JP3977526B2 - ブリスター包装容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被包装体を外側から見えるように透明なブリスター部材によって包装するブリスター包装容器の製造方法に関し、特に、被包装体として蒸散性物質を含む内包物を包装するためのブリスター包装容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被包装体である内包物が外側から容易に確認できる包装容器として、ブリスター包装容器が広く一般的に知られている。このブリスター包装容器は、シール部材となる台紙上に載置された内包物を、該内包物の形状に合わせて成形された光透過性を有する熱可塑性樹脂からなるブリスター部材を熱接着したものである。
【0003】
上記ブリスター部材を、台紙上に熱接着するには、主としてヒートシールを用いる方法(以下、ヒートシール方法と称する)やインパルスシールを用いる方法(以下、インパルスシール方法と称する)がある。
【0004】
上記ヒートシール方法は、ブリスター部材の接着面とは反対側から台紙全面を加熱することにより、ブリスター部材と台紙とを熱接着するシール方法である。一方、上記インパルスシール方法は、ブリスター部材の形状に沿って形成された接着部分を瞬間的に加熱して、台紙とブリスター部材とを熱接着するシール方法である。
【0005】
しかしながら、上記ヒートシール方法では、台紙全面を加熱することから、台紙に含まれる水分が飛んで反ったり、ブリスター部材が熱収縮を起こしたりして、熱接着後のブリスター包装容器が変形する虞がある。
【0006】
これに対して、上記インパルスシール方法では、加熱されるのがブリスター部材の接着部分のみであり、しかも加熱が瞬間的に行われるので、ヒートシール方法の場合のように、ブリスター包装容器は変形しない。
【0007】
しかしながら、上記インパルスシール方法により得られたブリスター包装容器では、一般に、ガスバリヤー性を考慮しないでも良い内包物、例えば歯ブラシ等を包装するために使用されるので、台紙には、ガスバリヤー性の低いもの、すなわち一般的に使用されている紙基材にニスを塗布した台紙が使用されている。
【0008】
このため、インパルスシール方法によって得られたブリスター包装容器では、ガスバリヤー性を必要とする内包物、すなわち蒸散性物質を有する内包物を包装することができないという問題が生じる。
【0009】
そこで、ガスバリヤー性を有する包装体として、例えば実公昭62−7568号公報には、紙基材上に形成されたアルミニウム箔ないしアルミニウム蒸着層上に、さらにヒートシール剤層が形成された台紙を用いて、該台紙上のヒートシール剤層とブリスター部材とを熱接着してなる『ブリスター包装体』が開示されている。
【0010】
また、アルミニウムを使用しないガスバリヤー性を有する包装体として、例えば特開平7−256811号公報には、紙基材上の凹凸を平滑にする目止め剤層と、この目止め剤層の上に酸化ケイ素の蒸着層を形成した台紙を用いた『包装用素材』が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実公昭62−7568号公報に開示された『ブリスター包装体』では、台紙にバリヤー性を持たせるために用いられているアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層は高価であり、しかもアルミニウムへの印刷の自由度が低いという問題が生じる。
【0012】
また、特開平7−256811号公報に開示された『包装用素材』では、該包装用素材を透明基材とした場合、高価なものとなるので、この包装用素材を利用して得られる包装体自体が高価なものとなってしまうという問題が生じる。
【0013】
本発明は、上記の各問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ヒートシール方法のように変形がなく、安価で、バリヤー性を有するブリスター包装容器の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、バリヤー性を有するシール部材と、バリヤー性を有するブリスター部材とをインパルスシールにより接着することにより、安価で、変形がなく、しかもバリヤー性の優れたブリスター包装容器が得られることを見いだした。
【0015】
