JP3980255B2 - 平版印刷版の集積装置及び平版印刷版束の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトコンベア等の搬送手段から順次投入される平版印刷版を集積するための平版印刷版の集積装置及び、この集積装置を用いて平版印刷版の束を構成する平版印刷版束の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷版の加工ラインでは、保護用合紙の貼付け、製品サイズへの切断等が完了した平版印刷版をベルトコンベア、ローラコンベア等の搬送装置上へ積載し、この搬送装置により平版印刷版を加工ラインの終端部に設置された平版印刷版の集積装置まで搬送する。この集積装置には、搬送装置上から投入される平版印刷版を受け止めるための集積面が設けられると共に、この集積面上へ順次投入される平版印刷版をそれぞれ所定の集積位置へ位置決めするためのバックストッパ、フロントストッパ及び一対のサイドストッパが配置されている。
【0003】
ここで、バックストッパは、コイルスプリング等により弾性的に支持されると共に、集積面上における平版印刷版の先端部と対向するように配置されている。バックストッパは、搬送装置から集積面上へ平版印刷版が投入されると、慣性力により搬送方向へ移動する平版印刷版の先端部を弾性的に受け止め、平版印刷版の搬送方向への移動を制限すると共に平版印刷版を搬送方向とは逆の方向へ付勢する。
【0004】
一方、フロントストッパは、集積面上における平版印刷版の後端部と対向するように配置されており、バックストッパにより付勢された平版印刷版と当接し、この平版印刷版をその長さ方向に沿って位置決めする。また一対のサイドストッパは、集積面上における平版印刷版の両側端部とそれぞれ対向するように配置されており、これら一対のサイドストッパの間隔は、平版印刷版の幅より僅かに広くなっている。これにより、一対のサイドストッパは、搬送装置から集積面上へ投入された平版印刷版をその幅方向に沿って位置決めする。
【0005】
従って、搬送装置が複数枚の平版印刷版を集積装置の集積面上へ順次投入すると、これらの平版印刷版は、それぞれフロントストッパ及び一対のサイドストッパにより集積面上における所定の集積位置へ位置決めされ、層状に集積される。このとき、集積面上の平版印刷版が出荷仕様等により定められた束枚数になると、束枚数の平版印刷版は平版印刷版の束としてパレット等に積み替えられ、包装・梱包工程や保管倉庫等へ搬送される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような集積装置では、搬送装置上に積載された平版印刷版が搬送方向に対して傾いたり、搬送装置の片側の端部へ偏移した状態で搬送装置上へ積載されていると、集積面上へ投入された平版印刷版のコーナ付近が局部的にフロントストッパ又はサイドストッパへ強く当たる現象が生じ易くなる。このとき、平版印刷版の支持体を構成するアルミニウム板が薄い(例えば、0.2mm以下)場合には、平版印刷版のコーナ部付近が容易に変形してしまい、その変形量が品質上の許容範囲を越えると不良品として出荷できなくなってしまう。このため、集積装置により集積される平版印刷版が薄いものである場合には、搬送装置による搬送速度を十分低下させることにより、集積面上での平版印刷版の慣性力を小さくし、平版印刷版のコーナ付近の変形を防止する等の対策が行われている。
【0007】
本発明の目的は、上記事実を考慮して、搬送手段による平版印刷版の搬送速度を低下させることなく、位置決め時における平版印刷版の変形を防止でき、かつ平版印刷版に対する位置決め精度を向上できる平版印刷版の集積装置及び、品質不良となるような大きな変形が生じた平版印刷版が混在しない平版印刷版束の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る平版印刷版の集積装置によれば、平版印刷版を集積位置へ位置決めするための基台部材と集積面上における平版印刷版との間に介在し、この平版印刷版からの荷重により弾性変形するクッション材と、このクッション材と集積面上における平版印刷版との間に介在し、平版印刷版との当接時に前記クッション材と共に変形する上部が湾曲した金属製の保護シートと、保護シートの上部の湾曲した部分と基台部材との間に形成された空洞部と、を有することにより、搬送手段から集積面上へ投入された平版印刷版が枠部材より位置決めされる際には、平版印刷版が保護シート及びクッション材を介して基台部材へ当接し、平版印刷版からの荷重によってクッション材が弾性変形するので、クッション材により平版印刷版の運動エネルギを消散すると共に、枠部材側から平版印刷版へ反力として作用する衝撃荷重を低減できる。この結果、平版印刷版が枠部材により集積位置へ位置決めされる際に、枠部材からの衝撃荷重により平版印刷版の外周部が塑性的に変形することを防止又は抑制できる。
