JP3992002B2 - ハイブリッド変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、EVモード領域は車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に示すと図9のごときものとなり、また、EV-LBモード領域は車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に示すと図10のごときものとなり、EIVTモード領域は車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に示すと図11のごときものとなり、EIVT-LBモード領域は車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に示すと図12のごときものとなる。
逆にバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が小さい場合は同図に破線で示すように、モータ/ジェネレータのみによる電気走行を行うEV-LBモードを採用できる領域が狭くなって、その分、EIVTモード領域および空白領域EMが広くなる。
線Aについて述べるに、EV-LBモード領域からA1点に達したところで、EV-LBモードからEIVTモードへの切り替えのため、ローブレーキを解放すると共に主動力源のクラッチを締結し、EIVTモード領域からA2点に達したところで、EIVTモードからEIVT-LBモードへの切り替えのため、ローブレーキを再び締結する。
この傾向は、図14につき前述したごとくバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が大きく、モータ/ジェネレータのみによる電気走行を行うEV-LBモードの領域が広くなって、その分、EIVTモード領域が狭くなるほど顕著になる。
つまり、この空白領域EMが存在する低車速、大駆動力の領域は、車速VSP=0から大きな駆動力で車両を速やかに発進させる場合や、高速道路への進入を速やかに完了させる必要がある場合などを含む重要な領域であり、
かかる低車速、大駆動力領域がどの変速動作モードにも属さない空白領域となる可能性があるのでは、車速VSPがEIVT-LBモード領域下限車速VSP1に上昇するまでの間、要求通りに車両を加速させることができなくし、速やかな発進や高速道路への進入を妨げるという問題を生ずる。
先ず前提となるハイブリッド変速機は、共線図上に配置される回転メンバとして複数個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記回転メンバのうち、共線図上の内側に位置する2個の回転メンバの一方にクラッチを介して主動力源からの入力、他方に駆動系への出力をそれぞれ結合し、共線図上の外側に位置する2個の回転メンバにそれぞれ2個のモータ/ジェネレータを結合し、共線図上において、前記出力を結合した回転メンバと、共線図上で該出力に近い出力側モータ/ジェネレータを結合した回転メンバとの間における回転メンバにローブレーキを結合し、
このローブレーキを締結した状態で前記クラッチを介した主動力源からの動力および両モータ/ジェネレータからの動力を用い前記出力への動力を決定するEIVT-LBモードと、
前記ローブレーキを締結した状態で前記両モータ/ジェネレータからの動力のみを用い前記出力への動力を決定するEV-LBモードと、
前記ローブレーキを解放した状態で前記クラッチを介した主動力源からの動力および両モータ/ジェネレータからの動力を用い前記出力への動力を決定するEIVTモードとを少なくとも有したものである。
上記EV-LBモードと、EIVTモードと、EIVT-LBモードとの間での順次切り替えが要求され、該モード切り替えに際して必要な前記ローブレーキの状態切り替えが困難になるほどEIVTモードの領域が狭い低車速、大駆動力運転中に運転状態が該EIVTモード領域に入った場合は、このEIVTモード領域にまで前記EIVT-LBモード領域を拡張して第1拡張EIVT-LBモード領域となし、この第1拡張EIVT-LBモード領域で前記主動力源の回転数が前記低車速でも運転可能回転数に保たれるよう前記クラッチをスリップ結合させる構成にしたものである。
