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JP4008779B2 - 2線式電磁流量計 - Google Patents
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JP4008779B2 - 2線式電磁流量計 - Google Patents

2線式電磁流量計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種プロセス系において導電性を有する流体の流量を測定する電磁流量計に関し、特に直流電源に接続された一対の信号線より外部電圧が供給され、この外部電圧を供給する一対の信号線に流れる出力電流を調整することによって計測値を出力する2線式電磁流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の2線式電磁流量計においては、測定管内を流れる流体の流れ方向に対してその磁界の発生方向を垂直として配置された励磁コイルへ所定周波数で矩形波状の励磁電流Iexを供給し、励磁コイルの発生磁界と直交して測定管内に配置された電極間に得られる信号起電力(流量に比例した信号)を検出し、この検出した信号起電力に基づいてCPUでの演算処理により計測値を0〜100%値として求め、この2線式電磁流量計に外部電圧を供給する一対の信号線に流れる電流(出力電流)を、上記求めた計測値に応じて4〜20mAの電流範囲で調整するようにしている。
【0003】
図5に従来の2線式電磁流量計の概略を示す。同図において、100は2線式電磁流量計、200は直流電源であり、2線式電磁流量計100には一対の信号線L1,L2を介して直流電源200からの外部電圧Vsが供給される。信号線L2には外部負荷RLとして例えば250Ωの抵抗が接続されている。また、直流電源200は、DC24Vとされている。この場合、2線式電磁流量計100に供給される外部電圧Vsは、直流電源200の電源電圧(DC24V)から外部負荷RLにおける電圧降下を差し引いた値とされる。
【0004】
2線式電磁流量計100において、1は測定管、2は測定管1内を流れる流体の流れ方向に対してその磁界の発生方向を垂直として配置された励磁コイル、3は第1のラインLAと第2のラインLBとの間に励磁電圧Vexを生成すると共に励磁コイル2へ矩形波状の励磁電流Iexを周期的に供給する励磁回路、4a,4bは励磁コイル2の発生磁界と直交して測定管1内に配置された検出電極、5は接地電極、6は検出電極4a,4b間に得られる信号起電力を検出し、この検出される信号起電力に基づいて計測値を求め、この求めた計測値に応じて直流電源200に戻される出力電流I(Iout)を4〜20mAの電流範囲で調整する流量測定出力回路である。
【0005】
励磁回路3は励磁電圧回路(定電圧回路)3−1と励磁電流調整回路3−2とスイッチ回路3−3とを有している。励磁電圧回路3−1は、トランジスタQ1とコンパレータCP1と基準抵抗RefとツェナーダイオードZD1と抵抗R1,R2とによって構成されており、ツェナーダイオードZD1と基準抵抗Refとの接続点に生じる基準電圧Vrefと抵抗R1とR2との接続点に生じる検出電圧Vpvとを比較し、VrefとVpvとを一致させるようにコンパレータCP1によってトランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間に流れる電流を制御することによって、ラインLAとLBとの間に励磁電圧Vexとして8.5Vの定電圧を生成する。
【0006】
励磁電流調整回路3−2は、抵抗R3,R4,R5とコンデンサC1とコンパレータCP2とスイッチSW5と抵抗R6とトランジスタQ2とによって構成されており、抵抗R1とR2との接続点に抵抗R3の一端が接続され、抵抗R3の他端がスイッチSW5を介して抵抗R4の一端に接続されている。抵抗R4の他端はラインLBに接続されている。また、抵抗R4の一端が抵抗R5を介してコンパレータCP2の非反転入力端に接続されており、コンパレータCP2の非反転入力端とラインLBとの間にコンデンサC1が接続され、コンパレータCP2の出力端がトランジスタQ2のエミッタに接続されている。トランジスタQ2のエミッタは、抵抗R6を介してラインLBに接続されると共に、コンパレータCP2の反転入力端に接続されている。
【0007】
スイッチ回路3−3は、スイッチSW1〜SW4によって構成されており、励磁電流調整回路3−2のトランジスタQ2のコレクタが、スイッチSW4とSW1との直列接続回路を介して、またスイッチSW3とSW2との直列接続回路を介してラインLAに接続されており、スイッチSW1とスイッチSW4との接続点P1とスイッチSW2とスイッチSW3との接続点P2との間に励磁コイル2が接続されている。
