JP3977611B2 - ディスク記憶装置及び同装置におけるセクタ代替処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク上の欠陥セクタの代替先として当該ディスク上に確保された代替領域内の任意のセクタが割り当てられるディスク記憶装置に係り、特に代替の対象とする欠陥セクタを判別する機能を有するディスク記憶装置及び同装置におけるセクタ代替処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体(記録メディア)にディスクを用いたディスク記憶装置において、当該ディスク上の各トラックに対するデータの記録単位はセクタ(データセクタ)と呼ばれている。もし、ディスク上のセクタの中にディフェクト(傷)等に起因した欠陥セクタが存在する場合には、ディスク上に確保された代替領域内の任意のセクタを欠陥セクタの代替セクタとして割り当てる代替処理を実行するのが一般的である。従来のディスク記憶装置では、この欠陥セクタは次のように検出される。
【0003】
まず、例えばセクタリード動作に失敗した場合、つまりセクタリードエラーとなった場合、リードリトライ(リード動作の再試行)が行われる。このリードリトライを所定回数以上行うことで正しくリードできたならば、該当するセクタは代替処理の対象となる欠陥セクタである判定される。
【0004】
欠陥セクタが検出された場合、代替領域内の任意のセクタを当該欠陥セクタの代替セクタとして割り当て、その代替セクタに、上記リードできたデータを書き込む代替処理(リアサイン処理)を行う。以後、欠陥セクタへのアクセスは代替セクタへのアクセスに置き換えられる。これにより、たとえ欠陥セクタの傷等が進行して当該セクタの内容を読むことができないような状態になったとしても、代替セクタへのアクセスが行われることにより、正しいデータを読み出すことが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスク記憶装置で行われている上述の代替処理は、本来、ディスク記憶装置の製造段階以後に発生する傷等のメディア異常、つまり後発のメディア異常に対処するための処理である。
【0006】
ところで、例えば継続的に振動が加えられるような環境でディスク記憶装置を使用した場合には、振動を原因として例えばリード動作で所定回数以上のリトライが発生する可能性が高くなる。もし、所定回数以上のリトライが発生した場合、従来のディスク記憶装置では、リトライ回数が多いセクタは傷等のメディア異常のある後発の欠陥セクタであるとして、代替処理される。
【0007】
したがって、継続的に振動が加えられ環境での使用が多いディスク記憶装置では、多くのセクタが代替処理される。しかしながら、この代替処理されるセクタの多くは、振動を原因として所定回数以上のリトライが行われたために欠陥セクタと判定されたものであり、本来は「正常なセクタ」である。
【0008】
このように従来のディスク記憶装置では、リトライ回数が多いセクタは後発の欠陥セクタであるとして代替処理の対象としていたため、外部からの加振が多い環境で使用された場合に、本来「正常なセクタ」に対しても振動が原因で代替処理が行われてしまい、代替領域を使い切ってしまう恐れがあった。また、外部からの加振が多い環境に限らず、温度が異常に高いもしくは低い環境、または気圧が異常に高いもしくは低い環境で使用されるディスク記憶装置においても、リトライ回数が多くなりやすく、やはり「正常なセクタ」に対して代替処理が行われて、代替領域を使い切ってしまう恐れがあった。
【0009】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、使用環境を原因としてリトライ処理が多発した結果正常なセクタに対する代替処理が発生するのを防ぎ、代替処理を適切に行うことができるディスク記憶装置及び同装置におけるセクタ代替処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディスク上の欠陥セクタの代替先として当該ディスク上に確保された代替領域内の任意のセクタが割り当てられるディスク記憶装置において、このディスク記憶装置が使用される環境を検出する環境検出手段と、上記ディスク上のセクタに対するリードまたはライト動作時のリトライの回数に応じて当該セクタが欠陥セクタであるか否かを判定する第1の判定手段と、この第1の判定手段により欠陥セクタであると判定された場合、欠陥セクタと判定された原因が上記環境検出手段によって検出されるディスク記憶装置の使用環境にあるか否かを判定する第2の判定手段と、上記欠陥セクタを上記代替領域内の任意のセクタに割り当てる代替処理を実行する代替処理手段であって、欠陥セクタと判定された原因がディスク記憶装置の使用環境にあると上記第2の判定手段により判定された場合には、当該セクタは正常セクタであるとして代替処理を抑止する代替処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
