JP3977972B2 - 断層撮影用スキャン条件決定方法、断層撮影方法およびx線ct装置 - Google Patents
断層撮影用スキャン条件決定方法、断層撮影方法およびx線ct装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、断層撮影用スキャン条件決定方法、断層撮影方法およびX線CT(Computed Tomography)装置に関し、さらに詳しくは、照射線量を画像ノイズ値の許容値に対して過不足なく決定することが出来る断層撮影用スキャン条件決定方法、断層撮影方法およびX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、1列の検出器列を有するシングル検出器を備えたX線CT装置における従来のX線照射線量決定処理の一例を示すフロー図である。
ステップSU1では、直交2方向のスカウト撮影によりサジタルプレーン(sagittal plane)像,コロナルプレーン(coronal plane)像を生成する。
ステップSU2では、管電圧,スライス厚,再構成関数を選択する。
ステップSU3では、スカウト像を参照して、X線断層撮影でのスキャン位置(スライス位置)を決定する。
【0003】
ステップSU4では、被検体をデフォルトの撮影条件で撮影したときの投影下面積Sobjectと,デフォルトのX線照射線量default_mAs(管電流と照射時間との積)と,スライス厚Thとに基づいて、被検体を円形断面と仮定した画像SDの標準偏差SDσpixelを、
SDσpixel≒√{Sobject/(default_mAs×Th)}
により算出する。この標準偏差SDσpixelを、画像ノイズ値と見なす。
なお、前記投影下面積Sobjectは、前記サジタルプレーン像および前記コロナルプレーン像から概算される。
【0004】
ステップSU5では、サジタルプレーン像,コロナルプレーン像の減弱比に応じて前記標準偏差SDσpixelを補正し、被検体の実際の断面形状に応じた標準偏差SDσ’pixelを求める。
ステップSU6では、前記画像SDの標準偏差(画像ノイズ値)の許容値SDσtargetを入力する。
ステップSU7では、各スライス毎に標準偏差SDσtargetを満たすX線照射線量scan_mAsを、
scan_mAs=default_mAs×(SDσ’pixel/SDσtarget)2
により算出する。
【0005】
なお、上記の如きX線照射線量決定処理の基本原理は、例えば特開平11−104121号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器を備えたX線CT装置でヘリカルスキャンを実行し、前記マルチ検出器の各列に対応したスライス(マルチスライス)のデータに重みを付けて画像再構成のために合成し、実質的なスライス厚すなわちイメージ厚(image thickness)を増大する技術が開発されている。すなわち、X線ビーム幅を狭くした場合でも画像再構成に用いるデータの範囲を広くとる(X線管およびマルチ検出器の回転数を1回転より大きくする)ことで、イメージ厚の大きいX線断層像を得ることが出来る。この場合、同じ画像ノイズ値のX線断層像を得るのに必要なX線照射線量は、1回転のときよりも少なくてよい。
しかし、マルチ検出器を備えたX線CT装置でも、上記従来のシングルスライスCT用のX線照射線量決定処理(図5参照)をそのまま踏襲していたので、スキャン条件によっては実際の画像ノイズレベルが画像ノイズ値の許容値より大きくなったり、小さくなったりしていた。そして、大きくなった場合は必要な画質が得られず、小さくなった場合は不必要にX線照射線量が多くなる問題点がある。
そこで、本発明の目的は、マルチ検出器を備えたCT装置でヘリカルスキャンを実行する場合の照射線量を画像ノイズ値の許容値に対して過不足なく決定することが出来る断層撮影用スキャン条件決定方法、断層撮影方法およびX線CT装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の観点では、本発明は、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器を備えたCT装置によるヘリカルスキャンで生成するべきイメージ厚の断層像をシングルスライスCTで得る場合の照射線量をシングルスライスCT用照射線量決定アルゴリズムにより仮決定し、ヘリカルスキャンを実行して得られる断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならない照射線量に補正し、該照射線量に適合した断層撮影用スキャン条件を決定することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第1の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、所定のイメージ厚の断層像を得るべく仮決定された照射線量を、ヘリカルスキャンを実行して得られる断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないように補正するので、画像ノイズ値の条件を満たす最小の照射線量を正確に算出することが可能となる。
このため、照射線量が不足して必要な画質が得られない不都合を回避すると共に、照射線量が過剰となって被検体が不必要に被曝する事態を防止することが出来る。また、最適な照射線量を全自動または半自動で決定可能なので、操作者の負担を軽減できる。
【0008】