すなわち、ブリスター包装容器の製造方法は、上記の課題を解決するために、被包装体の外形状に沿って成形されたバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂からなるブリスター部材と、紙基材上に、上記ブリスター部材との接着層となるバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層を設けたシール部材とを、上記被包装体がブリスター部材に収容された状態で、加熱部が不連続に形成されているとともに、不連続部において上記各加熱部の端部間に熱良導体を配置したヒータを用い、インパルスシールにより上記ブリスター部材の被包装体の収容部分の外側部近傍で連続的に接着することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、バリヤー性を有するブリスター部材とシール部材とを用い、さらに、ブリスター部材とシール部材とを、インパルスシールを用いて該ブリスター部材の外側部近傍で連続的に接着されているので、ブリスター包装容器における気密性を高めることができる。
【0017】
また、上記の構成によれば、ヒータの構成部材、例えばニクロム線等を少なくすることができるので、ブリスター包装容器の製造装置を安価に作成することができる。この場合、ヒータの非加熱部に対応するブリスター部材とシール部材との接着部分には、ヒータの非加熱部の両端部の加熱部から熱が供給される。これにより、ブリスター部材とシール部材との接着部分は連続したものとなり、ブリスター包装容器の気密性は保たれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0019】
本実施の形態に係るブリスター包装容器は、図1(a)(b)に示すように、バリヤー性を有し、且つ光透過性を有する(曇価20以下)熱可塑性樹脂層が表面に形成されたシール部材としての台紙1と、バリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂からなり、被包装体である内包物3を収納するためのブリスター部材2とが接着された構成となっている。すなわち、上記ブリスター包装容器によれば、内包物3は外部から見えるように包装された状態となっている。
【0020】
上記の台紙1およびブリスター部材2のバリヤー性とは、ガス及びまたは液状物の透過を抑制する性質のことを示し、特にガスの透過を抑制する用途において好適に用いられるものである。
【0021】
上記ブリスター部材2は、内包物3を収納するために該内包物3の形状に沿って形成された収容部2aと、この収容部2aの外周縁(外側部近傍)に沿って形成された平面状のつば部2bとで構成されている。このつば部2bは、台紙1に対する接着部となり、その一部は該台紙1と接着されておらず、接着されたブリスター部材2を台紙1から剥がすための把手部2cとなる。
【0022】
したがって、上記構成のブリスター包装容器では、把手部2cを台紙1から離すよう持ち上げることで、つば部2bを該台紙1から剥がし、収納された内包物3を取り出すようになっている。
【0023】
ここで、上記台紙1とブリスター部材2のつば部2bとの接着機構について図2を参照しながら以下に説明する。なお、台紙1およびブリスター部材2における各層の層厚は実際にはそれぞれ異なるが、図2では、説明の便宜上各層の層厚を略同一にしている。
【0024】
まず、台紙1について説明する。
【0025】
上記台紙1は、図2に示すように、コートボールからなる紙基材4上に、接着剤、バリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層として、O−PET層5、接着剤、PE層6が順次積層された構造となっている。これら各層の層厚は、紙基材4が500μm、O−PET層5が25μm、PE層6が30μmとなっている。
【0026】
上記O−PET層5は、O−PETからなり、台紙1に対して、主にバリヤー性(ガスバリヤー性)を付与するための層である。
【0027】
上記PE層6は、L−LDPEからなり、台紙1に対して、主にブリスター部材2との接着性を付与する層である。
【0028】
また、上記ブリスター部材2は、バリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂からなり、台紙1の最上層に相当するPE層6との接着面側から積層フィルム7、接着剤、A−PET層8が順次積層された構造となっている。これら各層の層厚は、積層フィルム7が25μm、A−PET層8が350μmとなっている。
【0029】
上記積層フィルム7は、主にPE層6に対するイージーピール性、すなわち剥がし易さを付与するための層である。このようなPE層6に対するイージーピール性を有する素材としては、例えば東セロ株式会社製のTAF610Cが好適に用いられる。
【0030】
A−PET層8は、A−PETからなり、ブリスター部材2に対して、主にバリヤー性(ガスバリヤー性)を付与する層である。このA−PETとしては、例えばポリテック株式会社製のPT−700が好適に用いられている。
【0031】
以上のことから、ブリスター部材2のつば部2bが加熱されることにより、積層フィルム7とPE層6とが熱接着され、図1(a)(b)に示すように、台紙1とブリスター部材2とが接着されたブリスター包装容器となる。
