JP3997417B2 - Isdn回線中継装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば火災などの非常事態の発生時に、電話回線を通じて、消防署などの所定の通報先に通報メッセージを送出するようにする通報装置を、ISDN回線に対して接続することができるようにするISDN回線中継装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、盗難、火災等の非常事態が発生した場合に、非常用押ボタンスイッチやセンサにより起動されて、警察署や消防署などの予め設定された通報先のダイヤル番号を電話回線を通じて送出し、通報先の相手が応答すると、予め記憶されている通報メッセージを送出するようにする非常通報装置が知られている(例えば特公昭63−37549号公報(特許文献1)等参照)。
【0003】
この非常通報装置は、アナログ回線用のものが主として用いられており、その通報処理時の動作は、次のようになる。
【0004】
まず、非常用押ボタンスイッチが押された、あるいは火災センサにより火災が検知されると、通報の起動信号が発生する。この起動信号の発生に応じて、非常通報装置は、回線(アナログ回線)を捕捉し、記憶している「110番」や「119番」のダイヤル番号のダイヤル送出を行う。そして、通報先である警察署や消防署の応答を確認した後、記憶部に記憶している所定の通報メッセージを、警察署や消防署に送る。これにより、警察署や消防署には、迅速に、かつ、確実に非常事態が伝達される。
【0005】
しかし、非常通報装置は、一般に、他の電話端末と回線を共有する使用態様となっている場合が多く、このため、非常事態が発生したときに、通報に用いようとする電話回線が話中であったり、丁度、着信中であったりした場合には、当該回線が解放されるまで、通報が遅れる問題がある。
【0006】
そこで、通報に用いようとするアナログ電話回線が話中などで使用中となっているときに、当該アナログ回線を強制的に開放する回線開放手段をアナログ回線用非常通報装置に設け、迅速に非常通報ができるようにする方策が種々提案されている。
【0007】
ところで、電話回線として、高速のデータ通信が可能なため、デジタル回線であるISDN回線が使用されている。そして、従来のアナログ回線用の電話端末装置は、ターミナルアダプタをISDN回線との間に介在させることで、このISDN回線に対しても接続することができる。
【0008】
すなわち、上述したアナログ回線用の非常通報装置をISDN回線に接続できるターミナルアダプタがあれば、ISDN回線用の非常通報装置を、新たに購入しなくても、ISDN回線に対して接続して使用することができる。
【0009】
しかしながら、アナログ回線用非常通報装置を、ターミナルアダプタを介してISDN回線に接続するシステム構成の場合には、アナログ回線を強制的に開放する回線開放手段がアナログ回線用の非常通報装置に存在しても、それは、まったく無意味である。
【0010】
そこで、本願の出願人は、特開平11−112694号公報(特許文献2)や特開2000−341441号公報(特許文献3)として、ISDN回線網とISDN用端末との間の物理的な接続/切断を制御する接続/切断切換回路を設けて、ISDN用端末が使用中であって、ISDN回線の2個のBチャネルが塞がっている場合には、接続/切断切換回路を強制切断して、アナログ回線用の非常通報装置から警察署や消防署などの通報先への非常通報が迅速に行えるようにしたISDN回線中継装置を提案した。
【0011】
【特許文献1】
特公昭63−37549号公報。
【特許文献2】
特開平11−112694号公報。
【0012】
【特許文献3】
特開2000−341441号公報。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ISDN回線網とISDN用端末側との間を強制切断した場合には、電話会社の規格上、電話局の交換機側では、ISDN用端末側で異常終了したと判断して、90秒間、ISDN用端末側からの発呼を受け付けない状態になる。つまり、非常通報は、強制切断後、90秒経過しないと行われないという問題がある。
【0014】
この発明は、以上の点にかんがみ、ISDN回線網とISDN用端末側との間を強制切断することなく、ISDN回線のBチャネルの空きを作ることができるようにして、非常通報動作が迅速に行えるようにしたISDN回線中継装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、
ISDN回線網と後段のISDN用端末との間に設けられ、起動信号に応じて回線を捕捉し予め設定された通報先に通報メッセージを送出する通報装置を前記ISDN回線網に接続するための装置であって、
前記通報装置の回線捕捉を検出する回線捕捉検出手段と、
前記回線捕捉検出手段で前記通報装置の回線捕捉が検出されたときに、前記ISDN回線の2つのBチャネルが共に使用中と判別したときには、前記2つのBチャネルのうちの少なくとも一方のBチャネルについて、前記ISDN回線側と使用中端末側とに対してISDN回線交換の切断手順に従ったシーケンスを実行し、その後の前記通報装置の回線捕捉を前記回線捕捉検出手段で検出したときに、前記通報装置による前記通報先への再度の発呼およびその後の通報メッセージの送出を実行するように制御すると共に、
前記通報メッセージが前記通報先に送出された後、前記通報メッセージの送出がなされたBチャネルを記憶しつつ、当該Bチャネルを一旦開放して逆信待機の状態となり、前記逆信待機時には、前記記憶しているBチャネル以外のBチャネルを、他の端末からの回線捕捉要求に対して割り当てるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項2の発明は、
ISDN回線網と後段のISDN用端末との間に設けられ、起動信号に応じて回線を捕捉し予め設定された通報先に通報メッセージを送出する通報装置を前記ISDN回線網に接続するための装置であって、
前記通報装置の回線捕捉を検出する回線捕捉検出手段と、
前記回線捕捉検出手段で前記通報装置の回線捕捉が検出されたときに、前記ISDN回線の2つのBチャネルに着信があったときには、前記2つのBチャネルのうちの少なくとも一方のBチャネルについて、着信を受ける端末側に解放完了メッセージを送出すると共に、前記一方のBチャネルの着信に応答した後、当該Bチャネルを切断するISDN回線交換におけるシーケンスを実行し、その後の前記通報装置の回線捕捉を前記回線捕捉検出手段で検出したときに、前記通報装置による前記通報先への再度の発呼およびその後の通報メッセージの送出を実行するように制御すると共に、