第2の観点では、本発明は、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器を備えたCT装置によるヘリカルスキャンで生成するべき断層像のイメージ厚を選択し、前記イメージ厚の断層像をシングルスライスCTで得る場合の照射線量をシングルスライスCT用照射線量決定アルゴリズムにより仮決定し、実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択し、前記スキャン条件によるヘリカルスキャンを実行して得られる断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならない照射線量になるように前記仮決定した照射線量を補正し、該補正した照射線量に適合した断層撮影用スキャン条件を決定することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第2の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、上記第1の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法と同じ作用を奏する。また、生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択することが出来る。さらに、ヘリカルスキャンのスキャン条件を選択することが出来る
【0009】
第3の観点では、本発明は、上記第1の観点または上記第2の観点の断層撮影用スキャン条件決定方法において、前記補正した照射線量の照射線を照射すべく照射源への供給電流と照射時間の一方を優先的に設定することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第3の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、照射源への供給電流を優先的に設定した場合には、照射源に加わる負荷が過大となることを確実に防止できる。また、照射時間を優先的に設定した場合には、被検体の動きが画質に与える影響などを考慮して、スキャン時間を加減できる。
【0010】
第4の観点では、本発明は、上記第2の観点または上記第3の観点の断層撮影用スキャン条件決定方法において、前記マルチ検出器の各列のデータを画像再構成のために合成する際の重み関数と,照射線ビーム幅と,被検体を載置する撮影寝台の移動速度のうちの少なくとも1つの要素を変更してイメージ厚を調整することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第4の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、画像再構成のための重み関数を変更する場合、機械的な制御なしに、演算上の処理のみでイメージ厚を調整することが出来る。また、照射線ビーム幅を変更する場合、例えばコリメータのアパーチャの開口幅を制御することでイメージ厚を調整することが出来る。さらに、撮影寝台の移動速度を変更する場合、撮影寝台の駆動系を制御することでイメージ厚を調整することが出来る。
【0011】
第5の観点では、本発明は、上記第1の観点から上記第4の観点のいずれかの断層撮影用スキャン条件決定方法において、スライス厚を前記イメージ厚と等しくしたアキシャルスキャンを実行したときの照射線量を基準値とした照射線量補正係数で前記照射線量を補正することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第5の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、アキシャルスキャンの照射線量を基準値とした照射線量補正係数で照射線量を補正するので、スキャン条件に適合した照射線量を簡単な演算で算出することが出来る。
【0012】
第6の観点では、本発明は、上記第1の観点から上記第5の観点のいずれかの断層撮影用スキャン条件決定方法で決定した断層撮影用スキャン条件のヘリカルスキャンを実行して断層像を生成することを特徴とする断層撮影方法を提供する。
上記第6の観点による断層撮影方法では、上記断層撮影用スキャン条件決定方法で決定した断層撮影用スキャン条件を用いて断層像を生成するので、必要な画質を有する断層像を最小の被曝量で得ることが出来る。
【0013】
第7の観点では、本発明は、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器を備えたX線CT装置によるヘリカルスキャンで生成するべきX線断層像のイメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量をシングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定し、実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択し、前記スキャン条件によるヘリカルスキャンを実行して得られるX線断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないX線照射線量になるように前記X線照射線量を補正し、該補正したX線照射線量に適合した断層撮影用スキャン条件を決定することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第7の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、X線照射線量が不足してX線断層像の画質が極端に悪化する不都合を回避すると共に、X線照射線量が過剰となって被検体が不必要に被曝する事態を防止することが出来る。
【0014】