【0032】
したがって、上記構成のブリスター包装容器では、バリヤー性を有するブリスター部材2と台紙1とを用い、さらに、ブリスター部材2と台紙1とは、該ブリスター部材2の被包装体である内包物3の収容部分である収容部2aの外側部近傍であるつば部2bで連続的に熱接着されているので、ブリスター包装容器における気密性を高める構成となっている。
【0033】
このように気密性が高ければ、内包物3として、蒸散性物質を含むものを包装した場合、上記構成のブリスター包装容器内で蒸散性物質が蒸散することがなくなるので、ブリスター包装容器の開封まで内包物3の品質を低下させることがなくなる。
【0034】
さらに、上記構成の台紙1では、気密性を高めるために、紙基材4上にブリスター部材2に対する接着層となるバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層であるO−PET層5およびPE層6を設けた構成となっているので、従来のように、気密性を高めるために、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着膜を使用したものよりも安価なものとなる。したがって、ブリスター包装容器自体も安価にできる。
【0035】
しかも、台紙1は、基材として紙からなる紙基材4を使用しているので、アルミニウム箔等とは異なり、被包装体の名称や説明等の印刷が容易に行える。
【0036】
本願発明においては、上記ブリスター部材2のつば部2bと台紙1との接着には、瞬間的に接着部分の樹脂を熱融着させる所謂インパルスシール方法が用いられる。
【0037】
上記構成のブリスター包装容器は、以下に示す製造装置で製造される。この製造装置としては、株式会社ジェーピーインク製のインパルスシーラーBP−6を用いるものとする。
【0038】
本願のブリスター包装容器の製造装置は、インパルスシール方法で台紙1とブリスター部材2とを熱接着する装置であり、図3に示すように、加圧装置10と、加熱装置11とで構成されている。
【0039】
上記加圧装置10は、加熱装置11にセットされたブリスター部材2(図示せず)上に載置される台紙1を圧接するようになっている。
【0040】
上記加熱装置11は、載置台12上にシール型13が載置された構造となっており、該加熱装置11にセットされたブリスター部材2のつば部2bを加熱して台紙1に接着させるようになっている。
【0041】
上記シール型13は、図4に示すように、ブリスター部材2の収容部2aが収まるような形状の開口部15が複数形成されたフェノール樹脂からなる略直方体状のベース18と、このベース18上にブリスター部材2の接着部を加熱するためのヒータ14が複数設けられている。このヒータ14は、ブリスター部材2の形状にそって形成された開口部15の外周縁部に沿って配置されている。
【0042】
上記ヒータ14は、ブリスター部材2のつば部2bとほぼ同じ幅の加熱部(第1加熱部14a,第2加熱部14b)を有し、これら第1加熱部14aおよび第2加熱部14bによって、該つば部2bの全面を加熱するように構成されている。
【0043】
上記第1加熱部14aおよび第2加熱部14bは、それぞれニクロム線で構成されている。このニクロム線は、シール型13上に設けられた電極16に接続された電線17に接続されており、該電極16から供給され、電線17を介して流れる電流により発熱するようになっている。このとき、瞬間的に電流を流すことでヒータ14を加熱し、ブリスター部材2のつば部2bを瞬間的に加熱溶融して台紙1に熱接着させている。例えば、第1加熱部14aおよび第2加熱部14bのニクロム線には、8Ampの電流が5秒間流れるようにする。
【0044】
また、上記第1加熱部14aおよび第2加熱部14bを構成しているニクロム線は、電線17から供給される電流が並列に流れるように構成されている。すなわち、第1加熱部14aを構成するニクロム線と、第2加熱部14bを構成するニクロム線とは、ヒータ14内において電気的に接触しない構成となっている。このため、ヒータ14においては、第1加熱部14aと第2加熱部14bとの端部においてニクロム線が不連続となる不連続部14cが形成されることになる。この不連続部14cは、一つのヒータ14について二カ所存在する。つまり、ヒータ14は、加熱部が不連続に形成されることになる。
【0045】
ところで、ヒータ14では、加熱部分においてニクロム線が不連続であることから、不連続部14cにおいてブリスター部材2のつば部2bへの熱量が不足し、つば部2bと台紙1との未接着部が生じる虞がある。このように未接着部分が存在すると、ブリスター部材2と台紙1との接着部分が不連続となり、ブリスター包装容器におけるバリヤー性を低下させることになる。
【0046】