前記通報メッセージが前記通報先に送出された後、前記通報メッセージの送出がなされたBチャネルを記憶しつつ、当該Bチャネルを一旦開放して逆信待機の状態となり、前記逆信待機時には、前記記憶しているBチャネル以外のBチャネルを、他の端末からの回線捕捉要求に対して割り当てるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
【作用】
上記の構成の請求項1の発明のISDN回線中継装置においては、通報装置が起動されて、回線捕捉動作をすると、それを検出して回線捕捉動作をし、その後、通報装置における通報先への発呼動作に基づいて、通報先に、ISDNの発呼手順に従い発呼動作をする。そして、通報先との間でISDN回線が接続されると、通報装置からの通報メッセージは、このISDN回線中継装置を通じ、ISDN回線を通じて、通報先に送出される。
【0020】
しかし、ISDN回線の2つのBチャネルが他の端末によって使用されていて回線が塞がっている(ビジーの状態)ときには、ISDN回線中継装置でISDN発呼手順による発呼動作を行った結果、ISDN回線網からは回線が使用中で塞がっていることを意味する解放完了メッセージが到来する。ISDN回線中継装置の制御手段は、これを受けて、ISDN回線の2つのBチャネルがビジー状態であることを認識する。
【0021】
ISDN回線の2つのBチャネルがビジー状態であることを認識した制御手段は、前記2つのBチャネルのうちの少なくとも一方のBチャネルについて、ISDN回線網側と、当該Bチャネルを使用中の端末側とに対してISDN回線交換の切換手順に従ったシーケンスを実行する。これにより、ISDN回線網側は、当該一方のBチャネルは通話が正常に終了したと認識し、また、端末側も終話したと認識して、当該一方のBチャネルが開放される。
【0022】
一方、通報装置は、2つのBチャネルが使用中であるため、一旦、回線開放を行い、その後、回線捕捉および通報のための発呼動作を繰り返す。ISDN回線中継装置は、前記一方のBチャネルの開放後の通報装置の回線捕捉を受け付け、続いて通報装置での通報先への発呼動作に基づいて、ISDN回線を通じて通報先に発呼を行う。そして、ISDN回線中継装置は、通報先の応答後、通報メッセージを送出するようにする。
【0023】
したがって、ISDN回線の2つのBチャネルが使用中で塞がっていても、強制切断することなく、一方のBチャネルをISDN回線交換の切断手順に従ったシーケンスで、あたかも通話を終話させたようにして当該一方のBチャネルを開放させて、迅速に通報装置から通報メッセージの送出ができるようになる。この場合、従来の強制切断では90秒待たなければできなかった通報が、10秒以内にできるようになる。
【0024】
また、請求項1の発明によれば、逆信待機中のBチャネルを記憶しておき、逆信待機中に他の端末からの回線捕捉があったときには、当該逆信待機中のBチャネルを、その回線捕捉要求してきた他の端末の通信用に割り当ててしまわないようにしている。これにより、逆信待機中でないBチャネルを有効に利用することができるようにすると共に、逆信の着信を確実に受けることができる。
【0025】
また、請求項3の発明においては、非常通報要求があったときに、ISDN回線の2つのBチャネルが共に着信中であったときに、制御手段は、2つのBチャネルのうちの少なくとも一方のBチャネルについて、端末側に解放完了メッセージを送出することにより端末側への着信を停止させると共に、当該一方のBチャネルの着信に一旦応答し、その後、当該Bチャネルを切断するISDN回線交換におけるシーケンスを実行する。これにより、着信があった一方のBチャネルが正常に開放される。
【0026】
したがって、この開放されたBチャネルが用いられて、請求項1の場合と同様にして、非常通報が迅速に行なわれるようになる。
【0027】
また、請求項2の発明によれば、逆信待機中のBチャネルを記憶しておき、逆信待機中に他の端末からの回線捕捉があったときには、当該逆信待機中のBチャネルを、その回線捕捉要求してきた他の端末の通信用に割り当ててしまわないようにしている。これにより、逆信待機中でないBチャネルを有効に利用することができるようにすると共に、逆信の着信を確実に受けることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明によるISDN回線中継装置の実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0029】
[第1の実施形態]
図2は、ISDN回線に対する、第1の実施形態のISDN回線中継装置や、非常通報装置、さらには他のISDN用端末の接続態様を示すものである。この第1の実施形態においては、ISDN回線1は、DSU(回線終端装置)2を通じて加入者宅内ネットワーク3に接続される。加入者宅内ネットワーク3の、最もDSU2側には、この実施の形態のISDN回線中継装置10が接続される。
【0030】
この第1の実施形態のISDN回線中継装置10は、デジタルポート10bとアナログポート10cとを備え、デジタルポート10bには、加入者宅内ネットワーク3に接続される他のISDN用端末として、デジタル回線用端末6や7が接続されている。また、ISDN回線中継装置10のアナログポート10cには、アナログ回線用の非常通報装置4が接続される。この非常通報装置4には、非常用電話機5が接続される。
【0031】
ISDN回線中継装置10は、ISDN回線網と加入者宅内ネットワーク3とを接続するための機能と、非常通報装置4をISDN回線網に対して接続するための機能とを備えるとともに、非常通報装置4からの非常通報要求が発生したときに、ISDN回線1の2つのBチャネルが使用中であるときや、2つのBチャネルが着信中であったときに、一方のBチャネルを開放させるようにする機能を備える。
【0032】
なお、ISDN回線中継装置10は、非常通報装置4以外のアナログ電話端末を使用できるように、アナログポートをさらに備えるように構成することもできる。
【0033】
図1は、ISDN回線中継装置10の構成例を示すもので、DSU2に接続される端子10aには、回線側インターフェース部11が接続される。また、加入者宅内ネットワーク3のケーブルに接続されるデジタルポート10bおよび非常通報装置4が接続されるアナログポート10cには、端末側インターフェース部12が接続される。
【0034】
