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JP3995169B2 - 緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法 - Google Patents
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JP3995169B2 - 緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法 - Google Patents

緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は取鍋、タンディッシュ、樋等の溶融金属容器及び雰囲気炉の内張り材として使用される緻密質不定形耐火物の吹付け施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、流し込み材の耐用性が向上するにつれて溶融金属容器の内張り材は、煉瓦から施工が容易な流し込み材へと移行してきている。しかし省力化に関して、流し込み施工法にはまだ枠掛け作業が煩雑であるという問題点がある。その点、吹付け施工法は型枠が不要で応急かつ局部的補修が可能なため、一段と省力化に寄与するとともに補修計画に対しても柔軟な対応ができる。そのため吹付け施工法は増加の傾向にある。
【0003】
吹付け施工法には乾式吹付け法、半乾式吹付け法及び湿式吹付け法がある。
【0004】
乾式吹付け法は不定形耐火物の粉体を吹付けノズルの先端まで圧搾空気で搬送し、ノズル部で水を添加して吹付ける方法である。この方法は混練用ミキサ−が不要で、使用後の清掃が簡便である等の利点はあるが、ノズル内での粉体と水の混合が不均一になって施工した耐火物の耐用性が劣ることや、リバウンドロス、発塵による作業環境の悪化等の問題がある。ノズル内での粉体と水の混合を良くする方法として実開昭58-137465 号や同58-137466 号の開示例がある。両考案は同一出願人のもので、いずれもノズル部での注水が二段階になって、さらに先端部分の注水口の形状及び配置に工夫がなされている。しかし、つまるところノズル内の短距離間での水と粉体のみの混合のため、依然としてその混合状態は不十分である。
【0005】
半乾式吹付け法は、予めミキサーで必要施工水分量の一部を不定形耐火物の粉体と混練したものを、乾式吹付け機を用いて吹付けノズルまで空気搬送し、ノズルで残りの水又は硬化剤を含んだ溶液あるいは懸濁液を添加して吹付ける施工法である。この施工法の開示例としては、特開昭61-111973 号、及び特公平2-27308 号、同6-17273 号、同5-63437 号、同5-21866 号等がある。これらの施工法では発塵防止、リバウンドロスの減少という点ではある程度の改善が見られるものの、基本的にはノズル部で瞬間的に水又は水溶液と材料を混合しなければならないため、その混合度は良好でなく、水量も変動しやすい。その結果、吹付け材の付着性、施工体の均質性及び充填性が悪い。
【0006】
湿式吹付け法は、必要施工水分量の全部を事前に不定形耐火物の粉体と混練したものを吹付ける施工法である。この場合ノズルで硬化調整剤や硬化剤を溶かした水溶液が少量添加される場合もある。さらに湿式吹付け法は、材料の搬送手段に応じて、空気搬送法とポンプ搬送法とに区分される。
【0007】
湿式吹付け法の中でも特に、緻密質流し込み不定形耐火組成物を水又はその他の混練液で混練して流し込み軟度の作業性に調整したものを圧送ポンプで吹付けノズルに搬送し、前記吹付けノズルで圧搾空気とともに保形性付与剤又は凝集剤を水溶液の状態で添加して湿式吹付け施工する方法は、従来の乾式、半乾式又は湿式吹付け施工法と比べて、施工性及び施工体の品質において格段に優れており、このような湿式吹付け施工方法に関して、本出願人は先に幾つかの特許出願をした(特願平8-179913号、特願平8-269399号及び特願平8-293215号)。
【0008】
施工性に関しては、上記湿式吹付け施工法は、リバウンドロスや発塵が少なく、ノズルマンの技量に依存する水量調節も必要でないため施工が安定しているという利点を有する。また施工体の品質に関しては、施工体の組織が均一かつ緻密であるため、従来吹付け法に比較して耐食性及び強度が格段に優れ、流し込み施工体に比肩できる程である。
【0009】
