JP4004089B2 - ビデオ信号復号化システムおよびノイズ抑圧方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズ・アーティファクト(artifact)を除去するフィルタを含む高品質ビデオ符号化/復号化システムとして実現される。より詳細には、本発明は、離散コサイン変換に基づく(DCTに基づく)何らかのビデオ復号化システムにおいてリンギングノイズを除去する異方性拡散フィルタ(anisotropic diffusion filter)に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロック離散コサイン変換(ブロックDCT)に基づく画像圧縮アルゴリズムが、ある状況下では不快なノイズアーティファクトを生じることがあることはよく知られている。このような状況は、符号化システム全体の詳細が正確にはどのようなものであるかによって変化する。つまり、DCTは、その詳細の一構成要素にすぎない。
【0003】
最近大きな注目を集めた、あるタイプのビデオ圧縮システムは、国際標準化機構(ISO)内の一委員会であるムービングピクチャエキスパートグループ(MPEG)により提案されたシステムである。MPEG−2システムは、ISOからISO−IEC/13818−2:1995(E)として入手可能である、シミュレーションモデルエディトリアルグループによる「MPEG−2ビデオ」と題する書類に記載されている。MPEG−2ビデオ信号符号化および復号化方法に関するその教示については、本願も参考として援用している。このシステムは、「3次元動き補償されたビデオ符号化」と題する米国特許第4,999,705号に記載されている条件付き動き補償補間(CMCI)ビデオ符号化システムに類似するシステムである。ビデオ符号化技術に関するその教示については、本願も参考として援用している。
【0004】
このMPEGシステムは、既によく知られている数多くのビデオ圧縮技術を1つのシステムの中に一体化している。公知のビデオ圧縮技術としては、動き補償予測符号化や、離散コサイン変換(DCT)や、適応量子化および可変長符号化(VLC)などが挙げられる。これらのシステムにおいては、入力画像から得られた、64個の画素からなる複数のブロックに対して離散コサイン変換演算をおこなうことによって生成された複数の係数値に対して、適応量子化ステップがおこなわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
DCT係数は、符号化動作によって発生されたデータの量の関数として解像度を変化させながら、量子化される。固定された帯域幅のチャネルを有するシステムにおいて、もしそれぞれのイメージフレームが比較的大きな量の符号化データを生成すれば、連続する複数のフレームに適用される量子化ステップのサイズは、これらのフレームを表現するのに用いられる符号化データの量を減らすために、大きくする(粗くする)必要がある可能性がある。このことは、数フレーム間隔にわたって生成される平均的レベルのデータを、固定された帯域幅のチャネルを介して伝送可能とするためにおこなわれる。もし、量子化器がDCT係数に対して粗い量子化を施している時に、比較的少数の、細かい輪郭(contours)を有する対象物を含む画像を符号化すれば、この対象物の再生画像には、量子化歪みが生じてしまうことがある。この歪みは、対象物の輪郭に対する強調として現れることになる。
【0006】
MPEG符号化器は、Naimpallyらに付与された2つの米国特許(米国特許第5,294,974号および第5,325,125号)に記載されている。MPEG符号化器に関するそれらの教示については、本願も参考として援用している。
【0007】
MPEG−2復号化器は、現在では市販のものが入力可能である。そのような復号化器は、「MPEG−2/CCIR 601ビデオデコーダ」(SGS-ThomsonMicroelectronics、1994年7月)および「IBM MPEG−2デコーダチップユーザズガイド」(IBM、1994年6月)に記載されている。MPEG−2復号化器に関する教示については、本願も参考として援用している。
【0008】
一般に、不快なノイズアーティファクトには2種類ある。すなわち、ブロッキングと、リンギングである(Yuen M.およびWu H.、「ディジタルビデオ圧縮における復元アーティファクト」、Proc. of SPIE、第2419巻、1995年、第455〜465頁に記載されている。ブロッキングおよびリンギングノイズアーティファクトに関する教示については、本願も参考として援用している)。ブロッキングは、DC係数(すなわち、平均強度値)のみが設定される時に生じる。ブロッキングが生じる可能性は、データレートが非常に低い時に最も高くなる。リンギングは、DCT係数、特に高周波AC係数を粗く量子化してノイズが生じた時に発生する。リンギングは、強烈なエッジの近傍に現れる相関ノイズである。高品質の(つまり、圧縮率の低い)システムでは、リンギングは最も目につくアーティファクトである。フレームからフレームへの変化がわずかであるために、リンギングノイズは、動画においては、エッジ近傍の局所的なちらつきとして目に見えるものとなる。このタイプのノイズは、「モスキートノイズ」として知られている。
【0009】
品質の高いシステムは、品質の低いシステムよりも高価であり、生成するノイズも少なくなるものである。低品質システムで発生するノイズは、ブロッキングノイズが圧倒的であるのに対して、高品質システムではリンギングノイズが圧倒的に多い。低品質システムにおけるブロッキング効果を低減するスキームについては膨大な量の研究があるにもかかわらず、そのような各種アプローチは、いずれも高品質圧縮システムにおいてリンギングを低減することに関するものではない。
【0010】
リンギングアーティファクトは、強烈なエッジ近傍の平坦な背景上に発生する。このようなアーティファクトの強度は、背景よりも高くなるが、エッジに比べると低い。したがって、局所的なエッジの強度がわかっていれば、その強度を、変化の有意性を判断する際の尺度(つまり、その尺度を下回る場合には、変化は有意なものではないと判断される)の規定に用いることができる。
【0011】
このタイプのノイズアーティファクトは、異方性拡散として知られている技術を用いることによって減らすことができる(Perona P.およびMalik J.、「異方性拡散を用いたスケール−スペースおよびエッジ検出」、IEEE Trans. on Pattern Analysis and Machine Intelligence、第12巻、1990年、第629〜639頁に記載されている。異方性拡散に関するその教示については、本願も参考として援用している)。異方性拡散は、あるスケール閾値kを下回る変化については、その閾値を上回る各種特徴を維持あるいは改善しながら、それらを選択的に平滑化することを可能にする。
【0012】
KDD R&D研究所は、カラオケ機におけるMPEG1画像を改善するポストフィルタを開発した(Nakajima Y.ら、「MPEG符号化ビデオのノイズリダクション用の後処理アルゴリズム」、Tech. Report of IEICE-Japan、IE94-7、DSP94-7、1994年、第45〜51頁に記載されている。ポストフィルタに関する教示については、本願も参考として援用している)。このシステムは、最良の局所的雑音除去フィルタの線形最小2乗推定値を計算するために、局所的平均値と変化値とを計算する。このフィルタは、エッジ保存型ではあるが、そのエッジ依存度は、明示的だが複雑な方法により操作される。このKDDシステムは、MPEGには非常にうまく合致している。すなわち、その符号化スキームに含まれる数多くの複雑な詳細と、そのスキームにより処理されたピクチャの統計とを活用している。しかしながら、このKDDシステムのハードウェアコストは非常に高い。
【0013】
