、その後、ヘリウムガス供給源57bにより、筐体6内にヘリウムガスを供給する。これにより得られる効果は、チャンバー4の場合とほぼ同様である。
【0103】
なお、遮光板301'は、不図示のガイドに沿って移動する構造であり、本実施例では非接触軸受である気体軸受を用いた場合について述べるが、これに限られるものではなく、ボールやローラを用いた転動型ガイド、あるいは摺動型ガイドを用いてもよい。
【0104】
集光レンズ302は、通気孔303を備えた支持台304に支持され、集光レンズ305は支持台306に支持されている。
【0105】
なお、ガス供給口59からの気体は、筐体6内を光路に沿って流れ、支持台4に設けられた通気孔303を経由して集光レンズ302と305の間の光路を経由後、ガス排出口60から排出される。筐体6内のガス流路の概念を図4中に矢印で示す。筐体6内の光学素子間を順次経由する流路を備えることで、光学素子間の雰囲気を効率よくガス置換することができる。
【0106】
また、本実施例においては、ガス排出口60から排出されるガスをチャンバー26内に直接流しているが、これに限られるものではない。筐体6からウエハ14までの光路に配置される光学系、例えば投影光学系13などにガス排出口60からのガスを導き、投影光学系内を経由後、チャンバー26内に排出してもよい。または、ガス排出口60から排出されるガスを直接回収しても良い。
【0107】
なお、図4に示した光学系は集光レンズ系を用いた結像光学系であるが、他に反射屈折型光学系あるいは反射型光学系を用いてもよい。
【0108】
さらに、マスキングブレード301の開口形状は、本実施例においては矩形を使用した場合について説明したが、他に所定の曲率を持った円弧状の開口であってもよい。
【0109】
また、本実施例においては、ガス供給口59は、筐体6の光源側の一端に設けられており、ガス排出口60は、筐体6のレチクル側の一端に設けられているが、これに限られるものではない。例えば、ガス供給口を筐体6のレチクル側の一端に設け、ガス排出口を筐体6の光源側の一端に設けても良い。特に、可動体であるマスキングブレードのある方を下流側としたほうが、筐体6内の雰囲気のガス純度等を考慮すると、望ましい場合がある。
【0110】
また、本実施形態によれば、窒素とヘリウムの供給口・排出口・通気孔は同じものを使用していたが、これに限るものではないことは、前述のチャンバー4の場合と同様である。また、窒素とヘリウムの比重を鑑み、筐体6内の流路を形成する上で重要な通気孔の位置が、窒素供給時とヘリウム供給時とで異なるようにしても良く、開閉自在な通気孔を設け、供給するガスによって、通気孔の開閉を制御しても良いことも前述のチャンバー4の場合と同様である。
【0111】
図1において、ガス供給源57からのガスは、配管61を介して、投影光学系13のウエハ側の一端に設けられたガス供給口62に導かれ、投影光学系13内を経由した後、投影光学系13のレチクル側の他端に設けられたガス排出口63からチャンバー26内に排出される。
【0112】
投影光学系13内のガス流路を図5を用いて説明する。図1及び図4と同じ要素については同じ番号を付け、説明は省略する。
【0113】
レチクル8に描かれたパターンは、レンズ402、405、408、411、414、417、420により、ウエハ14に縮小投影される。401は、上記レンズ群の鏡筒である。
【0114】
レンズ402は、ガス排出口63を備えた支持台404に支持されている。レンズ405は、通気孔406を備えた支持台407に支持されている。レンズ408は、通気孔409を備えた支持台410に支持されている。レンズ411は、通気孔412を備えた支持台413に支持されている。レンズ414は、通気孔415を備えた支持台416に支持されている。レンズ417は、通気孔418を備えた支持台419に支持されている。レンズ420及び上記支持台407、407、410、413、416、419は、鏡筒401に支持されている。
【0115】
ガス供給口62からの気体は、各支持台に設けられた通気口418、415、412、409、406を順次経由して、ガス排出口63から排出される。投影光学系13内のガス流路の概念を図4中に矢印で示す。投影光学系13内の光学素子間を順次経由する流路を備えることで、投影光学系13内の光学素子間の雰囲気を効率よくガス置換することができる。
【0116】
ここで、投影光学系13内へのガスの供給は、前述したチャンバー4のガス供給方法とほぼ同様に行う。すなわち、まず、窒素ガス供給源57aにより、投影光学系13内に窒素ガスを供給し、その後、ヘリウムガス供給源57bにより、投影光学系13内にヘリウムガスを供給する。これにより得られる効果は、チャンバー4の場合とほぼ同様である。
【0117】
なお、本実施例においては、ガス排出口63から排出されるガスをチャンバー26内に直接流しているが、これに限られるものではない。ガラス5(図1〜4)からウエハ14までの光路に配置される光学系、例えば筐体6(図1、図4)などにガス排出口63からのガスを導き、筐体6内を経由後、チャンバー26内に排出してもよい。または、ガス排出口63から排出されるガスを直接回収しても良い。
【0118】
また、本実施例においては、投影光学系13は、屈折型光学系を用いているが、他に反射屈折型光学系あるいは反射型光学系を用いてもよい。
【0119】
