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JP4007976B2 - 照明具 - Google Patents
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本発明は、自然石風の幾何学模様を有するガラス体を透過して柔らかい光を発散する新規な照明具に関する。
下記の特許文献1には、複数個のガラス粒を加熱して軟化融着し、ガラス粒の外周部分が針状のβ−ウオラストナイトの結晶となっているガラス物品が開示されている。これは、β−ウオラストナイトの結晶を生じやすい特殊な配合のバッチを溶融したガラスから形成した水砕物、粒体、小球、小破片、ムク棒をガラス粒として使用するものである。加熱温度は約1150℃で約5分保持する。
下記の特許文献2には、複数個のガラス粒を加熱して軟化融着し、ガラス粒の外周部分がNaO・2CaO・3SiOからなる結晶となっている結晶化ガラス材が開示されている。これは、NaO・2CaO・3SiOの結晶を生じやすい特殊な配合のバッチを溶融したガラスから形成したガラス粒を使用するものである。加熱温度は800〜950℃である。
特公昭55−29018号公報 特開平6−72741号公報
上記の従来技術は、天然石風の美感を有するガラス材に関するものであるが、いずれも特殊な配合のバッチを溶融したガラスからガラス粒を形成し、これを原料とするものである。したがって、原料のガラス粒を得るためにはかなりのエネルギー、手間、コストを必要とする。一方、現在市場にはガラスびんに代表されるソーダ石灰ガラスが多量に出回っており、資源としての再利用が課題となっている。
また、ガラス粒を焼成し、軟化融着させて製造したガラスパネルは衝撃強度が弱く、割れたときに破片が飛び散るので危険であり、照明具に使用することは考えられなかった。さらに、ものに取り付ける場合の取り付け方法が限定され、用途が狭いという問題があった。
本発明の第一の課題は、廃棄、回収されたこれらのソーダ石灰ガラスを破砕してガラスカレットとなったものを使用でき、照明具としてリサイクルする技術を開発することである。本発明の第二の課題は、自然石風の幾何学模様を有するガラス体の用途を広げ、照明具に利用できるようにすることである。
(構成1)本発明は、金属枠内に充填した複数のガラス粒を焼成し、前記金属枠内に、前記ガラス粒が一体化したガラス体を形成した枠付ガラスパネルを、光源を内包する函状の照明具本体の光を発散する部分に装着し、光が前記ガラス体を透過して発散することを特徴とする照明具である。
(構成2)また本発明は、筒状の金属枠内に充填した複数のガラス粒を焼成し、前記金属枠内に、前記ガラス粒が一体化したガラス体を、前記金属枠の一方の開放端部を閉塞するように形成し、前記金属枠内に光源を設け、光が前記ガラス体を透過して発散することを特徴とする照明具である。
金属枠の膨張係数(ステンレスの場合187×10−7/℃程度)がガラスの膨張係数(85×10−7/℃程度)よりも大きいため、焼成後に冷却すると金属枠が内部のガラス体を締め付けることとなり、ガラス体が金属枠から抜けることがないばかりか、ガラス体に圧縮応力が発生し、衝撃強度が強くなると共に、万一割れた場合でも破片が飛散しないで大部分が金属枠内に留まり、安全である。また、外周が金属であるため、穴加工したり、ビスで取り付けたり、溶接で取り付けたりできるので、種々の取り付け方法が可能となる。金属枠の材質は、焼成温度に耐えるものであれば特に限定されないが、例えば鉄鋼のように高温で酸化するものはスケールの発生があり、スケールの除去が必要となるので、ステンレスのようにスケールの発生のないものが好ましい。また、焼成後に金属枠をメッキ、塗装などすることで美感を高めることができる。
光源から出た光は自然石風の幾何学模様を有するガラス体を透過して柔らかい光を発散し、独特の雰囲気が演出される。
(構成3)また本発明は、前記構成1又は2の照明具において、前記ガラス粒がSi0を70〜73mass%、NaOを12〜14mass%、CaOを10〜12mass%、Alを1.5〜3.0mass%含有する組成であり、880℃〜960℃の温度で1〜2時間加熱して焼成し、ガラス粒を軟化融着させてガラス体を形成することを特徴とする照明具である。