回線側インターフェース部11と端末側インターフェース部12との間には、送信処理部13と受信処理部14とが接続される。回線側インターフェース部11と、端末側インターフェース部12と、送信処理部13と、受信処理部14とは、システムバス15を通じて制御部16により制御される。
【0035】
また、送信処理部13および受信処理部14を伝送される音声データや制御データの流れを監視するためのモニタ部17が設けられ、送信処理部13及び受信処理部14に接続されると共に、システムバス15に接続される。また、システムバス15には、後述する割り込みメッセージを送出する音声合成メッセージ発生部18がさらに接続される。
【0036】
回線側インターフェース部11は、ISDN回線1を通じた着信を検知する機能部分、ISDN回線1への発呼を行うための機能部分、ISDN回線1に対する音声データや制御データの授受をする機能部分などを有するほか、この実施形態では、非常通報装置4からの非常通報の要求(例えば、非常通報のための回線捕捉)があったときにISDN回線1の2つのBチャネルが共に使用中である場合やISDN回線1の2つのBチャネルが着信中であった場合に、制御部16の制御にしたがって、前記2つのBチャネルのうちの一方を開放するために必要な、ISDN回線網側に対する処理を実行するようにする。
【0037】
端末側インターフェース部12は、デジタル回線用端末6,7からの回線捕捉や、非常通報装置からの回線捕捉を受け付けて空き回線を捕捉する機能部分、ISDN回線用端末6,7に対する音声データの授受をする機能部分、非常通報装置4からの回線捕捉、通報先のダイヤル番号、通報メッセージに対して、ISDN回線1を通じた非常通報を行うために必要な処理を実行する機能部分を備える。
【0038】
また、この実施形態では、端末側インターフェース部12は、非常通報装置4からの非常通報の要求(例えば、非常通報のための回線捕捉)があったときにISDN回線1の2つのBチャネルが共に使用中である場合やISDN回線1の2つのBチャネルが着信中であった場合に、制御部16の制御にしたがって、前記2つのBチャネルのうちの一方を開放するために必要な、ISDN回線用端末側に対する処理を実行するようにする。
【0039】
モニタ部17は、ISDN回線1からの着呼、デジタル回線用端末6,7からの発呼の際には、送信処理部13や受信処理部14からDチャネルデータをモニタし、そのモニタ結果を制御部16に伝える。
【0040】
制御部16は、ISDN回線1からの着呼、デジタル回線用端末6,7からの発呼を、これにより検知するようにする。また、制御部16は、逆信待機時には、デジタル回線用端末6,7の発呼をモニタ部17を通じて監視して、当該デジタル回線用端末6,7からの逆信待機中の発呼を検出した場合には、逆信待機中でない、空きのBチャネルにより、発呼を行なうように制御する。
【0041】
また、後述するように、制御部16は、非常通報装置4からの非常通報の要求があったときにISDN回線1の2つのBチャネルが共に使用中である場合やISDN回線1の2つのBチャネルが着信中であった場合に、モニタ部17を通じて送信処理部13および受信処理部14を伝送される音声データの流れを監視して、音声データの伝送の隙間を見つけ、割り込みメッセージを挿入する処理を行うようにする。
【0042】
この例の場合、非常通報装置4は、非常通報動作が起動中であるときには、通報中出力信号を発生する機能を備えるもので、非常通報装置4からのこの通報中出力信号は、図示を省略した端子を通じてISDN回線用中継装置10の端末側インターフェース部12に入力される。
【0043】
非常通報装置4は、この実施の形態では、非常事態の発生に応じた起動信号の発生に応じて、図3のフローチャートに示すような動作を実行する。
【0044】
すなわち、非常通報装置4は、非常ボタンや火災センサなどの監視の結果としての起動信号の発生を監視する。そして、起動信号の発生を検知すると、図3のフローチャートを実行する。
【0045】
まず、ステップS101において回線捕捉動作を行う。次に、ステップS102において、捕捉した回線において、ダイヤルトーンを検出し、交換機側のダイヤル受入れ準備ができているか否かを検出する。または、このステップS102で回線捕捉した後、3秒以上の経過を待つ。
【0046】
そして、ダイヤルトーン検出などにより、交換機側のダイヤル受入れ準備ができていることを確認した後、予め設定されている通報先、つまり、「110番」や「119番」に自動ダイヤルを行う。次に、ステップS104に進み、通報先の応答があるか否かを通報先からの応答音声が検出されたかどうかにより判別する。通話先の応答がなければ、ステップS105に進み、相手不応答を確認する。この相手不応答の確認は、例えば一定時間以上の相手不応答の検出やビジートーンの検出により行うものである。
【0047】
ステップS105で相手不応答を確認すると、ステップS106に進み、一旦回線を開放し、次のステップS107で4秒以上待機する。この4秒以上の時間は、回線を完全に開放するための時間である。ステップS107で4秒以上の時間の経過を検出すると、ステップS101に戻り、通報動作をやり直す。
【0048】
ステップS104で相手の応答を確認すると、ステップS108に進み、非常通報装置のメモリに予め格納されている通報メッセージを、通報先に送出する。そして、通報メッセージの送出後、ステップS109に進み、捕捉していた回線を一旦開放し、その後、5秒間の逆信信号の待機を行う。すなわち、ステップS110で、逆信を検出(逆信の着呼を検出)したか否か判別し、逆信を検出しないときには、ステップS111で5秒間の経過を判別し、逆信待ちの状態で5秒間経過していないときには、ステップS110に戻って、逆信待ちを継続する。
【0049】
そして、次のステップS111で、5秒間の間、逆信が検出できなかったと判別されたときには、ステップS112に進み、開放していた回線を捕捉して、ステップS108に戻り、通報メッセージの再送を行う。前述したように、このとき、110番や119番の通報先は回線を保持しているので、この通報先へのダイヤル送出は行わない。
【0050】
そして、ステップS110で逆信を検出すると、ステップS113に進み、非常通報装置に接続されている非常用電話機5のベルを鳴動させ、次のステップS114で非常用電話機5でのオフフックによる応答を待つ。そして、非常用電話機5でのオフフックを検出すると、ステップS115に進み、通報先との相互通話を行い、ステップS116での非常用電話機5のオンフックの確認により、通報処理終了となる。
【0051】
