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JP4000133B2 - 受注枠管理システム - Google Patents
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Description

本発明は、証券会社が、自社を媒介して株式取引する顧客から、市場への株式売買の取次ぎを受注する際の自社受注枠及び個人受注枠の増減を管理するコンピュータシステムに関する。
現在、証券会社と証券金融会社(以下、「証券会社等」という)に証券取引所を加えた何れか(以下、「証券会社ほか」という)が株式売買を行う投資家に対する規制の対象は、主に信用取引であり、その代表例は、任意に「株式の信用取引の売買禁止規制」を発動する制度である。
その売買禁止規制を発動する理由は、「市場の混乱」を避け、又は「信用取引により証券会社等から顧客へ融資した融資金に対する貸倒れ損失の発生」を避ける必要に迫られてのことである。すなわち、何らかの損失が発生する危険性が予想されたならば、取引を禁止する銘柄をその都度、証券会社ほかが、任意で設定し、設定された銘柄に関する取引を禁止することにより、信用取引した投資家へ証券会社等からの融資金の貸倒れ、その他の安全を確保している。
前記「株式の売買規制」以外の手段による株式売買の信用取引に対する規制には、証券会社が任意に「増担保銘柄」を指定し、実質上の追加担保を要求する制度もある。通常の信用取引では担保金率30%のところを50%に増額する等、状況の変化に応じてその都度証券会社ほかが、任意に設定できる制度とされている。
前記「増担保銘柄」を指定する制度と類似の制度として、いわゆる「注意銘柄」と呼ばれ、担保物件を通常なら「株式」で認められるところを「現金」のみに限定するか、又は「担保に占める現金の割合」を高めるように厳格化する制度もあるが、いずれも制度の趣旨及び目的は同じである。これらが、証券会社ほかが、株式売買を行う投資家に対して従来から施行してきた株式売買の規制である。
又、株式の信用取引に関し、顧客と証券会社の得失の調和を図りつつ、株価低落時におけるリスクの低減を可能とする株式売買システム及び株式売買方法として、顧客への融資額を記憶する手段と、融資額に対する金利を算出する手段と、顧客が保有する株式の時価総額を算出する手段と、時価総額と融資額と金利とから損益を算出する手段と、損益と時価総額とから株式の維持率を算出する手段と、株式の維持率の閾値を記憶する手段と、維持率が指定する閾値以上になると当該情報を表示する手段と、を備える証券会社と、顧客端末と、これらを接続するインターネットからなる株式売買システム及び株式売買方法があった(例えば特開2002−92328号公報)。
このような株式売買システム及び株式売買方法によれば、コンピュータが顧客に代わって昼夜の別なく、建玉の指定の維持率を監視し、指定の維持率の閾値に到達した旨の警報を発令されたならば、遅滞無く手仕舞いできるように即応体制を整えてリスクの制限をすることが可能となる。
特開2002−92328号公報(段落[0005〜0006]、図1)
しかしながら、インターネットによる株式売買(以下、「インターネット株取引」ともいう)に顕著な現象として、特定の人気銘柄に注文が集中し、場合によっては市場の商い総額あるいは信用取引による融資の取り扱い総額の10分の1を、1銘柄で占める程に極端な偏りが生じ、信用取引に係る融資を投資家に行う証券会社等にとって、結果として信用取引に係る融資金の回収や、投資家自身の投資の損失増大について危険な状態になることがある。
なぜならば、特定銘柄の異常なまでの人気が当該企業の実力を超え、業績実態の裏付けの乏しい場合は、些細な風説流布等により株の売り気配が更なる大量の売りを呼び、株価が暴落する不安要因も含まれるからである。又、単に一過性の流行にヒットした程度で、永続性に欠ける企業活動の人気が、インターネット株取引をする顧客の嗜好に「まぐれ当たり」で反映した場合も要注意である。
又、別の不安要因を例示すると、タレント要素、すなわち個人的特殊能力に依存する流行性の強い事業の成功は、そのタレント要素に故障が生じることによって瞬く間の倒産により株価がゼロになる事態まで想定したリスク管理が必要である。そのリスク管理は、専門家の経験則により即応的に対応しているのが現状であり、その専門家の経験則を顧客側のリスク管理にも役立てたいという課題があった。
又、本発明者が既に特許出願済みの別発明により、顧客が保有する株式に市場で買い手がつかずに換金が困難なときの救済措置として、証券会社が所定掛値で買い取る特約を付けた取引の場合、その特約に係る証券会社自身の負担額を最小にすることが必要となる。すなわち、換金困難になる可能性の高い要注意銘柄等の取引を適切に制限してもなお、顧客との関係を良好に維持することが営業上好ましい。
しかし、倒産に瀕する程に業績不振な企業の発行する株式は、証券会社内部で、要注意銘柄と呼ばれて注意を喚起されているにもかかわらず、その株価は乱高下し、顧客の射幸心(ギャンブル欲)を刺激するので、逆に個人投資家の興味を誘い市場での出来高が一時的に増大する。そして、ギャンブル性の強い取引であるため、顧客の投機予想が外れた場合にはその結果、大損する顧客が多発する。
道義的にも、機関投資家とは異なり、インターネット株取引する素人に近い顧客の半数以上に、大損させるのは気の毒であり、このような大損を防ぐために、株式投資の専門家である証券会社から、合理的判断力に乏しい顧客に対し、その顧客の射幸心を適切に抑制するように仕向けることが必要である。ところが、要注意銘柄であることを理由に全く取引禁止したのでは、本来ギャンブルを楽しむ目的で株取引をしている顧客の納得が得られず、証券会社の評判を落としかねない。
一方、従来からあるリスク管理においては、株価及び金利の要素のみで建玉の維持状況を管理する以前に、市場における銘柄ごとの毎日の出来高まで含めた状況に応じたリアルタイムの危険度を算出し、危険度が高くなった銘柄に対する取引量を即応的かつ随時に制限するようにして取引の安全を保証するようなシステムは確立されていなかった。
例えば、インターネット株取引を専業とする証券会社は、その業務形態上、実際には直接投資家に会わずに取引を実行する非相対取引という点に顕著な特徴があり、「迅速性」「簡便性」「低コスト」の長所がある。その反面、欠点として、特に信用取引を通して融資を行う投資家に対し、インターネット株取引専業の証券会社は、顧客の信用に関する調査能力、本人確認手段、追い証拠金等を徴収する機能が無いに等しい。そこで、やむをえず、顧客に対する与信枠を、実効性のある担保の範囲内に限定し、証券会社自身の信用取引に係る融資金の貸倒れによる損失の発生する可能性を極小化させるリスク管理が、以前にも増して必要になった。
