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JP3979708B2 - 複合型光学素子の成形方法 - Google Patents
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JP3979708B2 - 複合型光学素子の成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基材等の基材上にエネルギー硬化型の樹脂を塗布して所望の形状の複合型光学素子に成形する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭63−225557号公報には、複合型光学素子の従来の製造方法が記載されている。この方法は図11に示すように、ガラス基材100の樹脂層形成面11にスリ面部120を形成するものである。スリ面部120は樹脂層形成面110の外周部分にリング状に形成されており、スリ面部120に樹脂が食い込むため、樹脂とガラス基材100とを良好に密着させることができる。
【0003】
この方法においては、外形々状が円形となっているガラス基材100を使用するものであり、成形される複合型光学素子も同様に光軸に対して軸対称となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カメラに使用されているフィルムの多くは長方形なので、フィルム面に達する光線は必ずしもガラス基材の中心軸を中心とする円形形状である必要はない。従って、複合型光学素子の光学性能に関係がある有効直径自体必ずしも円形形状である必要はない。このことは、設計時に少しでも不必要な部分を削りたいという要求があるコンパクトカメラ等においては円形形状というのは無駄なものである。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、球面レンズの不要な部分を除去した後に、非球面の樹脂層を成形することにより非円形とすることができる複合型光学素子の成形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、基材の光学面上に形成されたエネルギー硬化型の樹脂層にエネルギーを照射して、樹脂層を硬化させる複合型光学素子の成形方法において、外径が円形々状で且つ光学面が球面形状である基材を、該基材の外周面を直線状に切断して非円形形状に加工する工程と、前記加工した基材の光学面上にエネルギー硬化型の樹脂を供給する工程と、基材の光学面上に供給された前記樹脂を所望の形状の樹脂層に成形する工程と、成形した前記樹脂層にエネルギーを照射して前記樹脂層を硬化させ、非球面形状とする工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
この発明では、円形形状の基材を、その光軸を中心とした非円形形状に加工した後、基材の光学面上に樹脂層を形成し、硬化することによって非球面形状とする。
【0008】
従って、複合型光学素子の光学性能上不要な部分を取り除くことにより、この不要な部分がスペースとなるため、光学機器の機能上、必要な他の部材をスペースに収めることができ、光学機器をコンパクトにすることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明であって、前記基材における前記加工した部分に当接部材を当接し、基材と当接部材とを組み合わせた形状を円形形状とする工程と、基材の光学面上の樹脂層を硬化させた後、当接部材を基材から分離する工程と、基材の光学面上以外に存在する樹脂層を除去する工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
この発明では、非円形形状の基材に当接部材を当接させ、この当接状態で樹脂層を硬化させ、その後、基材の光学面上以外に存在する樹脂層を除去するため、基材と樹脂層の外径形状を光学的有効径と同様にすることができ、光学系をより小径とすることができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明であって、前記基材における前記加工した部分に当接部材を当接させ、基材の光学面上の樹脂を金型によって押圧して樹脂層とし、この金型、前記当接部材及び基材によって樹脂を成形するキャビティを形成することを特徴とする。
【0012】
この発明では、基材と、基材に当接した当接部材と、樹脂層を押圧する金型とによって成形のためのキャビティを形成するため、樹脂層のみを非円形形状にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の複合型光学素子の成形方法の実施の形態1を示す。ガラス基材2は通常の研磨加工によって、外形が円形々状、すなわち光学中心を軸とする円形形状であり、且つその光学面2aが凹状の球面形状となっている。このガラス基材2に対し、外周面の2箇所を直線状に同方向に切断して除去することによって、非円形形状になるように加工する。
【0014】
非円形形状への加工の後、ガラス基材2の光学面2aに、シランカップリング剤(商品名「KBM−503」(株)信越化学製)を滴下し、スピンナー(図示省略)によって光学面2aに均一に塗布する。この場合、シランカップリング剤は適宜エタノールで希釈して使用する。この塗布の後、80℃の温度雰囲気内に20分間放置して、シランカップリング剤をガラス基材2の光学面2aに焼き付ける。