そこで、上記構成のヒータ14では、上記第1加熱部14aと第2加熱部14bとをできるだけ近接して配置するようにしている。これにより、不連続部14cに対応するつば部2bへの不足している熱量を、第1加熱部14aと第2加熱部14bのそれぞれの端部から発生する熱により補うことができる。したがって、台紙1とつば部2bとの接着部分を連続させることができる。
【0047】
さらに、不連続部14cにおける熱量を増加させるには、例えば図5に示すように、第1加熱部14aと第2加熱部14bとの端部間に熱良導体としてヒータ支持部材19を配置することが考えられる。つまり、第1加熱部14aで発生する熱と、第2加熱部14bで発生する熱とを上記ヒータ支持部材19に伝導し、不連続部14cに対応するブリスター部材2のつば部2bを加熱するようになる。
【0048】
これにより、不連続部14cに対応するつば部2bに熱溶融可能な熱量を供給することができるので、つば部2bの接着部分の不連続部分を確実に無くすことができ、ブリスター包装容器のバリヤー性をさらに向上させることができる。
【0049】
また、上記のように、ヒータ14を構成する第1加熱部14aと第2加熱部14bとが不連続となっているので、ヒータ14の構成部材、例えばニクロム線等を少なくすることができ、この結果、ブリスター包装容器の製造装置を安価に作成することができる。
【0050】
以上のことから、上記構成のブリスター包装容器の製造装置では、まず、シール型13の開口部15にブリスター部材2をセットし、該ブリスター部材2内部に内包物3を入れる。続いて、全てのブリスター部材2を覆うように台紙1を載せて、加圧装置10により所定の圧力で加圧する。このとき、加熱装置11では、所定の時間だけ電極16から電流がヒータ14の第1加熱部14aおよび第2加熱部14bに流され、ブリスター部材2のつば部2bを、該つば部2bから台紙1に向かって瞬間的に加熱溶融している。
【0051】
上記のように製造されたブリスター包装容器は、前述のように、台紙1とつば部2bとの接着部分が連続しているので、この接着部分からのガスの漏れはなく、また、台紙1およびブリスター部材2ともに、バリヤー性を有する熱可塑性樹脂で構成されているので、台紙1からのガスの漏れやブリスター部材2からのガスの漏れはなく、気密性に優れているので、非常にガスバリヤー性に優れたものとなっている。
【0052】
したがって、本願のブリスター包装容器は、被包装体である内包物3として、蒸散性を有する物質を含むものを内包することに適したものとなっている。
【0053】
つまり、このように気密性が高ければ、内包物3が蒸散性物質を含む場合、ブリスター包装容器から蒸散性物質が蒸散することがなくなるので、ブリスター包装容器の開封まで内包物3の品質を低下させることがなくなる。
【0054】
上記蒸散物質は、20℃での蒸気圧が1×10- 4mmHg、より好ましくは1×10- 3mmHg以上を示す化合物であり、具体的には、pジクロルベンゼン、DDVP、エンペントリン(商品名ペーパースリン)などの防虫剤やリン酸トリエチルなどの可塑剤などが挙げられる。
【0055】
上記内包物3としては、例えば犬や猫等のペットのノミを除去するための蒸散性を有する殺虫剤を含浸させた首輪等が挙げられる。
【0056】
また、本願発明では、ブリスター部材2を台紙1に接着する方法として、台紙1全面を加熱するヒートシール方法を用いるのではなく、ブリスター部材2の外周縁部のみを瞬間的に加熱溶融して台紙1に接着するインパルスシール方法を採用しているので、ブリスター包装容器の製造工程で必要な熱量は非常に少なくて済む。このため、熱による台紙1の反りやブリスター部材2の収縮等の影響を受け難くなるので、製造後のブリスター包装容器の変形を無くすことができる。
【0057】
また、本願発明では、バリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂として、O−PET、A−PETを例示しているが、この他に、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、結晶性ポリエチレンテレフタレート(C−PET)、延伸ナイロン(ON)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体積層(EVOH)、およびハイバリアーフィルムとして、ポリ塩化ビニリデン塗布延伸ポリプロピレン(KOP)、ポリ塩化ビニリデン塗布ポリエステル(KPET)、ポリ塩化ビニリデン塗布延伸ナイロン(KON)、ポリ塩化ビニリデン塗布セロファン(Kセロ)などが挙げられる。そして、とりわけPET系樹脂が好適に用いられる。
【0058】
ここで、ブリスター包装容器における製造後の変形や、漏れ等のテストを行った結果を以下の表1および表2に示す。なお、表1はブリスター包装容器の製造条件を示し、表2はテスト結果を示す。
【0059】
上記の各ブリスター包装容器に収容される内包物3には、以下に示す組成のものが含まれる。各成分に対応する数値の単位はwt%である。