画像の不鮮明な部分を除去し、画質を改善するための異方性拡散アルゴリズムに関しては、これまでに数多くの論文が発表されてきている(Saint-Marc P.、Chen J.およびMedioni G.、「適応平滑化:初期ビジョン用の一般的手段」、IEEE Trans. on PAMI、第13巻、1990年、第514〜529頁、ならびにAlvarez L.、Lions P.およびMorel J.、「非線形拡散による画像の選択的平滑化およびエッジ検出II」、SIAM J. Numerical Analysis、第29巻、1990年、第845〜866頁に記載されている。画像の不鮮明な部分を除去し、画質を改善するための異方性拡散アルゴリズムに関するそれらの教示については、本願も参考として援用している)が、その技術をブロックDCTシステムに適用することを考えたものはごくわずかである。El−Fallahは、圧縮以前にノイズを除去するためのプレフィルタとして異方性拡散を用いることを報告している(El-Fallah A.、Ford G.、Algazi V.およびEstes R.、「画像の平均曲率拡散時におけるエッジおよびコーナーの不変性」、Proc. of SPIE、第2421巻、1995年に記載されている。異方性プレフィルタに関するその教示については、本願も参考として援用している)。このフィルタは、ポストフィルタとしては用いられていない。OsherおよびRudinは、密接に関連する「ショックフィルタ」を開発した(Osher S.およびRudin L.、「ショックフィルタを用いた特徴志向の画像改善」、SIAM J. Numerical Analysis、第27巻、1990年、第919〜940頁に記載されている。ショックフィルタに関するその教示については、本願も参考として援用している)が、ブロックDCTシステムに関しては全く言及していない。
【0014】
異方性拡散においては、もしエッジの強度が、慎重に規定された臨界閾値kを超えているのなら、エッジを横切ってノイズ除去のための平均化をおこなうことは抑制される。このように平均化が抑制されると、エッジ保存型の平滑化がおこなわれることとなる。すなわち、各領域を保存しながら、領域内ノイズを除去することになる。ここで、領域間の境界は、暗黙のうちに閾値エッジを超えているものとして認識される。
【0015】
既に引用したPeronaおよびMalikは、静止成分を有するピクチャに対して、グローバル勾配の90パーセンタイルに等しい臨界閾値を設定することを提案しているが、非静止画に対する閾値を局所的に変化させることについては何の詳細も示してはいない。また、既に引用したEl−Fallahらは、そのアプローチには調整可能なパラメータが全くないという事実を重視している。
【0016】
以上に、ノイズ除去システムにおいて存在することがわかっているいくつかの制約を説明した。本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、MPEG復号化信号からリンギングノイズアーティファクトを除去できる異方性ポストフィルタリンギングノイズ除去システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によるビデオ信号復号化システムは、量子化された空間周波数成分を用いて圧縮された複数のデータ値をディジタル的に復号化するビデオ信号復号化システムであって、画像復元後にある範囲のノイズを抑圧するフィルタリング装置を備えたシステムに用いられる装置であって、イメージフレームの一部分を記述する、復号化された複数のデータ値を受け取る手段と、該受け取られた複数のデータ値をフィルタリングすることによって、閾値を下回る複数の値を有する複数の信号エッジ成分を選択的に抑圧する異方性拡散フィルタリング手段と、を備えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】
ある実施形態では、前記閾値が、前記イメージフレームの前記部分における最大勾配値の所定の分数である。
【0019】
ある実施形態では、前記異方性拡散フィルタリング手段が、前記イメージフレームの前記部分における前記最大勾配値から決定される伝導値により該異方性拡散フィルタリング手段を制御する手段をさらに備えている。
【0020】
ある実施形態では、前記伝導値が、クリップされた直線近似により決定される。
【0021】
ある実施形態では、前記伝導値が、以下の数7
【0022】
【数7】
【0023】
(ここで、「g」は該伝導値であり、「gradient」は前記最大勾配値であり、「k」は前記閾値であり、かつ「C1」および「C2」は定数である)
により計算される。
【0024】
ある実施形態では、C1が1.21に等しく、C2が−0.85576に等しい。
【0025】
ある実施形態では、前記最大勾配値を決定する手段をさらに備えている装置であって、該手段が、現在の画素の絶対値を、4つの隣接画素のそれぞれの絶対値と比較することによって、最大の絶対値と最小の絶対値とを決定する比較器手段と、該最大絶対値から該最小絶対値を減算することによって、該最大勾配値を決定する減算器手段と、を備えている。
【0026】
ある実施形態では、前記異方性拡散フィルタリング手段が、第1の異方性拡散フィルタと、第2の異方性拡散フィルタと、を備えている。
【0027】
ある実施形態では、前記フィルタリング手段が、前記第2の異方性拡散フィルタによって用いられる因子2によって前記閾値を減少させる手段をさらに備えている。
【0028】
ある実施形態では、前記フィルタリングが、以下の数8
【0029】
【数8】
【0030】
(ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は該現在の画素と隣接する画素との間の絶対値の差であり、かつI(t0)は該現在の画素の絶対値である)により計算される。
【0031】
ある実施形態では、前記フィルタが、以下の数9
【0032】
【数9】
【0033】
(ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は該現在の画素と隣接する画素との間の絶対値の差であり、かつI(t0)は該現在の画素の絶対値である)によりプログラムされる読み出し専用メモリ(ROM)を用いて実現される。
【0034】
本発明によるノイズ抑圧方法は、量子化された空間周波数成分を用いて圧縮された複数のデータ値をディジタル的に復号化するビデオ信号復号化システムにおいて、画像復元後にある範囲のノイズを抑圧する方法であって、a)イメージフレームの一部分を記述する、復号化された複数のデータ値を受け取るステップと、b)該受け取られた複数のデータ値を異方性拡散フィルタリングすることによって、閾値を下回る複数の値を有する複数の信号エッジ成分を選択的に抑圧するステップと、を含んでおり、そのことにより上記目的が達成される。
【0035】
ある実施形態では、前記閾値が、前記イメージフレームの前記部分における最大勾配値の所定の分数である。
【0036】
ある実施形態では、前記ステップb)が、前記イメージフレームの前記部分における前記最大勾配値から決定される伝導値により前記異方性拡散フィルタを制御するステップをさらに備えている。
【0037】
ある実施形態では、前記伝導値が、クリップされた直線近似により決定される。
【0038】
ある実施形態では、前記伝導値が、以下の数10
【0039】
【数10】
【0040】
(ここで、「g」は該伝導値であり、「gradient」は前記最大勾配値であり、「k」は前記閾値であり、かつ「C1」および「C2」は定数である)
により計算される。
【0041】
ある実施形態では、C1が1.21に等しく、C2が−0.85576に等しい。
【0042】
ある実施形態では、前記最大勾配値が、現在の画素の絶対値を、4つの隣接画素のそれぞれの絶対値と比較することによって、最大の絶対値と最小の絶対値とを決定するステップと、該最大絶対値から該最小絶対値を減算することによって、該最大勾配値を決定するステップと、により決定される。
【0043】
ある実施形態では、前記ステップb)が、第1の異方性拡散フィルタおよび第2の異方性拡散フィルタを通して受け取られた複数のデータ値をフィルタリングするステップをさらに備えている。
【0044】