そこで、本発明は、主にインターネット株取引を専業とする証券会社が、顧客に対して即効性のあるリスク管理を簡易かつ確実にして取引の安全を図って、なお、ギャンブル目的で株取引を楽しんでもらえる等、顧客からの納得が得られ易くした。例えば、要注意銘柄であっても魅力的であればある程度の数量まで取引を許容することにし、証券会社の良好な評判を維持することを目的としている。
又、証券会社等自身のリスク管理のみでなく、証券会社等の持っているリスク管理能力を投資家に提供することも目的としている。
特に、財務諸表、株価、出来高の情報から当該銘柄の株式が持つ危険度を冷静に分析する能力に乏しく、ギャンブルを好み、広告宣伝又は風説流布に過剰反応しがちな個人投資家が、人気銘柄に殺到することによる損失発生の危険を、証券会社や顧客に代わってコンピュータが察知し、リアルタイムの危険度を算出し、危険度の高くなった銘柄に関する取引量を半自動的に制限することにより、即応的かつ効果的なリスク管理のできる仕組みを提供する。
本発明は、前記課題を解決するために提供されるものであり、コンピュータを利用した受注枠管理システムにおいて、株式銘柄別の株式情報に対して所定の基準に係る危険度を点数に換算する危険度の配点表と、前記危険度の配点に対して前記危険度が小さいほど大きな自社受注枠を割り当てるように対応させられている自社受注枠情報とを記憶する記憶手段と、取得された前記株式銘柄別の株式情報を基に、前記危険度の配点表を検索して対応する配点を抽出して、抽出された点数の合計を算出し、その点数の合計を基に自社受注枠情報を検索して対応する自社受注枠を出力する算出手段と、を備え、取得した前記株式銘柄別の株式情報を基に、前記算出手段によって自社受注枠を算出し、前記自社受注枠から受注済みである受注残高を差し引いた自社残存枠を算出すること、を特徴とする受注枠管理システムである。
かかる構成によれば、株式投資の危機管理に関する専門的な知識経験及びノウハウを有する証券会社が、予め危険度の配点表と前記危険度が小さいほど大きな自社受注枠を割り当てるように自社受注枠情報を設定しておき、危機管理の目的で、株式銘柄別の危険度に対応する前記自社受注枠を決定して、顧客からの株式売買の受注を規制する。
しかし、この発明は、証券会社が善意で顧客に施す危機管理サービスであるにもかかわらず、限定告知情報、すなわち「魅力的銘柄の注文数量を(もしかして自分だけが)規制された」との告知内容で状況を把握する顧客にしてみれば、情報不足による誤解及び不満感を呼び起こす弊害もあり得る。
そのため、予め自社残存枠を全ての顧客に即時公開し、透明性を確保したならば、証券会社と取引している全ての顧客に「顧客間に差別待遇はなく取引条件は平等である」との信頼感を与え、証券会社が善意で顧客に施す危機管理サービスであることの理解が得られやすい。このことは、証券会社の営業にとっても有利である。
また、本発明は、前記自社受注枠の範囲内で、最低売買株式数単位の倍数によって個人受注枠を決定し、前記個人受注枠からそれぞれ個人の受注残高を差し引いた個人残存枠を算出すること、を特徴とする受注枠管理システムである。
かかる構成によれば、前記個人受注枠は、証券会社が個人投資家の危機管理の目的で、自社受注枠と共に顧客に対する個人割当を、株式銘柄別に随時かつ任意に定めたことに意義がある。
また、本発明は、証券会社が株式の信用取引をする全ての顧客に係る取引を合計した株式銘柄別の自社受注枠の増減に関するリアルタイムの情報提供を可能とする受注枠管理システムであって、株式売買の出来高又は財務諸表を含む株式情報に基づいて証券会社が銘柄別に想定する融資金の貸倒れ額にその発生確率を加味した銘柄別の危険度を算出する危険度算出手段と、前記危険度算出手段により算出された銘柄別の危険度を検索自在に記憶する危険度記憶手段と、買い建玉又は売り建玉を銘柄別に現時点又は直近過去の受注残高を算出する受注残高算出手段と、前記危険度記憶手段の記憶する危険度を参照して銘柄別の自社受注枠を証券会社が任意に設定して記憶する受注枠記憶手段と、前記受注枠記憶手段の記憶する銘柄別の自社受注枠から前記受注残高算出手段の算出する銘柄別の受注残高を減算した自社残存枠を算出する自社残存枠算出手段と、前記自社残存枠算出手段の算出した自社残存枠を顧客にリアルタイムで公開する即時公開手段と、を備えたことを特徴とする受注枠管理システムである。
かかる構成によれば、証券会社が想定する銘柄別の危険度を参照して証券会社が任意に設定する銘柄別の自社受注枠から銘柄別の受注残高を減算して更新した自社残存枠を顧客にリアルタイムで公開する。
証券会社はリアルタイムで公開される自社残存枠を顧客に閲覧させ、状況を告知しているので、その自社残存枠をはみ出した無理な受注を避けることが容易である。
つまり、自社残存枠とは、時々刻々と変化する当該銘柄の危険度をリアルタイムに参照し、危険度の大きい銘柄の自社受注枠を小さく絞り、逆に危険度の少ない銘柄の自社受注枠を大きく広げている。
このようにリアルタイムの状況を顧客に告知していることにより、証券会社から顧客に対する受注制限する際の接客応対に説得力が増すので、危険度の高い銘柄の受注を減らすことが容易になる。したがって、証券会社は信用取引に伴う融資金の貸倒れ額を最小にすることが可能となる。
また、本発明は、顧客が保有又は買い建てた株式が市場で換金困難なとき証券会社が所定掛値で買い取る特約に係る債務を負う証券会社が株式の現物取引又は信用取引の買い建てをする全ての顧客に係る取引を合計した株式銘柄別の自社受注枠の増減に関するリアルタイムの情報提供を可能とする受注枠管理システムであって、株式売買の出来高又は財務諸表を含む株式情報に基づいて証券会社が銘柄別に想定する前記特約に係る債務の履行により証券会社が負担する損失発生額にその発生確率を加味した銘柄別の危険度を算出する危険度算出手段と、前記危険度算出手段により算出された銘柄別の危険度を検索自在に記憶する危険度記憶手段と、保有株式又は買建を銘柄別に現時点又は直近過去の受注残高を算出する受注残高算出手段と、前記危険度記憶手段の記憶する危険度を参照して銘柄別の自社受注枠を証券会社が任意に設定して記憶する受注枠記憶手段と、前記受注枠記憶手段の記憶する銘柄別の自社受注枠から前記受注残高算出手段の算出する銘柄別の受注残高を減算した自社残存枠を算出する自社残存枠算出手段と、前記自社残存枠算出手段の算出した自社残存枠を顧客にリアルタイムで公開する即時公開手段と、を備えたことを特徴とする受注枠管理システムである。
