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JP3987397B2 - 表面塗装方法およびその装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面塗装方法およびその装置に係り、特にプラスチック等の絶縁部材若しくは絶縁皮膜が付された金属製部材等の表面を効率よく塗装する表面塗装方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラスチック等の絶縁部材若しくは絶縁皮膜が付された金属製部材等の表面塗装に際しては、室内の塵埃が、静電気の吸着作用によって被塗装物に付着し易いことから、これを排除するための手法、例えばクリーンルーム内での塗装作業や、被塗装物を除塵・除電工程に付した後に表面塗装を実行する等、種々の試みがなされている。
この種の部材に対する表面塗装は、塗料吹き付け工程に先立って、まず、清浄空気を吹き付ける除塵工程が行われ、その後に表面に付着した静電気および当該静電気に吸引されて付着した微小塵埃を除去するための除電工程が行われ、しかるのち、清浄空気の流れの中で或いはクリーンルーム内で、前述した塗料吹き付け工程が実行され、その後に検査工程へ移され、続いて自然乾燥又は適度の熱風による強制乾燥等の乾燥工程へ移されて、仕上げられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる手法で塵埃を除去するには、例えばクリーンルーム内に流入する空気の塵埃濃度を常に監視しなければならず、また、除塵・除電工程後の被塗装物を電気的に周囲から隔離しなければならない等、多くの付属設備を必要と成っていた。このため、塗装工程に多くの設備費を投入しなければならず、製品原価が高騰するという不都合があった。
また、被塗装物の除塵や除電を実行しても、プラスチック又は絶縁皮膜の素材によっては塗装前の製品の移動工程中に空気中の僅かな塵埃を吸着することから、塗装工程終了後の塗装面のチェックに多くの時間と労力を要し、生産性が悪いというという不都合が常に伴っていた。
【0004】
又、温度や湿度の変化に応じて塵埃の付着の状況が変化することから、とくに重要な製品の塗装作業に際しては、その都度、温度や湿度をチェックしたり、除塵用の空気流を強くしたり、塗料の濃度を変えたり、塗装の噴射のタイミングを変化させたりして事前チェックを必要としており、又、そのチェックには多くの熟練を要するという不都合があった。このため、周囲環境の変化があると不良品が続出するという不都合がしばしば生じていた。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、プラスチック等の絶縁部材、若しくは絶縁皮膜が付された金属製部材(以下、「プラスチック等」という)の表面塗装に際して、通常の塗装状態下にあっても又周囲環境の変化があっても被塗装物表面に塵埃が付着するのを有効に抑制してプラスチック等に対する表面塗装の質の向上を図り得る表面塗装方法およびその装置を提供することを、その目的とする。
【0006】
【課題が解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えている。
【0007】
そして、前述した塗料吹き付け工程と同時に(数秒間ズレて相前後する場合を含む)作動し被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、この除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、かつ当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを直接前記被塗装物に向けて噴射して、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記塗料吹き付け工程は、前記除電作業工程により前記被塗装物の表面を除電しながら同時に前記通気性ガイドフィルタの外側から内側に向けて塗料を吹き付けて実行する、という構成を採っている。
この場合、除塵用の清浄な空気流は、前述した除塵工程を継続して稼働させるようにしても、或いは別の手法をもって除塵用の空気流を形成したものであってもよい。他の請求項についても同様である。
【0008】
このため、この請求項1記載の発明では、前工程で被塗装物の表面から除去し得なかったイオンを帯びた塵埃が、除電作業工程で出力されるイオン(実際にはプラスイオンおよびマイナスイオンの両方が出力される)により一部中和されて吸着力がなくなって落下し、或いは同極のイオン同志が反発し合って拡散される。このため、被塗装物の表面に吸着された塵埃の量を大幅に排除することが可能となり、付着の少ない状態で被塗装物の表面を塗装することができる。
【0009】
又、この除電作業工程によるかかる状態は塗料吹き付け工程で被塗装物の表面の塗装が実行されている間も継続されることから、例えば塗装中に空気中を急速移動する噴霧塗料と空気との摩擦によって生じる浮遊静電気等も対象として有効にしかも継続して除電作用が実行される。
このため、塗装中に周囲のイオン化された塵埃を巻き込むことも少なくなり、塗装中も安定した状態で除電作用が実行される。
(これにより、本発明によると、被塗装物の表面に付着する塵埃の付着量を大幅に低減することができ、生産性が大幅に改善される)
又、通気性ガイドフィルタを設けたので、除塵用の空気流の流動が自然の状態となり、周囲の空気の流入も幾分許容しつつ同時に少しずつ巻き込まれる室内空気に対しても有効に除塵し得る。
更に、通気性ガイドフィルタの外側から内側に向けて噴霧塗料を噴射するように構成したので、除塵用の空気流および除電用イオンの流れを乱すことなく、又被塗装物1の除塵・除電された直後の面を狙ってしかも除塵用の空気流および除電用イオンの流れの中で噴霧塗料を被塗装物に対して噴射し得ることとなり、周囲からの塵埃の乱入を極力抑えた状態で被塗装物に対して効果的に塗装することができる。
又、除電された直後の周囲に浮遊する残存する塵埃を当該除塵用の空気流によって被塗装物の周囲から有効に排除することができ、このため、塗料吹き付け工程の噴霧塗料によって巻き込まれる塵埃の量を更に有効に排除することができる。かかる点において、被塗装物に対する塗装の精度(質)をさらに高めることができる点で都合がよい。
【0010】
請求項2記載の発明は、塗料吹き付け工程の開始前に除電作業工程を作動させて被塗装物の表面を所定のイオンにより除電するようにしたもので、前述した請求項1記載の発明と同様に機能するほか、更に、塗料吹き付け工程の開始前に除電作業工程を作動させて除電動作が継続されることから、除塵工程で除去し得ない微細な塵埃を塗料の吹き付け前に有効に除去することができ、塗料の吹き付け後もこれを継続し得るので、被塗装物の表面に残存する微細な塵埃をも有効に除去しながら塗装を継続することが可能となり、周囲の塵埃を巻き込むことなく被塗装物に対する塗装作業を円滑になし得ることとなる。
また、通気性ガイドフィルタを設けたので、除塵用の空気流の流動が自然の状態となり、周囲の空気の流入も幾分許容しつつ同時に少しずつ巻き込まれる室内空気に対しても有効に除塵し得る。
更に、通気性ガイドフィルタの外側から内側に向けて噴霧塗料を噴射するように構成したので、除塵用の空気流および除電用イオンの流れを乱すことなく、又被塗装物1の除塵・除電された直後の面を狙ってしかも除塵用の空気流および除電用イオンの流れの中で噴霧塗料を被塗装物に対して噴射し得ることとなり、周囲からの塵埃の乱入を極力抑えた状態で被塗装物に対して効果的に塗装することができる。
又、除電された直後の周囲に浮遊する残存する塵埃を当該除塵用の空気流によって被塗装物の周囲から有効に排除することができ、このため、塗料吹き付け工程の噴霧塗料によって巻き込まれる塵埃の量を更に有効に排除することができる。かかる点において、被塗装物に対する塗装の精度(質)をさらに高めることができる点で都合がよい。
【0011】
請求項3記載の発明では、前述した請求項1又は2に記載の表面塗装方法において、前記除電作業工程では、前記被塗装物の位置を基準として前記空気の流れに対し90°以内の所定角度傾けた方向から除電用のイオンを前記被塗装物に噴射するようにした、という構成を採用している。
【0012】
このため、この請求項3記載の発明では、前述した請求項1又は2記載の発明と同等の機能を有するほか、除塵用の空気流に対して例えば斜め方向から除電用イオンを被塗装物に対して噴射するようにしたので、除塵用の空気流の円滑な流れを維持しながら除電用イオンを被塗装物に向けて噴射することができ、かかる点において、除電された塵埃をより円滑に被塗装物から排除し得るという利点がある。
【0013】
