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JP4006943B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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JP4006943B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを含有するトナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トナー画像の高画質化を図るために、トナーを小粒径化(例えば3〜9μm)することが必要である。
しかして、水系媒体中で粒径を制御する重合トナーは、粉砕トナーと比較して小粒径化するためのエネルギーが少なく、しかも、粉砕に伴う微粉の発生などの問題がないことから有利である。
【0003】
ここに、重合トナーとしては、懸濁重合トナーおよび会合型トナーが知られており、前記会合型トナーは形状の制御が容易である点で好ましい。
【0004】
然るに、重合トナーは、帯電性が環境に依存しやすく、帯電性が経時的に変動して画像濃度が低下するなど、長期にわたり安定した画像を形成することができないという問題がある。
また、重合トナーを長期にわたり画像形成に使用すると、カブリやトナー飛散が発生しやすいという問題がある。
【0005】
一方、トナーにおける帯電性の向上を図るために荷電制御剤を使用することが知られており、粉砕トナーにおいては、その表面(粉砕による破断面)に露出した荷電制御剤により、所期の帯電性(荷電制御能)が付与される。
【0006】
しかしながら、重合トナーにおいては、荷電制御剤の使用による帯電性の向上効果が十分ではない。
例えば、荷電制御剤を含有する単量体組成物を懸濁重合して得られる重合トナーでは、当該荷電制御剤が粒子内部に偏在して表面に露出せず、所期の帯電性を付与することができない。
また、乳化重合法による樹脂粒子と荷電制御剤粒子とを融着させてなる乳化重合会合型トナーでは、当該荷電制御剤が遊離しやすいために荷電制御能の耐久性に劣り、さらに、遊離した荷電制御剤がキャリアや現像剤搬送部材などを汚染しすることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、帯電性の環境依存性が小さく、長期にわたり安定した画像を形成することができるトナーおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、長期にわたる画像形成に使用しても、カブリやトナー飛散を発生させないトナーおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、荷電制御剤の添加効果を十分に発揮することができるとともに、当該荷電制御剤の遊離に伴う汚染のないトナーおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のトナーは、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを含有するトナーにおいて、
樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて粒子の凝集と粒子間の界面消失とを同時に起こさせることにより着色粒子を形成・粒径成長させ、当該着色粒子の体積平均粒径が、最終的な体積平均粒径の0.2〜0.8倍になった時点で荷電制御剤粒子を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを塩析/融着させることにより、さらに粒径成長させて得られる着色粒子を有してなることを特徴とする。
【0009】
本発明の製造方法は、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを含有するトナーを製造する方法において、
樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて粒子の凝集と粒子間の界面消失とを同時に起こさせることにより着色粒子を形成・粒径成長させ、当該着色粒子の体積平均粒径が、最終的な体積平均粒径の0.2〜0.8倍になった時点で荷電制御剤粒子を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを塩析/融着させることにより、着色粒子の粒径成長を継続することを特徴とする。
【0010】
【定義】
(1)「荷電制御剤粒子」には、荷電制御剤からなる粒子のほか、荷電制御剤を含有する樹脂粒子が含まれる。
(2)「着色粒子」とは、少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着して得られる会合粒子をいい、塩析/融着工程において粒径成長する。着色粒子は、そのままで、または外添剤を添加することにより、トナー粒子を構成する。
(3)「着色粒子の最終的な体積平均粒径」とは、塩析/融着工程完了時の会合粒子(着色粒子)の体積平均粒径をいい、得られるトナー粒子の体積平均粒径(X)と一致する。
(4)「塩析/融着」とは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。塩析と融着とを同時に行わせるためには、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させる必要がある。
【0011】
【作用】
すなわち、荷電制御剤の効果を発揮させると同時に、荷電制御剤の遊離による汚染の問題を解消するため、荷電制御剤粒子を使用し、荷電制御剤自体の効果を発揮させると同時に汚染の問題を解消することができる。
塩析/融着により形成される着色粒子の粒子成長過程(体積平均粒径=0.2X〜0.8X、Xは、着色粒子の最終的な体積平均粒径である。)で荷電制御剤粒子を添加し、着色粒子中に存在させることにより、トナー粒子の表面近傍(深さ0.1X程度)から、粒子内部(深さ0.4X程度)の間に荷電制御剤を存在させることができる。このようなタイミングで荷電制御剤粒子を添加することにより、粒子表面に荷電制御剤を存在させる場合と異なり、所期の帯電性の付与と維持(耐久性)を図ることができるものである。
【0012】
着色粒子の粒子成長過程において、最終的な体積平均粒径(X)に対して、0.2X〜0.8Xになった時点で荷電制御剤粒子を添加し、さらに塩析/融着を継続し、着色粒子の体積平均粒子径が(X)となるまで粒子成長させる。
ここに、体積平均粒子径(X)は、2〜10μmとされ、好ましくは3〜9μmとされる。
会合粒子(着色粒子)の体積平均粒子径が0.2X未満の時に荷電制御剤粒子を添加すると、最終的に得られる着色粒子の表面近傍における荷電制御剤の量が不十分となり、所期の帯電性を発揮することができない。一方、会合粒子の体積平均粒子径が0.8Xを超えた後に荷電制御剤粒子を添加すると、最終的に得られる着色粒子が荷電制御剤粒子を確実に保持することができず、当該着色粒子から遊離した荷電制御剤粒子がキャリアや現像剤搬送部材を汚染することがある。また、当該着色粒子の表面に偏在する過剰量の荷電制御剤粒子により、帯電のリークが発生し、結果として、長期にわたる使用でカブリやトナー飛散などの問題を発生しやすい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