しかしながら、上記いずれの湿式吹付け法においても、ミキサーで混練した材料を、空気搬送機もしくは圧送ポンプを用いてノズルまで搬送するため、施工後、ミキサーの清掃、ポンプ、ホース等に残留した材料の清掃、除去作業等が煩雑であり、しかもこれらの材料は使用されずに廃棄しなければならないので不経済である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、従来の乾式吹付け法及び半乾式吹付け法の問題点(リバウンドロスによる環境の悪化、水分増加による施工体品質の劣化等)や、半乾式及び湿式吹付け法の問題点(吹付け工程の煩雑さ、掃除の面倒さ、残材廃棄量が多いことによる不経済性等)を解消し、さらに簡単な装置により流し込み軟度の水分量で高密度、高強度及び高耐食性を有する緻密質不定形耐火物が得られる吹付け施工法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために鋭意研究の結果、本発明者は、不定形耐火組成物の粉体を空気搬送でノズル部まで搬送する途中で施工水分を高圧の圧搾空気を用いて添加すれば、その強力な撹拌作用によって不定形耐火組成物と水との均一混合が短時間で達成できることを発見し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明の吹付け施工方法は、不定形耐火組成物を吹付け機によって施工する方法であって、空気搬送された不定形耐火組成物に吹付けノズル手前でウォータリングを通して流し込み軟度の作業性が得られる施工水分量と圧搾空気を添加し、さらに吹付けノズル部で凝集剤又は保形性付与剤を添加して吹付け施工することを特徴とする。
【0013】
また本発明に用いる不定形耐火組成物の主成分は、粒径10mm以下に調整された耐火性骨材70〜98重量%及び粒径10μm 以下の耐火性超微粉2〜30重量%の合計100 重量%からなり、上記主成分に分散剤を外掛けで0.01〜1重量%添加することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明に用いる不定形耐火組成物の主成分は、粒径10mm以下に調整された耐火性骨材62〜97.2重量%、粒径10μm 以下の耐火性超微粉2〜30重量%及びセメント0.8 〜8重量%の合計100 重量%からなり、上記主成分に分散剤を外掛けで0.01〜1重量%添加することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
[1] 水分及び圧搾空気添加方法
本発明の実施形態の一例を図1を参照して具体的に説明する。添加水分10及び圧搾空気9は不定形耐火組成物の空気輸送管8のノズル手前の適正添加位置3から添加する。
【0017】
(1-A)圧搾空気
添加する圧搾空気9は圧力調整弁4によって調整し、注水口7から添加する水とともにウォータリング1を通して供給する。圧力調整弁4で調整した圧搾空気9の圧力は材料搬送管内圧より高ければ幾らでもよいが、取鍋、タンディッシュ、樋等の通常の施工では2kgf/cm2 以上が望ましい。圧搾空気圧力と施工に必要な最適添加水分量との関係を示す図2から明らかなように、2kgf/cm2 未満の圧力では施工に必要な最適添加水分量が非常に多く、良好な作業性が得られない。これは、2kgf/cm2 未満の圧力では空気搬送された不定形耐火組成物の中心部まで空気及び水分が到達せず、粉体と水との混合が不十分だからである。従って管内中心部まで水分を浸潤させるためには必然的に添加する水分量を増加させる必要があるが、これは施工体の強度低下を招く。
【0018】
(1-B) 添加水分
添加水分10は注水口7から圧搾空気中9の搬路に添加する。添加水としては、水道水、工業用水及び戻水等、硬化性状に悪影響を及ぼすような有害な物質が混入していない水であればいずれも使用できる。添加水分の圧力は通常の水道水圧程度であれば十分である。水圧が圧搾空気の圧力よりも高ければそのまま添加できるが、圧搾空気より低圧の場合には逆流の危険性があるため、エジェクター6を用いて添加するのが望ましい。
【0019】
添加水分量は、緻密質不定形耐火物を得るために非常に重要な因子であり、施工体の水分量を少なくして均一に混合するほど緻密性は向上する。不定形耐火組成物粉体は吹付けにより施工されるため、吹付けに必要な流動性が確保されていることも必要である。流し込み軟度の水分量を添加し、ミキサーで十分に混練する湿式吹付け法は、この観点からみれば優れた方法であるが、前記のように掃除の煩雑さ及び廃棄残材が多いという欠点を持つ。本発明は湿式吹付け法程度の水分で施工可能であり、しかも湿式吹付け法の欠点を排除したものである。