請求項4記載の発明では、プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えた表面塗装方法において、前記塗料吹き付け工程と同時に作動して前記被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、この除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、かつ当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを直接前記被塗装物に向けて噴射して、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記塗料吹き付け工程は、前記清浄空気の流れの方向と同一の方向から前記除電作業工程により前記被塗装物の表面を除電しながら同時に塗料を吹き付けて実行するようにしたものである。
このようにすると、噴霧塗料の流れが除塵用の空気流と同一でしかも広がりがあることから、被塗装物の領域外からの除塵を巻き込む確率が少なくなり、かかる点において除塵の付着が抑制された状態で吹き付け塗装を実行することができ、垂下移送ラインに沿って搬入される被塗装物に対しても、連続してこれに対応することができる、という利点がある。
【0014】
請求項5記載の発明では、プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えた表面塗装方法において、前記塗料吹き付け工程と同時に作動して前記被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、この除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、かつ当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを前記被塗装物に向けて直接噴射して、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記被塗装物に対してなされる除電用のイオンの流れおよび噴霧塗料の流れと前記清浄空気流とが成す角度が90°以内の所定角度に設定され、かつ同じ位置から吹き出される、という構成を採用している。
このようにすると、被塗装物に対する噴霧塗料とイオンの吹きつけが除塵用の空気流に直交する方向で、しかも当該被塗装物を包むようにして流動する除塵用空気流の流れを邪魔しない位置から成されることから、被塗装物は噴霧塗料と噴射イオンと除塵用空気流とによって一様に包まれた状態となり、被塗装物に対する除電作用および除塵作用が安定した状態で有効に実施されることとなる。
【0015】
請求項6記載の発明(表面塗装装置)では、除塵されたプラスチック等の被塗装物に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け手段と、この塗料吹き付け手段に併設され前記被塗装物の表面に除電用のプラスイオン及びマイナスイオンを直接吹き付ける除電用イオン噴射手段と、前記塗料吹き付け手段で噴射され拡散した噴霧塗料を吸引し排出するブースと、前記除電用イオン噴射手段の両側に対向配置されると共に前記ブースに向かって延設する通気性ガイドフィルタとを備え、前記塗料吹き付け手段の動作に連動して前記除電用イオン噴射手段を稼働させる連係起動手段を前記塗料吹き付け手段に併設すると共に、前記除電用イオン噴射手段を、前記被塗装物に直接吹き付ける除電用のプラスイオン及びマイナスイオン等の量を調整する出力調整機構を有するものとし、かつ前記被塗装物に近接させて配置し、前記塗料吹き付け手段を、対向配置された前記通気性ガイドフィルタの外側に配置する、という構成を採っている。
【0016】
このため、被塗装物を除塵した後、当該被塗装物に塗料を吹き付けと除電用のイオンの吹き付けとを連係起動手段の働きによって同時に継続して確実に実行することとなり、このため、前工程では除去し得なかった被塗装物の表面からイオンを帯びた塵埃および塗料吹き付け手段の動作中に巻き込まれて被塗装物に付着する除塵を、除電用イオン噴射手段から出力される除電用イオンによって塗料吹き付け中も継続して有効に排除することができる。
【0017】
この場合のイオン化された除塵に対する除電用イオンの働きは前述した請求項1記載の発明の場合と同様であり除塵に際しては有効に作用する。
このため、除塵の付着の少ない状態で被塗装物の表面を有効に表面塗装することができる。
【0018】
請求項7記載の発明(表面塗装装置)では、除塵されたプラスチック等の被塗装物に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け手段と、この塗料吹き付け手段に併設され前記被塗装物の表面に除電用のプラスイオン及びマイナスイオンを直接吹き付ける除電用イオン噴射手段と、前記塗料吹き付け手段で噴射され拡散した噴霧塗料を吸引し排出するブースと、前記除電用イオン噴射手段の両側に対向配置されると共に前記ブースに向かって延設する通気性ガイドフィルタとを備え、前記塗料吹き付け手段の動作に連動して前記除電用イオン噴射手段を稼働させる連係起動手段を前記塗料吹き付け手段に併設すると共に、前記除電用イオン噴射手段を挟んで前記ブースの反対側に、前記対向配置された通気性ガイドフィルタの間を通しかつ前記被塗装物に向けて除塵用の空気を吹き出す除塵用空気出力手段を設け、前記除電用イオン噴射手段を、前記被塗装物に直接吹き付ける除電用のプラスイオン及びマイナスイオン等の量を調整する出力調整機構を有するものとし、前記塗料吹き付け手段を、対向配置された前記通気性ガイドフィルタの外側に配置する、という構成を採っている。
【0019】
このため、除塵用の空気を吹き出す除塵用空気出力手段を設けてあるので、塗装中も被塗装物に対して継続して作動させることができ、このようにすると、塗料吹き付け手段の稼働中に付着力の減少した塵埃をブース側に有効に押し流すことができ、室内の除塵の被塗装物側への巻き込みをも一部抑制する事が出来て都合がよい。
【0020】
請求項8記載の発明では、前記請求項6又は7に記載の表面塗装装置において、前記連係起動手段は、前記除電用イオン噴射手段の動作を前記塗料吹き付け手段の動作に先行させる優先動作設定機能を備えているものとした。
【0021】
このため、塗料吹き付け手段の動作に先立って除電用イオンが被塗装物に吹きつけられることから、除塵用空気出力手段を作動させても除去し得なかった微細な塵埃等に対しても塗料の吹き付け動作前にこれを有効に排除することができ、プラスチック等に対する塗装の質をより一層向上させることができる。
【0022】
請求項9記載の発明では、前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、前記除塵用空気出力手段が、可搬性を備えた除塵エアー噴射機であるものとした。
このようにしても、前述した請求項13に記載の発明と同等の機能を得ることができるほか、除電用イオン発生手段の配設位置およびその配置数を被塗装物の大小および形状に合わせて自在に変化設定することができ、被塗装物に合わせた最適の塗装環境を設定することができるという利点がある。
【0023】
請求項10記載の発明では、前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、前記除塵用空気出力手段が、前記被塗装物全体を対象とし且つ除塵用空気流の出力部が面状に形成された除塵用エアー出力機であるものとした。
【0024】
このようにすると、被塗装物が除塵用の空気流で一様に包まれる状態となり、当該被塗装物の周囲の乱流が低減されることから室内の塵埃を巻き込むことが少なくなる。このため、かかる状態を継続して維持しつつ同時に除電用イオン噴射手段と塗料吹き付け手段とを作動させることにより、被塗装物の表面から塵埃を有効に排除しつつ塗装を行えるので、質のよい表面塗装を行うことができる。
【0025】
請求項11記載の発明では、前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、除電用イオン噴射手段から出力されるイオン流が前記除塵用空気出力手段から出力される除塵用空気と同方向となるように、前記除電用イオン噴射手段を除塵用空気出力手段に併設した。
【0026】
このようにすると、被塗装物は、除電用イオンの流れと除塵用空気の流れとが一体となって流動する中に配置されることから、イオン化され被塗装物に付着した塵埃を有効に中和して且つ同時に除塵用空気にて連続して排除することができ、外部から被塗装物側に巻き込まれる塵埃も被塗装物に付着する前に除電用イオンによって多くは中和され塗装領域外へ排出される。
かかる状態を、塗装中も継続して実行し得るので、被塗装物の表面からは塗装中も微細な塵埃の付着が有効に排除されることとなり、質のよい表面塗装を行うことができる。
【0027】
請求項12記載の発明では、前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、除電用イオン噴射手段から出力されるイオン流と除塵用空気出力手段から出力される空気流とが90°以内の異なった方向から出力され且つ前記被塗装物の領域にて交差するように、前記除電用イオン噴射手段を除塵用空気出力手段に併設した。
【0028】
このようにすると、除塵用の空気流を乱すことなく斜め側面から被塗装物に除電用イオンを噴射することができ、被塗装物の大きさや形状によっては最適の状態で被塗装物に付着したイオン化された塵埃を中性化してその付着力を消滅させ、除塵用の空気流に乗せて被塗装物にから排除することができ、かかる状態を塗料吹き付け中も継続して実行し得る。このため、質のよい表面塗装を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
