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JP3984440B2 - 樹脂組成物、フィルム及び廃棄方法 - Google Patents
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂組成物、フィルム及び廃棄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄物埋め立て地の短命化を促進したり、自然の景観や野生動植物の生活環境を損なうといった問題点が指摘されていた。
【0003】
これに対し、近年環境問題の高まりから、プラスチック製品が自然環境中に棄却された場合、経時的に分解・消失し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさないことが求められている。
【0004】
このため、今日、生分解性樹脂材料が注目を集めている。この生分解性樹脂は、土壌中や水中で、加水分解や生分解により、徐々に崩壊・分解が進行し、最終的に微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。また、コンポスト(堆肥化)処理により、容易に廃棄物処理ができることも知られている。
【0005】
実用化され始めている生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル、変性PVA、セルロースエステル化合物、デンプン変性体、及びこれらのブレンド体等があげられる。
【0006】
これらの生分解性プラスチックは、それぞれ固有の特徴を有し、これらに応じた用途展開が考えられるが、中でも、幅広い特性と汎用樹脂に近い加工性を有する脂肪族ポリエステルが広く使われ始めている。また、脂肪族ポリエステルの中でも、乳酸系樹脂は、透明性・剛性・耐熱性等が優れていることから、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの代替材料として、フィルム包装材や射出成形分野で、注目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの脂肪族ポリエステル系樹脂は、成形体製品として、保管や使用が比較的長期にわたる場合には、空気中の水蒸気や、内容物又は外部からの水分によって、加水分解を起こし、機械物性の低下を招くなど、実用上大きな問題があった。
【0008】
特に、60℃、60%RH以上の高温多湿の雰囲気において、分解が著しく、数時間から数週間で分解して使用できなくなることがあった。
また、乳酸系樹脂を可塑剤で可塑化した軟質材料においては、高温多湿でなくとも、大気雰囲気においても、加水分解を起こしやすかった。
さらに、成形体の形状としては、比表面積の大きいフィルム状物にこれらの傾向が著しかった。
【0009】
そこで本発明は、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が本来有している生分解性をほとんど損なうことなく、優れた耐加水分解性を具備した脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂組成物やフィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、乳酸系樹脂等の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂100質量部に対し、カルボジイミド化合物0.05〜10質量部を含有させた樹脂組成物やフィルムを得ることにより上記の課題を解決したのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂にカルボジイミド化合物を含有させたものである。
【0012】
上記脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂とは、生分解性を有する脂肪族ポリエステルをいい、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生合成される脂肪族ポリエステル、又は乳酸系樹脂があげられる。
【0013】
上記脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルは、脂肪族ジオールであるエチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等と、脂肪族ジカルボン酸であるコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等の中から、それぞれ1種類以上選んで縮合重合して得られる。必要に応じて、イソシアネート化合物やカーボネート結合形成化合物でジャンプアップして所望のポリマーを得ることができる。そのような例として、昭和高分子社製 ビオノーレシリーズ、三菱ガス化学社製 ユーペックシリーズ等があげられる。
【0014】
また、適量の芳香族ジカルボン酸を共重合した芳香族脂肪族ポリエステルもこれらの範疇に含まれる。例えば、イーストマンケミカル社製 イースターバイオシリーズ、BASF社製 エコフレックスシリーズ、デュポン社製 バイオマックスシリーズ等があげられる。
【0015】
上記環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーであるε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が代表的にあげられ、これらから1種類以上選ばれて重合される。この例として、ダイセル社製 セルグリーンシリーズ等があげられる。
【0016】
