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JP3978866B2 - レーザー溶融熱転写記録方法 - Google Patents
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JP3978866B2 - レーザー溶融熱転写記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光を熱に変換し、その熱でインク層を転写する光熱変換記録媒体及び記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写記録媒体は通常、加熱により熱溶融性又は熱可塑性インク層を被転写媒体に転写するものであり、加熱はサーマルヘッド、レーザー、マスク光などにより行われる。そのうち、レーザー等を用いる記録は記録密度を高めることが可能で、近年、高出力の光源が安価で入手できるようになったこともあり、実用化への研究開発が盛んである。
【0003】
光熱変換を利用した記録媒体として、支持体上に光熱変換層とインク層とから成る構成が知られている。光熱変換層のレーザー光波長での吸収を大きくすることで感度を向上させることができるが、その反面吸収を大きくし過ぎると露光加熱時にいわゆる飛散(アブレーション)という現象が起こり、光熱変換層自体がインク層とともに受像材料側に転写されてしまい、様々な問題が生じている。特に、露光照度が大きく、露光面の到達感度が高い場合に顕著であり、光熱変換層が転写することによる記録画像の色濁りや、発生ガスによる受像面との密着阻害による転写濃度のムラなど深刻な問題を引き起こす。
【0004】
これらの解決には、記録装置(光源)の露光照度や記録媒体の特性に合わせて光熱変換層の単位膜厚当たりのレーザー波長での吸収を最適化するとともに、光熱変換層の耐熱性を高めることで対応している。通常複数色の画像を得るためには複数色の記録媒体を用いるが、一義的に決められた光熱変換層を全色に用いることが通常であった。しかしこの方法では、色毎に適性露光条件の設定を行う必要があり、操作が困難であるという問題があった。又仮に露光条件を各色毎に設定しても、適性露光条件域(ベタ濃度が一定で、アブレーションが起こらないエネルギー領域)が得られ難く、更には全画像領域において2次色の画像均一性が変動しやすいなどの問題点も有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は複数色の記録を行うに当たって、適性露光条件の設定が容易にできると共に、適性露光条件域が広く、各1次色、2次色の画像濃度均一性を満足するレーザー溶融熱転写記録媒体及び記録方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0007】
(1)少なくとも光熱変換層とインク層とを有するレーザー溶融熱転写記録媒体と被記録媒体とを密着させて像様にレーザー露光を行った後、前記レーザー溶融熱転写記録媒体を被記録媒体から剥離してインク層を転写することで単色画像を記録し、次いで他の色のインク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体を用いて同様に単色画像を繰り返し記録して複数色を重ね合わせることで複数色からなる画像を形成するレーザー溶融熱転写記録方法であって、該レーザー溶融熱転写記録媒体は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタまたはシアンの各インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体からなり、該レーザー溶融熱転写記録媒体の光熱変換層のレーザー光波長(830nm)における単位付量当たりの吸光度が、黒インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の場合に0.6以上であり、イエロー、マゼンタまたはシアンの各インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の場合、該黒インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の吸光度に対して0.1以上低組み合わせからなることを特徴とするレーザー溶融熱転写記録方法
【0008】
好ましい態様として、a)前記光熱変換層が、TGA法を用いた熱分解測定により窒素気流中、昇温速度10℃/分の条件での重量減少率が50%となる温度が360℃以上のバインダーと光熱変換剤とを有することが挙げられる。
【0009】
又、b)前記光熱変換剤がカーボンブラック、グラファイト、コロイド銀から選ばれる少なくとも1種であることが挙げられる。
【0011】
また、好ましい態様として、c)前記光熱変換層の単位付量当たりの吸光度が異なる組み合わせの内、吸光度(以下、吸収とも言う)が最も大きい色のレーザー溶融熱転写記録媒体と被記録媒体とを用いて最初に画像記録することが挙げられる。
【0012】
即ち本発明者らは上記課題について鋭意検討を重ねた結果、インクの色毎に光熱変換層の単位付量当たりの吸収を設定せしめれば露光の際の適性露光条件の設定の操作性の困難性もなくなり、どの色も安定な露光条件を得ることが出来、その結果アブレーション及び感度に対して最適な記録条件を広範囲で得ることができるとの知見とのもと本発明に至ったものである。