EV-LBモードと、EIVTモードと、EIVT-LBモードとの間での順次切り替えが要求され、該モード切り替えに際して必要なローブレーキの状態切り替えが困難になるほどEIVTモードの領域が狭い低車速、大駆動力運転中に運転状態がEIVTモード領域に入った場合、このEIVTモード領域にまでEIVT-LBモード領域を拡張して第1拡張EIVT-LBモード領域となし、この第1拡張EIVT-LBモード領域で主動力源の回転数が当該低車速でも運転可能回転数に保たれるよう前記クラッチをスリップ結合させるため、
上記の通り低車速、大駆動力運転中に運転状態がEIVTモード領域に入った時、本来ならEIVTモード領域のためローブレーキを締結から解放へ状態切り替えすべきところ、EIVTモード領域を第1拡張EIVT-LBモード領域とすることで、このローブレーキを締結状態に保持することとなり、EIVTモード領域が狭いことからローブレーキの状態切り替え制御が困難であっても、この困難を回避することができる。
そして現在は上記の通り低車速であることから、主動力源の回転数が運転可能な回転数よりも低くなることがあるが、本発明においては、このような時でも主動力源の回転数が運転可能な回転数に保たれるよう前記のクラッチをスリップ結合させるため、上記したEIVTモード領域から第1EIVT-LBモード領域への変更によっても主動力源が運転不能になる事態を生ずることがない。
図1は、本発明の一実施例になる変速制御装置を適用可能なハイブリッド変速機を例示し、これを本実施例においては前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして構成する。
図において1は変速機ケースを示し、該変速機ケース1の軸線方向(図の左右方向)左側にラビニョオ型プラネタリギヤセット2を、また図の右側に複合電流2層モータ3を内蔵させる。
ラビニョオ型プラネタリギヤセット2の更に左側には、変速機ケース1の外側であるが、エンジン(主動力源)ENGを同軸に配置する。
ディファレンシャルギヤ装置7に左右駆動車輪8を駆動結合する。
シングルピニオン遊星歯車組4はサンギヤS2およびリングギヤR2にそれぞれロングピニオンP2を噛合させた構造とし、
ダブルピニオン遊星歯車組5は共有ピニオンP2の他に、サンギヤS1およびリングギヤR1と、これらに噛合した大径のショートピニオンP1を有し、当該ショートピニオンP1を共有ピニオンP2に噛合させた構造とする。
そして遊星歯車組4,5のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
そして5個の回転メンバの回転速度順は、図2〜5の共線図に示すごとく、サンギヤS1、リングギヤR2、キャリアC、リングギヤR1、サンギヤS2の順番である。
環状コイル3sと内側ロータ3riとで内側のモータ/ジェネレータである第1のモータ/ジェネレータMG1を構成し、環状コイル3sと外側ロータ3roとで外側のモータ/ジェネレータである第2のモータ/ジェネレータMG2を構成する。
ここでモータ/ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流をモータ側が負荷として供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を発電機側が負荷として印加した時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。
サンギヤS1は、これからエンジンENGと反対の後方へ延在する中空軸11を介して第1のモータ/ジェネレータMG1(内側ロータ4ri)に結合し、このモータ/ジェネレータMG1および中空軸11を遊嵌する中心軸12を介してサンギヤS2を第2のモータ/ジェネレータMG2(外側ロータ4ro)に結合する。
そして、リングギヤR1と変速機ケース1との間にローブレーキL/Bを設け、このローブレーキL/BによりリングギヤR1を固定可能とする。
出力歯車14は、カウンターシャフト6上のカウンター歯車15に噛合させ、出力歯車14からの変速機出力回転が、カウンター歯車15を経由し、その後、カウンターシャフト6を経てディファレンシャルギヤ装置7に至り、このディファレンシャルギヤ装置により左右駆動車輪8に分配されるものとし、これらで車輪駆動系を構成する。
また共線図の縦軸は、各回転メンバの回転速度、つまりリングギヤR2へのエンジン回転数Ne、サンギヤS1(モータ/ジェネレータMG1)の回転数N1、キャリアCからの出力(Out)回転数No、およびサンギヤS2(モータ/ジェネレータMG2)の回転数N2、およびローブレーキL/Bにより固定され得るリングギヤR1の回転数を示し、2個の回転メンバの回転速度が決まれば他の2個の回転メンバの回転速度が決まる。