上記合成系脂肪族ポリエステルとしては、環状酸無水物とオキシラン類との共重合体、プロピレンオキサイド等との共重合体等があげられる。上記環状酸無水物とオキシラン類との共重合体の例としては、無水コハク酸とエチレンオキサイドの共重合体があげられ、具体例として、日本触媒社製 ルナーレシリーズがあげられる。
【0017】
上記菌体内で生合成される脂肪族ポリエステルとしては、アルカリゲネスユートロファスを始めとする菌体内でアセチルコエンチームA(アセチルCoA)により生合成される脂肪族ポリエステルが知られている。具体例としては、三菱ガス化学社製 商標名:ビオグリーン(ポリヒドロキシブチレート)等があげられる。これらは、主にポリ−β−ヒドロキシ酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックとしての実用特性向上のために、吉草酸ユニット(HV)を共重合し、ポリ(3HB−co−3HV)の共重合体にすることが工業的に有利である。HV共重合比は一般的に0〜40%である。さらに長鎖のヒドロキシアルカノエートを共重合してもよい。
【0018】
上記本発明における乳酸系樹脂とは、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸である、ポリ(DL−乳酸)やこれらの混合体をいい、さらには、α−ヒドロキシカルボン酸やジオール/ジカルボン酸との共重合体であってもよい。DL共重合比や、重合体の混合比は問わない。具体例としては、島津製作所社製 ラクティシリーズ、三井化学社製 レイシアシリーズ、カーギル・ダウ社製 Nature―Worksシリーズ等があげられる。
【0019】
上記乳酸系樹脂の重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知のいずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合法ではL−乳酸又はD−乳酸、あるいは、これらの混合物を直接脱水縮重合して任意の組成を持った乳酸系樹脂を得ることができる。
【0020】
また、開環重合法では乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸系重合体を得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性をもつ乳酸系樹脂を得ることができる。
【0021】
さらに、耐熱性を向上させるなどの必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルポン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを用いてもよい。
さらにまた、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを使用できる。
【0022】
上記乳酸系樹脂に共重合される上記の他のヒドロキシ−カルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類があげられる。
【0023】
上記乳酸系樹脂に共重合される上記脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等があげられる。また、上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等があげられる。
【0024】
乳酸系樹脂の重量平均分子量の好ましい範囲としては、5万から40万、好ましくは10万から25万であり、この範囲を下回る場合は実用物性がほとんど発現されず、上回る場合には、溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣る。
【0025】
上記の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合して用いても構わない。例えば、乳酸系樹脂をベースに、他の脂肪族ポリエステル樹脂をブレンドすると、耐衝撃性や耐熱性が改良されることが知られている。
【0026】
上記カルボジイミド化合物は、下記一般式(1)の基本構造を有するものである。
−(N=C=N−R−)n− (1)
なお、上記式(1)において、nは1以上の整数を示す。また、Rは、脂肪族、脂環族、芳香族から選ばれる有機系結合単位を示す。
【0027】
高温多湿の耐加水分解性を改良するには、nが大きい方が好ましく、特に10〜100が好適である。10未満では、高温で速く失活する傾向にある。100より大きいと、添加時に白濁しやすかったり、耐加水分解性改良効果が乏しい傾向にある。また、製造コスト上、不利である。
さらに、常温大気中における耐加水分解性付与を改良にする場合には、nは1〜30が好ましい。
【0028】
上記カルボジイミド化合物の具体例としては、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体があげられる。上記カルボジイミド化合物は、単独、又は、2種以上組み合わせて用いられる。
【0029】
上記の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂100質量部に対するカルボジイミド化合物の添加量は、上記脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂の耐加水分解性を改良する観点から、0.05〜10質量部がよく、0.1〜5質量部が好ましい。
【0030】
かかる範囲を下回る場合は、耐加水分解性改良効果が十分に発現せず、一方、上回る場合には、カルボジイミド化合物のブリードアウトによる成形体の外観不良や機械物性の低下が起こる場合がある。さらに、生分解性やコンポスト分解性が損なわれることがある。
【0031】