【0008】
スイッチ回路3−3は、流量測定出力回路6からの指令によって、スイッチSW1,SW3とスイッチSW2,SW4とを所定の周期で交互にオンすることにより、その極性が連続的に切り替わる矩形波状の励磁電流Iexを生成する。励磁電流調整回路3−2は、後述する流量測定出力回路6内に設けられたCPU6−4からの指令によってスイッチSW5のオン・オフを制御することにより、図6に示すように励磁電流Iexの値(波高値)を流量測定出力回路6における計測値に応じて多段階に切り替える。
【0009】
流量測定出力回路6は、信号起電力検出回路6−1と、サンプルホールド回路6−2と、A/D変換回路6−3と、CPU6−4と、D/A変換回路6−5と、電流調整回路(CCS)6−6と、これらの回路に電源電圧を供給する定電圧回路6−7とを有している。
【0010】
信号起電力検出回路6−1は、接地電極5の電位を基準として、電極4a,4b間に得られる信号起電力を検出する。サンプルホールド回路6−2は、信号起電力検出回路6−1が検出する信号起電力を入力とし、この信号起電力の値を極性が切り替わる直前でサンプルホールドする。A/D変換回路6−3は、サンプルホールド回路6−2によってサンプルホールドされた信号起電力(アナログ値)をデジタル値に変換し、CPU6−4へ送る。
【0011】
CPU6−4は、A/D変換回路6−3からの信号起電力に基づいて計測値(0〜100%)を求め、D/A変換回路6−5へ出力する。D/A変換回路6−5は、CPU6−4からの計測値(デジタル値)をアナログ値に変換し、電流調整回路6−6へ送る。電流調整回路6−6は、コンパレータCP3とトランジスタQ3と抵抗R7とを有し、コンパレータCP3によってトランジスタQ3のベース電流を調整することによって、トランジスタQ3のコレクタ−エミッタ間を流れる電流IccsをD/A変換回路6−5からの計測値に応じて調整する。
【0012】
また、CPU6−4は、A/D変換回路6−3からの信号起電力に基づいて求めた計測値に応じ、図6に示した関係で励磁電流Iexが励磁コイル2へ供給されるように、励磁回路3へ指令を与える。すなわち、CPU6−4は、スイッチ回路3−3へ指令を与え、スイッチSW1,SW3とスイッチSW2,SW4とを交互にオンさせることによって、その極性が連続的に切り替わる矩形波状の励磁電流Iexを励磁コイル2へ流す。また、CPU6−4は、励磁電流調整回路3−2へ指令を与え、計測値に応じたデューティ比(計測値に応じて段階的に設定されるデューティ比)でスイッチSW5のオン・オフを制御することによって、コンパレータCP2の非反転入力端への電圧値を調整し、トランジスタQ2に流れる電流の値、すなわち励磁コイル2に流れる励磁電流Iexの値を調整する。
【0013】
この2線式電磁流量計100では、励磁回路3と流量測定出力回路6とが信号線L1とL2との間に直列に接続されており、励磁回路3を流れる電流が流量測定出力回路6に流れ込んで、直流電源200に戻される出力電流Ioutとなる。図7にこの2線式電磁流量計100の回路構成を単純化して示す。
【0014】
例えば、CPU6−4での計測値が0%である場合、励磁回路3への励磁電流Iexの指示値は3.5mAとされる。励磁回路3では、励磁電圧回路3−1での励磁電圧Vexの生成やコンパレータCP2の非反転入力端への電圧値の設定などに0.5mAの電流が必要であり、励磁電流調整回路3−2を含む励磁電圧回路3−1側を流れる電流をIaとすると、励磁回路3を流れる電流I1は、I1=Ia+Iex=0.5mA+3.5mA=4mAとなる。
【0015】
この4mAの電流I1が流量測定出力回路6へ流れ込む。流量測定出力回路6では、定電圧回路6−7側に流れる電流をIbとした場合、この電流IbはCPU6−4などを駆動するために3mA必要であり、トランジスタQ3側を流れる電流Iccsが1mAに調整されるとすると、流量測定出力回路6を流れる電流I2(I2=Iccs+Ib)は4mAとなり、励磁回路3を流れる電流I1と流量測定出力回路6を流れる電流I2とが等しくなり、直流電源200に戻される出力電流Ioutが計測値0%を示す4mAとなる。
【0016】
CPU6−4での計測値が例えば10%となれば、CPU6−4は出力電流IoutをIout=4mA+1.6mA=5.6mAとするために、トランジスタQ3側を流れる電流Iccsを2.6mAに調整する。この場合、励磁回路3では、励磁電流Iex=3.5mAとされているために、励磁電流調整回路3−2を含む励磁電圧回路3−1側を流れる電流Iaは2.1mAとなる。