(構成4)また本発明は、前記構成1〜3のいずれかの照明具において、前記ガラス粒がソーダ石灰ガラスカレットであることを特徴とする照明具である。
ソーダ石灰ガラスカレットを880℃〜960℃で1〜2時間加熱することにより軟化融着させて、泡のない幾何学的模様を持った平滑なガラス体が得られる。市場より回収される大部分のソーダ石灰ガラスびんの組成は、Si0が70〜73mass%、NaOが12〜14mass%、CaOが10〜12mass%、Alが1.5〜3.0mass%であるから、ソーダ石灰ガラスカレットの組成も同様となっている。したがって、本発明におけるガラス体は100%ソーダ石灰ガラスカレット(廃棄、回収されたソーダ石灰ガラスを破砕したガラスカレット)を原料のガラス粒として使用でき、美感に優れた照明具を安価、容易に製造でき、ガラスのリサイクルにも貢献する。
ソーダ石灰ガラスの組成から前記焼成温度で生成する結晶はデビトライト(NaO・3CaO・6SiO)である。カレット粒界より約0.5mm内側迄デビトライトが生成し乳白色を呈し、ガラス粒の内部は透明な非結晶のままとすることで、透光性を有する幾何学模様となる。このガラス体は自然石風の独特な風合いを持ち、研磨などの表面処理を施すことも可能である。
本発明におけるガラス粒の加熱処理温度は880℃〜960℃が好適である。880℃以下の場合、溶解したガラスの粘性が高く充分な流動性が得られないため平滑な表面が得られない、ガラス粒同士が完全に溶着しないため空洞が形成され、強度低下の要因となる、デビトライトの結晶の生成が充分でなく、明確な幾何学模様が得られない、という不都合が生じる。960℃以上の場合、カレット同士が完全に融合してしまい、結晶生成のトリガーとなる界面が失われるため、幾何学的模様が形成できない、という不都合が生じる。
(構成5)また本発明は、前記構成1〜4のいずれかの照明具において、前記ガラス粒の粒径が3〜15mmのものが90mass%以上であることを特徴とする照明具である。
ガラス粒の粒径は3mm以下の小さなものは粒子内の結晶化の比率が高くなり白濁する。このため、透明感が失われ透光性が低下するとともに幾何学模様が形成されない。15mm以上の大きいものは、ガラス粒の間に空隙が生じやすくなる。また、ガラスカレットはほとんど15mm以下のガラス粒で構成されているので、ガラスカレットを使用する観点からもガラス粒の粒径は3〜15mmとするのが合理的である。
(構成6)また本発明は、前記構成1〜5のいずれかの照明具において、前記ガラス粒が異なる色の2種類以上のガラスカレットを混合したものであることを特徴とする枠付ガラスパネルである。
異種カレットを併用すると、その特性を生かした模様をガラス体に形成することができる。最も簡単でデザイン的にも効果のあるのは、フリントガラス(無色透明ガラス)カレットをベースに着色カレットを混合して焼成する方法である。フリントガラスの中に着色カレットが点在し、着色カレットの粒度、添加率を変えることにより、種々の斑点模様の入った透光性のある美しいガラス体が得られる。特に、ガラスびんの場合、多種類の着色ガラスびんが市場に流通しているため、これらのカレットを活用するのが、リサイクルの観点からも望ましい。
(構成7)また本発明は、前記構成1〜5のいずれかの照明具において、前記ガラス体が、フリントガラスカレットから生成された第一の層と、着色ガラスカレット又は着色ガラスカレットとフリントガラスカレットの混合物から生成された第二の層とを有することを特徴とする照明具である。
ガラス体を厚く形成する場合、着色カレットのみで成形すると光の吸収が大きく充分な透光性が得られない。この場合、フリントガラス+着色ガラスの二層構造にすることにより、実質的に着色ガラス層を薄くすることで良好な透光性のあるガラス体が得られる。
(構成8)また本発明は、1〜7の照明具において、前記複数のガラス粒が、880℃〜960℃では結晶化しない組成の非結晶性ガラス粒を含むものであることを特徴とする照明具である。
880℃〜960℃で結晶が生成しないガラス粒を併用すると、その部分だけ透明度が高く光沢のあるガラスとなり、独特の美感を呈するガラス体を得ることができる。但し、併用するガラスの特性値として重要な点は、ソーダ石灰ガラスの膨張係数にできるだけ近似させることである。膨張係数の差が大きいと、粒子溶着界面に引張応力が発生し、クラックの発生、破損の原因となる。ちなみに、市場に流通する多くのソーダ石灰ガラスは約85×10−7cm/℃である。