【0013】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0014】
本発明のレーザー溶融熱転写記録媒体は、基本的に支持体上に像様に照射される光を熱に変換する光熱変換層及び熱溶融性のインク層を積層した構成を有するが、必要に応じて支持体とインク層の間に中間層(剥離層、バリヤー層、クッション層等)を設けてもよい。本発明においてはクッション層を設けることが好ましい。
【0015】
以下、各構成について述べる。
【0016】
〔1〕レーザー溶融熱転写記録媒体
(光熱変換層)
本発明において、光熱変換層はレーザー光波長における単位付量当たりの吸収を色によって設定し、それを各色毎に実質的に異なるよう組み合わせることにより、適正露光条件の設定が容易となり、その露光における操作中でのアブレーションの発生や感度の低下、更には画像の色濁りを抑制できる。尚、本発明に係るイエロー、マゼンタまたはシアンの各インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体は、黒インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の吸光度に対して0.1%以上、好ましくは1%以上低い吸光度を有する。
【0017】
本発明のレーザー溶融熱転写記録媒体の光熱変換層は、主に光熱変換剤とバインダーとから構成される。
【0018】
光熱変換剤としては、光源によっても異なるが、光を吸収し効率良く熱に変換する物質がよく、例えば半導体レーザーを光源として使用する場合、近赤外に吸収体を有する物質が好ましい。例えばカーボンブラック、グラファイト、コロイド銀、フタロシアニン系色素、スクアリウム系色素、ニトロソ化合物及びその金属錯塩、ポリメチン系色素、チオールニッケル塩、トリアリールメタン系色素、インモニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラセン系色素等を用いることができる。又、特開昭63−139191号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらの内、コロイド銀、カーボンブラック、グラファイト等の金属微粒子は化学的に安定で、保存などで吸収の変化が起こらず、赤外の吸収が大きいことから好ましく、又色素に対して安価であり、吸収が安定である点でも特に好ましい。
【0019】
光熱変換剤とバインダーとの比率は7:3〜1:9、好ましくは5:5〜2:8である。又光熱変換層の膜厚は0.1〜1μmが好ましく、光熱変換層における光熱変換剤の含有量は、通常、画像記録に用いる光源の波長での吸光度が0.3〜3.0になるように決められる。
【0020】
光熱変換層におけるバインダーとしては公知のものが使用できるが、TGA法を用いた熱分解測定により、窒素気流中、昇温速度10℃/分の条件での重量減少率が50%となる温度が360℃以上である樹脂が好ましい。具体的には、各種機能性プラスチックス、水溶性バインダー、熱可塑性樹脂等の架橋物又は硬化物である。
【0021】
そのうち好ましいのは水溶性バインダーであり、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキサイド、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸等が挙げられ、この内、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレンオキサイドが好ましいものとして挙げられる。一方機能性プラスチックスとしては、ポリアルキドイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等が好ましい。
【0022】
又アクリル酸等のアクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体、セルロースアセテートなどのセルロース系ポリマー、ポリスチレン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミドなどの縮合系ポリマー、ブタジエン/スチレン共重合体のようなゴム系の熱可塑性ポリマー、ポリウレタン、ポリイミド、エポキシ樹脂、尿素/メラミン樹脂などが挙げられる。
【0023】
光熱変換層は、単位膜厚当たりの吸収が大きく、しかも出来るだけ薄膜であることが感度の面で好ましいが、半面、単位膜厚又は単位付量当たりの吸収が大きすぎると露光時における到達温度が局部的に高くなり、光熱変換層の耐熱性は劣化してしまうので、この設定は重要な意味を持つ。到達温度が最も高くなる部分は光熱変換層の光入射面であり、耐熱性が乏しい場合、この光入射界面から所謂アブレーションが発生する。支持体側から露光した場合、完全にアブレーションが発生してしまうと、これは最悪の場合であるが、光熱変換層とインク層が同時に転写してしまう。又、明確にアブレーションが起こらずとも、熱分解ガスの発生により、インク面と被転写体との密着が阻害され転写ムラが生じる。このため、露光照度にもよるが、露光波長における吸光度/μmは3.0以下が好ましく、更に好ましくは1.5以下である。
【0024】