【0009】
また、金属製の保護シートがクッション材と集積面上における平版印刷版との間に介在し、平版印刷版との当接時に平版印刷版からの力をクッション材へ伝えることにより、クッション材が平版印刷版との接触により損傷してクッション材の緩衝能力が経時的に低下することを防止できる。
【0010】
ここで、クッション材の素材としては、バネ、ゴム、弾性を有する樹脂等の各種の弾性材料を適用できるが、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等のスポンジ状(多気孔性)の弾性材料が特に適している。すなわち、このようなスポンジ状の弾性材料は、内部摩擦が大きいことから運動エネルギの消散性に優れると共に、形状等の調整により広い範囲でバネ定数を変えることができる。このため、平版印刷版から受ける荷重の大きさ等に応じてスポンジ状の弾性材料の厚さ、断面積等を適宜調整すれば、枠部材側から平版印刷版へ反力として作用する衝撃荷重を十分小さくできると共に、クッション材からの反発力により平版印刷版が過大にバウンドして位置決め精度が低下することも防止できる。
【0013】
また本発明に係る平版印刷版束の製造方法によれば、複数数の平版印刷版を、請求項1記載の平版印刷版の集積装置を用いて集積して平版印刷版の束を構成することにより、位置決め時における平版印刷版の変形を防止できるので、品質不良となるような大きな変形が生じた平版印刷版が混在しない平版印刷版束を製造できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る平版印刷版の材集積装置について図面を参照して説明する。
【0015】
(実施形態の構成)
先ず、図1及び図2に示されている本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置が用いられた平版印刷版の加工ライン10について説明する。この加工ライン10の上流側(図1の右上側)には、図1に示されるようにウエブ送出機14が配設され、このウエブ送出機14には、平版印刷版の素材であるウエブ12がロール状に巻き取られたウエブロール13が着脱可能に装填されている。ウエブ送出機14は、加工ライン10のライン速度に対応する速度で、ウエブロール13からウエブ12を連続的に下流側へ送り出す。このウエブ12はレベラ16によりカールが矯正された後、圧着ローラ18に至る。圧着ローラ18はウエブ12の上面(感光層表面)に合紙送出機20から送られてきた帯状の合紙22を圧着する。このとき、ウエブ12へ圧着された合紙22は帯電装置(図示省略)により帯電されてウエブ12へ静電接着される。
【0016】
圧着ローラ18の下流側にはノッチャー24が配置されている。このノッチャー24は、ウエブ12のスリット幅を変更する際に、ウエブ12における幅方向に沿った中央部及び両側端部をそれぞれ打抜き、ウエブ12の中央部及び両側端部にそれぞれ所定形状の切欠部(ノッチ)を形成する。これにより、ウエブ12の中央部及び両側端部にそれぞれ対応するように設けられたスリッタ装置26の剪断刃28(図2参照)が前記切欠部内で軸方向へ移動可能となるので、ウエブ12と合紙22とを同時に連続裁断しつつ、ウエブ12の幅変更が可能となる。
【0017】
スリッタ装置26により所定のスリット幅に裁断されたウエブ12は、測長装置30により送り長がカウントされ、予め設定されたカウント値が測長装置30によりカウントされると、それに同期して走間カッタ32によりウエブ幅方向に沿って切断される。これにより、予め設定された製品サイズの平版印刷版46が製造される。ウエブ12から切断された平版印刷版46は、図2に示されるように複数台のベルトコンベア34,42により構成された搬送装置37上に積載され、この搬送装置37により下流側へ搬送され、搬送装置37の終端部に配置されたベルトコンベア42により集積装置50へ投入される。
【0018】
なお、図1に示されるように、スリッタ装置26によりウエブ12が幅方向に沿って2分割され、走間カッタ32により2枚の平版印刷版46が同時に切断される場合には、同時に切断された2枚の平版印刷版46は、集積装置50への搬送途中に振分ゲート等によりそれぞれ異なる2台のベルトコンベア42上に振り分けられ、これらのベルトコンベア42により異なる位置に設置された2台の集積装置50(図2参照)へそれぞれ投入される。
【0019】
