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JP3978840B2 - スライサー - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納箱の往復速度を可変するスライサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術を図8をもとに説明する。クランク機構により肉箱6を往復動させ、被加工材をスライスするスライサーでは、クランク軸を回転させる肉箱モーターの回転速度は、クランク軸が1回転する間、常に同じ速度で回転させていた。肉箱6が丸刃2の反対側からB方向へ移動するとき、つまり被加工材をスライスするときは、本体の足部Cへ揺さ振り力となるモーメントM1が働き、肉箱6がA方向へ移動するとき、本体の足部DへモーメントM2が働く。クランク機構の死点部、つまり肉箱6が丸刃2の反対側端に達したときや、肉箱6が丸刃2側端に達したとき、肉箱6の移動方向側に慣性力がかかりモーメントM1,M2が最大となる。通常のスライサーにおいては、丸刃2側に丸刃2の駆動装置やクランク機構の駆動装置がある。よって、本体重心は丸刃2側の足部D側に片寄るため、揺さ振りモーメントはM2>M1の関係となりやすい。よって、肉箱6が丸刃2側に移動するときの揺さ振り力が最も大きくなる傾向にある。さらに、肉箱6の往復動速度を早くするほど、肉箱6の移動方向の慣性力が大きくなり、本体の揺さ振り力となるモーメントM1,M2は大きくなる。
【0003】
通常、この種のスライサーは、常にモーメントM1,M2により本体全体が揺さぶられている。よってこの本体の揺さ振りを防ぐために、モーメントM1とモーメントM2がつりあうよう被加工材を含めた本体質量が本体各足部C,Dにかかる力F1,F2および足部Cと足部D間の距離Lからつりあう肉箱6の往復動速度(通常のスライサーは約65回/分)を決めていた。
【0004】
スライス作業の能率を上げるため、揺さ振りモーメントM1,M2につりあっている肉箱6の往復動速度以上に設定した場合、肉箱6の慣性力は機械本体のつり合い力で吸収しきれず、スライサー全体がシーソーのように揺さ振られ足部Cと足部Dが交互に浮き上がり、しまいには本体が移動してしまう事態に陥っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
肉箱6の往復動速度を上げた状態で、揺さ振りモーメントM1、M2とつりあわせるには本体各部にかかる力F1,F2を大きくする、つまり本体重量を重くするか、足部C,D間の距離Lを長くする必要があり、これではスライサー本体の大型化、重量増加を招いてしまう。
【0006】
小スペースで軽量なスライサーで肉箱6の往復動速度を上げながらも揺さ振りを防ぐには、本体足部C,Dをアンカーボルト等で床面に完全に固定すればよいが、本体を床に固定すれば、本体の移動ができなくなるばかりか、本体下にある被加工材の屑などを取り除く清掃作業ができないなどの問題があった。
【0007】
また、肉箱6に肉塊を入れる場合、丸刃2に接触するのを防ぐために通常、肉箱6は丸刃2の反対側端(クランクの死点付近)に停止させ、丸刃2の反対側より被加工材を収納するようにしている。しかし、肉箱6の往復速度を上げた状態で、丸刃2の反対側の位置で肉箱6を停止させようとすると、慣性力が増大し、停止位置のずれ量が大きくなる。よって、肉箱6が丸刃2の反対側端の位置に停止しないため、肉箱6を丸刃2の反対側端に人為的に移動させてから被加工材を収納していた。このため、肉塊の収納作業効率を悪くしていた。また、これを防止するために、肉箱6を停止させるブレーキ力を増大させれば、肉箱6が急停止するが、このとき、クランク機構部に衝撃力と衝撃音を発生するため、クランク機構部の機械的寿命が短くなり、また騒音の問題もおきていた。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、スライサー本体の小スペース、軽量化を保ちつつ、収納箱の移動速度を高速にすることである。また、他の目的として、収納箱の高速化により収納箱の停止時、静かで、精度よく加工刃物の反対側端に停止させることである。
【0009】
被加工材を収納する収納箱を有し、該収納箱を収納箱駆動用モーターによりクランク機構を介して復移動させ、前記収納箱の往復移動の過程で加工刃物駆動用モーターで回転されている加工刃物により前記被加工材をスライスするスライサーにおいて、前記収納箱駆動用モーターにより前記収納箱を複数回繰り返し往復移動する場合には、前記収納箱駆動用モーターの回転数を、少なくとも前記収納箱が加工刃物側から加工刃物の反対側への復路移動内で減速し、前記収納箱が加工刃物の反対側から加工刃物側への往路移動内で加速するようにしたことにより達成される。
【0010】