次に、上述したISDN回線中継装置10を経由した非常通報装置4からのISDN回線1を用いた通報動作について、図4〜図9を参照しながら説明する。図4〜図7は、この通報動作におけるISDN回線中継装置10での動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、主として、制御部16の制御にしたがって行われるものである。
【0052】
また、図8および図9は、このISDN回線中継装置10を経由した非常通報装置4からのISDN回線1を用いた通報動作のシーケンスの一例を示すものである。図8のシーケンス図は、非常通報装置4からISDN回線1を通じた通報メッセージの送出を行おうとしたが、ISDN回線の2つのBチャネルの両方が着信中であった場合の動作シーケンス例を示すものである。また、図9のシーケンス図は、非常通報装置4からISDN回線1を通じた通報メッセージの送出を行おうとしたが、ISDN回線の2つのBチャネルの両方ともが使用中で塞がっている場合の動作シーケンス例を示すものである。
【0053】
前述したように、非常ボタンや火災センサに基づく通報の起動が発生すると、非常通報装置4は、通報中出力信号を出力すると共に、回線捕捉動作を行う。
【0054】
ISDN回線中継装置10の端末側インターフェース部12では、非常通報装置4から入力された通報中出力信号を検出し、その検出出力を制御部16に送る。これにより、制御部16は、非常通報装置4が通報動作中になったことを認識する。そして、図4〜図7のフローチャートをスタートさせる。
【0055】
また、ISDN回線中継装置10では、非常通報装置4の回線捕捉動作を端末側インターフェース部12に含まれる回線捕捉検出部で検出し、その検出出力を制御部16に送る。制御部16は、これにより、非常通報装置4による回線捕捉を検出する(図4のステップS201)。
【0056】
そして、制御部16は、ISDN回線1の2つのBチャネルが共に着信中であるか否か判別する(ステップS202)。2つのBチャネルが着信中であるかどうかは、前述もしたように、モニタ部17で、回線側インターフェース部11を通じて受信処理部14で受信したDチャネルデータを監視し、その監視結果が制御部16に供給されることにより基づいて、制御部16で判別することができる。
【0057】
ISDN回線1の2つのBチャネルのうちの少なくとも一方が着信中ではないと判別したときには、ステップS201での回線捕捉の検出に応じて、制御部16は、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、ダイヤルトーン信号を発生させ、アナログポート10cを通じて非常通報装置4に供給させる(ステップS203)。
【0058】
非常通報装置4は、このダイヤルトーン信号を検出した後、通報先へダイヤル番号送出をする。ISDN回線中継装置10では、このダイヤル番号情報が端末側インターフェースに含まれるPBレシーバで識別され、制御部16に送られる。制御部16は、このダイヤル番号情報に基づいてISDN回線1への発呼動作を行う。すなわち、呼設定メッセージを回線側インターフェース部11を通じてISDN回線1に送出する(ステップS204)。
【0059】
次に、制御部16は、ISDN回線1の2つのBチャネルが共に使用されていてビジーであるか否か判別する(ステップS205)。すなわち、呼設定メッセージを受けたISDN回線網のISDN交換機側は、ISDN回線1の2つのBチャネルの一方が塞がっていなければ、この呼設定メッセージを受け付けて、呼設定受付メッセージを送出後、呼出メッセージを送ってくるが、ISDN回線1の2個のBチャネルが使用中で回線が塞がっている場合には、この呼設定メッセージを受け付けることなく、解放完了メッセージを送ってくる。
【0060】
そこで、ISDN回線中継装置10の制御部16は、呼出メッセージを受け取ったときには、ステップS205で、2個のBチャネルが使用中ではないと判別し、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、リングバックトーンを発生させ、これを非常通報装置4に送る(ステップS206)。
【0061】
そして、通報先が応答すると、ISDN回線網側からは、応答メッセージが送られてくるので、制御部16は、これを検知して(ステップS207)、端末側インターフェース部12のトーン発生部を制御し、リングバックトーンの発生を停止する(ステップS208)。その後、前述したように、非常通報装置4は、通報先からの応答音声を検出した後、通報メッセージを送出するので、ISDN回線中継装置10では、その通報メッセージを端末側インターフェース部12で受け、送信処理部13で符号化して回線側インターフェース部11を通じてISDN回線1に送出し、通報先に送る(ステップS209)。
【0062】
以上のようにして、通報メッセージが通報先である警察署や消防署に送出された後、非常通報装置4は、回線を一旦開放して、逆信待ちの状態になる。端末側インターフェース部12では、非常通報装置4におけるこの逆信待ちのための回線開放を、それに含まれる回線捕捉検出部で検出し、その検出出力を制御部16に供給する。
【0063】
制御部16は、この検出出力により非常通報装置4の回線開放を検知し(ステップS210)、これと非常通報装置4からの通報中出力信号とから非常通報装置4の逆信待機状態を認識する(ステップS211)。そして、制御部16は、逆信待機となるBチャネルを記憶しつつ、当該Bチャネルを開放し、逆信待機状態になる(図5のステップS221)。
【0064】
このように、制御部16で逆信待機中のBチャネルを記憶しておくのは、逆信待機中にデジタル回線用端末6、7からの回線捕捉があったときに、当該逆信待機中のBチャネルを、その回線捕捉要求してきたデジタル回線用端末6,7の通信用に割り当ててしまわないようにするためである。すなわち、制御部16は、前述したように、逆信待機中にデジタル回線用端末6、7からの回線捕捉があったときには、逆信待機中以外の空きのBチャネルを、当該回線捕捉してきたデジタル回線用端末6,7に割り当てて使用できるようにする。
【0065】
なお、制御部16が端末側インターフェース部12を制御して、デジタル回線用端末6、7とISDN回線1との間を物理的に切断した後、回線を開放し、逆信待機状態になるようにすることにより、デジタル回線用端末6,7からの回線捕捉が逆信待機中は行えないようにすることもできるが、それでは、逆信待機中でない方のBチャネルが空きである場合には、有効に利用できない。この点、この実施形態によれば、逆信待機中でない方の空きのBチャネルを、有効に利用できるというメリットがある。