上記樹脂組成物は、任意の成形加工を行うことができる。例えば、射出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、押出成形、延伸成形、インフレーション成形、シート熱成形等により、フィルム、シート、成形体等を得ることができる。成形加工機械は通常のプラスチックの成形加工機をそのまま用いることができる。
【0032】
また、上記の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂とカルボジイミド化合物をあらかじめプレコンパウンドしてコンパウンドペレットを得た後、成形加工機に供してもよいし、成形加工機にドライブレンドした原料を直接供しても構わない。
【0033】
本発明においては、優れた機械特性・熱特性・光学特性ゆえ、広い用途で使用される。特に加水分解が問題となっている乳酸系樹脂製のフィルムを作るに際しては、カルボジイミド化合物を添加することにより、フィルムの耐加水分解性を大幅に改良することができる。
【0034】
また、乳酸系樹脂等の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂に可塑剤を添加してなる軟質フィルムは、常温大気中でも特に加水分解を起こしやすいが、この乳酸系樹脂等の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂50〜95質量%、可塑剤5〜50%、かつ、上記乳酸系樹脂100質量部に対して、カルボジイミド化合物0.05〜10質量部とすることで、これを改良することができる。
【0035】
可塑剤の量がかかる範囲を下回ると軟質化することができず、一方、上回ると、フィルムの粘度や弾性率が下がりすぎてフィルム化が困難になる。
【0036】
上記疎水性可塑剤としては、生分解性、並びに、加水分解を促進しない観点から、下記(1)〜(9)に示される化合物から少なくとも1種類が選ばれるのが好ましい。
(1)H(OH)3−n(OOCCH3)(但し、0<n≦3)
これは、グリセリンのモノ−、又はジ−、又はトリアセテ−トであり、これらの混合物でも構わないが、nは3に近い方が好ましい。
(2)グリセリンアルキレート(アルキル基は炭素数2〜20、水酸基の残基があってもよい)
例えば、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート等があげられる。
【0037】
(3)エチレングリコールアルキレート(アルキル基は炭素数1〜20、水酸基の残基があってもよい)
例えば、エチレングリコールジアセテート等があげられる。
(4)エチレン繰り返し単位が5以下のポリエチレングリコールアルキレート(アルキル基は炭素数1〜20、水酸基の残基があってもよい)
例えば、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート等があげられる。
【0038】
(5)脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20)例えば、ステアリン酸ブチル等があげられる。
(6)脂肪族ジカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)
例えば、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレート等があげられる。
【0039】
(7)脂肪族トリカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)
例えば、クエン酸トリメチルエステル等があげられる。
(8)重量平均分子量2万以下の低分子量脂肪族ポリエステル
例えば、コハク酸とエチレングリコール/プロピレングリコール縮合体(大日本インキ化学工業社 商品名:ポリサイザ−)等があげられる。
【0040】
(9)天然油脂及びそれらの誘導体
例えば、大豆油、エポキシ化大豆油、ひまし油、桐油、なたね油等があげられる。
【0041】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、顔料、着色剤、滑剤、核剤、発泡剤等の添加剤を処方することができる。
【0042】
本発明の樹脂組成物からなる成形体は、耐加水分解性に優れるが、これが廃棄物となったとき、コンポスト処理をすることで廃棄物処理をすることができる。コンポスト中では、圧倒的に大量の水分や分解菌などが存在するためである。特に、70℃以下の雰囲気でコンポスト処理することも可能である。
また、一般式のn数が5以上のカルボジイミド化合物では、加水分解防止反応温度が80℃以上であるため、60℃以下のコンポストでも容易に分解する。
【0043】
本発明のフィルムは、常時水分と接触したり、使用が長期に及ぶ、食品包装用、農業用、園芸用、建築土木用の資材等に利用することができる。
また、本発明の組成物は、成形加工製品の耐加水分解性を改良するだけにとどまらず、製品や半製品のリサイクルの際の溶融粘度低下にも寄与することができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示す測定値は次に示すような条件で測定を行ない、算出した。
(1)脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂の重量平均分子量
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーHLC−8120GPCに、島津製作所社製クロマトカラムShim−PackシリーズのGPC−800CPを装着し、溶媒クロロホルム、溶液濃度0.2wt/vol%、溶液注入量200μl、溶媒流速1.0ml/分、溶媒温度40℃で測定を行い、ポリスチレン換算で、乳酸系樹脂の重量平均分子量を算出した。用いた標準ポリスチレンの重量平均分子量は、2000000、430000、110000、35000、10000、4000、600である。
(2)耐加水分解性