【0015】
シランカップリング処理が施されたガラス基材2を室温に戻した後、図2に示すように、液体定量吐出装置(図示省略)により、紫外線硬化型樹脂3を光学面2aに適量吐出する。そして、上下動可能な成形用金型1(以下、金型1)の下部に、双方の中心軸を一致させた状態で載置台20に支持させる。
【0016】
次に、ガラス基材2と金型1との間隔が所望の間隔になるまで金型1を下降させる。これにより、ガラス基材2上に吐出されている樹脂3は金型1に押圧されるため、図3に示すようにガラス基材2上の光学面2aの全面に拡がって樹脂層3aとなる。
【0017】
この押圧状態のままで図3に示すように、ガラス基材2下方に位置しているエネルギー照射手段としての高圧水銀ランプ8から紫外線を出射する。紫外線はガラス基材2を透過して樹脂層3を照射し、樹脂層3を硬化させる。この硬化によって、樹脂層3がガラス基材2と一体となった複合型光学素子となる。
【0018】
樹脂層の硬化が完了した後、ガラス基材2と樹脂層3とが一体化した複合型光学素子を図示しない離型手段で押さえ、この押え状態のままで金型1を上昇させることにより複合型光学素子を金型1から離型させる。
【0019】
以上のような成形では、カメラ等の光学機器にとって不要な部分を有さない非円形形状の複合型光学素子とすることができる。
【0020】
(実施の形態2)
図4〜図7は実施の形態2を示す。この実施の形態では、実施の形態1で用いられた構成に加えて、当接部材10を用いるものである。
【0021】
当接部材10は、実施の形態1と同様な加工によって非円形形状に成形されたガラス基材2の両端面2bに当接する当接面11と、この当接面11の上端から上方に円弧状に湾曲した接触面12とを有している。当接面11はガラス基材2の除去された部分を補うものであり、接触面12は金型1の成形面1aに接触するようになっている。かかる当接部材10は、ガラス基材2の光軸に向かって、すなわち光軸に対して直交する方向(矢印X方向)に進退可能であり、その進出によってガラス基材2を挟むことができる。
【0022】
この実施の形態では、実施の形態1と同様にガラス基材2の光学面2aに紫外線硬化型樹脂3を適量吐出し、上下動可能な金型1の下部に、双方の中心軸を一致させた状態で載置台20上に配置する。その後、ガラス基材2に向けて当接部材10を前進させ、当接面11をガラス基材2に当接させることによりガラス基材2を挟む。
【0023】
当接部材10がガラス基材2と当接したとき、外形が円形形状で、且つガラス基材2の光学面2aと当接部材10の接触面12とが連続面となる。かかる当接部材10は紫外線を透過することが可能なようなガラスもしくは透明プラスチックによって成形されている。
【0024】
次に、ガラス基材2と金型1との間隔が所望の間隔になるまで金型1を下降させる。これにより、ガラス基材2上に吐出されている樹脂3は金型1に押圧され、ガラス基材2の光学面2aの全面に拡がり樹脂層3aとなる。その際には、ガラス基材2の光学面2aと当接部材10の接触面12とが軸対称の連続面になっているため、樹脂3は接触面12にまで均等に拡がった樹脂層3aとなる。
【0025】
その後、金型1による押圧を維持したままで、ガラス基材2下方に位置している高圧水銀ランプ8により、紫外線を樹脂層3aに照射して硬化させる。硬化が完了した後、ガラス基材2と樹脂層3aとが一体化した複合型光学素子を図示しない離型手段によって押さえ、金型1を上昇させる、これにより複合型光学素子30を金型1から離型させる。さらに、その後、当接部材10を後退させる。
【0026】
この当接部材10の後退によって、当接部材10の接触面12に対応した樹脂層3a部分は、ガラス基材2の光学面2aの外側に延設し、且つフィルム状の余剰部分3bとなっている。この余剰部分3bを図7に示すように、カッティングによって除去する。
【0027】
このような実施の形態では、実施の形態1の効果に加えて、非円形形状に加工したガラス基材2の除去加工面に樹脂がはみ出すことがなく、除去加工面と同じ位置まで樹脂層を有した非円形形状の複合型光学素子を成形することができる。
【0028】
(実施の形態3)
図8〜図10は実施の形態3を示す。この実施の形態では、実施の形態2と同様に当接部材10を使用する。この実施の形態の当接部材10では、その当接面11が非円形形状に加工されたガラス基材2の両端面(除去加工面)2bに当接するが、この当接面11はガラス基材2の厚さよりも高くなっている。従って、当接面11の上端に連設されている接触面12は、ガラス基材2の光学面2aよりも上方に位置する。
【0029】
また、当接部材10の接触面12に対しては、金型1の成形面1aが接触する。この接触面12は金型1の成形面1aと同等の曲率の円弧状の湾曲面となっており、金型1の成形面1aが密着することができる。
【0030】
かかる当接部材10がガラス基材2の両端面2bに当接し、且つ、金型1が下降して当接部材10の接触面12に接触した状態では、ガラス基材2、当接部材10及び金型1によって封鎖された空間が形成される。この空間は樹脂層3aを成形するためのキャビティ13となり、樹脂層3aはキャビティ13内で成形される。
【0031】
この実施の形態では、非円形形状に加工したガラス基材2の成形面2aに樹脂3を吐出する。そして、当接部材10がガラス基材2方向に進出して、その当接面11がガラス基材2の除去加工面2bに当接し、この当接によって当接部材10がガラス基材2を挟む。
【0032】