【0060】
スミスリン 13.1
スミラブ 2.1
アジピン酸ジイソデシル 24.8
トリエチルフォスフェート 8.6
イソステアリン酸 2.7
安定剤 3.5
ポリ塩化ビニル 45.2
【0061】
【表1】
【0062】
上記本包材とは、本願発明によるブリスター部材と台紙とを示しており、それぞれの組成は図2に示す台紙1とブリスター部材2と同じものとする。
【0063】
【表2】
【0064】
上記の変形テストは、表1の製造条件によって製造されたブリスター包装容器の台紙が反っている度合いを目視した結果を示している。この結果より、台紙の種類に関わらず、ブリスター部材と台紙との接着方法に、ヒートシール方法を用いたブリスター包装容器(比較例2,3)は変形し、インパルスシール方法を用いたブリスター包装容器(実施例,比較例1)は変形しないことが分かった。
【0065】
上記漏れテストでは、高千穂精機(株)のリークテスターPLT−3000を使用し、この装置での検査圧力は−7500mmH2Oとした場合の結果を示している。この結果より、台紙として本包材を使用している実施例および比較例2では、漏れのないことが分かった。これに対して、台紙として紙基材にニスを塗布したものを使用した場合に大きな漏れがあることが分かった。これは、紙が多孔質であるためだと考えられる。
【0066】
また、大きな漏れがあるブリスター包装容器としては、比較例3のブリスター包装容器が挙げられる。この比較例3では、ブリスター部材と台紙として本包材を使用しているにも関わらず、シール方法がヒートシール方法であり、しかも、加熱温度が比較例2よりも低くなっている。このため、比較例3では、ブリスター部材と台紙との接着が不十分となり、このブリスター部材と台紙との接着部分からの漏れが生じると考えられる。
【0067】
上記加熱促進テストは、ブリスター包装容器の耐久テストの一種であり、このブリスター包装容器を60℃で30日間維持した後、該ブリスター包装容器を開封して取り出した内包物3がどのような状態であるか、すなわちべたつくか否かを確認するためのテストである。この結果より、漏れテストで結果が良好であった実施例と比較例2のブリスター包装容器に内包された内包物3はべたつかなかった。
【0068】
これに対して、漏れテストで漏れのあった比較例1と比較例3では、過大なべたつきがあった。
【0069】
ここで、漏れテストおよび加熱促進テストにおける参考例として、従来よりガスバリヤー性に優れているアルミニウムからなるアルミ袋に実施例と比較例1〜3に用いられている内包物3を内包した場合について確認を行った。この結果、漏れテストでは、漏れはみられなかったが、加熱促進テストではべたつきがあることが分かった。
【0070】
以上のことから、本願発明のブリスター包装容器では、ブリスター部材と台紙との接着にインパルスシール方法を適用していることから、製造後のブリスター包装容器の変形は見られなかった。しかも、本願のブリスター包装容器では、ブリスター部材および台紙はバリヤー性を有する熱可塑性樹脂からなっているので、接着性およびバリヤー性に優れている。さらに、蒸散性を有する物質を含む内包物3を内包した状態で長期間保存した後、内包物3を取り出してもべたつきがない。
【0071】
したがって、本願発明のブリスター包装容器では、バリヤー性に優れていると言われているアルミニウムを用いた包装体よりもバリヤー性に優れていることが分かった。
【0072】
なお、本実施の形態では、バリヤー性を、ブリスター包装容器におけるガス(酸素や水蒸気など)の透過を抑制する性質として説明した。しかしながら、本願発明のブリスター包装容器は、これに限定されるものではなく、上記バリヤー性を、ブリスター包装容器における液の透過を抑制する性質とすることも可能であり、例えば、プリンやコーヒーフレッシュなどの液を含む被包装体あるいは液そのものを包装するための包装容器にも適用できる。
【0073】
すなわち、ブリスター包装容器は、被包装体の外形状に沿って成形されたバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂からなるブリスター部材と、紙基材上に、上記ブリスター部材に対する接着層となるバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層を設けたシール部材とが、上記被包装体がブリスター部材に収容された状態で、上記ブリスター部材の被包装体の収容部分の外側部近傍でのみ連続的に接着されていることを特徴としている。
【0074】
上記の構成によれば、バリヤー性を有するブリスター部材とシール部材とを用い、さらに、ブリスター部材とシール部材とは、該ブリスター部材の外側部近傍で連続的に接着されているので、ブリスター包装容器における気密性を高めることができる。
【0075】