図2のEVモードは、図6に示すようにエンジンクラッチ9を解放(エンジン回転数Ne=0)すると共にローブレーキL/Bも解放した状態で、図2のレバーにより例示するごとく、エンジンENGからの動力を用いず両モータ/ジェネレータMG1,MG2(または一方のモータ/ジェネレータ)からの動力のみにより駆動系への出力(Out)回転数Noを決定する。
図5のEIVT-LBモードは、図6に示すようにローブレーキL/Bを締結した状態でEIVTモードと同様エンジンENG(クラッチ9)からの動力および両モータ/ジェネレータMG1,MG2(または一方のモータ/ジェネレータ)からの動力により駆動系への出力(Out)回転数Noを決定するモードで、変速状態を図5のレバーにより例示するごとくローブレーキL/Bの締結に伴うレバー比によりEIVTモードよりも大トルクを出力することができる。
N2={1/(1+α)}{-βN1+(1+α+β)No}・・・(1)
T1={β/(1+α+β)}To ・・・(2)
T2={(1+α)/(1+α+β)}To ・・・(2)
これら(1)式および(2)式と、モータ/ジェネレータMG1,MG2およびバッテリの特性とから、当該EVモード領域は車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に例えば図9のごとくに設定される。
N1={(1+α+γ)/γ}No ・・・(3)
N2={(γ-β)/γ}No ・・・ (3)
T2={1/(β-γ)}{(1+α+γ)T1-γTo}・・・(4)
TL=To-T1-T2 ・・・(4)
これら(3)式および(4)式と、モータ/ジェネレータMG1,MG2およびバッテリの特性とから、当該EV-LBモード領域は車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に例えば図10のごとくに設定される。
N1=-αNo+(1+α)Ne ・・・(5)
N2=(1+β)No-βNe ・・・ (5)
T1={1/(1+α+β)}{βTo-(1+β)Te}・・・(6)
T2=To-T1-Te ・・・(6)
これら(5)式および(6)式と、モータ/ジェネレータMG1,MG2およびバッテリ並びにエンジンENGの特性とから、当該EIVTモード領域は車速VSPおよび要求駆動力F並びにバッテリの蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)に応じて決まり、車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に表すと例えば図11のごとくに設定される。
N1={(1+α+γ)/γ}No ・・・(7)
N2={(β-γ)/γ}No ・・・(7)
Ne={(1+γ)/γ}No ・・・(7)
TL=To-T1-T2-Te ・・・(8)
T2={1/(β-γ)}{-γTo-(1+α+γ)T1+(1+γ)Te}・・・(8)
当該EIVT-LBモード領域は、車速VSPおよび要求駆動力F並びにバッテリの蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)に応じて決まり、車速VSPおよび要求駆動力Fの二次元座標上に表すと例えば図12のごとくに設定される。
逆にバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が小さい場合は同図に破線で示すように、モータ/ジェネレータのみによる電気走行を行うEV-LBモードを採用できる領域が狭くなって、その分、上記のEIVTモード領域および空白領域EMが広くなる。
線Aについて図16(a),(b)を参照しつつ述べるに、図16(a)に示すようにEV-LBモード領域からA1点に達したところで、図16(b)の共線図上に実線で例示するEV-LBモードから同じ共線図上に破線で例示するEIVTモードへの切り替えのため、ローブレーキL/Bを解放すると共にエンジンクラッチ9を締結し、図16(a)に示すようにEIVTモード領域からA2点に達したところで、図16(b) の共線図上に破線で例示するEIVTモードから同じ共線図上に実線で例示するEIVT-LBモードへの切り替えのため、ローブレーキL/Bを再び締結する。
なお動作点が線Aに沿って上記と逆の経路をたどる場合においても、上記と同様なローブレーキL/Bの状態切り替えが発生する。
この傾向は、図14につき前述したごとくバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が大きく、モータ/ジェネレータMG1,MG2のみによる電気走行を行うEV-LBモードの領域が広くなって、その分、EIVTモード領域が狭くなるほど顕著になる。