【0017】
〔励磁電流Iexの値を計測値に応じて多段階に切り替える理由〕
励磁電流Iexの値は、図6に示した関係に従い、CPU6−4での計測値に応じて多段階に切り替えられる。このような励磁電流Iexの値を多段階に切り替える方式を多点励磁切替方式と呼んでいる。多点励磁切替方式としないとすると、すなわち励磁電流Iexの値を3.5mAに固定すると、流体を貫く磁束密度が小さいため、信号起電力検出回路6−1で得られる信号起電力が小さく、流速に応じて電極4a,4bに重畳してくるノイズの影響を受けて出力が大きくふらつく。すなわち、高流量になるにつれて信号起電力に含まれるノイズの割合が高くなって、S/N比が低下し、安定した流量計測ができなくなる。
【0018】
信号起電力検出回路6−1で得られる信号起電力をeとすると、信号起電力eは、e=k・B・v・Dとして表される。なお、この式において、kは定数、Dは測定管1の口径、vは平均流速、Bは発生磁束密度である。ここで、Bは励磁電流Iexに比例し、励磁電流Iexを大きくすれば同じ流速でも信号起電力eが大きくなる。そこで、図5に示した従来の2線式電磁流量計100では、計測値に応じて、すなわち計測値に応ずる出力電流(4〜20mA)が大きくなれば、その大きくなった分を利用して、励磁電流Iexを大きな値に切り替えるようにしている。
【0019】
例えば、計測値が20%となると、励磁電流Iexの値が6.7mAに切り替えられる。すなわち、計測値20%に応ずる出力電流Ioutは7.2mAであり、励磁回路3ではIa=0.5mA必要なので、励磁電流Iexとして6.7mAまで流すことができる。計測値が40%となると、励磁電流Iexの値が9.9mAに切り替えられる。すなわち、計測値40%に応ずる出力電流Ioutは10.4mAであり、励磁回路3ではIa=0.5mA必要なので、励磁電流Iexとして9.9mAまで流すことができる。このように、計測値に応じて励磁電流Iexを大きな値に切り替えることにより、信号起電力eを大きくして、S/N比を向上させ、安定した流量計測が可能となる。
【0020】
この2線式電磁流量計100では、直流電源200から供給される外部電圧Vs、すなわち直流電源200の電源電圧DC24Vから外部負荷RLにおける電圧降下Iout×RLを差し引いた電圧Vsが励磁回路3と流量測定出力回路6とに分圧される。このため、励磁電圧回路3−1が生成する励磁電圧Vexは8.5Vと小さく、励磁コイル2へ供給される矩形波状の励磁電流Iexは、その励磁電流Iexの値が大きくなるほど立ち上がり時間が長くなる。
【0021】
図8は励磁電流Iexの値をIex=3.5mA、6.7mA、9.9mA、12mAと切り替えた場合の立ち上がり波形であり、励磁電流Iexの値が3.5mAと小さい場合には、同図に示す波形Iのように即座に立ち上がる。しかし、励磁電圧回路3−1が生成する励磁電圧Vexは変わらないため、励磁電流Iexの値が6.7mA、9.9mA、12mAと大きくなると、同図に示す波形II,III ,IVのようにように立ち上がり時間が長くなり、極性が切り替わる直前の定常域(Iexが所要値に達した後の平坦な波形部分)taが短くなる。
【0022】
サンプルホールド回路6−2では信号起電力eの値を極性が切り替わる直前でサンプルホールドする。例えば、信号起電力eの極性が切り替わる直前の5msの間の信号起電力eをサンプリングし、その平均値を保持する。励磁電流Iexの値が12mAの場合、励磁電流Iexの極性が切り替わる直前の定常域taは5ms程度であり、サンプリングされる信号起電力eはかろうじて安定した励磁電流Iexにより得られる値となる。
【0023】
しかし、励磁電流Iexの値が大凡ではあるが12mAを超えると、励磁電流Iexが変化している間の信号起電力eがサンプリングされるようになり、電極4a,4bに生じる渦電流などによって、流量の計測値に誤差が含まれるものとなる。このため、従来の多点励磁切替方式の2線式電磁流量計100では、計測値に応じて多段階に設定される励磁電流Iexの限界値を12mA程度としている。すなわち、励磁電圧Vexを8.5V、励磁電流Iexの最大値を12mAとし、Iex=3.5〜12mAの電流範囲において、5ms以上の定常域taを確保できるように電力設計が施されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の2線式電磁流量計100では、直流電源200から供給される電流I(I=Iin=Iout)よりも励磁電流Iexの値を小さくすることを条件としているため(I>Iex)、低流量域での励磁電流Iexが小さく、低流量域での流量測定の安定性が悪いという問題があった。