【第1の実施形態】
図1乃至図2に第1の実施形態を示す。
この図1乃至図2において、符号1はプラスチック等の絶縁部材からなる被塗装物を示し、符号2は被塗装物1に向けて除塵用の清浄空気を吹き出す除塵用空気出力手段を示す。又、符号3は塗料吹き付け手段を示し、符号4は塗料吹き付け手段3の動作とほぼ同時に(数秒間ズレて相前後する場合を含む)作動し被塗装物の表面に除電用のプラスイオン及びマイナスイオンを吹き付ける除電用イオン噴射手段を示す。符号105は、被塗装物1の周囲の空気を、特に被塗装物1と通過して周囲に拡散された噴霧塗料を一様に吸引し排出するブースを示す
【0031】
ここで、被塗装物1としては、本実施形態では底面部が開放され断面逆U字状に形成されたプラスチック製のものが取り扱われている。この断面逆U字状の被塗装物1は、回転自在に形成された被塗装物用保持台6によって内側で保持されている。符号6Aは被塗装物用保持台6の中央部に上方に向けて突設された保持用突出部を示す。この被塗装物用保持台6は、前述した保持用突出部6Aが手動にて回転可能な構造となっている。符号6Bは外部に突設定された手動用の駆動桿を示す。本実施形態では、等間隔に四本の駆動桿6Bが設けられ、これを左方向又は右方向に回転動作させることにより、被塗装物1を手動で左回り又は右回りに回転させることができるようになっている。
【0032】
又、この被塗装物用保持台6は、その保持用突出部6A部分が、所定の回転機構および電磁クラッチ(図示せず)を介して駆動モータにより回転駆動されるように構成されている。
符号6Cはこの場合の駆動モータを示す。この駆動モータ6Cは、前述した保持用突出部6Aの回転動作(塗装に最適な速さ)に合わせて、図2に示す主制御部10及び回転台駆動制御部11によってその回転方向(矢印A)および回転速度が制御され、その停止位置も自在に設定されるようになっている。
【0033】
この場合、上述した図示しない電磁クラッチは、駆動モータ6Cの起動および停止に際しては別に装備された制御回路に付勢されて優先的に作動し、当該駆動モータ6Cを前述した保持用突出部6A部分に連接した回転機構部分に連結し又は切り離す機能を備えている。
【0034】
そして、手動による被塗装物1の回転に際しては、駆動モータ6Cを起動させることなく駆動桿6Bを保持台6に沿って回転操作する。これにより、当該被塗装物1は、図1内の矢印A方向(又はその反対方向)へ任意に所定量、回転駆動され、又はその回転動作を停止することが可能となり、被塗装物1の塗装面を常に塗装用スプレーガン3Aに向けて設置し得るようになっている。
【0035】
前述した除塵用空気出力手段2は、本実施形態では図1に示すように被塗装物1に向けて除塵用の清浄空気を一様に吹き出す面状空気吹き出し口2Aを備えた構造の可搬性ある除塵用エアー出力機が使用されている。
この除塵用空気出力手段2としての除塵用エアー出力機は、本実施形態では複数枚の除塵用フイルタが一方の面(吸気側の面)2Aと他方の面(送出側に面)2Bに装備され且つ中央部に吸排気用の複数のファンを備えた構造のものが使用されているが、外部から導入した除塵用空気を吹き出す構造の固定式のものであってもよい。
【0036】
そして、この除塵用空気出力手段2と前述したブース105との間に、前述した被塗装物1が配置されている。
このため、被塗装物1の周囲では、一方から他方に向けて除塵用の空気流Bが一様に流動するように設定されることから、乱流によって室内の塵埃が被塗装物1に向けて入り込むのが抑制される(下流のブース105側に押し流す)ようになっている。
尚、ここで、上述した被塗装物1が前工程で除塵済の場合には除塵用空気出力手段2は特に敷設しなくてもよい。
【0037】
前述した塗料吹き付け手段3は、図1に示すように左側から右側に向けて流動する除塵用の空気流Bに対し、これに横方向(図1では下側から上側に向かう直交する方向)から前述した被塗装物1に噴霧塗料を吹き付けることができる位置に、配置されている。
【0038】
そして、この塗料吹き付け手段3は、被塗装物1に向けて所定の噴霧塗料を吹き出す塗装用スプレーガン3Aと、この塗装用スプレーガン3Aを上下動可能に且つ着脱自在に保持する昇降保持機構3Bと、この昇降保持機構3Bを駆動する昇降駆動モータ3Cと、前述した昇降保持機構3Bを保持する基台部3Dとにより構成されている。
【0039】
この場合、被塗装物1に対する塗装の実際にあっては、まず被塗装物1が図1中の矢印A方向に沿って回転(左回転)し、この被塗装物1の回転のタイミングに合わせて塗料吹き付け手段3が作動して前述した塗装用スプレーガン3Aを上下動させる。これによって、除塵した直後の面に対して除塵の雰囲気内で吹き付け塗装が実行され、全体的には被塗装物1の周囲全面が上下にわたって塗装されるようになっている。
【0040】
ここで、符号3Sは塗装用スプレーガン3Aの上下方向の位置情報を検出する位置センサを示す(図2参照)。この位置センサ3Sからの情報に基づいて後述するように主制御部10(図2参照)が作動し、昇降機構駆動制御部12を介して昇降駆動モータ3Cを正回転/逆回転を切り替え制御し、これによって塗装用スプレーガン3Aが被塗装物1に沿って上下動し、当該被塗装物1の上下方向の全体を網羅して吹き付け塗装を実行し得るようになっている。
【0041】
この塗装用スプレーガン3Aによる塗料吹き付けの強さおよびその起動のタイミング等については、本実施形態では、主制御部10からの指令に基づいてスプレーガン駆動制御部13(図2参照)が作動し、これによって設定制御されるようになっている。
【0042】
これに対し、この塗装用スプレーガン3Aの動作については、例えば噴射塗料を形成する噴出空気の最大量をスプレーガン駆動制御部13で規制し、実際の使用に際しては噴出空気の強弱を塗装用スプレーガン3Aに装備された圧力調整機構3Aaによって被塗装物1に応じて自在に設定するように構成してもよい。
尚、被塗装物1の上端面部分の塗装については、同時に作動する固定式の別の塗料吹き付け手段(図示せず)によって塗料の吹き付け塗装が実行されようになっている。
【0043】
又、本実施形態にあっては、被塗装物1の形状によっては、必要に応じて塗装用スプレーガン3Aを昇降保持機構3Bから外し、手動にて吹き付け塗装(手吹き塗装)を実行するようにしてもよい。
このようにすると、凹凸の影部分に生じ易い塗装抜け等の不良部分の発生を防止する事が出来て都合がよい。
【0044】
更に、図1において、符号16,17は通気性ガイドフィルタを示す。
この通気性ガイドフィルタ16,17は、除塵用の空気流Bの流動によっては被塗装物1側の空気圧が幾分負圧状態になって周囲の塵埃を巻き込み易いことから、これを抑制するもので、通気性良好な面状のフィルタ部材が所定の枠体に組み込まれた構造のものが使用されている。
この通気性ガイドフィルタ16,17は、本実施形態では除塵用の空気流Bに沿ってそのガイドとして配設したので、除塵用の空気流の流動が自然の状態となり、周囲の空気の流入も幾分許容しつつ同時に少しずつ巻き込まれる室内空気に対しても有効に除塵し得るという利点がある。
【0045】
この場合、上記通気性ガイドフィルタ16,17と同等に形成された通気性ガイドフィルタを前述した被塗装物1の上方に配置してもよい。このようにすると、上記通気性ガイドフィルタ16,17と協同して被塗装物1の周囲の乱流の発生を有効に阻止しつつ、特に比較的大きい塵埃が被塗装物1側に乱入するのを有効に阻止することができ、被塗装物1に対する表面塗装の質を更に向上させることが出来て都合がよい。
【0046】
前述した除電用イオン噴射手段4は、本実施形態では、前述した除塵用の空気流に沿って被塗装物1の上流側に配置され、当該被塗装物1に向けて除電用イオンを噴射し得るようになっている。
【0047】
この除電用イオン噴射手段4は、本実施形態では、プラスイオンとマイナスイオンとを同時に又は交互に連続して出力するものが使用され、所定の空気圧で前述した被塗装物1に向けて所定の広がりをもって噴出されるようになっている。この除電用イオン噴射手段4のイオン噴射口4Aは、前述した被塗装物1に合わせて例えば上下方向に所定の長さを備えたものが使用され、これによって、前述した塗料吹き付け手段3の作動中、被塗装物1の全体を噴射される除電用イオンで覆うことができるようになっている。
【0048】
そして、本実施形態では、この除電用イオン噴射手段4によって除電された被塗装物1の面を左回りに90°回転させた位置に前述した塗装用スプレーガン3Aが配置されており、除塵・除電を継続中の被塗装物1に対して除塵・除電の雰囲気内で所定の噴霧塗料が吹き付けられることとなり、これにより周囲の帯電された塵埃はもとより被塗装物1に付着していた除塵も有効に排除しつつプラスチック塗装が実行されることとなる。
【0049】
この場合、この除電用イオン噴射手段4は、そのイオン噴射口4Aを筒状とし、その筒状のイオン噴射口4Aを上下方向に幾分首振りさせ、これによって被塗装物1の全体をイオンで覆うようにしてもよい。
【0050】