このように本発明においては、ディスク上のセクタに対するリードまたはライト動作時のリトライの回数に応じて欠陥セクタと判定された場合に、そのまま当該セクタを代替領域内の任意のセクタに割り当てる代替処理を実行するのではなく、欠陥セクタと判定された原因が装置の使用環境にあるか否かを判定し、装置の使用環境以外の原因で欠陥セクタと判定された場合だけ、当該セクタの代替処理を実行し、装置の使用環境が原因で欠陥セクタと判定された場合には、当該セクタは本来正常なセクタであるとして代替処理を抑止している。
【0012】
これにより、本来正常なセクタが、装置の使用環境の一時的な悪化が原因で代替処理されるのを防ぎ、代替領域が不要に消費されるのを防止できる。
【0013】
ここで、リードまたはライト動作時のリトライのうち前記環境検出手段によって検出される前記ディスク記憶装置の使用環境を原因とするリトライの回数をカウントするための環境カウンタを設け、上記第2の判定手段の判定、即ち上記第1の判定手段により欠陥セクタであると判定された原因がディスク記憶装置の使用環境にあるか否かの判定を、当該環境カウンタの値に基づいて行うとよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を磁気ディスク装置に適用した実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1の磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)1において、11はデータが磁気記録される記録媒体としてのディスク(磁気ディスク媒体)、12はディスク11へのデータ書き込み(データ記録)及びディスク11からのデータ読み出し(データ再生)に用いられるヘッド(磁気ヘッド)である。ヘッド12は、ディスク11の各記録面に対応してそれぞれ設けられているものとする。なお、図1の構成では、単一枚のディスク11を備えたHDDを想定しているが、ディスク11が複数枚積層配置されたHDDであっても構わない。
【0017】
ディスク11の各記録面には、ユーザから利用可能なユーザ領域11aと、欠陥セクタの代替先となる代替トラックが確保された代替領域11bと、システム管理に必要な情報(システム管理情報)を保存する管理領域11cとが割り当てられている。システム管理情報は、欠陥セクタと当該セクタの代替先セクタとの対応関係を示す欠陥セクタ管理情報を含む。代替領域11bと管理領域11cとは、システムのみが使用する、つまりユーザからは見えない非ユーザ領域である。この代替領域11bと管理領域11cとを合わせた領域はシステム領域と呼ばれる。なお、管理領域11cだけがシステム領域と呼ばれることもある。
【0018】
ディスク11はスピンドルモータ(以下、SPMと称する)13により高速に回転する。ヘッド12はヘッド移動機構としてのアクチュエータ(ロータリ型ヘッドアクチュエータ)14に取り付けられており、当該アクチュエータ14の回動(角度回転)に従ってディスク11の半径方向に移動する。これにより、ヘッド12は、目標トラックの目標位置にシーク・位置決めされるようになっている。アクチュエータ14は、当該アクチュエータ14の駆動源となるボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)15を有しており、当該VCM15により駆動される。SPM13及びVCM15は、VCM・SPMドライバ16からそれぞれ供給される駆動電流(SPM電流及びVCM電流)により駆動される。
【0019】
CPU17はHDD1の主制御部をなし、当該HDD1全体の制御及びVCM・SPMドライバ16の制御を時分割で行う。
【0020】
CPU17はCPUバス18に接続されている。CPUバス18には、CPUが実行すべきプログラム(制御プログラム)が格納されているROM19と、CPU17が使用するワーク領域、変数領域等に使用するためのRAM20と、ディスクコントローラ(以下、HDCと称する)21と、HDD1の制御に必要な諸信号の生成を行うゲートアレイ22とが接続されている。
【0021】
RAM20には、リトライカウンタ20a及び振動カウンタ20bの領域が確保されている。リトライカウンタ20aは、ディスク11からのデータリードの失敗が発生する度に1だけ減算されるダウンカウンタである。リトライカウンタ20aは、データリードの失敗の原因に無関係に必ず減算される。振動カウンタ20bは、データリードの失敗が発生し、且つ失敗した原因が振動による場合に限り1だけ加算されるアップカウンタである。
