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JP3980542B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置 - Google Patents
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JP3980542B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置 Download PDF

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本発明は、少なくとも誘導型電磁変換素子を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ならびに薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置に関する。
ハードディスク装置の面記録密度は飛躍的な増大を続けており、近年では10ギガビット/平方インチが実用範囲に入っている。薄膜磁気ヘッドとしては、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magneto-resistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
図19は、従来の薄膜磁気ヘッドの主要部の一構成例を示す断面図である。図中左側は、薄膜磁気ヘッドが記録媒体に対向する面である媒体対向面ABSである。薄膜磁気ヘッドは、下方から順に、基板(図示せず)、絶縁層(図示せず)、下部シールド層3、下部シールドギャップ膜4、上部シールドギャップ膜7、第1ヨーク部分層8b、絶縁層11が積層されている。下部シールドギャップ膜4と上部シールドギャップ膜7との間の媒体対向面ABS側には、記録媒体からの情報を読み取るMR素子5が設けられている。また、絶縁層11および第1ヨーク部分層8bの上部には、薄膜コイル12、接続部12a、絶縁層13が平面的に配置され、媒体対向面ABS側端部には、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9、第2磁極部分層10aが積層されている。これらの上面には第2ヨーク部分層10bおよびリード層16が配置され、最上部がオーバーコート層(図示せず)で被覆されている。また、第1磁極部分層8aと第1ヨーク部分層8bとは、下部磁極層8を形成し、第2磁極部分層10aと第2ヨーク部分層10bとは、上部磁極層10を形成している。
このような記録・再生機能を兼用する複合型薄膜磁気ヘッドにおいては、面記録密度の増加のために、再生、記録の両面における性能向上が必須である。再生機能の性能向上策としては、MR素子5として、異方性磁気抵抗効果を用いたAMR(Anisotropic magneto Resistive)素子から、巨大磁気抵抗効果を用いたGMR(Giant magneto Resistive)素子への移行が図られている。また、記録機能の性能向上策としては、特に下部磁極層8、上部磁極層10、および記録ギャップ層9の小型化が重要である。
小型化に伴う大きな問題は製作精度のばらつきである。特に媒体対向面ABSから、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)はスロートハイトTHと呼ばれ、記録ヘッドの性能上極めて重要な寸法である。すなわち、スロートハイトTHが長すぎると、媒体対向面ABSにおいて磁極に十分なもれ磁束を発生させることができない。また、短すぎると、第1磁極部分層8aと第1ヨーク部分層8bの接触面積、および第2磁極部分層10aと第2ヨーク部分層10bとの接触面積が小さくなり、同様に十分な磁束を発生させることができない。したがって、スロートハイトTHが所定の寸法誤差範囲で製作されるよう、製作精度のばらつきを抑えることが必要である。
薄膜磁気ヘッドを製造する際は、まずウエハ上に、図19に示す複数の層が、下方から上方へと順次形成される。このときウエハ上には、薄膜磁気ヘッドとなる薄膜磁気変換素子が格子状に配列されている。次に、ウエハは適宜の大きさに切断分割され、薄膜磁気変換素子集合体が形成される。次に薄膜磁気変換素子集合体のスライダ加工後媒体対向面ABSとなる面が研磨される。研磨は、所定のMRハイト(以下、MRHということもある。)が得られるまで行われる。ここで、MRHとは、MR素子5の媒体対向面ABS側端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。研磨量は、媒体対向面ABS側に埋め込まれた加工量検出素子(図示せず)の電気抵抗をモニタして間接的に管理されている。すなわち、薄膜磁気変換素子集合体のスライダ加工後媒体対向面ABSとなる面の研磨が進行するにつれて加工量検出素子の研磨量が増え、断面積が減少するが、この断面積の減少を加工量検出素子の電気抵抗の変化として検出して、一定の電気抵抗に達したときに研磨を終了する。そして研磨の終了した薄膜磁気変換素子集合体は切断され、個々のスライダに加工される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−126226号公報
従来技術においては、MRHは、薄膜磁気変換素子集合体の加工量検出素子の電気抵抗の変化をモニタすることによって、間接的に管理されていた。一方、スロートハイトTHは集積工程、加工工程中には管理されず、加工後に薄膜磁気ヘッドを適宜サンプリングして、あるいは検査用にMR素子や書込み磁極の幅を広げた特定のサンプルを切断して、測定されていた。このため、スロートハイトTHは集積工程中や加工工程中には管理されず、寸法がばらついていても把握できず、無駄な後工程を強いられ、歩留まりの悪化など生産効率の低下を招いていた。また、MRH自体のばらつき(すなわち、研磨量自体のばらつき)も、スロートハイトTHのばらつきを一層大きなものとしていた。