またベルトコンベア34とベルトコンベア42との間には、平版印刷版46の搬送先を切替えるための振分ゲート40が設置されており、ウエブ12から切断された平版印刷版46がサンプル品や不良品等である場合には、この平版印刷版46を振分ゲート40によりラインアウト用のベルトコンベア36上へ振り分け、このベルトコンベア36により回収箱44内へ投入する。
【0020】
図3及び図4には本発明の実施形態に係る平版印刷版46の集積装置50が示されている。この集積装置50には、ベルトコンベア42の終端部から順次投入される複数枚の平版印刷版46を所定の集積位置に揃えて層状に集積するものである。
【0021】
集積装置50には、ベルトコンベア42の搬送方向(矢印F方向)下流側に平板状の集積台52が設けられ、この集積台52の上面は平版印刷版46が集積される平面状の集積面54とされている。また集積台52は、図2に示されるようにリフタ56により支持されており、リフタ56は、集積面54上に集積された最上部の平版印刷版46の高さを検出するためのレベルセンサ(図示省略)からの検出信号に従って最上部の平版印刷版46の高さが常に一定となるように集積台52を平版印刷版46の厚さ方向に沿って昇降する。
【0022】
集積装置50には、図3に示されるように搬送方向に沿って集積台52の下流側に一対のバックストッパ58が設けらている。バックストッパ58には、集積面54上に積載された平版印刷版46の先端面と対向するようにストッパ板60が設けられている。ストッパ板60は、その厚さ方向が搬送方向と略平行となるように支持されており、ストッパ板の集積台52とは逆側の基端部には金属板からなるベース板62が配置されている。このベース板62の集積台52側の先端面はパッド状の緩衝部64により覆われている。
【0023】
緩衝部64は、図4に示されるようにクッション材66及び、このクッション材66の先端面へ固着された保護シート68からなる積層構造とされている。ここで、クッション材66は、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等のスポンジ状弾性材料により形成されている。具体的に、クッション材66の素材として好適なスポンジ状弾性材料としては、例えば、密度が18(kg/m3)、硬さが10±1.5(kgf/314cm2)、引張強さが0.7(kgf/cm2)、伸び120(%)以下の機械的性質を有する軟質ポリウレタンフォームが挙げられる。また保護シート68は金属製の薄板材料により形成されており、その素材となる金属としては、平版印刷版46のアルミニウム板より硬いものであれば良く、例えば、炭素鋼、ステンレス等により保護シート68の素材として使用できるが、錆防止の点からはステンレスが適している。
【0024】
バックストッパ58には、図3に示されるようにストッパ板60を支持するためのシリンダ部70が設けられている。このシリンダ部70はストッパ板60の下流側に配置されており、ベルトコンベア42に対する位置関係が変位しないようにブラケット(図示省略)を介して加工ライン10のフレーム、フロア等へ固定されている。シリンダ部70はロッド72を搬送方向に沿ってスライド可能に支持しており、このロッド72の先端部はストッパ板60のベース板62へ連結固定されている。またロッド72の外周側には、圧縮状態とされたコイルスプリング74が配置されており、このコイルスプリング74はストッパ板60を常に搬送方向とは逆の方向へ付勢している。またシリンダ部70は搬送方向に沿って位置調整可能とされている。これにより、ストッパ板60の搬送方向に沿った位置が集積台52上に積載される平版印刷版46の長さに応じて調整可能とされている。
【0025】
集積装置50には、図3に示されるように集積台52の両(左右)側端面の外側へそれぞれサイドストッパ76が設けられている。このサイドストッパ76は略長方形で肉厚の板状とされており、その厚さ方向が集積台52の幅方向(矢印W方向)と一致し、かつその長手方向が搬送方向と一致するように配置されている。一対のサイドストッパ76の内側面には、その上端部に幅方向内側へ向かって下方へ傾斜するように湾曲したガイド面78が形成され、このガイド面78の下部側には集積台52の集積面54と略直交し、かつ搬送方向へ延在する平面からなる位置決め面80が連続的に形成されている。またサイドストッパ76は幅方向に沿って位置調整可能とされている。これにより、一対のサイドストッパ76における位置決め面80の間隔が集積台52上に積載される平版印刷版46の幅に応じて調整可能とされている。
【0026】