どちらを多く使用するかで、状態は異なる。例えば、ソーダ石灰ガラスカレットを多く使用すれば乳白模様の中に透明な不規則な領域が形成され、逆に結晶化しない非結晶性ガラスカレットを多く使用すれば、透明ガラス内に乳白模様の島が点在するような模様が得られる。いずれにしても、デザイン的には魅力のあるものであり、着色ガラスとの組み合わせにより、その効果は増強される。
(構成9)また本発明は、前記構成1又は2の照明具において、前記ガラス体が、ソーダ石灰ガラスカレットにより第一の層を形成し、880℃〜960℃では結晶化しない組成の非結晶性ガラス粒により第二の層を形成し、これを880℃〜960℃で1〜2時間加熱して前記カレット又はガラス粒を軟化融着させてなるもので、前記第一の層のカレットの中の少なくとも一部のものが、外周部分が結晶化し内部が非結晶となっており、前記第二の層のガラス粒は非結晶となっていることを特徴とする照明具である。
第一層にフリントのソーダ・石灰ガラスカレットを第二層に結晶化しない非結晶性の着色ガラスカレットを使用することにより、カレットの周囲が結晶化した乳白色の第一層と結晶化していないほとんど透明な第二層の2層構造のガラスパネルとなる。非結晶の層を有するために、厚くて強度がある割りには光の透過性が飛躍的に優れたガラス体となる。また、独特の美感を呈するのでデザインの多様化が期待できる。
本発明照明具におけるガラス体は、原料のガラス粒として、特別な組成のガラスを溶融して形成する必要がなく、100%ソーダ石灰ガラスカレットを使用することができるので、きわめて容易、安価に製造できるばかりでなく、ガラスカレットの需要を促進しリサイクルにも貢献する。また、着色カレットや結晶化しないガラス粒を併用したり、2層構造とすることで、種々の美感を得ることができたり、透光性を改善することができる。
さらに本発明におけるガラス体は、衝撃強度が大きく丈夫であり、万一割れた場合でも大部分の破片が金属枠内に留まり飛散しないので安全である。また、金属枠を有するため照明具本体などに容易に取り付けることができる。また、各カレット粒子はデビトライトの圧縮層に覆われているため、耐熱衝撃強度が大幅に改善されている。熱衝撃強度は、通常のソーダライムは80℃差前後であるのに対し、このガラスパネルは200℃差以上でも破損しない。すなわち、光源により加熱されていて雨水がかかったとしても、熱衝撃による破損は起こらないといえる。
本発明の照明具は、光源から出た光が自然石風の幾何学模様を有するガラス体を透過し、柔らかい光となって発散するので、従来にない独特の雰囲気を演出することができる。
以下、実施例に関する図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は照明具1の断面図、図2は照明具1の正面図、図3は照明具10の断面図、図4は枠付ガラスパネル12の平面図、図5は金属枠2にガラス体3を形成する方法の説明図、図6は枠付ガラスパネルの製造方法の説明図である。
図1、2の照明具1は、筒状の金属枠2、ガラス体3、背面板4(鉄板)、光源5(電球)等からなる。金属枠2はステンレス製の円筒で、両端が開放されている。その正面側の端面を閉塞してガラス体3が形成されている。背面板4には光源5が取り付けられ、金属枠2の背面側の端面を閉塞するようにして、ビス6で取り付けられ、これにより光源5が金属枠2の内部に設けられている。
金属枠2にガラス体3を形成するには、図5に示すように、底枠8(鉄板)の上に金属枠2をセットし、この中に粒径3〜7mmのガラス粒7(フリントガラスカレット)を適量充填し、ほぼ均一に均す。これを加熱炉に入れ昇温速度200℃/時で930℃迄加熱する。930℃で2時間保持したのち、冷却速度100℃/時で室温迄冷却する。これにより、透光性があり、美しい石風の幾何学的模様を有するガラス体3が形成された。なお、金属枠2の内側には予め離型剤を塗布しておくことが望ましい。これにより、金属枠とガラスの境界付近においてガラスにクラックが入るのを防止できる。離型剤はカリオン、窒化ボロン、アルミナなどガラスと金属の接着を防ぐ物質である。
光源5を点灯すると、光源から出た光が自然石風の幾何学模様を有するガラス体3を透過し、柔らかい光となって発散するので、従来にない独特の雰囲気を演出することができる。また、自然石風の幾何学模様を有するガラス体3が発光して見え、照明具自体を美しく見せることができる。
