JP3977078B2 - 干渉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触にて物体の位置変動を検出する干渉測長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に従来式の光源に半導体レーザーを使用した干渉計の概略図を示す。半導体レーザー1aから射出されたレーザー光束20はコリメーターレンズ2aで平行光とされ偏光ビームスプリッター4に入射し測定光20aと20bに分割される。光束20aは1/4λ板5bを透過し集光レンズ6で集光光束とされ被測定物7で集光される。一方偏光ビームスプリッター4で反射された光束20bは参照光として1/4λ板5aを透過しリファレンスミラー8で反射される。それぞれ被測定物7、リファレンスミラー8で反射された光束は再び1/4λ板を透過し今度リファレンス光は透過し、測定光は反射し合波光束21となって1/4λ板5cに入射する。光束21は測定光の帰り光の偏光情報のみ変調されているので1/4λ板5cを透過した光束は回転する直線偏光となる。その後光束は非偏光ビームスプリッター10に入射し光束22、23に分割される。その後それぞれ互いに45度光学軸を傾けた偏光板11a、11bを光束が通過することにより、図6に示すごとく互いに90度位相の異なる正弦波信号(以後A相信号、B相信号と呼ぶ)がセンサー12a、12bで検出されることになる。被測定物の変位によって光束21の偏光方向が回転するので被測定物の変位に応じてλ/2で一周期のサイン信号が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例に示したような干渉を用いた変位計は例えば機械加工で製作した回転する軸等を測定する。散乱部分にレーザー光を照射すると反射光に様々な位相の光束が混在することに起因するスペックルパターンが生じる。スペックルパターンは光の粒状パターンであるがスペックルパターンとリファレンス光を干渉させた場合スペックルそれぞれの干渉信号はランダムな位相を持つためセンサー上の干渉光信号は平均化され、いわゆるドロップアウトという状態になる。センサーからのA相B相正弦波信号は、A相信号、B相信号をカウンターでカウントしたカウント値とA相B相の位相情報で変位に計算される。つまりドロップアウト時には変位情報計算に必要なカウンター値が更新されないので信号復活時に、被検物体がカウンター作動距離以上の変位をすると、その分は誤差となる。回転体では毎週同一部分でドロップアウトが生じ、また軸の挙動は回転に同期した軸ぶれが大部分を占めるためドロップアウト時に軸はほぼ同じ様な挙動を示す。よって毎週ドロップアウト時の誤差は累積され無限にずれていく。上記示したように回転体の測定では誤差が無限に累積していくという問題を抱えていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面としての干渉計は、マルチモード半導体レーザー光源と、該マルチモード半導体レーザー光源が発する光束を2つの光束に分割し一方の光束をリファレンスミラーに照射し他方の光束を移動体に照射する第一の光束分割手段と、前記リファレンスミラーからの反射光束と前記移動体からの反射光束とを合波して得られる干渉光束を複数の光束に分割する第二の光束分割手段と、前記第二の光束分割手段によって分割されたそれぞれの光束を受光する受光手段とを有する干渉計であって、前記干渉光束光路中に設けられ、前記合波して得られる干渉光束のうち特定波長の光束のみを抽出し前記受光素子に導光するためのバンドパスフィルターと、前記マルチモード半導体レーザー光源からの光束を前記第一の光束分割手段へ導光するマルチモードファイバーと、を有する。
また、本発明の別の一側面としての干渉計は、スーパールミネッセンスダイオードと、該スーパールミネッセンスダイオードが発する光束を2つの光束に分割し一方の光束をリファレンスミラーに照射し他方の光束を移動体に照射する第一の光束分割手段と、前記リファレンスミラーからの反射光束と前記移動体からの反射光束とを合波して得られる干渉光束を複数の光束に分割する第二の光束分割手段と、前記第二の光束分割手段によって分割されたそれぞれの光束を受光する受光手段とを有する干渉計であって、前記干渉光束光路中に設けられ、前記合波して得られる干渉光束のうち特定波長の光束のみを抽出し前記受光素子に導光するためのバンドパスフィルターを有する。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例に係る半導体レーザーを使った小型干渉計の概略構成である。図中、従来例と同様の部材には同じ符番を付してある。
【0006】