<トナー>
本発明のトナーは、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを含有するトナーである。
【0014】
<荷電制御剤粒子>
必須成分である荷電制御剤粒子を構成する荷電制御剤としては、特に限定されるものではなく、例えばニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩またはその金属錯体、カリックスアレン化合物等を挙げることができる。
【0015】
荷電制御剤として使用可能なサリチル酸金属錯体としては、下記一般式(I)で表される錯体を挙げることができる。
【0016】
【化1】
Figure 0004006943
【0017】
(式中、Mは、Al、Fe、Cr、ZrおよびZnから選ばれた金属元素を示し、R1 およびR2 は、それぞれ、同一または異なる有機基を示し、aおよびbは、それぞれ、1〜4の整数である。R1 またはR2 が複数存在する場合に、これらの基が結合して環を形成してもよい。)
【0018】
かかるサリチル酸金属錯体の具体例としては、下記式(1)〜(34)に示す化合物を挙げることができる。
【0019】
【化2】
Figure 0004006943
【0020】
【化3】
Figure 0004006943
【0021】
【化4】
Figure 0004006943
【0022】
【化5】
Figure 0004006943
【0023】
【化6】
Figure 0004006943
【0024】
【化7】
Figure 0004006943
【0025】
【化8】
Figure 0004006943
【0026】
荷電制御剤として使用可能なアゾ系金属錯体としては、下記一般式(II)で表される錯体を挙げることができる。
【0027】
【化9】
Figure 0004006943
【0028】
(式中、Mは、FeおよびCrから選ばれた金属元素を示し、X1 およびX2 は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わし、X1 とX2 は同じであっても異なっていてもよく、mおよびm’は1〜3の整数を表わし、R1 およびR3 は水素原子、C1〜18のアルキル、アルケニル、スルホンアミド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロキシ、C1〜18のアルコキシ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基またはハロゲン原子を表わし、R1 とR3 は同じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1〜3の整数を表わし、R2 およびR4 は水素原子またはニトロ基を表わし、A+ は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンを表わす。)
【0029】
かかるアゾ系金属錯体の具体例としては、下記式(35)〜(43)に示す化合物を挙げることができる。
【0030】
【化10】
Figure 0004006943
【0031】
【化11】
Figure 0004006943
【0032】
【化12】
Figure 0004006943
【0033】
荷電制御剤として使用可能なカリックスアレン化合物としては、下記一般式(III) で表される化合物を挙げることができる。
【0034】
【化13】
Figure 0004006943
【0035】
(nは4〜8の整数を示し、R1 は水素原子,フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリサイクリック基、アラルキル基、スルホン酸基を示し、R2 は水素原子、アルキル基、アリール基を示す。)
【0036】
かかるカリックスアレン化合物の具体例としては、下記式(44)〜(53)に示す化合物を挙げることができる。
【0037】
【化14】
Figure 0004006943
【0038】
【化15】
Figure 0004006943
【0039】
【化16】
Figure 0004006943
【0040】
<荷電制御剤粒子の含有割合>
本発明のトナーにおける荷電制御剤粒子の含有割合としては、通常0.1〜10.0質量%とされ、好ましくは0.3〜5.0質量%、更に好ましくは0.3〜2.0質量%とされる。荷電制御剤粒子の含有割合が過小であると、荷電制御剤の効果を十分に発揮することができない。一方、この含有割合が過大であると、荷電制御剤粒子が脱離しやすくなり、長期にわたり使用すると、カブリなどの問題が発生しやすくなる。
【0041】
<荷電制御剤粒子>
本発明のトナーを得るための塩析/融着工程に使用される荷電制御剤粒子は、界面活性剤を含む水系媒体中に荷電制御剤を分散することにより調製することができる。荷電制御剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。
荷電制御剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、機械的エネルギーを付与できるものであり、好ましくは「クレアミックス」、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
【0042】
水系媒体中に分散された荷電制御剤粒子の平均粒径は、通常0.05〜3.0μmとされ、好ましくは0.2〜2.0μmとされる。この平均粒径は、SLAD1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。
また、荷電制御剤粒子は、粒子径分布で3.0μm以上のものが5.0個数%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.1個数%以下である。
平均粒径が0.05μm未満である場合には、荷電制御剤の効果を十分に発揮することができず、平均粒径が3.0μmを超える場合には、塩析/融着工程で形成される会合粒子(着色粒子)中に均質に取り込むことができないため、得られるトナーは、帯電性に分布を生じやすく、長期にわたり使用すると、カブリなどの問題が発生しやすくなる。
【0043】
<画像形成方法および画像形成装置>
図1は、本発明のトナーを使用した画像形成方法を実施するための画像形成装置の概略構成図である。同図において、34は感光体であり、静電潜像形成体の代表例である。この感光体34は、アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるもので、矢印方向に所定の速度で回転する。本実施態様において、感光体34の外径は60mmである。
図1に示した画像形成装置において、図示しない原稿読み取り装置で読み取った画像情報に基いて、半導体レーザ光源31から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー32により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ33を介して、感光体34の表面上に照射して静電潜像を形成する。感光体34は、あらかじめ帯電器35により一様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に回転を開始している。