【0022】
HDC21及びゲートアレイ22は制御用のレジスタ群(図示せず)を有している。この制御用レジスタ群はCPU17のメモリ領域の一部に割り当てられており、CPU17がこの領域に対して読み出し及び書き込みを行うことでHDC21及びゲートアレイ22を制御する。
【0023】
ヘッド12はヘッドIC(ヘッドアンプ回路)23と接続されている。ヘッドIC23はヘッド12により読み出されたリード信号を増幅するリードアンプ、及びライトデータをライト電流に変換するライトアンプを有する。ヘッドIC23は、リード/ライトIC(リード/ライトチャネル)24と接続されている。リード/ライトIC24は、リード信号に対するA/D(アナログ/ディジタル)変換処理、ライトデータの符号化処理及びリードデータの復号化処理等の各種の信号処理を実行する。
【0024】
HDC21は、CPUバス18以外に、ゲートアレイ22、リード/ライトIC24、ゲートアレイ22及びバッアァRAM25にも接続されている。HDC21はまた、HDD1を利用するパーソナルコンピュータ等のホストシステム2とホストインタフェース3を介して接続されている。
【0025】
ホストシステム2からのリードコマンドの実行時には、当該コマンドにより指定されたディスク11上の領域に記録されているデータ信号がヘッド12によって読み出される。ヘッド12により読み出された信号(アナログ信号)はヘッドIC23により増幅され、リード/ライトIC24によって符号化される。HDC21は、リード/ライトIC24によって符号化されたデータをゲートアレイ22からの制御用の各信号に従って処理することにより、ホストシステム2に転送すべきデータ(リードデータ)を生成する。このデータは一旦バッファRAM25に格納されてからホストシステム2に転送される。
【0026】
ホストシステム2からのライトコマンドの実行時には、ホストシステム2からHDC21に転送されたデータ(ライトデータ)は一旦バッアァRAM25に格納された後、ゲートアレイ22からの制御用の各信号に従ってHDC21によって符号化されてリード/ライトIC24に転送される。このHDC21により符号化されたライトデータはリード/ライトIC24によって書き込み用の信号に変換され、ヘッドIC23を経由してヘッド12に導かれ、当該ヘッド12により、ディスク11の上記コマンドで指定された領域に書き込まれる。
【0027】
ゲートアレイ22には、HDD1に対して加えられる振動(加振)を検出する振動検出機構26が接続されている。この振動検出機構26での振動検出結果は定期的にゲートアレイ22に読み込まれてデジタル値に変換され、当該ゲートアレイ22内の所定の振動レジスタに保持される。
【0028】
次に、図1に示した構成のHDD1におけるコマンド処理の全体の流れについて、図2のフローチャートを参照して説明する。
HDD1内のCPU17は、装置の電源投入時等においてHDD1を起動する処理を行うと、ホストシステム2からコマンドが転送されるのを待つコマンド待ちのループに入る(ステップ101)。
【0029】
CPU17は、コマンド待ちのループでホストシステム2からコマンドが転送され、HDC21で受信されると、当該コマンドをHDC21から受け取って解釈を行う(ステップ102)。
【0030】
コマンド解釈の結果、受信したコマンドがリードコマンド以外であれば、CPU17は当該コマンドに応じた処理を行う。そしてCPU17は、コマンド処理の結果をホストシステム2に通知するための当該結果に対応した終了ステータスを設定して(ステップ120)、コマンドを終了させ(ステップ107)、しかる後にコマンド待ちループ(ステップ101)に戻る。
【0031】
一方、受信したコマンドがリードコマンドであれば、CPU17はVCM・SPMドライバ16を制御して、当該コマンドで指定されたデータが記録されているHDD1上のトラック(目標トラック)へヘッド12を移動させるシーク制御を行う(ステップ103)。そして、CPU17は上記コマンドで指定された目標トラック上の先頭セクタから順にデータを読み出すためのリード制御(ステップ104)を開始する。CPU17はこのリード制御で、HDC21からホストシステム2へのデータ転送の開始を許可し、ディスク11上の目標トラックから正常に読み出されたデータが、バッアァRAM25を介してHDC21からホストシステム2に転送されるように制御する。
【0032】
CPU17は、ホストシステム2からのリードコマンドで指定されたリード動作(ディスクリード動作)が終了すると、リード動作でエラーが発生しているか否かを確認する(ステップ105)。