【0020】
添加水分量は、空気搬送された不定形耐火組成物に添加されたときに流し込み軟度の作業性が得られる施工水分量とする。流し込み軟度の作業性が得られる水分量は、使用する不定形耐火組成物の粒度構成及び耐火性骨材の気孔率等によって大きな影響を受ける。本発明における施工水分量は、不定形耐火組成物100 重量%に対して外掛けで4.5 〜9.0 重量%が適当である。添加水分量が4.5 重量%未満では施工材の流動性が不十分で施工ムラが生じ、また9.0 重量%を超えると流落等の吹付け施工性が低下し、施工体の強度が低下する。好ましくは5.0 〜8.5 重量%である。
【0021】
(1-C)水分及び圧搾空気の添加位置
水分と圧搾空気の混合物は不定形耐火組成物搬送管8に設けた適正添加位置3よりウォーターリング1を介して添加する。適正添加位置3は吹付けノズルの手前1〜5mの位置である。水分及び圧搾空気の混合物の添加位置と良好な作業性が得られる添加水分量との関係を示す図3から明らかなように、添加位置が1m未満では不定形耐火組成物と水との混合する時間が不足して低水量では良好な作業性が得られない。1m未満においても良好な作業性を得るためには高水分添加量にする必要があり、施工後の耐火物の強度が低下する。添加位置が1m以上で良好な混合が得られるが、5mを超えると作業終了後の搬送管の掃除範囲が増加するため煩雑であり、また廃棄材料が多くなり不経済である。
【0022】
(1-D)その他
不定形耐火組成物の搬送管8は従来より用いられている金属製、ゴム製又は合成樹脂製等いずれの搬送管でも使用できる。水分及び圧搾空気はウォーターリング1により搬送管8中の不定形耐火組成物粉体中に供給される。水分及び圧搾空気が添加された湿潤体の搬送管はゴム製等のフレキシブル管にする方が取扱いに便利である。凝集剤又は保形性付与剤11の添加はノズル部5に設置されたウォーターリング2にて行う。これらはいずれも水溶液の状態で添加するのが好ましい。
【0023】
[2] 不定形耐火組成物
本発明にはセメントを含まない不定形耐火組成物及びセメントを含む不定形耐火組成物のいずれも使用することができる。
【0024】
(2-A)セメントを含まない不定形耐火組成物の場合
セメントを含まない不定形耐火組成物は、主成分として(a)耐火性骨材及び(b)耐火性超微粉を含有し、さらに(c)分散剤を含有する。
【0025】
(2-A-a)耐火性骨材
本発明に使用する耐火性骨材は、電融アルミナ、焼結アルミナ、ボーキサイト、カイヤナイト、アンダリュサイト、ムライト、シャモット、ロー石、珪石、アルミナ−マグネシアスピネル、マグネシア、ジルコン、ジルコニア、炭化珪素、黒鉛、ピッチ等からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、必要に応じて2種以上を併用することができる。耐火性骨材の粒径は10mm以下である。10mm超になると施工時のリバンドロスが多くなる。耐火性骨材の配合量は、耐火性骨材+耐火性超微粉100 重量%当たり70〜98重量%であるのが好ましく、75〜95重量%であるのがより好ましい。
【0026】
(2-A-b)耐火性超微粉
耐火性超微粉としてはアルミナ、非晶質シリカ、シリカ、アルミナ、チタニア、ムライト、ジルコニア、クロミア、炭化珪素、カーボン、粘土等の超微粉からなる群から選ばれた少なくとも1 種を使用し、必要に応じて2種以上を併用することができる。耐火性超微粉の粒径は10μm 以下である。粒径が10μm を超えると分散剤との併用による減水効果が小さい。粒径が1μm 以下では減水効果が顕著であるので好ましい。
【0027】
耐火性超微粉の配合量は耐火性骨材+耐火性超微粉100 重量%に対して2〜30重量%である。2 重量%未満では減水効果が小さく、また30重量%を超えると施工水量が増加するとともに耐火物施工後に加熱焼成されたときの収縮が大きくなる。好ましい耐火性超微粉の配合量は5 〜25重量%である。
【0028】
(2-A-c)分散剤
分散剤としてはヘキサメタリン酸ソーダ等の縮合燐酸のアルカリ金属塩及び珪酸のアルカリ金属塩、あるいはカルボン酸、フミン酸、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機酸及びそのアルカリ金属塩のうち、1種以上を用いる。分散剤の添加量は不定形耐火組成物100 重量%に対し外掛けで0.01〜1重量%である。分散剤の添加量が0.01重量%未満では耐火性超微粉に対する十分な分散効果が得られず、また1重量%を超えると最適な分散状態が得られない。好ましい分散剤の添加量は0.03〜0.8 重量%である。