本発明はかかる問題点に鑑み、薄膜磁気ヘッドの集積工程中にスロートハイトを管理して、ばらつきを抑え、信頼性や生産効率の向上が図れる薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜磁気ヘッドのウエハ、ならびに薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、ヘッドスタックアセンブリ、およびハードディスク装置を提供することを目的とする。
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記録媒体に対向する媒体対向面に、記録媒体に記録されたデータを読み取るMR素子と、記録ギャップ層を介して第1の磁極層と第2の磁極層とを対向させた、記録媒体にデータを記録する誘導型電磁変換素子とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、基板上にMR素子を形成する工程と、第1の磁極層を構成する第1ヨーク部分層を形成する工程と、第1ヨーク部分層の一部に、スロートハイトを規定する非磁性層を、非磁性層の媒体対向面側の端部である非磁性層端部の位置を、MR素子の媒体対向面の反対側の端部であるMR素子端部の位置と、MR素子端部から非磁性層端部までの距離である端部距離とによって設定して、形成する非磁性層形成工程と、第1ヨーク部分層および非磁性層の上面に、第1の磁極層を構成する第1磁極部分層と、記録ギャップ層と、第2の磁極層を構成する第2磁極部分層とを形成する工程と、MR素子と、第1磁極部分層と、記録ギャップ層と、第2磁極部分層とが形成された基板を切断・研磨して、媒体対向面を形成する工程と、を有している。非磁性層形成工程は、非磁性層を形成する領域に第1の開口を有し、かつ第1の開口の媒体対向面側に仕切部を介して第2の開口を有するフレームを形成する工程と、第1の開口の内側を切り欠き、領域の上面に第1の凹部を形成する工程と、第1の凹部に非磁性層を形成する工程とを有し、仕切部は、媒体対向面と垂直な方向における幅の中心がMR素子端部の位置と一致し、かつ幅が端部距離の2倍となるように設定される。さらに、基板を切断・研磨して、媒体対向面を形成する工程は、MR素子の媒体対向面側の端部からMR素子端部までの長さが仕切部の第2の開口側の端部からMR素子端部までの長さより小さくなるように研磨をおこなうことを含んでいる。
本製造方法によって製造される薄膜磁気ヘッドにあっては、記録性能上重要な寸法であるスロートハイトは、媒体対向面と非磁性層端部との間の距離、すなわちMR素子の高さと端部距離との和で与えられる。このような構成の薄膜磁気ヘッドのスロートハイトを管理する一つの適切な方法は、MR素子の高さの管理と、MR素子端部位置の検出管理と、MR素子端部位置を基準とした端部距離の管理とを精度よく行うことである。このうち、MR素子の高さは、従来技術と同様に、例えば媒体対向面に埋め込まれた加工量検出素子の研磨量を電気抵抗の変化として検出する従来の方法によって精度よく管理することができる。また、MR素子端部位置は、従来技術と同様に、例えばウエハ上に設けられたアライメントマークを参照することによって精度よく検出することができる。また、端部距離はMR素子端部を基準位置とした方法によって、高い精度で管理することができる。このようにして、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、スロートハイトを管理するための各要素を各々精度よく管理することが可能となり、薄膜磁気ヘッドの品質向上につながるとともに、歩留まりを向上させ生産効率を高めることができる。また、第1の開口に形成される凹部の媒体対向面側の端部位置は、仕切部の端部位置と略一致するため、仕切部の幅を基準として用いることによって端部距離を制御することが可能となる。すなわち、このようにして所定形状のフレームを形成、管理することによって、所要のスロートハイトを実現することが可能となる。
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、第2の開口の内側をさらに切り欠き、第2の凹部を形成する工程と、第2の凹部にダミー層を形成する工程とをさらに有するように構成することができる。
仕切部の幅の中心をMR素子端部の位置と一致するように設定することは、MR素子端部の位置を、ウエハに設けられたアライメントマークによって検出することを含んでいてもよい。
本発明のウエハは、記録媒体に対向する媒体対向面に、記録媒体に記録されたデータを読み取るMR素子と、記録ギャップ層を介して第1の磁極層と第2の磁極層とを対向させた、記録媒体にデータを記録する誘導型電磁変換素子とを有する薄膜磁気ヘッドの製造に用いる、少なくとも1つの薄膜磁気変換素子が設けられたウエハである。そして、基板上に形成されたMR素子と、第1の磁極層を構成する第1ヨーク部分層と、第1ヨーク部分層の一部に形成された、スロートハイトを規定する非磁性層であって、非磁性層の媒体対向面側の端部と、MR素子の媒体対向面の反対側の端部とが所定距離離れている非磁性層と、非磁性層の媒体対向面側に、所定距離の略2倍の距離離れて形成されたダミー層と、第1ヨーク部分層および非磁性層の上面に形成された、第1の磁極層を構成する第1磁極部分層と、記録ギャップ層と、第2の磁極層を構成する第2磁極部分層とを有するものである。ウエハは、ウエハを切断・研磨し媒体対向面を形成したときのMR素子の媒体対向面側の端部が、ダミー層の媒体対向面側の端部と、MR素子の反対側の端部と、の間の位置に来るようにされている。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。
本発明のヘッドアームアセンブリは、本発明のヘッドジンバルアセンブリと、ヘッドジンバルアセンブリが取り付けられたアームとを備えたものである。
本発明のヘッドスタックアセンブリは、複数のアームを備えたキャリッジとキャリッジの各アームにそれぞれ取り付けられた、本発明のヘッドジンバルアセンブリとを備えたものである。
本発明のハードディスク装置は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