【0025】
すなわち、励磁電流Iexの値を供給電流Iよりも大きくした場合、例えば供給電流Iが4mA(計測値0%)のときのCPU6−4からの励磁回路3への指示値を4.8mAとした場合、励磁電流調整回路3−2は励磁電流Iexの波高値を4.8mAとするように制御する。一方、励磁電圧回路3−1のコンパレータCP1は、基準電圧Vrefと検出電圧Vpvとを比較し、励磁電圧Vexを8.5Vに保つように制御する。ツェナーダイオードZD1は数10μAの電流があれば定電圧を発生する。この場合、励磁電流Iexの立ち上がり波形が、図9に示すようにI=4mA付近に達すると、電力の供給が不足し始めるため、ツェナーダイオードZD1への電流が減少し、励磁電圧Vexとして8.5Vを保持できなくなり、励磁電圧Vexが降下し始める。この結果、供給電流Iを超えた付近から励磁電流Iexの立ち上がり波形が急激になまり、安定域taとして5msを確保できなくなる。
【0026】
このような理由から、従来の2線式電磁流量計100では、直流電源200から供給される電流Iよりも励磁電流Iexの値を小さくしている。このため、例えば0%〜20%の低流量域では、励磁電流Iexの値が3.5mAと小さく、流体を貫く磁束密度が小さいために、信号起電力検出回路6−1で得られる信号起電力が小さく、流量測定の安定性が悪いという問題が発生していた。
【0027】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、低流量域での励磁電流の値を大きくし、低流量域での流量測定の安定性を高めることのできる2線式電磁流量計を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、上述した2線式電磁流量計において、励磁回路の第1のライン(LA)と第2のライン(LB)との間に、すなわち励磁電圧回路によって一定に保たれる励磁電圧が生成される第1のラインと第2のラインとの間に、コンデンサを設けたものである。
この発明によれば、励磁コイルへの励磁電流Iexの値をその時の供給電流Iよりも大きな値として設定した場合(I<Iexの値)、励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流Iを超えるまでの間の設計上の余剰電力によって、第1のラインと第2のラインとの間に接続されたコンデンサに電荷が蓄えられる。励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流Iを超えると、励磁電圧回路にはコンデンサに蓄えられた電荷によって電流が補充されるため、励磁電圧回路への電流の減少による励磁電圧Vexの降下が抑制される、あるいは励磁電圧Vexが降下せずに一定値に保たれる。これにより、供給電流Iを超えた付近からの励磁電流Iexの立ち上がり波形の急激ななまりがなくなり、矩形励磁における励磁電流の充分な長さの定常域が確保されるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る2線式電磁流量計の一実施の形態の概略を示す図である。同図において、図5と同一符号は図5を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
【0030】
この2線式電磁流量計100Aにおいては、励磁回路3における励磁電圧回路3−1の前段のラインLAとLBとの間に、数百μF以上のコンデンサC2を接続している。なお、このコンデンサC2は、ラインLAとLBとの間にあればよく、励磁電圧回路3−1の後段のラインLAとLBとの間に接続するようにしてもよい。
【0031】
また、この2線式電磁流量計100Aにおいては、A/D変換回路6−3からの信号起電力に基づいて求めた計測値に応じ、図6に示した関係ではなく、図2に示された関係で定まる値の電流を励磁電流Iexとするように、励磁回路3へCPU6−4より指令を与えるようにしている。
【0032】
すなわち、計測値が0%〜5%未満の区間では励磁電流Iexの値を4.8mAとするように、計測値が5%〜20%未満の区間では励磁電流Iexの値を7.2mAとするように、計測値が20%〜100%の区間では励磁電流Iexの値を12mAとするように、CPU6−4より励磁回路3へ指令を送るようにしている。
【0033】