【0029】
(2-A-d)その他の成分
不定形耐火組成物に配合できるその他の成分としては、強度向上のための無機あるいは金属等の繊維、乾燥時の爆裂防止剤としての金属アルミニウム粉末、オキシカルボン酸塩及び有機繊維等がある。さらに金属シリコン、フェロシリコン等の粉末状焼結助剤、炭化ホウ素等の酸化防止剤も使用できる。
【0030】
[2-B] セメントを含有する不定形耐火組成物の場合
セメントを含有する不定形耐火組成物は、(a)耐火性骨材、(b)耐火性超微粉、及び(c)セメントからなる主成分と、(d)分散剤とを含有する。
【0031】
(2-B-a)耐火性骨材
本発明に使用する耐火性骨材の種類及び粒径は(2-A-a)に記載したのと同じである。耐火性骨材の配合量は耐火性骨材+耐火性超微粉+セメント100 重量%当たり62〜97.2重量%である。また前記と同一の理由により、好ましい耐火性骨材の配合量は69〜94重量%である。
【0032】
(2-B-b)耐火性超微粉
耐火性超微粉の種類及び粒径は(2-A-b)に記載したのと同じである。耐火性超微粉の配合量は耐火性骨材+耐火性超微粉+セメント100 重量%当たり2〜30重量%である。また前記と同一の理由により、好ましい耐火性超微粉の配合量は5〜25重量%である。
【0033】
(2-B-c)セメント
セメントの配合は施工体の強度向上のために行う。セメントはどのような種類のものでも強度向上のために有益であれば使用可能であるが、耐火性の面からアルミナセメントを使用するのが望ましい。アルミナセメントはJIS 1種、2種及び3種クラスが適している。セメントの配合量は耐火性骨材+耐火性超微粉+セメント100 重量%当たり0.8 〜8重量%である。0.8 重量%未満では強度向上効果が十分でなく、また8重量%を超えると施工体の耐食性の低下が大きい。好ましくは1〜6重量%である。
【0034】
(2-B-d)分散剤
分散剤の種類は(2-A-c)に記載したのと同じである。分散剤の添加量は耐火性骨材+耐火性超微粉+セメント100 重量%当たり外掛けで0.01〜1重量%である。また前記と同一の理由により、好ましい分散剤の添加量は0.03〜0.8 重量%である。
【0035】
(2-B-e)その他の成分
不定形耐火組成物に配合できるその他の成分は、(2-A-d)に記載したのと同じであり、強度向上のための無機及び金属等の繊維、爆裂防止剤としての金属アルミニウム粉末、オキシカルボン酸塩及び有機繊維等がある。さらに金属シリコン、フェロシリコン等の粉末状焼結助剤及び炭化ホウ素等の酸化防止剤がある。
【0036】
[3] 凝集剤及び保形性付与剤
(3-A)凝集剤
凝集剤としては、H + 、OH- イオンあるいはMg2+、Ba2+、Ca2+、Al3+、SO4 2-、CO3 2-、Cr2 O 7 2-といった2価又は3価の陽イオン又は陰イオン(耐火性超微粉の表面電荷と反対のもの)を溶出する電解質を使用するのが好ましく、その具体例としては、例えば塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、重クロム酸カリウム、水酸化カルシウム、硫酸、水酸化ナトリウム等がある。
【0037】
本発明の凝集機構のモデルは、等電凝集(荷電中和型凝集)とSchultz-Hardy 型凝結が該当すると思われる。付言すると、金属酸化物においてはほとんどの場合水素イオン(あるいは水酸化物イオン)が電位決定イオンとなるが、電位決定イオンを少量添加して電気二重層の反発力を消滅させることによって起こる凝集が等電凝集である。また電解質が粒子自身には全く影響(吸着等によって)を与えないで、媒体のイオン強度を高めて粒子の電気二重層を圧縮し、電気的反発力を凝集力より相対的に弱めることによって起こる凝集をSchultz-Hardy 型凝結あるいは単に凝結(Coagulation)という。Schultz-Hardy 型凝結によってできた凝集物は比較的緻密である。
【0038】
本発明ではこれらの凝集剤を不定形耐火組成物に水分と圧搾空気が添加された湿潤材料に吹込みノズル部で添加する。凝集剤は水溶液の状態で使用するのが好ましい。凝集剤水溶液の添加量は溶液の濃度にもよるが、不定形耐火組成物(耐火性骨材+耐火性超微粉、又は耐火性骨材+耐火性超微粉+セメント)100 重量%に対して、外掛けで0.1 〜1.5 重量%が適当である。凝集剤の添加量が0.1 重量%未満では凝集効果が小さく、1.5 重量%超では施工体の緻密性が低下する。好ましい凝集剤の添加量は0.2 〜1.3 重量%である。凝集剤水溶液の添加は不定形耐火組成物量に同調して作動する定量ポンプで供給するのが好ましい。