以上説明したように、本発明によれば、記録性能上重要な寸法であるスロートハイトが媒体対向面と非磁性層端部との間の距離、すなわちMR素子の高さと端部距離との和で与えられるような薄膜磁気ヘッドの構造とあいまって、MR素子の高さを精度よく管理し、MR素子端部位置を精度よく検出し、かつ、MR素子端部位置を基準とした端部距離を精度よく管理することによって、精度の高いスロートハイトが実現される。特に、端部距離の管理にあっては、フレームの幅を基準として用いることによって精度の高い管理が可能となり、また、集積工程中の管理も可能となる。
この結果、薄膜磁気ヘッドの品質向上につながるとともに、歩留まりを向上させ生産効率を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に記録されたデータを読み取るMR素子と、記録ギャップ層を介して第1の磁極層と第2の磁極層とを対向させた、記録媒体にデータを記録する誘導型電磁変換素子とを有する薄膜磁気ヘッドである。はじめに、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図1は本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部の構成を示す断面図である。図中左側の媒体対向面(エアベアリング面)ABSは、図面と垂直な面に広がる記録媒体表面と薄膜磁気ヘッドとがわずかな距離を介して対向する面である。図2は、図1に示す薄膜磁気ヘッドの、媒体対向面ABS側の部分拡大断面図である。
本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドは、下方から順に、基板1、絶縁層2、下部シールド層3、下部シールドギャップ膜4、上部シールドギャップ膜7、第1ヨーク部分層8b、絶縁層11が積層され、第1ヨーク部分層8bの一部は非磁性層8cに置換されている。また、絶縁層11と非磁性層8cの上部には、薄膜コイル12、接続部12a、絶縁体13、絶縁層14が平面的に配置され、媒体対向面ABS側端部には、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9、第2磁極部分層10aが積層されている。これらの上面には第2ヨーク部分層10bおよびリード層16が配置され、最上部がオーバーコート層17で被覆されている。第1磁極部分層8aと第1ヨーク部分層8bは、第1の磁極層である下部磁極層8を構成する。また、第2磁極部分層10aと第2ヨーク部分層10bは、第2の磁極層である上部磁極層10を構成する。以下、これらの要素ごとに詳細に説明する。
基板1は、アルティック(Al2O3・TiC)等のセラミック材料が用いられる。基板1の上に形成される絶縁層2はアルミナ(Al2O3)等の絶縁材料よりなる。絶縁層2の上には磁性材料よりなる下部シールド層3と、下部シールドギャップ膜4とが順次積層されている。下部シールド層3の材料としては、例えばパーマロイ(NiFe)が用いられる。下部シールドギャップ膜4の材料としては、例えばアルミナが用いられる。
下部シールドギャップ膜4上の媒体対向面ABS側端部には、図2に示すように、再生用のMR素子5が形成されている。MR素子5の一端部は、媒体対向面ABSに対向している。MR素子5は、下部シールド層3と後述する第1ヨーク部分層8bとによってシールドされている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。また、MR素子5には、図示しない一対のリード層が接続されている。
下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上には、上部シールドギャップ膜7と、磁性材料よりなる第1ヨーク部分層8bとが順次積層形成されている。上部シールドギャップ膜7の材料としては、例えばアルミナが用いられる。第1ヨーク部分層8bの材料としては、例えば、パーマロイやCoNiFe等の成膜可能な磁性材料が用いられる。なお、図1では、下部シールドギャップ膜4および上部シールドギャップ膜7を一体的に表わし、MR素子5の図示を省略している。第1ヨーク部分層8bは、記録ヘッドの下部磁極層8としての機能と、再生ヘッド(MR素子5)の上部シールド層としての機能を兼ねている。したがって、これらの機能を分離するよう構成することも可能であり、例えば、第1ヨーク部分層8bの代わりに、上部シールド層とヨーク部分層とを分離設置し、これらの間を非磁性材料よりなる分離層で仕切る構造としてもよい。
第1ヨーク部分層8bの上面の一部は、掘り込まれ、その部分が非磁性層8cによって置換されている。非磁性層8cの材料としては、例えばアルミナが用いられる。非磁性層8cの上面は第1ヨーク部分層8bに合わせて平坦化されており、全体として一つの平坦面が形成されている。非磁性層8cは、底面に対して上面が広がった台形状断面の形状をなしている。非磁性層8cの媒体対向面ABS側の先端は、第1磁極部分層8aの下方にまで延びており、かつ媒体対向面ABSには達していない。この結果、第1ヨーク部分層8bは、第1磁極部分層8aと対向する領域において、媒体対向面ABS側に、相対的に厚さの厚い拡張部を有し、媒体対向面ABSから離れた部分に、相対的に厚さの薄い縮小部を各々有し、第1磁極部分層8aは、拡張部で第1ヨーク部分層8bと連結され、縮小部では非磁性層8cによって分離されていることになる。
第1ヨーク部分層8bおよび非磁性層8cの上部には、媒体対向面ABSと対向する位置において、磁性材料よりなる第1磁極部分層8aと、非磁性材料よりなる記録ギャップ層9と、磁性材料よりなる第2磁極部分層10aとが順次積層形成されている(以下、これら3つをまとめて集合体ということもある。)。第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9および第2磁極部分層10aの、基板1の上面に平行な断面の形状は同じである。第1磁極部分層8aおよび第2磁極部分層10aの材料としては、例えば、パーマロイやCoNiFe等のめっき法によって成膜可能な磁性材料が用いられる。また、第1磁極部分層8aおよび第2磁極部分層10aの材料としては、特に、高飽和磁束密度材料を用いることが好ましい。記録ギャップ層9の材料としては、例えば、NiP等のめっき法によって成膜可能な非磁性金属材料が用いられる。