このように気密性が高ければ、被包装体が蒸散性物質を含む場合、ブリスター包装容器から蒸散性物質が蒸散することがなくなるので、ブリスター包装容器の開封まで被包装体の品質を低下させることがなくなる。
【0076】
また、ブリスター部材とシール部材との接着部分は、ブリスター部材の被包装体の収容部分の外側部近傍のみとなっているので、ブリスター部材とシール部材とを接着する際にシール部材全面を加熱することがなくなる。これにより、ヒートシールによりブリスター 部材とシール部材とを熱接着した場合、すなわちシール部材全面を加熱した場合のように熱によるブリスター包装容器の変形がない。
【0077】
さらに、気密性を高めるために、シール部材は、紙基材上にブリスター部材に対する接着層となるバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層を設けた構成となっているので、従来のように、気密性を高めるために、アルミニウム箔やアルミニウム蒸着膜を使用したものよりも安価なものとなる。
【0078】
しかも、シール部材は、基材に紙を使用しているので、アルミニウム箔等とは異なり、被包装体の名称や説明等の印刷が容易に行える。
【0079】
上記のような作用・効果を奏するには、ブリスター部材とシール部材との接着にインパルスシールを適用することが好ましい。
【0080】
【発明の効果】
ブリスター包装容器の製造方法は、以上のように、被包装体の外形状に沿って成形されたバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂からなるブリスター部材と、紙基材上に、上記ブリスター部材に対する接着層となるバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層を設けたシール部材とを、上記被包装体がブリスター部材に収容された状態で、加熱部が不連続に形成されているとともに、不連続部において上記各加熱部の端部間に熱良導体を配置したヒータを用い、インパルスシールにより上記ブリスター部材の被包装体の収容部分の外側部近傍で連続的に熱接着する構成である。
【0081】
それゆえ、バリヤー性を有するブリスター部材とシール部材とを用い、さらに、ブリスター部材の周縁部がインパルスシールを用いて連続的に熱接着されているので、ブリスター部材における被包装体の包装部分の気密性を高めることができるという効果を奏する。
【0082】
ブリスター包装容器の製造方法は、以上のように、ブリスター部材とシール部材との接着に、非加熱部が不連続のヒータを用いる構成である。
【0083】
それゆえ、上記効果に加えて、ブリスター部材とシール部材との接着に、非加熱部が不連続のヒータを用いることで、ヒータの構成部材、例えばニクロム線等を少なくすることができるので、ブリスター包装容器の製造装置を安価に作成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブリスター包装容器の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のA・A線矢視断面図である。
【図2】 図1に示すブリスター包装容器のブリスター部材と台紙との接着部分の断面図である。
【図3】 図1に示すブリスター包装容器を製造する製造装置の概略構成図である。
【図4】 図3に示す製造装置に備えられている加熱装置の概略構成斜視図である。
【図5】 図4に示す加熱装置のヒータのB・B線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 台紙(シール部材)
2 ブリスター部材
3 内包物(被包装体)
4 紙基材
5 O−PET層(熱可塑性樹脂層)
6 PE層(熱可塑性樹脂層)
7 積層フィルム(熱可塑性樹脂)
8 A−PET層(熱可塑性樹脂)
14 ヒータ
14a 第1加熱部(加熱部)
14b 第2加熱部(加熱部)
14c 不連続部
Claims (2)
- 被包装体の外形状に沿って成形されたバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂からなるブリスター部材と、
紙基材上に、上記ブリスター部材に対する接着層となるバリヤー性を有し、且つ光透過性を有する熱可塑性樹脂層を設けたシール部材とを、
上記被包装体がブリスター部材に収容された状態で、加熱部が不連続に形成されているとともに、不連続部において上記各加熱部の端部間に熱良導体を配置したヒータを用い、インパルスシールにより上記ブリスター部材の被包装体の収容部分の外側部近傍で連続的に熱接着することを特徴とするブリスター包装容器の製造方法。 - 上記被包装体は、蒸散性物質を含むことを特徴とする請求項1記載のブリスター包装容器の製造方法。
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