この2線式電磁流量計100Aにおいても、従来の2線式電磁流量計100と同様に、励磁回路3と流量測定出力回路6とが信号線L1とL2との間に直列に接続されており、励磁回路3を流れる電流が流量測定出力回路6に流れ込んで、直流電源200に戻される出力電流Ioutとなる。図4にこの2線式電磁流量計100Aの回路構成を単純化して示す。
【0034】
図4と図7の回路とを比較して分かるように、本実施の形態の2線式電磁流量計100Aでは、励磁回路3のラインLAとLBとの間にコンデンサC2を加えただけの極めてシンプルな構成とされている。
【0035】
〔計測値0%〜5%未満の区間〕
計測値が0%〜5%未満である場合、流量測定出力回路6のCPU6−4は、図2に示した関係に従って、励磁電流Iexの値を4.8mAとするように励磁回路3へ指示する。すなわち、CPU6−4は、計測値が0%から5%に達する直前まで、計測値が0%である時の供給電流I=4mAよりも大きな値を励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与える。
【0036】
なお、この例では、計測値が5%である時の供給電流IはI=4.8mAであるので、計測値が0%から5%に達する直前までの全区間において、その時の供給電流Iよりも大きな値が励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与えられることになる。
【0037】
例えば、今、計測値が0%で、出力電流Ioutすなわち供給電流Iが4mAとされているものとする。この場合、CPU6−4は、図2に示した関係に従って、励磁電流Iexの値を4.8mAとするように励磁回路3へ指示する。これにより、励磁電流調整回路3−2におけるスイッチSW5のオン・オフが制御され、トランジスタQ2に流れる電流の値、すなわち励磁コイル2に流れる励磁電流Iexの値がその時の供給電流であるI=4mAよりも大きい4.8mAとされる。
【0038】
この際、励磁電流Iexの立ち上がり波形は、図9に示されたような波形ではなく、図3に示すような5ms以上の定常域taが確保された波形となる。この時の励磁電流Iexの立ち上がり波形について説明する。励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流I=4mAを超えるまでの間は、図3に斜線W1で示す設計上の余剰電力があり、この余剰電力W1によってコンデンサC2に電荷が蓄えられる。
【0039】
励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流I=4mAを超えると、ツェナーダイオードZD1への電流が減少し、励磁電圧回路3−1が発生する励磁電圧Vexが降下されようとする。この時、ツェナーダイオードZD1にはコンデンサC2に蓄えられた電荷によって電流が補充されるため、励磁電圧Vexの降下が抑制される、あるいは励磁電圧Vexが降下せずに一定値に保たれる。これにより、供給電流I=4mAを超えた付近からの励磁電流Iexの立ち上がり波形の急激ななまりがなくなり、充分な長さの定常域taが確保されるようになる。図3に示した斜線W2はコンデンサC2に蓄えられた電荷によって補充された電力を示す。
【0040】
上述においては、計測値が0%である場合について説明したが、計測値が5%に達する直前までの全区間において同様の動作が行われる。これにより、計測値0%〜5%未満の全区間において、5ms以上の定常域taが確保された励磁電流Iexの立ち上がり波形が得られるものとなる。
【0041】
〔計測値5%〜20%未満の区間〕
計測値が5%〜20%未満である場合、流量測定出力回路6のCPU6−4は、図2に示した関係に従って、励磁電流Iexの値を7.2mAとするように励磁回路3へ指示する。すなわち、CPU6−4は、計測値が5%から20%に達する直前まで、計測値が5%である時の供給電流I=4.8mAよりも大きな値を励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与える。
【0042】
なお、この例では、計測値が20%である時の供給電流IはI=7.2mAであるので、計測値が5%から20%に達する直前までの全区間において、その時の供給電流Iよりも大きな値が励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与えられることになる。
【0043】
例えば、今、計測値が5%で、出力電流Ioutすなわち供給電流Iが4.8mAとされているものとする。この場合、CPU6−4は、図2に示した関係に従って、励磁電流Iexの値を7.2mAとするように励磁回路3へ指示する。
【0044】