また、本実施形態によれば、窒素とヘリウムの供給口・排出口・通気孔は同じものを使用していたが、これに限るものではないことは、前述のチャンバー4の場合と同様である。特に、ヘリウムの比重を考慮すると、光軸が鉛直方向にある投影光学系内の置換を行うときは、供給口を投影光学系の上側に設け、排出口を下に設けることが望ましい。この場合、窒素の供給は投影光学系の下に設けられた供給口から行い、ヘリウムの供給は投影光学系の上に設けられた供給口から行うようにしても良い。また、窒素とヘリウムの比重を鑑み、投影光学系13内の流路を形成する上で重要な通気孔の位置が、窒素供給時とヘリウム供給時とで異なるようにしても良く、開閉自在な通気孔を設け、供給するガスによって通気孔の開閉を制御しても良いことも前述のチャンバー4の場合と同様である。
【0120】
ガス排出口60、63からチャンバー26内に排出されたガスは、チャンバー26の循環出口70から排出され、配管71を介して、気体循環系72の導入口73に導かれる。気体循環系72内で所定の流量に配分されたガスは、気体循環系72の分配口74a、74b、74c、74dからそれぞれ排出される。
【0121】
分配口74aから排出されたガスは、配管75aを介して、チャンバー26内のほぼ全体のガスをダウンフローにさせるダウンフローダクト76に導かれ、ダウンフローダクト76内のULPAフィルター76'を介してチャンバー26内に吹き出される。
【0122】
分配口74bから排出されたガスは、配管75bを介して、部分ダクト25に導かれ、前述のごとくレチクル8及び干渉計光路12'近傍の空間に吹きつけられる。
【0123】
分配口74cから排出されたガスは、配管75cを介して、外筒24の気体導入口41に導かれ、投影光学系13と外筒24との間の空間を経由した後、外筒24の開口部24'からチャンバー26内に排出される。
【0124】
分配口74dから排出されたガスは、配管75dを介して、部分ダクト23に導かれ、前述のごとくウエハ14及び干渉計光路18'近傍の空間に吹きつけられる。
【0125】
次に、気体循環系72内部について説明する。
【0126】
導入口73からのガスは、ガスを循環させるためのファン102にて送風される。方向切り替え弁103は、並列配置された第1清浄器104と第2清浄器105のいずれか一方にガスを送風するとともに、他方へのガスの流入を遮断する。方向切換え弁106も、第1清浄器104と第2清浄器105の内、送風されている側の流路を開口し、他方の流路を遮断する。従って方向切換え弁103と106は、常に同一の清浄器側の流路を開放し、他方の清浄器を遮断するように、不図示の弁駆動系にて操作される。
【0127】
ガス供給源107は、不活性ガスを供給し、本実施例では、ヘリウムガスもしくは窒素ガスを供給する。
【0128】
ガス供給源107からのガスは、第1清浄器104、第2清浄器105へそれぞれ配管108、109で供給される。開閉弁110は、第1清浄器104へのガスの供給を不図示の駆動系にてON/OFFする。開閉弁111は、第2清浄器105へのガス供給を不図示の駆動系にてON/OFFする開閉弁である。また、ガス排気機構112は、第1清浄器からのガスを配管113を介して、または、第2清浄器からのガスを配管114を介して、排気する。第1清浄器から排気機構112へのガスの流れは開閉弁115で、第2清浄器から排気手段112へのガスの流れは開閉弁116で不図示の駆動系を介してON/OFFする。
【0129】
第1清浄器104及び第2清浄器105の詳細について、図6を用いて説明する。
【0130】
図1と同じ要素については同じ番号を付け、説明は省略する。
【0131】
清浄器104、105は、パージガスから所定の物質を除去するため、オゾン・酸素除去機構501とケミカルフィルター504を具備している。
【0132】
オゾン・酸素除去機構501は、導入口からのガス中のオゾン・酸素を除去するため、内部構成としてオゾン変換機構502と酸素除去機構503を有している。
【0133】
オゾン変換機構502は、オゾン(O3)を酸素(O2)に変換するものであって、例えば活性炭素などを用いた化学反応による変換原理によって、オゾンを酸素に変換してオゾンを除去するものである。
【0134】
変換された酸素及びオゾン変換手段502を通過した酸素は、次の酸素除去機構502により除去される。酸素除去機構502は、鉄粉末、CaO及びCuメッシュなどを用いて、ガス中の酸素を接触させて化学反応(酸化)を起こすことにより、酸素を吸着除去するものである。また市販の高純度ガス精製器などを使用してもよい。
【0135】
チャンバー26内は、ヘリウムガスや窒素ガスによって置換されているため、酸素濃度及びオゾン濃度が極めて低い状態であるが、さらに残存する極微量(例えばppmオーダー以下)のオゾンと酸素を上記オゾン・酸素除去機構501により除去できる。
【0136】
ケミカルフィルター504は、パージガス中の不純物、具体的にはアンモニア(NH3)や有機ガスを除去するものである。
【0137】
一般に使用されるケミカルフィルターとしては、イオン交換型と活性炭型があるが、本実施例においては、セラミック多孔体型を用いる。
【0138】
このセラミック多孔体型ケミカルフィルターは、極めて湿度の低い(例えばppmオーダー以下)環境下においても高い不純物除去能力が維持されるものであり、清浄効率の観点ではセラミック多孔体型がより望ましい。
【0139】