かかる構成によれば、顧客が保有する株式が市場で換金困難なとき証券会社が所定掛値で買い取る特約に係る証券会社自身の負担額を最小にすることが可能となる。
また、本発明は、株式売買の出来高又は財務諸表を含む銘柄別の株式情報に基づいて証券会社が要注意と認定する要注意銘柄の株式に関し、現物取引又は信用取引をする顧客に対して証券会社が任意に設定する当該株式の銘柄別に個人受注枠の増減に関するリアルタイムの情報提供を可能とする受注枠管理システムであって、買建維持若しくは売建維持又は保有中の当該株式が、証券会社の望まない忌避価格に推移した場合の予想損失額に、前記忌避価格に的中する確率を加味して銘柄別の危険度を算出する危険度算出手段と、前記危険度算出手段により算出された銘柄別の危険度を検索自在に記憶する危険度記憶手段と、買い建玉若しくは売り建玉又は保有株を銘柄別に現時点又は直近過去の受注残高を算出する受注残高算出手段と、前記危険度記憶手段の記憶する危険度を参照して銘柄別の自社受注枠を証券会社が任意に設定して記憶する受注枠記憶手段と、前記受注枠記憶手段の記憶する銘柄別の自社受注枠から前記受注残高算出手段の算出する銘柄別の受注残高を減算した自社残存枠を算出する自社残存枠算出手段と、前記自社残存枠算出手段の算出した自社残存枠の範囲内で前記個人受注枠を顧客にリアルタイムで公開する即時公開手段と、を備えたことを特徴とする受注枠管理システムである。
かかる構成によれば、危険度算出手段により、買建維持若しくは売建維持又は保有中の要注意銘柄の株式が、証券会社の望まない忌避価格に推移した場合の予想損失額に、前記忌避価格に的中する確率を加味して銘柄別の危険度を算出する。
又、自社残存枠算出手段の算出した自社残存枠の範囲内で、前記個人受注枠を即時公開手段により顧客にリアルタイムで公開する。そして、自社残存枠がゼロになれば、即時に個人受注枠もゼロと公開される。
このように、要注意銘柄の株式に対する個人受注枠を設けて数値規制すれば、合理的判断力に乏しい顧客に対し、その顧客の射幸心を適切に抑制するので、株式投資の専門家の知識経験を生かしたリスク管理サービスを個人投資家に提供できる。
発明によれば、株式投資の危機管理に関する専門的な知識経験及びノウハウを有する証券会社が、予め危険度の配点表と前記危険度が小さいほど大きな自社受注枠を割り当てるように自社受注枠情報を設定しておき、危機管理の目的で、株式銘柄別の危険度に対応する前記自社受注枠を決定して、顧客からの株式売買の受注を規制することが可能となる。
発明によれば、顧客は速やかに個人残存枠の範囲内で投資するか否かの意思決定ができる。
発明によれば、証券会社は信用取引に伴う融資金の貸倒れ額を最小にすることが可能となる。
発明によれば、株式が換金困難なとき証券会社が所定掛値で買い取る特約に係る証券会社自身の負担額を最小にすることが可能となる。
発明によれば、要注意銘柄の株式に対する個人受注枠を規制すれば、合理的判断力に乏しい顧客に対し、その顧客の射幸心を適切に抑制するので、証券会社が株式投資の専門家の知識経験を生かしたリスク管理サービスを個人投資家に提供できる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は受注枠管理システムのブロック構成図である。図1において、証券会社1は顧客端末(以下、「顧客本人」の意味も含めて「顧客」と略す)2に対し、インターネット3を介してインターネット株取引するための基本構成を示している。このインターネット株取引は、証券会社1が株式売買するための業務全般に利用している周知のバックオフィスコンピュータ(以下、「バックオフコン」という)100にインターネット株取引の機能を付加して、ほぼ無店舗かつ無人で営業することを可能とするものである。
このインターネット株取引のできる環境のなかで、バックオフコン100が、市場8への株式売買の取り次ぎまで処理する一方、バックオフコン100と図示せぬインターフェースにより情報接続、又はバックオフコン100に内蔵された支援コンピュータ6が、バックオフコン100から顧客情報及び株取引情報を取り込んで必要な情報を処理し、顧客2に対し、インターネット3を介して株式銘柄別の自社受注枠4(図6参照)の増減に関するリアルタイムの情報提供を可能とする。又、情報提供に際して、外部情報機関18から入手した銘柄別の株式情報もある程度までは効果的であり、それに加えて、証券会社1で随時かつ任意に定めた銘柄別の取り決めを公表する機能も含んでいる。これらを総合して受注枠管理システム5が構成されている。
図2は、顧客端末から受注枠管理システムへのアクセス手順を示すフローチャートであり、図2の右側に示す顧客2から証券会社1へサービスを要求する際に、まず証券会社1のホームページのなかで受注枠管理システム5へアクセスする(S201)。アクセスが有れば(S202)、顧客2に対して本人確認用のID及びパスワードを要求し(S203)、顧客2から証券会社1へ、ID及びパスワードが正しく送信されたなら(S204)、顧客2に関して本人確認がなされ(S205)、受注枠管理情報の提供が許可され(S206)。そうすると、顧客2へ自社受注枠4に関する最新情報が提供され(S207)、これを顧客2が(S208)が閲覧する。
このように、顧客2は受注枠管理システム5に、随時アクセスし、受注枠管理システム5は顧客2のサービス要求に応答する。一方、受注枠管理システム5は、最新情報が提供(S207)できるように、例えば、証券会社1の担当者等が最新情報を入力して情報更新の操作をした時、又は毎日の定められた時刻に1回程度の頻度で定期的に情報更新(S209)されている。
図3は、受注枠管理システムに用いる支援コンピュータのブロック構成図であり、図3に示す支援コンピュータ6は、中央演算処理部(以下、「処理部」という)10と、記憶部20と、入出力部30と、通信制御部40により構成されている。
処理部10は、危険度算出手段11と、受注残高算出手段12と、自社残存枠算出手段13と、受注制御手段14と、個人残存枠算出手段15と、顧客情報更新手段16により構成されている。なお、本発明は株式の銘柄別に情報サービスするシステムであり、全文及び各図から「銘柄別」の文言を省略している箇所があったとしても、証券会社1、顧客2又は市場8の何れにおいても、基本的には「銘柄別」に作動する管理システムである。
記憶部20は、危険度記憶手段21と、顧客情報記憶手段22と、受注枠記憶手段23と、自社残存枠記憶手段24と、個人残存枠記憶手段25と、購入株数記憶手段26と、準備株数記憶手段27により構成されている。