ある実施形態では、前記ステップb)が、前記第2の異方性拡散フィルタによって用いられる因子2によって前記閾値を減少させるステップをさらに備えている。
【0045】
ある実施形態では、前記異方性拡散フィルタリングが、以下の数11
【0046】
【数11】
【0047】
(ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は該現在の画素と隣接する画素との間の絶対値の差であり、かつ I(t0)は該現在の画素の絶対値である)により計算される。
【0048】
ある実施形態では、前記異方性拡散フィルタリングがROMを用いておこなわれる。
【0049】
ある実施形態では、前記ROMが、以下の数12
【0050】
【数12】
【0051】
(ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は該現在の画素と隣接する画素との間の絶対値の差であり、かつI(t0)は該現在の画素の絶対値である)によりプログラムされる。
【0052】
以下に作用を説明する。本発明は、入力ビデオ信号を符号化し、符号化データを伝送し、データを復号化した後に、そのデータをフィルタリングする装置を備えたビデオ信号符号化/復号化システムとして用いられるフィルタシステムとして実現される。このフィルタシステムは、ラスタスキャンフォーマットによる復号化データからなるブロックを復号化器から受け取り、そのブロックに対して異方性拡散を施すことによって、リンギングノイズアーティファクトを抑制する。
【0053】
本発明の上記局面およびその他の局面は、添付の図面を参照しながら以下の本発明の詳細な説明を読めば、明らかになるであろう。
【0054】
【発明の実施の形態】
概略的に表現すれば、本発明のポストフィルタは、符号化され、伝送された後に復号化されて、複数の画素からなる複数のブロックを発生するデータを対象として動作する。ラスタスキャンフォーマットで供給される、複数の画素からなるこれらのブロックを処理するに際して、ポストフィルタは、各ブロックに対してエッジ有意性閾値(edge significance threshold)を決定し、伝導値(conductance value)を決定し、変化を平滑化するためにそのブロック上に異方性拡散を生じさせ、かつ、閾値を超える特徴を保存または改善しながら、閾値を下回るリンギングノイズアーティファクトを除去する。換言すれば、もしエッジの強度がその閾値よりも大きければ、エッジは、ノイズを除去しても影響を受けない。
【0055】
以下に本発明をMPEG復号化システムの観点から説明するが、本発明は、量子化された空間周波数係数により表現されるビデオデータを復号化する任意のビデオ復号化システムに広く適用可能である。
【0056】
図1は、本発明の実施形態を含むシステムのブロック図である。高品質ビデオ信号データが符号化器1に与えられる。符号化器1は、MPEG符号化アルゴリズムを用いてデータを符号化することによって、データを圧縮する。符号化器1は、複数のイメージフレームを生成し、データをブロックフォーマットに変換した後、離散コサイン変換(DCT)圧縮をおこなう。その後、圧縮されたMPEGデータストリームは、伝送チャネル5を介して宛先に送られる。この伝送システムおよびチャネル5は、地上放送チャネルあるいは衛星放送チャネル、またはケーブルチャネルでありうる。データストリームは、その宛先で受信されると、MPEG復号化器9を用いて復号化される。このMPEG復号化器9は、逆離散コサイン変換(IDCT)プロセッサおよび動き補償プロセッサを用いて、表示される複数の画素からなる複数のブロックを発生する。しかしながら、表示をおこなう以前に、複数の画素からなるこれらのブロックは、ラスタスキャンデータに変換される。ラスタスキャンデータは、異方性拡散フィルタ13にかけられる。フィルタ13は、ピクチャからリンギングノイズアーティファクトを除去する。ラスタスキャンデータは、異方性拡散フィルタ13を通った後、高品質ディジタルビデオとして表示に与えられる。
【0057】
従来の技術による符号化器の一例を図2に示す。このシステムにおいては、あるイメージを記述する赤(R)、緑(G)および青(B)のカラー信号が、ビデオカメラ(図示せず)あるいはその他のビデオソースからラスタスキャン順に供給される。これらの信号は従来のカラーマトリックス回路104により処理されて、輝度信号(Y)および2つの色差信号((B−Y)および(R−Y))を発生する。これらの色差信号(B−Y)および(R−Y)は、ローパスフィルタ106および108によりそれぞれ処理される。本実施例におけるフィルタ106および108は、これらの色差信号をそれぞれ空間的にフィルタリングし、水平方向および垂直方向のそれぞれにおいて輝度信号の半分の空間解像度を有する信号を生成する。
【0058】
輝度信号Y、および空間的にフィルタリングされた2つの色差信号(B−Y)’および(R−Y)’は、ブロック変換器110に与えられる。例えば従来のデュアルポートメモリなどを備えていてもよい変換器110は、これらの信号Y、(B−Y)’および(R−Y)’をラスタスキャンフォーマットからブロックフォーマットに変換する。
【0059】
ブロックフォーマットでは、画像の各フレームは、複数のブロックの集合体として表現される。ここで、各ブロックは、8個の水平画素×8個の垂直画素からなるマトリックスとして配置された64個の画素を有している。ブロック変換器110は、連続するいくつかの画素ブロックを結合することによって、マクロブロックとして知られているデータ構造を構成する。図3は、4個の64画素輝度ブロック310、312、314および316と、1個の(B−Y)’色差信号用64画素ブロック322と、1個の(R−Y)’色差信号用64画素ブロック324とを含むマクロブロックデータ構造の一例を示している。これらの画素値はそれぞれ、8ビットのディジタル値として表現される。ブロック変換器110は、これらの画素値を1度に1ブロックずつ減算器112に供給する。
【0060】
減算器112は、動き補償回路134により供給されたマクロブロック中の各ブロックを、ブロック変換器110により供給されたマクロブロック中の対応するブロックから減算する。減算器112は、動き予測差分符号化マクロブロックを表現するデータを構成する複数のブロックを発生する。発生されたこれらのブロックは、DCTプロセッサ114に与えられる。DCTプロセッサ114は、差分画素値からなる6つのブロックのそれぞれに対して離散コサイン変換を施すことによって、それらのブロックをDCT係数からなる6つの対応するブロックに変換する。その後、これらのブロックはそれぞれ、図5に示すように、ジグザグスキャンを用いて64個の係数からなる直線状ストリームに配列しなおされる。
【0061】
どのブロックの場合でも、これらの係数のうち最初の係数は、そのブロックにおける画素の直流(DC)空間−周波数成分を表現しており、残りの係数は、連続的に空間周波数が高くなっていく各成分を表現している。
【0062】
DCTプロセッサ114により供給された係数値は、量子化器116に与えられる。量子化器116は、各係数値を、割り当てられたビット数を有する2進値に翻訳する。一般に、下位の係数に対しては上位の係数よりも多数のビットが用いられる。なぜなら、人間の目は、低い空間周波数の画像成分に比べて、高い空間周波数の画像成分に対しては感度が低くなるからである。この演算は、例えば、直線化されたブロックにおける各係数値をそれぞれ異なる値によって除算することによっておこなわれうる。後者の値は、係数の周波数に比例する。これらの値を含むアレイは、信号と共に伝送することができる。その結果、信号をその宛先において逆量子化することができる。
【0063】
また、各係数値に割り当てられるビット数は、後述する量子化器制御回路122により供給される値に応じて変えることができる。これらの値は、1マクロブロックにつき1つずつ与えることができる。それによって、各係数値を周波数依存値からなるアレイによって除算する前または後に、マクロブロックにおける各係数値をその値によって除算することができる。量子化器116は、可変長符号化器118および逆量子化器124に与えられる、複数のディジタル値からなるストリームを生成する。