尚、インク層がレーザー光の波長を有する色、例えば黒色では単位付量当たりの濃度を他の色より高く設定することが好ましい。黒色インクは、インク層自体がレーザー光を吸収し、過露光時にインク層が転写して好ましい温度より過熱してしまい、転写濃度が低下してしまうことがある。よって黒色インクの場合の光熱変換層の好ましい単位付量当たりの吸収は0.6以上であり、更に好ましくは0.7以上である。こうすることで、インク層に対し光熱変換層によって遮光性を得ることができ、均一な画像を得ることができる。
【0025】
このように感度と耐熱性のジレンマが生じることを回避するため、例えば記録光の入射面に単位膜厚当たりの吸収が小さい光熱変換層を別途設けることが好ましい。即ち、光入射面は吸光度/μmが1.5以下の光熱変換層を配置し、更に吸光度/μmを1.5以上にした第2の光熱変換層をインク層との間に設けることにより、より高感度で耐熱性の高い記録媒体を作製することができる。光熱変換層の単位膜厚当たりの吸光度、隣接する層又は受像媒体との密着の有無などにもよるが、ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス・アンド・テクノロジィ(Journal of Imaging Science and Technology)36巻,2(1992)180頁に記載されるように、600℃以上もの温度に達する。この様に、ヒートモードレーザー記録の場合、光熱変換層の到達温度が著しく高く、しかも短時間の変化であるため、バインダーを選択するに当たって一般的に言われている耐熱性を尺度とすることが適切ではない。即ち、具体的には露光時は減圧密着下であること、到達温度が高くても極めて僅かの時間で昇温/降温することなどである。バインダーの耐熱性に関して種々の測定方法及びこれに対応した記録特性を検討した結果、TGA(熱重量分析)法による動的熱分解測定により、熱分解条件が昇温速度10℃/分、窒素気流中の条件での重量減少率が50%となる温度(以下、TGA50熱分解温度と称す)を測定することで、実用上、適切な耐熱性を判断できる。
【0026】
光熱変換層には、塗布性向上のための界面活性剤、インク層との界面剥離を助長する離型剤等を添加することができる。特に、離型剤としてシリコーン化合物、弗素系化合物、ワックス等のオレフィン系化合物や長鎖アルキル系化合物を添加することが好ましい。
【0027】
好ましいシリコーン化合物としては、ポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、又はこの硬化物等が挙げられる。
【0028】
好ましい弗素系化合物としては、弗素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。
【0029】
好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。
【0030】
これら離型剤の内、溶解性に乏しいものは分散するなどして用いることができる。又、シリコーン化合物と同様に他のポリマーに付加させることも可能である。又、バインダーを架橋するために各種の架橋剤を添加することも可能である。
【0031】
これら光熱変換層に添加する添加剤の量は、光熱変換剤とバインダーの総量の0.01〜20重量%が好ましい。
【0032】
(インク層)
インク層は主として色材インクとバインダーから成る。
【0033】
色材インクとしては、無機又は有機の顔料、染料が用いられ、単色、2色混合、3色混合;例えばイエロー、マゼンタ、シアンの顔料系化合物で構成される。
【0034】
無機顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩などが挙げられる。
【0035】
有機顔料としては、アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料(銅フタロシアニン及びその誘導体)、キナクリドン顔料などが挙げられる。又、有機染料としては、酸性染料、直接染料、分散染料などが挙げられる。
【0036】
バインダーとしては、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレン樹脂、スチレン共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体等のビニル系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂等が挙げられる。
【0037】
又、バインダー以外に、タッキファイヤーとしてロジン又はロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等を添加することができる。
【0038】
バインダーとインクとの重量比は1:10〜10:1が好ましく、3:7〜8:2が特に好ましい。
【0039】
以上の各層は、公知の溶剤塗布法、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法や、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法、押出しコータ法等を用いることができる。
【0040】