入出力部30は、管理者端末31、危険度表示手段32と、残存枠表示手段33と、個人残存枠表示手段34と、空売許容枠表示手段35により構成されている。具体的に管理者端末31とは、図示しない周知のパソコン本体、キーボード、ディスプレー及び印刷機等のことであり、それらが通信可能な状態で証券会社1に配備されている。なお、前記各構成要素の機能に関しては、全体説明のなかで適宜説明を加える。
通信制御部40は、支援コンピュータ6が、情報処理するのに必要な、顧客情報及び株取引情報をバックオフコン100から取り込むほか、顧客2に対しインターネット3を介して株式銘柄別の自社受注枠4の増減に関するリアルタイムの情報提供を可能とする。又、通信制御部40は公開情報のみならず、守秘機能を伴う個別通信手段41も具備しており、図2に沿って説明したID、パスワード要求(S203)及びID、パスワード送信(S204)により対応する。
なお、図示せぬWWWサーバにメールサーバ機能を持たせ、顧客2の個人IDとメールアドレスを格納しておき、支援コンピュータ6よりWWWサーバに個人ID及び当該情報を送信して、WWWサーバが個人IDに対応したメールアドレスを持つ顧客2宛に電子メールを自動的に送信するように通信制御部40でコントロールしてもよい。そうすることにより、証券会社1から必要な情報をリストアップして印刷の出力を行うことのほか、インターネット・メール等で顧客2に自動通知を行うこともできる。
図4は銘柄別の株式情報に基づく危険度(安全度)の配点表であり、証券会社1が株式銘柄別に自社受注枠4(図6)の増減に関するリアルタイムの情報を提供する基準である。この銘柄別の危険度(安全度)の算出結果は、合計100(0)点が最悪で、0(100)点が最良の状態を意味しており、もし、「危険度」と「安全度」の何れかを顧客2に公表する場合は、0点〜100点の点数による「安全度」のみを表示する。点数は採点プログラムに採点させるほか、証券会社1の専門家が直接に採点しても構わない。むしろ、採点プログラムに採点させるよりも、専門家の知識経験による危機管理を顧客2にサービスする方が、より効果的な場合がある。
すなわち、支援コンピュータ6の採点プログラムに想定しない事態に対応する際には手動配点する。この手動配点するときも、銘柄別の株式情報に基づいて証券会社1が想定する損失発生額にその発生確率を加味して銘柄別の危険度(安全度)を配点する。極端な例として、当該企業が倒産することを示唆する情報を証券会社1が入手したならば、直ちに危険度100点/安全度0点と配点し、信用取引の銘柄別の自社受注枠4(図6)を0に絞り、事実上、取引停止とする。このような専門家の知識経験に基づく危機管理を顧客2にサービスすることも、本発明の目的の一つである。
つまり、「株式売買の出来高又は財務諸表を含む銘柄別の株式情報に基づいて証券会社(1)が要注意と認定する要注意銘柄の株式に関し、現物取引又は信用取引をする顧客(2)に対して証券会社(1)が任意に設定する当該株式の銘柄別に個人受注枠(9)の増減をする」ということを意味している。
さらに、「買建維持若しくは売建維持又は保有中の当該株式が、証券会社(1)の望まない忌避価格に推移した場合の予想損失額に、前記忌避価格に的中する確率を加味して銘柄別の危険度を算出する危険度算出手段(11)」は、以下のようにして目的を達成する。
すなわち、「忌避価格に推移した場合の予想損失額」とは、例えば株価が0円に落ちた場合の損失額、「忌避価格に的中する確率」とは企業状況から予想される事態の確実性をいう。危険度算出手段11は支援コンピュータ6の採点プログラム等を高度利用したものであり、数式モデルによるシミュレーションにより、全自動で相当の精度で予想できるが、実際には専門家の知識経験に基づくパラメータ数値等を適切に利用することにより、予想的中率を格段に向上させている。
なお、危険度算出手段11の第1の意義は、株式売買の出来高又は財務諸表を含む株式情報に基づいて証券会社1が銘柄別に想定する融資金の貸倒れ額にその発生確率を加味した銘柄別の危険度を算出することである。これをコンピュータプログラムで実行させるか、又は専門家に適宜採点させた数値を用いる。
又、ここでいう財務諸表とは、企業の経営成績や財政状態を明確にし、利害関係者に報告する財務会計の報告書のことであり、一般的には、賃借対照表、損益計算書、剰余金計算書、剰余金処分計算書、付属明細表からなる。さらに、経営分析手法として周知の自己資本比率の観点により、又、「証券会社の自己資本規制に関する内閣府令」が定める
「証券会社の自己資本規制比率他」を当該法令が定める数値の範囲内より逸脱する危機の管理を含むものである。このように経営の健全性を客観評価する評価基準が適用される。
例えば、証券会社1の自己資本金に比べて、短期間での出来高が突出して増加した場合は、証券会社1の決済能力を超える危険性が高まるが、経営の健全性の観点からも不健全と見なされる。つまり、証券会社1の企業規模及び支払い能力を逸脱する程の大商いや異常な出来高に対して危険度が高く配点されるように構成されている。
又、危険度算出手段11の第2の意義は、顧客2が保有する株式が換金困難なとき証券会社1が所定掛値で買い取る特約を付けて証券会社1が株式の現物取引をした場合に、証券会社1が銘柄別に想定する前記特約に係る債務の履行により証券会社1が負担する損失発生額に、その発生確率を加味した銘柄別の危険度を算出することである。これもコンピュータプログラムで実行させるか、又は専門家に適宜採点させた数値を用いる。
そして、危険度算出手段11の第3の意義は、証券会社1が要注意銘柄と認定する業績不振企業の発行する株式の株価が変動することにより当該株式を買い若しくは売りの建玉維持又は保有している顧客2の期待が外れた場合を想定した外れ損失額に、期待が外れる確率を加味した銘柄別の危険度を算出することである。これもコンピュータプログラムで実行させる。
なお、危険度算出手段11の第1〜第3の意義に示した計算内容を実行するコンピュータプログラムは、精密な数式モデルに適切な定数等を代入して計算を実行するが、以下に示すアンケート設問形式の枠を株式投資の専門家又は関係者が埋めれば、危険度(安全度)の点数が算出されるようにしても構わない。その他、出来高等の数値は新聞公表される内容と類似の情報を、外部情報機関18から購入し、その情報を支援コンピュータ6により自動的に集計することにより実現可能である。
図4に示す配点表の1行目に10(0)点〜0(10)点の配点で示す「企業イメージ」は、客観的な実態調査の目的に沿ったアンケート等による数理統計的手法を駆使した採点プログラムの集計結果から配点するほか、手動の採点も可能になっている。