【0066】
その後、ISDN回線中継装置10では、通報先からの逆信を監視する状態になる(ステップS222)が、通報先からの逆信が検出されるまでの逆信待機中においては、他のアナログ回線用端末からの回線捕捉があるか否か監視する(ステップS223)。
【0067】
そして、他のアナログ回線用端末で回線捕捉がなされたときには、端末側インターフェース部12に含まれる回線捕捉検出部でその回線捕捉を検出し、その検出出力を制御部16に供給する。制御部16は、当該他のアナログ回線用端末による回線捕捉を検知すると、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、ビジートーンを当該他のアナログ回線用端末に送出する(ステップS224)。このため、当該他のアナログ回線用端末の使用者は、回線が塞がっているとしてオンフックをするので、回線は開放される。
【0068】
このように、逆信待機中に他のアナログ回線用端末で回線捕捉があったとしても、その回線捕捉は拒否されるので、非常通報装置4では、通報先からの逆信を優先的に確実に受けることができる。
【0069】
そして、その後、通報先が逆信の発呼動作を行うと、その発呼時の呼設定メッセージをISDN回線中継装置10の制御部16は、回線インターフェース部11、受信処理部14、モニタ部17を通じてISDN回線網側から受け取る。このとき、制御部16は、呼設定メッセージに含まれる発番号により、発呼してきた相手が通報先の「110番」または「119番」であるか否か検出する(ステップS222)。
【0070】
そして、制御部16は、通報中出力信号の検出出力により、非常通報装置4が通報中であることを確認したときには、アナログポート10cからのみ呼出信号を発生させ、その呼出信号を、非常通報装置4に送る(ステップS225)。これにより、非常通報装置4に接続された非常用電話機5のベルのみが鳴動する。このとき、他のアナログポートに接続されたアナログ回線用端末のベルは鳴動しない。
【0071】
制御部16は、これと同時に、呼設定メッセージに含まれる発番号により、発呼してきた相手が通報先の「110番」または「119番」であることを検出すると、非常用電話機5のオフフックによる応答を待たずに、回線接続の応答メッセージを回線側インターフェース部11を通じて送出して、通報先からの逆信の着呼に対して応答する。そして、制御部16は、回線側インターフェース部11に含まれるトーン発生部を制御して、擬似リングバックトーンを発生させ、これを逆信をしてきた通報先に送るようにする。
【0072】
その後、非常用電話機5でオフフックによる応答がなされると、この応答による回線捕捉が、端末側インターフェース部12を通じて制御部16で検出される(ステップS226)。すると、制御部16は、回線側インターフェース部11のトーン発生部を制御して、擬似リングバックトーンの発生を停止させ、また、端末側インターフェース部12の呼出信号発生部を制御して、呼出信号の発生を停止させる。そして、ISDN回線1と非常通報装置4を介した非常電話機5との間に通話路を生成する。これにより、非常用電話機5と通報先とは、ISDN回線1を通じての相互通話の状態になる(ステップS227)。
【0073】
その後、非常用電話機5で終話動作として電話機のオンフックがなされると、端末側インターフェース部12に含まれる回線捕捉検出部を通じて制御部16で終話が検出され(ステップS228)、回線切断のためのメッセージの交換がなされ、非常通報装置4と通報先との間の回線が切断される(ステップS229)。以上で、通報動作は終了となる。
【0074】
[ISDN回線の2つのBチャネルが着信中に通報起動のとき]
次に、図4のステップS202で、ISDN回線1の2つのBチャネルが共に着信中であると判別された場合について説明する。図6は、このように、ISDN回線1の2つのBチャネルが共に着信中である場合に、非常通報装置4からの通報を優先させるように、Bチャネルの空きを生成するための処理ルーチン部分であり、図8のシーケンス図が対応する。
【0075】
以下の説明においては、主として図8のシーケンス図にそって、図6のフローチャートの各ステップの処理動作について説明する。
【0076】
すなわち、図8に示すように、ISDN回線1から、2つのBチャネルB1chおよびB2chに、共に着信があったときに、図4のステップS201で非常通報装置から非常通報の起動のために回線捕捉があったときには、制御部16では、先ず、ステップS202で2つのBチャネルB1chおよびB2chに、共に着信があると判別するため、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、ビジートーンを発生させて、アナログポート10cを通じて非常通報装置4に供給させる(図6のステップS301)。
【0077】
このビジートーンを受けた非常通報装置4は、回線を開放し、待機状態になる。そして、その後、この例では、4秒経過する毎に、再度、非常通報装置4は回線捕捉を行い、回線捕捉ができるまでそれを繰り返す。なお、この間の非常通報装置4からの回線捕捉の検出動作および非常通報装置4へのダイヤルトーン送出動作は、図4および図6のフローチャート、また、図8のシーケンス図では省略した。
【0078】
次に、ISDN回線中継装置10では、2つのBチャネルB1ch,B2chのうちの一方、この例では、B1chについて、端末側インターフェース部12を通じてデジタル回線用端末6,7側に、解放完了メッセージを送る(ステップS302)。すると、デジタル回線用端末6,7側は、着信中のB1chが切断されたと認識することになる。
【0079】
次に、ISDN回線中継装置10の制御部16は、着信中のB1chに応答し(ステップS303)、音声合成メッセージ発生部18を制御して、例えば、「非常通報のために、この回線を開放します」などの割り込みメッセージを発生させると共に、モニタ部17により送信処理部13のデータの流れをチェックして、空きの区間に前記割り込みメッセージを挿入して、回線側インターフェース部11を通じてISDN回線1側に、前記割り込みメッセージを送出する(ステップS304)。
【0080】
その後、制御部16は、当該応答したB1chを切断するために、ISDN回線交換の切換手順に従ったシーケンスを実行する。すなわち、先ず、B1chについての切断メッセージを回線側インターフェース部11を通じてISDN回線1側に送出する(ステップS305)。ISDN回線網の交換機は、B1chについての切断メッセージを受けると、B1chについての解放メッセージを送る。制御部16は、回線側インターフェース部11を通じて、ISDN回線網側から送られてくる当該解放メッセージの到来を待つ(ステップS306)。