所定の条件で湿熱試験を行い、テスト前後の重量平均分子量保持率を以下の式により算出し、以下の判定基準により判定した。
・重量平均分子量保持率(%)=(湿熱試験後の重量平均分子量)/(湿熱試験前の重量平均分子量)×100
・耐加水分解性:
○=重量平均分子量保持率 70〜100%、
△=重量平均分子量保持率 40〜69%、
×=重量平均分子量保持率 0〜39%
(3)コンポスト分解性
家庭用コンポスター(静岡製機社製 商品名:エコロンポEC−25D)に、園芸用の腐葉土10Kgと、ドッグ・フード(日本ペットフード社製 商品名:ビタワン)5kgを混合して入れ、さらに水500mlを加え、厚み200mmの埋土とした。試験サンプルを格子の一辺が1cmのSUS製金網から作ったホルダーに挟み、このホルダーを、埋土の底面から50mmの高さに配置して埋設した。内部を58℃に保ち、毎日500mlの水を追加して、4週間テストを行った。
・重量平均分子量保持率(%)=(コンポスト試験後の重量平均分子量)/(コンポスト試験前の重量平均分子量)×100
・コンポスト分解性:
○=重量平均分子量保持率 0〜39%、
△=重量平均分子量保持率 40〜69%、
×=重量平均分子量保持率 70〜100%
参考実施例1
カーギル・ダウ社製乳酸系樹脂、Nature―Works4031D(重量平均分子量20万)に、ポリカルボジイミド化合物(バイエル社製 商品名スタバクゾールP−100、一般式:−(N=C=N−R−N=C=N−R’)n−、重合度:n≒28、Rは2,5−ジイソプロピルフェニル基、R’はフェニル基である。)1.0質量部を添加してドライブレンドを行い、三菱重工社製30mmφ小型同方向2軸押出機を用い、200℃でコンパウンドし、原料ペレットを得た。この原料ペレットを、Tダイを備えた三菱重工社製30mmφ単軸押出機に供し、バレル温度200℃で、押出を行い、キャストロールで急冷して、100μm厚×幅300mmのシートを得た。このシートを名刺大に切り出し、タバイエスペック社製恒温恒湿器LH−112に入れ、80℃×30時間、耐湿熱試験を行った。また、コンポスト試験も行った。これらの結果を表1に示す。
参考実施例2〜3/参考比較例1〜2)
添加量を表1に示す量に変更した以外は、参考実施例1と同様の方法でシートを得、耐湿熱試験、及びコンポスト試験を行った。これらの結果を表1に示す。
実施例1/比較例1
島津製作所社製:乳酸系樹脂ラクティ9000と、カルボジイミド化合物として、モノカルボジイミドであるN,N'−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−カルボジイミド(バイエル社製 商品名:スタバクゾールI)1.5重量部、滑剤としてステアリン酸アルミ0.1質量部を混合し、三菱重工社製45mmφ同方向押出機に供し、ベント口より可塑剤としてジブチルアジペート(大八化学社製)38質量部を注入しながら、押出温度200℃で、原料コンパウンドを得た。原料コンパウンドを、丸ダイとインフレーション製膜ラインを併設した三菱重工社製60mmφ単軸押出機に供し、押出温度200℃で押出を行い、ブローアップ比(BUR)3.0で、厚み15μmの筒状フィルムを得た。また、カルボジイミド化合物の添加なしで、同様の方法により、フィルムを得た。これらのフィルムを30℃の恒温器を用い湿熱試験を行った。また、コンポスト試験も行った。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1のフィルムを用いて、自動包装機(石田衡器社製ISHIDA・Wmin MK−II)により発泡ポリスチレントレー(長さ200mm、幅130mm、高さ30mm)を包装したところ、全く問題なく包装でき、食品包装用フィルムとして使えることがわかった。
【0045】
【表1】
Figure 0003984440
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が本来有している生分解性をほとんど損なうことなく、優れた耐加水分解性を具備した脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂組成物及びフィルムを提供することができる。

Claims (1)

  1. 乳酸系樹脂50〜95質量%、下記に示される可塑剤(1)、可塑剤(2)、可塑剤(5)〜可塑剤(7)、及び可塑剤(9)から選ばれる少なくとも1種類の可塑剤5〜50質量%、かつ、上記乳酸系樹脂100質量部に対してカルボジイミド化合物0.05〜10質量部を含み、
    カルボジイミド化合物が、下記一般式(1)の基本構造を有するフィルム。
    −(N=C=N−R−)− (1)
    (上記式(1)において、nは1以上の整数を示す。Rは脂肪族、脂環族、芳香族から選ばれる有機系結合単位を示す。)
    ○可塑剤
    可塑剤(1)…グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、又はグリセリントリアセテート
    可塑剤(2)…グリセリンアルキレート(アルキル基は炭素数2〜20、水酸基の残基があってもよい)
    可塑剤(5)…脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20)
    可塑剤(6)…脂肪族ジカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)
    可塑剤(7)…脂肪族トリカルボン酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜20、カルボキシル基の残基があってもよい)
    可塑剤(9)…大豆油、エポキシ化大豆油、ひまし油、桐油、なたね油
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