配点表の2行目に10(0)点〜0(10)点の配点で示す「株価推移」は、短期、中期、長期の何れかの期間における銘柄別の株価推移が、当該企業の実力相応の自然な上昇を継続するような、いわゆる成長株と見られる株価推移が最上で、そうではなく仕手による高騰又は急落は当然に危険度を高く配点される。
危険度を高く配点されるとは、例えば、配点表の1行目に示した「企業イメージ」が絶頂となるような好材料がないにもかかわらず、当該企業の株式が異常に買い上げられているような状態をいう。このような場合の配点は株価変動の原因となる要因を加味した採点プログラムの計算結果から配点するか、又は専門家に適宜採点させた数値を用いる。
配点表の3行目に30(0)点〜0(30)点の配点で示す「経営の健全性」は、外部格付機関等(図示せず)による評価も参照して採点プログラムの計算結果から配点するか、又は専門家に適宜採点させた数値を用いる。
配点表の4行目に50(0)点〜0(50)点の配点で示す「株式売買出来高の健全性」は、図5に沿って後記する。そして、配点表の5行目に示す1行目〜4行目の配点を合計した数値は銘柄別の危険度(安全度)であり、合計点を100(0)点〜0(100)点で表示している。
この5行目に示した銘柄別の危険度(安全度)は、一般の格付機関等が株式銘柄別に付与する長期安定的な資産価値としての信頼性の格付基準に加えて、例えば2〜3日の短期間で激変する要素が数値表示として反映されることに意義がある。
配点表の右端に記載された「銘柄Aの例」を説明する。「企業イメージ」は2(8)点につき好評の部類、「株価推移」は8(2)点につき、やや不自然な上昇、「経営の健全性」は5(25)点につき財務諸表を基礎とする外部格付機関等の評価によれば健全な部類、「株式売買出来高の健全性」は50(0)点につき極めて不健全とあり、項目ごとの配点を合計したら65(35)点である。
危険度(安全度)が65(35)点の銘柄Aは、図5に沿って後記する危険度(安全度)に対応した銘柄別の受注枠の一覧表によれば、銘柄別の自社受注枠4(図6)が1万株で、お1人様の上限枠は千株に制限されている。
なお、株式売買出来高に基づく危険度(安全度)の採点プログラムとして、「異常な出来高に対して危険度を高く算出する」趣旨に沿って各種の数式を用いることができる。例えば、「特定銘柄の市場出来高占有率」=「特定銘柄の所定期間の出来高/市場における全銘柄の出来高」、又は「所定期間の出来高/発行株式数」等の数式に基づいて算出された点数に、所定の重み付け処理をして採点するか、又は専門家に適宜採点させた数値を用いる。
つまり、短期的に出来高が突出する不自然な状態は、インターネット株取引に顕著な現象で、当該企業の実力を超える程の意図的な人気作りのため宣伝又は風説を流布されたことが原因で発生していることもあり、そのような場合は、外部格付機関等の評価が良くても、瞬間的に危険度を高く設定するように、自動又は手動で対応する必要がある。
具体的には、期間を一日と区切って市場8の出来高を計測した結果が、特定の1銘柄の出来高だけで東京証券取引所(以下、「東証」という)の全銘柄の出来高の1割に達した場合、それだけの要因で、危険度の高い方へと大きく配点が傾き、仮に他の項目が最良点でも合計した危険度(安全度)は50(50)点となる。つまり、劣後銘柄に格付されて取引に制限を加える理由となる。このことは、図5に沿って後記する。
図5は、銘柄別の危険度(安全度)に対応した銘柄別受注枠の一覧表である。図5において、「危険度」と「安全度」の関係は、「危険度」+「安全度」=100であり、両者を適宜に使い分ける。ここでは、「危険度」の方が自社受注枠4を制限する趣旨説明になじみやすいので「危険度」のみで説明する。
危険度0〜10の場合は証券会社1としての銘柄別の自社受注枠4は無制限であり、お1人様の上限枠も担保の範囲内であり、お客様次第である。
危険度11〜20の場合は証券会社1の銘柄別の自社受注枠4は100万株であり、お1人様の上限枠も10万株に規制するので、図1に示すように顧客2にインターネット3を介して受注枠管理情報を告知し、かつバックオフコン100に情報通信することにより、現実に取引制限する。
危険度21〜30の場合は証券会社1としての銘柄別の自社受注枠4は10万株であり、お1人様の上限枠は1万株に規制し、同様に顧客2へ告知し、かつ現実に取引制限する。このとき、図3に示す支援コンピュータ6において、個人残存枠表示手段34(図3)が、受注枠記憶手段23の記憶する銘柄別の自社受注枠4又は自社残存枠7(図6)の数値を、例えば10万株を10で割り算し最低売買単位の倍数に整えた1万株を顧客1人の取引上限枠として表示する。
又、個人残存枠表示手段34において、10万株を割り算する係数は10に限定されず、千株その他の最低売買単位の倍数に整える際に、端株を切り上げるか切り捨てるか四捨五入するかの計算処理はプログラムにより適宜実行する。
危険度31〜80の場合は証券会社1の銘柄別の自社受注枠4は1万株であり、お1人様の上限枠は千株に規制し、同様に顧客2へ告知かつ現実に取引制限をするが、告知する目的は、第一に証券会社1と顧客2の双方のリスクを限定し、第二にその趣旨で取引制限され不満を抱くであろう顧客2を速やかに納得させることである。したがって「人気銘柄につき、お1人様千株に限定中」等、納得させやすい文言を表示する。
又、顧客2を速やかに納得させる配慮が重要な意味を持つ理由の一つとして、インターネット証券専業のある証券会社によれば、平成16年7月8日時点において、毎月1万3千口の新規口座開設数があり、その1割が(投資初心者の)専業主婦とあり、その客層に固有の思考習性及び感性に対応する必要があるからである。
又、銘柄別の危険度を告知する場合として、確実に株価が0円に収斂する見通しの株式を市場8での買い注文があるとすれば、例えば1円と2円の倍額に変動する間で瞬間的な投機筋に限定され、近日中に一般的な換金売却が困難になることがわかっているとき「危険度の高い銘柄なので、信用取引を停止します」と表示するような場合も含まれる。この場合、証券会社1と顧客2の両方ともリスクを制限されることになる。
なお、前記「確実に株価が0円に収斂する見通しの株式」そして、「近日中に一般的な換金売却が困難になる」ことは、現実の出来事であり、「買建維持若しくは売建維持又は保有中の当該株式が、証券会社(1)の望まない忌避価格に推移した場合の予想損失額に、前記忌避価格に的中する確率を加味して銘柄別の危険度を算出する危険度算出手段(11)」の機能する目的を意味している。