感光体34の表面上の静電潜像は現像器36により現像され、形成されたトナー像は、タイミングを合わせて搬送されてきた記録材(画像形成支持体)38に転写器37の作用により転写される。さらに感光体34と記録材38は分離器(分離極)39により分離されるが、トナー像は記録材38に転写担持されて、定着装置40へと導かれ定着される。
感光体34の表面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器41にて清掃され、帯電前露光(PCL)42にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器35により、一様帯電される。
なお、記録材は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
また、クリーニングブレード43は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体からなり、ウレタンゴムが最もよく用いられる。
【0044】
<結着樹脂>
本発明のトナーを構成する結着樹脂は、GPCにより測定される分子量分布で100,000〜1,000,000の領域にピークまたは肩を有する高分子量成分と、1,000〜20,000の領域にピークまたは肩を有する低分子量成分とを含有する樹脂であることが好ましい。
【0045】
ここに、GPCによる樹脂の分子量の測定方法としては、測定試料0.5〜5.0mg(具体的には1mg)に対してTHFを1cc加え、マグネチックスターラーなどを用いて室温にて撹拌を行って十分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後にGPCへ注入する。
【0046】
GPCの測定条件としては、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1ccの流速で流し、1mg/ccの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H,G3000H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,TSK guard columnの組合せなどを挙げることができる。また、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)またはUV検出器を用いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
【0047】
以下、樹脂粒子の構成材料および調製方法(重合方法)について説明する。
〔単量体〕
樹脂粒子を得るために使用する重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有させることが好ましい。
【0048】
(1)ラジカル重合性単量体:
ラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0049】
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0050】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0051】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0052】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0053】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0054】
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0055】
(2)架橋剤:
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0056】
(3)酸性基または塩基性基を有するラジカル重合性単量体:
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
【0057】
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物が挙げられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN-エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0058】
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
【0059】
〔連鎖移動剤〕
樹脂粒子の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、四臭化炭素およびスチレンダイマー等が使用される。
【0060】
〔重合開始剤〕
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ以上の温度で重合する事も可能である。
【0061】
〔界面活性剤〕
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
【0062】
<着色剤>
本発明のトナーを構成する着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0063】
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0064】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0065】
<外添剤>
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ましい。
【0066】
本発明のトナーは、着色剤、荷電制御剤以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には離型剤等が挙げられる。離型剤を含有するトナーを得る方法としては、塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に離型剤を添加してトナー中に包含する方法、離型剤を含有する樹脂粒子を塩析/融着させる方法等種々の方法で添加することができる。
【0067】
<離型剤>
任意成分として本発明のトナーを構成する離型剤としては、特に限定されるものではないが、下記一般式(IV)で示される結晶性のエステル化合物(以下、「特定のエステル化合物」という。)からなるものであることが好ましい。
【0068】
【化17】
一般式(IV):R1 −(OCO−R2 n
【0069】
(式中、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは1〜4の整数である。)