第1ヨーク部分層8b上の媒体対向面ABSから離れた位置には、絶縁層11が積層されている。絶縁層11上には薄膜コイル12が形成され、後述するコンタクトホール11a(図1参照)の周囲に巻回されている。薄膜コイル12の一部は、後述するリード層16に接続される接続部12aを形成している。絶縁層11には、薄膜コイル12の中心部分において、第1ヨーク部分層8bと第2ヨーク部分層10bとを連結するコンタクトホール11aが形成されている。絶縁層11の材料としては、例えばアルミナが用いられる。薄膜コイル12の材料としては、銅等の導電性材料が用いられる。
薄膜コイル12の巻線間および薄膜コイル12の内周側の端部および外周側の端部に接する空間部は絶縁層13が充填され、集合体および絶縁層13の周囲には絶縁層14が形成され、さらに絶縁層15が薄膜コイル12の上面を覆っている。これによって、集合体は薄膜コイル12に対して絶縁される。絶縁層13の材料としては、例えばレジストが用いられる。絶縁層14,15の材料としては、例えばアルミナが用いられる。
更に、第2磁極部分層10aおよび絶縁層15の上部には、磁性材料よりなる第2ヨーク部分層10bが形成されている。
第2ヨーク部分層10bの媒体対向面ABS側の端部は、第2磁極部分層10aの上面に接しているが、媒体対向面ABSからは離れた位置に配置されている。また、第2ヨーク部分層10bは、コンタクトホール11aによって第1ヨーク部分層8bと連結されている。この結果、上部磁極層10と下部磁極層8は、全体としてU字型の導体を形成し、その周囲を薄膜コイル12が巻回することによって、一つの電磁石が形成されていることになる。第2ヨーク部分層10bの材料としては、例えば、パーマロイやCoNiFe等の成膜可能な磁性材料が用いられる。
薄膜コイル12の接続部12aにはリード層16が接続されている。リード層16は導電性材料によって形成されている。リード層16の材料は、第2ヨーク部分層10bの材料と同じでもよい。
最後に、第2ヨーク部分層10b、絶縁層14および絶縁層15を覆うように、絶縁材料よりなるオーバーコート層17が形成されている。オーバーコート層17の材料としては、例えばアルミナが用いられる。
次に、以下の説明において用いる寸法等をまとめて説明しておく。まずスロートハイトTHは、媒体対向面ABSと、非磁性層8cの媒体対向面ABS側先端部(すなわち、非磁性層端部)との距離である。背景技術においては、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)として説明したが、本実施形態では非磁性層8cを設けたことによって、機能的にスロートハイトTHが短縮しているため、上記のとおりの定義としている。MRハイトMRHは、背景技術での説明と同様、MR素子5の媒体対向面ABS側端部から反対側の端部(すなわち、MR素子端部)までの長さ(高さ)をいう(以下、単にMRHと表すこともある。)。TH0は、非磁性層8cの媒体対向面ABS側先端部(非磁性層端部)位置であり、スロートハイトTHの基準位置を示すものである。MRH0は、MR素子5の媒体対向面ABS側端部と反対側の端部(MR素子端部)の位置であり、MR素子5の基準位置を示すものである。
次に、図3から図11を参照して、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。以下、1つの薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明するが、本実施形態では、実際には1枚のウェハ(基板)を用いて複数の薄膜磁気ヘッドが同時に製造される。
本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図3に示したように、基板1の上に、例えばスパッタリング法によって絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に、例えばスパッタリング法またはめっき法によって下部シールド層3を形成する。
次に、下部シールド層3の上に、例えばスパッタリング法によって下部シールドギャップ膜4を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、例えばスパッタリング法によってMR素子5(図2参照。)を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、例えばスパッタリング法によって、MR素子5に電気的に接続される一対のリード層(図示せず)を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4、MR素子5およびリード層の上に、例えばスパッタリング法によって、上部シールドギャップ膜7を形成する。なお、上記の再生ヘッドを構成する各層は、パターン化されたレジスト層を用いた一般的なエッチング方法やリフトオフ法やこれらを併用した方法によってパターニングされる。
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、例えばスパッタリング法またはめっき法によって第1ヨーク部分層8bを形成する。
次に、第1ヨーク部分層8bの一部を非磁性層8cとダミー層8gに置換する。図4はその完成状態を示している。また、図4Aは非磁性層とダミー層を形成する方法を示す。以下図4Aを用いて、非磁性層8cとダミー層8gの形成方法を説明する。
まず、図4A(a)のように、第1ヨーク部分層8bが形成されている状態でMRH0の位置を検出する。この時点ではMR素子5はすでに形成されているが、その上に上部シールドギャップ膜7や第1ヨーク部分層8bが積層されているため、MRH0の位置を直接検出することはできない。しかし、例えば、形成工程でウエハ上にMR素子5の位置を示すアライメントマーク(図示せず)を設けることによって、間接的に検出することができる。