【0064】
可変長符号化器118は、例えば、振幅ランレングスハフマン型符号を用いてデータを符号化する。可変長符号化器118により生成された信号は、先入れ先出し(FIFO)バッファ120に与えられる。FIFOバッファ120は、それらの値を格納し、信号出力として所定のレートで伝送する。
【0065】
固定された帯域幅を有するチャネルに適用する場合には、量子化制御器122は、量子化器116により与えられる量子化ステップサイズを制御することによって、符号化情報が発生される際の可変レートを補償する。バッファがフルであることを示す複数の信号(buffer-fullness signals)に応答して、量子化器制御回路122は、互いに異なる複数のレベルの量子化解像度を、DCT114により供給された係数値に対して与えるように、量子化器116を条件づける。バッファが一杯になっていくにつれて、制御回路122は、連続的に粗くなっていくレベルの量子化解像度を各係数値に与えるように量子化器116を制御する。
【0066】
したがって、FIFOバッファ120は次第に多くのデータを保持するようになる。一方、量子化器116は、受け取った画像を表現する各DCT係数を次第に粗く量子化することによって、より少ないビット数の符号化データを生成するようになる。このように粗く量子化することによって、データが最終的に復号化され、表示される前段階に至った時に、リンギングノイズアーティファクトがデータに生じることになる。
【0067】
これらの値は伝送された後、受け取られて復号化される。典型的な復号化器を図6に示す。獲得されたデータは、可変長復号化器(VLD)123に与えられる。 VLD123は、図2に示す可変長符号化器118によりおこなわれた可変長符号化動作の逆をおこなう。また、VLD123は、符号化された動きベクトル情報を抽出し、動き補償プロセッサ134に与える。固定長符号化データブロックは、逆量子化器124に与えられる。逆量子化器124は、量子化器116によりおこなわれた動作の逆をおこなうことによって、符号化された画像の各ブロックを表現する近似DCT係数を生成する。
【0068】
(1ブロックあたりの)高さが8ラインである複数のDCTブロックの1行に対応するように、各スライスは、ピクチャの8ライン分に相当すると規定され、DCTブロック間の境界と垂直方向に一直線上となるように配置される。それぞれのスライスは、(ピクチャの幅/DCTブロックの幅)個のブロックを含んでいる。したがって、例えば480ラインのMPEG符号化ピクチャは、60個のスライスを含んでおり、各スライスは高さが8ライン相当となる。図4は、ピクチャ350およびDCTマクロブロック360に対するスライス370を図示している。
【0069】
逆量子化器124により供給された複数の係数値からなる複数のブロックは、逆離散コサイン変換(IDCT)プロセッサ126に与えられる。このプロセッサは離散コサイン変換演算の逆をおこなうことによって、複数の画像画素(つまり、動き補償され差分符号化された複数の画素値)からなる復元されたブロックを形成する。
【0070】
復元されたブロックは、動き補償された複数の画素を表現しており、動き補償ユニット134から供給される予測されたブロックと共に、IDCT回路126によって加算器128に与えられる。動き補償ユニット134は、VLDプロセッサ123から受け取った情報に基づき、マルチフレームメモリ130から供給された復号化されたIDCTブロックと結合されるデータを供給する。加算器128は、これらの値を加算することによって、後処理あるいは表示用にフレームメモリ130に格納される復号化画素値を生成する。画素値のうち動き補償されていないブロックは、修正なしでメモリ130に格納される。画像データは、ラスタスキャン順にメモリ130から供給される。
【0071】
図7は、本発明による異方性拡散フィルタの一例を示すブロック図である。MPEG復号化データは、ラスタスキャン順でこのフィルタに与えられる。このラスタスキャンにおいては、MPEG復号化器により処理された画素データの各ブロックに対応する、別々のエッジ有意性閾値が複数の画素に対して計算される(20)。エッジ有意性閾値を決定した(20)後、フィルタは拡散をおこなう(30)。ある与えられた画素については、4つの隣接画素が拡散に寄与する。ここで、各隣接画素は、それぞれに固有の伝導値を有している。伝導度は、ΔI(隣接画素と中心画素との間の強度差)およびk(中心画素を含んでいるブロックに対するエッジ有意性閾値)に基づいて計算される。拡散がおこなわれた後、フィルタは結果として得られた画素値を出力し、表示させる。
【0072】
図8および図9は、図7に示す本発明の実施形態において好適に用いられる回路の一例を示すブロック図である。入力されたフレームはそれぞれ、輝度フレームYと、2つの色差フレームCrおよびCbと、を有している。輝度フレームは、色差フレームとは別個に処理される。図8は、シングルパス異方性拡散動作をおこなうのに好適である回路を示しており、図9は、マルチパス動作をおこなうのに好適である回路を示している。
【0073】
本発明のフィルタは、処理されているデータに対して複数回のパスをおこなう。データが1回目のフィルタリングにかけられた後、データは第2のパスに通すようにフィルタに戻される。それによって、ノイズをさらに除去することが可能となる。
【0074】
一般に、複数の画素からなるブロックの勾配は、エッジ有意性閾値kを選択する際の基礎となる。もしブロックが高コントラストのエッジを備えているのなら、そのエッジに沿った勾配は大きくなる。強度の大きいエッジは、DCTベースの圧縮システムに通された後、リンギングを生じると予想される。また、このリンギングの大きさは、エッジの大きさよりもはるかに小さくなるとも予想される。したがって、真のエッジ強度に基づいてエッジ有意性閾値を設定すれば、異方性拡散によってリンギングを除去できるはずである。しかしながら、ブロック内において単に臨界エッジ有意性閾値kを最大勾配に等しく設定するだけでは、過度の平滑化が生じることになってしまう。本発明者は、0.5×max gradで適正な量の平滑化が得られることを発見した。したがって、kは以下の数13により決定される。
【0075】
【数13】
【0076】
因子0.75は、(後述する)伝導度関数と勾配値との間の整合性を改善するために用いられる実験因子である。
【0077】
上記法則は、モノクローム画像に当てはまる。また、この法則は、以下に説明するいくつかの方法においてカラー画像にも拡張されうる。
【0078】
カラーイメージングシステムは、カラービデオ信号を直交信号の組み合わせ(例えば、R、G、BあるいはY、Cr、Cb)として扱う。これらの直交座標系の間で変換をおこなうために複数のカラーマトリックスが用いられる。エッジを勾配としてカラー画像に対して直線状に延長すると、以下の数14に示すように、勾配を3つのカラー勾配のユークリッド型絶対値(Euclidean magnitude)として扱うことになる。
【0079】
【数14】
【0080】
この法則は、テレビジョンイメージングにおいて通常用いられる方便であるカラーサブサンプリングによって、さらに複雑なものになる。テレビでは、YUV(Y、Cr、Cb)カラー座標系が最も一般的に用いられている。各フレームは、輝度フレームYと2つの色差フレームCrおよびCbからなる。UおよびVは、知覚可能なアーティファクトなしで、水平方向に因子2を用いてサブサンプリングできることが実験的に示されている。このサブサンプリングをともなう画像をYUV422画像と称する。
【0081】
YUV422画像の場合のカラー勾配を計算するためには、ダイレクトアップサンプリングをおこなうか、または補間をおこなうことによって、欠けているサンプルを再生するのが望ましい。その後、アップサンプリングされた画像に対して異方性拡散フィルタが適用される(UおよびVについては、YUV422ハードウェアコストの2倍のコストが必要になる)。そうしなければ、UおよびVに対するスケール閾値はフルスケールで計算され、ハーフスケールのUおよびVデータに対して間違って適用されたはずである。本発明においては、Y、UおよびVデータをそれぞれ独立したものとして扱うので、アップサンプリングをおこなう必要はなくなる。いずれの場合でも、臨界閾値kに対する統計は累積され、適正なサイズに設定されたDCTブロック内に適用される。