この除電用イオン噴射手段4については、被塗装物1の形状等に合わせて種々の形状およびその動作が想定されるが、いずれの場合も前述した塗料吹き付け手段3の稼働中に、被塗装物1の全体を継続してイオンで覆うことができるようにすることが重要であり、本実施形態では前述したようにそれを可能とした形状となっている。そして、この除電用イオン噴射手段4の動作については、図2に示す除電手段駆動制御部14によってその出力(イオン量および空気量)が制御され、その動作のタイミングが設定されるようになっている。
【0051】
尚、この除電用イオン噴射手段4の動作制御については、例えばその出力(イオン量および空気量)の最大量を除電手段駆動制御部13で規制し、実際の使用に際しては出力の大小を除電用イオン噴射手段4に装備された出力調整機構4Aaによって被塗装物1に応じて自在に設定するように構成してもよい。
【0052】
この除電用イオン噴射手段4を前述した塗料吹き付け手段3に連動させる連係起動手段5が、当該塗料吹き付け手段3に併設されている。
【0053】
この連係起動手段5は、本実施形態では図2に示すように、前述した塗料吹き付け手段3とスプレーガン駆動制御部13との間に装備された連係起動スイッチ5Aと、この連係起動スイッチ5Aのオン/オフ駆動に連動して前述した除電手段駆動制御部14の出力をオン/オフ制御する連動スイッチ4Bと、前述した連係起動スイッチ5Aのオン動作によって作動しゼロを含む所定時間後に塗装用スプレーガン3A用の起動信号を出力する起動タイマー5Cとを備えている。
【0054】
ここで、スプレーガン用の起動タイマー5Cは、本実施形態では、例えばゼロを含む30秒程度の任意の遅れ時間を設定し得るようになっている。このため、本実施形態でオペレータが連係起動スイッチ5Aをオン操作すると、連動スイッチ5Bが同時にオン(ON)動作して除電用イオン噴射手段4を作動させる。そして、同時に又は予め設定した所定時間後に、塗装用スプレーガン3A用の起動信号が起動タイマー5Cから出力され、これによって当該塗装用スプレーガン3Aが作動するようになっている。
【0055】
尚、上述した連係起動手段5に代えて、前述した主制御部10に予めイオン噴射優先制御機能を設け、装置全体の起動時に所定のプログラムに従って前述した除電用イオン噴射手段4を先に作動させ、所定時間経過後に塗料吹き付け手段3を作動させるように構成してもよい。このようにしても前述した連係起動手段5を装備したのと同等の機能を備えた塗装装置を得ることができる。
【0056】
この場合、除電用イオン噴射手段4と塗料吹き付け手段3とを、所定のプログラムに従って同時に作動させるようにしてもよい。そして、いずれを優先して作動させるかは、動作指令入力部10Bから入力される所定の指令に従って主制御部10が選択し、当該選択した手法によってシステム全体を駆動制御されるようになっている。
【0057】
次に、上記第1実施形態の全体的な動作を説明する。
図1乃至図2において、電源回路100を稼働させて装置全体が稼働状態に設定されると、まず、除塵用空気出力手段2とブース105が作動を開始する。この除塵用空気出力手段2及びブース105の作動開始に相前後して、前述した被塗装物1が被塗装物用保持台6に設置される。
【0058】
この場合、被塗装物用保持台6には予め被塗装物用検出センサ(図示せず)が装備されており、このセンサからの情報が主制御部10に送り込まれるようになっている。そして、このセンサからの情報を入力した主制御部10は、直ちに駆動モータ6Cを駆動して被塗装物用保持台6を矢印Aの方向に回転駆動し、これにより、まず、被塗装物1に対する除塵工程が開始される。
【0059】
次に、除塵工程の開始後、所定時間が経過すると、オペレータは連係起動手段5を作動させる。
具体的には、連係起動スイッチ5Aをオン(ON)操作する。これにより、連係起動スイッチ5Aと同時に連動スイッチ5Bが作動して除電手段駆動制御部14が除電用イオン噴射手段4に連結され、除電用イオン噴射手段4が作動して除電作業工程が開始される。
ここで、本実施形態では同時に昇降機構駆動制御部12の出力側に装備された駆動モータ用の駆動スイッチ3Caも連係起動スイッチ5Aの動作に連動して作動し、塗装用スプレーガン3Aの上下動が開始されるようになっている。
【0060】
そして、連動スイッチ5Bのオン動作(接続)により除電手段駆動制御部14の出力がオン状態に設定されると、同時に、連係起動手段5の起動タイマー5Cも起動される。この場合、起動タイマー5Cに遅れ時間ゼロが設定されていると、当該起動タイマー5Cからは塗装用スプレーガン3A用の起動信号が直ちに出力され、これによって、前述した除電用イオン噴射手段4の作動と同時に塗装用スプレーガン3Aが作動し、ここに同一の被塗装物1に対する塗料吹き付け工程が開始される。即ち、塗料吹き付け工程と除電作業工程とが同時にスタートすることになる。
【0061】
一方、起動タイマー5Cに所定の遅れ時間(例えば10秒)が設定されていると、当該起動タイマー5Cからは塗装用スプレーガン3A用の起動信号が所定の遅れ時間(例えば10秒)経過後に出力され、これによって前述した除電用イオン噴射手段4の起動に対して例えば10秒遅れて塗装用スプレーガン3Aが作動する。
かかる起動タイマー5Cの遅れ時間の設定は、被塗装物1の材質や前工程による塵埃の付着状態によってオペレータによって予め任意に設定される。
【0062】
いづれの場合においても、同一の被塗装物1に対する塗料吹き付け工程が、除電作業工程の開始と同時に、又は所定時間経過後に開始され、以後所定の塗装時間中、塗装用スプレーガン3Aと除電用イオン噴射手段4とが同時に作動する状態が継続される。
【0063】
ここで、塗料吹き付け工程と同時に実行される除電作業工程で成される被塗装物1に対する除電・除塵作用ついて説明する。
【0064】
最初に、被塗装物1に付着する塵埃の付着の状況等について分析する。
被塗装物1の素材であるプラスチックは、本来、絶縁物であり誘電体であることから、その表面には、周囲の空気中に存在するプラス又はマイナスに帯電された塵埃を付着し易い性質を備えている。このため、除塵・除電された後の被塗装物1であっても、これを塗装領域に搬入する過程で極く自然に塵埃が付着する。
【0065】
又、クリーンルーム内での表面塗装に際しても、塗料の噴射によって周囲の空気の一部が急激に且つ部分的に移動する。かかる急激な空気流の発生に際しては移動しない空気との間で摩擦が生じ、この空気の摩擦面でプラスおよびマイナスの荷電粒子が発生し周囲の僅かに存在する塵埃に付着して当該塵埃を帯電させる。そして、このプラス又はマイナスに帯電された塵埃は、当然のように誘電体である被塗装物1に吸引され付着する。
又、被塗装物1の表面でも塗料や溶剤の微粒子の衝突によって部分的に正又は負の各イオンが発生し付着する。かかる場合、プラス又はマイナスに帯電された周囲の塵埃は被塗装物1に瞬時に吸引され付着する。
【0066】
このため、前工程で除塵・除電された後の被塗装物1であっても、又クリーンルーム内での表面塗装であっても、被塗装物1の搬送中に又は塗料の吹き付け作業中に生じる帯電された塵埃が、塗料の吹き付けと同時に被塗装物1に付着する場合が多い。
【0067】
これに対し、上述した第1の実施形態では、被塗装物1の塗料吹き付け工程においては、同時に除電作業工程を作動させるようにした。
この場合、被塗装物1の表面は、素材によって異なるが、周囲環境の変化に応じてプラスかマイナスのいずれかに帯電し、或いはプラス帯電領域とマイナス帯電領域とが混在した状態となっており、同時に当該帯電により所定の電界が生じて周囲の帯電した塵埃が付着した状態となっている。
かかる状態の被塗装物1に対してプラスイオンとマイナスイオンから成る空気イオンを吹き付けると、以下の如く作用する。
【0068】
即ち、反対極性のイオンと接触した帯電電荷は減少し、その減少した分、塵埃からイオンが消失して当該塵埃の被塗装物1に対する付着力が全く無くなる。このため、僅かな空気流によって、中性化された塵埃は被塗装物1から容易に離散する。
この場合の空気流は、ブース105に吸引されて生じるもの、除電用イオン噴射手段4でイオンと共に噴射される空気流によるもの、除塵用空気出力手段2による清浄空気流によるもの等、何れによっても有効に機能する。
【0069】
かかる状態が上記実施形態にあっては、塗料吹き付けの最中に連続して実行されるため、当該塗料吹き付け作業中に生じる帯電した塵埃に対しても、又それ以前に被塗装物1に付着している塵埃に対しても、その被塗装物1に対する吸着力を瞬時に大幅に減少させることができ、このため、被塗装物1に対する塵埃の付着を大幅に低減することができる。
【0070】
この上述した塗料吹き付け工程と除電作業工程は、前述した被塗装物1の回転数(例えば塗料吹き付け工程開始後2回転)と塗装用スプレーガン3Aの上下動の往復回数(例えば塗料の吹き付け作業開始後2往復)を予め別に装備したセンサによって計測し、そのセンサ情報を入力した主制御部10が予め特定された所定の基準回数にかかるデータ情報と比較し、同一となった時点で装置全体の制御動作を同時に停止制御する。そして、次の塗装の準備に移行するようになっている。
【0071】
かかる動作停止のプログラム及び必要な基準データは、予めメモリ10Aに記憶されており、主制御部10が全体の動作プログラムを実行する中で例えば前述した所定のセンサ情報が入力された時点で選択され、これが実行されるようになっている。