【0070】
<特定のエステル化合物>
特定のエステル化合物を示す一般式(IV)において、R1 およびR2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
炭化水素基R1 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5とされる。
炭化水素基R2 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26とされる。
また、一般式(IV)において、nは1〜4の整数とされ、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4とされる。
特定のエステル化合物は、アルコールとカルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成することができる。
最も好適な特定のエステル化合物としては、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステルを挙げることができる。
特定のエステル化合物の具体例としては、下記式(W1)〜(W22)に示す化合物を例示することができる。
【0071】
【化18】
Figure 0004006943
【0072】
【化19】
Figure 0004006943
【0073】
【化20】
Figure 0004006943
【0074】
<離型剤の含有割合>
本発明のトナーにおける離型剤の含有割合としては、1〜30質量%であることが好ましく、更に好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%とされる。
【0075】
<離型剤を含有する樹脂粒子>
離型剤を含有するトナーを得るために使用する「離型剤を含有する樹脂粒子」は、結着樹脂を得るための単量体中に離型剤を溶解させ、得られる単量体溶液を水系媒体中に分散させ、この系を重合処理することにより、ラテックス粒子として得ることができる。
かかる樹脂粒子の重量平均粒径は50〜2000nmであることが好ましい。結着樹脂中に離型剤を含有する樹脂粒子を得るための重合法としては、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法などの造粒重合法を挙げることができる。
【0076】
離型剤を含有する樹脂粒子を得るための好ましい重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、単量体中に離型剤を溶解してなる単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させる方法(以下、この明細書において「ミニエマルジョン法」という。)を挙げることができる。なお、水溶性重合開始剤を添加することに代えて、または、当該水溶性重合開始剤を添加するとともに、油溶性の重合開始剤を前記単量体溶液中に添加してもよい。
【0077】
ここに、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10〜1000nmとされ、好ましくは30〜300nmとされる。
【0078】
本発明のトナーは、樹脂粒子と、着色剤粒子と、荷電制御剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて得られる会合型のトナーである。また、離型剤を含有する樹脂粒子を塩析/融着させることで、離型剤が微細に分散されたトナーを得ることができる。
そして、本発明のトナーは、その製造時から表面に凹凸がある形状を有しており、さらに、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを水系媒体中で融着して得られる会合型のトナーであるために、トナー粒子間における形状および表面性の差がきわめて小さく、結果として表面性が均一となりやすい。このためにトナー間での定着性に差異を生じにくく、定着性も良好に保つことができるものである。
【0079】
<トナーの製造工程>
本発明のトナー(離型剤を含有するトナー)を製造する方法の一例としては、
(1)単量体に離型剤を溶解して単量体溶液を調製する溶解工程、
(2)得られる単量体溶液を水系媒体中に分散する分散工程、
(3)得られる単量体溶液の水系分散系を重合処理することにより、離型剤を含有する樹脂粒子の分散液(ラテックス)を調製する重合工程、
(4)得られる樹脂粒子と、前記着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて会合粒子(着色粒子)を形成し、当該着色粒子を形成・粒径成長させ、当該着色粒子の体積平均粒径が、最終的な体積平均粒径の0.2〜0.8倍になった時点で荷電制御剤粒子を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを塩析/融着させることにより、さらに粒径成長させる塩析/融着工程、
(5)得られる会合粒子を水系媒体中より濾別し、当該会合粒子から界面活性剤などを洗浄除去する濾過・洗浄工程、
(6)洗浄処理された会合粒子の乾燥工程から構成され、
(7)乾燥処理された会合粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程が含まれていてもよい。
【0080】
〔溶解工程〕
単量体に離型剤を溶解する方法としては特に限定されるものではない。
単量体への離型剤の溶解量としては、最終的に得られるトナーにおける離型剤の含有割合が1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜15質量%となる量とされる。
なお、この単量体溶液中に、油溶性重合開始剤および他の油溶性の成分を添加することもできる。
【0081】
〔分散工程〕
単量体溶液を水系媒体中に分散させる方法としては、特に限定されるものではないが、機械的エネルギーにより分散させる方法が好ましく、特に、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、機械的エネルギーを利用して単量体溶液を油滴分散させること(ミニエマルジョン法における必須の態様)が好ましい。
ここに、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば「クレアミックス」、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10〜1000nmとされ、好ましくは30〜300nmとされる。
【0082】
〔重合工程〕
重合工程においては、基本的には従来公知の重合法(乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法などの造粒重合法)を採用することができる。
好ましい重合法の一例としては、ミニエマルジョン法、すなわち、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、機械的エネルギーを利用して単量体溶液(離型剤が溶解された単量体溶液)を油滴分散させて得られる分散液に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させる方法を挙げることができる。