サイドストッパ76には、図5(B)に示されるように金属製の基台部82が設けられている。なお、図5(B)は図5(A)の側面図に示されるサイドストッパ76の記号ESが付された領域の拡大断面図である。ここで、基台部82は、平版印刷版46からの荷重により変形したり、変位が生じないように十分な強度の肉厚の金属板により形成されている。この基台部82の集積面54へ面した内側面は、バックストッパ58の緩衝部64と同様の構造とされたパッド状の緩衝部84により覆われている。この緩衝部84の表面はサイドストッパ76におけるガイド面78及び位置決め面80をそれぞれ形成している。
【0027】
緩衝部84は、図5(B)に示されるようにクッション材86及び、このクッション材86の表面へ固着された保護シート88からなる積層構造とされている。ここで、クッション材86は、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等のスポンジ状弾性材料により形成されている。具体的に、クッション材86の素材として好適なスポンジ状弾性材料としては、例えば、比重が0.022程度のポリウレタンフォームが挙げられる。このようなスポンジ状弾性材料は弾性的性質を有すると同時に、加硫ゴム、コイルスプリング等の他の弾性材料を比較して、形状の変形及び復元を粘性的に阻止しようとする性質(粘性的性質)を多く持っている。また保護シート88は、バックストッパ58の保護シート68と同様にアルミニウム板より硬質な金属製の薄板材料により形成されている。
【0028】
但し、緩衝部84における基台部82の表面と保護シート88との間には、図5(B)に示されるようにガイド面78及び位置決め面80の上端部の内側にクッション材86が充填されない空洞部90が形成されている。これにより、ガイド面78は、その裏面側からクッション材66により支持されないことから、平版印刷版46からの荷重により位置決め面80と比較して撓みやすくなっている。
【0029】
集積装置50には、図3に示されるように搬送方向に沿って集積台52の上流側にフロントストッパ92が配設されている。フロントストッパ92は略長方形で肉厚の板状とされており、その厚さ方向が集積台52の搬送方向と一致し、かつその長手方向が集積台52の幅方向と一致するように配置されている。一対のサイドストッパ76の内側面には、その上端部に下流側へ向かって下方へ傾斜するように湾曲したガイド面94が形成され、このガイド面94の下部側には集積台52の集積面54と略直交し、かつ幅方向へ延在する平面からなる位置決め面96が連続的に形成されている。
【0030】
またフロントストッパ92には、図3に示されるように位置決め面96の上端部に幅方向へ細長いスリット状のノズル穴98が複数開口しており、これらノズル穴98は水平に配列されている。フロントストッパ92内には、複数のノズル穴98へそれぞれ高圧エアー供給するためのエアー配管(図示省略)が通されており、集積装置50による平版印刷版46の集積時には、複数のノズル穴98からはそれぞれ搬送方向を指向するように高圧エアーが噴射される。これにより、ベルトコンベア42からの投入直後には、平版印刷版46と集積面54との間又は平版印刷版46間にに空気層が形成され、集積面54上を慣性力等により移動(スライド)する平版印刷版46の移動抵抗が抑制される。
【0031】
フロントストッパ92には、図6(B)に示されるように金属製の基台部100が設けられている。なお、図6(B)は、図6(A)の側面図に示されるフロントストッパ92の記号EFが付された領域の拡大断面図である。ここで、基台部100は、平版印刷版46からの荷重により変形したり、変位が生じないように十分な強度を有する肉厚の金属板により形成されている。この基台部100の集積面54へ面した内側面は、バックストッパ58の緩衝部64と同様の構造とされたパッド状の緩衝部102により覆われている。この緩衝部102の表面はフロントストッパ92におけるガイド面94及び位置決め面96をそれぞれ形成している。
【0032】
緩衝部102は、図6(B)に示されるようにクッション材104及び、このクッション材104の表面へ固着された保護シート88からなる積層構造とされている。ここで、クッション材104は、サイドストッパ76におけるクッション材86と同一のスポンジ状弾性材料により形成されている。
【0033】
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された集積装置50の動作及び作用について説明する。
【0034】