すなわち、危険度算出手段11により、買建維持若しくは売建維持又は保有中の要注意銘柄の株式が、証券会社1の望まない忌避価格に推移した場合の予想損失額に、前記忌避価格に的中する確率を加味して銘柄別の危険度を算出する。なお、売建玉の場合、忌避価格に推移するとは値上がりを意味する。
このようにして算出した結果、危険度81〜100の場合は証券会社1としての銘柄別の自社受注枠4は0であり、個人受注枠9、すなわち、お1人様の上限枠も当然に0に規制し、現実に取引制限する。この取引禁止銘柄に関しては顧客2へ告知してもしなくても、自動的に受注拒否される。つまり、顧客2がインターネット3を介してインターネット株取引しようとする情報が、バックオフコン100から支援コンピュータ6に通知(図1参照)され、個人残存枠表示手段34(図3)の表示する取引上限枠、すなわち、個人残存枠17の数値を超える受注があれば受注制御手段14が作動して拒否する。
支援コンピュータ6において、銘柄別の安全度としても流用可能な危険度の配点表による計算処理の結果、受注枠管理をリアルタイムに実行することが可能となる。なお、ここでいう「危険度」と「安全度」は合計すると100になる関係であり、簡単な引き算により数値を操作して表現を変えたものである。すなわち、最も安全な状態を危険度0点/安全度100点とし、逆に最も危険な状態を危険度100点/安全度0点と定義している。したがって平均的には危険度50点/安全度50点が、可もなく不可もない状態を意味する。
しかし、銘柄別の危険度(安全度)に関し、例えば、安全度30点という劣後銘柄は100点満点−安全度30点=危険度70点と、支援コンピュータ6の簡素な計算処理により算出するが、危険度算出手段11による自動配点は、現実に即した経験則からなる数式モデルをプログラムにより忠実に反映させるほか、証券会社1の有資格者による任意かつ直接の配点により定めることもできる。なお、安全度をアルファベット表示又は漢字表示にしても構わない。
又、「危険度」は日々のリアルタイム情報である。一方、周知の格付機関等が公表する銘柄別の「格付」は、大きな変動要因がない限り、数ヶ月単位で維持されるのが普通であるので、ここでいう「安全度」とは情報の即時性の点で異なるが、顧客対応上、「危険度」という露骨なマイナスイメージの用語を避けたいための便宜的な表記に過ぎない。
このことは、証券会社1の内部で「要注意銘柄」又は「危険度」との申し合わせは有益であっても、顧客対応上は露骨な表現が嫌われるので、数字を加工して「安全度」又は「格付」と表示する。したがって、証券会社1内部では「危険度」と呼び、リスク管理の判断材料として用い、顧客2に告知する際は「安全度」又は「格付」と表記して営業上の阻害要因になることを避けている。又、個人投資家が通常用いる一般的な投資判断情報には、面柄別に「魅力」の要素が盛り込まれているのに対して、本発明にいう「危険度」と「安全度」は危機管理に必要な情報のみを明示するため、「魅力」の要素は含んでいない。
なお、銘柄別の危険度(安全度)情報を書き込みできる者は、証券会社1で相応の権限を付与された有資格者に限られており、その有資格者を本人確認する手段として、パスワード等を用いたセキュリティー管理がなされるものとし、書き込み内容に対する悪意の改ざん等、不正行為を防止する。一方、書き込まれた銘柄別の安全度の読み出し及び表示は、証券会社1の社内に設置された端末機等の簡単な操作により、誰にでも閲覧できるようにしておくとよい。即時公開することに意義があるからである。
又、本発明にいう銘柄別の自社受注枠4とは、証券会社1が受注できる銘柄別の最大許容枠であり、枠を増減することがリスクの制限に寄与する。例えば、株価が不利益になる方向へと急変し、暴落した株式を東京証券取引所の第一部市場(以下、「東証一部」又は「市場」と略す)で売却不能であるならば、市場8の外で証券会社1が顧客2から買い取る等の特約がある場合、リスクを制限する効果が顕著に発揮される。
具体的には、特約による買い取り処理を余儀なくされる可能性が高い銘柄に対しては、証券会社1にとって危険負担の大きい分だけ、最大許容枠を少なく絞り、逆に危険負担が少なければ、最大許容枠を大きくしてビジネスチャンスを拡大する。このようなリスク管理の効果は証券会社1のみに一方的に有益なだけでなく、顧客2にもリスク制限の効果が及ぶので、新しいサービスとして評価される可能性がある。
図6は、受注枠と残存枠の説明図であり、2本の柱状帯グラフのうち、左側は証券会社1の自社受注枠4が総枠10万株であることを示し、右側は顧客2の個人受注枠9が総枠1万株であることを示している。
左側の柱状帯グラフに示す自社受注枠4が総枠10万株である場合、既に受注残高が9万株に達しているので、これを下式の通り差し引いた1万株が自社残存枠7である。
自社残存枠7 = 総枠10万株 − 受注残高9万株 = 1万株
又、顧客2の個人受注枠4が総枠1万である場合、既に受注残高が3千株に達しているので、これを下式の通り差し引いた7千株が個人残存枠17である。
個人残存枠17 = 総枠1万株 − 受注残高3千株 = 7千株
なお、自社受注枠4の総枠10万株は、証券会社1と取引している多数の顧客2に割当られるが、この一例が買い注文だけに限るとすれば、1万株の自社残存枠7に対して1人の顧客2から注文を受けたならば、その時点で証券会社1の自社残存枠7はゼロとなり、それ以後の注文は自動的に拒否される。
ただし、図6に示した状況における自社残存枠7には、1万株の自社残存枠7に対し、図示する1人の顧客2からは7千株しか受注できない。すなわち、この顧客2は7千株しか個人残存枠17がないので、その7千株の注文を証券会社1が受けたならば、その時点で証券会社1の自社残存枠7は3千株となり、他の顧客分として3千株の空きがあることをリアルタイムに表示できる。ただし、表示内容は、顧客2の興味ある箇所だけに限定すればよい。
なお、危機管理を、証券会社1自身を守る目的に限定するならば、信用取引の場合に限って必要となり、現物取引の場合は危機管理に対する必要性及び効果がない。その理由として信用取引に関しては、証券会社1より顧客2への融資があるため、その融資金が未回収に終わる危険性が証券会社1に残るが、現物取引における値下がりによる損失発生の危険性は顧客2の自己責任に帰する。
このため、証券会社1が顧客2の危険負担を軽減するサービスは、だれかれの別なく個人受注枠9の設定のみでよいという事になる。したがって、現物取引の場合、証券会社1自体にリスクがないので、証券会社1の自社受注枠4は無制限にすればよい。ただし、「値下がり株の買い取り特約」を考慮しない場合に限る。