第8の観点では、本発明は、上記第7の観点の断層撮影用スキャン条件決定方法において、前記補正したX線照射線量を照射すべくX線管の管電流と照射時間の一方を優先的に設定することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第8の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、X線管の管電流を優先的に設定した場合には、X線管に加わる負荷が過大となって短寿命化することを確実に防止できる。また、照射時間を優先的に設定した場合には、被検体の動きが画質に与える影響などを考慮して、スキャン時間を加減できる。
【0015】
第9の観点では、本発明は、上記第7の観点または上記第8の観点の断層撮影用スキャン条件決定方法において、スライス厚を前記イメージ厚と等しくしたアキシャルスキャンを実行したときのX線照射線量を基準値とした照射線量補正係数で前記X線照射線量を補正することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法を提供する。
上記第9の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、アキシャルスキャンのX線照射線量を基準値としてX線照射線量を補正するので、スキャン条件に適合したX線照射線量を簡単な演算で算出することが出来る。
【0016】
第10の観点では、本発明は、上記第9の観点の断層撮影用スキャン条件決定方法において、標準的な被検体のCT値分布を模したファントムに対してシングルスライスCTで所望のイメージ厚と同じスライス厚のアキシャルスキャンを実行したときのX線照射線量を基準値として、マルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで前記アキシャルスキャンと同等の画像ノイズ値のX線断層像を得るためのX線照射線量を前記基準値に対する倍率で表した照射線量補正係数を求め、該照射線量補正係数を前記仮決定したX線照射線量に乗算し該X線照射線量を補正することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法。
上記第10の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法では、ファントムに対してアキシャルスキャンを実行したときのX線照射線量を基準値とする照射線量補正係数でX線照射線量を補正するので、被検体の撮影に適合したX線照射線量を精度よく算出することが出来る。
【0017】
第11の観点では、本発明は、上記第7の観点から上記第10の観点のいずれかの断層撮影用スキャン条件決定方法で決定した断層撮影用スキャン条件のヘリカルスキャンを実行してX線断層像を生成することを特徴とする断層撮影方法を提供する。
上記第11の観点による断層撮影方法では、上記断層撮影用スキャン条件決定方法で決定した断層撮影用スキャン条件を用いてX線断層像を生成するので、必要な画質を有するX線断層像を最小のX線被曝量で得ることが出来る。
【0018】
第12の観点では、本発明は、X線を出射するX線管と、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器と、そのマルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで生成するべきイメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量をシングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定するX線照射線量仮決定手段と、ヘリカルスキャンを実行して得られるX線断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないX線照射線量になるように前記仮決定したX線照射線量を補正するX線照射線量補正手段と、前記補正したX線照射線量に適合するヘリカルスキャンの制御を行うスキャン制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第12の観点によるX線CT装置では、所定のイメージ厚のX線断層像を得るべく仮決定されたX線照射線量を、X線断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないように補正するので、画像ノイズ値の条件を満たす最小のX線照射線量を正確に算出して、それに適合したヘリカルスキャンを実行することが可能となる。
このため、X線照射線量が不足して必要な画質が得られない不都合を回避すると共に、X線照射線量が過剰となって被検体が不必要にX線被曝する事態を防止することが出来る。
【0019】
第13の観点では、本発明は、X線を出射するX線管と、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器と、そのマルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択するイメージ厚選択手段と、前記イメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量をシングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定するX線照射線量仮決定手段と、実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択するスキャン条件選択手段と、前記スキャン条件によるヘリカルスキャンを実行して得られるX線断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないX線照射線量になるように前記仮決定したX線照射線量を補正するX線照射線量補正手段と、前記補正したX線照射線量に適合するヘリカルスキャンの制御を行うスキャン制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第13の観点によるX線CT装置では、上記第12の観点によるX線CT装置と同じ作用を奏する。また、イメージ厚選択手段を用いて、生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択することが出来る。さらに、スキャン条件選択手段を用いて、ヘリカルスキャンのスキャン条件を選択することが出来る。