【0083】
〔塩析/融着工程〕
塩析/融着工程においては、上記の重合工程により得られる樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を添加し、前記樹脂粒子と、前記着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて会合粒子(着色粒子)を形成し、当該着色粒子を形成・粒径成長させ、当該着色粒子の体積平均粒径が、最終的な体積平均粒径(X)の0.2〜0.8倍(0.2X〜0.8X)になった時点で荷電制御剤粒子(分散液)を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを塩析/融着させることにより、さらに粒径成長させる。
【0084】
塩析/融着工程において、粒径成長している着色粒子の体積平均粒径は、インライン方式またはサンプリング方式で逐次測定され、この体積平均粒径に基いて荷電制御剤分散液を添加するタイミングを決定する。
着色粒子の体積平均粒径は、コールターカウンターTA−IIおよびコールターマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定されたものを示す。
【0085】
荷電制御剤を添加する際の着色粒子の体積平均粒径は、最終的な体積平均粒径(X)の0.2〜0.8倍とされ、好ましくは0.3〜0.7倍とされる。
着色粒子の体積平均粒子径が0.2X未満の時に荷電制御剤粒子を添加すると、最終的に得られる着色粒子の表面近傍における荷電制御剤の量が不十分となり、所期の帯電性を発揮することができない。一方、会合粒子の体積平均粒子径が0.8Xを超えた後に荷電制御剤粒子を添加すると、最終的に得られる着色粒子が荷電制御剤粒子を確実に保持することができず、当該着色粒子から遊離した荷電制御剤粒子がキャリアや現像剤搬送部材を汚染することがある。また、当該着色粒子の表面に偏在する過剰量の荷電制御剤粒子により、帯電のリークが発生し、結果として、長期にわたる使用でカブリやトナー飛散などの問題を発生しやすい。
【0086】
荷電制御剤を添加する際の着色粒子の形状としては、下記式で示される形状係数(円形度)の平均値(平均円形度)が0.800〜0.890の範囲であることが好ましい。
【0087】
【数1】
形状係数=(円相当径から求めた円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
【0088】
この理由としては明確ではないが、平均円形度が0.800未満である場合には、最終的に得られる着色粒子内部における荷電制御剤の分散が不均一になり、帯電量分布が広くなりやすく、カブリなどの問題を発生しやすい。
一方、平均円形度が0.890を超える場合には、球形化が進んだ時点での融着となり、荷電制御剤の融着サイトが減少するため、荷電制御剤の凝集体がトナー内部に発生しやすくなる。その結果、得られるトナーを長期にわたり使用すると、カブリや文字チリなどの問題を引き起こしやすく、また、電荷のリークが発生しやすく、高温高湿環境での帯電量の低下によるカブリやトナー飛散の問題を特に発生しやすい。
【0089】
塩析/融着工程において粒径成長している着色粒子の形状係数は、インライン方式の形状係数測定装置を使用し、形状をモニタリングすることができる。測定装置としては、FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)を挙げることができる。
【0090】
塩析/融着工程においては、樹脂粒子および着色剤粒子とともに、内添剤粒子なども融着させることもできる。
【0091】
塩析/融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
【0092】
塩析/融着工程に使用される着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。
着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは「クレアミックス」、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
【0093】
なお、着色剤(粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
【0094】
塩析/融着法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
【0095】
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0096】
さらに、前記水に無限溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等があげられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが好ましく、特に、2−プロパノールが好ましい。
【0097】
塩析/融着工程においては、塩析剤を添加した後に放置する時間(加熱を開始するまでの時間)をできるだけ短くすることが好ましい。すなわち、塩析剤を添加した後、樹脂粒子および着色剤粒子の分散液の加熱をできるだけ速やかに開始し、樹脂粒子のガラス転移温度以上とすることが好ましい。
この理由としては明確ではないが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。
加熱を開始するまでの時間(放置時間)は、通常30分以内とされ、好ましくは10分以内である。
塩析剤を添加する温度は特に限定されないが、樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが好ましい。
【0098】
また、塩析/融着工程においては、加熱により速やかに昇温させる必要があり、昇温速度としては、1℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度の上限は、特に限定されないが、急速な塩析/融着の進行による粗大粒子の発生を抑制する観点から15℃/分以下とすることが好ましい。
さらに、樹脂粒子および着色剤粒子の分散液が前記ガラス転移温度以上の温度に到達した後、当該分散液の温度を一定時間保持することにより、塩析/融着を継続させることが肝要である。これにより、トナー粒子の成長(樹脂粒子および着色剤粒子の凝集)と、融着(粒子間の界面消失)とを効果的に進行させることができ、最終的に得られるトナーの耐久性を向上することができる。
また、会合粒子の成長を停止させた後に、加熱による融着を継続させてもよい。
【0099】
〔濾過・洗浄工程〕
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で得られたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
【0100】
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
【0101】
なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