また、前記収納箱駆動用モーターの回転数を可変することによって、前記収納箱の往復速度を可変する回転数変速手段と、前記収納箱の位置を検出する検出手段とを設け、該回転数変速手段は、前記検出手段により前記収納箱の位置が前記第1の所定位置に達したことを検出した際に、前記収納箱の往復移動の少なくとも復路移動内で前記収納箱駆動用モーターを減速させることにより達成される。また、前記収納箱の復路移動内で前記収納箱駆動用モーターを減速させた後に、前記検出手段が前記収納箱の位置が第2の所定位置に達したことを検出した後、往復移動の往路移動内で、前記収納箱駆動用モーターを加速させることにより達成される。
【0011】
更に、前記検出手段は前記クランク機構のクランク軸の位置を検出することによって前記収納箱の位置を検出することにより達成される。また、前記収納箱駆動用モーターを停止させる停止スイッチを備え、該停止スイッチの操作により前記回転数変速手段が停止されると前記収納箱が前記加工刃物の反対側端で停止されることにより達成させる。
【0012】
図において、機台1上には加工刃物となる丸刃2を軸支した丸刃ベース3が立設している。丸刃2はベルト4を介し加工刃物用モーターとなる丸刃モーター5により回転駆動される。収納箱となる肉箱6は、機台1の上部に固定されたレール7を案内に丸刃2の刃先に向け往復移動するように設けている。肉箱6には肉塊13を収納し、肉箱6内には肉箱6が1往復するごとに肉塊13を丸刃2側に向けて微少送りする肉塊送り装置14を設けている。また、肉箱6は機台1内に設けたクランク機構8、減速装置9、ベルト10を介し、収納箱駆動用モーターとなる肉箱モーター11で往復移動される。肉箱モーター11には回転数変速手段となるインバータ12が接続され、インバータ12の出力周波数を可変することにより肉箱モーター11の回転が変速される。図2に示すように、クランク機構8のクランク軸15の下部端に検出手段となるロータリエンコーダ16を設け、ロータリエンコーダ16はクランク軸15の各死点近傍の位置を検出するクランク軸15の回転に比例したパルス信号を出力する。ロータリエンコーダ16のパルス信号を計数することによりクランク軸15の回転の角度、つまりクランク機構8の各死点F,Gの近傍位置を検出することができる。機台1の前面には丸刃モーター5、肉箱モーター11の駆動操作信号を出力する運転スイッチ17と丸刃モーター5、肉箱モーター11を停止させる停止スイッチ19を設けている。
【0013】
運転スイッチ17及び停止スイッチ19の信号とロータリエンコーダ16の信号は、制御手段となるシーケンサ18に入力される。シーケンサ18はインバータ12に肉箱モーター11の駆動、停止及び回転速度V1,V2の指令信号をインバータ12に出力するとともに、丸刃モーター5の駆動、停止をする電磁開閉器20のコイル20aの励磁及び消磁の信号を出力する。なお、肉箱モーター11の回転速度V1を高速側、回転速度V2を低速側に設定(V1>V2)し、本実施形態では回転速度V1を肉箱6の往復回数換算で80回/分、回転速度V2を60回/分に設定している。また、シーケンサ18にはあらかじめクランク機構8の各死点近傍のクランク軸15の回転角となる丸刃2側の死点Fの手前位置Eのパルス数と、丸刃2の反対側の死点Gの通過位置Hのパルス数が入力されている。
【0014】
上記構成において、スライサーの動作について説明する。肉塊13を丸刃2の反対側にある肉箱6内に収納させ、運転スイッチ17を操作すると、この運転スイッチ17の信号をシーケンサ18が受け、電磁開閉器20のコイル20aを励磁し、丸刃モーター5を駆動させるとともにインバータ12に高速である回転速度V1の指令信号と駆動信号を出し、インバータ12は回転速度V1で肉箱モーター11を駆動させる。肉箱6は、ベルト10、減速装置9、クランク機構8を介して、レール7を案内として高速にて丸刃2側A方向へ往路移動する。このとき、クランク機構8のクランク軸15も同期して回転し、ロータリエンコーダ16がパルス信号をクランク軸15の回転角に比例したパルス信号を出力する。このパルス信号をシーケンサ18が計数し、あらかじめ設定したクランク機構8の死点Fの手前位置Eに達するまでのパルス数を計数すると、シーケンサ18はインバータ12に低速となる回転速度V2の指令信号を出力する。
【0015】
インバータ12は、肉箱モーター11を減速し回転速度V2にて駆動する。よって、肉箱6はクランク機構8死点Fの手前位置Eから低速移動をする。これにより、クランク機構8の丸刃2側の死点F近傍の肉箱6の慣性力が減少する。この低速状態で丸刃2の反対側矢印B方向へ肉箱6を復路移動させる。次に丸刃2と反対側の死点Gの通過位置Hのパルス数をシーケンサ18が計数すると、シーケンサ18はインバータ12に高速である回転速度V1の指令信号を出し、肉箱モーター11を回転速度V1にて駆動する。よって、肉箱6は丸刃2と反対側の死点Gを低速にて通過したあと、高速にて往路移動する。これにより、クランク機構8の丸刃2の反対側の死点G近傍の肉箱6の慣性力が減少する。この往復動作を繰返すことにより、各死点での肉箱6の慣性力は減少し、本体を揺さ振るモーメントM1,M2が減少する。また、停止スイッチ19を操作してシーケンサ18にてインバータ12を停止させ、肉箱6を丸刃2の反対側端に停止させるときは、回転速度V2なので慣性力が少なく停止位置のばらつきが少なくなる。
