JP4006864B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー素子を搭載した素子基板と、該パワー素子を制御するための制御回路基板とを分離して配置させた構造を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の半導体装置は、特開平6−45518号公報に記載されているように、その投影面積を小さくするために、パワー素子を下の階層に配置し、上の階層に制御回路基板を配置するという2階建ての形式で分離配置させた構造(以下、分離配置型半導体装置という)を有している。
【0003】
パワー素子(例えば電界効果トタンジスタ)におけるパワー素子をオンオフさせる信号が入力される制御端子(例えばゲート端子)を有し、この制御端子には抵抗素子が接続されるのであるが、上記構造においては、この抵抗素子は、制御回路部品として上の階層の制御回路基板に配置され、また、パワー素子の制御端子、入出力端子(例えばエミッタ端子)と制御回路とを接続するための配線部品が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記分離配置型半導体装置において、パワー素子の制御端子と抵抗素子との間に位置する配線部品は、下の階層のパワー素子が数百ボルト、数百アンペアの電圧、電流をスイッチングすることによって発生するスイッチングノイズを拾うアンテナの働きをする。ここで、アンテナ即ち配線部品の長さを長くすると、受信する周波数が増えるので、パワー素子の制御端子にはノイズがのりやすくなるという問題がある。
【0005】
さらに、パワー素子の制御端子にスイッチングノイズがのった場合、制御回路はあるパワー素子をオフ(OFF)している時に、ノイズによりそのパワー素子がオン(ON)してしまい、電源短絡状態に陥り、過大な電流がパワー素子を流れて破壊に至るという問題がある。
本発明は上記問題に鑑み、分離配置型半導体装置において、パワー素子の制御端子にスイッチングノイズがのりにくくすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、2階建ての分離配置型半導体装置において、パワー素子(2)をオンオフさせる信号が入力される制御端子と電気的に接続された抵抗素子(9b、21)を、該パワー素子と制御回路基板(11)との間に介在する配線部品(9)に、設けたことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、配線部品の長さが長くなっても配線部品の所望の位置に抵抗素子を設れば、抵抗素子からパワー素子の制御端子までの配線長を、配線部品の長さとは無関係に短くできるため、パワー素子の制御端子にスイッチングノイズがのりにくくすることができる。
また、請求項2記載の発明は、配線部品(9)に、パワー素子(2)の制御端子に入力される信号のノイズを除去するためのコンデンサ素子(9h)を設けたことを特徴とし、該パワー素子の制御端子にスイッチングノイズがのりにくくする効果をより増大させることができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、配線部品(9)に、抵抗素子(9b)を介してパワー素子(2)を駆動させる駆動回路を形成するための駆動回路部品(9c)を設けたことを特徴とし、この駆動回路部品によって該パワー素子のスイッチング制御を行うことができる。
また、請求項4記載の発明は、配線部品(9)に、パワー素子(2)をサージ電圧から保護するサージ保護回路を形成するためのサージ保護回路部品(25〜27)を設けたことを特徴とし、該パワー素子の適切な保護が図れる。
【0009】
また、請求項5記載の発明は、配線部品(9)に、パワー素子(2)を過電流から保護する過電流保護回路を形成するための過電流保護回路部品(28、29)を設けたことを特徴とし、該パワー素子の適切な保護が図れる。
なお、上記した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本第1実施形態に係る半導体装置100の構成断面を示す。半導体装置100は、パワー素子2を下の階層に配置し、上の階層に制御回路基板11を配置した2階建ての分離配置構造を持ち、制御回路基板11によってパワー素子2のスイッチングのオンオフタイミング等を制御するようにしたものである。
【0011】
1は樹脂成形されたケースで、パワー素子2、パワー素子基板(本発明でいう素子基板)3をはんだ4等で組付けた放熱板5を接着剤6により保持している。パワー素子基板3には、パワー素子2のコレクタ端子と導通するコレクタラインを形成する導体パターン7が形成されている。パワー素子2のゲート端子(本発明でいう制御端子)およびエミッタ端子(入出力端子)はボンディングワイヤ8、配線部品9、リード端子10を介して制御回路基板11と電気的に接続されている。
【0012】
配線部品9は、絶縁性且つ可撓性のある材料(例えばポリイミド等)からなる配線部材(本例ではフレキシブル基板9a)で作られており、接着剤を用いてパワー素子基板3に固定されている。配線部品9の詳細は後述する。
制御回路基板11は、ネジ12等によりケース1に固定されている。また、パワー素子3の主エミッタはボンディングワイヤ13を介してバスバー14に電気的に接続されている。このバスバー14は、図示していないが半導体装置100の外部端子も兼ねている。
【0013】
また、15はシリコンゲルであり、ボンディングワイヤ13が埋まる程度の深さまで、ケース1内に充填されている。そして、16はカバーであり、ネジ17によってケース1に固定されている。
ここで、図2、図3及び図4を参照して上記配線部品9の詳細を述べる。図2は配線部品9の展開図、図3は配線部品9の回路図、図4は半導体装置100の簡略化した回路図である。