図3の照明具10は、薄い鉄板で函状に形成された本体11内に光源15(蛍光灯)が設けられている。本体11の開放している端面に枠付ガラスパネル12がはめ込まれ、ビス16で固定されている。枠付ガラスパネル12は、長方形の金属枠13内に金属枠高さとほぼ同じ厚みのガラス体14を形成したもので、図6に示すように、底型8上に2個の金属枠13、13を重ねてセットし、これに粒径3〜7mmのガラス粒7(フリントガラスカレット)を適量充填し、ほぼ均一に均し、加熱炉で焼成したのち徐冷して製造した。ガラスカレットは、空隙を持つため、焼成後には体積が約半分となる。従って、焼成後は下の金属枠内にほぼ収まり、上の金属枠は空になって残る。空の金属枠は、次回の焼成時に利用できる。
光源15を点灯すると、光源から出た光が自然石風の幾何学模様を有するガラス体14を透過し、柔らかい光となって発散するので、従来にない独特の雰囲気を演出することができる。また、自然石風の幾何学模様を有するガラス体14が発光して見え、照明具自体を美しく見せることができる。
上記の実施例のガラス体を、前記したように、着色カレットや結晶化しないガラス粒を併用して形成したガラス体としたり、2層構造のガラス体とすることで、種々の美しい照明効果を有する照明具を得ることができる。
照明具1の断面図である。 照明具1の正面図である。 照明具10の断面図である。 枠付ガラスパネル12の平面図である。 金属枠2にガラス体3を形成する方法の説明図である。 枠付ガラスパネルの製造方法の説明図である。
符号の説明
1 照明具
2 金属枠
3 ガラス体
4 背面板
5 光源
6 ビス
7 ガラス粒
8 底枠
10 照明具
11 本体
12 枠付ガラスパネル
13 金属枠
14 ガラス体
15 光源
16 ビス

Claims (9)

  1. 金属枠内に充填した複数のガラス粒を焼成し、前記金属枠内に、前記ガラス粒が一体化したガラス体を形成した枠付ガラスパネルを、光源を内包する函状の照明具本体の光を発散する部分に装着し、光が前記ガラス体を透過して発散することを特徴とする照明具。
  2. 筒状の金属枠内に充填した複数のガラス粒を焼成し、前記金属枠内に、前記ガラス粒が一体化したガラス体を、前記金属枠の一方の開放端部を閉塞するように形成し、前記金属枠内に光源を設け、光が前記ガラス体を透過して発散することを特徴とする照明具。
  3. 請求項1又は2の照明具において、前記ガラス粒がSi0を70〜73mass%、NaOを12〜14mass%、CaOを10〜12mass%、Alを1.5〜3.0mass%含有する組成であり、880℃〜960℃の温度で1〜2時間加熱して焼成し、ガラス粒を軟化融着させてガラス体を形成することを特徴とする照明具。
  4. 請求項1〜3のいずれかの照明具において、前記ガラス粒がソーダ石灰ガラスカレットであることを特徴とする照明具。
  5. 請求項1〜4のいずれかの照明具において、前記ガラス粒の粒径が3〜15mmのものが90mass%以上であることを特徴とする照明具。
  6. 請求項1〜5のいずれかの照明具において、前記ガラス粒が異なる色の2種類以上のガラスカレットを混合したものであることを特徴とする照明具。
  7. 請求項1〜5のいずれかの照明具において、前記ガラス体が、フリントガラスカレットから生成された第一の層と、着色ガラスカレット又は着色ガラスカレットとフリントガラスカレットの混合物から生成された第二の層とを有することを特徴とする照明具。
  8. 請求項1〜7の照明具において、前記複数のガラス粒が、880℃〜960℃では結晶化しない組成の非結晶性ガラス粒を含むものであることを特徴とする照明具。
  9. 請求項1又は2の照明具において、前記ガラス体が、ソーダ石灰ガラスカレットにより第一の層を形成し、880℃〜960℃では結晶化しない組成の非結晶性ガラス粒により第二の層を形成し、これを880℃〜960℃で1〜2時間加熱して前記カレット又はガラス粒を軟化融着させてなるもので、前記第一の層のカレットの中の少なくとも一部のものが、外周部分が結晶化し内部が非結晶となっており、前記第二の層のガラス粒は非結晶となっていることを特徴とする照明具。
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