【0082】
大半の文献では、勾配の絶対値を計算するために、よく知られているSobelエッジ演算子対(Sobel edge operator pair)を用いている。この計算では、8つの最も近い隣接物から得られたデータを用いることによって、勾配のXおよびY成分を計算する。これらの成分は、その後、2乗和平方根演算により結合される。しかしながら、この勾配計算法はあまりにも高くつきすぎる。
【0083】
本発明では、それほど高価ではない構造的(morpholgical)勾配を用いる。構造的勾配は、中心画素とそれに最も近い4つの隣接画素を用いる。また、後述する図11に示すように、わずか6回の比較と1回の減算をおこなうことが必要になるだけである。通常の状況下では、構造的勾配は、1画素幅のエッジを2画素幅に広げてしまうという欠点がある。しかしながら、異方性拡散の場合には、この潜在的欠点が逆に長所となる。エッジの両側の画素が、大きな勾配を有するものとして着目される。これにより、特にエッジがDCTブロック境界にまたがっている場合には、エッジを横切る拡散を抑制する望ましい効果をさらに改善することができる。
【0084】
拡散の異方性は、熱伝導率あるいは導電率に類似する局所変数により制御される。このパラメータgは、単調減少関数である。既に引用したPeronaおよびMalikらは、このような関数を2種類提案している。すなわち、ガウシアン指数関数およびラプラシアン関数である。文献においては、高コントラストのエッジを維持するという点では、ガウス関数のほうが有効であると述べられている。El−Fallahは、伝導度として勾配の逆数をとるべきであると提案している(El-Fallah A.およびFord G.、「非同次拡散および差分幾何学に基づく非線形適応画像フィルタリング」、Proc. of SPIE、第2182巻、1994年、第49〜63頁に記載されている。伝導度の計算に関するその教示については、本願も参考として援用している)。
【0085】
本発明は、ガウス法を取り入れている。なぜなら、ガウス法によれば、非常に少ない反復回数(すなわち、2回)で非常に大きな拡散が得られるからである。ガウス伝導度に対する公式は、以下の数15により与えられる。
【0086】
【数15】
【0087】
反復がおこなわれるたびに、各画素の4つの隣接画素のそれぞれについて伝導度gが計算される。ルックアップテーブルや多項式近似を用いた精密な計算は高くつくものである。なぜなら、kおよび勾配がともに変数であるからである(ただし、図15および図16を参照して後述する本発明の第2の実施形態ではルックアップテーブルを用いることには留意されたい)。したがって、本発明では、ガウス関数の代わりにクリップされた直線近似を用いる。変曲点(inflection point)におけるガウス関数の傾きに等しい傾きを有するこの直線は、その変曲点を通る。この直線は、gを0≦g≦1の範囲に維持するようにクリップされる。gは、以下の数16に基づきkから計算することができる。
【0088】
【数16】
【0089】
接している曲線(図12および図13)は、これにより良好な近似が得られることを示している。また、これにより、gを計算するのに必要なハードウェアが、(1)勾配にブロック当たりのパラメータを掛け、(2)その結果に定数を結合し、かつ(3)その結果をクリップするようにすることができる。
【0090】
まず図8を参照してシングルパスフィルタの動作を説明し、次に、図9に示すマルチパスフィルタを実現するためには、そのシングルパスフィルタをどのように改良すればいいかを説明することによって、このマルチプルパスフィルタの動作を以下に説明する。図8において、輝度フレームは、遅延素子207により1ライン間隔(1H)だけ遅延された後、(1H)遅延素子209により再び遅延される。これら2つの遅延素子207および209により供給された信号および原信号Yは勾配計算器210に与えられ、エッジ有意性閾値kが計算される。次に、CalcC2/kユニット215によって伝導度C2/kが決定される。
【0091】
次に、データは輝度プロセッサ220に送られ、処理される。プロセッサ220への入力信号は、CalcC2/kユニット215から与えられた伝導度定数C2/k、 FIFOバッファ206の出力信号、1ライン間隔(1H)だけ遅延された(212)FIFOバッファ206の出力信号、および再び1ライン間隔(1H)だけ遅延された(214)FIFOバッファ206の出力信号からなる。
【0092】
色差フレームCrおよびCbは、マルチプレクサ260によって多重化される。マルチプレクサ260の出力信号は、遅延素子267によって1水平ライン期間(H/2)だけ遅延された後、遅延素子269によって再び1水平ライン間隔(H/2)だけ遅延される。なお、色差信号の1ライン当たりのサンプル数は、輝度信号の1ライン当たりのサンプル数の2分の1である。その結果、H/2遅延素子を有する遅延ラインは、色差信号を1水平ライン間隔だけ遅延させる。また、マルチプレクサ260の出力信号は、FIFOバッファ補償遅延素子266にも格納され、さらに処理される。2つの遅延素子267および269によって供給された信号と、マルチプレクサ260の原出力信号とは、勾配計算器270に与えられ、エッジ有意性閾値が計算される。次に、CalcC2/k計算器275によって伝導度定数C2/kが計算される。
【0093】
次に、データは色差プロセッサ280に送られ、処理される。色差プロセッサ280への入力信号は、CalcC2/k回路275から与えられた伝導度定数C2/k、FIFOバッファ266の出力信号、遅延素子272によって1ライン間隔だけ遅延されたFIFOバッファ266の出力信号、および遅延素子274によって再び1ライン間隔だけ遅延されたFIFOバッファ266の出力信号からなる。
【0094】
適切なFIFOおよびマルチプレクサを用いることによって、2倍の画素クロックレートでランしている回路が、2つのパスを通した異方性拡散をおこなうことが可能になる。もし、ポストフィルタ回路を2倍の画素クロックで駆動すれば、適切な再循環回路を追加する場合には、ポストフィルタの2つのパスを通すだけの時間が得られることになる。この再循環回路を図9に示す。輝度フレームに対応する再循環回路は、バッファリングFIFO200と、(Y処理出力をマルチプレクサ205に接続する)再循環パスウェイと、第1のパスデータあるいは第2のパスデータのいずれかを選択するマルチプレクサ205と、第2のパスの出力を収集し、それを1倍の画素クロックに変換して戻す最終レート変更器であるFIFO225とを備えた(1倍画素クロックから2倍画素クロックへの)レート変更回路からなる。色差フレームに対応する再循環回路は、レート変更・バッファリングFIFO250および255と、(CrおよびCb処理出力をマルチプレクサ265に接続する)再循環パスウェイと、第1のパスデータあるいは第2のパスデータのいずれかを選択するマルチプレクサ265と、第2のパスの出力を収集し、それを1倍の画素クロックに変換して戻す最終レート変更器であるFIFO285および290と、CrおよびCb信号を1つの出力信号に結合するマルチプレクサ295とを備えている。
【0095】
図11は、図8および図9の回路におけるエッジ有意性閾値を決定するのに好適である勾配回路の一例を示すブロック図である。図10に示されている各イメージスキャンラインの画素は、図11の回路によって処理される。図10において、ラインOH上の画素Sは、現在のライン(1H)のすぐ下(つまり、現在のラインよりも1水平ラインだけ下)の画素を表現しており、ライン2H上の画素Nは、現在のラインのすぐ上(つまり、現在のラインよりも1水平ラインだけ上)の画素を表現している。ライン1H上の現在の画素を、以下の説明ではXと呼ぶ。画素EおよびWはそれぞれ、ライン1H上において、画素Xの直後および直前に生じる。