図7は銘柄別安全度に対応して設定された自社受注枠4及び自社残存枠7のうち買い建玉のみに限定して表示した説明図である。なお、この図7では売り建玉を省略し、買い建玉のみに限定して簡略化した説明をする。図7において、接客中の証券会社1の社員等が、銘柄別の安全度を読み出した表示形態を例示している。ここで、東証一部が、開いている2004年3月2日のAM10:15に、証券会社1の社員等が、社内の端末機を操作して銘柄別の安全度を検索し、銘柄別の自社受注枠4に関するリアルタイムの情報を閲覧し、顧客2からの売買注文に対応する判断資料として用いる。
なお、「建玉(たてぎょく)」とは、証券取引所(市場8)又は証券会社1による、信用取引や先物取引などにおいて、売買契約をした株式等であって、買戻しや転売によって取引関係を終了する決済をしていないものをいう。又、「売建」とは売りの建玉、「買建」とは買いの建玉を意味する。ちなみに、「買い建てる」又は「売り建てる」とは前記売買契約を開始する行為を意味する。
図7に示すように、証券会社1の社員等が、検索キーワードとして、検索コード「5941」又は、銘柄名「世界貿易公社」と入力すれば、安全度70点(表示は任意)の銘柄であるため銘柄別の自社受注枠4を10万株と表示される。ただし、この銘柄別の自社受注枠4の10万株は、証券会社1にとって安全度70点の銘柄に対する最大許容限度であり、銘柄別の自社受注残高が9万株だとすれば、銘柄別の自社受注枠4は10万株から自社受注残高9万株を差し引いた残り1万株が、2004年3月2日AM10:15における現在受注可能な余力であり、この1万株を自社残存枠7と称している。
顧客2からの注文が自社受注枠4の限度を超えているか否かを、自社残存枠7の表示値と見比べた証券会社1の社員等は、瞬時に判断できるばかりでなく、その社員等の不注意による誤受注、すなわち、あってはならない安全限度を超える超過受注に関しては、自動的に受注拒否される。
具体的には、顧客2がインターネット3を介してインターネット株取引しようとする情報を、バックオフコン100から支援コンピュータ6に通知(図1参照)され、個人残存枠表示手段34(図3)の表示する取引上限枠(図6)を超える受注があれば受注制御手段14(図3)が作動して拒否する。
このように、支援コンピュータ6の受注制御手段14がケアレスミス予防もするので、危険防止のために過剰反応して商機を逃すような誤判断、又は、安全限度を超える超過受注の心配がない。このことは、証券会社1等が暴落株を買い取りにより手仕舞いする特約があれば、その特約に沿って契約履行する可能性の高い銘柄を要注意銘柄として危険度を高く(安全度を低く)設定し、自社受注枠4を適切に規制し、証券会社1側の危険負担を回避できることを意味する。
このように、支援コンピュータ6をバックオフコン100に付加して一体の状態で高度利用し、危険度の配点表(図4)による計算処理による銘柄別の「危険度」を、表現上は「安全度」と情報加工することにより公表しやすくする。このリアルタイムの「危険度(安全度)」を証券会社1から顧客2へ告知しておくことにより、リスク回避のために事実上の受注制限を実行することが可能となる。
例えば、人気銘柄を証券会社1に買い注文した顧客2が、現実に受注制限された場合の反応は2通りある。受注制限を知らなかった場合と、知っていた場合の2通りある。先ず、受注制限されることを予想していなかった顧客2が、電話又はインターネットにより注文した直後にはじめて受注制限を知った場合に不快感を伴うことが多い。それは、自分ひとりだけに対する差別待遇かと誤解して不満を抱くからである。
そこで、本発明により、銘柄ごとの受注制限を予め知らせておくこととし、リアルタイムの「安全度」を、証券会社1から顧客2へ告知しておけば、証券会社1と顧客2の双方にとってリスク回避するための受注制限である旨の理解が得やすくなるか、あるいは単純に「人気銘柄につき、ただ今、お一人様、千株だけ買い注文を受け付けます」との表示の意味を素直に承諾してもらうこともできる。
さらに、銘柄別の受注制限に関する情報をつかんでいる顧客2は、積極的に銘柄別のポートフォリオを組みやすくなる、すなわち、買えない銘柄を外して、買える銘柄のみで確実にポートフォリオを構成するという、顧客2へのサービス効果が発揮できる。
なお、図7に示したように買い建玉のみならず、空売りによる売り建玉に関する表示(図示せず)と一対に並べて表示することが理想的であるが、そうした場合は、買い建玉残高と、売り建玉残高との相互関係から、それぞれに対する現実的な危険負担とビジネスチャンスをバランスさせる観点から、証券会社1が任意に定めた重み付け数式を適用する計算処理等を施すことにより、自社残存枠7を妥当な数値で表示する。当然のことながら、証券会社1は独自の判断で必要と認める都度に、自社残存枠7を適宜妥当な数値に設定し直して表示することができる。
又、図7において、実際に公開する情報は、「日時」「銘柄」「お1人様の上限枠」だけに限定しても、本来の目的に沿った効果を発揮することができる。
図8は、銘柄別の安全度に対応して設定された銘柄別の自社受注枠4及び自社残存枠7により、買い建玉と、空売りによる売り建玉と、を総合表示した説明図であり、図7と同様に検索コード「5941」又は、銘柄名「世界貿易公社」と入力することにより、安全度70点(表示は任意)の銘柄であるため銘柄別の自社受注枠4が10万株と表示されている。
ここで、銘柄別の受注残高が8万2千株だとすれば、自社受注枠4の10万株から自社受注残高8万2千株を差し引いた残り1万8千株が、2004年3月2日AM10:15における現在受注可能な余力であり、この1万8千株を自社残存枠7と称している。
ただし、自社受注残高が8万2千株であることの算出方法として、買い建玉残高9万株から、空売りによる売り建玉残高8千株を、差し引いた残りが8万2千株となる減算値を自社受注残高として用いている。すなわち、空売りは所定期日の到来による買戻しがあるので、買い建玉残高9万株が、空売りによる売り建玉残高8千株の分だけ減殺されることを、所定期日の到来前に略式計算してしまうことを意味している。
又、自社残存枠7を超える受注があり、本来ならば受注拒否すべき場合であるにもかかわらず、証券会社1の社員のミス等により超過受注する事故を防ぐ必要がある。そのための受注制御手段14(図3)として、図示せぬ超過受注防止機能及び超過受注警告表示機能を、バックオフコン100又は支援コンピュータ6の何れかに具備しておく。
そうすれば、超過受注の事故を完全に防止できるばかりでなく、「超過受注のため受注拒否する」旨の意思表示を、顧客2に対して適宜に即答できるので、顧客2からの依頼事項に対する証券会社1の債務不履行という接客上のトラブルをも未然に防止できる。