この状態で金型1が下降し、金型1、ガラス基材2及び当接部材10によってキャビティ13を形成する。金型1が下降することによって樹脂3が押圧されるため、樹脂3が光学面2aに拡がる。この樹脂3は除去加工面2bに達すると、当接部材10の当接面11に堰き止められるため、それ以上は拡がらない。その分、除去加工面2bでない側に拡がる。
【0033】
そして、このようにして拡がった状態で、ガラス基材2下方に位置している高圧水銀ランプ8により紫外線を樹脂3に照射し、硬化させる。硬化が完了した後、ガラス基材2と樹脂3とが一体化した複合型光学素子を図示しない離型手段により金型1から離型させる。
【0034】
このような実施の形態によれば、実施の形態2と同様にガラス基材2の除去加工面2bと同じ位置まで樹脂層3aを形成することができる。また、この樹脂層3aは、ガラス基材2の外側に出ないため、、余分な樹脂層を除去する2次加工が不要となる効果がある。
【0035】
なお、上記した具体的実施の形態から次のような構成の技術的思想が導き出される。
【0036】
(1) 球面ガラス基材上にエネルギー硬化型樹脂よりなる樹脂層が形成される複合型光学素子において、円形球面のガラス基材を、光軸を中心とした非円形形状に加工した後、エネルギー硬化型樹脂よりなる非球面樹脂層を形成することを特徴とする複合型光学素子の成形方法。
【0037】
(2) 非円形形状に加工されたガラス基材を、前記非円形形状と円形形状との差分を補完する形状の部材によって挟むことによって、円形形状で且つ同一球面となるようにし、この状態に対して非球面樹脂層を成形することを特徴とする上記(1)記載の複合型光学素子の成形方法。
【0038】
(3) 非円形形状を有するガラス基材と、エネルギー硬化型樹脂を押圧する金型と、前記ガラス基材の加工面を挟む部材とによって、前記加工面へのエネルギー硬化型樹脂の流れ出しを防止することを特徴とする上記(1)記載の複合型光学素子の成形方法。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の複合型光学素子の成形方法によれば、複合型光学素子の光学性能上不要な部分を取り除くことにより、この不要な部分をスペースとして使用することができるため、カメラ等の光学機器の鏡枠においては、光学機器の機能上、必要な他の部材をスペースに収めることができ、光学機器をコンパクトにすることができる効果がある。
【0040】
請求項2の複合型光学素子の成形方法によれば、請求項1の効果に加え、基材と樹脂層の外形々状を光学的有効径と同様にすることができるため、光学系をより小径とすることができ、基材の成形面全面を光学面として有効に使用することができる。
【0041】
請求項3の複合型光学素子の成形方法によれば、請求項1の効果に加え、基材が円形形状であっても、樹脂層のみを非円形形状にすることができるため、軸方向へのスペースを若干拡げられるとともに、使用する樹脂を最小量とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における平面図である。
【図2】 実施の形態1の側面からの断面図である。
【図3】 実施の形態1の成形時の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2における平面図である。
【図5】 実施の形態2の側面からの断面図である。
【図6】 実施の形態2の成形時の断面図である。
【図7】 実施の形態2での余剰部分を除去する工程を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態3における平面図である。
【図9】 実施の形態3の側面からの断面図である。
【図10】 実施の形態3の成形時の断面図である。
【図11】 従来の成形方法に使用する基材の斜視図である。
【符号の説明】
1 金型
2 ガラス基材
2a 光学面
3 樹脂
3a 樹脂層
10 当接部材

Claims (3)

  1. 基材の光学面上に形成されたエネルギー硬化型の樹脂層にエネルギーを照射して、樹脂層を硬化させる複合型光学素子の成形方法において、
    外径が円形々状で且つ光学面が球面形状である基材を、該基材の外周面を直線状に切断して非円形形状に加工する工程と、
    前記加工した基材の光学面上にエネルギー硬化型の樹脂を供給する工程と、
    基材の光学面上に供給された前記樹脂を所望の形状の樹脂層に成形する工程と、
    成形した前記樹脂層にエネルギーを照射して前記樹脂層を硬化させ、非球面形状とする工程と、を有することを特徴とする複合型光学素子の成形方法。
  2. 前記基材における前記加工した部分に当接部材を当接し、基材と当接部材とを組み合わせた形状を円形形状とする工程と、
    基材の光学面上の樹脂層を硬化させた後、当接部材を基材から分離する工程と、
    基材の光学面上以外に存在する樹脂層を除去する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の複合型光学素子の成形方法。
  3. 前記基材における前記加工した部分に当接部材を当接させ、基材の光学面上の樹脂を金型によって押圧して樹脂層とし、この金型、前記当接部材及び基材によって樹脂を成形するキャビティを形成することを特徴とする請求項1記載の複合型光学素子の成形方法。
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