【0081】
そして、当該解放メッセージの受信を確認したときには、制御部16は、回線側インターフェース部11を通じて、ISDN回線1に解放完了メッセージを送出する(ステップS307)。
【0082】
以上により、着信中であった一方のBチャネルB1chが開放される。この場合、ISDN回線を強制的に切断するのではなく、ISDN回線交換上の切断手順に従って当該BチャネルB1chが切断されて開放されるので、非常通報起動されてから10秒以内で、ISDN回線1のBチャネルB1chに空きが生成される。
【0083】
非常通報装置4は、この間、回線捕捉〜回線開放までの動作を繰り返している。ISDN回線中継装置10の制御部16では、一方のBチャネルB1chが開放された後の非常通報装置4の回線捕捉を検出して受け付けると(ステップS308)、当該BチャネルB1chを捕捉し、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、ダイヤルトーンを発生させ、非常通報装置4に送るようにする(ステップS309)。
【0084】
非常通報装置4は、このダイヤルトーン信号を検出した後、通報先へダイヤル番号送出をする。ISDN回線中継装置10では、端末側インターフェース部12で、このダイヤル番号情報が識別され、制御部16に送られる。制御部16は、このダイヤル番号情報に基づいて、BチャネルB1chにおいて、ISDN回線1への発呼動作を行う(ステップS310)。すなわち、呼設定メッセージを回線インターフェース部11を通じてISDN回線1に送出する。
【0085】
これ以後は、図4のステップS205で、非常通報装置4で通報動作が起動されたときに、ISDN回線1が使用中でない場合と同様となり、通報先の応答を待つ。
【0086】
すなわち、このときにはISDN回線1はBチャネルB1chが使用中ではないので、図7に示すように、ISDN回線網側では、通報先の呼出を行うと共に、呼設定受付メッセージを送出後、呼出メッセージをISDN回線中継装置10に送ってくる。ISDN回線中継装置10の制御部16は、この呼出メッセージを受け取ると、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、リングバックトーンを発生させ、これを非常通報装置4に送る(ステップS206)。
【0087】
通報先が応答すると、ISDN回線網側からは、応答メッセージが送られてくるので、ISDN回線中継装置10の制御部16は、これを検知して(ステップS207)、端末側インターフェース部12のトーン発生部を制御し、リングバックトーンの発生を停止し(ステップS208)、前述と同様にして、通報動作を行う(ステップS209)。
【0088】
すなわち、前述したように、非常通報装置4は、通報先からの応答音声を検出した後、通報メッセージを送出する。この通報メッセージは、ISDN回線中継装置10の送信処理部13で符号化されてISDN回線1に送出され、通報先に送られる。
【0089】
[ISDN回線の2つのBチャネルが使用中に通報起動のとき]
次に、図4のステップS205で、ISDN回線1の2つのBチャネルが共に使用中であると判別された場合について説明する。図7は、ISDN回線1の2つのBチャネルが共に使用中である場合に、非常通報装置4からの通報を優先させるように、Bチャネルの空きを生成するための処理ルーチン部分であり、図9のシーケンス図が対応する。
【0090】
以下の説明においては、主として図9のシーケンス図にそって、図7のフローチャートの各ステップの処理動作について説明する。
【0091】
すなわち、図9に示すように、ISDN回線1から、2つのBチャネルB1chおよびB2chが共に使用中であったときに、図4のステップS201で非常通報装置から非常通報の起動のために回線捕捉があったときには、制御部16は、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、ダイヤルトーンを発生させ、アナログポート10cを通じて非常通報装置4に供給させる。
【0092】
非常通報装置4は、このダイヤルトーン信号を検出した後、通報先へダイヤル番号送出をする。ISDN回線中継装置10では、端末側インターフェース部12で、このダイヤル番号情報が識別され、制御部16に送られる。制御部16は、このダイヤル番号情報に基づいて、回線インターフェース部11を通じてISDN回線1への発呼動作を行う。しかし、このときには、図9に示すように、ISDN回線1は、2つのBチャネルB1CH、B2chが共に使用中であるため、ISDN回線網からは、解放完了メッセージが送られてくる。
【0093】
このISDN回線網からの解放完了メッセージを受け取ったISDN回線中継装置10の制御部16は、端末側インターフェース部12のトーン発生部を制御して、ビジートーンを発生させ、これを非常通報装置4に送る(ステップS401)。
【0094】
このビジートーンを受けた非常通報装置4は、前述した図3のステップS105において相手不応答を認識して、回線を開放し、待機状態になる。そして、その後、この例では、4秒経過すると、再び、図3のステップS101〜104を行い、そのときも相手不応答であればステップS105〜107を行い、ステップS101に戻る。つまり、非常通報装置4は、回線捕捉、ダイヤルトーン検出、ダイヤル番号送出、回線開放を含む処理を繰り返す。
【0095】
なお、この間のISDN回線中継装置10での回線捕捉検出動作および非常通報装置4へのダイヤルトーン送出動作は、図4および図7のフローチャート、また、図9のシーケンス図では省略した。
【0096】
次に、ISDN回線中継装置10の制御部16は、使用中の一方のBチャネルB1chの通話路において、その空きの区間に、例えば、「非常通報のために、この回線を開放します」などの割り込みメッセージを挿入して、ISDN回線1側の相手方と、デジタル回線用端末6,7側の両方に、前記割り込みメッセージを聴取させるようにする。
【0097】
すなわち、制御部16は、割り込みメッセージを送出する音声合成メッセージ発生部18を制御して、前記の割り込みメッセージを発生させると共に、モニタ部17により送信処理部13および受信処理部14における使用中の一方のBチャネルB1chのデータの流れをチェックして、当該使用中の一方のBチャネルB1chの通話路において、その空きの区間に前記割り込みメッセージを挿入する。この結果、割り込みメッセージは、回線側インターフェース部11を通じてISDN回線1側に、また、端末側インターフェース部12を通じてデジタル回線用端末側に、それぞれ送出される(ステップS402)。