この場合、励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流I=4.8mAを超えるまでの間の余剰電力によってコンデンサC2に電荷が蓄えられ、このコンデンサC2に蓄えられた電荷によって励磁電流Iexが供給電流I=4.8mAを超えている間のツェナーダイオードZD1への電流が補充され、励磁電圧Vexの降下が抑制される、あるいは励磁電圧Vexが降下せずに一定値に保たれるようになる。これにより、供給電流I=4.8mAを超えた付近からの励磁電流Iexの立ち上がり波形の急激ななまりがなくなり、充分な長さの定常域taが確保されるようになる。
【0045】
上述においては、計測値が5%である場合について説明したが、計測値が20%に達する直前までの全区間において同様の動作が行われる。これにより、計測値5%〜20%未満の全区間において、5ms以上の定常域taが確保された励磁電流Iexの立ち上がり波形が得られるものとなる。
【0046】
〔計測値20%〜100%の区間〕
計測値が20%〜100%である場合、流量測定出力回路6のCPU6−4は、図2に示した関係に従って、励磁電流Iexの値を12mAとする。すなわち、CPU6−4は、計測値が20%から100%に達するまで、計測値が20%である時の供給電流I=7.2mAよりも大きな値を励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与える。
【0047】
なお、この例では、計測値が50%である時の供給電流IはI=12mAであるので、計測値が20%から50%に達する直前までの区間において、その時の供給電流Iよりも大きな値が励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与えられ、計測値が50%〜100%までの区間は、その時の供給電流Iよりも小さな値が励磁回路3へ励磁電流Iexの指示値として与えられることになる。
【0048】
例えば、今、計測値が20%で、出力電流Ioutすなわち供給電流Iが7.2mAとされているものとする。この場合、CPU6−4は、図2に示した関係に従って、励磁電流Iexの値を12mAとするように励磁回路3へ指示する。
【0049】
この場合、励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流I=7.2mAを超えるまでの間の余剰電力によってコンデンサC2に電荷が蓄えられ、このコンデンサC2に蓄えられた電荷によって励磁電流Iexが供給電流I=7.2mAを超えている間のツェナーダイオードZD1への電流が補充され、励磁電圧Vexの降下が抑制される、あるいは励磁電圧Vexが降下せずに一定値に保たれるようになる。これにより、供給電流I=7.2mAを超えた付近からの励磁電流Iexの立ち上がり波形の急激ななまりがなくなり、充分な長さの定常域taが確保されるようになる。
【0050】
上述においては、計測値が20%である場合について説明したが、計測値が50%に達する直前までの全区間において同様の動作が行われる。これにより、計測値20%〜50%未満の区間において、5ms以上の定常域taが確保された励磁電流Iexの立ち上がり波形が得られるものとなる。
【0051】
なお、計測値が50%に達した以降は、その時の供給電流Iよりも小さな値が励磁回路3への指示値とされるので、ツェナーダイオードZD1への電流が減少するという状況が発生せず、コンデンサC2に蓄えられた電荷による電流の補充を行わなくても励磁電圧Vexは一定値に保たれる。この区間の励磁電流Iexの値は、12mAと充分に大きく、流量測定の安定性は確保されている。
【0052】
このようにして、本実施の形態では、低流量域での励磁電流Iexの値を大きくし、低流量域での流量測定の安定性を高めるこことができるようになる。
なお、上述した実施の形態では、計測値0%〜5%未満の全区間において、また、計測値5%〜20%未満の全区間において、その時の供給電流Iよりも大きな値を励磁電流Iexの指示値としたが、必ずしもこれらの全区間においてその時の供給電流Iよりも励磁電流Iexの指示値を大きな値としてなくもよい。