【0014】
フレキシブル基板9aの片面には、ゲート抵抗素子(本発明でいう抵抗素子)9b、2個のゲート駆動トランジスタ(本発明でいう駆動回路部品)9cが半田付けにより組付けられており、これらゲート抵抗素子9b及びゲート駆動トランジスタ9cを含むゲートライン(図2中、ハッチングで図示)9dが形成されている。このゲートライン9dには、図2に示す様に、制御回路基板11からの信号が入力される。また、フレキシブル基板9aの片面には、制御回路基板11から電力が供給される電源ライン9f、Gnd(グランド)ライン9gが形成されている。
【0015】
そして、フレキシブル基板9aの他面には、エミッタライン9eがフレキシブル基板9aの全面を覆うほどの広さのあるパターンで形成され、ゲートライン9dとの間に浮遊容量、即ち図3に示すコンデンサ(本発明でいうコンデンサ素子)9hを形成させ、ノイズの逃げ道としている。なお、図4の回路図ではコンデンサ9hは省略してある。
【0016】
このエミッタライン9eは、フレキシブル基板9aを貫通してGndライン9gと導通するとともに、パワー素子2のエミッタ端子と接続するためにフレキシブル基板9aの片面に取り出されている(図2中、符号9iの部分)。
これら、各ライン9d〜9gは例えば銅箔等によりフレキシブル基板9aの各面にパターニング形成されている。なお、エミッタライン9eは、フレキシブル基板9aの内部に設けられていてもよい。この場合、例えばフレキシブル基板9aを2層構造のものとし、2層の間に銅箔をサンドイッチすることで、形成できる。
【0017】
そして、図4に示す様に、2個のゲート駆動トランジスタ9cによって駆動回路(ゲート駆動回路)が形成されており、該ゲート駆動回路によって、制御回路基板11からの信号に基づき、ゲート抵抗素子9bを介してパワー素子2のゲート端子(制御端子)に信号(ゲート電圧)を入力し、パワー素子2をオンオフさせるようになっている。
【0018】
ところで、従来構成は、上記構成においてゲート抵抗素子を制御回路基板11に設けたものに相当する。そのため、従来構成におけるゲート抵抗素子からパワー素子2のゲート端子までの配線長は、ボンディングワイヤ8の長さ+配線部品9上のゲートライン長さ+リード端子10の長さ+制御回路基板11上のリード端子10からゲート抵抗素子までの配線長、であった。
【0019】
それに対して、本実施形態のゲート抵抗素子9bからパワー素子2のゲート端子までの配線長は、ボンディングワイヤ8の長さ+配線部品9上のゲートライン9dにおけるゲート抵抗素子9bまでの配線長、に抑えることができる。従って、ノイズを拾うアンテナの長さを配線部品9の長さとは関係無く短くでき、パワー素子2のゲート端子にスイッチングノイズがのりにくくできる。
【0020】
また、本実施形態によれば、ゲートライン9dとエミッタライン9eの間にはフレキシブル基板9aを誘電体とするコンデンサ9hが形成される。該コンデンサ9hによって、ゲートライン9dにのってくるパワー素子2のオンオフ(ON/OFF)によるスイッチングノイズをエミッタライン9eに落とすことができ、パワー素子2のゲート端子に入力される信号のノイズを除去するため、上記のノイズ抑制効果が増大する。
【0021】
(第2実施形態)
本第2実施形態は、上記第1実施形態において配線部品9を変形したものであり、配線部品9にゲート抵抗素子だけを組付けたものである。この場合、上記ゲート駆動回路は制御回路基板11に設けられる。本実施形態に係る配線部品9を図5に示す。図5において、(a)は配線部品9の側方図、(b)は(a)のA矢視図、(c)は(a)のB矢視図である。
【0022】
本実施形態の配線部品9は、基本的に成形樹脂18を本体としており、この成形樹脂18に、金具としてインサート成形され保持されたエミッタターミナル19及びゲートターミナル20が設けられている。
エミッタターミナル19は、ゲートターミナル20と面で向き合うような形状にしていることで、ゲートターミナル20との間に浮遊容量を作りだし、成形樹脂18を誘電体とするコンデンサ(本発明でいうコンデンサ素子)を形成している。そして、ゲート抵抗素子(本発明でいう抵抗素子)21はゲートターミナル20にはんだ22で組付けられている。
【0023】
図6に、図5に示す配線部品9の実際の搭載の様子を示す。なお、図6中、配線部品9以外の他の構成部分は図1と同一であり、図1と同一符号を付してある。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、ゲート抵抗素子21からパワー素子2のゲート端子までの配線長を、配線部品の長さとは無関係に短くできるため、パワー素子2のゲート端子にスイッチングノイズがのりにくくすることができる。また、コンデンサによる効果も上記コンデンサ9hと同様である。
【0024】
(第3実施形態)
本第3実施形態は、上記第1実施形態において配線部品9を変形したものであり、配線部品9に、パワー素子2をサージ電圧から保護するサージ保護回路を形成するためのサージ保護回路部品を設けたものである。本実施形態に係る配線部品9を図7に示す。図7はゲート駆動回路とサージ電圧からのサージ保護回路を配線部品9に搭載した例であり、(a)は配線部品9の平面図、(b)は(a)のC矢視図である。
【0025】
図7に示す配線部品9は、本体としてプリント基板や厚膜基板より構成された基板90aを有し、この基板90aの片面においてパワー素子2のコレクタとゲートとの間には、サージ保護回路を形成するサージ保護回路部品としての抵抗25及びツェナーダイオード26、27が搭載され、パワー素子2のスイッチングオフ時に発生するサージ電圧からパワー素子2を保護するようになっている。
【0026】