【0098】
次に、制御部16は、前記割り込みメッセージを送出した一方のBチャネルB1chを正常切断するために、ISDN回線交換の切換手順に従ったシーケンスを実行する。
【0099】
先ず、一方のBチャネルB1chについての切断メッセージを回線側インターフェース部11を通じてISDN回線1側に送出する(ステップS403)。ISDN回線網の交換機は、B1chについての切断メッセージを受けると、B1chについての解放メッセージを送るようになっているので、制御部16は、回線側インターフェース部11を通じて、ISDN回線網側から送られてくる当該解放メッセージの到来を待つ(ステップS404)。
【0100】
そして、当該解放メッセージの受信を確認したときには、制御部16は、回線側インターフェース部11を通じて、ISDN回線1に解放完了メッセージを送出する(ステップS405)。
【0101】
次に、制御部16は、一方のBチャネルB1chについての切断メッセージを端末側インターフェース部12を通じてデジタル回線用端末6,7側に送出する(ステップS406)。デジタル回線用端末6,7は、このBチャネルB1chについての切断メッセージを受けると、B1chについての解放メッセージを送出するので、制御部16は、端末側インターフェース部12を通じて、デジタル回線用端末6,7側から送られてくる当該解放メッセージの到来を待つ(ステップS407)。
【0102】
そして、当該解放メッセージの受信を確認したときには、制御部16は、端末側インターフェース部12を通じて、デジタル回線用端末6,7側に解放完了メッセージを送出する(ステップS408)。
【0103】
以上により、使用中であった一方のBチャネルB1chが開放される。この場合、ISDN回線を強制的に切断するのではなく、ISDN回線交換上の切断手順に従って当該B1chが切断されて開放されるので、非常通報起動から10秒以内で、ISDN回線1のBチャネルB1chに空きが生成される。
【0104】
非常通報装置4は、この間、前述した回線捕捉〜回線開放までの動作を繰り返している。ISDN回線中継装置10の制御部16では、BチャネルB1chが開放された後の非常通報装置4の回線捕捉を検出して受け付けると(ステップS409)、当該BチャネルB1chを捕捉し、端末側インターフェース部12に含まれるトーン発生部を制御して、ダイヤルトーンを発生させ、非常通報装置4に送るようにする(ステップS410)。
【0105】
非常通報装置4は、このダイヤルトーン信号を検出した後、通報先へダイヤル番号送出をする。ISDN回線中継装置10では、端末側インターフェース部12で、このダイヤル番号情報が識別され、制御部16に送られる。制御部16は、このダイヤル番号情報に基づいて、捕捉したBチャネルB1chにおいてISDN回線1への発呼動作を行う(ステップS411)。すなわち、呼設定メッセージをISDN回線1に送出する。
【0106】
これ以後は、図4のステップS205で、非常通報装置4で通報動作が起動されたときに、ISDN回線1が使用中でない場合と同様となり、図8のシーケンスで示したものと全く同様にして、開放された一方のBチャネルB1chにより通報メッセージ送出動作が実行される。
【0107】
以上のようにして、上述した実施形態によれば、ISDN回線の2つのBチャネルが共に使用中で塞がっているときに、非常通報装置4から非常通報要求が発生した場合には、一方のBチャネルがISDN回線交換における回線切断の手順に従って切断されて、Bチャネルが開放されるので、従来のような強制切断の場合のような異常終了とは異なり、切断後、ISDN回線網側は直ちに端末からの信号を受けられる体制となる。したがって、従来の物理的な強制切断により90秒以上経過した後しか非常通報ができなかったのが、上述の実施形態によれば、10秒以内に短縮することができる。
【0108】
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態は、非常通報装置がアナログ回線用の場合であったが、この発明は、非常通報装置がデジタル回線用であっても、同様に適用できる。すなわち、図10は、この第2の実施形態のISDN回線中継装置100を用いた場合の構成例を示すものである。
【0109】
すなわち、この第2の実施形態のISDN回線中継装置100は、2個のデジタルポート10bおよび10dを備える。そして、デジタルポート10dは、デジタル回線用の非常通報装置8用とする。したがって、図1に示したISDN回線中継装置100の端末側インターフェース部12には、デジタルポート10dに接続されたデジタル回線用の非常通報装置8とのインターフェース処理の機能が設けられる。その他は、上述した第1の実施形態と全く同様である。
【0110】
この第2の実施形態においては、デジタル回線用の非常通報装置8から非常通報のための回線捕捉要求があったときには、それが制御部16で検知されるようにされている。
【0111】
そして、その際に、ISDN回線1の2つのBチャネルの少なくとも一方が空いているときには、制御部16は、当該デジタル回線用の非常通報装置8からの回線捕捉要求を受け付け、当該空きのBチャネルを非常通報装置8に割り付けるように制御する。
【0112】
そこで、非常通報装置8は、当該空きのBチャネルを用いて、通報先への呼設定メッセージをISDN回線中継装置100を介してISDN回線1に送出し、通報先の応答を確認した後、通報メッセージをISDN回線中継装置100を介して通報先の送出する。
【0113】
一方、デジタル回線用の非常通報装置8から非常通報のための回線捕捉要求があったときに、2つのBチャネルが共に使用中であったり、着信中であったりした場合には、制御部16は、前述した第1の実施の形態の場合と全く同様にして、一方のBチャネルについて、ISDN交換の手順に従った切断シーケンスを実行し、当該一方のBチャネルを開放させるようにする。
【0114】
したがって、デジタル回線用の非常通報装置8は、この開放されたBチャネルを用いて、迅速に通報先に非常通報することができる。
【0115】
なお、図10の例では、2個のデジタルポートをISDN回線中継装置に設け、その一方をデジタル回線用の非常通報装置用としたが、デジタルポートは1個であって、当該デジタルポートのデジタル回線用端末の一つして、デジタル回線用の非常通報装置を接続するようにすることもできる。