なお動作点が線Bに沿って上記と逆の経路をたどる場合においても、上記と同様なローブレーキL/Bの状態切り替えが発生する。
つまり、この空白領域EMが存在する低車速、大駆動力の領域は、車速VSP=0から大きな駆動力で車両を速やかに発進させる場合や、高速道路への進入を速やかに完了させる必要がある場合などを含む重要な領域であり、
かかる低車速、大駆動力領域がどの変速動作モードにも属さない空白領域EMとなる可能性があるのでは、車速VSPがEIVT-LBモード領域下限車速VSP1に上昇するまでの間、要求通りに車両を加速させることができなくし、速やかな発進や高速道路への進入を妨げるという問題を生ずる。
空白領域EMの存在に起因した後者の問題、つまり、車速VSPがEIVT-LBモード領域下限車速VSP1に上昇するまでの間、要求通りに車両を加速させることができなくて、速やかな発進や高速道路への進入が妨げられるという問題をも解消し得るようになしたものである。
また、エンジン回転数Neには下限値(例えば800rpm)が存在して、エンジンは下限回転数(例えば800rpm)よりも低い回転数で運転させることができないことから、EIVT-LBモード領域の下限車速VSP1が自ずと決定され、第1および第2拡張EIVT-LBモード領域ではEIVT-LBモードでハイブリッド変速機を動作させることができない。
そこで本実施例においては、拡張EIVT-LBモード領域で当該領域の低車速に符合するよう、つまり、車速対応の変速機入力回転数とエンジン回転数の下限値との間における回転数差をエンジンクラッチ9が吸収するよう該エンジンクラッチ9をスリップ結合させ、これによりエンジンENGの回転数Neを下限回転数未満にしなくてもEIVT-LBモードでの動作が可能となるようにすることで、拡張EIVT-LBモード領域を成立させ得るようになす。
21は、エンジンENGおよびハイブリッド変速機の統合制御を司るハイブリッドコントローラで、このハイブリッドコントローラ21はエンジンENGの目標トルクtTeおよび目標回転数tNeに関する指令、エンジンクラッチ9の目標トルクtTcおよび目標回転数tNcに関する指令、およびローブレーキL/BのON,OFF(締結、解放)指令をエンジンコントローラ22に供給する。
エンジンコントローラ22はエンジンENGを当該目標値tTe,tNeが達成されるよう運転させると共に、目標トルクtTcおよび目標回転数tNcが達成されるようエンジンクラッチ9の結合力を制御し、ローブレーキL/Bを指令通りにON,OFF(締結、解放)制御する。
モータコントローラ23はインバータ24およびバッテリ25によりモータ/ジェネレータMG1,MG2をそれぞれ、上記した目標トルクtT1,tT2および目標回転数tN1,tN2が達成されるよう制御する。
ハイブリッドコントローラ21は、これら入力情報から判る要求駆動力F、車速VSPおよびバッテリ25の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)から運転者が希望する運転状態を実現するように、モード選択を行うと共に選択モードに応じた変速制御を実行して、上記した目標エンジントルクtTeおよび目標モータ/ジェネレータトルクtT1,tT2を決定して指令するものとする。
なおハイブリッドコントローラ21に入力する回転速度情報は、上記したエンジン回転数Neおよび車速VSP(出力回転数No)に限られるものではなく、ラビニョオ型プラネタリギヤセット2で構成する差動装置が2自由度のものであることから、当該ラビニョオ型プラネタリギヤセット2内における回転メンバのいずれか2個の回転速度をハイブリッドコントローラ21に入力してもよい。
先ずステップS1においては、動作点が図15のEV-LBモード領域内にあるか否かをチェックする。
乗っていなければ未だEV-LBモード領域での運転状態であって、本発明が対象とする変速制御が不要であるから制御をそのまま終了する。
VSP≧VSP1であれば、図15から明かなようにEIVT-LBモード領域であって、本発明が対象とする変速制御が不要であるから制御をそのまま終了するが、
VSP<VSP1であれば、図15から明かなようにEV-LBモード領域において動作点が図15のA1,B1のように、最大駆動力Fmax(EV-LB)線に乗ったことになって、本発明が対象とする変速制御が必要であるから制御をステップS4に進める。
これら拡張EIVT-LBモード領域は、これらの高車速側の隣に接するEIVT-LBモード領域を拡張して設定したもので、基本的にEIVT-LBモードと同様のものとする。