【0020】
第14の観点では、本発明は、X線を出射するX線管と、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器と、そのマルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択するイメージ厚選択手段と、前記イメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量をシングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定するX線照射線量仮決定手段と、実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択するスキャン条件選択手段と、イメージ厚およびスキャン条件ごとの照射線量補正係数を格納する照射線量補正係数テーブルと、前記選択したイメージ厚およびスキャン条件に対応する照射線量補正係数を前記補正係数テーブルから読み出して前記仮決定したX線照射線量に乗算し前記仮決定したX線照射線量を補正する照射線量補正手段と、前記補正したX線照射線量に適合するヘリカルスキャンの制御を行うスキャン制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第14の観点によるX線CT装置では、上記第13の観点によるX線CT装置と同じ作用を奏する。また、照射線量補正係数テーブルから、実行すべきスライス厚およびスキャン条件に対応する照射線量補正係数を読み出して、その照射線量補正係数を用いてX線照射線量を補正するので、スキャン条件に適合した照射線量を簡単な演算で算出することが出来る。
【0021】
第15の観点では、本発明は、上記第14の観点によるX線CT装置において、前記照射線量補正係数テーブルは、選択される可能性のある複数のイメージ厚に対応して作成され、標準的な被検体のCT値分布を模したファントムに対してシングルスライスCTで前記イメージ厚と同じスライス厚のアキシャルスキャンを実行したときのX線照射線量を基準値として、前記マルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで前記アキシャルスキャンと同等の画像ノイズ値のX線断層像を得るためのX線照射線量を前記基準値に対する倍率で表した照射線量補正係数を格納することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第15の観点によるX線CT装置では、ファントムに対してアキシャルスキャンを実行したときのX線照射線量を基準値とする照射線量補正係数でX線照射線量を補正するので、被検体の撮影に適合したX線照射線量を精度よく算出することが出来る。
【0022】
第16の観点では、本発明は、上記第14の観点または上記15の観点による断層撮影用スキャン条件決定方法において、前記照射線量補正係数テーブルは、撮影寝台の移動速度およびスキャン中心のX線ビーム幅ごとの照射線量補正係数を格納することを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第16の観点によるX線CT装置では、スキャン条件として多用される撮影寝台の移動速度およびX線ビーム幅ごとの照射線量補正係数を照射線量補正係数テーブルに格納するので、臨床上の使い勝手や撮影効率をいっそう向上できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影寝台10と、走査ガントリ20とを具備している。
前記コンソール1は、操作者の指示入力や情報入力などを受け付ける入力装置2と、ヘリカルスキャンに必要なX線照射線量を仮決定する処理を含むX線断層撮影処理などを実行する中央処理装置3と、制御信号などを前記撮影寝台10や前記走査ガントリ20とやり取りする制御インタフェース4と、前記走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ5と、前記データから再構成したX線断層像を表示するCRT6と、プログラムやデータやX線断層像を記憶する記憶装置7と、仮決定したX線照射線量を補正するための照射線量補正係数を格納する照射線量補正係数テーブル8とを具備している。
【0024】
前記走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、コリメータコントローラ24と、スキャン中心(図2のSC)の回りに前記X線管21などを回転させる回転コントローラ26と、並行して配列された4列の検出器列を有するマルチ検出器27と、そのマルチ検出器27から取り出されたデータを収集するデータ収集部28とを具備している。
【0025】
図2は、X線管21、コリメータ23およびマルチ検出器27を示す模式図である。
X線管21から出射されたX線Ioは、コリメータ23のアパーチャSを通ることで偏平なX線ビームXrとなり、マルチ検出器27の第1〜第4検出器列27A〜27Dに入射する。
前記コリメータ23のアパーチャSの開口幅や位置は、前記中央処理装置3の指令に基づいて前記コリメータコントローラ24が調整する。