【0033】
もし、エラーが発生していた場合、CPU17はHDC21からホストシステム2に通知する終了ステータスにエラーの内容を設定して(ステップ110)、コマンドを終了させ(ステップ107)、しかる後にコマンド待ちループ(ステップ101)に戻る。
【0034】
これに対し、エラーが発生していなかった場合、即ちリード動作が正常に行われた場合、CPU17は終了ステータスに正常終了を示す内容を設定して(ステップ106)、コマンドを終了させ(ステップ107)、しかる後にコマンド待ちループ(ステップ101)に戻る。
【0035】
次に、図1のHDD1における上記リード動作の詳細について、図3のフローチャートを参照して説明する。
CPU17は、リード動作の開始時に、HDC21内のアクセス開始アドレスレジスタに、ホストシステム2からのリードコマンドで指定された先頭アドレス(アクセス開始セクタアドレス)を設定する(ステップ201)。またCPU17は、RAM20上の所定領域に配置されているリトライカウンタ20a及び振動カウンタ20b(の領域)を初期化する(ステップ202)。ここではリトライカウンタ20aの初期値はリトライ回数の上限値(上限リトライ回数)Nであり、振動カウンタ20bの初期値は0である。
【0036】
本実施形態では、ディスク11からのデータリードに失敗すると、上記の回数Nを上限にリトライが行われる。RAM20内に確保されたリトライカウンタ20a及び振動カウンタ20bは、このリトライ回数の管理のためと、リアサイン実施判定とに用いられる。リアサインとは、欠陥セクタの代替先として、ディスク11に確保された代替領域11b内の任意のセクタ(空きセクタ)を割り当てることをいう。
【0037】
CPU17はリトライカウンタ20a及び振動カウンタ20bを初期設定すると、ディスク11からデータをリードするための制御を行う(ステップ203)。もし、あるセクタ(セクタブロック)からのデータリード動作中にエラーが発生し、リードエラーが検出(判定)されると(ステップ204)、CPU17はリード動作のリトライのための処理を次のように行う。
【0038】
まずCPU17は、リードエラーの原因が外部からの加振であるか否かをゲートアレイ22内の振動レジスタを参照することにより調ベる(ステップ210)。CPU17は、リードエラーの原因が外部からの加振である場合のみ、振動カウンタ20bの値を1だけインクリメントする(ステップ211)。そしてCPU17は、リトライカウンタ20aの値を、リードエラーの原因に無関係に1だけデクリメントする(ステップ212)。
【0039】
CPU17はステップ212を実行すると、当該ステップ212でのデクリメント後のリトライカウンタ20aの値が0になっているか否かを調べる(ステップ213)。もし、リトライカウンタ20aの値が0になっていないならば、CPU17はリードエラーが発生したセクタブロックに対するリトライを継続するため、ステップ203に戻ってリード動作を再度実行する。
【0040】
これに対し、リトライカウンタ20aの値が0になっている場合、CPU17はリトライをN回、つまり上限リトライ回数実行しても正しく読み出せないエラーであると判定し、HDC21からホストシステム2に通知する終了ステータスにエラーを示す内容を設定して(ステップ214)、リード動作を終了する(ステップ209)。
【0041】
また、ステップ204での状態判定(リードエラー判定)でリードエラーが発生していないことが判定されたならば、CPU17は該当するセクタブロックのリアサインを実施する必要があるか否かを次のようにして判定する。
【0042】
まずCPU17は、リトライカウンタ20aの値を読み出し、リードリトライ動作が第1の規定回数n(nはn<Nを満足する整数)以上行われたか否かを判定する(ステップ205)。もし、第1の規定回数n以上のリトライが行われていなかった場合、つまりn回以上のリトライを行うことなく、セクタブロックから正しくリードできた場合、CPU17は当該セクタは欠陥が無いと判断する。この場合、CPU17は終了ステータスに正常終了を示す内容を設定して(ステップ208)、リード動作を終了する(ステップ209)。
【0043】
一方、第1の規定回数n以上のリトライが行われていた場合、つまりn回以上のリトライを行うことでセクタブロックから正しくリードできた場合、CPU17は当該セクタブロックを欠陥セクタと仮判定する。そしてCPU17は、欠陥セクタと仮判定したセクタブロックが本当に欠陥セクタブロックであるか、或いは正常なセクタブロックであるかを判定するために、振動カウンタ20bの値を読み出し、その値が第2の規定回数m以上であるか否か、つまりn回以上のリトライのうちm回以上が振動(外部からの加振)を原因とするリトライであるか否かを判定する(ステップ206)。ここで、第1の規定回数nはN以下、即ちリトライカウンタ20aの初期値以下の値に設定され、第2の規定回数mは第1の規定回数n以下の値に設定される。