そこで本実施例においては、第1および第2拡張EIVT-LBモード領域では、低車速対応の変速機入力回転数とエンジン回転数の運転可能な下限値との間における回転数差をエンジンクラッチ9が吸収するよう該エンジンクラッチ9をスリップ結合させ、これによりエンジンENGの回転数Neを運転可能な下限回転数未満にしなくてもEIVT-LBモードでの動作が可能となる。
つまり、図17(a)上に線Aで例示したように動作点●を移動させる運転を行った場合につき述べるに、EV-LBモード領域からA1点に達したところで、図17(b)の共線図上に実線で例示するEV-LBモードから同じ共線図上に破線で例示する第1拡張EIVT-LBモード領域への切り替えのため、ローブレーキL/Bの締結状態を保ったままエンジンクラッチ9をスリップ結合させ、
図17(a)に示すように第1拡張EIVT-LBモード領域からA2点に達したところで、図17(b) の共線図上に破線で例示する第1拡張EIVT-LBモードから同じ共線図上に実線で例示するEIVT-LBモードへの切り替えのため、ローブレーキL/Bの締結状態を保ったままスリップ結合状態のエンジンクラッチ9を完全締結させる。
本実施例によれば、EIVTモード領域に第1拡張EIVT-LBモード領域を設定するため、上記したごとくローブレーキL/Bを締結状態を保っておくことができ、ローブレーキL/Bの状態切り替えが困難になるという問題を回避することができる。
また、第1拡張EIVT-LBモードでエンジンクラッチ9を完全締結させず、スリップ結合させることから、低車速でもエンジン回転数が運転不能回転数まで低下することがなく、上記の第1拡張EIVT-LBモード領域を成立させることができる。
図21(a)に示すように第1拡張EIVT-LBモード領域からB2点に達した後も、第2拡張EIVT-LBモード領域に入るから第1拡張EIVT-LBモード領域での制御と同じ制御がなされ、第2拡張EIVT-LBモード領域からB3点に達したところで、図21(b)の共線図上に破線で例示する第2拡張EIVT-LBモードから同じ共線図上に実線で例示するEIVT-LBモードへの切り替えのため、ローブレーキL/Bの締結を保ったままエンジンクラッチ9を完全締結させる。
本実施例によれば、EIVTモード領域に第1拡張EIVT-LBモード領域を設定すると共に空白領域EMに第2拡張EIVT-LBモード領域を設定するため、上記したごとくローブレーキL/Bを締結状態を保っておくことができ、ローブレーキL/Bの状態切り替えが困難になるという問題を回避することができる。
また、第1および第2拡張EIVT-LBモードでエンジンクラッチ9を完全締結させず、スリップ結合させることから、低車速でもエンジン回転数が運転不能回転数まで低下することがなく、上記の第1拡張EIVT-LBモード領域を成立させることができる。
つまり、空白領域EMが存在する低車速、大駆動力の領域は、車速VSP=0から大きな駆動力で車両を速やかに発進させる場合や、高速道路への進入を速やかに完了させる必要がある場合などを含む重要な領域であり、
かかる低車速、大駆動力領域がどの変速動作モードにも属さない空白領域EMとなるのでは、車速VSPがEIVT-LBモード領域下限車速VSP1に上昇するまでの間、要求通りに車両を加速させることができなくし、速やかな発進や高速道路への進入を妨げるという問題を生ずる。
しかし本実施例においては、空白領域EMに第2拡張EIVT-LBモード領域を設定することから、この領域において前記したごとくEIVT-LBモードと同様な制御(エンスト防止用のエンジンクラッチ9のスリップ結合を除く)が施されることとなり、車速VSPがEIVT-LBモード領域下限車速VSP1に上昇するまでの間、無制御状態のため要求通りに車両を加速させることができなくて、速やかな発進や高速道路への進入が妨げられるという問題を解消することができる。
ステップS5でEIVT-LBモード選択中と判定し、且つ、ステップS6で車速VSPがEIVT-LBモード領域下限車速VSP1以上であると判定する時は、図15から明らかなように確実にEIVT-LBモード領域での運転状態あって、本発明が対象とする変速とは違うから制御をそのまま終了させる。
ステップS7でF≧Fmax(EV-LB)であると判定する時(図15のEIVTモード領域または空白領域EMである時)、本発明による変速制御が要求されるから、ステップS4において第1および第2拡張EIVT-LBモード領域を設定し、図17および図21につき前述したと同様な制御を実行して所期の作用効果を得る。