先ず、平版印刷版46がベルトコンベア42により集積装置50上へ投入されると、この平版印刷版46は慣性力により搬送方向への移動を継続しつつ、集積面54上へ載置される。このとき、フロントストッパ92のノズル穴98から高圧エアーが噴射されていることから、ベルトコンベア42により投入された平版印刷版46の下面に沿って空気層が形成される。この空気層により、集積面54上に投入された平版印刷版46と集積面54又は集積済みの平版印刷版46との摩擦抵抗が抑制され、集積面54上の平版印刷版46は円滑に搬送方向へ移動する。また集積面54又は集積済みの平版印刷版は、リフタ56により常に一定の高さに位置調整されている。これにより、ベルトコンベア42により順次投入される平版印刷版46は、集積面54上の平版印刷版46の枚数に影響されることなく集積面54上における略同一位置へ着地する。
【0035】
また、平版印刷版46がベルトコンベア42上から集積面54へ投入される際に、ベルトコンベア42による搬送速度や平版印刷版46の長さ等によっては、平版印刷版46の下面側がフロントストッパ92の上端部付近へ接することがある。このような場合にも、フロントストッパ92の上端部にガイド面94が形成されていることから、平版印刷版46がフロントストッパ92に引っ掛かったり、平版印刷版46の下面がフロントストッパ92との接触により傷つくことが防止されている。
【0036】
ベルトコンベア42上から集積面54上へ投入された平版印刷版46は慣性力により搬送方向への移動を継続し、その先端面が一対のバックストッパ58へ当接する。これにより、バックストッパ58におけるストッパ板60には平版印刷版46の重量及び速度に対応する荷重が作用する。この平版印刷版46からの荷重を受けたストッパ板60は、コイルスプリング74を圧縮変形させつつ搬送方向へ移動すると同時に、クッション材66を保護シート68とベース板62との間で圧縮変形させる。これにより、コイルスプリング74及びクッション材66の双方により平版印刷版46の運動エネルギを消散すると共に、バックストッパ58から平版印刷版46へ反力として作用する衝撃荷重が低減される。また平版印刷版46の搬送方向への移動が停止すると、コイルスプリング74は、圧縮変形前の形状に復元しつつ平版印刷版46を搬送方向とは逆のフロントストッパ92の方向へ付勢する。
【0037】
平版印刷版46がバックストッパ58からの付勢力を受けた時点では、この平版印刷版46の下面に沿った空気層は残存している。このため、バックストッパ58からの付勢力を受けた平版印刷版46は集積面54上でフロントストッパ92の方向へ円滑に移動して、その後端面をフロントストッパ92の位置決め面80へ当接させる。このとき、平版印刷版46の重量及び速度に対応する荷重がフロントストッパ92へ作用し、保護シート106における平版印刷版46との当接部付近のが凹状に変形し、かつクッション材104が保護シート106と基台部100との間で圧縮変形する。これにより、クッション材104により平版印刷版46の運動エネルギを消散すると共に、フロントストッパ92から平版印刷版46へ反力として作用する衝撃荷重が低減される。
【0038】
また平版印刷版46の搬送方向とは逆方向への移動が停止すると、クッション材104は、圧縮変形前の形状に復元しつつ、凹状に変形した保護シート106を元の形状に戻して平版印刷版46へも弾性的な復元力を作用させる。このとき、粘性的性質を持ったクッション材104は比較的緩慢に復元する。これにより、クッション材104からの復元力を受けた平版印刷版46は、フロントストッパ92における位置決め面96から殆どバウンドすることなく、平版印刷版46との当接前の形状に戻った位置決め面96に後端面を近接又は当接させた状態で停止する。
【0039】
一方、ベルトコンベア42により投入される平版印刷版46は、その幅方向に沿った中心が集積面54の中心と一致し、かつ搬送方向に対しての傾きがない状態で集積面54上へ落下して行くと、一対のサイドストッパ76のガイド面78へ接することなく集積面54上へ載置され、一対のサイドストッパ76の位置決め面80により幅方向へ位置決めされる。このような場合には、平版印刷版46は、その幅方向に沿った両側端面の何れも一対の位置決め面80へ強く衝突することなく、一対の位置決め面80間に位置決めされる。
【0040】
また、ベルトコンベア42により投入される平版印刷版46は、その幅方向に沿った中心が集積面54の中心と一致していないか、搬送方向に対しての傾きが大きい状態で集積面54上へ落下して行くと、側端面を一方のサイドストッパ76のガイド面78へ当接させた後に、集積面54上へ載置される。集積面54への落下中に平版印刷版46がガイド面78へ当接すると、このガイド面78が内側へ向かって下方へ傾斜する湾曲面であることから、平版印刷版46は当接したガイド面78とは逆側の他方のサイドストッパ76側へ移動しつつ落下する。これにより、平版印刷版46は逆側の側端面を他方のサイドストッパ76におけるガイド面78及び位置決め面80の何れかへ当接させる。