中心波長λのマルチモード半導体レーザー1aから射出されたレーザー光束20aはレンズ2aで集光光束となりマルチモードファイバー30に導かれ、マルチモードファイバー30を通過した後、レンズ2bに入射する。光束20aはレンズ2bにより平行光束となり、偏光ビームスプリッター3bでP波とS波に分離され、一方の光束は参照光束21となり1/4λ波長板5aを透過して反射ミラー4で反射される。一方、偏光ビームスプリッター3bを透過した光束は測定光束22として1/4λ波長板5bを透過して集光レンズ6で集光光束となり被検物体7に照射される。このとき測定光22は被検物体の反射面7に集光するようにしてある。反射面7で反射された光束22は反射後再びもとの光路を通りビームスプリッター3bにより反射される。一方参照光束21は反射後もとの光路を通り今度はビームスプリッター3bを透過し測定光と合波され光束23となる。光束23はその後、非偏光ビームスプリッター8に入射し反射光は光束24、透過光は光束25となる。
【0007】
このとき光束22の集光点を参照光束21が反射される反射面6と波動光学的な等光路長になるように集光レンズ6のパワーを設定しておけば、低コヒーレンシー光源を利用した干渉計として最大の効果を発揮する。つまり波面で考えると、干渉信号が最大のコントラストの位置で、被検物体の反射面7からの反射光と、リファレンス光としての反射面4からの戻り光は両方とも平行光として合波されるため、のちに構成する光電センサーでは最大の信号が得られる。
【0008】
光束24はλ1の波長のみを透過するバンドパスフィルター13aを透過することで、λ1の情報のみを抽出する。波長λ1の光束は1/4λ板9aを透過することで直線偏光となり、偏光情報は被検物体7の変位に基づいて偏光方向が回転する。回転する直線偏光の光束24はその非偏光ビームスプリッター10aで分割され、透過光は偏光板11a、反射光は偏光板11bを透過することにより光の明暗信号となりそれぞれ光電センサー12a、12bで受光されてその出力信号は被検物体の移動に伴い1/2λ1移動に対して1周期のサイン波の電気信号となる。波長板12a、12bはそれぞれ偏光軸が45度傾いて設置してあり光電センサー12a、12bからのサイン信号は90度位相の異なる信号(以後A相、B相となる。一方非偏光ビームスプリッター8を透過した光束25はλ2の波長のみを透過するバンドパスフィルター13bを透過することでλ2の情報のみを抽出する。以後1/4λ板13bを透過し、光束24と同様に非偏光ビームスプリッター10bで2分割された後、偏光板11c、11dをそれぞれ透過し光電センサー12c、12dに入射する。この場合、電気信号は被検物体の移動に伴い1/2λ2移動に対して1周期のサイン波の電気信号となる。やはり11c、11dは偏光軸を互いに45度傾けて設置してあるので、やはりA相、B相の90度位相の異なるサイン信号となる。ここで図3において抽出するλ1及びλ2に関する説明を行う。
【0009】
光源1aはマルチモード半導体レーザーであるので波長スペクトルは細いスペクトル線の集合体としてλを中心として約3nmの幅を持つ。この光源光として分散効果を持つマルチモードファイバーを通すことで輝線スペクトルの集合体であるマルチモードレーザーのスペクトルを図3のごとくガウシアン分布のなだらかなスペクトルに変換している。この光束の干渉光を透過スペクトルλ1のフィルター13aを通すことで波長λ1の干渉情報のみ抽出して光束24としている。光束25は透過スペクトルλ2のフィルター13bで波長λ2の干渉情報のみ抽出している。マルチモードレーザーを光源とする光束がマルチモードファイバーを透過することでスペクトルを分散させてなまらせた光束を得ることができる。そして、バンドパスフィルターを介して特定の輝線スペクトルを抽出するとシングルモードレーザーに近い特性光束が得られることは知られているが、本実施例でも同様の特定波長抽出方法を使用することで、干渉計としての干渉距離を格段に伸ばすことに成功している。しかも、その光源はマルチモードレーザーであるのでモードホップによるノイズの影響も受けないで安定した測定を可能にしている。
【0010】
たとえば20μmの軸ぶれをしているφ4mmの軸で0.5mm幅の傷や面欠陥があるものを測定する場合、0.5mm幅の傷で信号ドロップアウトを生じたときに、外周の1/25の部分で信号が欠落することになる。これはドロップアウト時に約2μm変位する可能性を意味する。つまり4μmの測定範囲で2波長λ1λ2から得られるサイン信号の位相が同じ状態にならない信号を出力すれば、ドロップアウトを生じても、ドロップアウトから回復した時点で再び正しい値で測定が開始できることになる。
【0011】
つまり、本発明の変位計では幅4μmの範囲でλ1、λ2の波長を持つ光より得られるサイン信号の位相が重ならないようにλ1、λ2を設定すれば、すなわち
λ1×{λ1÷(λ2−λ1)}/2≧4μmであれば高精度回転軸測定を容易に可能とする。本発明の実施例ではマルチモードレーザー光のスペクトル幅の中から2波長を抽出するため近接した2波長を抽出することができる。
【0012】
具体的にはλ1=649nm、λ2=651nmとするとセンサー12a、12bからの出力は649/2=324.5nmの正弦波信号が出力される。センサー12c、12dからの出力は651/2=325.5nmとなる。両サイン信号の位相が同じ状態になるのは約±105μm先であるので上記式を十分満たし、ドロップアウト後信号が復活しても、正しい位置信号を出力できることがわかる。
【0013】