ステップS7でF<Fmax(EV-LB)であると判定する時(図15のEV-LBモード領域である時)、本発明による変速制御が不要であるから、制御をそのまま終了する。
これら拡張EIVT-LBモードの何れも選択されていなければ、制御をそのまま終了するが、いずれかの拡張EIVT-LBモードが選択されている場合、当該モードでは前記の通りエンジンクラッチ9をスリップ結合させることから、発熱による温度の問題やクラッチの耐久性に関する問題が懸念される。
ここで設定時間τは、エンジンクラッチ9のスリップ結合による発熱量が問題となる時間の下限値に定める。
ステップS10で第1拡張EIVT-LBモード領域であると判定する場合、つまり、図18に示すように動作点が線A上をA1から現在のA3へ至るのに設定時間τ以上の長時間がかかり、その間スリップ結合させるエンジンクラッチ9の発熱量が問題となり始めた場合は、制御をステップS11に進め、拡張EIVT-LBモード選択時間計測タイマtを0にリセットすると共に、図19に示すように第1拡張EIVT-LBモード領域をEIVTモード領域に戻すと共に第2拡張EIVT-LBモード領域を空白領域EMに戻す。
かように第1拡張EIVT-LBモード領域をEIVTモード領域に戻すことで、変速制御がEIVTモードに基づく制御に切り替わり、エンジンクラッチ9が解放されることで上記発熱の問題を回避することができる。
むしろ、空白領域EMを無くして永久的に第2拡張EIVT-LBモード領域とした方が、制御上だけでなく、当該領域で駆動力不足になる前記の問題を常時回避し得て好都合である。
ステップS12では、両拡張EIVT-LBモード領域を設定する前の図15の基準マップを基に、現在の(図22では動作点B4の)車速VSPのもと最大駆動力を発生させるのに必要なモードmode-maxを求める。
しかして現在の動作点が、図22中EV-LBモード領域と第2拡張EIVT-LBモード領域との境界線付近に位置して場合、最大駆動力発生モードmode-maxは、EV-LBモード領域に対応したEV-LBモードとなる。
最大駆動力発生モードmode-maxがEIVTモードである場合、ステップS14においてステップS11と同様の処理を行い、拡張EIVT-LBモード選択時間計測タイマtを0にリセットすると共に、図23に示すように第1拡張EIVT-LBモード領域をEIVTモード領域に戻すと共に第2拡張EIVT-LBモード領域を空白領域EMに戻す。
そこでステップS15において、目標駆動力Fを現在の動作点B4に対応した値から、現在の車速VSPのもとEIVTモードで得られる最大駆動力Fmax(EIVT)まで低下させることにより、駆動力低下を最小限にしつつ動作点を空白領域EM内のB4からEIVTモード領域内のB5へと移動させる。
かかる動作点のEIVTモード領域への移動で、変速制御がEIVTモードに基づく制御に切り替わり、エンジンクラッチ9が解放されることで上記発熱の問題を回避し得ると共に、空白領域EMに止まって出力不足になる事態をも回避し得る。
むしろ、空白領域EMを無くして永久的に第2拡張EIVT-LBモード領域とした方が、制御上だけでなく、当該領域で駆動力不足になる前記の問題を常時回避し得て好都合である。
そこでステップS17において、目標駆動力Fを現在の動作点に対応した値から、現在の車速VSPのもとEV-LBモードで得られる最大駆動力Fmax(EV-LB)(図23参照)まで低下させることにより、駆動力低下を最小限にしつつ動作点を空白領域EM内からEV-LBモード領域内へと移動させる。
かかる動作点のEV-LBモード領域への移動で、変速制御がEV-LBモードに基づく制御に切り替わり、エンジンクラッチ9が完全締結されることで上記発熱の問題を回避し得ると共に、空白領域EMに止まって出力不足になる事態をも回避し得る。
むしろ、空白領域EMを無くして永久的に第2拡張EIVT-LBモード領域とした方が、制御上だけでなく、当該領域で駆動力不足になる前記の問題を常時回避し得て好都合である。
2 ラビニョオ型プラネタリギヤセット(差動装置)
3 複合電流2層モータ
ENG エンジン(主動力源)
4 シングルピニオン遊星歯車組
5 ダブルピニオン遊星歯車組
6 カウンターシャフト
7 ディファレンシャルギヤ装置
8 駆動車輪
9 エンジンクラッチ
14 出力歯車
MG1 第1モータ/ジェネレータ
MG2 第2モータ/ジェネレータ
S1 サンギヤ
S2 サンギヤ
P1 ショートピニオン
P2 ロングピニオン
R1 リングギヤ
R2 リングギヤ
C キャリア
L/B ローブレーキ