【0044】
もし、第1の規定回数n以上のリトライが行われていた場合でも、振動カウンタ20bの値から、n回以上のリトライうち第2の規定回数m以上が振動を原因とするリトライであったならば、CPU17はディスク11上の該当するセクタブロックには欠陥はなく当該セクタブロックは記録再生に適していると判断する。この場合、CPU17は終了ステータスに正常終了を示す内容を設定して(ステップ208)、リード動作を終了する(ステップ209)。
【0045】
これに対し、n回以上のリトライが行われ、且つ当該n回以上のリトライのうち振動を原因とするリトライが第2の規定回数m未満であったならば(ステップ206)、CPU17はリトライの原因が振動によるものではなく、該当するセクタブロックの傷等の欠陥によるものと判断する。この場合、CPU17は該当するセクタブロックを本当の欠陥セクタ(後発欠陥セクタ)であるとして、当該欠陥セクタにディスク11の代替領域11b内の任意の空きセクタを代替セクタとして割り当て、当該代替セクタにステップ203で正常にリードできたデータを書き込むリアサイン処理(代替処理)を実行する(ステップ207)。そしてCPU17は、終了ステータスに正常終了を示す内容を設定して(ステップ208)、リード動作を終了する(ステップ209)。
【0046】
このように本実施形態においては、n回以上のリトライで正しくリード動作が行えた場合でも、当該n回以上のリトライのうち振動を原因とするリトライがm回以上であったならば、該当するセクタブロックは正常であり記録再生に適しているとして、リアサイン処理を抑止するようにした。これにより、振動を原因とするリトライで正常なセクタに対する代替処理が発生するのを防止でき、代替領域11bが不要に消費されるのを防ぐことができる。
【0047】
なお、前記実施形態では、リード動作で目的セクタブロックからデータが正しくリードできないリードエラーの場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、ライト動作で目的セクタブロックが検出できないライトエラーの場合にも、同様に適用できる。即ち、n回以上のリトライで正しくライト動作が行えた場合でも、当該n回以上のリトライのうち振動を原因とするリトライがm回以上であったならば、該当するセクタブロックは正常で記録再生に適しているとして、リアサイン処理を抑止する。
【0048】
また、前記実施形態では、振動を原因とするリトライで正常なセクタに対する代替処理が発生するのを防止する場合について説明したが、これに限るものではない。即ち、本来は正常なセクタでありながらリトライが発生する原因には、振動以外にも種々存在する。例えば、ヘッド12の特性及びSPM13の回転精度に影響を及ぼす温度(HDD1が置かれている温度)や、ヘッド12の浮上量に影響を及ぼす気圧(HDD1が置かれている気圧)などである。つまり、温度が高すぎる、或いは低すぎる場合、気圧が高すぎる、或いは低すぎる場合等である。このように、振動以外のHDD1の使用環境でも、当該環境が規定の環境条件から外れている場合には、リトライが発生して、本来は正常なセクタでありながら代替処理が発生する恐れがある。そこで、n回以上のリトライで正しくリード/ライト動作が行えた場合でも、当該n回以上のリトライのうち使用環境を原因とするリトライがm回以上であったならば、該当するセクタは正常であり記録再生に適しているとして、リアサイン処理を抑止するようにするとよい。ここで、n,m,Nの値を、リードとライトとで別々に設定してもよい。
【0049】
以上に述べた実施形態では、本発明をHDD(磁気ディスク装置)に適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、本発明は、光磁気ディスク装置などHDD以外のディスク記憶装置にも適用可能である。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ディスク上のセクタに対するリードまたはライト動作時のリトライの回数に応じて欠陥セクタと判定された場合に、欠陥セクタと判定された原因が装置の使用環境にあるか否かを判定し、装置の使用環境が原因で欠陥セクタと判定された場合には、当該セクタは本来正常なセクタであるとして代替処理を抑止するようにしたので、本来正常なセクタが、装置の使用環境の一時的な悪化が原因で代替処理されるのを防ぎ、代替領域が不要に消費されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるコマンド処理の全体の流れを説明するためのフローチャート。