【0072】
ここで、上記実施形態では、塗料吹き付け工程の終了に際しては、主制御部10によって装置全体の制御動作を停止制御し、その再起動までの間に次の塗装の準備をする場合について例示したが、これとは別に、例えば主制御部10による全体制御の状態をそのままにして、各スイッチ3Ca,5A,5B,6Caをオフ(OFF)操作し、これによって、塗料吹き付け手段3,除電用イオン噴射手段4,被塗装物用保持台6等の動作を個別に又は同時に停止操作し、これによって次の被塗装物1の塗装に備えるようにしてもよい。
【0073】
塗料吹き付け工程が終了して装置全体の制御動作が,又は塗料吹き付け手段3,除電用イオン噴射手段4,被塗装物用保持台6等の動作が停止されると、前述した塗装後の被塗装物1は、オペレータによって搬出され、検査工程および乾燥工程に付され、その後、無塵室で所定数の仕上がりを待って、完成品組み立て工程に送り込まれるようになっている。
【0074】
この場合、上述した各部の制御動作に必要なプログラム及び必要とする基準データは、主制御部10に併設されたメモリ10Bに予め記憶され、必要に応じて主制御部10が自在に取り出し又は収納し得るようになっている。
【0075】
上記第1の実施形態は上述のように構成され機能するので、除塵工程で被塗装物1の表面から除去し得なかったイオンを帯びた塵埃が、除電作業工程で出力されるプラスイオンおよびマイナスイオンにより一部中和されて吸着力がなくなって離脱し、或いは同極のイオン同志が反発し合って拡散される。このため、被塗装物の表面に吸着された塵埃の量を大幅に排除することが可能となり、付着の少ない状態で被塗装物の表面を塗装することができる。
【0076】
又、この除電作業工程によるかかる状態は塗料吹き付け工程で被塗装物1の表面の塗装が実行されている間も継続されることから、例えば塗装中に空気中を急速移動する噴霧塗料と空気との摩擦によって生じる浮遊静電気等も対象として有効にしかも継続して除電作用が実行される。
このため、塗装中に周囲のイオン化された塵埃を巻き込むことも少なくなり、塗装中も安定した状態で除電作用が実行される。これにより、本実施形態では、被塗装物1の表面に付着する塵埃の付着量を大幅に低減することができ、生産性が大幅に改善される。
【0077】
更に、塗料吹き付け工程の開始前に除電作業工程を作動させて被塗装物1の表面を所定のイオンにより除電するようにすると、除塵工程で除去し得ない微細な塵埃を塗料の吹き付け前に有効に除去することができ、塗料の吹き付け後もこれを継続し得るので、被塗装物の表面に残存する微細な塵埃をも有効に除去しながら塗装を継続することが可能となり、塵埃の付着除去をより一層効果的に実行することができる。
【0078】
又、上記第1の実施形態では、被塗装物1の位置を基準として当該空気の流れに対し左回りに90°回動させた位置から噴霧塗料を被塗装物1に対して噴射するようにした。
このため、除塵用の空気流および除電用イオンの流れを乱すことなく、又被塗装物1の除塵・除電された直後の面を狙ってしかも除塵用の空気流および除電用イオンの流れの中で噴霧塗料を被塗装物1に対して噴射し得ることとなり、周囲からの塵埃の乱入を極力抑えた状態で被塗装物1に対して効果的に塗装することができるという利点がある。
【0079】
ここで、上記各工程の起動/停止の各タイミングについては、その全てオペレータによる手動で任意に設定し実行するようにしてもよい。
このようにすると、特に複雑な形状の被塗装物1に対してはその噴霧塗料および除電イオンの噴射の向きを状況に応じて任意に設定することができ、当該塗装方法の実施に際して実効あるものとすることができる。
【0080】
【第2の実施形態】
図3に本発明の第2の実施形態を示す。
【0081】
この図3に示す第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において装備した除塵用空気出力手段2に代えて除電作業工程で使用する除電用イオン噴射手段4を複数(本実施形態では三個)装備して当該除電用イオン噴射手段4の出力を強化し、前述した除塵工程で被塗装物1を除塵するに際しては、当該除電用イオン噴射手段4を稼働させるようにした点に特徴を備えている。
この場合、除電用イオン噴射手段4は、除塵工程では、除塵エアー噴射機として機能し、塗料吹き付け工程とほぼ同時に作動する除電作業工程では本来の除電用イオン噴射手段として機能するように、その動作タイミングが前述した主制御部10で設定されている。
【0082】
この図3において、符号3は塗料吹き付け手段を示し、符号6は被塗装物用保持台を示す。それぞれ前述した第1実施形態の場合と同一に形成されている。
又、符号18は折り畳み式の通気性ガイドフィルタを示す。この通気性ガイドフィルタ18は、被塗装物1の周囲を流動する全体の空気流を変化させることなく且つ大きい塵埃を除去する機能を備えている点で有用性の高いものとなっている。
その他の構成およびその動作は、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。
【0083】
このようにしても、前述した第1の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができるほか、被塗装物1の大きさや形状に対応して除電用イオン噴射手段4の数を増減する(例えば1個で実施する)ことができ、設置場所の移動調整が容易であり、かかる点において、汎用性を高めることができるという利点がある。
【0084】
【第3の実施形態】
図4に第3の実施形態を示す。
【0085】
この図4に示す第3の実施形態は、前述した第2の実施形態において装備した除電作業工程で使用する除電用イオン噴射手段4の前述した被塗装物1に対するイオン噴射方向を、ブース105で吸い込む空気の流れBに対して右回転方向にθ度変化させると共に、塗料吹き付け手段3の噴霧塗料の吹き付け方向を空気流Bに対して左回転方向にθ度変化させ、これによってイオン噴射方向と噴霧塗料の噴射方向とをずらした点に特徴を備えている。
【0086】
この場合、本実施形態では 「θ=θ=45°」に設定されているが、「θ+θ≦90°」であれば、どの位置に配置してもよい。
【0087】
この図4において、符号3は塗料吹き付け手段を示し、符号6は被塗装物用保持台を示す。それぞれ前述した第1実施形態の場合と同一に形成されている。
又、符号18は前述した第2実施形態の場合と同様に設置された折り畳み式の通気性ガイドフィルタを示す。更に、この図4では、塗料吹き付け手段3と除電用イオン噴射手段4との間に、仕切り用の通気性ガイドフィルタ18Aがブース105で吸い込む空気の流れBに沿って配置されている。
【0088】
この通気性ガイドフィルタ18Aは、前述した通気性ガイドフィルタ18の場合と同様に被塗装物1の周囲を流動する全体の空気流を変化させることなく且つ大きい塵埃を除塵し得る点で有用性の高いものとなっている。
その他の構成およびその動作は、前述した第2の実施形態の場合と同一となっている。
【0089】
このようにしても、前述した第2の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができるほか、更に被塗装物1の多様化に対応して自在に噴霧塗料およびイオン流の噴射方向を変化させることができ、かかる点において汎用性を更に高めることができる。
【0090】
【第4の実施形態】
図5に第4の実施形態を示す。
【0091】
この図5に示す第4の実施形態は、前述した第1の実施形態において装備した塗料吹き付け手段3を、除塵用空気出力手段2側に装備された除電用イオン噴射手段4と同一箇所に配置した点に特徴を備えている。
この場合、除電用イオン噴射手段4としては筒状のものが使用され、塗料吹き付け手段3の塗装用スプレーガン3Aと一体的に上下動可能に組み込まれている。符号3は塗料吹き付け手段を示す。
【0092】
この塗料吹き付け手段3は、除電用イオン噴射手段4と塗装用スプレーガン3Aとを同時に上下動可能に一体化した状態で組み込み且つ保持している外は前述した第1の実施形態の場合とほぼ同一に構成され同一の機能を備えたものとなっている。符号6は前述した第1の実施形態の場合と同様に構成された被塗装物用保持台を示す。
その他の構成およびその動作は、前述した第2の実施形態の場合と同一となっている。
【0093】
このようにしても、前述した第1の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができるほか、被塗装物1に対する噴霧塗料とイオンの噴射方向が除塵用の空気流と同一方向に設定されるので、被塗装物1に対する噴霧塗料と噴射イオンとが除塵用の空気流につつまれた状態で移動するので、当該噴霧塗料と噴射イオンの拡散を少なく設定することができ、かかる点において塗料の消費量を有効に抑制することができて都合がよい。
【0094】
尚、上記第4の実施形態において、除電用イオン噴射手段4を塗装用スプレーガン3Aと一体化した場合について例示したが、除電用イオン噴射手段4のイオン噴射開口面を被塗装物1に対応して上下方向に長い形状の固定式のものを使用し、塗装用スプレーガン3Aとは切り離すと共に当該塗装用スプレーガン3Aの横(被塗装物1の回転方向の上流側)に併設するように構成してもよい。