【0116】
ただし、その場合には、制御部16は、デジタル回線用の非常通報装置の加入者宅内ネットワーク(LAN)3上のアドレスを記憶しておき、当該アドレスのデジタル回線用端末からの回線捕捉は、非常通報装置8からの回線捕捉と判別して、上述のような処理を実行するようにするものである。
【0117】
[その他の実施の形態]
上述の実施の形態においては、2つのBチャネルが共に着信中であったとき、また、2つのBチャネルが共に使用中であったときには、一方のBチャネルについてISDN回線交換の切換手順に従った切断をするようにするが、その場合の切断する一方のBチャネルは、予め定めておいてもよいし、任意であってもよい。
【0118】
また、2つのBチャネルの内の一方のBチャネルのみを切断するのではなく、両方のBチャネルについてISDN回線交換の切換手順に従った切断をするようにしてもよい。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によるISDN回線中継装置によれば、通報装置を用いてISDN回線を通じた通報を行う場合において、通報動作の起動時に、ISDN回線の2つのBチャネルが閉塞している状態のときには、少なくとも一方のBチャネルを、ISDN回線交換の切換手順に従って切断して開放させるようにするので、当該開放されたBチャネルを用いて迅速な非常通報が行えるものである。
【0120】
そして、この発明によれば、物理的な強制切断ではなく、ISDN回線交換の切換手順に従った切断シーケンスを行うものであるので、当該切断シーケンスを実行する前に、相手方および当該ISDN回線中継装置に接続されている使用中端末側に割り込みメッセージとして、非常通報のために切断する旨のメッセージを事前に流すことができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるISDN回線中継装置の実施の形態のブロック図である。
【図2】この発明によるISDN回線中継装置の使用態様を説明するための図である。
【図3】非常通報装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態のISDN回線中継装置における非常通報時の動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図5】実施の形態のISDN回線中継装置における非常通報時の動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図6】実施の形態のISDN回線中継装置における非常通報時の動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図7】実施の形態のISDN回線中継装置における非常通報時の動作を説明するためのフローチャートの一部である。
【図8】この発明によるISDN回線中継装置を用いた非常通報制御処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図9】この発明によるISDN回線中継装置を用いた非常通報制御処理の他の例の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図10】この発明によるISDN回線中継装置の使用態様を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ISDN回線
4 アナログ回線用の非常通報装置
5 非常用電話機
6、7 デジタル回線用端末
8 デジタル回線用の非常通報装置
10 ISDN回線中継装置
11 回線側インターフェース部
12 端末側インターフェース部
13 送信処理部
14 受信処理部
16 制御部
17 モニタ部
18 音声合成メッセージ発生部
Claims (2)
- ISDN回線網と後段のISDN用端末との間に設けられ、起動信号に応じて回線を捕捉し予め設定された通報先に通報メッセージを送出する通報装置を前記ISDN回線網に接続するための装置であって、
前記通報装置の回線捕捉を検出する回線捕捉検出手段と、
前記回線捕捉検出手段で前記通報装置の回線捕捉が検出されたときに、前記ISDN回線の2つのBチャネルが共に使用中と判別したときには、前記2つのBチャネルのうちの少なくとも一方のBチャネルについて、前記ISDN回線側と使用中端末側とに対してISDN回線交換の切断手順に従ったシーケンスを実行し、その後の前記通報装置の回線捕捉を前記回線捕捉検出手段で検出したときに、前記通報装置による前記通報先への再度の発呼およびその後の通報メッセージの送出を実行するように制御すると共に、
前記通報メッセージが前記通報先に送出された後、前記通報メッセージの送出がなされたBチャネルを記憶しつつ、当該Bチャネルを一旦開放して逆信待機の状態となり、前記逆信待機時には、前記記憶しているBチャネル以外のBチャネルを、他の端末からの回線捕捉要求に対して割り当てるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするISDN回線中継装置。 - ISDN回線網と後段のISDN用端末との間に設けられ、起動信号に応じて回線を捕捉し予め設定された通報先に通報メッセージを送出する通報装置を前記ISDN回線網に接続するための装置であって、
前記通報装置の回線捕捉を検出する回線捕捉検出手段と、
前記回線捕捉検出手段で前記通報装置の回線捕捉が検出されたときに、前記ISDN回線の2つのBチャネルに着信があったときには、前記2つのBチャネルのうちの少なくとも一方のBチャネルについて、着信を受ける端末側に解放完了メッセージを送出すると共に、前記一方のBチャネルの着信に応答した後、当該Bチャネルを切断するISDN回線交換におけるシーケンスを実行し、その後の前記通報装置の回線捕捉を前記回線捕捉検出手段で検出したときに、前記通報装置による前記通報先への再度の発呼およびその後の通報メッセージの送出を実行するように制御すると共に、
前記通報メッセージが前記通報先に送出された後、前記通報メッセージの送出がなされたBチャネルを記憶しつつ、当該Bチャネルを一旦開放して逆信待機の状態となり、前記逆信待機時には、前記記憶しているBチャネル以外のBチャネルを、他の端末からの回線捕捉要求に対して割り当てるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするISDN回線中継装置。
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