【0096】
画素SおよびNは、ラッチ609および611に格納された後、比較器610によって互いに比較される。絶対値が大きいほうの画素は、マルチプレクサ615により供給され、絶対値が小さいほうの画素は、マルチプレクサ620により供給される。一方、ライン1H上の現在の画素Xの直後および直前の画素である画素Eおよび画素Wを分離するために、一対の遅延604および605が用いられる。これら2つの画素は、比較器625によって互いに比較される。絶対値が大きいほうの画素は、マルチプレクサ630により供給され、絶対値が小さいほうの画素は、マルチプレクサ635により供給される。マルチプレクサ615によって供給された大きいほうの画素絶対値は、マルチプレクサ630によって供給された大きいほうの画素絶対値と比較器640で比較され、これら2つの値のうち大きいほうの値がマルチプレクサ645により供給される。マルチプレクサ620によって供給された小さいほうの画素絶対値は、マルチプレクサ635によって供給された小さいほうの画素絶対値と比較器650で比較され、これら2つの値のうち小さいほうの値がマルチプレクサ655により供給される。補償遅延素子663は、現在の画素Xを適正なタイミングで比較器660および670に送り、この画素に対応する最大周辺画素値と最小周辺画素値とを一致させる。マルチプレクサ645によって供給された最大周辺画素絶対値は、現在の画素Xと比較器660で比較され、絶対値が大きいほうの画素がマルチプレクサ665によって供給される。マルチプレクサ655によって供給された最小画素絶対値は、現在の画素Xと比較器670で比較され、絶対値が小さいほうの画素がマルチプレクサ675によって供給される。したがって、比較された5つの画素(S、X、N、EおよびW)のうち、最大絶対値がマルチプレクサ665によって供給され、最小絶対値がマルチプレクサ675によって供給される。これらの2つの値の差を減算器680により求めることによって、最終結果が得られる。その値が、現在の画素Xにおける構造的勾配となる。図14は、この結果がどのように用いられるかを示している。図11で計算された(図14における要素802である)勾配は、max素子808の一方の入力端子に与えられる。もう一方の入力端子は、DCTブロックに対するランニング最大値(running maximum)を受け取るように接続されている。ブロックにおける全画素について最大勾配が決定された後、最終的に(レジスタ810に)ラッチされた最大値を2で割ることによって(すなわち、1ビットだけ下位のビット位置にシフトすることによって)、そのブロックに対応するエッジ有意性閾値kを生成する。
【0097】
本発明者は、数16の定数C1およびC2の値を、それぞれ1.21および−0.85576と決定した。したがって、伝導度を表す数16は、以下の数17に変形される。
【0098】
【数17】
【0099】
C1およびC2の値は、ラスタスキャンデータに変換された後に処理される、各画素ブロックについて一定のままである。これに対して、kは各ブロックごとに変化する。図12および図13は、それぞれ、k=10の場合およびk=100の場合について、ガウス伝導度曲線とクリップされた直線近似曲線とを示している。
【0100】
図14は、図8および図9の回路における伝導度定数C2/kを決定するのに好適である回路の一例を示すブロック図である。maxモジュール801においては、(図11にその詳細を示す)勾配計算器802によって決定される現在の画素の勾配は、max比較器808に送られる。また、現在のブロックにおいて現在の画素行についてこれまでに得られたうちで最大の勾配runmax(row)もまた、runmax(row)を記憶するrunmax記憶領域806によってmax比較器808に送られる。max比較器808は、現在の画素の勾配をrunmax(row)と比較し、それらのうち大きいほうの値を供給する。クロックサイクル(clock tick)が0〜6の時、その比較結果がマルチプレクサ804に送られる。
【0101】
アドレス発生およびタイミング手段850は、回路におけるアドレス指定、読み出しおよび書き込みを制御する。ブロックの1行には、8つのクロックサイクル(0〜7)が存在する。
【0102】
また、比較器808によってなされた比較の結果は、1サイクル遅延810を介して、8画素行ごとにrunmax(row)を0にするマルチプレクサ812にも供給される。マルチプレクサ812は、サイクルが0の時、0またはrunmax(row)を供給し、スタティックRAM820に記憶されるようにする。また、比較器808によってなされた比較の結果は、サイクルが1の時に8画素行ごとにRAM820に記憶されるように送られる。この値が、画素ブロックの最大勾配kmax(block)である。
【0103】
本実施形態におけるRAM820は、シングルポート式のものである。したがって、読み出しおよび書き込みをスケジューリングするために遅延が用いられる。データは、クロックサイクルが0および1の時にRAM820中に書き込まれ、クロックサイクルが6および7の時にRAM820から読み出される。ピクチャの幅がW画素である場合、RAM820は2×(W/8)バイト位置を有している。すなわち、runmax(row)記憶用の(W/8)バイト位置と、kmax(block)記憶用の(W/8)バイト位置である。アドレス発生器850は、新しい画素ブロックの始端以前に、0をrunmax(row)内にロードするようにマルチプレクサ812を制御する。また、アドレス発生器850は、各ブロックの終端においてkmaxの値をクロックアウト(clock out)するようにレジスタ816を制御する。このように、たとえ処理をラスタスキャン順でおこなっていても、基礎となるブロック構造は、部分的な結果を正しいブロックに加え、かつ各ブロックに正しいkの値を与えてフィルタリングすることにより、非明示的ではあるが追従していくことができる。RAM820は、1スライスにおける全DCTブロックを見失わないようにするのに十分な数の記憶位置を有している。
【0104】
クロックサイクルが6である時、runmax(row)はRAM820から読み出され、1サイクル遅延の後にマルチプレクサ804に送られ、runmax記憶領域806に供給される。クロックサイクルが7である時、kmax(block)はルックアップモジュール830に送られる。ルックアップモジュール830は、kmax(block)を受け取った後、それをROM834に送って、伝導度定数C2/kを決定する。その後、この値は、以下に説明するように輝度および色差処理において引き続き用いられる。
【0105】
異方性拡散は、本質的に反復プロセスである。各反復ごとに、エッジはわずかながらも鋭さを増し、平坦な領域はわずかながらもさらに平滑化されていく。このプロセスには、保存の条件(conservation condition)によって設定される自然限界(natural limit)がある。すなわち、現存する画素強度を超える値を1回の反復で4つの隣接画素に拡散させることはできない、ということである。したがって、平均すると、その強度のわずか4分の1のみを各隣接画素に与えられるのみである。これが、以下の数18に示されている全拡散公式における数値安定性条件λmax=1/4のもととなるものである。
【0106】
【数18】
【0107】
ここで、ΔIi=(Ii−Icenter)であり、i=4つの隣接画素である。
【0108】
この限界内において、拡散レートはkを設定することによって制御することができる。本質的には、強度の高いエッジの近傍では、より多くの拡散(平滑化)を生じさせることが可能となる。
【0109】