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 アクセル開度センサ
27 車速センサ
28 エンジン回転センサ
Claims (7)
- 共線図上に配置される回転メンバとして複数個の回転メンバを有し、これら回転メンバのうち2個のメンバの回転状態を決定すると他のメンバの回転状態が決まる2自由度の差動装置を具え、前記回転メンバのうち、共線図上の内側に位置する2個の回転メンバの一方にクラッチを介して主動力源からの入力、他方に駆動系への出力をそれぞれ結合し、共線図上の外側に位置する2個の回転メンバにそれぞれ2個のモータ/ジェネレータを結合し、共線図上において、前記出力を結合した回転メンバと、共線図上で該出力に近い出力側モータ/ジェネレータを結合した回転メンバとの間における回転メンバにローブレーキを結合し、
このローブレーキを締結した状態で前記クラッチを介した主動力源からの動力および両モータ/ジェネレータからの動力を用い前記出力への動力を決定するEIVT-LBモードと、
前記ローブレーキを締結した状態で前記両モータ/ジェネレータからの動力のみを用い前記出力への動力を決定するEV-LBモードと、
前記ローブレーキを解放した状態で前記クラッチを介した主動力源からの動力および両モータ/ジェネレータからの動力を用い前記出力への動力を決定するEIVTモードとを少なくとも有したハイブリッド変速機において、
前記EV-LBモードと、EIVTモードと、EIVT-LBモードとの間での順次切り替えが要求され、該モード切り替えに際して必要な前記ローブレーキの状態切り替えが困難になるほどEIVTモードの領域が狭い低車速、大駆動力運転中に運転状態が該EIVTモード領域に入った場合は、このEIVTモード領域にまで前記EIVT-LBモード領域を拡張して第1拡張EIVT-LBモード領域となし、この第1拡張EIVT-LBモード領域で前記主動力源の回転数が前記低車速でも運転可能回転数に保たれるよう前記クラッチをスリップ結合させる構成にしたことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の変速制御装置において、前記第1拡張EIVT-LBモード領域でのクラッチのスリップ結合が設定時間以上継続した時、該第1拡張EIVT-LBモード領域をEIVTモード領域に戻すよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
- 請求項1に記載の変速制御装置において、運転状態が前記第1拡張EIVT-LBモード領域から、前記EV-LBモード領域およびEIVT-LBモード領域間の、変速モードを設定されていない空白領域に入った時は、この空白領域に前記EIVT-LBモード領域を拡張して第2拡張EIVT-LBモード領域となし、この第2拡張EIVT-LBモード領域で前記主動力源の回転数が前記低車速でも運転可能回転数に保たれるよう前記クラッチをスリップ結合させる構成にしたことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
- 請求項3に記載の変速制御装置において、前記空白領域を永久的に第2拡張EIVT-LBモード領域と定めておくよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
- 請求項3または4に記載の変速制御装置において、前記第2拡張EIVT-LBモード領域でのクラッチのスリップ結合が設定時間以上継続した時、前記第1拡張EIVT-LBモード領域をEIVTモード領域に戻すと共に、運転状態を、現在の車速のもとで大きな駆動力が得られる方のEIVTモード領域またはEV-LBモード領域の動作点まで変化させるよう構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
- 請求項5に記載の変速制御装置において、前記運転状態の変化を要求駆動力の変更により行わせ、該要求駆動力を、現在の車速のもと前記選択されたEIVTモードまたはEV-LBモードで得られる最大駆動力に対応させた構成したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
- 請求項2,5,6のいずれか1項に記載の変速制御装置において、前記設定時間を、前記クラッチのスリップ結合による発熱量が問題となる時間の下限値に設定したことを特徴とするハイブリッド変速機の変速制御装置。
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