しかし、上記セラミック多孔体型ケミカルフィルターは、一旦大気などの高湿度環境にさらすと水分(H2O)を吸着してしまい、その状態で装置を運転すると、水分を含んだガスをチャンバー26に供給してしまう恐れがある。
【0140】
そこで、以下の方法によりこの問題を防止する。
【0141】
前述の方向切換え弁103、106および開閉弁108、109、115、116の設定状態とガスの流れの関係を、図7を用いて説明する。
【0142】
図7(a)は、ファン102からのガスが第1清浄器104側を通過している状態を示す。なお、図1と同じ要素については同じ番号を付けている。
【0143】
図6(a)の状態では、切換え弁103,106はいずれも第2清浄器105側を閉じており、開閉弁110、115は閉じた状態である。このときの第1清浄器104側へのガスの流れを太い矢印で示す。
【0144】
一方、第2清浄器105に関しては、開閉弁111、116を閉じた状態では、第2清浄器105前後が閉じられた状態(不図示)になり、例えば第2清浄器105の交換作業やメンテナンス作業などが可能になる。また、本図に示すごとく、開閉弁111、116を開けると、ガス供給源107からの供給が始まるとともに、第2清浄器105を経由したガスがガス排気手段112に回収される。この場合のガスの流れを細い矢印で示す。
【0145】
このように第2清浄器105にガス供給器からのガスを流すことで、上述のごとく、第2清浄器105の交換作業やメンテナンス作業時に、第2清浄器105が大気に触れて酸素や水分など露光光を吸収する物質を吸着しても、ガス供給源107からのガスを供給することによって、第2清浄器が吸着した物質を低減することが可能である。さらに、第1清浄器104側は、第2清浄器105の交換作業中やメンテナンス中においてもガスを流すことができるため、装置の運転を停止することなく、上記作業を実施することができる。
【0146】
また、通常運転時中は、セラミック多孔体型ケミカルフィルター504は、水分除去フィルターとして機能しているため、例えば装置を所定時間運転したら清浄器を切り換えるようにし、使用していない清浄器(本図においては第2清浄器112)側の清浄性能を復帰させることも可能である。清浄性能の復帰程度の判定は、ガス供給源107のガスの通気時間で管理してもよいし、あるいは清浄器直後にガス検出器(不図示)を配置し、その検出結果に基いて行ってもよい。
【0147】
図7(b)は、前記(a)とは逆に、ファン102からのガスが第2清浄器105側を通過している状態を示す。ファン102からのガスの流し方、ガス共給器107からのガスの流し方および第1清浄器の交換作業等の状況は、前述の場合と逆となるので、説明は省略する。
【0148】
なお、本実施例においては、清浄器が2つ備えられた場合について述べたが、これに限るものではなく、清浄器を3つ以上備えてもよい。
【0149】
また、ガス供給源107からのガスは、図1に示すガス供給源51、57と同一のガスである方が望ましいが、装置性能に実質影響しないのであれば、ヘリウムガスか窒素ガスの内の異種のガスを用いてもよい。特に、本実施形態では、ガス供給源51、57は、ヘリウムガスと窒素ガスを切り替えて供給するので、ガス供給源107もヘリウムガスと窒素ガスとを切り替えて供給するようにしても良い。なお、ガス供給源57と107は、1つのガス供給源を兼用することも可能である。
【0150】
また、ガス供給源51,57がヘリウムガスと窒素ガスとを切り替えて用いるため、導入口から回収されたガスをヘリウムガスと窒素ガスに分離する機構を気体循環系72に設けても良い。
【0151】
以下、再び図1に戻り説明する。
【0152】
方向切換え弁106からのガスは、冷却器101で所定の温度に冷却後、所定の流量比率で加熱器117a〜117dに分配される。
【0153】
加熱器117aは、ダウンフローダクト76からの気体温度を検出する温度計77aの検出結果に基づき、制御装置78の指令により所定温度に制御される。
【0154】
加熱器117bは、部分ダクト25からの気体温度を検出する温度計77bの検出結果に基づき、制御装置78の指令により所定温度に制御される。
【0155】
加熱器117cは外筒24内のの気体温度を検出する温度計77cの検出結果に基づき、制御装置78の指令により所定温度に制御される。
【0156】
加熱器117dは部分ダクト23からの気体温度を検出する温度計77dの検出結果に基づき、制御装置78の指令により所定温度に制御される。
【0157】
ここで、各ダクトへのガスの供給は、前述したチャンバー4のガス供給方法と同様に、行う。すなわち、まず、各ダクトに窒素ガスを供給し、その後、各ダクトにヘリウムガスを供給する。これにより得られる効果は、チャンバー4の場合とほぼ同様である。
【0158】
なお、前述のガス供給源57からのガスは、予めガス供給源57内で所定温度に制御されてもよいし、配管58、61が上述のごとく温度制御された空間を経由してガス供給口59、62に到達する間に所定温度になるよう配管経路を決定してもよい。
【0159】
図1において、高圧ガス供給装置79は、チャンバー26内のガスの一部を配管80にて回収し、所定のガス圧力に上昇させた後、配管81aを介してウエハーステージ15の気体軸受(不図示)へ、配管81bを介してレチクルステージ9の気体軸受(不図示)へ、そして配管81cを介してマスキングブレード301(図4)の気体軸受(不図示)へそれぞれ供給する。チャンバー26内のパージガスである不活性ガスを気体軸受の作動流体として用いることで、チャンバー26内の環境は、所定の状態に維持することができる。