さらに、光源をペルチェ素子等で温度調整すれば、安定した波長λ1、λ2が得られる干渉信号が同一レベルに保つことができる。さらに光電センサー11a、11b、11c、11dの信号レベルをモニターし、バンドパスフィルター13a、13bの透過光量が等しくなるようにペルチェ素子にフィードバックをすればさらに安定した波長λ1、λ2を得て干渉信号を同一レベルに安定させることできる。
【0014】
また、光源はSLED(スーパールミネッセンスダイオード)でも同様の効果が得られる。
【0015】
また、干渉膜フィルターはファイバーグレーティングを利用したフィルターでも同様の効果が得られる。分波に関しては本実施例では非偏光ビームスプリッターおよびバンドパスフィルターで波長を抽出しているが、これを周知なAWG(Arrayed Wave Guide)を利用しても同様にλ1λ2の波長の光を抽出することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明が提案する干渉計は、光源に低コヒーレンシー光源を使用し、光束を光透過部材内にて2つの光束に分割し、一方の光束(測定光束)を光学ヘッドに固設したリファレンスミラーにて照射させ、他方の光束を移動あるいは変位する測定対象物に照射させ、それぞれの反射光束を前記透過部材内にて合波させて干渉光束を得て特定の波長光のみが透過する波長選択フィルターで特定波長光を抽出し受光素子で検出するという構成を採用する。この構成を採用によって光源にマルチモード半導体レーザーを採用することができるため、所謂モードホップによるノイズの影響を受けない光源手段が採用でき、且つ測定面上の傷等によるドロップアウトが生じても信号復活時に正しい位置出力をすることが可能な干渉計を実現できる。また、波長選択フィルターを介して特定の輝線スペクトルを抽出することでシングルモードレーザーに近い特性の計測光束が得られ、かつ、干渉計としての干渉距離を格段に伸ばすことができる。さらに光源を温調することにより複数波長が常に同一レベルで出力することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態例の干渉計の概略図
【図2】本発明による実施形態例の干渉計の出力信号を示す概略図
【図3】本発明による実施形態例の干渉計に使用された光源の発光波長スペクトル説明図
【図4】本発明による実施形態例の干渉計に使用されたバンドパスフィルターの透過特性図
【図5】従来の干渉計の概略図
【図6】従来の干渉計の出力信号を示す概略図
【符号の説明】
1a 半導体レーザー
2a、2b コリメーターレンズ
3b、4 偏光ビームスプリッター
5a、5b、5c、9a、9b 1/4λ板
6 集光レンズ
7 被測定物
8、10、10a、10b 非偏光ビームスプリッター
11a、11b、11c、11d 偏光板
12a、12b、12c、12d 光電センサー
20a、20b、20、21、22、23、24、25 光束
30 マルチモードファイバー
Claims (5)
- マルチモード半導体レーザー光源と、該マルチモード半導体レーザー光源が発する光束を2つの光束に分割し一方の光束をリファレンスミラーに照射し他方の光束を移動体に照射する第一の光束分割手段と、前記リファレンスミラーからの反射光束と前記移動体からの反射光束とを合波して得られる干渉光束を複数の光束に分割する第二の光束分割手段と、前記第二の光束分割手段によって分割されたそれぞれの光束を受光する受光手段とを有する干渉計であって、
前記干渉光束光路中に設けられ、前記合波して得られる干渉光束のうち特定波長の光束のみを抽出し前記受光素子に導光するためのバンドパスフィルターと、
前記マルチモード半導体レーザー光源からの光束を前記第一の光束分割手段へ導光するマルチモードファイバーと、を有する干渉装置。 - スーパールミネッセンスダイオードと、該スーパールミネッセンスダイオードが発する光束を2つの光束に分割し一方の光束をリファレンスミラーに照射し他方の光束を移動体に照射する第一の光束分割手段と、前記リファレンスミラーからの反射光束と前記移動体からの反射光束とを合波して得られる干渉光束を複数の光束に分割する第二の光束分割手段と、前記第二の光束分割手段によって分割されたそれぞれの光束を受光する受光手段とを有する干渉計であって、
前記干渉光束光路中に設けられ、前記合波して得られる干渉光束のうち特定波長の光束のみを抽出し前記受光素子に導光するためのバンドパスフィルターを有する干渉装置。 - 前記マルチモード半導体レーザー光源に光源温度調節手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の干渉装置。
- 前記光源温度調節手段はペルチェ素子であることを特徴とする請求項3記載の干渉装置。
- 前記バンドパスフィルターは、前記第二の光束分割手段から前記受光手段までの光路中に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の干渉装置。
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