【0039】
また凝集剤水溶液の濃度は20〜50重量%とするのが好ましい。従って、凝集剤の固形分基準の添加量は0.02〜0.75重量%であるのが好ましい。凝集剤の添加量(固形分基準)が0.02重量%未満では凝集効果が小さく、また0.75重量%超では施工体の組織の緻密性が低下(施工体の嵩比重が低下)する。より好ましい凝集剤の添加量(固形分基準)は0.03〜0.5 重量%である。
【0040】
(3-B)保形性付与剤
本発明では上記凝集剤の代わりに珪酸アルカリ、アルミン酸アルカリ等を保形性付与剤として用いることができる。保形性付与剤は吹付け施工した瞬間に水を含有した不定形耐火組成物の流動性を消失させ、保形性を持たせる作用がある。保形性付与剤としては珪酸アルカリ又はアルミン酸アルカリを用いるのが好ましい。この保形性付与剤は水溶液の状態で添加するのが好ましい。
【0041】
珪酸アルカリとしては、SiO2/R2O(ただしR2O はアルカリ金属酸化物)のモル比が2.0 〜3.3 であるのが好ましい。アルミン酸アルカリはR2O/Al2O3 (ただしR2O はアルカリ金属酸化物)のモル比が1〜3であるのが好ましい。
【0042】
保形性付与剤の添加量は施工面温度により影響を受け、施工面温度が高くなるほど多くする必要があるが、不定形耐火組成物100 重量%に対し固形分基準で外掛けで0.1 〜1重量%である。0.1 重量%未満では保形性付与の効果が小さく、また1重量%以上ではアルカリ成分が多くなって耐食性が低下する。好ましい保形性付与剤の添加量は0.15〜0.8 重量%である。
【0043】
保形性付与剤を水溶液の状態で使用する場合、その濃度は25〜50重量%が適当である。また保形性付与剤水溶液の添加は不定形耐火組成物の量に同調した定量ポンプで供給するのが好ましい。
【0044】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
実施例1〜6、比較例1〜8
本発明の吹付け施工法を従来の乾式施工法、半乾式施工法及び湿式施工法と比較した。使用した不定形耐火組成物の配合は表1に示す通りである。
【0046】
Figure 0003995169
Figure 0003995169
【0047】
表1の不定形耐火組成物を使用して本発明の方法及び従来方法により施工した。施工方法、使用した凝集剤及び保形性付与剤の種類及び量、並びに施工後の施工体の特性等を表2に示す。
【0048】
Figure 0003995169
【0049】
Figure 0003995169
【0050】
Figure 0003995169
【0051】
Figure 0003995169
Figure 0003995169
【0052】
実施例1〜6は本発明の実施結果であり、施工に必要な水分添加量が少なく施工後の施工体の強度も十分であった。また施工後の残材廃棄量が少なくリバウンドロスも少ない。
【0053】
これに対して、比較例1は配合3を用いた従来の乾式吹付け法による実験例であるが、粉体と水分との混合状態が悪いため必要水分量が非常に多くなり、施工体の強度が不十分であった。また施工後の残材廃棄量は少ないがリバンドロスが多く不良であった。比較例2及び3は分散剤を含む配合1及び2を用いた実験例である。従来の乾式吹付け法(比較例1)に比べて必要水分量は若干減少するが、依然として混合状態は不良で、水分過多の部分と粉末の部分とが混在するため、保形性付与剤を添加したにもかかわらず施工面で材料が剥がれ落ち、施工不能であった。
【0054】
比較例4は半乾式吹付け法による実験例であるが、必要水分量がやや多く施工体の強度は十分でない。また施工後の残材廃棄量が非常に多くなった。比較例5は半乾式吹付け法で水分をノズル手前で添加した実験例であるが、水分の混合が十分でないため必要水分量も多くなり施工体の強度が十分でなかった。また残材廃棄量も非常に多い。比較例6及び7は湿式吹付け法による実験例であり、必要水分量が少なく施工体の強度は十分であったが、施工後の残材廃棄量が非常に多かった。
【0055】
実施例7
配合2の不定形耐火組成物を使用し、圧搾空気圧力を変えた以外実施例6と同じ条件で吹付け施工した。各圧搾空気圧力の時の施工に必要な最適添加水分量を求めた。結果を図2に示す。図2から明らかなように、2kgf/cm2 未満の圧力になると施工に必要な最適添加水分量が非常に増大した。