【0095】
【第5の実施形態】
図6に第5の実施形態を示す。
【0096】
この図6に示す第5の実施形態は、前述した第4の実施形態において装備した除塵用空気出力手段2に代えて折り畳み式の通気性ガイドフィルタ18を装備した点に特徴を有する。そして、この第5の実施形態では除電作業工程で使用する除電用イオン噴射手段4を前述した除塵工程で被塗装物1を除塵するに際して稼働させるようにした点に特徴を備えている。
【0097】
又、この図6において、符号3は塗料吹き付け手段を示し、符号6は被塗装物用保持台を示す。又、前述した通気性ガイドフィルタ18は、被塗装物1の周囲を流動する全体の空気流を変化させることなく且つ大きい塵埃を除去する機能を備えている点で有用性の高いものとなっている。
その他の構成およびその作用は、前述した第4の実施形態の場合と同一となっている。
【0098】
このようにしても、前述した第4の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができる。
【0099】
第6の実施形態】
図7に第6の実施形態を示す。
【0100】
この図7に示す第6の実施形態は、前述した第1の実施形態(図1参照)において装備した除電用イオン噴射手段4を塗料吹き付け手段3と同一箇所に配置した点に特徴を備えている。
この場合、除電用イオン噴射手段4としては筒状のものが使用され、塗料吹き付け手段3の塗装用スプレーガン3Aと一体的に上下動可能に組み込まれている。符号3は塗料吹き付け手段を示す。
【0101】
この塗料吹き付け手段3は、除電用イオン噴射手段4と塗装用スプレーガン3Aとを同時に上下動可能に一体化した状態で組み込み且つ保持しているほかは前述した第1の実施形態の場合とほぼ同一に構成され同一の機能を備えたものとなっている。符号6は前述した第1の実施形態の場合と同様に構成された被塗装物用保持台を示す。
その他の構成およびその動作は、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。
【0102】
このようにしても、前述した第1の実施形態の場合とほぼ同等の作用効果を得ることができるほか、被塗装物1に対する噴霧塗料とイオンの吹きつけが除塵用の空気流に直交する方向で、しかも当該被塗装物1を包むようにして流動する除塵用空気流Bの流れを邪魔しない位置から成されることから、被塗装物1は噴霧塗料と噴射イオンと除塵用空気流Bとによって一様につつまれた状態となり、被塗装物1に対する除電作用および除塵作用が安定した状態で有効に実施されることとなる。
【0103】
尚、この第6の実施形態において、除電用イオン噴射手段4を塗装用スプレーガン3Aと一体化した場合について例示したが、除電用イオン噴射手段4のイオン噴射開口面を被塗装物1に対応して上下方向に長い形状の固定式のものを使用し、塗装用スプレーガン3Aとは切り離すと共に当該塗装用スプレーガン3Aの上流側(除塵用空気Bの流れに対して)に併設するように構成してもよい。
このようにすると、除電用イオン噴射手段4の動作を先行させることにより、被塗装物1を除電用イオンで除電しながら,同時に除電され付着力の無くなった塵埃を除塵用空気流で押し流しながら塗装用スプレーガン3Aを作動させることができ、かかる点において前述した図1の場合と同様に質の高い除塵されたプラスチック塗装を実現することができる。
【0104】
【第7の実施形態】
図8に第7の実施形態を示す。
【0105】
この図8に示す第7の実施形態は、被塗装物1として形状の比較的大きい被塗装物に対応し得るようにしたもので、前述した第1の実施形態(図1参照)にお除電用イオン噴射手段4に代えて除電用イオンを面状に発生可能に形成された除電用イオン発生手段4Gを装備した点に特徴を備えている。
そして、この除電用イオン発生手段4Gで形成される除電用イオンを除塵用空気出力手段2からの空気流Bにのせて前述した被塗装物1に向けて一様に流動させるようにした。
又、この図8に第7の実施形態では、実際の稼働に際しては、除電用イオン発生手段4Gおよび除塵用空気出力手段2を先に稼働させ、これを継続させると共に、その後に塗装用スプレーガン3Aを作動させるようになっている。
その他の構成は前述した図1の場合と同一となっている。
このようにしても、前述した図1に示す第1の実施形態とほぼ同等の作用効果を得ることができる。
【第8の実施形態】
図9乃至図10に第8の実施形態を示す。
【0106】
この図9乃至図10に示す第8の実施形態は、被塗装物1が搬送ライン21で連続的に搬送されて来る場合の例を示す。この場合、被塗装物1は垂下保持部材22に付されたギアー部22Aが塗装領域で図示しないギアー機構に当接して回転駆動され、これによって被塗装物1の周囲の外面全体が塗装されるようになっている。
【0107】
この図9において、符号2は除塵用空気出力手段を示し、符号105は塗装用のブースを示す。又符号3Aは塗装用スプレーガンを示す。
この内、被塗装物用の搬送ライン21は、図9に示すように除塵用空気出力手段2から出力される除塵用空気流Bを横切るようにしてブース105の開口面に沿って配設されている。
【0108】
又、塗装用スプレーガン3Aは搬送ライン21の前述した除塵用空気出力手段2側に配置され、除塵用空気流Bに沿って(ブース105に向かって)被塗装物1に対する噴霧塗料を噴射し得るように、その塗料噴射方向が設定されている。
この塗装用スプレーガン3Aは、本実施形態では図示しない垂下保持手段によって上下動自在に保持され、これによって被塗装物1の長さに合わせて最適な塗料噴射位置を選択し得るようになっている。
【0109】
又、符号24は除電用イオン噴射手段を示す。この除電用イオン噴射手段24は、図9(A)(B)に示すように、被塗装物1に合わせて長さ方向が長く形成され、プラスイオン用と及びマイナスイオン用の複数のイオン発生電極を備え、プラスイオンとマイナスイオンが被塗装物1に対して同時にほぼ同時に噴射し得るようになっている。
【0110】
又、この除電用イオン噴射手段24は、搬送ライン21における被塗装物1の流れに沿って前述した塗装用スプレーガン3Aの上流側に配置され、被塗装物1に対して斜めの方向(除塵用空気流Bの流れ方向に対する傾き角度αの方向)から除電用イオンを噴射し得るようになっている。
【0111】
このようにすると、除電用イオンの噴射領域と塗装用スプレーガン3Aによる噴霧領域とを重ねることができ、同一領域で被塗装物1を除電し且つ除塵しながら同時に噴霧塗料の吹き付けを実行することができ、かかる点において生産性向上を図ることができるという利点がある。
【0112】
図10に、塗装用スプレーガン3Aと除電用イオン噴射手段24の動作のタイミングを設定する制御ブロック図を示す。
この図10において、符号13は前述した第1実施形態の場合と同様に塗装用スプレーガン3Aの動作を規制するスプレーガン駆動制御部を示し、符号14は除電用イオン噴射手段4の動作を規制する除電手段用駆動制御部を示す。又符号10は主制御部を示し、符号10Aはメモリを,符号10Bは動作指令入力部をそれぞれ示す。これらは何れも前述した第1実施形態(図2参照)の場合とほぼ同等に構成され同等に機能するようになっている。
【0113】
前述した搬送ライン21には、被塗装物1が塗装領域に入るタイミングを検出する第1の検知センサ21aと、被塗装物1が塗装領域を出るタイミングを検出する第2の検知センサ21bとが装備されている。
そして、これらの各センサで検出されたセンサ情報は起動信号として,又作動終了信号として、前述したスプレーガン駆動制御部13,除電手段用駆動制御部14にそれぞれ送り込まれる。この場合、第1の検知センサ21aからスプレーガン駆動制御部13に送り込まれるセンサ信号は、タイマ21cを介してスプレーガン駆動制御部13に送り込まれるように成っている。
【0114】
この各検知センサ21a,21bと、タイマ21cとのより、連係起動手段21Gが構成されている。そして、この連係起動手段21Gによって成される優先動作設定機能は本実施形態ではタイマ21cの設定によって実行されるようになっている。これにより、除電用イオン噴射手段4を塗装用スプレーガン3Aよりも早く起動させることが可能となっている。
【0115】
この連係起動手段21Gのタイマ21cは前述した第1実施形態の場合と同様に、遅延時間ゼロを含む任意の遅延時間を設定することができ、その遅延された(又は遅延ゼロの)起動信号がスプレーガン駆動制御部13に送り込まれるようになっている。
【0116】
この第1,第2の各検知センサ21a,21bからのセンサ信号が入力されると、そのタイミングで前述した塗装用スプレーガン3Aと除電用イオン噴射手段4とが起動し、ここに被塗装物1に対する塗料吹き付け工程が、又同時に除電作業工程が実行される。この場合、タイマ21cに遅延時間3秒が設定されていると、この3秒経過後に被塗装物1に対する塗料吹き付け工程が実行されるようになっている。そして、この除電作業工程は、被塗装物1の表面の塗装が実行されている間も継続されることから、例えば塗装中に空気中を急速移動する噴霧塗料と空気との摩擦によって生じる浮遊静電気等も対象として有効にしかも継続して除電作用が実行される。