【0016】
本実施形態において、制御手段においてシーケンサ18を用いているが、マイコン回路、ロジック回路等の制御手段において同様の制御を行っても同様な効果が得られる。また、クランク機構8の死点近傍位置を検出する手段としてクランク軸15にロータリエンコーダ16を設けたが、肉箱モーター11の回転軸、減速機の回転軸等に設けてもかまわない。また、パルス信号を出力するロータリエンコーダ16を位置検出に使用したが、各死点近傍を検出すればよいため複数個のリミットスイッチ等を使用してもかまわない。クランク機構8の各死点近傍位置は、肉箱6の往復路上に肉箱6の位置を検出してもかまわない。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、クランク機構により往復移動する肉箱の往復速度を変速制御とし、クランク機構の各死点での死点近傍の位置を検出器で検出し、肉箱の往復移動時に各死点での慣性力を少なくするように往復速度を制御したので、往復速度を高速としても本体の揺さ振りモーメントを少なくできる。このため、本体の足部間の距離を広げたり、本体重量を重くする必要がなくなり、肉箱の往復速度を高速にしても省スペースで軽量なスライサーを提供でき、かつ、高速でスライス作業ができるため、スライス作業の作業効率向上が図れる。
また、肉箱が丸刃側から戻る復路速度を減速することで、肉塊を投入する肉箱位置、つまり丸刃側の反対側端に肉箱を停止するとき慣性力が少なくなるので、停止位置のばらつきが小さくなる。
さらに、停止時の機械的な衝撃力や衝撃音が少なくなり、機械的な寿命が長くでき低騒音化が図れるとともに、肉箱を丸刃側の反対側端に人為的に移動していた調整作業がいらないので、スライス作業能率向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はミートスライサーの正面図である。
【図2】クランク軸の部分拡大図である。
【図3】図1の概略上面図である。
【図4】図1の概略部分右側面図である。
【図5】図1の概略上面図である。
【図6】図1の概略部分右側面図である。
【図7】ブロック回路図である。
【図8】図1の概略右側面図である。
【符号の説明】
6…肉箱、8…はクランク機構、11…肉箱モーター、12…インバータ、16…ロータリエンコーダ。

Claims (5)

  1. 被加工材を収納する収納箱を有し、該収納箱を収納箱駆動用モーターによりクランク機構を介して往復移動させ、前記収納箱の往復移動の過程で加工刃物駆動用モーターで回転されている加工刃物により前記被加工材をスライスするスライサーにおいて、
    前記収納箱駆動用モーターにより前記収納箱を複数回繰り返し往復移動する場合には、
    前記収納箱駆動用モーターの回転数を、少なくとも前記収納箱が加工刃物側から加工刃物の反対側への復路移動内で減速し、前記収納箱が加工刃物の反対側から加工刃物側への往路移動内で加速するようにしたことを特徴とするスライサー。
  2. 前記収納箱駆動用モーターの回転数を可変することによって、前記収納箱の往復速度を可変する回転数変速手段と、前記収納箱の位置を検出する検出手段とを設け、
    該回転数変速手段は、前記検出手段により前記収納箱の位置が前記第1の所定位置に達したことを検出した際に、前記収納箱の往復移動の少なくとも復路移動内で前記収納箱駆動用モーターを減速させることを特徴とする請求項1記載のスライサー。
  3. 前記収納箱の復路移動内で前記収納箱駆動用モーターを減速させた後に、前記検出手段が前記収納箱の位置が第2の所定位置に達したことを検出した後、往復移動の往路移動内で、前記収納箱駆動用モーターを加速させることを特徴とする請求項2記載のスライサー。
  4. 前記検出手段は前記クランク機構のクランク軸の位置を検出することによって前記収納箱の位置を検出することを特徴とする請求項2又は3記載のスライサー。
  5. 前記収納箱駆動用モーターを停止させる停止スイッチを備え、該停止スイッチの操作により前記回転数変速手段が停止されると前記収納箱が前記加工刃物の反対側端で停止されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のスライサー。
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