【0056】
実施例8
配合2の不定形耐火組成物を使用し、図1の装置により水分及び圧搾空気の混合物の添加位置を変えた以外実施例3と同じ条件で吹付け施工した。各水添加位置において施工に必要な最適添加水分量を求めた。結果を図3に示す。図3から明らかなように、添加位置が1m未満になると、施工に必要な最適添加水分量が増大した。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の吹付け施工法は、従来の粒度構成及び組成を有するセメントを含まない不定形耐火組成物又はセメントを含有する不定形耐火組成物に分散剤を添加した粉体を空気によって搬送し、吹付けノズルの手前でウォータリングを通して流し込み軟度の作業性が得られる水分量を高圧の圧搾空気で添加し、さらにノズル部で保形性付与剤又は凝集剤を添加して施工するものである。本発明の施工法により、リバウンドロスによる環境悪化や水分増加による施工体の品質劣化等の従来の乾式施工法や半乾式吹付け法が有する問題点や、吹込み装置が複雑になるとか、掃除が面倒であるとか、残材廃棄量が多いとかの湿式吹付け法及び半乾式吹付け法が有する問題点が解決され、簡単な工程でしかも環境に優しく経済的で、優れた性状の緻密質不定形耐火物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の吹付け施工法の一例を概略的に示す施工要領図である。
【図2】 添加する圧搾空気圧を変化させたときに不定形耐火組成物が施工可能になる流動性を得るための必要添加水分量を示すグラフである。
【図3】 水分添加位置と不定形耐火組成物が施工可能になる流動性を得るための必要添加水分量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・ウォータリング
2・・・ウォーターリング
3・・・水分及び圧搾空気添加孔
4・・・圧搾空気圧力調整弁
5・・・吹付けノズル
6・・・エジェクター
7・・・水分添加孔
8・・・不定形耐火組成物輸送管
9・・・圧搾空気
10・・・水分
11・・・凝集剤又は保形性付与剤
12・・・不定形耐火組成物

Claims (6)

  1. 耐火性骨材、耐火性超微粉及び分散剤を含む不定形耐火組成物、又は耐火性骨材、耐火性超微粉、セメント及び分散剤を含む不定形耐火組成物を吹付け機によって施工する方法において、空気搬送された前記不定形耐火組成物に吹付けノズル手前でウォータリングを通して流し込み軟度の作業性が得られる施工水分量と圧搾空気を添加し、さらに吹付けノズル部で凝集剤又は保形性付与剤を添加して吹付け施工することを特徴とする緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法。
  2. 請求項1に記載の吹付け施工方法において、不定形耐火組成物の主成分が粒径10mm以下に調整された耐火性骨材70〜98重量%及び粒径10μm 以下の耐火性超微粉2〜30重量%の合計100 重量%からなり、さらに分散剤を上記主成分に対して外掛けで0.01〜1.0 重量%添加することを特徴とする緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法。
  3. 請求項1に記載の吹付け施工方法において、不定形耐火組成物の主成分が粒径10mm以下に調整された耐火性骨材62〜97.2重量%、粒径10μm 以下の耐火性超微粉2〜30重量%及びセメント0.8 〜8重量%の合計100 重量%からなり、さらに分散剤を上記主成分に対して外掛けで0.01〜1重量%添加することを特徴とする緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の吹付け施工方法において、前記保形性付与剤として珪酸アルカリ又はアルミン酸アルカリを添加することを特徴とする緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の吹付け施工方法において、前記圧搾空気の圧力を2kgf/cm2 以上とすることを特徴とする緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の吹付け施工方法において、前記水分及び前記圧搾空気の添加位置を、前記吹付けノズルの手前1〜5mとすることを特徴とする緻密質不定形耐火物の吹付け施工方法。
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