【図3】同実施形態におけるリード動作の詳細を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…HDD(磁気ディスク装置、ディスク記憶装置)
2…ホストシステム
11…ディスク
11a…ユーザ領域
11b…代替領域
11c…管理領域
12…ヘッド
17…CPU
20…RAM
20a…リトライカウンタ
20b…振動カウンタ(環境カウンタ)
21…HDC(ディスクコントローラ)
26…振動検出機構(環境検出手段)
Claims (2)
- ディスク上の欠陥セクタの代替先として当該ディスク上に確保された代替領域内の任意のセクタが割り当てられるディスク記憶装置において、
前記ディスク記憶装置に加えられる振動を検出する振動検出手段と、
前記ディスク上のセクタに対するリード動作でエラーが発生した場合に、上限リトライ回数の範囲で当該リード動作のリトライを制御するリトライ制御手段と、
前記リード動作のリトライでエラーが発生する都度、前記振動検出手段によって振動が検出されているかを調べ、振動が検出されている場合に、エラーの原因が振動にあると判定する第1の判定手段と、
前記リード動作のリトライの期間において、エラーの原因が振動にあると前記第1の判定手段によって判定された回数をカウントする振動カウンタと、
前記リード動作のリトライの期間において、第1の規定回数未満のリトライで前記セクタから正常にデータがリードできた場合に、当該セクタが正常セクタであると判定し、前記第1の規定回数以上のリトライで前記セクタから正常にデータがリードできた場合には、その際の前記振動カウンタの値が、前記第1の規定回数よりも少ない第2の規定回数以上であるかを判定することによって、当該セクタが、正常セクタであるか、或いは当該セクタに前記代替領域内の任意のセクタを割り当てる代替処理の対象となる欠陥セクタであるかを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段によって欠陥セクタであると判定されたセクタの代替先として前記代替領域内の任意のセクタを割り当てて、当該任意のセクタに、前記欠陥セクタであると判定されたセクタから前記リトライで正常にリードされたデータを書き込む代替処理を実行する代替処理手段と、
前記上限リトライ回数のリトライでも正常にデータがリードできなかった場合、ホストシステムにエラーを通知するための終了ステータスを設定する終了ステータス設定手段と
を具備することを特徴とするディスク記憶装置。 - ディスク上の欠陥セクタの代替先として当該ディスク上に確保された代替領域内の任意のセクタを割り当てるディスク記憶装置におけるセクタ代替処理方法において、
前記ディスク上のセクタに対するリード動作でエラーが発生した場合に、上限リトライ回数の範囲で当該リード動作のリトライを実行するステップと、
前記リード動作のリトライでエラーが発生する都度、前記ディスク記憶装置に設けられた振動検出手段によって前記ディスク記憶装置に加えられる振動が検出されているかを調べ、振動が検出されている場合に、エラーの原因が振動にあると判定するステップと、
前記リード動作のリトライの期間において、エラーの原因が振動にあると判定され都度、前記ディスク記憶装置に設けられた振動カウンタをインクリメントするステップと、
前記リード動作のリトライの期間において、第1の規定回数未満のリトライで前記セクタから正常にデータがリードできた場合に、当該セクタが正常セクタであると判定するステップと、
前記第1の規定回数以上のリトライで前記セクタから正常にデータがリードできた場合には、その際の前記振動カウンタの値が、前記第1の規定回数よりも少ない第2の規定回数以上であるかを判定することによって、当該セクタが、正常セクタであるか、或いは当該セクタに前記代替領域内の任意のセクタを割り当てる代替処理の対象となる欠陥セクタであるかを判定するステップと、
前記欠陥セクタであると判定されたセクタの代替先として前記代替領域内の任意のセクタを割り当てて、当該任意のセクタに、前記欠陥セクタであると判定されたセクタから前記リトライで正常にリードされたデータを書き込む代替処理を実行するステップと、
前記上限リトライ回数のリトライでも正常にデータがリードできなかった場合、ホストシステムにエラーを通知するための終了ステータスを設定するステップと
を具備することを特徴とするディスク記憶装置におけるセクタ代替処理方法。
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