文献では、画像のセグメント化を目的として異方性拡散プロセスをその安定な終点に至らせることに最も大きな関心が寄せられている。既に引用したAlvarezらは、反復数を減らした場合の結果を報告している。本発明においては、λ=1/4である場合、異方性拡散を2回反復することによって、すべてのノイズの有効な除去が実現される。既に引用したSaint−Marcらは、ほんの数回の反復でエッジの最も有効な改善を実現できるが、ノイズをクリーニングするためには反復の時間を長くする必要があるという意見を述べている。本発明によれば、kを局所的に適応化することによって、わずかな反復回数で、ある種のノイズクリーニングを発生させることが可能になる。
【0110】
本発明によれば、2回目の反復でkを因子2により分解する場合(つまり、k2=0.5k1)に、2回反復方式での最良の結果が得られるということが見出された。kを一定に維持するか増加させると、過度のなまりが生じる。kの値の調整に関連して0.5よりも大きな因子を用いると、それ以上の拡散をなくすことができ、それによって第2のパスを意味のないものにすることができる。したがって、本発明のある実施形態においては、1回目の拡散反復が(例えば、図8および図9における素子205〜220において)発生した後、kは因子2により分解されて2回目の拡散反復で用いられる。
【0111】
図15は、図8および図9に示す回路において輝度処理をおこなうのに好適である回路の一例を示すブロック図である。この回路は、伝導度gを計算するのに必要なハードウェアを備えている。互いに異なる4セットの入力データN、E、WおよびSに対して同一の処理がおこなわれる。N、E、WおよびSは、それぞれ、現在の画素Xのすぐ上の画素、現在の画素Xのすぐ右の画素、現在の画素Xのすぐ左の画素、および現在の画素Xのすぐ下の画素を指す。画素S、E、WおよびNに対する処理は、それぞれボックス910、930、940および950内に示されている。
【0112】
画素Sを処理するために、OH(S画素、つまり現在の画素Xのすぐ下の画素)は、ラッチ911に格納された後、減算器913に与えられる。減算器913は、ラッチ912にラッチされている現在の画素Xを画素Sから引く。その結果が、数18におけるΔIi項となる。ΔIiの絶対値は、絶対値回路914により決定され、FIFOバッファ917に格納される。図14に示す回路から得られた伝導度定数C2/kにΔIiの絶対値を掛けた後、その結果を減算器920により伝導度定数C1から引くことによって、数18における因子giが得られる。その後、その結果は回路922にクリップされ、gを0≦g≦1の範囲に維持する。これにより、gは数16に従って近似される。このクリップされた値は、その後、FIFOバッファ917に記憶されていたΔIiとの積が乗算器924によって求められる。
【0113】
本発明の第2の実施形態においては、素子917、918、920、922および924の代わりにROM915が用いられる。本発明者は、C2/kを4ビット値として表現し、かつ、ΔIiの絶対値を8ビット値として表現することによって、数15によって与えられる計算の0.1dB内であるノイズ除去結果を得ることができるという結論を得た。したがって、合計12ビットが必要になるので、4kROMが用いられる。ROM915における値は、数18に従ってプログラムされる。本発明のこの実施形態においては、giの値は数15から決定できると考えられる。この例において、ROM915への入力値C2/kは、適正に量子化された入力値kに置き換えられる。
【0114】
画素E、WおよびNについても、上記した処理と同様の処理がおこなわれる。
【0115】
4つの隣接画素のそれぞれについてgi×ΔIi項を得た後、gi×ΔIi項の和が、加算回路960によって求められる。画素NおよびEに対するgi×ΔIi項は、加算器962によって加算され、画素WおよびSに対するgi×ΔIi項は、加算器964によって加算される。また、数18においてI(t0)項を表現する中心画素Xは、加算器966によってこの和に加えられる。これらの項が加算器968によって加算され、出力される。
【0116】
図16は、図8および図9の回路において色差処理に好適に用いられる回路の一例を示すブロック図である。この回路は、図15に示す回路がおこなう処理と同様の処理をおこなう。クロック制御器994が、この回路のタイミングを制御する。
【0117】
現在の画素Xは、FIFOバッファ992に格納されている。現在の画素Xに隣接する(つまり、すぐ上、すぐ下、すぐ右およびすぐ左の)4つの画素がマルチプレクサ980に供給される。この画素値から、減算器982によって現在の画素値が引かれる。この減算の結果は、数18のΔIi項となる。ΔIi項の絶対値は、絶対値回路983により決定され、FIFOバッファ984に記憶される。図14のルックアップモジュール830から得られた伝導度定数C2/kは、ΔIiの絶対値との積が取られた後、減算器987によって伝導度定数C1から引かれることによって、数18のgi項が得られる。その後、この結果は、回路988によりクリップされる。このクリップされた値と、FIFOバッファ984に記憶されていたΔIiとの積が、乗算器989によって求められる。その後、gi×ΔIi項は、加算器995によって、FIFOバッファ992に記憶されている(数18におけるI(t0)項を表現する)現在の画素Xとの和が取られて出力される。本発明の好ましい実施形態においては、要素984、986、987、988および989の代わりにROM985が用いられる。
【0118】
本発明のシステムはラスタスキャンフォーマットで復号化されたデータを対象として動作するので、以上の説明では本発明をMPEGおよびDVC圧縮に適用したが、量子化された空間周波数係数を用いて符号化されたビデオデータを復号化するどのようなシステムにも本発明は適用可能である。
【0119】
本願明細書では、具体的な実施形態のいくつかに言及しながら本発明を説明し記載したが、本発明は、以上に示した詳細に限定されるものではない。逆に、請求の範囲により規定される構成と等価である構成の範囲内にあり、かつ本発明の着想を超えることがなければ、細部についてはさまざまな修正を加えることが可能である。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば、低いハードウェアコストで、MPEG復号化信号からリンギングノイズアーティファクトを除去できる異方性ポストフィルタリンギングノイズ除去システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を含むシステムのブロック図である。
【図2】(従来の技術)ビデオ信号符号化システムの一例を示すブロック図である。
【図3】(従来の技術)マクロブロックの構造を示す図である。
【図4】(従来の技術)ピクチャのスライスを示す図である。
【図5】(従来の技術)図2に示す符号化器によって用いられるジグザグスキャン構造を示す画素図である。
【図6】(従来の技術)ビデオ信号復号化システムの一例を示すブロック図である。
【図7】本発明による異方性拡散フィルタの一例を示すブロック図である。
【図8】図6に示す本発明の実施形態において好適に用いられる回路を示すブロック図である。
【図9】図6に示す本発明の実施形態において好適に用いられる回路を示すブロック図である。
【図10】ライン上の各絵素(画素)の相対的位置を示すイメージスキャンラインを示す図である。
【図11】図7、図8および図9の各回路において閾値を決定するのに適した回路の一例を示すブロック図である。
【図12】臨界閾値10に対してガウス伝導度曲線とクリップされた直線近似曲線とを比較する、伝導度パラメータと勾配との関係を示すグラフである。
【図13】臨界閾値100に対してガウス伝導度曲線とクリップされた直線近似曲線とを比較する、伝導度パラメータと勾配との関係を示すグラフである。
【図14】図8および図9の各回路において伝導度定数を決定するのに適した回路の一例を示すブロック図である。
【図15】図8および図9の各回路において輝度を処理するのに適した回路の一例を示すブロック図である。
【図16】図8および図9の各回路において色差を処理するのに適した回路の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 符号化器
5 伝送システムおよびチャンネル
9 MPEG復号化器
13 異方性拡散フィルタ
Claims (19)