次に、図4A(b)のように、フォトレジスト層8dを形成する。図4Bは、フォトレジスト層8dの平面図を示す。フォトレジスト層8dは、非磁性層8cおよび後述するダミー層8gの形状に合わせた開口を有するフレームであり、中央部に非磁性層8cとなる部分とダミー層8gになる部分とを区画する仕切部8d'を有している。また、仕切部8d'は、仕切部8d'の幅Xの中心がMRH0の位置と一致するように形成される。なお、図4Bには非磁性層8c、ダミー層8g、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9、第2磁極部分層10aも示しているが、図4(b)の段階ではこれらはまだ形成されていない。
次に、図4A(c)のように、イオンミリング法によって第1ヨーク部分層8bに台形断面状の凹部8eおよび8e'を形成する。ここで、凹部8eおよび8e'は、後工程においてそれぞれ非磁性層8cおよびダミー層8gが形成される開口部である。仕切部8d'はMRH0の位置を中心に対称形に形成されているので、MRH0と凹部8eのMRH0側端部との距離Z、MRH0と凹部8e'のMRH0側端部との距離Yは、ほぼ同一となる。また、仕切部8d'の幅Xは、距離Yと距離Zの合計に等しい。以上より、距離Zは幅Xのほぼ1/2となる。
次に、図4A(d)のように、アルミナを凹部8eおよび8e'の上に積層し、アルミナ層8fおよび8f'を形成する。このとき、アルミナ層8fおよび8f'は周囲の第1ヨーク部分層8bより多少盛り上がる程度に余裕を持たせて積層する。なお、このとき、フォトレジスト層8dの上部および周囲にも同様にアルミナ層8f”が形成される。
次に、図4A(e)のように、リフトオフ法によって、フォトレジスト層8dを、周囲に堆積したアルミナ層8f”とともに除去する。
最後に、図4A(f)のように、化学機械研磨(CMP)によってアルミナ層8fおよび8f'を研磨し、周囲の第1ヨーク部分層8bと一体の平坦面を持つ非磁性層8cおよびダミー層8gを形成する。
ここで、本実施形態において、どのようにしてスロートハイトTHが管理されるかを説明する。スロートハイトTHは図4Bを参照すると、スロートハイトTH=MRH+距離Zである。距離ZはMRH0とTH0との間の距離であり端部距離ともいう。すなわち、スロートハイトTHを管理するためには、MRHおよび距離Zを管理すればよいことが分かる。
まず、MRH、すなわち媒体対向面ABSとMRH0との距離は、媒体対向面ABSの研磨量を制御することで管理される。具体的には、媒体対向面ABS側に加工検出素子(図示せず)をあらかじめ埋め込んでおき、モニタ用電極(図示せず)を接続しておく。そして、媒体対向面ABSが研磨されると、加工検出素子も一緒に研磨され、断面積が減少する。この研磨量に応じた断面積の減少を電気抵抗の変化として、モニタ用電極から取り出し、この出力信号に応じて媒体対向面ABSに対する押圧力を部分的に調整しつつ、所定の電気抵抗になるまで研磨を行う。
次に、距離Zは、上述のように仕切部8d'の幅Xのほぼ1/2であることから、幅Xを制御することで管理することが可能となる。また、距離Zを管理する前提として、MRH0の位置の同定(位置決め)を行うことが必要であるが、上述のように、アライメントマークを検出することによって管理可能である。
したがって、以上の3つの管理項目のうち、MRHの管理は媒体対向面ABSの研磨時に行われるので、図4A(b)の段階では、
(i)仕切部8d'の中心軸がMRH0にほぼ一致していること(アライメントマーク
によって確認。)
(ii)仕切部8d'の幅Xが所定の距離Zのほぼ2倍となっていること
を確認することで足りる。
このように、本実施形態においては、従来の技術のように集積工程が終了するまでスロートハイトTHの確認を待つ必要はなく、また、従来MRHの調整に合わせて間接的に管理されていたスロートハイトTHを、集積工程中でより直接的に管理することが可能となる。そしてこの段階で所定の幅Xが得られていない場合や、仕切部8d'の中心がMRH0から大きくずれてしまったような場合はその後の工程を中止することができ、また、所定の幅Xが得られるよう、リワークによってフォトレジスト層8dを調整することも可能である。
以上説明したように、本実施形態は、フォトレジスト層8d、特に仕切部8d'を所定の位置に所定の幅で形成することによって、MRH0の位置を基準とした所定の位置に非磁性層8cの端部の位置を設定し、これによってスロートハイトTHを設定しようとするものである。すなわち、図4A(c)から図4A(f)の過程においては、凹部8e'、アルミナ層8f'およびダミー層8gの形成は必ずしも必要ではなく、最低限凹部8e、アルミナ層8fおよび非磁性層8cが形成されていればよい。ただし、ダミー層8gの形成まで行われれば、非磁性層8cとダミー層8gとの距離は仕切部8d'の幅Xと一致しているので、例えば図4A(f)の段階において非磁性層8cとダミー層8gとの距離を測定する等、スロートハイトTHの管理に役立てることも可能である。なお、ダミー層8gの形状に特に制約はなく、非磁性層8cと対称形でもよく、また、図4Bに示した形状に限定されることもない。以上が図4に係る説明である。
次に、図5に示すように、第1ヨーク部分層8bおよび非磁性層8cの上に、例えばスパッタリング法によって、めっき用の電極膜(図示せず)を形成する。なお、非磁性層8cとダミー層8gとが形成された後の工程においては、媒体対向面ABSよりもダミー層8g側の部分は薄膜磁気ヘッドの形成には無関係となるので、図5から図11においては、媒体対向面ABSより非磁性層8c側のみを示している。次に、上記電極膜の上にフォトレジスト層を形成して、フォトレジスト層をフォトリソグラフィによってパターニングして、フレーム21を形成する。フレーム21は、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9および第2磁極部分層10aを形成すべき位置に開口部を有している。