なお、銘柄別の受注残高9万8千株の詳しい内訳は、現在の買い建玉9万株及び空売りによる売り建玉8千株の総合計である。ここで、証券会社1の社員等が、何らかの手段により銘柄別の危険度(安全度)を検索し、その銘柄別の危険度(安全度)に対応した銘柄別自社受注枠4に関するリアルタイムの情報を閲覧し、危険負担の大きい分だけ、最大許容枠を少なく絞る。
逆に危険負担が少なければ、最大許容枠を大きくしてビジネスチャンスを拡大する目的で、顧客2からの売買注文の可否を瞬時に判断し、自社受注枠4を管理するシステムであれば、表示形態等を変形しても構わない。
又、図8において、実際に公開する情報は、「日時」「銘柄」「お1人様の上限枠」だけに限定しても、本来の目的に沿った効果を発揮することができる。
図9は、個人受注枠と個人残存枠の表示例であり、個人受注枠9から受注残高を差し引いて個人残存枠17を算出し、顧客2の個別要求に応じて通知した際の表示画面に相当する。詳しくは、図3に示す個人残存枠算出手段15で個人受注枠9よりそれぞれ個人の受注残高を差し引いた個人残存枠17を算出する。又、個人残存枠記憶手段25(図3)に個人残存枠算出手段15(図3)の算出した個人残存枠17(図6)を記憶し、適宜検索して用いる。
しかも、周知のID,パスワードを用いて個別通知手段41(図3)を構成し、秘密管理された個人残存枠17を、顧客2の個別要求に応じて通知することができる。
又、この受注枠管理システム5は、証券会社1が取引する全ての顧客2の買注文で未売却分の購入株数と証券会社1が自己調達可能な準備株数の銘柄別リアルタイム合計値を当該銘柄の空売許容枠と規定し、前記購入株数を記憶する購入株数記憶手段26(図3)と、前記準備株数を記憶する準備株数記憶手段27(図3)と、前記それぞれの記憶手段に記憶されている前記購入株数及び前記準備株数の銘柄別リアルタイム合計値を空売許容枠として表示する空売許容枠表示手段35(図3)と、を備えたオプション仕様としてもよい。
この空売許容枠表示手段35により、証券会社1が自社責任において決済可能な空売許容枠を、リアルタイムに表示することができる。
つまり、この空売許容枠は、証券会社1が取引する全ての顧客2の買注文で未売却分を銘柄別に合計した購入株数と、証券会社1が自前で調達できる準備株数の銘柄別リアルタイム合計値を、購入株数+準備株数=空売許容枠として表示される。
その他、図4に示した危険度(安全度)の配点表における配点基準と計算式は証券会社1が任意に作成したプログラムによるものとし、図7〜図8に示した自社受注枠4、自社受注残高、自社残存枠7及び「お1人様の上限枠(割当表示)」の表示形式及び文言等は、図面に記載したものに限定されることなく実施可能である。
なお、受注枠管理システム5には、インターネット3に代わる通信手段があれば、必ずしもインターネット3を用いる必要はない。
受注枠管理システムのブロック構成図である。 顧客端末から受注枠管理システムへのアクセス手順を示すフローチャートである。 受注枠管理システムに用いる支援コンピュータのブロック構成図である。 銘柄別株式情報に基づく危険度(安全度)の配点表である。 危険度(安全度)に対応した銘柄別受注枠の一覧表である。 受注枠と残存枠の説明図である。 銘柄別安全度に対応して設定された自社受注枠及びお1人様の上限枠であって、買い建玉のみに限定して表示した説明図である。 銘柄別安全度に対応して設定された自社受注枠及びお1人様の上限枠であって、買い建玉と空売りによる売り建玉を総合表示した説明図である。 個人受注枠と個人残存枠の表示例である。
符号の説明
1 証券会社
2 顧客(顧客端末)
3 インターネット
4 自社受注枠
5 受注枠管理システム
6 支援コンピュータ
7 自社残存枠
8 市場
9 個人受注枠
10 処理部
11 危険度算出手段
12 受注残高算出手段
13 自社残存枠算出手段
14 受注制限手段
15 個人残存枠算出手段
16 顧客情報更新手段
17 個人残存枠
18 外部情報機関
20 記憶部
21 危険度記憶手段
22 顧客情報記憶手段
23 受注枠記憶手段
24 自社残存枠記憶手段
25 個人残存枠記憶手段
26 購入株数記憶手段
27 準備株数記憶手段
30 入出力部
31 管理者端末
32 危険度表示手段
33 自社残存枠算出手段
35 空売許容枠表示手段
40 通信制御部
41 個別通知手段
100 バックオフィスコンピュータ

Claims (3)

  1. コンピュータを利用した受注枠管理システムにおいて、
    株式銘柄別の株式情報に対して所定の基準に係る危険度を点数に換算する危険度の配点表と、前記危険度の配点に対して前記危険度が小さいほど大きな自社受注枠を割り当てるように対応させられている自社受注枠情報とを記憶する記憶手段と
    取得された前記株式銘柄別の株式情報を基に、前記危険度の配点表を検索して対応する配点を抽出して、抽出された点数の合計を算出し、その点数の合計を基に自社受注枠情報を検索して対応する自社受注枠を出力する算出手段と、
    を備え、
    取得した前記株式銘柄別の株式情報を基に、前記算出手段によって自社受注枠を算出し、
    前記自社受注枠から受注済みである受注残高を差し引いた自社残存枠を算出すること、
    を特徴とする受注枠管理システム。
  2. さらに、前記自社受注枠の株数を所定の数値で除算し、その除算によって得られた数値を切り上げ、切り捨て又は四捨五入によって最低売買株式数単位の倍数とする演算を行って前記自社受注枠の範囲内で個人受注枠を決定し、
    前記個人受注枠からそれぞれ個人の受注残高を差し引いた個人残存枠を算出すること、を特徴とする請求項1に記載の受注枠管理システム。
  3. 前記株式銘柄別の株式情報は、
    企業イメージについてのアンケート調査の集計結果の値と、
    経営の健全性について外部格付け機関によって評価された値と、
    株式売買出来高の健全性について特定銘柄の所定期間の出来高を市場における全銘柄の出来高で割り算した値又は所定期間の出来高を発行株式数で割り算した値と、
    証券会社の固定化されていない自己資本の額に所定の数値を乗算して株価で割り算した値と、
    のいずれか一つの値又はそれらの値の組み合わせに基づくものであること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受注枠管理システム。
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