用いる溶剤としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、芳香族類(トルエン、キシレン、クロルベンゼン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、塩素系溶剤(クロロホルム、トリクロルエチレン等)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0041】
これらの溶剤は、その溶解物又は分散物に合わせて1種又は2種以上混合したものを用いる。具体的な構成方法は特願平5−1237号及び同7−8994号に詳細な記載がある。後述の実施例においては、この方法により作製しているが、勿論、これに限定されるものではない。
【0042】
(クッション層)
クッション層は、記録媒体と受像媒体との密着を増す目的で設けられるが、前記支持体自体にクッション性が付与されていてもよい。
【0043】
クッション性を付与するには、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料又は加熱により容易に軟化し密着性が向上する熱可塑性材料を使用すればよい。具体的には、天然ゴム、アクリレートゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、弗素ゴム、ネオプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリン、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ウレタンエラストマー等のエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリブテン、耐衝撃性ABS樹脂、ポリウレタン、ABS樹脂、アセテート、セルロースアセテート、アミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセルロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、耐衝撃性アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の内、弾性率の小さな樹脂が挙げられる。
【0044】
又、クッション層として使用可能な形状記憶樹脂として、ポリノルボルネンやポリブタジエンユニットとポリスチレンユニットとが複合化されたスチレン系ハイブリッドポリマー等を挙げることができる。
【0045】
クッション層の厚みは、使用する樹脂又はエラストマーの種類、記録媒体・受像媒体密着時の吸引力、マット材の粒径、マット材の使用量など、様々の因子により異なるので一概には決められないが、通常10〜100μmの範囲である。
【0046】
クッション層の形成方法としては、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものを、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター等による塗布法、ホットメルトでの押出しラミネーション法、クッション層フィルムの貼合せ法などを適用できる。
【0047】
(支持体)
支持体としては、寸法安定性が良く、画像形成の際の熱に耐えるものならば何でもよく、具体的には特開昭63−193886号(2)頁左下欄12〜18行に記載のフィルム又はシートを使用することができる。像様露光用のレーザー光を記録媒体側から照射して画像を形成するのであれば、支持体は透明であることが望ましい。又、レーザー光を受像媒体側から照射して画像を形成するのであれば、記録媒体の支持体は透明である必要はない。
【0048】
支持体の厚さは特に制約はないが、通常2〜300μm、好ましくは5〜200μmである。
【0049】
〔2〕レーザー溶融熱転写記録方法
画像記録用レーザー光源としては、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、ヘリウムネオンレーザーなどが挙げられる。半導体レーザーの中では、光学効率を大幅に低下させることなく焦点において1/e2直径が数〜数十μmに絞り込み易いものとして、所謂シングルモードレーザーダイオードを用いることが好ましい。
【0050】
レーザー以外の光源としては、発光ダイオード(LED)が挙げられる。複数の発光素子を集積したアレイとして使用し易いものは、LED及び半導体レーザーである。
【0051】
本発明においては、前記光熱変換層の単位付量当たりの吸収が最も大きくなるように設定した色を有するレーザー溶融熱転写記録媒体を最初に画像記録することが好ましい。レーザー溶融熱転写記録では熱転写記録媒体と被記録媒体とを密着(例えば減圧密着)させて像様にレーザー露光を行うため、受像材料の受像面は粗面化してあるが、インク層が複数転写されると、受像面の粗さが小さくなり、結果として減圧密着効果が低下し、転写ムラが生じやすい。一方、光熱変換層の単位付量当たりの吸収が大きいとレーザー露光時のガス(アブレーションの有無に関わらず発生)の発生量が増大し、単色画像を繰り返し記録して複数色を重ね合わせることで複数色からなる画像を形成する系においては、光熱変換層の単位付量当たりの吸収が最も大きな記録媒体を露光処理の最後に使用した場合、ガスの発生量に対し減圧密着速度が追いつかず、結果として記録媒体と受像媒体との密着が阻害され、画像の色濁り、又は画像再現性の低下を引き起こしやすい。従って、ガス発生による転写ムラを抑えるためには、上述したようにガスの発生量が増大しやすい、光熱変換層の単位付量当たりの吸収の大きい色の記録媒体を最初に画像記録することが好ましい。