【0102】
〔外添剤の添加工程〕
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程である。
外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
【0103】
以上の製造方法においては、塩析/融着に供する樹脂粒子として離型剤を含有する樹脂粒子を使用したが、これに限定されるものではなく、通常の乳化重合法により得られる離型剤を含有しない樹脂粒子を使用することも可能である。
【0104】
ここで、「着色粒子の最終的な体積平均粒径」と一致するトナー粒子の体積平均粒径(X)は、2〜10μmである。これらのトナーの体積平均粒径は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定されたものを示す。
【0105】
さらに、本発明のトナーとしては、3.0μm以下の微粉トナー量が個数分布で全体の20個数%以下、さらに好ましくは2.0μm以下の微粉トナー量が10個数%以下であるのがよい。この微粉トナー量は大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて測定することができる。この範囲に粒径分布を調整するためには、塩析/融着段階での温度制御を狭くすることがよい。具体的にはできるだけすばやく昇温する、すなわち、昇温を速くすることである。この条件としては、前述の条件に示したものであり、昇温までの時間としては30分未満、好ましくは10分未満、さらに、昇温速度としては、1〜15℃/分が好ましい。
【0106】
また、本発明のトナーの形状としては、上記の形状係数(円形度)の平均値(平均円形度)が0.930〜0.980であることが好ましく、更に好ましくは0.940〜0.975とされる。
【0107】
この平均円形度を0.930〜0.980とすることで、トナーが有する形状をある程度不定形化することができ、熱の伝達を効率化することができ、定着性をより向上することができる。すなわち、平均円形度を0.980以下とすることで帯電サイトの表面存在量を向上することができ、帯電性を均一なものとすることができる。また、0.930以上の平均円形度とすることで、粒子の不定形度合いを抑制し、長期にわたる使用時のストレスによる帯電性の変化を一定にすることができ、長期にわたって画像を安定化することができる。
【0108】
また、形状係数の分布がシャープである(形状が揃っている)ことが好ましく、円形度の標準偏差は0.10以下であることが好ましく、下記式で算出されるCV値は20%未満であることが好ましく、さらに好ましくは10%未満である。
【0109】
【数2】
CV値=(円形度の標準偏差/平均円形度)×100
【0110】
円形度の標準偏差を0.10以下とすることで、形状が揃ったトナーとすることができ、トナー間での帯電量差を少なくすることができるため、帯電性を安定化することができ、解像度を向上することができる。また、CV値を20%未満とすることで、同様にシャープな形状分布とすることができ、帯電性の安定化効果をより顕著に発揮することができる。
【0111】
上記形状係数の測定方法は限定されるものではないが、例えばトナー粒子を電子顕微鏡で500倍に拡大した写真を撮影し、画像解析装置を使用し、500個のトナーについて円形度を測定し、その算術平均値を求めることで、平均円形度を算出することができる。また、簡便な測定方法としては、FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により測定することができる。
【0112】
<現像剤>
本発明のトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
【0113】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
【0114】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0115】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0116】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、以下において「部」は「質量部」を意味する。
【0117】
〔ラテックス調製例1〕
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
一方、上記式(W19)で表される化合物(以下、「例示化合物(W19)」という。)72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
循環経路を有する機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。
次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。
次いで、このラテックスに、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、80℃で、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、t−ドデシルメルカプタン13.7gからなる単量体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1)」とする。
【0118】
〔ラテックス調製例2〕
例示化合物(19)の添加量を60.0gとしたこと以外はラテックス調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(2)」とする。
【0119】
〔ラテックス調製例3〕
例示化合物(W19)に代えて、上記式(W18)で表される化合物(以下、「例示化合物(W18)」という。)96.0gを添加したこと以外はラテックス調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(3)」とする。
【0120】
〔ラテックス調製例4〕
例示化合物(W18)の添加量を120.0gとしたこと以外はラテックス調製例3と同様にしてラテックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(4)」とする。
【0121】
〔ラテックス調製例5〕
例示化合物(W19)に代えて、上記式(W20)で表される化合物(以下、「例示化合物(W20)」という。)72.0gを添加したこと以外はラテックス調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(5)」とする。
【0122】
〔ラテックス調製例6〕
例示化合物(W19)に代えて、上記式(W8)で表される化合物(以下、「例示化合物(W8)」という。)120.0gを添加したこと以外はラテックス調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(6)」とする。
【0123】