例えば、計測値0%から10%までの間の励磁電流Iexの指示値を4.8mAとしたり、計測値5%から30%までの間の励磁電流Iexの指示値を7.2mAとしたりするなどとしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、励磁電圧回路によって一定に保たれる励磁電圧が生成される第1のラインと第2のラインとの間にコンデンサを接続したので、励磁コイルへの励磁電流Iexの値をその時の供給電流Iよりも大きな値として設定した場合(I<Iex)、励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流Iを超えるまでの間の設計上の余剰電力によって、第1のラインと第2のラインとの間に接続されたコンデンサに電荷が蓄えられ、このコンデンサに蓄えられた電荷によって励磁電流Iexの立ち上がり波形が供給電流Iを超えている間の励磁電圧回路への電流が補充されるため、励磁電圧Vexの降下が抑制される、あるいは励磁電圧Vexが降下せずに一定値に保たれるものとなり、供給電流Iを超えた付近からの励磁電流Iexの立ち上がり波形の急激ななまりがなくなって充分な長さの定常域が確保されるようになり、低流量域での励磁電流の値を大きくし、低流量域での流量測定の安定性を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る2線式電磁流量計の一実施の形態の概略を示す図である。
【図2】 この2線式電磁流量計における計測値に応じた励磁電流Iexの指示値を示す図である。
【図3】 この2線式電磁流量計において計測値0%〜5%未満における励磁電流Iexの指示値を4.8mAとした場合の計測値0%時の励磁電流Iexの立ち上がり波形を励磁電圧Vexと合わせて示す図である。
【図4】 この2線式電磁流量計の回路構成を単純化して示した図である。
【図5】 従来の2線式電磁流量計の概略を示す図である。
【図6】 従来の2線式電磁流量計における計測値と励磁電流Iexの指示値との関係を示す図である。
【図7】 従来の2線式電磁流量計の回路構成を単純化して示した図である。
【図8】 励磁電流Iexの値をIex=3.5mA、6.7mA、9.9mA、12mAと切り替えた場合の立ち上がり波形を例示する図である。
【図9】 従来の2線式電磁流量計において計測値0%〜20%未満における励磁電流Iexの指示値を4.8mAとした場合の計測値0%時の励磁電流Iexの立ち上がり波形を励磁電圧Vexと合わせて示す図である。
【符号の説明】
1…測定管、2…励磁コイル、3…励磁回路、3−1…励磁電圧回路、3−2…励磁電流調整回路、3−3…スイッチ回路、4a,4b…電極、5…接地電極、6…流量測定出力回路、6−1…信号起電力検出回路、6−2…サンプルホールド回路、6−3…A/D変換回路、6−4…CPU、6−5…D/A変換回路、6−6…電流調整回路、6−7…定電圧回路、CP1〜CP3…コンパレータ、Q1〜Q3…トランジスタ、R1〜R7…抵抗、Ref…基準抵抗、ZD1…ツェナーダイオード、C1,C2…コンデンサ、SW1〜SW5…スイッチ、LA…第1のライン、LB…第2のライン、L1,L2…信号線、RL…外部負荷、100A…2線式電磁流量計、200…直流電源。

Claims (1)

  1. 測定管内を流れる流体の流れ方向に対して直交する磁界を発生する励磁コイルと、
    前記測定管内を流れる流体の流れ方向および前記励磁コイルが発生する磁界の方向と直交する方向に発生する信号起電力に基づいて求めた流量計測値に応じて、外部電源が供給される一対の信号線に流れる出力電流を所定の範囲で調整する流量測定出力回路と、
    前記一対の信号線の間に前記流量測定出力回路と直列に接続され、前記出力電流の一部を励磁電流として前記励磁コイルに供給する励磁回路とを備え、
    前記励磁回路は、
    第1のラインと第2のラインとの間に所定の励磁電圧を発生する励磁電圧回路と、
    この励磁電圧回路からの励磁電圧よりその極性が連続的に切り替わる前記励磁コイルへの矩形波状の励磁電流を生成するスイッチ回路と、
    前記第1のラインと前記第2のラインとの間に前記スイッチ回路を介して前記励磁コイルと直列に接続され、前記流量測定出力回路によって調整される出力電流の大きさに応じて前記励磁電流の値を調整する励磁電流調整回路と、
    前記第1のラインと前記第2のラインとの間に設けられたコンデンサとを有し、
    前記流量測定出力回路は、
    前記励磁電流の値を指示する指示手段を有し、
    前記指示手段は、少なくとも前記流量計測値が0から所定値に達するまでの区間において、前記流量測定出力回路によって調整される出力電流の最小値よりも大きな値を前記励磁電流の値として指示し
    前記励磁電流調整回路は、前記指示手段により与えられる指示値に基づいて前記励磁電流の値を調整する
    ことを特徴とする2線式電磁流量計。
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