【0052】
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査とし、レーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
【0053】
複数の発光素子を同時に使用する、所謂マルチチャンネル露光の場合、円筒外面走査が最も適している。又、露光出力の大きいYAGレーザーなどを用いる場合、円筒外面走査ではドラムの回転数を大幅にアップすることが難しいので、円筒内面走査が適している。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における各成分の組成比(部)は、固形分重量比を表す。
【0055】
〈記録媒体の作製〉
1−1)仮支持体の作製
下記離型層組成を水に希釈、乾燥付量が0.3g/m2になるように25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ダイヤホイルヘキスト製:T−100)に塗布・乾燥後、120℃で1分熱処理を行った後、更に60℃・36時間のキュアーを行った。
【0056】
Figure 0003978866
1−2)インク層の形成
1−1)で作製した仮支持体の離型層上に、下記インク層組成をメチルエチルケトン(MEK):アノンの混合溶剤に希釈、付量が0.48g/m2になるように塗布した。
【0057】
Figure 0003978866
1−3)光熱変換層の形成
1−2)で作製したインク層上に、下記光熱変換層組成を水:イソプロピルアルコール(IPA)=3.8:1の混合溶剤に希釈、乾燥塗布量が0.65g/m2になるように塗布した。この時、830nmにおける吸光度は、0.729であった。
【0058】
Figure 0003978866
1−4)支持体バックコート層の作製
下記バックコート層組成を水に希釈、乾燥付量が0.3g/m2になるように100μmのPETフィルム(前出T−100)に塗布・乾燥後、120℃で1分熱処理を行った後、更に60℃・36時間のキュアーを行った。
【0059】
(バックコート層組成)
ポリビニルアルコール(前出EG−30) 85部
架橋剤(前出スミレーズレジン−613) 9部
架橋促進剤(前出ACX−P) 1部
弗素系化合物(前出FP−150) 5部
マット剤(3μmシリカ粒子) 5部
1−5)クッション層の形成
1−4)で作製したバックコート層の裏面上に、下記クッション層組成をメチルエチルケトン:トルエン=1:4の混合溶剤に溶解、乾燥膜厚が7μmになるように塗布した。
【0060】
(クッション層組成)
スチレン系ゴム(シェル製:クレイトンG1657) 70部
タッキファイヤー(荒川化学製:スーパーエステルA100) 30部
1−6)クッション層と光熱変換層の接着
1−5)で形成したクッション層面と、1−3)で形成した光熱変換層面を25℃・2kg/cmの線圧でラミネートした。
【0061】
1−7)仮支持体の除去
1−6)で形成したラミネートシートを図1に示すような剥離条件にて仮支持体を剥離除去し、最終的にバックコート層/支持体/クッション層/光熱変換層/インク層から成る記録媒体を得た。
【0062】
光熱変換層塗布液処方を以下の表1のように変更した。尚、部は重量部を意味する。
【0063】
【表1】
Figure 0003978866
【0064】
又、インク層塗布液処方を以下の表2のように変更した。尚、部は重量部を意味する。
【0065】
【表2】
Figure 0003978866
【0066】
M(マゼンタ):マゼンタ顔料分散物(御国色素製、MHI−527(分散助剤込みで固形分20%))
C(シアン):シアン顔料分散物(御国色素製、MHI−454(分散助剤込みで固形分30%))
K(ブラック):ブラック顔料分散物:御国色素製、MHI−220(分散助剤込みで固形分30%)を4.1部、前出MHI−454を0.72部、MHI−735(分散助剤込みで固形分10%)を1部の混合物
(画像記録及び評価方法)
得られた記録媒体を用いてコニカEV−laser−Proofer(レーザー発振波長830nm、周長29inch)で、カラーデシジョン受像フィルムCD−1Rに露光面照度70〜100mW/1ch、回転数400〜600rpmにて露光した。
【0067】
ベタ濃度が一定となる上限の回転数(ベタ感度)、光熱変換層が飛散し画像が汚れる上限の回転数(アブレーションポイント)を評価した。ただし、ブラックは1.8以上の反射濃度が得られる回転数をベタ感度範囲とした。
【0068】
実施例1
Y,M,C,Kそれぞれの記録媒体に、表3記載の光熱変換層を塗布し、記録順序を表3の通りにして画像記録を行った。結果を以下に示す。
【0069】
【表3】
Figure 0003978866
【0070】
得られた結果から明らかなように、本発明の記録方法を用いた場合には、同一の露光条件で特別な設定をすることなく良好なベタ感度とアブレーションポイントとのラチチュードが得られ、しかも安定した濃度で、ドットゲインの良好な画像が得られることが分かる。
【0071】
実施例2(比較例)
Y,M,C,Kそれぞれの記録媒体に、表4記載の光熱変換層を塗布し、記録順序を表4の通りにして画像記録を行った。結果を以下に示す。
【0072】