【0160】
次に、図8を用いて高圧ガス供給装置79の内部概略構成を以下に述べる。
【0161】
配管80からのガスの圧力を圧力ゲージ701で検出し、制御装置78(図1)でコントロールバルブ702を制御することで、所定流量に制御する。コントロールバルブで所定の流量に制御されたガスは、回収ポンプ703を通って、バッファータンク704によりガスが貯められ、そして圧縮機705にて所定圧力に加圧され、配管81a〜81cに流される。また、圧力ゲージ701とコントロールバルブ702の間でガス流路は分岐され、排気ポンプ706にて排気される。この排気量は、バッファータンク704に設けた圧力ゲージ707の検出結果に応じて、排気の必要が生じた時に、マスフローコントローラ708によって制御される。なお、マスフローコントローラ708は、圧力ゲージ707の検出結果により、制御装置78(図1)によって、制御される。
【0162】
上記構成によれば、チャンバー26内の気圧は、常に一定の圧力に制御することが可能である。これにより、気圧変動の影響を受けやすい光学特性、例えば投影光学系13(図1)の性能の維持を可能にする。
【0163】
また、チャンバー26内の気圧と外気圧との相対圧力差を所定の値に維持することも可能である。この場合は、圧力ゲージ701を差圧計にして、配管80内(つまりチャンバー26内)の圧力と外気との圧力差を検出することで達成できる。
【0164】
さらに、チャンバー26内とチャンバー4内の相対気圧差を所定の値に維持することも可能である。この場合は、上述の差圧計で配管80内(つまりチャンバー26内)とチャンバー4内の相対気圧差を検出することで達成できる。
【0165】
図1において、ガス供給源57からのガスは、配管82を介して、ウエハ用のロードロック室36に供給され、内部を置換しながら配管83を介して排気機構86に排気される。同様に、ガス供給源57のガスは配管84を介してレチクル用のロードロック室31に供給され、内部を置換しながら配管85を介して排気機構86に排気される。
【0166】
なお、ガス供給のタイミングについては、ゲートバルブ32もしくは37が開けられ、レチクルやウエハが支持台34、39に載置された後、ゲートバルブ32,37が閉じられ、その後、ガス供給源に備えられたバルブ(不図示)と排気機構86内に備えられたバルブ(不図示)とを制御装置78の指令によって開放しておこなわれる。
【0167】
ロードロック室31、36内が所定の状態になったら制御装置78の指令によりバルブを閉じてガス供給を停止する。更に、ゲートバルブ33及び38を開け、搬送手段35及び40によりレチクル8及びウエハ14が装置内に搬入される。
【0168】
レチクル8もしくはウエハ14を装置外に搬出する場合は、ゲートバルブ32,33,37,38が閉じられた状態でガス供給が開始され、各々のロードロック室内が所定の状態に達した所でガス供給を停止する。次にゲートバルブ33、38を開け、搬送手段35、40にてレチクル8及びウエハ14を装置から搬出し、ロードロック室31、39内の支持台34、39に載置する。載置後、ゲートバルブ33,38は閉じられ、今度はゲートバルブ32、37を開けてレチクル8、ウエハ14を不図示の手段で取出す。
【0169】
上記説明においては、レチクル8とウエハ14の装置への搬入及び搬出を同時に述べたが、レチクル8とウエハ14の搬入、搬出を個別に行ってもよいのは言うまでもない。
【0170】
またロードロック室31、36をガス置換するのは、ゲートバルブ33,38を開けた時に、チャンバー26内の環境に影響を与えないようにするためのものであって、これは周知の通りである。
【0171】
ここで、ロードロック室31,36内へのガスの供給は、前述したチャンバー4のガス供給方法と同様に行う。すなわち、まず、窒素ガス供給源57aにより、ロードロック室31,36内に窒素ガスを供給し、その後、ヘリウムガス供給源57bにより、ロードロック室内にヘリウムガスを供給する。これにより得られる効果は、チャンバー4の場合とほぼ同様である。また、本実施形態によれば、ロードロック室31,36へのガスの供給口は、窒素の場合もヘリウムの場合も同じものを使用していたが、これに限るものではないことは、前述のチャンバー4の場合と同様である。特に、窒素とヘリウムのそれぞれの比重やロードロック室内での対流の違いなどを考慮して、ガス供給口やガス排出口をそれぞれ設けても良い。
【0172】
さらに、レチクル8のパターン面へのゴミの付着防止の目的でペリクル(不図示)を使用する場合、レチクル8とペリクルとペリクルを支持するためのペリクルフレーム(不図示)とで囲まれた空間もパージガス置換するのが望ましく、均圧孔付ペリクルフレーム(ペリクルフレーム内外を連通させる通気孔付)を使用するのが望ましい。
【0173】
排気口87は、チャンバー26内のガスを排気するための排気口である。
【0174】
装置の運転を開始する際、チャンバー26内部及び気体循環系72内は大気状態である。
【0175】
従って、装置立上げ時は、ガス供給源57から投影光学系13及び筐体6へのガス供給を開始するとともに、排気口87から配管88を介して、排気機構86への排気も行う。この排気動作のON/OFFは、排気手段86内に備えたバルブ(不図示)を、制御装置78で制御することで行う。