スキャンセンターSCにおけるX線ビームXrの幅をX線ビーム幅Xoという。また、前記X線ビーム幅Xoのうちで前記第1検出器列27Aに入射する分の幅が第1スライス厚Aoであり、第2検出器列27Bに入射する分の幅が第2スライス厚Boであり、第3検出器列27Cに入射する分の幅が第3スライス厚Coであり、第4検出器列27Dに入射する分の幅が第4スライス厚Doである。
【0026】
図3は、前記照射線量補正係数テーブル8の内容を示す説明図である。図示は、イメージ厚IT=5mmに対応する。選択される可能性のある他のイメージ厚ITに関しても同形式で格納される。
前記撮影寝台10の移動速度〔mm/回転〕およびスキャン中心SCのX線ビーム幅Xo〔mm〕ごとの照射線量補正係数が予め格納されている。前記照射線量補正係数は、標準的な被検体のCT値分布を模したファントムに対してシングルスライスCTでスライス厚Th=ITのアキシャルスキャンを実行したときのX線照射線量を基準値として、マルチ検出器27を用いたイメージ厚ITのヘリカルスキャンで前記アキシャルスキャンと同等の画像ノイズ値のX線断層像を得るためのX線照射線量を前記基準値に対する倍率で表したものである。
一般に、撮影寝台10の移動速度が小さいほど(図のNo.が小さいほど)、X線断層像の画質を高くできる。また、撮影寝台10の移動速度が大きいほど(図のNo.が大きいほど)、照射時間を短縮できる。
【0027】
図4は、図1のX線CT装置100によるX線断層撮影処理を示すフロー図である。
ステップST1では、操作者は、イメージ厚ITを選択する。例えばイメージ厚ITとして5mmを選択する。前記イメージ厚ITの調整は、例えば前記第1〜第4の検出器列27A〜27Dから取り出されたデータを合成する重みと、スキャンセンターSCのX線ビーム幅Xoと、撮影寝台10の移動速度のうちのいずれかの要素を変更することで行う。なお、マルチ検出器を備えたX線CT装置で収集したデータの補間に用いる重み関数を変えることでイメージ厚を調整する技術は、例えば特開平9−238935号公報に開示されている。
ステップST2では、アキシャルスキャンを行って前記イメージ厚ITと同じスライス厚のX線断層像を所望の画像ノイズ値で得るためのX線照射線量scan_mAsを、シングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズム、例えば先に図5を参照して説明したX線照射線量決定処理に基づいて、仮決定する。例えば、X線照射線量scan_mAs=200〔mAs〕と仮決定する。
ステップST3では、操作者は、実行しようとするヘリカルスキャンのスキャンプロトコルを選択する。例えば、撮影寝台10の移動速度として7.5〔mm/回転〕を選択し、X線ビーム幅Xoとして2.5〔mm〕を選択する。
【0028】
ステップST4では、選択したイメージ厚ITに合致する照射線量補正係数テーブル8から、テーブル移動速度およびX線ビーム幅Xoに対応する照射線量補正係数を読み出す。上記例では、図3の照射線量補正係数テーブル8のNo.1に対応する照射線量補正係数0.68が読み出される。
【0029】
ステップST5では、読み出した照射線量補正係数を、上記ステップST2で決定したX線照射線量scan_mAsに乗算し、X線照射線量を補正する。上記例では、X線照射線量200〔mAs〕×0.68により、補正後のX線照射線量scan_mAsは、136〔mAs〕となる。
ステップST6では、操作者は、補正後のX線照射線量scan_mAsに応じて管電流と照射時間の少なくとも一方を設定し、断層撮影用スキャン条件を決定する(操作者の介在なしに自動決定してもよい)。例えば、管電流を100〔mA〕に設定すれば、照射時間が1.36〔s〕に決定される。また、照射時間を0.8〔s〕に設定すれば、管電流が170〔mA〕に決定される。管電流を優先的に設定した場合には、前記X線管21に加わる負荷が過大となって短寿命化することを確実に防止できる。照射時間を優先的に設定した場合には、体動が画質に与える影響などを考慮して、スキャン時間を加減できる。
ステップST7では、決定した断層撮影用スキャン条件に基づいて所定の部位を撮影するヘリカルスキャンを実行し、イメージ厚ITのX線断層像を生成し、表示する。
【0030】
以上のX線CT装置100によれば、シングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定された照射線量を、ヘリカルスキャンで得られるX線断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないように補正するので、被検体のX線被曝量を最小限に抑制できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の断層撮影用スキャン条件決定方法および断層撮影方法によれば、被検体に対する照射線量が画像ノイズ値の条件を満たす最小量に抑制されるので、被検体が不必要に被曝する不都合を防止できる。
また、本発明のX線CT装置によれば、画像ノイズ値の条件を満たすX線断層像を最小のX線照射量で得ることができるので、安全性をいっそう向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。
【図2】X線管、コリメータおよびマルチ検出器を示す模式図である。
【図3】照射線量補正係数テーブルの内容を示す説明図である。
【図4】図1のX線CT装置によるX線断層撮影処理を示すフロー図である。
【図5】従来のX線照射線量決定処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
6 CRT
8 照射線量補正係数テーブル
10 撮影寝台
21 X線管
23 コリメータ
27 マルチ検出器
27A 第1検出器列
27B 第2検出器列
27C 第3検出器列