次に、フレーム21を用い、フレームめっき法によって、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9および第2磁極部分層10aを連続的に形成する。第1磁極部分層8aおよび第2磁極部分層10aの材料は、いずれも、めっき法によって成膜可能な磁性材料とする。また、記録ギャップ層9の材料は、めっき法によって成膜可能な非磁性金属材料とする。
次に、フレーム21を除去し、めっき用の電極膜のうち、第1磁極部分層8aの下に存在する部分以外の部分をエッチングによって除去する。
次に、図6に示したように、ここまでの工程によって得られた積層体の上面全体の上に、例えばスパッタリング法によって絶縁層11を形成する。絶縁層11は、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9および第2磁極部分層10aの集合体の側壁部にも形成される。
次に、図7に示したように、絶縁層11の上に、例えばフレームめっき法によって薄膜コイル12を形成する。このとき同時に、第1ヨーク部分層8bと第2ヨーク部分層10bとが連結される位置において、絶縁層11の上にダミー層22を形成する。
次に、図8に示したように、薄膜コイル12を覆うように絶縁層13を形成する。次に、積層体全体を覆うように、絶縁層14を形成する。このときの絶縁層14の厚さは、薄膜コイル12の厚さ以上とする。
次に、図9に示したように、例えば化学機械研磨によって、薄膜コイル12およびダミー層22が露出するまで、絶縁層14を研磨する。
次に、図10に示したように、積層体の上面全体の上に絶縁層15を形成する。次に、絶縁層15のうち、第2磁極部分層10a、ダミー層22および薄膜コイル12の接続部12aの上の部分を選択的にエッチングする。更に、選択的なエッチングによって、ダミー層22と、ダミー層22の下の絶縁層11を除去する。
次に、図11に示したように、例えばフレームめっき法によって、第2ヨーク部分層10bとリード層16とを形成する。最後に、積層体全体を覆うように、例えばスパッタリング法によってオーバーコート層17を形成する。そして、これらの形成工程の終了したウエハを適宜切断して、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドの媒体対向面ABSを研磨加工によって形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。この状態は図1および図2に示したとおりである。
本実施形態では、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9、および第2磁極部分層10aの、基板1の上面に平行な断面の形状は同じである。また、第1磁極部分層8a、記録ギャップ層9、および第2磁極部分層10aは、第1ヨーク部分層8bおよび非磁性層8cの平坦面上に、同一のフレーム21を用いてめっき法によって順に形成される。このように、本実施形態では、フォトリソグラフィによって磁極幅を制御でき、かつ磁極幅を制御するフレーム21は平坦な面の上に形成される。したがって、本実施形態によれば、例えば0.3μm以下のような微小なトラック幅を規定する磁極部分を精度よく形成することができ、また、1枚のウェハを用いて製造される複数の薄膜磁気ヘッドにおける磁極幅のばらつきを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、スロートハイトのばらつきを減らし、精度よく形成することができ、信頼性を向上させることができる。また、集積過程の途中段階での寸法検査が可能となり、不良品については後続工程を中止するなど、生産効率の向上も可能となる。
本実施形態による薄膜磁気ヘッドの製造方法の、従来技術と比べた効果を図12A、図12Bに示す。図12AはスロートハイトTHの目標値(管理値)と、従来技術により製作した薄膜磁気ヘッド(従来例)のスロートハイトTHの測定結果の一例である。図12BはスロートハイトTHの目標値(管理値)と、本実施形態により製作した薄膜磁気ヘッド(実施例)のスロートハイトTHの測定結果の一例である。いずれも複数回の測定を行い、その結果を表にまとめ、グラフ化している。従来例、実施例とも、各グラフの縦軸(測定結果)は、製作された薄膜磁気ヘッドを切断して、スロートハイトTHを実測した結果を示している。また、図12Aのグラフの横軸は従来例におけるスロートハイトTHの目標値(管理値)であり、具体的には図19に示すスロートハイトTHとMRHとの差である管理用スロートハイトTH'を用いている。管理用スロートハイトTH'は、MR素子5を形成する際に埋め込まれたダミーマーカー(図示せず)によって測定された。図12Bのグラフの横軸は実施例におけるスロートハイトTHの目標値(管理値)を示し、具体的には前述したとおり、仕切層8d'の幅Xの測定値の1/2である。
従来例においては、図12Aに示すように、管理用スロートハイトTH'と実際のスロートハイトTHは、大きくばらついており、管理用スロートハイトTH'を精度よく管理しても、スロートハイトTHの精度を高めるには限界のあることがわかる。これに対して、実施例においては、図12Bに示すように、幅Xの1/2と実際のスロートハイトTHは非常に高い相関性を示している。すなわち、本発明によって集積工程において幅Xを管理することによってスロートハイトTHを高い精度でモニタリングすることが可能となり、スロートハイトTHを精度よく形成できることが確認できた。
なお、以上の説明は第1ヨーク部分層8bの一部が非磁性層8cに置換されている形態を前提に説明したが、非磁性層8cは、第1ヨーク部分層8bの上部に積層された形態であってもよい。図13はこのように構成された薄膜磁気ヘッドの部分拡大断面図を示す。第1ヨーク部分層8b'が形成された後、本実施形態では非磁性層8c'が第1ヨーク部分層8b'に掘り込まれて形成されずに、第1ヨーク部分層8b'の上に形成されている点が異なる。そして第1ヨーク部分層8b'に対して段差を有する状態で、第1磁極部分層8a'、記録ギャップ層9'、第2磁極部分層10a'、絶縁層11等が積層されている。この場合の非磁性層8c'はフォトレジスト層とすることができる。すなわち、所定のマスクをMRH0の位置に対してマスク合わせし、露光、現像、レジスト除去を行えばよい。具体的には、図4A(b)の段階で仕切部8d'の幅Xを確認した後、凹部を形成することなくただちに非磁性層8cを積層すればよい。このように所定位置にフォトレジストが形成されたことを確認することによって、スロートハイトTHの管理が可能となる。