【0117】
次に、上記第8実施形態における全体的な動作について説明する。
被塗装物1は搬送ライン21によって塗装領域Sに送り込まれる前に、除塵工程にて付着した塵埃が除去される。この除塵工程では除塵された清浄空気の吹き付けと共にイオンの吹きつけによる除電も同時に実行される。
【0118】
かかる除塵工程を経た被塗装物1は搬送ライン21によって塗装領域Sに送り込まれると、まず第1の検出センサ21aが被塗装物1の搬入を検出し、その検出されたセンサ信号がスプレーガン駆動制御部13および除電手段用駆動制御部14にそれぞれ送り込まれ、塗装用スプレーガン3Aと除電用イオン噴射手段4とが起動する。この除電用イオン噴射手段4の起動により、当該塗装領域Sでは除塵工程と除電作業工程と塗料吹き付け工程とが同時進行される。
この場合、ブース105が被塗装物1の周囲に拡散された噴霧塗料や塵埃を吸引する際に生じるゆっくりした空気流を利用し、前述した除塵用空気出力手段2を停止させて、除電作業工程と塗料吹き付け工程とを同時進行させるように構成してもよい。
【0119】
この場合、タイマ21cが例え5秒の遅延時間を設定していると、塗装用スプレーガン3Aが除電用イオン噴射手段4の作動開始後、5秒遅れて作動を開始する。即ち、除電作業工程が塗料吹き付け工程より5秒先行して実働状態に入る。そして、かかる作動状態は、被塗装物1が第1の検出センサ21bによって検知され塗装領域Sを通過した時点で解除される。そして、塗装された被塗装物1は前述した第1実施形態の場合と同様に検査工程・乾燥工程に移行する。
以下、かかる状態が被塗装物1の搬入毎に繰り返し実行される。
【0120】
ここで、塗装用スプレーガン3Aと除電用イオン噴射手段4とを同時に起動させる場合にはタイマ21cの設定を遅延時間ゼロとすればよい。
【0121】
この第8の実施形態では、上述したように構成され機能するので、前述した第1に実施形態の場合と同様に除塵された被塗装物1に対して塗料吹き付け工程と除電作業工程とを同時に又は除電作業工程を幾分先行させて実行することができ、しかも搬送ライン21によって連続的に搬入される被塗装物1に対して、それぞれ同一条件のもとに、塗料吹き付け工程と除電作業工程とを有効に実行することが可能となっている。
【0122】
かかる点において、本実施形態では、特別にクリーンルームが無くても塵埃の付着の少ないプラスチック塗装を、搬送ライン21によって搬入される被塗装物1に対しても連続してなし得るという利点が有する。
【0123】
尚、上記第8実施形態にあっては、除電用イオン噴射手段4として縦長のものを装備した場合を例示したが、被塗装物1の形状によっては塗装用スプレーガン3Aと同等の形状をしたものであってもよい。
【0124】
【第9の実施形態】
図11に第9の実施形態を示す。
この図11に示す第9の実施形態は、前述した図9乃至図10に開示した第8の実施形態において、除電用イオン噴射手段4を塗装用スプレーガン3Aに一体的に装備した点に特徴を備えている。
【0125】
この場合、除電用イオン噴射手段4は、図11に示すように被塗装物1の搬送ライン21における上流側に配置され、その除電用イオンの噴射方向も前述した除塵用空気出力手段2から出力される除塵用空気流Bの流れに沿った方向に設定されている。その他の構成は前述した図9乃至図10に開示した第8の実施形態と同一となっている。
【0126】
このようにしても、前述した第8実施形態と同等の作用効果を有するほか、更に塗装用スプレーガン3Aと除電用イオン噴射手段4とを同時に作動させても被塗装物1が搬送ライン21における上流側から搬入されるため被塗装物1に対しては除電用イオンが先に吹きつけられることとなり、かかる点において、連係起動手段21Gを作動させない状態にあっても、除電用イオン噴射手段4を塗装用スプレーガン3Aの作動に先行して作動させたのと同等の作用効果を得ることができる点で、都合がよい。
【0127】
尚、上記第9の実施形態において、塗装用スプレーガン3Aに除電用イオン噴射手段を併設した場合を例示したが、塗装用スプレーガン3A内に除電用イオン噴射手段を組み込んだもの(図示せず)を使用してもよい。
又、上述した第8乃至第9の実施形態においては、除塵用空気出力手段2を装備した場合を例示したが、空気中の塵埃が少ない場合にはこの除塵用空気出力手段2を削除してもよい。
【0128】
以上、本発明の実施形態を複数例示して説明したが、前述した第1乃至第7の各実施形態では、塗装用スプレーガン3Aを定位置にて床面(地上)で保持しつつ上下動させる場合について例示したが、上方から垂下した状態で保持する手段を設けて垂下した状態で上下動するように構成してもよい。
【0129】
又、第4,第5,第6の各実施形態では、塗装用スプレーガン3Aに除電用イオン噴射手段4を併設した場合を例示したが、塗装用スプレーガン3A内に除電用イオン噴射手段4を組み込んで一体化したものを使用してもよい。
【0130】
更に、第1,第2,第4乃至第7の各実施形態では、塗装用スプレーガン3Aからの噴霧塗料を、ブース105に流入する除塵用空気流B(又はこれに準ずる空気流)に沿った方向又はこれに直交する方向から噴射する場合について例示したが、除塵用空気流B(又はこれに準ずる空気流)に逆流する方向でなければ、上流側の斜め方向から(任意の噴射角度で)噴霧塗料を噴射するように設定してもよい。
【0131】
更に又、第1の実施形態で開示した連係起動手段5については、連係起動スイッチ5Aおよび連動スイッチ5Bを塗装用スプレーガン3Aの引金部に装備し、これら各スイッチ5A,5Bが引金部の操作と同時にオン(接)動作するように当該引金部に併設しても、或いは引金部の操作に対して連動スイッチ5Bが先にオン(接)動作し所定時間経過後に連係起動スイッチ5Aがオン(接)動作するように前述した当該引金部にずらして併設してもよい。
このようにする、起動タイマー5Cを不要とした連係起動手段5を得ることができ、システム全体の簡略化が可能となる。
【0132】
又、上記各実施形態にあっては、被塗装物1としてプラスチックを素材としたものについて例示したが、その他の絶縁物であってもよい。更に、この被塗装物1としては、表面に絶縁膜が付されたものであれば金属製部材であってもよい。 更に、上記各実施形態では、除電用イオンの噴射のタイミングを噴霧塗料の噴射と同時又はそれ以前に設定した場合を例示したが、噴霧塗料と除電用イオンとを被塗装物1に対して一定時間の間、継続して噴射することが重要であって、両者の各噴射時期のタイミングは、例えば除電用イオンの噴射(除電作業工程の起動)を噴霧塗料の噴射(塗装吹き付け工程)よりも遅らせてもよい。
このようにしても、除電用イオンの噴射の時期を噴霧塗料の噴射より前に設定する場合に比較して、塵埃の付着に対する排除機能は低下するが、それでも除電用イオンを噴射しない場合に比較して有効に除塵することができる。
この場合、かかる事案の実施に際しては、前述した第1の実施形態(図2参照)において、連動スイッチ5Bと除電用イオン噴射手段4との間に新たに別のタイマを接続し、このタイマに所定の遅れ時間を設定すると共に前述したタイマ5Cの遅れ時間を例えばゼロとすることにより、除電用イオンの噴射を噴霧塗料の噴射よりも遅らせることができる。
尚、この場合、除塵工程時に除電用イオンの噴射を並行させて噴霧塗料の噴射開始の直前まで除電用イオンの噴射を実施するようにすると、前述した各請求項にかかる発明とほぼ同等の作用効果を得ることができる。
【0133】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、請求項1乃至5記載の各発明では、被塗装物に対して噴霧塗料の吹き付ける塗料吹き付け工程中に被塗装物に対する除電作業である除電作業工程を重ねて同時に実行するようにしたので、塗料吹き付け工程中に発生するイオンが周囲の塵埃に付着して被塗装物に付着するのを有効に排除することができ、これによってプラスチック塗装におけると塗装仕上がり面の質を大幅に向上することができるという従来にない優れた表面塗装方法を提供することができる。
【0134】
請求項6乃至12記載の各発明では、上述したように構成され機能するので、これによると、塗装用スプレーガンと除電用イオン噴射手段とを同一の被塗装物に対してほぼ同時にあるいはイオンの噴射を先行させて作動させ、これらの動作が所定時間継続し得るように構成したので、前述した方法の発明の場合と同様に、被塗装物に対する塗料吹き付け中に発生するイオンが周囲の塵埃に付着して被塗装物に付着するのを除電用イオン噴射手段から出力される除電用イオンで有効に排除することができ、これがため、プラスチック等の被塗装物に対する表面塗装における仕上がり面の質を大幅に向上することができ、ひいては従来必要としていた高価なクリーンルームが不要となり、かかる点において表面塗装に際しての設備投資を大幅に低減することができるという従来にない優れた表面塗装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す概略平面図である。
【図2】 図1に開示した第1の実施形態の動作制御系を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態を示す概略平面図である。