【0041】
このとき、平版印刷版46は側端面をガイド面78へ当接させると、再び逆側のサイドストッパ76側へ移動する往復運動を位置決め面80へ当接するまで繰り返す。また平版印刷版46は側端面を位置決め面80へ当接させると、両側端面の何れかを一対の位置決め面80へ沿わせつつ、落下して集積面54上へ載置される。これにより、平版印刷版46は一対の位置決め面80間に位置決めされる。
【0042】
従って、以上説明したように平版印刷版46は、フロントストッパ92により搬送方向に沿って位置決めされ、かつ一対のサイドストッパ76により幅方向へ位置決めされることにより、集積面54における所定の集積位置へ位置決めされ、集積面54上にはベルトコンベア42から順次投入された複数枚の平版印刷版46が層状に積層されて行く。この集積面54上の平版印刷版46が出荷仕様等に定められた束枚数になると、それらの平版印刷版46は、例えば、集積束108(図2参照)として集積装置50からパレット(図示省略)等へ積み替えられ、包装・梱包工程や保管倉庫等へ搬送される。
【0043】
また平版印刷版46がサイドストッパ76の位置決め面80へ当接する際には、平版印刷版46の重量及び速度に対応する荷重がサイドストッパ76へ作用し、平版印刷版46がフロントストッパ92へ当接した場合と同様に、保護シート88における平版印刷版46との当接部付近のが凹状に変形し、かつクッション材86が保護シート88と基台部82との間で圧縮変形することにより、クッション材86により平版印刷版46の運動エネルギを消散すると共に、サイドストッパ76から平版印刷版46へ反力として作用する衝撃荷重が低減される。
【0044】
なお、一対のサイドストッパ76における位置決め面80間の間隔を平版印刷版46の幅に十分近似させておけば、一対のサイドストッパ76により平版印刷版46を十分高い精度で幅方向へ位置決めできるが、集積面54を幅方向に沿って何れか一方のサイドストッパ76側へ傾斜させて、集積面54上へ載置された平版印刷版46が一方のサイドストッパ76側へ必ず接した状態で停止するようにすれば、平版印刷版46の幅方向への位置決め精度を更に高めることができる。
【0045】
以上説明した本発明の集積装置50によれば、サイドストッパ76及びフロントストッパ92におけるガイド面78,94及び位置決め面80,96を含む表層部に緩衝部84,102が設けられ、この緩衝部84,102がスポンジ状弾性材料からなるクッション材86,104及びこのクッション材86,104の表面を覆った金属製の保護シート88,106により構成されていることにより、ベルトコンベア42から集積面54上へ投入された平版印刷版46がフロントストッパ92又はサイドストッパ76より集積位置へ位置決めされる際には、平版印刷版46が保護シート88,106及びクッション材86,104を介してフロントストッパ92又はサイドストッパ76へ当接し、平版印刷版46からの荷重によってクッション材86,104が弾性変形するので、このクッション材86,104により平版印刷版46の運動エネルギを消散すると共に、フロントストッパ92又はサイドストッパ76側から平版印刷版46へ反力として作用する衝撃荷重を低減できる。
【0046】
この結果、平版印刷版46がフロントストッパ92及びサイドストッパ76により集積位置へ位置決めされる際に、フロントストッパ92又はサイドストッパ76側からの衝撃荷重により平版印刷版46の外周端部が塑性的に変形することを防止できる。特に、図4の2点鎖線(想像線)で示される平版印刷版46のよう搬送方向に対して傾いた状態で、平版印刷版46がベルトコンベア42から集積面54上へ投入されると、位置決め開始時に平版印刷版46のコーナ部付近がフロントストッパ92又はサイドストッパ76へ衝突するが、このような場合にも、フロントストッパ92及びサイドストッパ76の緩衝部84,102により平版印刷版46のコーナ部付近の変形を確実に防止できる。
【0047】
また金属製の保護シート88,106がクッション材86,104の表面を覆っていることから、クッション材86,104が平版印刷版46との接触により損傷してクッション材86,104の緩衝能力が経時的に低下することを防止できる。
【0048】
また本発明の集積装置50によれば、バックストッパ58がベルトコンベア42から集積面54上へ投入される平版印刷版46の先端部に当接して、この平版印刷版46の搬送方向への移動を制限すると共に、平版印刷版46をフロントストッパ92側へ付勢することにより、ベルトコンベア42により投入された平版印刷版46の運動エネルギをコイルスプリング74及び緩衝部64により消散しつつ、平版印刷版46の集積面54上でフロントストッパ92側へ移動させることができるので、平版印刷版46の後端部をフロントストッパ92へ突き当てて、平版印刷版46を基準として精度良く搬送方向に沿って位置決めできる。