次に、本実施形態に係る製造方法によって製造される薄膜磁気ヘッドのウエハについて説明する。図14はウエハの概念的な平面図である。ウエハ100は複数の薄膜磁気変換素子集合体101に区画される。薄膜磁気変換素子集合体101は、薄膜磁気変換素子およびダミー層8gを含み、媒体対向面ABSを研磨加工する際の作業単位となる。薄膜磁気変換素子集合体101間および薄膜磁気変換素子102間には切断のための切り代(図示せず)が設けられている。薄膜磁気変換素子102を製造するには、まずウエハ100を切断して複数の薄膜磁気変換素子集合体101に分割する。次に、薄膜磁気変換素子集合体101を所定の治具で固定して、媒体対向面ABSを研磨する。研磨する際には、各薄膜磁気変換素子102の媒体対向面ABS面側にあらかじめ埋め込まれた加工検出素子(図示せず)の研磨量に応じた電気抵抗を、加工検出素子に接続されたモニタ用電極(図示せず)から取り出し、この出力信号に応じて薄膜磁気変換素子集合体101に対する押圧力を部分的に調整しつつ、所定の電気抵抗になるまで研磨を行う。なお、以上の加工工程において、ダミー層8gは除去される。
次に、本実施形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図15を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。スライダ210は、主に図15における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、媒体対向面となるエアベアリング面20が形成されている。ハードディスクが図15におけるz方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図15におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図15におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図15における左下の端部)の近傍には、本実施形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図16を参照して、本実施形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、スライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222と、ロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、アーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図16は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図17および図18を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施形態に係るハードディスク装置について説明する。図17はハードディスク装置の要部を示す説明図、図18はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252の反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
本実施形態に係るハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置は、前述の本実施形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明において薄膜コイル12は複数の層で構成されていてもよい。また、第2ヨーク部分層10bは、媒体対向面ABS側の端部から薄膜コイル12の上に配置される部分にかけて湾曲していてもよい。また、第2ヨーク部分層10bの媒体対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSに露出していてもよい。
また、本実施形態では、基板側に読み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型電磁変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
本発明の一実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部の概略断面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの主要部を示す拡大部分断面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの絶縁層の製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの絶縁層の製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドの製造工程図である。 従来例におけるスロートハイトの製作目標値と製作精度の関係を示す図である。 実施例におけるスロートハイトの製作目標値と製作精度の関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るウエハの平面図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るハードディスク装置の要部を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るハードディスク装置の平面図である。 従来技術の薄膜磁気ヘッドの主要部の概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 絶縁層
3 下部シールド層