〔荷電制御剤分散液調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム=5.0gをイオン交換水100mlに攪拌溶解してなる溶液に、攪拌下、上記式(35)で表されるアゾ系鉄錯体T−77(保土谷化学工業(株)製,以下、「例示化合物(35)」という。)2gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散させた。大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で225nmであった。この分散液を「荷電制御剤分散液(1)」とする。
【0124】
〔荷電制御剤分散液調製例2〕
例示化合物(35)に代えて、上記式(1)で表されるサリチル酸クロム錯体(オリエント化学工業社製,以下、「例示化合物(1)」という。)2gを使用したこと以外は荷電制御剤分散液調製例1と同様にして、重量平均粒径が312nmの荷電制御剤分散液を得た。これを「荷電制御剤分散液(2)」とする。
【0125】
〔荷電制御剤分散液調製例3〕
例示化合物(35)に代えて、上記式(41)で表されるアゾ系クロム錯体(保土谷化学工業(株)製,以下、「例示化合物(41)」という。)4gを使用したこと以外は荷電制御剤分散液調製例1と同様にして、重量平均粒径が406nmの荷電制御剤分散液を得た。これを「荷電制御剤分散液(3)」とする。
【0126】
〔荷電制御剤分散液調製例4〕
例示化合物(35)に代えて、上記式(44)で表されるカリックスアレン系化合物(以下、「例示化合物(44)」という。)4gを使用したこと以外は荷電制御剤分散液調製例1と同様にして、重量平均粒径が516nmの荷電制御剤分散液を得た。これを「荷電制御剤分散液(4)」とする。
【0127】
〔荷電制御剤分散液調製例5〕
例示化合物(35)に代えて、上記式(29)で表されるサリチル酸系ジルコニア錯体(以下、「例示化合物(29)」という。)2gを使用したこと以外は荷電制御剤分散液調製例1と同様にして、重量平均粒径が367nmの荷電制御剤分散液を得た。これを「荷電制御剤分散液(5)」とする。
【0128】
〔荷電制御剤分散液調製例6〕
例示化合物(35)に代えて、上記式(4)で表されるサリチル酸系アルミニウム錯体(以下、「例示化合物(4)」という。)3gを使用したこと以外は荷電制御剤分散液調製例1と同様にして、重量平均粒径が218nmの荷電制御剤分散液を得た。これを「荷電制御剤分散液(6)」とする。
【0129】
〔荷電制御剤分散液調製例7〕
例示化合物(35)に代えて、上記式(7)で表されるサリチル酸系鉄錯体(以下、「例示化合物(7)」という。)4gを使用したこと以外は荷電制御剤分散液調製例1と同様にして、重量平均粒径が354nmの荷電制御剤分散液を得た。これを「荷電制御剤分散液(7)」とする。
【0130】
〔着色粒子製造例1Bk〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)20gを徐々に添加し、次いで、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液(1)」という。)を調製した。この着色剤分散液(1)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で112nmであった。この分散液を「着色剤分散液(1)」とする。
【0131】
調製例1で得られたラテックス(1)1250gと、イオン交換水2000mlと、上記のようにして得られた着色剤分散液(1)とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ攪拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が4.2μmになった時点で、荷電制御剤分散液(1)を全量添加し、さらに塩析/融着を継続し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥して着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子1Bk」とする。
なお、荷電制御剤分散液(1)を添加した時点における会合粒子(着色粒子)の形状係数の平均値をインライン方式の「FPIA−2000」(東亜医用電子(株)製)を使用し、試料分析量=0.3μリットル、検出粒子数=3000個の条件で測定したところ0.855であった。
【0132】
〔着色粒子製造例2Bk〜19Bk,製造例1C,1M,1Y〕
下記表1に従って、ラテックスの種類、荷電制御剤分散液の種類、着色剤の種類、荷電制御剤分散液を添加するタイミング(荷電制御剤分散液添加時における着色粒子の体積平均粒径および形状係数)、着色粒子の最終的な体積平均粒径の少なくとも1つの条件を変更したこと以外は製造例1Bkと同様にして、着色粒子2Bk〜19Bk,着色粒子1C,着色粒子1M,着色粒子1Yを製造した。ここに、着色粒子2Bkは、荷電制御剤分散液添加時における着色粒子の体積平均粒径が0.2X未満である点で比較用の着色粒子であり、着色粒子5Bkは、荷電制御剤分散液添加時における着色粒子の体積平均粒径が0.8Xを超える点で比較用の着色粒子であり、着色粒子14Bkは、荷電制御剤粒子を含有しない点で比較用の着色粒子である。
【0133】
【表1】
Figure 0004006943
【0134】
〔比較用着色粒子製造例1bk〕
スチレンアクリル樹脂100質量部と、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)10質量部と、例示化合物(W19)10質量部と、アゾ系鉄錯体〔例示化合物(35)〕1質量部とをヘンシェルミキサーにて乾式混合した後に、二軸押し出し機にて溶融混練し、次いで機械式粉砕機で粉砕し、気流分級機で分級し、比較用の着色粒子を得た。これを「比較用着色粒子1Bk」とする。
【0135】
〔比較用着色粒子製造例1c〕
カーボンブラックに代えてシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)10質量部使用したこと以外は比較用着色粒子製造例1bkと同様にして比較用の着色粒子を得た。これを「比較用着色粒子1c」とする。
【0136】
〔比較用着色粒子製造例1m〕
カーボンブラックに代えて顔料(C.I.ピグメントレッド122)10質量部使用したこと以外は比較用着色粒子製造例1bkと同様にして比較用の着色粒子を得た。これを「比較用着色粒子1m」とする。
【0137】
〔比較用着色粒子製造例1y〕
カーボンブラックに代えて染料(C.I.ソルベントイエロー93)10質量部使用したこと以外は比較用着色粒子製造例1bkと同様にして比較用の着色粒子を得た。これを「比較用着色粒子1y」とする。
【0138】
以上のようにして得られた着色粒子1Bk〜19Bk,1C,1M,1Yおよび比較用着色粒子1bk,1c,1m,1yの各々について、平均円形度、円形度の標準偏差、円形度のCV値、体積平均粒径(X)を測定した。結果を下記表2に示す。なお、着色粒子の円形度は「FPIA−2000」(東亜医用電子(株)製)を使用し、試料分析量=0.3μリットル、検出粒子数=3000個の条件で測定したものである。
【0139】
【表2】
Figure 0004006943
【0140】