- 量子化された空間周波数圧縮技術を用いて符号化されたデータ値をデジタル的に復号化するビデオ信号復号化システムにおいて使用されるフィルタリング装置であって、前記フィルタリング装置は、画像復元から生じるリンギングノイズの範囲を抑圧するものであり、
前記フィルタリング装置は、
複数の復号化されたブロックを受け取る受け取り手段であって、前記複数の復号化されたブロックのそれぞれは、復元された画像フレームに含まれる複数の画素を含む、受け取り手段と、
前記受け取り手段に結合された異方性拡散フィルタリング手段と
を備え、
前記異方性拡散フィルタリング手段は、
k(block)=α*(0.5*actual max grad)に従って、前記復元された画像フレームの各ブロックに対する個別のしきい値kを計算する計算手段であって、αは、所定のファクタであり、actual max gradは、前記ブロックにおける最大のエッジ勾配である、計算手段と、
前記復元された画像フレームのブロックに含まれる複数の画素であって、隣接画素に対して前記個別のしきい値kより小さい差分値を有する複数の画素を選択的に組み合わせることにより、拡散された画素を生成する異方性フィルタと
を含む、フィルタリング装置。 - 前記画像フレームの前記ブロックにおける前記最大の勾配値から決定される伝導度によって前記異方性拡散フィルタリング手段を制御する手段をさらに備えた、請求項1に記載のフィルタリング装置。
- 前記伝導度は、等式g(gradient)=C1+[C2/k]*gradientによって計算され、
ここで、「g」は伝導度であり、「gradient」は前記最大の勾配値であり、「k」は前記しきい値であり、「C1」および「C2」は定数である、請求項2に記載のフィルタリング装置。 - C1が1.21に等しく、C2が−0.85576に等しい、請求項3に記載のフィルタリング装置。
- 前記最大の勾配値を決定する手段をさらに備え、
前記手段が、
現在の画素の大きさ値を4つの隣接画素の最大の大きさ値および最小の大きさ値と比較することにより、前記4つの隣接画素および前記現在の画素において最大の大きさ値および最小の大きさ値を決定する比較器手段と、
前記最大の大きさ値から前記最小の大きさ値を減算することによって、前記最大の勾配値を決定する減算器手段と
を含む、請求項1に記載のフィルタリング装置。 - 前記異方性フィルタは、前記受け取ったブロックをフィルタリングすることにより、しきい値より小さい値を有する複数のデータ値を選択的に抑圧するために、前記復元された画像フレームを処理する第1の処理と前記第1の処理の結果を処理する第2の処理とを実行するように構成されており、前記第2の処理において使用される前記しきい値は、前記第1の処理において使用されるそれぞれのしきい値の何分の1かであり、
前記フィルタリング手段は、
前記最大の勾配値を決定する手段をさらに備え、
前記手段が、
現在の画素の大きさ値を4つの隣接画素の最大の大きさ値および最小の大きさ値と比較することにより、前記4つの隣接画素および前記現在の画素において最大の大きさ値および最小の大きさ値を決定する比較器手段と、
前記最大の大きさ値から前記最小の大きさ値を減算することによって、前記最大の勾配値を決定する減算器手段と
を含む、請求項1に記載のフィルタリング装置。 - 前記フィルタリング手段は、前記第2の処理を実行する間に前記しきい値を2分の1に減少させる手段をさらに含む、請求項6に記載のフィルタリング装置。
- 前記異方性フィルタリングは、等式I(t1)=I(t0)+λ{Σi(gi*ΔIi)}に従って計算され、
ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は前記現在の画素と隣接する画素との間の大きさの差であり、I(t0)は前記現在の画素の大きさである、請求項1に記載のフィルタリング装置。 - 前記フィルタは、等式I(t1)=I(t0)+λ{Σi(gi*ΔIi)}に従ってプログラムされる読み出し専用メモリ(ROM)を用いてインプリメントされており、
ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は前記現在の画素と隣接する画素との間の大きさの差であり、I(t0)は前記現在の画素の大きさである、請求項1に記載のフィルタリング装置。 - 画像復元から生じるリンギングノイズの範囲を抑圧する方法であって、
前記方法は、
a)複数の復号化されたブロックを受け取るステップであって、前記複数の復号化されたブロックのそれぞれは、復元された画像フレームに含まれる対応する複数の画素を含む、ステップと、
b)前記受け取られた複数の復号化されたブロックを異方性拡散フィルタリングすることにより、前記複数の復号化されたブロックを選択的に処理するステップと
を包含し、
前記処理するステップは、
k(block)=α*(0.5*actual max grad)に従って、前記復元された画像フレームの各ブロックに対する個別のしきい値kを計算するステップであって、αは、所定のファクタであり、actual max gradは、前記ブロックにおける最大のエッジ勾配である、ステップと、
前記復元された画像フレームのブロックに含まれる複数の画素であって、隣接画素に対して前記個別のしきい値kより小さい差分値を有する複数の画素を選択的に組み合わせることにより、拡散された画素を生成するステップと
包含する、方法。 - c)前記画像フレームの前記ブロックにおける前記最大の勾配値から決定される伝導度によって前記異方性拡散フィルタリングを制御するステップをさらに包含する、請求項10に記載の方法。
- 前記伝導度は、等式g(gradient)=C1+[C2/k]*gradientによって計算され、
ここで、「g」は伝導度であり、「gradient」は前記最大の勾配値であり、「k」は前記しきい値であり、「C1」および「C2」は定数である、請求項11に記載の方法。 - C1が1.21に等しく、C2が−0.85576に等しい、請求項12に記載の方法。
- 前記最大の勾配値は、
現在の画素の大きさ値を4つの隣接画素の最大の大きさ値および最小の大きさ値と比較することにより、前記4つの隣接画素および前記現在の画素において最大の大きさ値および最小の大きさ値を決定するステップと、
前記最大の大きさ値から前記最小の大きさ値を減算することによって、前記最大の勾配値を決定するステップと
によって決定される、請求項10に記載の方法。 - 異方性拡散フィルタを用いて第1の処理を実行することにより、前記受け取られたブロックをフィルタリングするステップと、
前記異方性拡散フィルタを用いて第2の処理を実行することにより、前記第1の処理の結果をフィルタリングするステップと
をさらに包含し、
前記第2の処理において使用される前記しきい値は、前記第1の処理において使用される前記しきい値の何分の1かである、請求項10に記載の方法。 - 前記ステップb)は、前記第2の処理の間に前記しきい値を2分の1に減少させるステップをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
- 前記異方性拡散フィルタリングは、等式I(t1)=I(t0)+λ{Σi(gi*ΔIi)}に従って計算され、
ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は前記現在の画素と隣接する画素との間の大きさの差であり、I(t0)は前記現在の画素の大きさである、請求項10に記載の方法。 - 前記異方性拡散フィルタリングは、ROMを用いて行われる、請求項17に記載の方法。
- 前記ROMは、等式I(t1)=I(t0)+λ{Σi(gi*ΔIi)}に従ってプログラムされ、
ここで、「I(t1)」はフィルタリングされた値であり、「λ」は数値安定性条件であり、「gi」は現在の画素に対応する伝導度であり、「ΔIi」は前記現在の画素と隣接する画素との間の大きさの差であり、I(t0)は前記現在の画素の大きさである、請求項18に記載の方法。
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