4 下部シールドギャップ膜
5 MR素子
7 上部シールドギャップ膜
8 下部磁極層
8a,8a' 第1磁極部分層
8b、8b' 第1ヨーク部分層
8c、8c' 非磁性層
8d フォトレジスト層
8d' 仕切部
8e、8e' 凹部
8f、8f' アルミナ層
8g ダミー層
9、9' 記録ギャップ層
10 上部磁極層
10a、10a' 第2磁極部分層
10b 第2ヨーク部分層
11 絶縁層
11a コンタクトホール
12 薄膜コイル
12a 接続部
13 絶縁層
14 絶縁層
15 絶縁層
16 リード層
17 オーバーコート層
ABS 媒体対向面
MRH MRハイト
TH スロートハイト

Claims (8)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面に、記録媒体に記録されたデータを読み取るMR素子と、記録ギャップ層を介して第1の磁極層と第2の磁極層とを対向させた、記録媒体にデータを記録する誘導型電磁変換素子とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    基板上に前記MR素子を形成する工程と、
    前記第1の磁極層を構成する第1ヨーク部分層を形成する工程と、
    前記第1ヨーク部分層の一部に、スロートハイトを規定する非磁性層を、該非磁性層の前記媒体対向面側の端部である非磁性層端部の位置を、前記MR素子の前記媒体対向面の反対側の端部であるMR素子端部の位置と、該MR素子端部から前記非磁性層端部までの距離である端部距離とによって設定して、形成する非磁性層形成工程と、
    前記第1ヨーク部分層および前記非磁性層の上面に、前記第1の磁極層を構成する第1磁極部分層と、前記記録ギャップ層と、前記第2の磁極層を構成する第2磁極部分層とを形成する工程と、
    前記MR素子と、前記第1磁極部分層と、前記記録ギャップ層と、前記第2磁極部分層とが形成された基板を切断・研磨して、前記媒体対向面を形成する工程と、
    を有し、
    前記非磁性層形成工程は、前記非磁性層を形成する領域に第1の開口を有し、かつ該第1の開口の前記媒体対向面側に仕切部を介して第2の開口を有するフレームを形成する工程と、該第1の開口の内側を切り欠き、該領域の上面に第1の凹部を形成する工程と、該第1の凹部に非磁性層を形成する工程とを有し、
    前記仕切部は、前記媒体対向面と垂直な方向における幅の中心が前記MR素子端部の位置と一致し、かつ該幅が前記端部距離の2倍となるように設定され、
    前記基板を切断・研磨して、前記媒体対向面を形成する工程は、前記MR素子の前記媒体対向面側の端部から前記MR素子端部までの長さが前記仕切部の前記第2の開口側の端部から前記MR素子端部までの長さより小さくなるように研磨をおこなうことを含む、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記第2の開口の内側をさらに切り欠き、第2の凹部を形成する工程と、該第2の凹部にダミー層を形成する工程とをさらに有する、請求項1に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記仕切部の前記幅の中心を前記MR素子端部の位置と一致するように設定することは、前記MR素子端部の位置を、ウエハに設けられたアライメントマークによって検出することを含む、請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 記録媒体に対向する媒体対向面に、記録媒体に記録されたデータを読み取るMR素子と、記録ギャップ層を介して第1の磁極層と第2の磁極層とを対向させた、記録媒体にデータを記録する誘導型電磁変換素子とを有する薄膜磁気ヘッドの製造に用いる、少なくとも1つの薄膜磁気変換素子が設けられたウエハであって、
    基板上に形成された前記MR素子と、
    前記第1の磁極層を構成する前記第1ヨーク部分層と、
    前記第1ヨーク部分層の一部に形成された、スロートハイトを規定する非磁性層であって、該非磁性層の前記媒体対向面側の端部と、前記MR素子の前記媒体対向面の反対側の端部とが所定距離離れている非磁性層と、
    該非磁性層の前記媒体対向面側に、前記所定距離の略2倍の距離離れて形成されたダミー層と、
    前記第1ヨーク部分層および前記非磁性層の上面に形成された、前記第1の磁極層を構成する第1磁極部分層と、前記記録ギャップ層と、前記第2の磁極層を構成する第2磁極部分層とを有するウエハであって、
    前記ウエハを切断・研磨し前記媒体対向面を形成したときの前記MR素子の前記媒体対向面側の端部が、前記ダミー層の該媒体対向面側の端部と、前記MR素子の前記反対側の端部と、の間の位置に来るようにされている、
    ウエハ。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によって製造された薄膜磁気ヘッドを含み、前記記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと、
    を有するヘッドジンバルアセンブリ。
  6. 請求項5に記載のヘッドジンバルアセンブリと、
    前記ヘッドジンバルアセンブリが取り付けられたアームと、
    を有するヘッドアームアセンブリ。
  7. 複数のアームを備えたキャリッジと
    前記キャリッジの各アームにそれぞれ取り付けられた、請求項5に記載のヘッドジンバルアセンブリと、
    を有するヘッドスタックアセンブリ。
  8. 請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によって製造された薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持するとともに前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と、
    を有するハードディスク装置。
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