【0176】
チャンバー26内及びこの循環系が所定の置換状態に達したら、排気口87からの排気を停止し、露光動作可能状態になる。
【0177】
排気口87からの排気を停止するタイミングの判断は、排気開始から所定時間に達したかどうかで制御装置78が自動で判断して排気停止指令を送ってもよいし、チャンバー26内もしくはその循環系内の所定箇所にガス検出計(不図示)を配置し、その検出結果に基づき制御装置78が自動で判断して排気停止指令を送ってもよい。
【0178】
また、装置の運転を開始する際に、チャンバー4及び26の置換状態をより短時間で所定状態にしたい場合、あるいはロードロック室31及び36内はレチクルやウエハ交換毎に大気開放と置換状態を繰り返すものであるため、より短時間で置換を終了しスループットを向上させる場合は、真空ポンプを用いて排気手段56、86から大気を強制排気して、チャンバー4,26内およびロードロック室31,36内を真空にした後に上述した方法でガスパージを行っても良い。この場合は、チャンバー4,26およびロードロック室31,36は、真空状態時における変形が装置性能に影響しないよう十分な剛性が必要となる。
【0179】
図1の実施例においては、可動部材27、28、29を用いているため、真空時にチャンバー4、26の変形が生じたとしても、隣接する構成要素の変形が直接伝わるのを防止している。
【0180】
なお、チャンバー内およびロードロック室内を真空状態にした後にガス供給するこの一連の動作は、必要であれば複数回繰り返してもよい。真空引きを1回のみ行ってパージする場合に比べて複数回繰り返せば、チャンバー内およびロードロック室内の到達真空度が相対的に低真空(絶対圧が高い)で済み、真空ポンプや真空対応部品のコストが大幅に軽減できる。本発明の置換方法では、最後の真空引きが終わってからヘリウムを導入することとし、その前のパージには窒素を用いることが望ましい。
【0181】
さらに、図1の実施形態によれば、チャンバー4内部をメンテナンス等で大気に開放する場合でも、チャンバー26側は、パージ状態を維持することが可能で、その反対にチャンバー26内部を大気開放する場合でもチャンバー4側は、パージ状態を維持することが可能である。
【0182】
<半導体生産システムの実施例>
次に、半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行うものである。
【0183】
図9は全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、1101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダー(装置供給メーカー)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所1101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム1108、複数の操作端末コンピュータ1110、これらを結ぶんでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)1109を備える。ホスト管理システム1108は、LAN1109を事業所の外部ネットワークであるインターネット1105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0184】
一方、1102〜1104は、製造装置のユーザーとしての半導体製造メーカーの製造工場である。製造工場1102〜1104は、互いに異なるメーカーに属する工場であっても良いし、同一のメーカーに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場1102〜1104内には、夫々、複数の製造装置1106と、それらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)1111と、各製造装置1106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム1107とが設けられている。各工場1102〜1104に設けられたホスト管理システム1107は、各工場内のLAN1111を工場の外部ネットワークであるインターネット1105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN1111からインターネット1105を介してベンダー1101側のホスト管理システム1108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム1108のセキュリティ機能によって限られたユーザーだけがアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット1105を介して、各製造装置1106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダー側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダー側から受け取ることができる。各工場1102〜1104とベンダー1101との間のデータ通信および各工場内のLAN1111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する変わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダーが提供するものに限らずユーザーがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザーの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0185】