【図4】 本発明の第3の実施形態を示す概略平面図である。
【図5】 本発明の第4の実施形態を示す概略平面図である。
【図6】 本発明の第5の実施形態を示す概略平面図である。
【図7】 本発明の第6の実施形態を示す概略平面図である。
【図8】 本発明の第7の実施形態を示す概略平面図である。
【図9】 本発明の第8の実施形態を示す図で、図9(A)は概略説明図、図9(B)は図9(A)の概略平面図である。
【図10】 図9に開示した第8の実施形態の動作制御系を示すブロック図である。
【図11】 本発明の第9の実施形態を示す図で、図11(A)は概略説明図、図11(B)は図11(A)の概略平面図である。
【符号の説明】
1 被塗装物
2 除塵用空気出力手段
3 塗料吹き付け手段
3A 塗装用スプレーガン
4 除電用イオン噴射手段
4G 除電用イオン発生手段
5,21G 連係起動手段
6 被塗装物用保持台
16,17,18 通気性ガイドフィルタ
105 ブース
A 被塗装物の回転方向
B 除塵用空気流
S 塗装領域

Claims (12)

  1. プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えた表面塗装方法において、
    前記塗料吹き付け工程と同時に作動して前記被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、この除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、かつ当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを直接前記被塗装物に向けて噴射して、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記塗料吹き付け工程は、前記除電作業工程により前記被塗装物の表面を除電しながら同時に前記通気性ガイドフィルタの外側から内側に向けて塗料を吹き付けて実行するようにしたことを特徴とする表面塗装方法。
  2. プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えた表面塗装方法において、
    前記塗料吹き付け工程の開始前に作動して前記被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、前記塗料吹き付け工程の開始後も引き続いて前記除電作業工程を作動させ、かつこの除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを直接前記被塗装物に向けて噴射し、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記塗料吹き付け工程は、前記除電作業工程により前記被塗装物の表面を除電しながら前記通気性ガイドフィルタの外側から内側に向けて同時に塗料を吹き付けて実行するようにしたことを特徴とする表面塗装方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の表面塗装方法において、
    前記除電作業工程では、前記被塗装物の位置を基準として前記空気の流れに対し90°以内の所定角度傾けた方向から除電用のイオンを前記被塗装物に噴射するようにしたことを特徴とした表面塗装方法。
  4. プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えた表面塗装方法において、
    前記塗料吹き付け工程と同時に作動して前記被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、この除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、かつ当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを直接前記被塗装物に向けて噴射して、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記塗料吹き付け工程は、前記清浄空気の流れの方向と同一の方向から前記除電作業工程により前記被塗装物の表面を除電しながら同時に塗料を吹き付けて実行するようにしたことを特徴とする表面塗装方法。
  5. プラスチック等の被塗装物の表面に除塵用の風を吹き付ける除塵工程と、この除塵工程後に所定のタイミングで前記被塗装物の表面に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け工程と、この塗料吹き付け工程後に塗装後の当該被塗装物を乾燥する乾燥工程とを備えた表面塗装方法において、
    前記塗料吹き付け工程と同時に作動して前記被塗装物の表面を所定のイオンにより除電する除電作業工程を設けると共に、この除電作業工程では、前記被塗装物の両側に通気性ガイドフィルタを対向配置し、かつ当該通気性ガイドフィルタで囲まれた内部に前記被塗装物に対する一方から他方に向けて流動する除塵用の清浄空気流を設け、この清浄空気流の中で前記イオンを前記被塗装物に向けて直接噴射して、少なくとも前記被塗装物の周囲では前記清浄空気流に沿った除電用のイオンの流れを形成し、前記被塗装物に対してなされる除電用のイオンの流れおよび噴霧塗料の流れと前記清浄空気流とが成す角度が90°以内の所定角度に設定され、かつ同じ位置から吹き出されることを特徴とした表面塗装方法。
  6. 除塵されたプラスチック等の被塗装物に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け手段と、この塗料吹き付け手段に併設され前記被塗装物の表面に除電用のプラスイオン及びマイナスイオンを直接吹き付ける除電用イオン噴射手段と、前記塗料吹き付け手段で噴射され拡散した噴霧塗料を吸引し排出するブースと、前記除電用イオン噴射手段の両側に対向配置されると共に前記ブースに向かって延設する通気性ガイドフィルタとを備え、
    前記塗料吹き付け手段の動作に連動して前記除電用イオン噴射手段を稼働させる連係起動手段を前記塗料吹き付け手段に併設すると共に、前記除電用イオン噴射手段を、前記被塗装物に直接吹き付ける除電用のプラスイオン及びマイナスイオン等の量を調整する出力調整機構を有するものとし、前記塗料吹き付け手段を、対向配置された前記通気性ガイドフィルタの外側に配置したことを特徴とした表面塗装装置。
  7. 除塵されたプラスチック等の被塗装物に噴霧状の塗料を吹きつける塗料吹き付け手段と、この塗料吹き付け手段に併設され前記被塗装物の表面に除電用のプラスイオン及びマイナスイオンを直接吹き付ける除電用イオン噴射手段と、前記塗料吹き付け手段で噴射され拡散した噴霧塗料を吸引し排出するブースと、前記除電用イオン噴射手段の両側に対向配置されると共に前記ブースに向かって延設する通気性ガイドフィルタとを備え、
    前記塗料吹き付け手段の動作に連動して前記除電用イオン噴射手段を稼働させる連係起動手段を前記塗料吹き付け手段に併設すると共に、前記除電用イオン噴射手段を挟んで前記ブースの反対側に、前記対向配置された通気性ガイドフィルタの間を通しかつ前記被塗装物に向けて除塵用の空気を吹き出す除塵用空気出力手段を設け、前記除電用イオン噴射手段を、前記被塗装物に直接吹き付ける除電用のプラスイオン及びマイナスイオン等の量を調整する出力調整機構を有するものとし、前記塗料吹き付け手段を、対向配置された前記通気性ガイドフィルタの外側に配置したことを特徴とした表面塗装装置。
  8. 前記請求項6又は7に記載の表面塗装装置において、
    前記連係起動手段は、前記除電用イオン噴射手段の動作を前記塗料吹き付け手段の動作に先行させる優先動作設定機能を備えていることを特徴とする表面塗装装置。
  9. 前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、
    前記除塵用空気出力手段が、可搬性を備えた除塵エアー噴射機であることを特徴とした表面塗装装置。
  10. 前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、
    前記除塵用空気出力手段が、前記被塗装物全体を対象とし且つ除塵用空気流の出力部が面状に形成された除塵用エアー出力機であることを特徴とした表面塗装装置。
  11. 前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、
    除電用イオン噴射手段から出力されるイオン流が前記除塵用空気出力手段から出力される除塵用空気と同方向となるように、前記除電用イオン噴射手段を除塵用空気出力手段に併設したことを特徴とした表面塗装装置。
  12. 前記請求項7乃至9のいずれか一つに記載の表面塗装装置において、
    除電用イオン噴射手段から出力されるイオン流と除塵用空気出力手段から出力される空気流とが90°以内の異なった方向から出力され且つ前記被塗装物の領域にて交差するように、前記除電用イオン噴射手段を除塵用空気出力手段に併設したことを特徴とした表面塗装装置。
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