そして、エミッタライン9eは基板90aの内層に形成され、基板90aの片面に形成されたゲートライン9dとの間に、両ライン9d、9eの間に位置する基板90a部分を誘電体とするコンデンサが形成されている。本実施形態のコンデンサも、上記第1実施形態のコンデンサ9hと同様に、パワー素子2のゲート端子に入力される信号のノイズを除去する。
【0027】
また、基板90aの片面に形成されたゲートライン9d、電源ライン9f、Gndライン9gには、それぞれ、制御回路基板11と接続するためのリード部品23が電気的に接続され突設されている。
また、エミッタライン9eにおける基板90aの片面への取出し部9iと、ゲートライン9d及びサージ保護回路のパワー素子2への接続部分とには、それぞれ、パワー素子2の各端子に接続するためのターミナル24が電気的に接続され突設されている。
【0028】
図8に、サージ保護回路を含めた場合の半導体装置100の回路を簡略化して示す。なお、図8中、上記した信号ノイズ除去用のコンデンサは省略してある。パワー素子2の耐圧を超えるようなサージ電圧が、パワー素子2のコレクタ、エミッタ間に印加された時、ツェナーダイオード26、27を介してパワー素子2のゲートをオンさせてパワー素子2を保護するようになっている。こうして、上記第1実施形態と同様の作用効果が発揮されるのに加え、パワー素子の適切な保護が図れる。
【0029】
(第4実施形態)
本第4実施形態は、上記第1実施形態において配線部品9を変形したものであり、配線部品9に、パワー素子2を過電流から保護する過電流保護回路を形成するための過電流保護回路部品(トランジスタ等)を設けたものである。図9に過電流保護回路を含めた場合の半導体装置の回路を簡略化して示す。
【0030】
配線部品9において、パワー素子2のエミッタとゲートとの間には、過電流保護回路を形成する過電流保護回路部品としてのシャント抵抗28及び保護トランジスタ29が搭載される。
そして、パワー素子2のコレクタ電流の一部をシャント抵抗28に分流し、シャント抵抗28の両端の電圧が一定値を超えたときに、保護トランジスタ29がオンして、パワー素子2のゲート信号が低くなってパワー素子2を流れる電流を制限することで、過電流からパワー素子2を保護するものである。
【0031】
(他の実施形態)
なお、パワー素子としては、上記実施形態に示したIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)に限定されることはなく、パワー素子をオンオフさせる信号が入力される制御端子を有するものであれば、電界効果型トランジスタ、バイポーラトランジスタ等、何でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構成断面図である。
【図2】図1に示す配線部品の展開図である。
【図3】図1に示す配線部品の回路図である。
【図4】図1に示す半導体装置の簡略化した回路図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る配線部品を示すもので、(a)は側方図、(b)は(a)のA矢視図、(c)は(a)のB矢視図である。
【図6】図5に示す配線部品を用いた半導体装置の構成断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る配線部品を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のC矢視図である。
【図8】上記第3実施形態に係る半導体装置の簡略化した回路図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の簡略化した回路図である。
【符号の説明】
2…パワー素子、3…パワー素子基板、9…配線部品、
9b、21…ゲート抵抗素子、9c…ゲート駆動トランジスタ、
9h…コンデンサ、11…制御回路基板、25…抵抗、
26、27…ツェナーダイオード、28…シャント抵抗、
29…保護トランジスタ。
Claims (5)
- パワー素子(2)を搭載した素子基板(3)と、前記パワー素子を制御するための制御回路基板(11)とを、上下の階層に分離して配置させた、2階建ての分離配置構造を有する半導体装置において、
前記パワー素子は、前記パワー素子をオンオフさせる信号が入力される制御端子を有するものであり、
前記パワー素子と前記制御回路基板との間には、前記パワー素子と前記制御回路基板との電気的接続をとるための配線部品(9)が介在設定され、
前記配線部品には、前記制御端子に電気的に接続された抵抗素子(9b、21)が設けられていることを特徴とする半導体装置。 - 前記配線部品(9)には、前記パワー素子(2)の制御端子に入力される信号のノイズを除去するためのコンデンサ素子(9h)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記配線部品(9)には、前記抵抗素子(9b)を介して前記パワー素子(2)を駆動させる駆動回路を形成するための駆動回路部品(9c)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記配線部品(9)には、前記パワー素子(2)をサージ電圧から保護するサージ保護回路を形成するためのサージ保護回路部品(25〜27)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置。
- 前記配線部品(9)には、前記パワー素子(2)を過電流から保護する過電流保護回路を形成するための過電流保護回路部品(28、29)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
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