【0049】
ここで、バックストッパ58がコイルスプリング74により弾性的に支持され、かつ緩衝部64が設けられていることから、平版印刷版46がバックストッパ58へ当接した際には、コイルスプリング74及び緩衝部64のクッション材66により平版印刷版46の運動エネルギを消散できるので、フロントストッパ92及びサイドストッパ76の場合と同様に、バックストッパ58から平版印刷版46へ反力として作用する衝撃荷重を低減し、平版印刷版46の変形を防止できる。
【0050】
なお、平版印刷版46をバックストッパ58、フロントストッパ92及びサイドストッパ76により位置決めする際の平版印刷版46外周部の変形が、平版印刷版46における支持体を構成するアルミニウム板が薄い(例えば、0.2mm以下)場合に生じ易いことから、従来、アルミニウム板が厚い平版印刷版46の搬送時と比較し、ベルトコンベア42による平版印刷版46の搬送速度を低下させていたが、本実施形態の集積装置50によれば、ベルトコンベア42の搬送速度を低下させる必要もなくなる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る平版印刷版の集積装置によれば、搬送手段による平版印刷版の搬送速度を低下させることなく、位置決め時における平版印刷版の変形を防止できる。
【0052】
また本発明のへ平版印刷版束の製造方法によれば、品質不良となるような大きな変形が生じた平版印刷版が混在しない平版印刷版束の製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置が配置された加工ラインの概略構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置が配置された加工ラインの概略構成を示す構成図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置の構成を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置の構成を示す平面図である。
【図5】 本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置におけるフロントストッパの構造を示す側面図及び断面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る平版印刷版の集積装置におけるサイドストッパの内部構造を示す側面図及び断面図である。
【符号の説明】
42 ベルトコンベア(搬送手段)
46 平版印刷版
50 集積装置
52 集積台
54 集積面
58 バックストッパ(ストッパ部材)
60 ストッパ板(ストッパ部材)
62 ベース板(ストッパ部材)
64 緩衝部(ストッパ部材)
66 クッション材(ストッパ部材)
68 保護シート(ストッパ部材)
70 シリンダ部(ストッパ部材)
74 コイルスプリング(弾性部材)
76 サイドストッパ(枠部材)
82 基台部(枠部材)
84 緩衝部
86 クッション材
88 保護シート
92 フロントストッパ(枠部材)
100 基台部(枠部材)
102 緩衝部
104 クッション材
106 保護シート
108 集積束(平版印刷版束)
Claims (2)
- 搬送手段から順次投入される複数枚の平版印刷版をそれぞれ所定の集積位置へ位置決めし、これらの平版印刷版を層状に集積するための平版印刷版の集積装置であって、
前記搬送手段から投入された平版印刷版が集積される集積面と、
前記集積面上における平版印刷版の両側端部の外側に対向して設けられ、該平版印刷版の投入される方向と直交する方向に沿った移動を制限して平版印刷版を前記集積位置へ位置決めするための一対の基台部材と、
前記基台部材と前記集積面上における平版印刷版との間に介在し、該平版印刷版からの荷重により弾性変形するクッション材と、
前記クッション材と前記集積面上における平版印刷版との間に介在し、該平版印刷版との当接時に前記クッション材と共に変形し、上部が湾曲した金属製の保護シートと、
前記保護シートの上部の湾曲した部分と前記基台部材との間に形成された空洞部と、
を有することを特徴とする平版印刷版の集積装置。 - 複数の平版印刷版を、請求項1記載の平版印刷版の集積装置を用いて集積して平版印刷版の束を構成することを特徴とする平版印刷版束の製造方法。
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