さて、図10は本実施形態の全体システムを図9とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザー工場と、該製造装置のベンダーの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダーの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダーの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、1201は製造装置ユーザー(半導体デバイス製造メーカー)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として露光装置1202、レジスト処理装置1203、成膜処理装置1204が導入されている。なお図10では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN1206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム1205で製造ラインの稼動管理がされている。一方、露光装置メーカー1210、レジスト処理装置メーカー1220、成膜装置メーカー1230などベンダー(装置供給メーカー)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行なうためのホスト管理システム1211,1221,1231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザーの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム1205と、各装置のベンダーの管理システム1211,1221,1231とは、外部ネットワーク1200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダーからインターネット1200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0186】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインターフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図11に一例を示す様な画面のユーザーインターフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種(1401)、シリアルナンバー(1402)、トラブルの件名(1403)、発生日(1404)、緊急度(1405)、症状(406)、対処法(407)、経過(408)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザーインターフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能(1410〜1412)を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダーが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。ここで、保守管理システムが提供する保守情報には、上記説明したチャンバー内の酸素濃度に関する情報も含まれ、また前記ソフトウェアライブラリはガス供給装置の切り替えやチャンバー内の酸素濃度の制御等を実現するための最新のソフトウェアも提供する。
【0187】
次に上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図12は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0188】
図13は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0189】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の露光装置によれば、第1の気体をチャンバーに供給した後に第2の気体をチャンバーに供給するため、従来と比較して、チャンバー内に最初に存在していた気体の濃度を速やかに低下させることができる。
【0190】
これにより、露光装置のスループット向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の露光装置の全体構成図である。
【図2】本発明の置換方法による酸素濃度及び窒素濃度の時間変化を示す図である。
【図3】図1の部分的な構成説明図である。
【図4】図1の部分的な構成説明図である。
【図5】図1の部分的な構成説明図である。
【図6】図1の部分的な構成説明図である。
【図7】図1の部分的な構成説明図である。
【図8】図1の部分的な構成説明図である。
【図9】コンピュータネットワークの全体システムの概略図である。