27D 第4検出器列
Xr X線ビーム
Xo X線ビーム幅
S アパーチャ
SC スキャン中心
Claims (6)
- 並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器を備えたCT装置によるヘリカルスキャンで生成するべき断層像のイメージ厚を選択し、
前記イメージ厚の断層像をシングルスライスCTで得る場合の照射線量をシングルスライスCT用照射線量決定アルゴリズムにより仮決定し、
実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択し、
前記スキャン条件によるヘリカルスキャンを実行して得られる断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならない照射線量になるように、
前記イメージ厚及び前記スキャン条件に対応する補正係数を前記仮決定した照射線量に乗算して前記仮決定した照射線量を補正し、
該補正した照射線量に適合した断層撮影用スキャン条件を決定する
ことを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法。 - 請求項1に記載の断層撮影用スキャン条件決定方法において、
前記補正した照射線量の照射線を照射すべく照射源への供給電流と照射時間の一方を優先的に設定することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法。 - 請求項1または請求項2に記載の断層撮影用スキャン条件決定方法において、
前記マルチ検出器の各列のデータを画像再構成のために合成する際の重み関数と、照射線ビーム幅と、被検体を載置する撮影寝台の移動速度とのうちの少なくとも1つの要素を変更してイメージ厚を調整することを特徴とする断層撮影用スキャン条件決定方法。 - X線を出射するX線管と、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器と、そのマルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択するイメージ厚選択手段と、
前記イメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量をシングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定するX線照射線量仮決定手段と、
実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択するスキャン条件選択手段と、前記スキャン条件によるヘリカルスキャンを実行して得られるX線断層像の画像ノイズ値が許容値に対して過不足とならないX線照射線量になるように、前記イメージ厚及び前記スキャン条件に対応する補正係数を前記仮決定した照射線量に乗算して前記仮決定したX線照射線量を補正するX線照射線量補正手段と、
前記補正したX線照射線量に適合するヘリカルスキャンの制御を行うスキャン制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。 - X線を出射するX線管と、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器と、そのマルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択するイメージ厚選択手段と、
前記イメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量をシングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定するX線照射線量仮決定手段と、
実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択するスキャン条件選択手段と、
イメージ厚およびスキャン条件ごとの照射線量補正係数を格納する照射線量補正係数テーブルと、
前記選択したイメージ厚およびスキャン条件に対応する照射線量補正係数を前記補正係数テーブルから読み出して前記仮決定したX線照射線量に乗算し前記仮決定したX線照射線量を補正する照射線量補正手段と、
前記補正したX線照射線量に適合するヘリカルスキャンの制御を行うスキャン制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。 - X線を出射するX線管と、並行して配列された複数の検出器列を有するマルチ検出器と、
そのマルチ検出器を用いたヘリカルスキャンで生成するべきX線断層像のイメージ厚を選択するイメージ厚選択手段と、
所望の画像ノイズ値の許容値を入力して設定する許容値設定手段と、
前記イメージ厚のX線断層像をシングルスライスCTで得る場合のX線照射線量を前記許容値に対して過不足とならないX線照射線量になるように、シングルスライスCT用X線照射線量決定アルゴリズムにより仮決定するX線照射線量仮決定手段と、
実行すべきヘリカルスキャンのスキャン条件を選択するスキャン条件選択手段と、
前記スキャン条件によるヘリカルスキャンを実行して得られるX線断層像の画像ノイズ値が前記許容値に対して過不足とならないX線照射線量になるように、前記イメージ厚及び前記スキャン条件に対応する補正係数を前記仮決定した照射線量に乗算して、前記仮決定したX線照射線量を補正するX線照射線量補正手段と、
前記補正したX線照射線量に適合するヘリカルスキャンの制御を行うスキャン制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
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