【表4】
Figure 0003978866
【0073】
得られた結果から明らかなように、本発明外の記録方法では、イエロー、マゼンタ、シアンの全てにおいてアブレーションポイントからベタ感度までのラチチュードが実施例1より狭く、安定した濃度、ドットゲインの画像が得られにくいことが分かる。
【0074】
実施例3
Y,M,C,Kそれぞれの記録媒体に、表5記載の光熱変換層を塗布し、記録順序を表5の通りにして画像記録を行った。結果を以下に示す。
【0075】
【表5】
Figure 0003978866
【0076】
得られた結果から明らかなように、各色の記録媒体に対し好ましい光熱変換層の単位付量当たりの吸収を設定し、その記録順序を本発明の方法で記録したので、実施例1より更に大きいアブレーションポイントラチチュードが得られ、しかも安定した濃度を有し、ドットゲインの良好な画像が得られることが分かる。
【0077】
実施例4
以下の2色について、全面(A2+サイズ)ベタ記録を行った。それぞれの記録媒体に表6記載の光熱変換層を塗布し、記録順序を表6の通りにして画像記録を行った。結果を以下に示す。この時、ドラム表面に厚さ60μm、一辺2mmの突起を設け、その部分にて画像欠陥が生じるかどうか評価した。
【0078】
【表6】
Figure 0003978866
【0079】
得られた結果から明らかなように、マゼンタ、シアンともに画像欠陥が生じず、均一なブルー画像が得られた。ここではレーザー露光において発生したガスが、素早くバキュームされ、インクシートと受像シートとの密着を阻害していないことが分かる。
【0080】
実施例5(比較例)
以下の2色について、実施例4と同様に全面(A2+サイズ)ベタ記録を行った。それぞれの記録媒体に表7記載の光熱変換層を塗布し、記録順序を表7の通りにして画像記録を行った。結果を以下に示す。
【0081】
【表7】
Figure 0003978866
【0082】
得られた結果から明らかなように、シアン版では画像欠陥が生じなかったが、2色目のマゼンタ版では突起物周辺の濃度が低くなり、ブルー画像の一部がシアンに近い色となってしまった。これは、マゼンタ版の光熱変換層の単位付量当たりの吸収が大きいため、レーザー露光時のガス発生量が増大し、記録媒体と受像媒体との密着が阻害された為である。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、複数色の記録を行うに当たって、適性露光条件の設定が容易にできると共に、適性露光条件域が広く、各1次色、2次色の画像濃度均一性を満足できるという顕著に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の記録媒体を貼合・剥離で作製する際の剥離条件を示す断面図。
【符号の説明】
1 支持体
2 バックコート層
3 クッション層
4 光熱変換層
5 インク層
6 離型層
7 仮支持体
8 ローラ

Claims (4)

  1. 少なくとも光熱変換層とインク層とを有するレーザー溶融熱転写記録媒体と被記録媒体とを密着させて像様にレーザー露光を行った後、前記レーザー溶融熱転写記録媒体を被記録媒体から剥離してインク層を転写することで単色画像を記録し、次いで他の色のインク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体を用いて同様に単色画像を繰り返し記録して複数色を重ね合わせることで複数色からなる画像を形成するレーザー溶融熱転写記録方法であって、該レーザー溶融熱転写記録媒体は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタまたはシアンの各インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体からなり、該レーザー溶融熱転記録媒体の光熱変換層のレーザー光波長(830nm)における単位付量当たりの吸光度が、黒インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の場合に0.6以上であり、イエロー、マゼンタまたはシアンの各インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の場合、該黒インク層を有するレーザー溶融熱転写記録媒体の吸光度に対して0.1以上低い組み合わせからなることを特徴とするレーザー溶融熱転写記録方法。
  2. 前記光熱変換層の単位付量当たりの吸光度が異なる組み合わせの内、吸光度が最も大きい色のレーザー溶融熱転写記録媒体と被記録媒体とを用いて最初に画像記録することを特徴とする請求項1記載のレーザー溶融熱転写記録方法。
  3. 前記光熱変換層が、TGA法を用いた熱分解測定により窒素気流中、昇温速度10℃/分の条件での重量減少率が50%となる温度が360℃以上のバインダーと、光熱変換剤とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー溶融熱転写記録方法。
  4. 前記光熱変換剤がカーボンブラック、グラファイト、コロイド銀から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー溶融熱転写記録方法。
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