上記の着色粒子の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を0.8質量%となる割合で添加するとともに、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を0.8質量%となる割合でそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナーを得た。これらの着色粒子およびトナーは、その形状および粒径などに関して差異がないものである。
このようにして得られたトナーの各々と、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアとを混合し、トナー濃度が6質量%の現像剤を調製した。これらの現像剤を、着色粒子1Bk〜19Bk、着色粒子1Y、着色粒子1M、着色粒子1C、比較用着色粒子1bk,比較用着色粒子1y、比較用着色粒子1m、比較用着色粒子1cに対応して、現像剤1Bk〜19Bk、現像剤1Y、現像剤1M、現像剤1C、比較用現像剤1bk,比較用現像剤1y、比較用現像剤1m、比較用現像剤1cとする。
【0141】
<実施例1〜16および比較例1〜4>
現像剤1Bk〜19Bkおよび比較用現像剤1bkの各々について、トナーリサイクル方式を有するデジタル複写機「7075」(コニカ製)を使用し、実写テストを実施した。
ここに、定着装置としては、下記のような具体的構成を有する加熱定着装置を用いた。
【0142】
〔定着装置〕
中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)のチューブ(厚み:120μm)で被覆することにより加熱ローラー(上ローラー)を構成し、鉄からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度48°、厚み2mm)で被覆することにより加圧ローラー(下ローラー)を構成し、当該加熱ローラーと当該加圧ローラーとを当接させて5.8mm幅のニップを形成させた。この定着装置を使用して、印字の線速を250mm/secに設定した。なお、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。定着温度は加熱ローラーの表面温度で制御した(設定温度175℃)。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
【0143】
〔評価〕
下記表3に示した現像剤を使用し、高温高湿環境(温度30℃,相対湿度80%)において、画素率3%の原稿を1枚間欠印字にて20万枚印字し、画像形成初期と20万枚形成後の画像濃度およびカブリ濃度、並びに帯電量を測定した。また、機内の現像器下部に飛散したトナーを目視で観察することにより、トナー飛散の発生の有無を確認した。
なお、画像濃度はベタ黒画像を使用し、その反射濃度をマクベス社製RD−918を使用し、絶対濃度で評価した。カブリ濃度はベタ白画像を使用し、マクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対濃度で評価した。結果を併せて下記表3に示す。
【0144】
【表3】
Figure 0004006943
【0145】
<実施例17および比較例5>
下記表4に示す組合せに従って、現像剤(1Bk/1Y/1M/1C)および比較用現像剤(1bk/1y/1m/1c)の各々を使用し、実施例1で使用したものと同様の構成の定着装置を備えた中間転写方式のデジタルカラー複写機「DocuColor 620」(富士ゼロックス社製)の改造機を用いて実写テストを実施することにより、形成画像の色差を測定した色味の変化の程度を評価した。
ここに、感光体のクリーニングはブレード方式を採用した。
また、定着装置におけるシリコーンオイルの塗布量は0.6mg/A4とした。
【0146】
評価方法としては、常温高湿環境(温度25℃,相対湿度80%)において、画素率25%のフルカラー原稿を連続印字にて5万枚印字し、画像形成初期と5万枚形成後のクロマの差を色差で評価した。色差は下記手法で測定した。
すなわち、1枚目の形成画像および5万枚目の形成画像各々における二次色(レッド、ブル ー、グリーン)のソリッド画像部の色を「Macbeth Color−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出した。
CMC(2:1)色差式で求められた色差が5以下であれば、形成された画像の色味の変化が許容できる程度といえる。
【0147】
【表4】
Figure 0004006943
【0148】
【発明の効果】
本発明に係るトナーは、帯電性の環境依存性が小さく、長期にわたり安定した画像を形成することができる。
本発明に係るトナーによれば、長期にわたる画像形成に使用しても、カブリやトナー飛散を発生させない。
本発明に係るトナーによれば、荷電制御剤の添加効果を十分に発揮することができるとともに、当該荷電制御剤の遊離に伴う汚染を発生させない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを使用した画像形成方法を実施するための画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
31 半導体レーザ光源
32 ポリゴンミラー
33 fθレンズ
34 感光体
35 帯電器
36 現像器
37 転写器
38 記録材
39 分離器
40 定着装置
41 クリーニング器
42 帯電前露光(PCL)
43 クリーニングブレード

Claims (2)

  1. 樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを含有するトナーにおいて、
    樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて粒子の凝集と粒子間の界面消失とを同時に起こさせることにより着色粒子を形成・粒径成長させ、当該着色粒子の体積平均粒径が、最終的な体積平均粒径の0.2〜0.8倍になった時点で荷電制御剤粒子を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを塩析/融着させることにより、さらに粒径成長させて得られる着色粒子を有してなることを特徴とするトナー。
  2. 樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを含有するトナーを製造する方法において、
    樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて粒子の凝集と粒子間の界面消失とを同時に起こさせることにより着色粒子を形成・粒径成長させ、当該着色粒子の体積平均粒径が、最終的な体積平均粒径の0.2〜0.8倍になった時点で荷電制御剤粒子を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子と荷電制御剤粒子とを塩析/融着させることにより、着色粒子の粒径成長を継続することを特徴とするトナーの製造方法。
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