【図10】コンピュータネットワークの全体システムの概略図である。
【図11】表示装置の表示画面を示す図である。
【図12】半導体デバイス製造プロセスのフロー図である。
【図13】ウエハプロセスフロー図である。
【図14】密閉容器内のシミュレーションモデルを示す図である。
【図15】重力を考慮しない場合の密閉容器内の大気濃度のシミュレーション結果を示す図である。
【図16】重力を考慮しない場合の密閉容器内各所の大気濃度の時間変化を示す図である。
【図17】重力を考慮した場合の密閉容器内の大気濃度のシミュレーション結果を示す図である。
【図18】重力を考慮した場合の密閉容器内各所の大気濃度の時間変化を示す図である。
【図19】重力を考慮した場合の別の密閉容器内の大気濃度のシミュレーション結果を示す図である。
【図20】重力を考慮した場合の別の密閉容器内各所の大気濃度の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
A 酸素濃度
B 窒素濃度
Tn2 窒素供給時間
Th2 ヘリウム供給時間
Claims (11)
- チャンバーと、
該チャンバー内に第1の気体を供給する第1の供給装置と、
該チャンバー内に該第1の気体とは別の第2の気体を供給する第2の供給装置と、該第1の供給装置と該第2の供給装置とを切り替えて該チャンバーにいずれかの気体を供給する切り替え機構と、
を有し、
前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第2の気体の流路が異なり、
前記チャンバー内への前記第1の気体の供給口と、前記チャンバー内における前記第2の気体の供給口が異なることを特徴とする露光装置。 - チャンバーと、
該チャンバー内に第1の気体を供給する第1の供給装置と、
該チャンバー内に該第1の気体とは別の第2の気体を供給する第2の供給装置と、該第1の供給装置と該第2の供給装置とを切り替えて該チャンバーにいずれかの気体を供給する切り替え機構と、
を有し、
前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第2の気体の流路が異なり、
前記チャンバー内への前記第1の気体の排出口と、前記チャンバー内における前記第2の気体の排出口が異なることを特徴とする露光装置。 - チャンバーと、
該チャンバー内に第1の気体を供給する第1の供給装置と、
該チャンバー内に該第1の気体とは別の第2の気体を供給する第2の供給装置と、該第1の供給装置と該第2の供給装置とを切り替えて該チャンバーにいずれかの気体を供給する切り替え機構と、
を有し、
前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第2の気体の流路が異なり、
前記チャンバー内の前記第1の気体の通気孔の配置と、前記チャンバー内の前記第2の気体の通気孔の配置が異なることを特徴とする露光装置。 - 前記第1の気体および前記第2の気体は、実質的に酸素を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の露光装置。
- 前記第1の気体は、不活性ガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
- チャンバーに第1の気体を供給し、
該第1の気体の供給後、該チャンバーに第1の気体とは別の第2の気体を供給し、
前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第2の気体の流路が異なり、
前記チャンバー内への前記第1の気体の供給口と、前記チャンバー内における前記第2の気体の供給口が異なることを特徴とするガス置換方法。 - チャンバーに第1の気体を供給し、
該第1の気体の供給後、該チャンバーに第1の気体とは別の第2の気体を供給し、
前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第2の気体の流路が異なり、
前記チャンバー内への前記第1の気体の排出口と、前記チャンバー内における前記第2の気体の排出口は異なることを特徴とする請求項8に記載のガス置換方法。 - チャンバーに第1の気体を供給し、
該第1の気体の供給後、該チャンバーに第1の気体とは別の第2の気体を供給し、
前記チャンバー内における前記第1の気体の流路と、前記チャンバー内における前記第 2の気体の流路が異なり、
前記チャンバー内の前記第1の気体の通気孔の配置と、前記チャンバー内の前記第2の気体の通気孔の配置が異なることを特徴とするガス置換方法。 - 前記第1の気体および前記第2の気体は、実質的に酸素を含まないことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のガス置換方法。
- 前記第1の気体は、不活性ガスであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のガス置換方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の露光装置を用いて半導体デバイスを製造することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
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